(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
先端側の絶縁被覆から導体が露出した電線先端部を有する被覆電線と、内部空間を備えた断面中空の圧着部を有する圧着端子とが、前記圧着部において、一対構成された端子加圧部材の圧着により圧着接続された接続構造体であって、
前記圧着部は、前記被覆電線における前記絶縁被覆の先端より露出する前記導体に圧着される導体圧着部と、前記絶縁被覆を圧着する被覆圧着部とが備えられるとともに、前記絶縁被覆の先端である被覆先端部から前記電線先端部の露出長さよりも長く形成され、
該導体圧着部に、
前記一対の端子加圧部材の一方における前記圧着端子の長手方向及び圧着方向と直交する方向の直交断面における前記圧着部の外周に対して接触する外周接触部に対応し、上面側において、前記長手方向と前記圧着方向とがなす基準平面を基準とした幅方向両側に、対称に形成された傾斜部を有する、底面側に向かって凹状となる凹部と、
底面側において、前記端子加圧部材の他方における前記外周接触部に対応し、前記基準平面を基準として対称となる押し込み凹部と、
前記圧着方向に移動した前記一対の端子加圧部材の間に対応して形成され、前記押し込み凹部の幅方向両端部が径方向内側に向けて窪んだ窪み部とが備えられ、
前記凹部の幅方向中央部に、上方に向かって凸状となる突出部が形成され、
該突出部が前記凹部における幅方向両端において上方に向かって傾斜する前記傾斜部における上端部分より突出しないように構成され、
前記押し込み凹部の幅方向中央部に、下方に向かって凸状となる突出部が形成され、
該突出部が、底面側において前記押し込み凹部を形成する幅方向両側部分の下端よりも突出しないように構成された
接続構造体。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
(実施例1)
図1は本実施形態の圧着接続構造体1についての説明図であり、詳しくは、
図1(a)は圧着前の幅方向Y中央部で分断した雌型圧着端子10の縦断斜視図、
図1(b)は圧着前の雌型圧着端子10と被覆電線200とを示す斜視図、
図1(c)は圧着後の雌型圧着端子10と被覆電線200、つまり圧着接続構造体1の斜視図である。
【0017】
図2は幅方向Y中央部で分断した圧着接続構造体1の縦断側面図である。
図3は圧着接続構造体1の圧着部30についての説明図であり、詳しくは、
図3(a)は、ボックス部20及び封止部34を透過した状態の圧着接続構造体1の圧着部斜視図、
図3(b)は
図2に示す長手方向Xの前方側X1から見た略U字状圧着部44AのA−A線矢視断面図である。
【0018】
本実施形態の圧着接続構造体1は、
図1、
図2に示すように、被覆電線200と雌型圧着端子10とを接続して構成している。
つまり、被覆電線200における電線先端部200aの先端側の絶縁被覆202を剥がしてアルミニウム芯線201を露出させた導体先端部201aを、雌型圧着端子10の圧着部30に圧着接続して構成している。
【0019】
上述の雌型圧着端子10に圧着接続する被覆電線200は、アルミニウム合金製のアルミニウム素線を複数本撚って1つに束ねてなるアルミニウム芯線201の外周全長を、絶縁樹脂で構成する絶縁被覆202で被覆して構成している。
【0020】
電線先端部200aは、被覆電線200の先端部分において、アルミニウム芯線201の導体先端部201aと絶縁被覆202の被覆先端部202aとを先端側へ向けてこの順に直列に配置した部分である。
【0021】
雌型圧着端子10は、
図1に示すように、該雌型圧着端子10の長手方向Xの先端側である前方から後方に向かって、図示省略する雄型コネクタにおける挿入タブの挿入を許容するボックス部20と、ボックス部20の後方で、所定の長さのトランジション部20aを介して配置された圧着部30とを一体に構成している。
【0022】
なお、上述の長手方向Xとは、圧着部30を圧着して接続する被覆電線200の長手方向Xと一致する方向であり、幅方向Yとは、長手方向Xに対して平面方向において交差する方向である。
該圧着部30に対するボックス部20の側を前方とし、逆に、ボックス部20に対する圧着部30の側を後方としている(
図1参照)。
【0023】
詳述すると、雌型圧着端子10は、表面が錫メッキ(Snメッキ)された黄銅等の銅合金(図示せず)で構成され、長手方向Xの前方側X1から見て中空四角柱体のボックス部20と、後方側X2から見て断面中空の圧着部30とからなるクローズドバレル型の端子である。
ボックス部20に挿入する挿入タブを備えた雄型圧着端子(図示せず)の圧着部30も同様の構造で構成している(
図1参照)。
なお、銅合金に限定せず、雌型圧着端子10をアルミニウム合金、あるいは導電性を有する適宜の金属などで構成してもよい。
【0024】
ボックス部20は、中空四角柱体の前方側X1内部に、長手方向Xの後方に向かって折り曲げられ、挿入される雄型コネクタの挿入タブ(図示省略)に接触する弾性接触片21を備えている。
該ボックス部20は、底面部22の長手方向Xと直交する幅方向Yの両側部に連設された側面部23a,23bを重なり合うように折り曲げて、長手方向Xの前方側X1から見て略矩形状に構成している。
【0025】
圧着前の圧着部30は、ボックス部20の底面部22後端に連続する圧着底面31と、長手方向Xの後方側X2から見て電線先端部200aを挿入可能に後方側X2のみが開口するとともに、先端側、及び周面部全体が開口していない略中空形状(筒状)の電線圧着部32で構成している(
図1(a)(b)参照)。
該圧着部30は、絶縁被覆202の被覆先端部202a及び被覆先端部202aより露出するアルミニウム芯線201の導体先端部201aの挿入を許容する内部空間を有している。
【0026】
なお、圧着部30の長手方向長さXb(
図1(b)参照)は、絶縁被覆202の長手方向X前方側の先端である被覆先端部202aaから、長手方向Xの前方で露出する導体先端部201aの長手方向Xの露出長さXwより長く形成している。
【0027】
また、圧着部30は、アルミニウム芯線201の導体先端部201aを圧着する導体圧着部30aと、絶縁被覆202を圧着する被覆圧着部30bとを、前方側X1から後方側X2に向けてこの順に連続して直列に配設して、一体で構成しており、圧着部30の内周は、絶縁被覆202の外径に応じた周長及び形状に形成している。
【0028】
導体圧着部30aは、電線先端部200aを圧着部30に挿入した状態において、アルミニウム芯線201の長手方向Xにおける前方側X1の導体先端部201aに相当する部分であり、導体先端部201aを囲繞可能な中空形状に形成している。
【0029】
被覆圧着部31bは、電線先端部200aを圧着部30に挿入した状態において、絶縁被覆202の長手方向Xにおける前方側X1の被覆先端部202aに相当する部分であり、被覆先端部202aを囲繞可能な中空形状に形成している。
なお、導体圧着部30a、及び被覆圧着部31bは、圧着前の状態においては互いに略同じ径をした筒状である。
【0030】
さらに、導体圧着部30aの内面には、アルミニウム芯線201を圧着した状態において、アルミニウム芯線201が食い込む、導体圧着部30aの内周に沿うセレーション33を、長手方向Xに所定間隔を隔てて3本形成している。
なお、セレーション33は、圧着部30の圧着底面31から電線圧着部32の両側内周に至るまで幅方向Yに連続する溝形状で形成している(
図1(a)参照)。
【0031】
また、圧着部30の先端部分には、圧着部30の内面同士を密着させ、前方から圧着部30の内部空間への水分の侵入を阻止する封止部34を形成している。
封止部34は、導体先端部201aの先端201aaよりも前方に突出する圧着部30の先端側を、上下方向に押しつぶすように、圧着部30の対向する圧着底面31と電線圧着部32との内面同士が密着する偏平状に変形した後、幅方向にレーザ溶接(例えば、ファイバーレーザ溶接)している。
【0032】
さらに、偏平状に変形してレーザ溶接した封止部分を、クリンパ治具等の型部材(図示せず)を用いて断面略U字状に変形させ、長手方向Xの前方側X1から見て幅方向Yに広い断面略U字状の凹状封止部34aを形成している(
図1(b)、
図2参照)。
なお、凹状封止部34aを形成してからレーザ溶接するか、凹状封止部34aを形成せず偏平状に変形したままでもよい。
【0033】
上述のように構成した雌型圧着端子10の圧着部30と被覆電線200とを圧着接続して構成する圧着接続構造体1について説明する。
上述したように、圧着接続構造体1は、上述した雌型圧着端子10の圧着部30と被覆電線200のアルミニウム芯線201とを圧着接続して構成している(
図1〜
図3参照)。
【0034】
詳しくは、被覆電線200における絶縁被覆202より先端側に露出するアルミニウム芯線201の導体先端部201aを、導体先端部201aの先端201aaの長手方向Xにおける位置が、圧着部30の封止部34よりも後方となるように、被覆電線200の電線先端部200aを、雌型圧着端子10の圧着部30に挿入する。
【0035】
このとき、圧着部30の長手方向長さXb(
図1(b)(c)参照)を、絶縁被覆202の長手方向X前方側の先端である被覆先端部202aaから、長手方向Xの前方で露出する導体先端部201aの長手方向Xの露出長さXw(
図1(a)参照)よりも長く形成している。
このため、被覆電線200の電線先端部200aは、導体先端部201aの先端201aaから、絶縁被覆202の被覆先端部202aaより後方側X2までが、圧着部30内に挿入される。
【0036】
上述のように電線先端部200aの被覆先端部202aaを圧着部30内の所定位置まで挿入した後、
図4に示す第1の圧着装置60Aにより、圧着部30全体を加圧して縮径方向に変形するとともに、被覆電線200の電線先端部200a及びアルミニウム芯線201の導体先端部201aが覆われるように変形させて、圧着部30とアルミニウム芯線201とを圧着接続する。
【0037】
このとき、圧着部30は、上述の封止部34よりも後方側X2に、長手方向Xの前方側X1から見て断面略U字状の略U字状圧着部44Aを形成することとなる(
図1(c)、
図2参照)。
略U字状圧着部44Aは、
図3(a)(b)に示すように、圧着部30の圧着底面31で構成する下面側が凸状の断面円弧状となり、上面側の幅方向Y中央部が断面凹状に凹む凹部45と、凹部45の幅方向Y両側部に、上面側に向けて突出する突起部46とで構成している。
【0038】
上述のような略U字状圧着部44Aとなるように圧着部30を圧着する第1の圧着装置60Aは、
図4、
図5に示すように、雌型圧着端子10の圧着部30の下側外周を加圧する下型61と、圧着部30の上側外周を加圧する上型62とで構成している。
【0039】
図4は第1の圧着装置60Aについての説明図であり、詳しくは、
図4(a)は圧着装置60Aの斜視図、
図4(b)は圧着装置60Aの側面図である。
図5は圧着装置60Aによる圧着部30の圧着方法についての説明図であり、詳しくは、
図5(a)は圧着装置60Aにより圧着部30を変形する圧着動作初期時の概略図、
図5(b)は圧着装置60Aにより圧着部30を変形して圧着接続した状態の概略図である。
【0040】
下型61は、圧着部30における導体圧着部30aの下側外周を変形する断面略U字状の前側受け部61aと、被覆圧着部30bの下側外周を変形する断面略U字状の後側受け部61bとを、長手方向Xの前方側X1と後方側X2とに配置して構成している(
図4(a)(b)参照)。
【0041】
前側受け部61aには、圧着部30の導体圧着部30aを、アルミニウム芯線201の導体先端部201aが挿入された状態のまま縮径変形するための断面略U字状の受け溝611を下方に向けて形成している。
【0042】
受け溝611は、圧着部30を径方向に圧着する圧着方向Zの下方側から上方側に向けて徐々に広くなる溝幅に形成するとともに、雌型圧着端子10の長手方向Xと圧着方向Zとがなす基準平面を基準として左右対称となる溝形状に形成している(
図4(a)、
図5(a)参照)。
なお、受け溝611における幅方向Y両側部の上端部間は、加圧前の略中空形状を有する導体圧着部30aの最大外径よりも幅狭となる間隔に設定している。
【0043】
受け溝611における幅方向Y両側部の上端部には、雌型圧着端子10の長手方向X及び圧着方向Zと直交する方向の直交断面における圧着部30の導体圧着部30aの下側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に点接触される外周接触部613をそれぞれ形成している(
図4中の二点鎖線、
図5(a)参照)。
【0044】
外周接触部613は、長手方向Xの前方側X1から見て滑らかな曲面を有しているため、圧着部30の導体圧着部30aを加圧する圧着動作初期時において、導体圧着部30aの下側外周に対して左右対称に点接触される。
【0045】
また、外周接触部613は、前記直交断面における圧着部30の導体圧着部30aの下側外周に対して左右対称に点接触される間隔を隔てて配置するとともに、導体圧着部30aの下側外周と幅方向Y両側部の外周接触部613との接触箇所が、前記基準平面を基準として左右対称となるように配置している(
図5(a)参照)。
【0046】
上型62は、導体圧着部30aの上側外周を変形する断面略凸状の前側加圧部62aと、被覆圧着部30bの上側外周を変形する断面逆略U字状の後側加圧部62bとを、長手方向Xの前方側X1と後方側X2とに配置して構成している。
【0047】
前側加圧部62aには、導体圧着部30aの上側外周を断面凹状に変形するための断面略凸状の突出部621を下方に向けて突出している。
突出部621の幅方向Y中央部の下端部には、前記直交断面における導体圧着部30aの幅方向Y中央部の上側外周に対して上述の凹部45を形成するための凹部形成部622を、下方に向けて凸な状態に突出している。
【0048】
凹部形成部622は、前記基準平面を基準として左右対称となる凸形状を有するとともに、上述した受け溝611及び突出部621よりも幅狭で、上述の凹部45が形成される長さ、幅及び高さに形成している。
【0049】
凹部形成部622の幅方向Y中央部の下端部には、前記直交断面における圧着部30の導体圧着部30aの上側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に点接触される外周接触部623を1箇所形成している。
【0050】
上述の突出部621及び凹部形成部622は、圧着する導体圧着部30aの長手方向Xと対応する長さに形成している。
つまり、導体圧着部30aを圧着する際、凹部形成部622及び外周接触部623は、前記直交断面における導体圧着部30aの幅方向Y中央部の上側外周に対して左右対称に点接触され、かつ長手方向Xに線接触される(
図5(a)参照)。
【0051】
外周接触部623は、長手方向Xの前方側X1から見て滑らかな平面を有しているため、導体圧着部30aを加圧する圧着動作初期時において、導体圧着部30aにおける径方向中心部Pを通る垂直な仮想基準線上の上側外周に対して左右対称に点接触される(
図5(a)参照)。
【0052】
上述のように構成した圧着装置60Aを用いて、雌型圧着端子10と被覆電線200とを通電可能に圧着接続する場合、予め被覆電線200の電線先端部200aを、雌型圧着端子10における圧着部30内の所定位置まで挿入しておく(
図2(b)参照)。
【0053】
電線先端部200aが挿入された圧着部30を、下型61と上型62とで保持した後(
図5(a)参照)、下型61と上型62とを圧着方向Zに動作させて、雌型圧着端子10の圧着部30を、被覆電線200の電線先端部200aに圧着接続する。
【0054】
つまり、圧着部30の導体圧着部30aを、下型61の受け溝611内に押し込みつつ幅方向Yに縮径させて略楕円形状に変形する(
図5(a)の二点鎖線参照)。
さらに、導体圧着部30aを受け溝611の底面部に至る位置まで深く押し込み、略U字状圧着部44Aとなるような圧着形状に変形させる(
図5(b)参照)。
【0055】
これにより、圧着部30の導体圧着部30aを、略U字状圧着部44Aとなるような圧着形状に変形させて、被覆電線200における電線先端部200aの先端側の絶縁被覆202より露出するアルミニウム芯線201の導体先端部201aに対して確実に圧着接続することができる(
図3(b)の長手方向Xから見た断面参照)。
【0056】
一方、圧着部30の被覆圧着部30bは、
図4に示す下型61の後側受け部61bと上型62の後側加圧部62bとで加圧して変形させ、絶縁被覆202の被覆先端部202aに圧着接続する。
【0057】
これにより、雌型圧着端子10と被覆電線200とを、止水性を確保しつつ、より強固に圧着接続することができ、雌型圧着端子10と被覆電線200とが圧着接続された圧着接続構造体1、すなわち、端子付き電線を製造することができる。
【0058】
詳しくは、圧着部30を、下型61と上型62とで保持する際に、圧着部30の導体圧着部30aを、下型61の前側受け部61aで受ける。
その際、最初に接触させる部分として、前側受け部61aにおける受け溝611の外周接触部613,613を、前記直交断面における導体圧着部30aの下側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に2箇所点接触させるとともに、導体圧着部30aの下側外周に沿って長手方向Xにそれぞれ線接触させる(
図5(a)参照)。
【0059】
続いて、上型62を圧着方向Zに移動させて、上型62の前側加圧部62aにおける突出部621の凹部形成部622を、前記直交断面における導体圧着部30aの幅方向Y中央部の上側外周に押し付ける。
該凹部形成部622の外周接触部623を、導体圧着部30aの幅方向Y中央部の上側外周に対して左右対称に1箇所点接触させるとともに、導体圧着部30aの上側外周に沿って長手方向Xに線接触させる(
図5(a)参照)。
【0060】
次に、下型61と上型62とを圧着方向Zに動作させて導体圧着部30aを変形する圧着動作初期時において、下型61の外周接触部613,613の点接触及び長手方向Xの線接触による抵抗と、上型62の外周接触部623の点接触及び長手方向Xの線接触による抵抗と、導体圧着部30aの上下外周に対する外周接触部613,623の食い込みによる抵抗とが、該導体圧着部30aの外周に対して左右対称に付与される。
【0061】
上述した複数の抵抗は、前記直交断面における導体圧着部30aの径方向中心部Pを中心とする回転が抑制される方向に左右対称に付与されるので、導体圧着部30aの向きや位置が変位することを防止できる。
【0062】
これにより、導体圧着部30aの真円度や硬度が高くても、導体圧着部30aを変形する圧着動作初期時において、圧着部30及び導体圧着部30aが径方向中心部Pを中心として回転あるいは捩れることを防止でき、常に一定の圧着挙動を確保することができる。
しかも、圧着部30を、左右対称に配置した外周接触部613,613の間に規制するため、圧着部30及び導体圧着部30aの向きや位置が変位することを防止できる。
【0063】
さらに、圧着部30の導体圧着部30aをアルミニウム芯線201の導体先端部201aに圧着接続する際、圧着部30及び導体圧着部30aに回転や捩れなどを生じさせることなく、所望の圧着形状に変形させてアルミニウム芯線201の導体先端部201aに対して確実に圧着接続することができる(
図5(b)参照)。この結果、安定した導電性を確保することができる。
【0064】
さらにまた、下型61の外周接触部613,613と上型62の外周接触部623とを、導体圧着部30aの周面に対して3箇所点接触及び長手方向Xに線接触させる。
これにより、一方の下型61の外周接触部613,613のみを導体圧着部30aの周面に接触させるよりも、導体圧着部30aの周面に対して左右対称に点接触及び線接触される箇所が多く、導体圧着部30aの回転を抑制する方向に左右対称に付与される抵抗が大きくなる。
この結果、導体圧着部30aが回転しにくく、雌型圧着端子10と被覆電線200とを、所望の圧着形状に変形させて圧着接続することができる。
【0065】
さらにまた、被覆電線200が接続された雌型圧着端子10を、
図9に示すコネクタハウジング300におけるキャビティなどの端子挿入穴内の所定位置まで確実かつスムースに挿入することができ、安定した挿入性が得られる。
【0066】
さらにまた、圧着部30の導体圧着部30aを、所望の圧着形状に変形してアルミニウム芯線201の導体先端部201aに圧着接続するため、導体圧着部30aと導体先端部201aとの間に隙間が生じにくく、止水性を確保することができる。
【0067】
圧着後において、導体圧着部30aの内部に水分が浸入することを防止できる。よって、銅や銅合金等の貴な金属である銅あるいは銅合金製の雌型圧着端子10と、卑な金属であるアルミニウムあるいはアルミニウム合金製のアルミニウム芯線201との接触部分に水分が付着することで生じる電食の発生を防止することができる。
【0068】
(実施例2)
上述の実施例1では、圧着部30の導体圧着部30aを、凹部45を有する略U字状圧着部44Aに圧着する第1の圧着装置60Aについて説明したが、凹部45を有しない略楕円形圧着部44Bに、
図6に示す第2の圧着装置60Bを用いて圧着してもよい。
【0069】
上述の略楕円形圧着部44Bは、圧着部30の導体圧着部30aを圧着装置60Bにより変形させて形成する。
該略楕円形圧着部44Bは、圧着部30の圧着底面31で構成する下面側が凸状の断面円弧状となり、上面側の幅方向Y中央部が上方に向けて断面円弧状に突出する凸状突出部44Baと、凸状突出部44Baの幅方向Y両側部が上面側に向けて凹状に窪んだ窪み部44Bbとで構成している(
図6(c)参照)。
【0070】
図6は第2の圧着装置60Bによる圧着部30の圧着方法についての説明図であり、詳しくは、
図6(a)は圧着装置60Bにより圧着部30を変形する圧着動作初期時の概略図、
図6(b)は圧着装置60Bにより圧着部30を変形して圧着接続した状態の概略図、
図6(c)は長手方向Xの前方側X1から見た略楕円形圧着部44Bの直交断面拡大図である。
【0071】
なお、圧着装置60Bにおける下型61の後側受け部61b及び上型62の後側加圧部62bの構成は、前記圧着装置60Aの構成を説明する際に詳述しているので、その詳細な説明を省略する。
【0072】
下型61における前側受け部61aの受け溝611は、上型62における前側加圧部62aの幅方向Y中央部の下端部に垂設した突出部621Bの垂直挿入が許容される溝幅及び深溝に形成している。
【0073】
受け溝611の幅方向Y両側部の上端側内壁部には、前記直交断面における導体圧着部30aの下側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に点接触される外周接触部613をそれぞれ形成している。
【0074】
上型62における前側加圧部62aの突出部621Bは、上述の受け溝611の溝幅よりも幅狭に形成している。
突出部621Bの幅方向Y両側部の下端部には、前記直交断面における導体圧着部30aの上側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に点接触される外周接触部624をそれぞれ形成している。
【0075】
外周接触部624は、長手方向Xの前方側X1から見て下方に向けて突出する突出形状を有しているため、導体圧着部30aを加圧する圧着動作初期時において、前記直交断面における導体圧着部30aの上側外周に対して左右対称に点接触される(
図6(a)参照)。
【0076】
また、外周接触部624は、前記直交断面における導体圧着部30aの上側外周に対して左右対称に点接触される間隔を隔てて配置するとともに、導体圧着部30aの下側外周と幅方向Y両側部の外周接触部613との接触箇所が、前記基準平面を基準として左右対称となるように配置している。
【0077】
上型62の外周接触部624,624は、下型61の外周接触部613,613間よりも幅狭となる間隔に隔てて、該外周接触部613,613間よりもよりも内側に配置している。
【0078】
また、突出部621Bの幅方向Y中央部の下端部には、圧着前の導体圧着部30aの上側外周よりも曲率半径が小さく滑らかな曲面の凸部形成部625を、下方に向けて凹な状態に形成している。
【0079】
上述の外周接触部624及び凸部形成部625は、圧着する導体圧着部30aの長手方向Xと対応する長さに形成している。
つまり、導体圧着部30aを圧着する際、外周接触部624は、前記直交断面における導体圧着部30aの幅方向Y両側部の上側外周に対して左右対称に点接触され、かつ長手方向Xに線接触される。
凸部形成部625は、前記直交断面における導体圧着部30aの幅方向Y中央部の上側外周に対して左右対称に線接触され、かつ長手方向Xに面接触される。
【0080】
上述のように構成した圧着装置60Bを用いて、雌型圧着端子10と被覆電線200とを圧着接続する場合、下型61と上型62とで圧着部30の導体圧着部30aを保持する。
その際に、最初に接触させる部分として、下型61における前側受け部61aの外周接触部613,613を、前記直交断面における導体圧着部30aの下側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に2箇所点接触させるとともに、導体圧着部30aの下側外周に沿って長手方向Xにそれぞれ線接触させる(
図6(a)参照)。
【0081】
続いて、上型62を圧着方向Zに移動させ、上型62における前側加圧部62aの外周接触部624,624を、前記直交断面における導体圧着部30aの上側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に2箇所点接触させるとともに、導体圧着部30aの上側外周に沿って長手方向Xにそれぞれ線接触させる(
図6(a)参照)。
【0082】
次に、下型61と上型62とを圧着方向Zに動作させて、導体圧着部30aを変形する圧着動作初期時において、下型61の外周接触部613,613の点接触及び長手方向Xの線接触による抵抗と、上型62の外周接触部624,624の点接触及び長手方向Xの線接触による抵抗と、導体圧着部30aの上下外周に対する外周接触部613,624の食い込みによる抵抗とが、該導体圧着部30aの外周に対して左右対称に付与される。
【0083】
上述した複数の抵抗は、前記直交断面における導体圧着部30aの径方向中心部Pを中心とする回転が抑制される方向に左右対称に付与されるので、導体圧着部30aの向きや位置が変位することを防止できる。
【0084】
つまり、下型61の外周接触部613,613と上型62の外周接触部624,624とを、前記直交断面における導体圧着部30aの周面に対して左右対称に4箇所点接触させ、かつ長手方向Xに線接触させる。
【0085】
実施例1における下型61の外周接触部613,613と上型62の外周接触部623とを3箇所点接触させる圧着装置60Aに比べて(
図5参照)、圧着装置60Bの方が導体圧着部30aの周面に対して左右対称に点接触及び線接触される箇所がさらに多く、導体圧着部30aの回転を抑制する方向に付与される抵抗がより大きく、導体圧着部30aがより回転しにくくなる。
【0086】
これにより、導体圧着部30aを変形する動作開始時において、導体圧着部30aに回転や捩れなどを生じさせることなく、下型61の受け溝611内に押し込みつつ幅方向Yに縮径させて略楕円形状に変形する(
図6(a)の二点鎖線参照)。
さらに、導体圧着部30aを受け溝611の底面部に至る位置まで深く押し込むことにより、略楕円形圧着部44Bとなるような圧着形状に変形させることができる(
図6(b)参照)。
【0087】
したがって、圧着部30の導体圧着部30aを、略楕円形圧着部44Bとなる所望の圧着形状に正確に変形させて、アルミニウム芯線201の導体先端部201aに対してより確実に圧着接続することができる(
図6(c)参照)。
【0088】
この結果、導体圧着部30aを変形する圧着動作初期時に、導体圧着部30aが径方向中心部Pを中心として回転したり、向きや位置が変位することを、より確実に防止できる。導体圧着部30aがより回転しにくくなるため、雌型圧着端子10と被覆電線200とを、より確実に圧着接続することができる。
【0089】
(実施例3)
また、上述の圧着装置60A,60Bの代わりに、圧着部30の導体圧着部30aを、一対の窪み部44Cbを有する略半円形圧着部44Cとなるように、
図7に示す第3の圧着装置60Cを用いて圧着してもよい。
【0090】
上述の略半円形圧着部44Cは、圧着部30の導体圧着部30aを圧着装置60Cにより変形させて形成する。
該略半円形圧着部44Cは、圧着部30の圧着底面31で構成する下面側が凸状の断面円弧状となり、上面側の幅方向Y中央部が上方に向けて断面円弧状に突出する凸状突出部44Caと、凸状突出部44Caの幅方向Y両側部が上面側に向けて凹状に窪んだ窪み部44Cbとで構成している(
図7(c)参照)。
【0091】
図7は第3の圧着装置60Cによる圧着部30の圧着方法についての説明図であり、詳しくは、
図7(a)は圧着装置60Cにより圧着部30を変形する圧着動作初期時の概略図、
図7(b)は圧着装置60Cにより圧着部30を変形して圧着接続した状態の概略図、
図7(c)は長手方向Xの前方側X1から見た略半円形圧着部44Cの直交断面拡大図である。
【0092】
なお、圧着装置60Cにおける下型61の後側受け部61b及び上型62の後側加圧部62bの構成は、前記圧着装置60Aの構成を説明する際に詳述しているので、その詳細な説明を省略する。
【0093】
下型61における前側受け部61aの上端部には、前記直交断面における導体圧着部30aの下側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に線接触される外周接触部614を形成している。
外周接触部614における導体圧着部30aの下側外周と接触する接触箇所は、前記基準平面を基準として対称となるような滑らから曲面に形成している。具体的には、導体圧着部30aの下側外周と対応する曲率半径の円弧面に形成している。
【0094】
また、外周接触部614は、圧着する導体圧着部30aの長手方向Xと対応する長さに形成している。
つまり、導体圧着部30aを圧着する際、外周接触部614は、前記直交断面における導体圧着部30aの幅方向Y中央部の下側外周に対して左右対称に線接触され、かつ長手方向Xに面接触される(
図7(a)参照)。
【0095】
一方、上型62における前側加圧部62aに垂設した突出部621Bと、突出部621Bの幅方向Y両端部に形成した外周接触部624との構成は、前記圧着装置60Bの構成を説明する際に詳述しているので、その詳細な説明を省略する。
【0096】
上述のように構成した圧着装置60Cを用いて、雌型圧着端子10と被覆電線200とを圧着接続する場合、下型61と上型62とで圧着部30の導体圧着部30aを保持する。
その際に、最初に接触させる部分として、下型61における前側受け部61aの外周接触部614を、前記直交断面における導体圧着部30aの下側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称となるように線接触させるとともに、導体圧着部30aの下側外周に沿って長手方向Xに面接触させる(
図7(a)参照)。
【0097】
続いて、上型62を圧着方向Zに移動させ、上型62における前側加圧部62aの外周接触部624,624を、前記直交断面における導体圧着部30aの上側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称となるように2箇所点接触させるとともに、導体圧着部30aの上側外周に沿って長手方向Xにそれぞれ線接触させる(
図7(a)参照)。
【0098】
次に、下型61と上型62とを圧着方向Zに動作させて、導体圧着部30aを変形する圧着動作初期時において、下型61の外周接触部614の線接触及び長手方向Xの面接触による抵抗と、上型62の外周接触部624,624の点接触及び長手方向Xの線接触による抵抗と、導体圧着部30aの上側外周に対する外周接触部624,624の食い込みによる抵抗とが、該導体圧着部30aの外周に対して左右対称に付与される。
【0099】
上述した複数の抵抗は、前記直交断面における導体圧着部30aの径方向中心部Pを中心とする回転が抑制される方向に左右対称に付与されるので、導体圧着部30aの向きや位置が変位することを防止できる。
【0100】
つまり、下型61の外周接触部614を、前記直交断面における導体圧着部30aの下側外周に対して左右対称に線接触させ、かつ長手方向Xに面接触させる(
図7(a)参照)。
実施例2における下型61の外周接触部613,613と上型62の外周接触部624,624とを点接触させる圧着装置60Bに比べて(
図6参照)、圧着装置60Cの方が導体圧着部30aの下側外周に対して左右対称に接触される外周接触部614の接触面積が大きく、導体圧着部30aの回転を抑制する方向に付与される抵抗がさらに大きくなるので、導体圧着部30aがさらに回転しにくくなる。
【0101】
これにより、導体圧着部30aを変形する動作開始時において、導体圧着部30aに回転や捩れなどを生じさせることなく、略半円形圧着部44Cとなるような所望の圧着形状に変形させることができる(
図7(b)参照)。
【0102】
したがって、圧着部30の導体圧着部30aを、略半円形圧着部44Cとなる所望の圧着形状に正確に変形させて、アルミニウム芯線201の導体先端部201aに対してより正確かつ確実に圧着接続することができる(
図7(c)参照)。
【0103】
この結果、導体圧着部30aを変形する圧着動作初期時において、導体圧着部30aが径方向中心部Pを中心として回転したり、向きや位置が変位することをより積極的に防止できる。導体圧着部30aがさらに回転しにくくなるため、雌型圧着端子10と被覆電線200とを、より高い精度で圧着接続することができる。
【0104】
また、導体圧着部30aの下側外周に、該下側外周と対応する曲率半径を有する下型61の外周接触部614を面接触させるため、圧着時における導体圧着部30aの安定性がより高くなり、導体圧着部30aの向きや位置が変位することを、より確実に防止できる。
【0105】
(実施例4)
上述の実施例2では、圧着部30の導体圧着部30aを略楕円形圧着部44Bに形成する第2の圧着装置60Bについて説明したが、導体圧着部30aを、上面側に突出部44Dbを有し、下面側に平坦部44Ddを有する略M字状圧着部44Dとなるように、
図8に示す第4の圧着装置60Dを用いて圧着してもよい。
【0106】
上述の略M字状圧着部44Dは、圧着部30の導体圧着部30aを圧着装置60Dにより変形させて形成する。
略M字状圧着部44Dは、圧着部30の圧着底面31で構成する下面側が凸状の断面円弧状となり、上面側の幅方向Y中央部が上方に向けて凸状に突出する突出部44Daと、上面側の幅方向Y両端部が上方に向けて凸状に突出する突出部44Dbと、下面側の幅方向Y両端部が径方向内側に向けて窪んだ窪み部44Dcと、下面側の幅方向Y中央部が圧着方向Zに直交して平坦な平坦部44Ddとで構成している(
図8(c)参照)。
【0107】
上述のような略M字状圧着部44Dとなるように圧着部30を圧着する第4の圧着装置60Dは、圧着部30の導体圧着部30aを上方から加圧する上型61Dと、該導体圧着部30aを下方から加圧する下型62Dとで構成している。
なお、上型61D、及び下型62Dは、圧着装置60Bの下型61、及び上型62をそれぞれ上下逆向きに反転した構成であり、圧着装置60Bと同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
【0108】
図8は第4の圧着装置60Dによる圧着部30の圧着方法についての説明図であり、詳しくは、
図8(a)は圧着装置60Dにより圧着部30を変形する圧着動作初期時の概略図、
図8(b)は圧着装置60Dにより圧着部30を変形して圧着接続した状態の概略図、
図8(c)は長手方向Xの前方側X1から見た略M字状圧着部44Dのa部拡大断面図である。
【0109】
上型61Dにおける前側加圧部61Daの受け溝611は、下型62Dにおける前側受け部62Daの突出部621Bの垂直挿入が許容される溝幅及び深溝に形成している。
受け溝611の幅方向Y両側部の下端側内壁部には、導体圧着部30aの上側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に点接触される外周接触部613をそれぞれ形成している。
【0110】
受け溝611の幅方向Y中央部の上端側内周には、前記直交断面における導体圧着部30aの幅方向Y中央部の上側外周に対して上述の突出部44Daを形成する二山形状の突出部形成部612を、下方に向けて凸な状態に突出している。
該突出部形成部612の下端部には、導体圧着部30aの上側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に点接触される外周接触部615を、二山形状となるように幅方向Yに所定間隔を隔てて2箇所形成している。
【0111】
下型62Dにおける前側受け部62Daの突出部621Bは、上述の受け溝611の溝幅よりも幅狭に形成しており、該突出部621Bの幅方向Y両端部には、導体圧着部30aの下側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に点接触される角張った形状の外周接触部624をそれぞれ形成している。
【0112】
突出部621Bにおける幅方向Y中央部の上端部には、前記直交断面における導体圧着部30aの幅方向Y中央部の下側外周に対して上述の平坦部44Ddを形成するための平坦部形成部626を形成している。
さらに、導体圧着部30aの載置が許容される皿型の載置部627を、外周接触部624及び平坦部形成部626で構成している。
【0113】
上述のように構成した圧着装置60Dを用いて、圧着部30の導体圧着部30aと、アルミニウム芯線201の導体先端部201aとを圧着接続する場合、圧着部30の導体圧着部30aを、下型62Dにおける突出部621Bの載置部627に対して図中右横あるいは左横から水平供給して、長手方向Xと平行して載置する。
【0114】
載置時において、最初に接触させる部分として、下型62Dにおける突出部621Bの外周接触部624,624を、導体圧着部30aの下側外周に対して左右対称に2箇所点接触させるとともに、該下側外周に沿って長手方向Xに線接触させる(
図8(a)参照)。
【0115】
続いて、上型61Dを、受け溝611の外周接触部613,613が下型62Dの突出部621Bに載置した導体圧着部30aに対して接触される高さ位置まで下降させる。
上型61Dにおける受け溝611の外周接触部613,613を、導体圧着部30aの上側外周に対して左右対称に2箇所点接触させるとともに、該上側外周に沿って長手方向Xに線接触させる(
図8(a)参照)。
【0116】
次に、上型61Dと下型62Dとを圧着方向Zに動作させて、導体圧着部30aを変形する圧着動作初期時において、上型61Dの外周接触部613,613の点接触及び長手方向Xの線接触による抵抗と、下型62Dの外周接触部624,624の点接触及び長手方向Xの線接触による抵抗と、導体圧着部30aの下側外周に対する外周接触部624,624の食い込みによる抵抗とが、該導体圧着部30aの外周に対して左右対称に付与される。
【0117】
上述した複数の抵抗は、前記直交断面における導体圧着部30aの径方向中心部Pを中心とする回転が抑制される方向に左右対称に付与されるので、導体圧着部30aの向きや位置が変位することを防止できる。
【0118】
上述の圧着部30の導体圧着部30aを、上型61Dと下型62Dとで保持した後、上型61Dと下型62Dとを圧着方向Zに動作させて、導体圧着部30aを、上型61Dの受け溝611内に押し込みつつ幅方向Yに縮径させて略楕円形状に変形する(
図8(a)の二点鎖線参照)。
【0119】
さらに、導体圧着部30aを受け溝611の上端部まで押し込む直前に、突出部621Bの外周接触部624,624を、導体圧着部30aの上側外周に対して左右対称となるように2箇所点接触させ、かつ、長手方向Xに線接触させる。
【0120】
導体圧着部30aを、受け溝611の上端部に至る位置までさらに深く押し込む際に、導体圧着部30aの外周に対して左右対称に、突出部621Bの外周接触部624,624と、受け溝611の外周接触部615,615とを接触させたまま押し込むので、より確実に回転や捩れなどを生じることを防止できるうえ、導体圧着部30aの側面が幅方向Y内側に向けて倒れることも防止できる。
【0121】
上述のように導体圧着部30aを保持したまま、受け溝611の上端側溝底面に至る位置まで押し込んで所望の圧着形状に形成するので、導体圧着部30aを所望の圧着形状に変形させて圧着接続することができる(
図8(b)参照)。
【0122】
これにより、導体圧着部30aを変形する圧着動作開始時、及び圧着動作完了直前において、導体圧着部30aに回転や捩れなどを生じさせることなく、所望の圧着形状に変形させることができる(
図8(b)参照)。
【0123】
したがって、圧着部30の導体圧着部30aを、略M字状圧着部44Dとなる所望の圧着形状に正確に変形させて、アルミニウム芯線201の導体先端部201aに対してより正確かつ確実に圧着接続することができる(
図8(c)のa部拡大図参照)。
【0124】
この結果、導体圧着部30aを変形する圧着動作初期時、及び圧着動作完了直前において、導体圧着部30aが径方向中心部Pを中心として回転したり、向きや位置が変位することをより積極的に防止でき、雌型圧着端子10と被覆電線200とを、より高い精度で圧着接続することができる。
【0125】
しかも、導体圧着部30aの上側外周を、受け溝611の外周接触部615,615により上部から押し込むようにしてアルミニウム芯線201の導体先端部201aに圧着接続するので、導体圧着部30aによるアルミニウム芯線201の圧縮率を下げるのに有効であり、アルミニウム芯線201の導体先端部201aに対してより確実に圧着接続することができる。
【0126】
これにより、導体圧着部30aの側面が幅方向Y内側に向けて倒れる、いわゆる内倒れが起きることを防止できるうえ、圧着接続構造体1の量産時において、圧着形状にばらつきが生じにくく、所望の圧着形状に圧着接続することができる。
【0127】
さらに、圧着時において、略M字状圧着部44Dにおける突出部44Db,44Dbを、上型61Dにおける受け溝611の突出部形成部612により左右均等となる高さに規制するため、突出部44Db,44Dbをバラツキ無く所望の高さ及び形状に変形させることができる。これにより、導体圧着部30aを、より高い精度で所望の圧着形状に変形させて圧着接続することができる。
【0128】
さらにまた、圧着後において、略M字状圧着部44Dの圧着高さや圧着幅等の所定項目を測定装置にて測定する場合、例えば、測定装置の下部測定子を略M字状圧着部44Dの下面側に形成した平坦部44Ddに押し当てて測定するので、測定時において、雌型圧着端子10が回転したり、傾いたりせず、測定位置がずれることを防止することができる。
この結果、雌型圧着端子10の向きや位置が安定するため、圧着高さ(クリンプハイト)や圧着幅(クリンプワイド)等の所定項目を測定装置にて正確に測定できる。
【0129】
つまり、略M字状圧着部44Dの下面側に平坦部44Ddが形成されることにより、所望の圧着形状に圧着できたかどうか判断するために、圧着高さや圧着幅等を測定する際、平坦部44Ddを基準面として、より正確な測定が行える。よって、圧着後において、安定した圧着を保証することができる。
【0130】
さらにまた、実施例4の圧着装置60Dは、上下逆U字型(外側)の上型61Dと、皿型(内側)の下型62Dとで圧着する構成であるため、下型62Dの載置部627に載置するように圧着するための所定位置に雌型圧着端子10を順送り供給するので、上型61Dを上下に大きく移動することなく容易に供給、及び配置することができ、圧着装置60Dの非大型化を図ることができる。
【0131】
詳述すると、圧着部30の導体圧着部30aを、例えば、下型に形成した断面略U字状の受け溝に押し込んで縮径変形する場合、下型の受け溝が深いと、導体圧着部30aを受け溝に上方から挿入したり、該受け溝から上方に抜き取ったりしなければならず、導体圧着部30aを下型の受け溝に対して横から供給することが困難である。
【0132】
そこで、実施例4の圧着装置60Dは、下型62Dの載置部627を浅い皿型に形成しているため、圧着部30の導体圧着部30aを、下型62Dの載置部627に対して横からスムースに載置することができる。これにより、上型61Dを上下に大きく移動することなく圧着動作することができる。
【0133】
特に、図示しない多数の端子金具をキャリアの一側縁に対して並列に連設してなる連鎖端子の場合、該連鎖端子の圧着部を下型62Dの載置部627に対して横から載置することができるため、圧着部30の導体圧着部30aをアルミニウム芯線201の導体先端部201aに対して圧着接続する動作が連続して行える。
【0134】
つまり、上型61Dを上下動する際のストロークが短くて済むため、上型61Dの上下動に要する動作時間を大幅に短縮することができるうえ、上型61D及び下型62Dによる圧着スピードをより速くして、生産性をより向上させることができる。
【0135】
なお、実施例3の圧着装置60Cについても、上述と同様に、皿型(内側)の下型61に載置するように圧着するための所定位置に雌型圧着端子10を順送り供給するので、上下に移動することなく容易に供給、及び配置することができ、圧着装置60Cの非大型化を図ることができる。
【0136】
次に、上述の雌型圧着端子10を用いた圧着接続構造体1aと、雄型圧着端子(図示せず)を用いた圧着接続構造体1bとを、一対のコネクタハウジング300にそれぞれ装着した例を、
図9のコネクタについての説明斜視図を用いて説明する。
なお、圧着接続構造体1aは、雌型圧着端子10を用いた接続構造体であり、圧着接続構造体1bは、雄型圧着端子を用いた接続構造体である。
【0137】
上述の圧着接続構造体1(1a,1b)を、コネクタハウジング300のそれぞれに装着することによって、確実な導電性を備えた雌型コネクタ3aと雄型コネクタ3bとを構成することができる。
【0138】
なお、以下の説明では、雌型コネクタ3aと雄型コネクタ3bとの両方がワイヤハーネス301(301a,301b)のコネクタである例を示すが、一方をワイヤハーネスのコネクタ、他方を基板や部品等の補機のコネクタとしてもよい。
【0139】
詳しくは、
図9に示すように、雌型圧着端子10で構成した圧着接続構造体1aを複数本束ねるとともに、圧着接続構造体1aを雌型のコネクタハウジング300に装着して、雌型コネクタ3aを備えたワイヤハーネス301aを構成している。
また、雄型圧着端子で構成した圧着接続構造体1bを、雄型のコネクタハウジング300に装着して、雄型コネクタ3bを備えたワイヤハーネス301bを構成する。
【0140】
上述のように構成した雌型コネクタ3aと雄型コネクタ3bとを嵌合することによって、ワイヤハーネス301aとワイヤハーネス301bとを接続することができる。
コネクタハウジング300には、圧着接続構造体1を装着しているため、確実な導電性を備えたワイヤハーネス301の接続を実現することができる。
【0141】
次に、実施例3における圧着部30の導体圧着部30aを、下面側に平坦部44Cdを有する略半円形圧着部44Cとなるように圧着する他の圧着方法について説明する。
【0142】
図10は圧着装置60Cによる圧着部30の他の圧着方法についての説明図であり、詳しくは、
図10(a)は圧着装置60Cにより圧着部30を変形する圧着動作初期時の概略図、
図10(b)は圧着装置60Cにより圧着部30を変形して圧着接続した状態の概略図、
図10(c)は長手方向Xの前方側X1から見た略半円形圧着部44Cの直交断面拡大図である。
なお、圧着部30の導体圧着部30aを圧着する圧着装置60Cの下型61及び上型62の構成は、前記実施例3において詳述しているので、その詳細な説明を省略する。
【0143】
詳述すると、下型61における外周接触部614の曲率半径を、実施例3において詳述した外周接触部614の曲率半径よりも大きくして、導体圧着部30aの下側外周に対して左右対称に点接触可能に設けている。
【0144】
圧着部30の導体圧着部30aを、圧着装置60Cの下型61と上型62とで変形する際、下型61の外周接触部614を、導体圧着部30aの下側外周に点接触させるとともに、導体圧着部30aの下側外周に沿って長手方向Xに線接触させる(
図10(a)参照)。
【0145】
上型62の外周接触部624,624を、導体圧着部30aの上側外周に対して左右対称に2箇所点接触させるとともに、導体圧着部30aの上側外周に沿って長手方向Xにそれぞれ線接触させる(
図10(a)参照)。
【0146】
これにより、導体圧着部30aを変形する動作開始時において、導体圧着部30aに回転や捩れなどを生じさせることなく、略半円形圧着部44Cとなるような所望の圧着形状に変形させることができる(
図10(b)(c)参照)。
この結果、導体圧着部30aを、アルミニウム芯線201の導体先端部201aに対して確実に圧着接続することができる。
【0147】
次に、実施例4における圧着部30の導体圧着部30aを、
図11に示す略M字状圧着部44Dとなるように圧着する他の例について説明する。
図11は他の例の圧着形状に圧着した略M字状圧着部44Dの拡大断面図であり、詳しくは、長手方向Xの前方側X1から見た略M字状圧着部44Dの拡大断面図である。
なお、圧着部30の導体圧着部30aを圧着する圧着装置60Dの上型61D及び下型62Dの構成は、前記実施例4において詳述しているので、その詳細な説明を省略する。
【0148】
上述の略M字状圧着部44Dは、実施例4において詳述した突出部44Da,44Db、及び窪み部44Dcと、下面側の幅方向Y中央部が圧着方向Zに直交して平坦な平坦部44Ddとで構成している(
図11参照)。
【0149】
詳述すると、圧着装置60Dの上型61D及び下型62Dは、圧着部30の導体圧着部30aを略M字状圧着部44Dとなるように圧着した圧着状態において、上型61Dにおける受け溝611の幅方向Y内側の内面と、下型62Dにおける突出部621Bの幅方向Y両側部との間に形成される境界部分Kを、略M字状圧着部44Dの平坦部44Ddよりも上位となる高い位置に設定している(
図11参照)。
【0150】
圧着部30の導体圧着部30aを、圧着装置60Cの上型61Dと下型62Dとで変形させて略M字状圧着部44Dとなるように圧着した際、略M字状圧着部44Dにおける窪み部44Dcの変形率が大きいため、略M字状圧着部44Dの幅方向Y両端部に図示しないバリが発生しやすい。
【0151】
そこで、上述のように上型61Dと下型62Dの境界部分Kを、略M字状圧着部44Dの平坦部44Ddよりも高い位置に設定することにより、導体圧着部30aを変形させて略M字状圧着部44Dとなるように圧着した際、略M字状圧着部44Dの窪み部44Dcが平坦部44Ddよりもより高い位置に形成される。
したがって、略M字状圧着部44Dの幅方向Y両端部に下向きのバリが発生しても、平坦部44Ddよりも下方に突出することを防止できる。
【0152】
これにより、導体圧着部30aを変形する動作開始時において、導体圧着部30aに回転や捩れなどを生じさせることなく、略M字状圧着部44Dとなるような所望の圧着形状に変形させることができる(
図11参照)。
この結果、導体圧着部30aを、アルミニウム芯線201の導体先端部201aに対して確実に圧着接続することができる。
【0153】
しかも、略M字状圧着部44Dの幅方向Y両端部にバリが発生しても、該バリが略M字状圧着部44Dの平坦部44Ddよりも下方に突出することを防止できるため、略M字状圧着部44Dを、図示しないコネクタの端子挿入穴に対して挿入が許容される所定の寸法内に収めることができる。
よって、被覆電線200が接続された雌型圧着端子10を、端子挿入穴内の所定位置まで確実かつスムースに挿入することができるうえ、安定した挿入性が得られる。
【0154】
次に、実施例4における圧着部30の導体圧着部30aを、
図12に示す略M字状圧着部44Dとなるように圧着する、その他の例について説明する。
図12はその他の例の圧着形状に圧着した略M字状圧着部44Dの拡大断面図であり、詳しくは、長手方向Xの前方側X1から見た略M字状圧着部44Dの拡大断面図である。
なお、圧着部30の導体圧着部30aを圧着する圧着装置60Dの上型61D及び下型62Dの構成は、前記実施例4において詳述しているので、その詳細な説明を省略する。
【0155】
上述の略M字状圧着部44Dは、実施例4において詳述した突出部44Da,44Db、及び窪み部44Dcと、下面側の幅方向Y中央部が断面凹状に凹む凹部44Deとで構成している(
図12参照)。
【0156】
詳述すると、圧着装置60Dの上型61Dには、導体圧着部30aにおける幅方向Y中央部の下側外周に対して凹部44Deを形成するための凹部形成部628を、下型62Dにおける突出部621Bの幅方向Y中央部の上端部に形成するとともに、突出部621Bの外周接触部624,624よりも幅方向Y内側に上方に向けて突出している。
【0157】
圧着部30の導体圧着部30aを、圧着装置60Dの上型61Dと下型62Dとで変形させて略M字状圧着部44Dとなるように圧着する際、導体圧着部30aにおける幅方向Y中央部の下側外周を、下型62Dにおける突出部621Bの凹部形成部628により下方から押し上げて、導体圧着部30aの下側外周を導体圧着部30aの内部に向けて押し込む。
【0158】
これにより、導体圧着部30aを変形する動作開始時において、導体圧着部30aに回転や捩れなどを生じさせることなく、略M字状圧着部44Dとなるような所望の圧着形状に変形させることができる(
図12参照)。
この結果、導体圧着部30aと導体先端部201aの接触面積(接触長)がより大きくなり、より安定した導電性を確保することができる。
【0159】
次に、実施例4における圧着部30の導体圧着部30aを、
図13に示す略M字状圧着部44Dとなるように圧着する、さらにその他の例について説明する。
図13はその他の例の圧着形状に圧着した略M字状圧着部44Dの拡大断面図であり、詳しくは、
図13(a)は長手方向Xの前方側X1から見た略M字状圧着部44Dの拡大断面図、
図13(b)は長手方向Xの前方側X1から見た圧着部30における圧着前の導体圧着部30aの拡大断面図である。
なお、圧着部30の導体圧着部30aを圧着する圧着装置60Dの上型61D及び下型62Dの構成は、前記実施例4において詳述しているので、その詳細な説明を省略する。
【0160】
上述の略M字状圧着部44Dは、実施例4において詳述した突出部44Da,44Db、及び窪み部44Dcと、下面側の幅方向Y中央部が下方に向けて凸状に突出する突出部44Dfとで構成している(
図13(a)参照)。
突出部44Daの曲率半径r1と、突出部44Dfの曲率半径r2は、圧着部30における圧着前の導体圧着部30aの半径Rを基準として、R>r1かつR>r2に設定している(
図13(b)参照)。
【0161】
詳述すると、圧着装置60Dにおける上型61Dの突出部621Bには、導体圧着部30aにおける幅方向Y中央部の下側外周に対して突出部44Dfを形成するための二山形状の突出部形成部629を、上方に向けて突出している。
該突出部形成部629の上端部には、導体圧着部30aの下側外周に対して、前記基準平面を基準として左右対称に点接触される外周接触部630を、二山形状となるように幅方向Yに所定間隔を隔てて2箇所形成するとともに、外周接触部624,624よりも幅方向Y内側に設けている。
【0162】
圧着部30の導体圧着部30aを、圧着装置60Dの上型61Dと下型62Dとで変形させて略M字状圧着部44Dとなるように圧着する際、導体圧着部30aにおける幅方向Y中央部の上側外周を、受け溝611の外周接触部615,615の食い込みにより上方から押し込む。
さらに、導体圧着部30aにおける幅方向Y中央部の下側外周を、下型62Dにおける突出部621Bの外周接触部630,630の食い込みにより下方から押し上げ、導体圧着部30aの下側外周を導体圧着部30aの内部に向けて押し込む。
【0163】
これにより、導体圧着部30aを変形する動作開始時において、導体圧着部30aに対してより一層回転や捩れなどを生じさせることなく、略M字状圧着部44Dとなるような所望の圧着形状に変形させて圧着接続することができる(
図13(a)参照)。
この結果、導体圧着部30aと導体先端部201aの接触面積がより一層大きくなり、より安定した導電性を確保することができる。
【0164】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の接続構造体は、実施形態の圧着接続構造体1,1a,1bに対応し、
以下同様に、
圧着端子は、雌型圧着端子10に対応し、
圧着部は、圧着部30、導体圧着部30a及び被覆圧着部30bに対応し、
端子加圧部材は、下型61,62D、上型62,61Dに対応し、
導体は、アルミニウム芯線201に対応し、
コネクタは、雌型コネクタ3a、雄型コネクタ3bに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0165】
上述の実施形態では、圧着部30の導体圧着部30aを、被覆電線200におけるアルミニウム芯線201の導体先端部201aに圧着した圧着接続構造体1,1a,1b、圧着方法及びその圧着装置60Aについて説明したが、例えば、圧着部30の被覆圧着部30bを、電線先端部200aにおける絶縁被覆202の被覆先端部202aaを覆うように圧着した圧着接続構造体1,1a,1b、その圧着する圧着方法及び圧着装置としても、本発明の圧着方法及び圧着装置を適用することができる。