【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は独立請求項の主題によって実現される。有利な実施形態および改良点は従属請求項の主題である。
【0006】
一目的は、薬物送達デバイスのための表示アセンブリに関するものである。その表示アセンブリは、近位端および遠位端ならびに長手方向軸を有するハウジングを含む。長手方向軸は近位端および遠位端を通って延びることができる。
【0007】
薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイスの構成要素の「遠位端」は、薬物送達デバイスの投薬端部に最も近い端部を意味するものとする。薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイスの構成要素の「近位端」は、薬物送達デバイスの投薬端部から最も離れた端部を意味するものとする。表示アセンブリはさらに、表示部材窓を画成する表示部材を含む。表示部材窓は、ハウジングに対して回転方向でロックされているが長手方向軸に沿って移動可能である。
【0008】
表示アセンブリはさらに、印を含むインジケーション部材を含む。インジケーション部材はスリーブ様の形状を含むことができる。インジケーション部材の外面に印を備えることができる。印は用量情報を提示することができる。好ましくは、印は薬物送達デバイスから投薬される薬物の単位または量をそれぞれ示す。
【0009】
一実施形態では、表示アセンブリはさらに、インジケーション部材に回転自在に連結された可動部材を含む。可動部材はさらに、表示部材に連結され、ハウジングに対して回転可能である。一利点として、たとえば薬物送達デバイスから投薬されることになるある用量の薬物設定中に、インジケーション部材によって提示される様々な情報をユーザに示すことができるように、可動部材の回転をハウジングに対するインジケーション部材の回転に伝達することができる。
【0010】
一実施形態では、表示アセンブリは、可動部材がハウジングに対して回転されたとき、回転する可動部材がハウジングに対して表示部材を軸方向に移動させて、表示部材窓を通して様々な印を表示するように構成されている。このようにして、表示アセンブリおよび/または薬物送達デバイスのユーザに、ユーザが混乱せずに表示部材窓を通して前記情報をはっきりと確認できるようにして用量情報のインジケーションを表示することができる。
【0011】
さらなる態様は、表示アセンブリを含む薬物送達デバイスに関するものである。薬物送達デバイスはさらに、インジケーション部材が薬物の設定用量またはその単位を示すように構成された用量設定機構と、ある用量の薬物を投薬する駆動機構とを含む。好ましくは、インジケーション部材は、薬物送達デバイスの用量または充填の状態を示し、それにより、投薬中の実際の薬物量(amount)または薬物量(quantity)ならびに薬物送達デバイスの用量投薬動作が中断された場合は投薬されることになる残りの量も示す。
【0012】
一実施形態では、可動部材は、ハウジングに対して軸方向に移動可能であり、ある用量の薬物が設定されると可動部材が軸方向に移動するように薬物送達デバイスの用量設定機構と相互作用するように構成されている。この実施形態は、ある用量の薬物設定中に、ユーザが作動させる薬物送達デバイスの構成要素が通常、たとえばハウジング構成要素に対して近位に移動するので特に適切である。したがって、有利なことに、たとえばある用量の薬物が設定されたときにハウジングに対してやはり軸方向に移動するように可動部材を実施すると、表示部材窓を通して設定用量の状態が即座に表示可能になり、その結果、ユーザが、たとえば、実際に設定または投薬された薬物の量など、用量または充填の状態をすぐに確認することができる。
【0013】
一実施形態では、可動部材はハウジングとねじ係合する。この実施形態の一利点として、上記で言及したように、たとえば可動部材がハウジングに対して近位に移動する軸方向の距離を、前記ねじ係合のリードによって決定することができる。
【0014】
一実施形態では、可動部材は表示部材とねじ係合する。この実施形態によれば、たとえば用量設定中には、可動部材がハウジングに対して軸方向に移動でき、表示部材もハウジングに対して軸方向に移動する。可動部材と表示部材との間のねじ係合の構成によれば、表示部材は軸方向に、好ましくは近位の方向に移動することができる。好ましくは、可動部材とハウジングとのねじ係合、および可動部材と表示部材とのねじ係合は、表示部材がハウジングに対して同じ方向に移動し、そのとき可動部材がハウジングに対してその方向に移動するように、回転の共通の意味(sense)を有する。
【0015】
一実施形態では、表示アセンブリは、表示アセンブリの動作中、可動部材がハウジングに対して軸方向に移動するときに、表示部材の移動する軸方向の距離が可動部材の移動する軸方向の距離より大きくなるように構成されている。この実施形態によれば、用量情報の表示のためにより大きい空間を生み出すことができる。さらに、表示アセンブリまたは薬物送達デバイスの人間工学的な設計を改善するために、可動部材の軸方向の延長部分または運動を最小限に抑えることができる。具体的には、表示部材の軸方向の行程の距離を比較的大きくすることを可能にしながら、薬物送達デバイスの軸方向の長さは最小限に抑えることができる。
【0016】
一実施形態では、表示部材は雌ねじ山を含み、可動部材は雄ねじ山を含む。これは、薬物送達デバイスのさらなる構成要素を保持または収容するように表示部材を好ましくはスリーブ様になるように構成できるので好ましい実施形態である。したがって、可動部材は、好ましくはハウジングとの可動部材のねじ係合に寄与するような雌ねじ山を備えることができる。好ましくは、可動部材はさらに、雄ねじ山を含む内側ハウジング構成要素にねじ係合する。内側ハウジングは、好ましくは、さらなる構成要素と一緒になってハウジングを形成する。ドライブアセンブリのハウジングは、薬物送達デバイスのハウジングを構成することができる。
【0017】
一実施形態では、可動部材はインジケーション部材に対して回転方向でロックされる。この実施形態により、薬物送達デバイスが動作する間など、可動部材がハウジングに対して回転するときはいつでも、たとえば印をユーザに示すことができるように印が即座に配置されるようにインジケーション部材が追従するというドライブアセンブリの構成が可能になる。
【0018】
一実施形態では、インジケーション部材は、ハウジングに対して回転可能であるが軸方向に制約される。この実施形態により、薬物送達デバイスの、具体的には、薬物送達デバイスの軸方向の延長部分に対して、コンパクトな設計が可能になる。
【0019】
一実施形態では、表示部材は、表示部材窓と位置合わせされた色つき部分を含む。色つき部分は、好ましくは、表示部材の本体から延びる突出部上に配置される。好ましくは、色つき部分はさらに、表示部材窓と軸方向に位置合わせされている。これにより、表示部材を部分的に保持できる表示アセンブリまたは薬物送達デバイスのハウジング窓など、さらなる構成要素を通した色つき部分のインジケーションが可能になる。色つき部分は、好ましくは、さらなる用量情報を提示するために設けられる。
【0020】
一実施形態では、表示部材はさらに、表示部材窓のうち色つき部分から逸れた方を向いた側に表示部材窓と軸方向に位置合わせされたさらなる色つき部分を含む。さらなる色つき部分は、好ましくは、突出部上には配置されないが、たとえば、表示部材の本体上に配置される。さらなる色つき部分は、好ましくは、さらなる用量情報を提示するために設けられる。
【0021】
色つき部分およびさらなる色つき部分はそれぞれ表示部材窓に軸方向に隣接して配置することができる。
【0022】
好ましい実施形態では、突出部は、軸方向にずれて、好ましくは表示部材窓から遠位にずれて延びる。この実施形態によれば、表示部材の形状または外寸は、薬物送達デバイスのさらなる構成要素に対して調節することができる。たとえば、突出部は、前記デバイスが組み立てられたときに薬物送達デバイスのカートリッジと少なくとも部分的に軸方向に重なることができる。
【0023】
一実施形態では、可動部材および/またはインジケーション部材は、表示部材によって少なくとも部分的に受けられる。それにより、表示部材が可動部材および/またはインジケーション部材の一部を少なくとも部分的にカバーできることが実現され、このようにして、色つき部分またはさらなる色つき部分はたとえば表示アセンブリのハウジング窓を通してユーザに示すことができ、可動部材および/またはインジケーション部材はたとえばユーザには見ることができない。
【0024】
一実施形態では、表示アセンブリは、ハウジングおよびインジケーション部材に連結されたばね部材を含む。この実施形態によれば、表示アセンブリがリターン機構などの機構に連結されることを実現することができる。リターン機構は、用量投薬動作中に表示アセンブリを駆動する、具体的には、ある用量の薬物がデバイスから投薬されているときにインジケーション部材および可動部材を回転させ、表示部材を軸方向運動させるように構成することができる。
【0025】
一実施形態では、表示アセンブリは、用量が設定されるとインジケーション部材が初期位置から用量設定位置に回転し、それにより、ばね部材が付勢されるように構成されている。用量が投薬されると、ばね部材は、インジケーション部材の初期位置に向かってインジケーション部材を移動させる。それにより、表示部材が用量設定機構および薬物送達デバイスの用量投薬機構に接続可能であるという機能性を提供することができる。
【0026】
一実施形態では、可動部材は薬物送達デバイスの用量投薬機構に連結される。
【0027】
一実施形態では、表示部材は、用量が設定されていないときにハウジングに対する第1の方向の表示部材の軸方向運動が防止されるように相補的な最小止め具機能と相互作用するように配置および構成された最小用量止め具機能を含む。それにより、表示部材窓は開始位置に配置される。この実施形態は、薬物送達デバイスの安全面に対処し、用量が設定されていない、薬物送達デバイスの初期状態において、負の用量が設定されることを防止できる。
【0028】
一実施形態では、インジケーション部材は、インジケーション部材がハウジングに対して第1の回転終了位置に配置されると最小用量止め具機能と相互作用して、表示部材の軸方向の、好ましくは遠位の行程が防止されるように構成および配置される相補的な最小止め具機能を含む。
【0029】
一実施形態では、表示部材は、設定可能な最大用量の薬物が設定されているときにハウジングに対する第2の方向の表示部材の軸方向運動が防止されるように相補的な最大止め具機能と相互作用するように配置および構成された最大用量止め具機能を含む。それにより、表示部材窓は終了位置に配置される。この実施形態によれば、ユーザは、設定可能な最大用量の薬物が薬物送達デバイスによって既に設定されているときは、さらなる用量を設定することが妨げられ、このようにして、デバイスの安全性を向上させることができる。
【0030】
一実施形態では、インジケーション部材は、インジケーション部材がハウジングに対して第2の回転終了位置に配置されると最大用量止め具機能と相互作用して、表示部材の軸方向の、好ましくは近位の行程が防止されるように構成および配置された相補的な最大止め具機能を含む。
【0031】
一実施形態では、表示部材の最大用量止め具機能と最小用量止め具機能とは表示部材窓に円周方向に隣接している。この実施形態によれば、上記で言及した機能性は最も適切に実現することができる。
【0032】
好ましくは、第1の方向は第2の方向の反対である。第1の方向は、負の用量に向かう、または場合によっては減少した用量に向かう表示部材の運動に関連付けることができ、第2の方向は、好ましくは、増加した用量に向かう表示部材の運動の方向に関するものである。
【0033】
一実施形態では、ハウジングはハウジング窓を含む。適切には、ハウジング窓は、ユーザが用量情報を、具体的には、表示部材窓を通して印によって提示される用量情報を確認できるように配置および構成されている。表示アセンブリは、好ましくは、ハウジング窓を通して表示部材窓を見ることができるように構成されている。
【0034】
一実施形態では、表示部材は、表示アセンブリの動作中、表示部材窓がハウジング窓の範囲内を移動するように構成されている。この実施形態によれば、デバイスの動作中、ハウジング窓を通して確実に用量情報を示すためにハウジング窓を通して表示部材窓を見ることができることが有利に実現される。
【0035】
薬物送達デバイスの動作は、デバイスからのある用量の薬物の設定ならびに投薬するに関連付けることができる。
【0036】
一実施形態では、表示部材は不透明になるように構成されている。それにより、表示部材窓によって表示されることになる、提示および/または配置される印のみがユーザに表示されるように、表示部材によるインジケーション部材の印の効果的なマスキングを実現することができる。
【0037】
一実施形態では、表示アセンブリは、用量が設定されるとハウジング窓を通して色つき部分またはさらなる色つき部分を少なくとも部分的に見ることができるように構成されている。この実施形態により、ユーザに対するデバイスの実際の用量状態のさらなる視覚的なヒントなど、さらなる用量情報をユーザがハウジング窓を通して色つき部分を介して確認することが可能になる。
【0038】
一実施形態では、ハウジングは透明である。ハウジング窓はハウジングの不透明なカバーによって形成することができる。
【0039】
一実施形態では、薬物送達デバイスはニードルまたはニードルアセンブリを含む。前記ニードルまたはニードルアセンブリを通して、カートリッジ内に保持できる薬物または薬剤物質を薬物送達デバイスから投薬することができる。
【0040】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0041】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0042】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0043】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0044】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0045】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0046】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0047】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0048】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0049】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0050】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0051】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0052】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0053】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0054】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0055】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0056】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0057】
様々な態様または実施形態と併せて本明細書で以上および以下に説明する特性は、他の態様および実施形態に応用することができる。本開示の主題のさらなる特性および利点が、図と併せた例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。