特許第6422338号(P6422338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6422338
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20181105BHJP
【FI】
   H01L21/78 N
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-265802(P2014-265802)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-127097(P2016-127097A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(72)【発明者】
【氏名】前田 勉
【審査官】 中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−082735(JP,A)
【文献】 特開2008−153572(JP,A)
【文献】 特開2004−157765(JP,A)
【文献】 特開2001−230295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像して検出される所定の画像に基づいて加工すべき領域を特定するアライメント手段と、該チャックテーブルに保持された被加工物を加工する加工手段と、複数の被加工物を収容するカセットが載置されるカセット載置部と、該カセット載置部に載置された該カセットから該チャックテーブルへ被加工物を搬送する搬出手段と、該チャックテーブルから搬送された被加工物を該カセットに収容する収容手段と、各構成要素を制御する制御手段と、を備える加工装置であって、
該カセット載置部には、被加工物が収容された第1のカセットと、被加工物が収容されていない第2のカセットと、が載置され、
該制御手段は、該第1のカセットから搬出された加工前の被加工物を該アライメント手段で撮像し、検出される該所定の画像に基づいて該被加工物を該加工手段で加工してから該第1のカセットに収容する一方で、該第1のカセットから搬出された加工前の被加工物を該アライメント手段で撮像しても該所定の画像が検出されない場合には、該被加工物を該加工手段で加工せず該第2のカセットに収容するように各構成要素を制御することを特徴とする加工装置。
【請求項2】
被加工物に形成された識別コードを読み取る識別コード読み取り手段を更に備え、
該制御手段は、該第1のカセットから搬出された加工前の被加工物の該識別コードを該識別コード読み取り手段で読み取っても所定の識別コードが検出されない場合には、該被加工物を該加工手段で加工せず該第2のカセットに収容するように各構成要素を制御することを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
該カセットは、それぞれ1枚の被加工物が収容される複数の棚を備え、
該第1のカセットの任意の棚から搬出された被加工物を該第2のカセットに収容する場合には、該被加工物を該第1のカセットの該任意の棚に対応する該第2のカセットの棚に収容することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の被加工物を加工する加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハやパッケージ基板、光デバイスウェーハ等の板状物を複数のチップへと分割するために、切削装置やレーザー加工装置等の加工装置が用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。これらの加工装置で上述した板状の被加工物を加工する際には、所定のターゲットパターンを基準に被加工物の位置、向き等を調整するアライメントが実施される。
【0003】
ところで、ターゲットパターンが識別できないほど汚染された被加工物や、加工対象ではない別ロットの被加工物等を上記加工装置で加工しようとすると、適切なアライメントを実行できずにエラーが発生する。このようなアライメントエラーが発生した場合には、通常、被加工物を加工することなく収容されていた元のカセットに戻している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−22936号公報
【特許文献2】特開2008−112933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アライメントエラーが発生すると、上述したように一部の被加工物は未加工のまま残るので、次の工程に移る前に、未加工の被加工物をカセットから取り除く必要がある。これまでのところ、このような未加工の被加工物は、アライメントエラーの履歴情報等に基づいてオペレータにより除去されていた。
【0006】
しかしながら、この方法では、被加工物を除去し忘れたり、除去すべき被加工物を取り違えたりする恐れがある。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、適切なアライメントを実施できなかった被加工物を確実に除去できる加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像して検出される所定の画像に基づいて加工すべき領域を特定するアライメント手段と、該チャックテーブルに保持された被加工物を加工する加工手段と、複数の被加工物を収容するカセットが載置されるカセット載置部と、該カセット載置部に載置された該カセットから該チャックテーブルへ被加工物を搬送する搬出手段と、該チャックテーブルから搬送された被加工物を該カセットに収容する収容手段と、各構成要素を制御する制御手段と、を備える加工装置であって、該カセット載置部には、被加工物が収容された第1のカセットと、被加工物が収容されていない第2のカセットと、が載置され、該制御手段は、該第1のカセットから搬出された加工前の被加工物を該アライメント手段で撮像し、検出される該所定の画像に基づいて該被加工物を該加工手段で加工してから該第1のカセットに収容する一方で、該第1のカセットから搬出された加工前の被加工物を該アライメント手段で撮像しても該所定の画像が検出されない場合には、該被加工物を該加工手段で加工せず該第2のカセットに収容するように各構成要素を制御することを特徴とする加工装置が提供される。
【0008】
本発明において、被加工物に形成された識別コードを読み取る識別コード読み取り手段を更に備え、該制御手段は、該第1のカセットから搬出された加工前の被加工物の該識別コードを該識別コード読み取り手段で読み取っても所定の識別コードが検出されない場合には、該被加工物を該加工手段で加工せず該第2のカセットに収容するように各構成要素を制御することが好ましい。
【0009】
また、本発明において、該カセットは、それぞれ1枚の被加工物が収容される複数の棚を備え、該第1のカセットの任意の棚から搬出された被加工物を該第2のカセットに収容する場合には、該被加工物を該第1のカセットの該任意の棚に対応する該第2のカセットの棚に収容することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る加工装置は、第1のカセットから搬出された被加工物をアライメント手段で撮像し、検出される所定の画像に基づいて被加工物を加工手段で加工してから第1のカセットに再び収容する一方で、第1のカセットから搬出された被加工物をアライメント手段で撮像しても所定の画像が検出されない場合には、被加工物を加工手段で加工せず第2のカセットに収容するので、アライメント手段で所定の画像を検出できず、適切なアライメントを実施できなかった被加工物を第1のカセットから確実に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】レーザー加工装置の構成例を模式的に示す図である。
図2】被加工物、第1のカセット、及び第2のカセットの構成例を模式的に示す斜視図である。
図3】被加工物の搬出、搬入の態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るレーザー加工装置の構成例を模式的に示す図である。なお、本実施形態では、板状の被加工物をレーザー光線で加工するレーザー加工装置について説明するが、本発明の加工装置は、例えば、被加工物を切削する切削装置(ダイシング装置)等でも良い。
【0013】
図1に示すように、レーザー加工装置(加工装置)2は、各構造を支持する基台4を備えている。基台4は、基部6と、基部6の後端に立設された壁部8とを含む。基部6の前端の一方側の角部には、上方に突設された突設部6aが設けられている。
【0014】
突設部6aの内部には空間が形成されており、この空間には、カセット載置台(カセット載置部)10が昇降可能に設置されている。カセット載置台10の上面には、複数の被加工物11を収容可能な第1のカセット12、及び第2のカセット14が積み重なるように載置される。なお、加工前の被加工物11は、第1のカセット12に収容されている。
【0015】
図2は、被加工物11、第1のカセット12、及び第2のカセット14の構成例を模式的に示す斜視図である。被加工物11は、例えば、円盤状の半導体ウェーハやパッケージ基板、光デバイスウェーハ等であり、その表面(上面)側は、中央のデバイス領域と、デバイス領域を囲む外周余剰領域とに分けられている。
【0016】
デバイス領域は、格子状に配列されたストリート(分割予定ライン)でさらに複数の領域に区画されており、各領域にはIC、LED等のデバイス13が形成されている。一方、外周余剰領域には、被加工物11の種類やロット番号等の情報を含む識別コード15が形成されている。識別コード15は、例えば、バーコードや2次元コード等である。
【0017】
被加工物11の裏面(下面)側には、被加工物11より大径のダイシングテープ17が貼着されている。ダイシングテープ17の外周部分は、環状のフレーム19に固定されている。すなわち、被加工物11はダイシングテープ17を介してフレーム19に支持されている。
【0018】
第1のカセット12は、対向する一対の側板12a,12bと、側板12a,12bの上下に固定された上板12c及び下板12dと、レーザー加工装置2の前方側に位置付けられる背板12e(図1)とを含む。第1のカセット12の正面側(レーザー加工装置2の後方側)には、被加工物11を搬出、搬入するための開口12fが形成されている。
【0019】
各側板12a,12bの内側面には、水平方向に延在する複数の棚板12g,12hが、Z軸方向(鉛直方向)において略等間隔に配置されている。複数の棚板12g,12hは、側板12a,12bにおいてそれぞれ対応する高さに設けられており、この対応する高さの棚板12g,12hの組によって、1枚の被加工物11を支持する棚が形成されている。
【0020】
第2のカセット14は、第1のカセット12と同様に構成されている。すなわち、第2のカセット14は、対向する一対の側板14a,14bと、側板14a,14bの上下に固定された上板14c及び下板14dと、レーザー加工装置2の前方側に位置付けられる背板14e(図1)とを含む。第2のカセット14の正面側(レーザー加工装置2の後方側)には、被加工物11を搬出、搬入するための開口14fが形成されている。
【0021】
各側板14a,14bの内側面には、水平方向に延在する複数の棚板14g,14hが、Z軸方向(鉛直方向)において略等間隔に配置されている。複数の棚板14g,14hは、側板14a,14bにおいてそれぞれ対応する高さに設けられており、この対応する高さの棚板14g,14hの組によって、1枚の被加工物11を支持する棚が形成されている。
【0022】
なお、本実施形態では、カセット載置台10の上面に第2のカセット14を載置し、第2のカセット14の上方に第1のカセット12を積み重ねているが、カセット載置台10の上面に第1のカセット12を載置し、第1のカセット12の上方に第2のカセット14を積み重ねてもよい。
【0023】
図1に示すように、突設部6aの後方には、被加工物11を仮置きするための仮置き機構16が設けられている。仮置き機構16は、相互に離間接近可能な一対のガイドレール16a,16bを含んでいる。ガイドレール16a,16bの断面形状は、被加工物11(フレーム19)のガイドに適したL字型である。
【0024】
仮置き機構16の上方には、被加工物11を搬送する搬送機構(搬出手段、収容手段)52が設けられている。この搬送機構52は、第1のカセット12の各棚に収容された被加工物11をガイドレール16a,16bに引き出して、基部6の上方に配置されたチャックテーブル18へと搬送する。
【0025】
チャックテーブル18の周囲には、被加工物11を支持した環状のフレーム19を四方から挟持固定する4個のクランプ20が設けられている。チャックテーブル18の表面は、被加工物11を吸引保持する保持面18aとなっている。この保持面18aには、チャックテーブル18の内部に形成された流路(不図示)を通じて吸引源(不図示)の負圧が作用し、被加工物11を吸引する吸引力が発生する。
【0026】
チャックテーブル18の下方には、チャックテーブル18をY軸方向(割り出し送り方向)に移動させるY軸移動機構(割り出し送り機構)22が設けられている。Y軸移動機構22は、基部6の上面に固定されY軸方向に平行な一対のY軸ガイドレール24を備えている。
【0027】
Y軸ガイドレール24には、Y軸移動テーブル26がスライド可能に設置されている。Y軸移動テーブル26の裏面側(下面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Y軸ガイドレール24と平行なY軸ボールネジ28が螺合されている。
【0028】
Y軸ボールネジ28の一端部には、Y軸パルスモータ30が連結されている。Y軸パルスモータ30でY軸ボールネジ28を回転させれば、Y軸移動テーブル26は、Y軸ガイドレール24に沿ってY軸方向に移動する。
【0029】
Y軸移動テーブル26の表面側(上面側)には、チャックテーブル18をX軸方向(加工送り方向)に移動させるX軸移動機構(加工送り機構)32が設けられている。X軸移動機構32は、Y軸移動テーブル26の上面に固定されX軸方向に平行な一対のX軸ガイドレール34を備えている。
【0030】
X軸ガイドレール34には、X軸移動テーブル36がスライド可能に設置されている。X軸移動テーブル36の裏面側(下面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、X軸ガイドレール34と平行なX軸ボールネジ38が螺合されている。
【0031】
X軸ボールネジ38の一端部には、X軸パルスモータ(不図示)が連結されている。X軸パルスモータでX軸ボールネジ38を回転させれば、X軸移動テーブル36は、X軸ガイドレール34に沿ってX軸方向に移動する。
【0032】
X軸移動テーブル36の表面側(上面側)には、支持台40が設けられている。支持台40の上部には、チャックテーブル18が配置されている。チャックテーブル18は、支持台40の下部に設けられた回転駆動源(不図示)と連結されており、Z軸の周りに回転する。
【0033】
壁部8の前面上部には、前方に向かって突出する支持アーム8aが設けられており、この支持アーム8aの先端部には、下方に向けてレーザー光線を照射するレーザー加工ユニット(加工手段)42が配置されている。
【0034】
レーザー加工ユニット42は、レーザー発振器(不図示)で発振されるレーザー光線を、チャックテーブル18に吸引保持された被加工物11に照射する。例えば、レーザー加工ユニット42でレーザー光線を照射しながらチャックテーブル18をX軸方向に移動させることで、被加工物11をX軸方向に沿って加工できる。
【0035】
レーザー加工ユニット42と隣接する位置には、被加工物11を撮像するカメラ(アライメント手段)44が設置されている。例えば、このカメラ44で被加工物11を撮像し、ターゲットパターン(不図示)の画像(所定の画像)を検出することで、ターゲットパターンを基準に被加工物11の位置、向き等を調整するアライメントを実施できる。
【0036】
また、カメラ44の近傍には、被加工物11に形成された識別コード15を読み取る識別コード読み取りユニット(識別コード読み取り手段)(不図示)が配置されている。この識別コード読み取りユニットで識別コード15を読み取れば、種類やロット番号等が異なる被加工物11を誤って加工してしまうことはない。
【0037】
加工後の被加工物11は、搬送機構52によって、チャックテーブル18から仮置き機構16の後方に配置された洗浄機構46へと搬送される。洗浄機構46は、基部6に形成された筒状の空間において被加工物11を吸引保持するスピンナテーブル48を備えている。スピンナテーブル48の下方には、スピンナテーブル48を所定の速度で回転させる回転駆動源(不図示)が設けられている。
【0038】
スピンナテーブル48の上方には、被加工物11に向けて洗浄液を噴射する噴射ノズル50が配置されている。被加工物11を吸引保持したスピンナテーブル48を回転させ、噴射ノズル50から洗浄液を噴射することで、被加工物11を洗浄できる。洗浄機構46で洗浄された被加工物11は、搬送機構52で仮置き機構16に載置され、第1のカセット12の各棚へと収容される。
【0039】
カセット載置台10、Y軸移動機構22、X軸移動機構32、レーザー加工ユニット42、カメラ44、識別コード読み取りユニット、搬送機構52等の各構成要素は、制御装置(制御手段)54に接続されている。この制御装置54は、被加工物11が次の態様で搬出、搬入されるように各構成要素を制御する。
【0040】
図3は、被加工物11の搬出、搬入の態様を示す模式図である。なお、ここでは、共に25段の棚(No.1〜No.25)を有する第1のカセット12及び第2のカセット14を例に説明するが、第1のカセット12及び第2のカセット14の棚の数は、これに限定されない。
【0041】
上述のように、加工前の被加工物11は、第1のカセット12に収容されている。例えば、第1のカセット12のNo.1の棚に収容されている被加工物11を加工する場合、搬送機構52は、経路A1で示すように、被加工物11を第1のカセット12のNo.1の棚から引き出して、チャックテーブル18へと搬送する。
【0042】
チャックテーブル18へと搬送された被加工物11は、識別コード読み取りユニットで識別コード15を読み取られ、カメラ44でターゲットパターンの周辺を撮像される。適切な被加工物11であることを示す所定の識別コード15が検出され、かつ、ターゲットパターンを示す所定の画像が検出されると、被加工物11はアライメントの後に加工される。
【0043】
加工後の被加工物は、洗浄機構46で洗浄される。その後、搬送機構52は、経路A2で示すように、被加工物11を第1のカセット12のNo.1の棚に挿入する。すなわち、加工後の被加工物11は、第1のカセット12の元の棚に収容される。
【0044】
一方、適切な被加工物11であることを示す所定の識別コード15が検出されない場合や、ターゲットパターンを示す所定の画像が検出されない場合には、被加工物11を適切にアライメントして加工することができない。そこで、これらの場合には、被加工物11を加工せずに第2のカセット14に収容する。
【0045】
例えば、搬送機構52は、経路A3で示すように、被加工物11を第2のカセット14のNo.1の棚に挿入する。このように、適切にアライメントできなかった被加工物11を、当該被加工物11が収容されていた第1のカセット12の棚に対応する第2のカセット14の棚に収容することで、当該被加工物11の履歴等を追跡し易くなり、問題の解析も容易になる。ただし、被加工物11を収容する棚は、必ずしもこれに限定されない。
【0046】
第1のカセット12の他の棚に収容されている被加工物11を加工する場合も同様である。例えば、経路B1で示すように、被加工物11を第1のカセット12のNo.24の棚から引き出してチャックテーブル18へと搬送した後には、識別コード15及び画像の検出結果に応じて、経路B2、又は経路B3が選択される。
【0047】
以上のように、本実施形態に係るレーザー加工装置(加工装置)2は、第1のカセット12から搬出された被加工物11をカメラ(アライメント手段)44で撮像し、検出される所定の画像に基づいて被加工物11をレーザー加工ユニット(加工手段)42で加工してから第1のカセット12に再び収容する一方で、第1のカセット12から搬出された被加工物11をカメラ44で撮像しても所定の画像が検出されない場合には、被加工物11をレーザー加工ユニット42で加工せず第2のカセット14に収容するので、カメラ44で所定の画像を検出できず、適切なアライメントを実施できなかった被加工物11を第1のカセット12から確実に除去できる。
【0048】
また、本実施形態に係るレーザー加工装置2では、第1のカセット12から搬出された被加工物11の識別コード15を識別コード読み取りユニット(識別コード読み取り手段)で読み取っても所定の識別コード15が検出されない場合には、被加工物11をレーザー加工ユニット42で加工せず第2のカセット14に収容するので、種類やロット番号等の異なる被加工物11を第1のカセット12から確実に除去できる。
【0049】
さらに、本実施形態に係るレーザー加工装置2では、第1のカセット12の任意の棚から搬出された被加工物11を第2のカセット14に収容する場合には、被加工物11を第1のカセット12の当該棚に対応する第2のカセット14の棚に収容するので、被加工物11の収容位置を元に被加工物11の履歴等を追跡し易くなり、問題の解析も容易になる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態のレーザー加工装置2では、加工後の被加工物11を第1のカセット12に収容し、適切にアライメントできなかった被加工物11を第2のカセット14に収容しているが、加工後の被加工物11を第2のカセット14に収容し、適切にアライメントできなかった被加工物11を第1のカセット12に収容しても良い。
【0051】
その他、上記実施形態に係る構成、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0052】
2 レーザー加工装置(加工装置)
4 基台
6 基部
6a 突設部
8 壁部
8a 支持アーム
10 カセット載置台(カセット載置部)
12 第1のカセット
12a,12b 側板
12c 上板
12d 下板
12e 背板
12f 開口
12g,12h 棚板
14 第2のカセット
14a,14b 側板
14c 上板
14d 下板
14e 背板
14f 開口
14g,14h 棚板
16 仮置き機構
16a,16b ガイドレール
18 チャックテーブル
18a 保持面
20 クランプ
22 Y軸移動機構
24 Y軸ガイドレール
26 Y軸移動テーブル
28 Y軸ボールネジ
30 Y軸パルスモータ
32 X軸移動機構
34 X軸ガイドレール
36 X軸移動テーブル
38 X軸ボールネジ
40 支持台
42 レーザー加工ユニット(加工手段)
44 カメラ(アライメント手段)
46 洗浄機構
48 スピンナテーブル
50 噴射ノズル
52 搬送機構(搬出手段、収容手段)
54 制御装置(制御手段)
11 被加工物
13 デバイス
15 識別コード
17 ダイシングテープ
19 フレーム
図1
図2
図3