特許第6425155号(P6425155)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6425155ワイヤーハーネス製造システム及びワイヤーハーネス製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6425155
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】ワイヤーハーネス製造システム及びワイヤーハーネス製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/012 20060101AFI20181112BHJP
   H05K 13/06 20060101ALI20181112BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   H01B13/012 Z
   H01B13/012 D
   H05K13/06 C
   B23P21/00 307J
   B23P21/00 306Z
【請求項の数】2
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-162343(P2018-162343)
(22)【出願日】2018年8月31日
(62)【分割の表示】特願2015-98624(P2015-98624)の分割
【原出願日】2015年5月13日
【審査請求日】2018年8月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 賢司
【審査官】 和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/181060(WO,A1)
【文献】 特開2006−167829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/012
B23P 21/00
H05K 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーハーネスの組立工程に対応した画像データを前記組立工程の進行に応じて画面を切り替えて表示部に表示する複数のワイヤーハーネス製造装置と、
前記ワイヤーハーネスを全長に応じて複数の組に分け、前記複数の組に対応した前記画像データを前記複数の組に対応した前記複数のワイヤーハーネス製造装置に提示する提示手段と、を備えた、
ワイヤーハーネス製造システム。
【請求項2】
ワイヤーハーネスの組立工程に対応した画像データを前記組立工程の進行に応じて画面を切り替えて表示部に表示する複数のワイヤーハーネス製造装置を用いて、前記ワイヤーハーネスを製造する方法であって、
前記ワイヤーハーネスを全長に応じて複数の組に分け、前記複数の組に対応した前記画像データを前記複数の組に対応した前記複数のワイヤーハーネス製造装置に提示するステップを含む、
ワイヤーハーネス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーハーネス製造システム及びワイヤーハーネス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤーハーネスの組立ては、一般的には、組立用図板にワイヤーハーネスの原寸図を貼り付けて布線板を作製し、その布線板に布線用治具を取り付けたものを用いている。原寸図には、組立ての作業手順や付属部品の取付指示等の作業指示が示されており、作業者はその作業指示に従って電線を布線し、布線した電線や電線束の所定位置に付属部品を取り付けてワイヤーハーネスの組立てを行う。
【0003】
しかし、設計変更に応じて原寸図を貼り替える必要があることから、そのような作業を不要にしたワイヤーハーネス組立用図板装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このワイヤーハーネス組立用図板装置は、ワイヤーハーネスの組立てに必要な各種治具が配設可能な布線板と、布線板に取り付けられ、布線される電線を受け止める組立用治具と、ワイヤーハーネスの組立工程の画像を布線板の表面側から見えるように布線板に表示する表示手段とを備える。
【0005】
ワイヤーハーネスの組立工程の画像は、電線の布線工程、付属部品の取付工程、及びテープ巻き工程の3つの工程に応じて切り換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−195352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のワイヤーハーネス組立用図板装置は、電線の布線工程内の作業工程に応じてワイヤーハーネスの組立工程の画像を切り換えるものではないため、長さが近似した電線を布線する場合に、電線や布線場所を間違えるおそれがある。また、組立用治具の取付位置は、組立工程の画像に含まれていないため、組立用治具の取付位置を誤るおそれがある。また、組立用治具を布線板に取り付ける際、布線板に穴を開けて組立用治具を穴に差し込んだのでは、布線板を傷つけたり、組立用治具を破損させるおそれがあり、取付作業も容易ではない。
【0008】
一方、鉄道車両や航空機等の移動体は、安全に運行する必要があることから、信頼性の高いワイヤーハーネスが求められている。また、自動車業界では、車両開発期間の短縮に迅速に対応可能な高い生産性も求められている。
【0009】
ワイヤーハーネスを製造する企業は、電線の組立順序や分岐位置等を独自に管理しているため、同じワイヤーハーネスを製造するとしても、電線の組立順序が異なる結果、電線を束ねたときの太さや捻じれ具合が異なってくる。これは電線の端部の位置ズレとなって現れる。このような場合、電線の両端にコネクタを接続する際に一部の電線がコネクタに届かないといった不都合が生じる。これを回避するために電線を長めにしておき、コネクタを接続する際に電線を切断して長さを調整したり、短い電線に合わせてコネクタを接続し、長めの電線を弛ませるという調整が発生する。このため、ワイヤーハーネス間で太さや長さのバラツキが生じ、信頼性の低下を招くおそれがある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、信頼性の高いワイヤーハーネスを高い生産性で製造することが可能なワイヤーハーネス製造システム及びワイヤーハーネス製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]ワイヤーハーネスの組立工程に対応した画像データを前記組立工程の進行に応じて画面を切り替えて表示部に表示する複数のワイヤーハーネス製造装置と、前記ワイヤーハーネスを全長に応じて複数の組に分け、前記複数の組に対応した前記画像データを前記複数の組に対応した前記複数のワイヤーハーネス製造装置に提示する提示手段と、を備えた、ワイヤーハーネス製造システム。
[2]ワイヤーハーネスの組立工程に対応した画像データを前記組立工程の進行に応じて画面を切り替えて表示部に表示する複数のワイヤーハーネス製造装置を用いて、前記ワイヤーハーネスを製造する方法であって、前記ワイヤーハーネスを全長に応じて複数の組に分け、前記複数の組に対応した前記画像データを前記複数の組に対応した前記複数のワイヤーハーネス製造装置に提示するステップを含む、ワイヤーハーネス製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、信頼性の高いワイヤーハーネスを高い生産性で製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造システムの概略の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造装置の概略の構成例を示す断面図である。
図3図3は、管理装置の制御系の一例を示すブロック図である。
図4図4は、プロジェクタの制御系の一例を示すブロック図である。
図5図5は、遠隔操作器の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、組立用治具を示し、(a)は、スクリーンへの取り付け前を示す正面図、(b)は、(a)の平面図、(c)は、スクリーンへの取り付け後を示す部分断面図である。
図7A図7Aは、1ページ目の投影画像の一例を示す図である。
図7B図7Bは、2ページ目の投影画像の一例を示す図である。
図7C図7Cは、3ページ目の投影画像の一例を示す図である。
図7D図7Dは、4ページ目の投影画像の一例を示す図である。
図7E図7Eは、5ページ目の投影画像の一例を示す図である。
図8図8(a)は、スクリーンの変形例1を示す要部平面図、図8(b)は、スクリーンの変形例2を示す要部断面図である。
図9図9は、本発明の第2の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造装置の概略の構成例を示す断面図である。
図10図10は、第2の実施の形態に係る管理装置の制御系の一例を示すブロック図である。
図11図11は、本発明の第3の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造装置の概略の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0015】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造システムの概略の構成例を示すブロック図である。
【0016】
このワイヤーハーネス製造システム100は、ワイヤーハーネス製造方法が適用されたものであり、サーバ装置200と、サーバ装置200にインターネット等のネットワーク300を介して接続された複数のワイヤーハーネス製造装置1a、1b、1c・・・(これらを総称するときは「ワイヤーハーネス製造装置1」という。)とを有して概略構成されている。ここで、サーバ装置は、ワイヤーハーネス管理装置の一例である。
【0017】
ワイヤーハーネス製造装置1は、ワイヤーハーネスの組立工程に対応した画像データを組立工程の進行に応じて画面を切り替えて後述する表示部63に表示するものである。また、複数のワイヤーハーネス製造装置1は、例えば、それぞれが異なるワイヤーハーネス製造業者にレンタルされる。なお、同一のワイヤーハーネス製造業者に2台以上のワイヤーハーネス製造装置1をレンタルしてもよい。
【0018】
(サーバ装置の構成)
サーバ装置200は、ワイヤーハーネス製造装置1との間で双方向通信を行い、ワイヤーハーネス製造装置1からワイヤーハーネスの履歴情報を取得する。
【0019】
サーバ装置200は、サーバ装置200の各部及びワイヤーハーネス製造システム100全体を制御する制御部210と、各種の情報を記憶する記憶部220と、ネットワーク300に接続された通信部230とを備える。
【0020】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成され、記憶部220に記憶されたプログラム221に従って動作することにより、提示手段、認証手段等として機能する。
【0021】
記憶部220は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等から構成され、制御部210のCPUのプログラム221、1つの移動体を構成する複数のワイヤーハーネス組立品a、b、c・・・を製造するためのワイヤーハーネス組立品画像データ222a、222b、222c、・・・(これらを総称するときは「ワイヤーハーネス組立品画像データ222」という。)、認証情報223等を記憶している。各ワイヤーハーネス組立品画像データ222及びワイヤーハーネス組立品には、ワイヤーハーネス組立品を識別するワイヤーハーネス組立品ID(識別情報)が付与されている。認証情報223は、ワイヤーハーネス製造装置1を操作する権限が与えられた操作者のユーザIDが登録されている。
【0022】
ここで「移動体」は、本実施の形態では鉄道車両であるが、自動車、バス等の陸上車両や航空機等の他の移動体でもよい。また、ワイヤーハーネス組立品画像データ222は、画像データの一例である。また、「1つの移動体」は、複数の車両が連結された鉄道車両の場合、個々の車両をいう。
【0023】
制御部210の提示手段は、移動体に用いられる複数のワイヤーハーネスに対応したワイヤーハーネス組立品画像データ222を、ネットワーク300を介して接続された複数のワイヤーハーネス製造装置1に提示する。本明細書において「画像データを提示する」には、保存させるために画像データを供給する場合と、保存させずに閲覧のみさせるために画像データを提示する場合の両方の意味を含む。
【0024】
制御部210の認証手段は、ワイヤーハーネス製造装置1の操作者から認証要求を受け付けたとき、操作者に対する認証が成立するか否かを判断し、操作者に対する認証が成立したとき、当該操作者のワイヤーハーネス製造装置1に対する操作を受け付けし、表示部へのワイヤーハーネス組立品画像データ222の表示を可能とする認証処理を行う。すなわち、ワイヤーハーネス製造装置1からユーザIDがネットワーク300を介して送られてくると、そのユーザIDが記憶部220に記憶されている認証情報223に存在しているか否かを判断し、存在していれば認証が成立し、存在していなければ、認証が不成立となり、認証結果(成立/不成立)をネットワーク300を介してワイヤーハーネス製造装置1に送信する。
【0025】
ワイヤーハーネス製造装置1の後述する制御部は、サーバ装置200から認証成立の認証結果が送信された場合にのみ当該操作者のワイヤーハーネス製造装置1に対する操作を受け付けし、表示部にワイヤーハーネス組立品画像データ222を表示する。
【0026】
[第1の実施の形態]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造装置の概略の構成例を示す断面図である。
【0027】
(ワイヤーハーネス製造装置全体の構成)
このワイヤーハーネス製造装置1は、スクリーン2と、スクリーン2を支持する筐体3と、筐体3内に配置されたミラー4と、同じく筐体3内に配置され、投影画像をミラー4を介してスクリーン2の裏面2bに投影するプロジェクタ5と、ワイヤーハーネスの組立を管理する管理装置6と、プロジェクタ5を遠隔操作する遠隔操作器7とを備える。
【0028】
ここで、スクリーン2及びプロジェクタ5の後述する投影手段50は、表示部の一例である。また、「ワイヤーハーネス」とは、複数の電線を束にし、各電線の両端部にプリント基板や機器に接続するためのコネクタ又は端子を有するものをいう。「ワイヤーハーネスの組立工程」は、例えば、組立用治具取付工程、電線を布線する工程、及び電線の両端にコネクタを取り付ける工程を含むハーネス布線工程、布線したワイヤーハーネスをバンドで結束するバンド取付工程とから構成されている。なお、工程はこれらに限られない。また、「ワイヤーハーネス組立品」は、ワイヤーハーネスの組立工程を経て組み立てられたものをいうこともある。
【0029】
スクリーン2は、例えば、アクリル板、ガラス板等の透明板を用いることができる。また、スクリーン2の表面2aは、例えば、組立用治具10が負圧によって吸着できるように平滑な面になっており、裏面2bは、例えば、投影画像が表面2aから視認できるように光散乱面となっている。なお、スクリーン2は、背面投影型のものであれば、特に限定されない。例えば、透明板の裏面に光散乱シートを貼り付けてもよい。
【0030】
プロジェクタ5は、管理装置6の通信部64から投影画像データを受け取り、その投影画像データをメモリ58に記憶し、遠隔操作器7からの開始信号、ページ送り信号、ページ戻し信号、終了信号等に基づいて、投影画像の投影の開始、投影画像の送り又は戻し、投影の終了等を行うものである。
【0031】
管理装置6は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)により実現される。管理装置6の詳細の構成は後述する。
【0032】
遠隔操作器7は、プロジェクタ5を制御するための制御信号を送信する機能、バーコードを読み取る機能、及び読み取った2つのバーコードが一致するか否かの判定機能、及び判定結果を表示する機能を有する。遠隔操作器7の詳細の構成は後述する。
【0033】
(管理装置の構成)
図3は、管理装置6の制御系の一例を示すブロック図である。管理装置6は、CPU等によって構成され、ワイヤーハーネス製造装置1の各部を制御する制御部60と、各種の情報を記憶する記憶部61と、キーボード、マウス等で実現される入力部62と、液晶ディスプレイ等で実現される表示部63と、プロジェクタ5、遠隔操作器7、サーバ装置200等の外部装置と通信する通信部64とを備える。
【0034】
記憶部61は、ROM、RAM、ハードディスク等から構成され、CPUのプログラム610、投影画像データ611、管理データ612等を記憶している。なお、本実施の形態では、サーバ装置200が保持するワイヤーハーネス組立品画像データ222は、ワイヤーハーネス製造装置1が保持する投影画像データ611に対応しているものとする。
【0035】
制御部60のCPUは、プログラム610に従って動作し、管理装置6の各部、及びワイヤーハーネス製造装置1全体を制御する。
【0036】
投影画像データ611は、ワイヤーハーネス組立品IDに対応し、組立工程及び組立工程内の細部の作業工程に対応した複数のページから構成されている。また、投影画像データ611は、スクリーン2の表面2aに負圧によって吸着可能な組立用治具10の位置を示す治具画像を含む、また、投影画像データ611は、スクリーン2に投影されたときに、ワイヤーハーネスの原寸図と等倍、かつ、歪みのない正方形又は長方形で表示されるように予め補正されている。投影画像データ611には、工程名、工程の内容をイメージで表示する画像情報、工程の作業内容を文字で表示する文字情報等が含まれる。
【0037】
管理データ612は、例えば、操作者としての作業者を識別する作業者ID(識別情報)、ワイヤーハーネス組立品ID、作業開始日時(例えば、遠隔操作器7から開始信号が送信された日時)、作業終了日時(例えば、遠隔操作器7から終了信号が送信された日時)、コネクタのバーコードに関する判定結果等が互いに関係付けられて履歴情報として記憶部61に記憶される。ここで、コネクタのバーコードは、コネクタ識別情報の一例である。コネクタ識別情報としては、バーコード等の一次元コードに限られず、QRコード(登録商標)、PDF417、Data Matrix、Maxi Code等の二次元コード、独自コード等の機械読取り可能なコードや、ドットパターン等のパターンでもよい。また、目的に応じて複数種のコードを組み合わせてもよい。
【0038】
制御部60のCPUは、通信部64及びネットワーク300を介してサーバ装置200と双方向通信を行い、自己のワイヤーハーネス製造装置1に提示されたワイヤーハーネス組立品画像データ222を投影画像データ611として記憶部61に記憶する。また、制御部60のCPUは、予め定められたタイミングで記憶部61に記憶された履歴情報を通信部64及びネットワーク300を介してサーバ装置200に送信する。
【0039】
(プロジェクタの構成)
図4は、プロジェクタ5の制御系の一例を示すブロック図である。プロジェクタ5は、投影画像を投影する投影手段50と、CPU等によって構成され、プロジェクタ5の各部を制御する制御部57と、管理装置6から送信された投影画像データ611を記憶するメモリ58とを備える。
【0040】
投影手段50は、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ出射する3つのLED光源51と、各LED光源51から出射された赤色光、緑色光、青色光を受けて赤色画像光、緑色画像光、青色画像光をそれぞれ生成するR、G、B用の3つの液晶パネル52と、LED光源51を駆動する光源駆動部53と、液晶パネル52を駆動する液晶パネル駆動部54と、3つの液晶パネル52により生成された赤色画像光、緑色画像光、青色画像光を合成する合成光学系55と、合成光学系55により合成された投影画像をミラー4を介してスクリーン2に投影する投影レンズ56とを備える。
【0041】
プロジェクタ5の制御部57は、管理装置6から送信された投影画像データを受け取ると、その投影画像データをメモリ58に記憶する。また、制御部57は、遠隔操作器7からの開始信号に基づいて、1ページ目の投影画像データをメモリ58から読み出し、その投影画像データに基づく投影画像をスクリーン2に投影させる。また、制御部57は、遠隔操作器7からのページ送り信号又はページ戻し信号に基づいて、対応するページの投影画像データに基づく投影画像をスクリーン2に投影させる。
【0042】
(遠隔操作器の構成)
図5は、遠隔操作器7の構成の一例を示すブロック図である。遠隔操作器7は、CPU等によって構成され、遠隔操作器7の各部を制御する制御部70と、投影開始を指示する開始信号を発生する開始ボタン71a、ページ送りを指示するページ送り信号を発生する送りボタン71b、ページ戻しを指示するページ戻し信号を発生する戻しボタン71c、及び投影終了を指示する終了信号を発生する終了ボタン71d等の各種のボタンと、テンキー72と、バーコードを光学的に読み取る読取部73と、読取部73によって読み取られた、コネクタに付加されたバーコードと投影画像に表示されたバーコードとが一致するか否かの判定を行う判定部74と、判定部74の判定結果を表示する判定結果表示部75と、制御部70により判定結果を管理装置6に送信する通信部76とを備える。
【0043】
判定結果表示部75は、両者のバーコードが一致したときは、例えば「ピンポーン」という一致したこと示す音を発生し、両者のバーコードが不一致のときは、例えば「ブブー」という一致しなかったことを示す音を発生してもよい。また、判定結果表示部75は、両者のバーコードが一致したときは、例えば緑色のランプを点灯させ、両者のバーコードが不一致のときは、例えば赤色のランプを点灯させてもよい。さらに、音と色の両方で判定結果を表示してもよい。
【0044】
(組立用治具の構成)
図6は、組立用治具10を示し、(a)は、スクリーン2への取り付け前を示す正面図、(b)は、(a)の平面図、(c)は、スクリーン2への取り付け後を示す部分断面図である。
【0045】
組立用治具10は、ドーム状の本体11と、本体11の内側に配置された吸着盤12と、レバー部13と、支軸14を中心にレバー部13を回転可能に支持するスライド軸15と、スライド軸15の先端に設けられ、スライド軸15を吸着盤12に固定する座部16とを備える。
【0046】
本体11は、その中央にスライド軸15が貫通して上下方向にスライド可能な開口11aが形成されている。
【0047】
レバー部13は、電線又はワイヤーハーネスを支持する一対の支持片130と、一対の支持片130に接続され、レバー部13の回転中心となる支点部131とを備える。支点部131には、カム面131aが形成されている。カム面131aは、図6(a)に示す状態では、本体11の上面に非接触状態となっており、レバー部13を図6(c)に示すように回転させると、カム面131aが本体11の上面に接触し、スライド軸15を上方に引き上げる。スライド軸15が上方に引き上げられると、吸着盤12の中央部が上方に持ち上げられ、吸着盤12の内側の空間が増加して負圧となり、組立用治具10がスクリーン2の表面2aに吸着される。
【0048】
本体11、レバー部13、支軸14、スライド軸15及び座部16は、例えば樹脂又は金属から形成されている。吸着盤12は、例えばゴム等の弾性部材から形成されている。
【0049】
(ワイヤーハーネスの製造方法)
次に、ワイヤーハーネスの製造方法の一例について説明する。ワイヤーハーネス製造装置1を用いたワイヤーハーネスの組立に先だって、サーバ装置200からワイヤーハーネス組立品画像データ222をネットワーク300を介して各ワイヤーハーネス製造装置1に送信する。
【0050】
(1)第1の製造方式の場合
この第1の製造方式は、例えば、1つの車両がワイヤーハーネスA、B、Cから構成され、3つのワイヤーハーネス製造装置1a、1b、1cを用いて2つの車両分のワイヤーハーネスを製造する場合に、各ワイヤーハーネス製造装置1a〜1cは、同じ種類のワイヤーハーネスを製造する方式である。
【0051】
ワイヤーハーネス製造装置1aにワイヤーハーネスA用のワイヤーハーネス組立品画像データ222aを送信し、ワイヤーハーネス製造装置1bにワイヤーハーネスB用のワイヤーハーネス組立品画像データ222bを送信し、ワイヤーハーネス製造装置1cにワイヤーハーネスC用のワイヤーハーネス組立品画像データ222cを送信する。
【0052】
ワイヤーハーネス製造装置1aは、ワイヤーハーネス組立品画像データ222aに基づいてワイヤーハーネスAを2本製造し、ワイヤーハーネス製造装置1bは、ワイヤーハーネス組立品画像データ222bに基づいてワイヤーハーネスBを2本製造し、ワイヤーハーネス製造装置1cは、ワイヤーハーネス組立品画像データ222cに基づいてワイヤーハーネスCを2本製造する。
【0053】
(2)第2の製造方式の場合
この第2の製造方式は、例えば、1つの車両がワイヤーハーネスA、B、Cから構成され、2つのワイヤーハーネス製造装置1a、1bを用いて2つの車両分のワイヤーハーネスを製造する場合に、各ワイヤーハーネス製造装置1a、1bは、1つの車両分のワイヤーハーネスを製造する方式である。
【0054】
ワイヤーハーネス製造装置1aにワイヤーハーネスA、B、C用のワイヤーハーネス組立品画像データ222a、222b、222cを送信し、ワイヤーハーネス製造装置1bにワイヤーハーネスA、B、C用のワイヤーハーネス組立品画像データ222a、222b、222cを送信する。
【0055】
ワイヤーハーネス製造装置1aは、ワイヤーハーネス組立品画像データ222a〜222cに基づいてワイヤーハーネスA、B、Cを各1本製造する。ワイヤーハーネス製造装置1bは、ワイヤーハーネス製造装置1aと同様に、ワイヤーハーネス組立品画像データ222a〜222cに基づいてワイヤーハーネスA、B、Cを各本製造する。
【0056】
(組立方法)
次に、ワイヤーハーネス製造装置1を用いたワイヤーハーネス組立品の組立方法の一例について図7A図7Eを参照して説明する。図7A図7Eは、スクリーン2を表側から見た投影画像の一例を示す図である。なお、布線工程が3つのワイヤーハーネスの布線工程から構成されている場合について以下に説明する。
【0057】
操作者としての管理者は、管理装置6の入力部62を操作してユーザIDを入力する。管理装置6の制御部60は、入力されたユーザIDとともに認証要求をネットワーク300を介してサーバ装置200に送信する。サーバ装置200の制御部210の認証手段は、操作者に対する認証が成立するか否かを判断し、操作者に対する認証が成立したとき、成立の認証結果をネットワーク300を介してワイヤーハーネス製造装置1に送信する。ワイヤーハーネス製造装置1の制御部60は、その後の当該管理者の操作を受け付ける。
【0058】
管理者は、管理装置6の入力部62を操作してワイヤーハーネス識別情報を入力する。制御部60は、入力部62に入力されたワイヤーハーネス識別情報に対応する投影画像データを記憶部61から読み出し、プロジェクタ5に送信する。
【0059】
プロジェクタ5の制御部57は、管理装置6から送信された投影画像データをメモリ58に記憶する。作業者は、遠隔操作器7のテンキー72を操作して作業者を識別する作業者IDを入力する。続いて作業者は、遠隔操作器7の開始ボタン71aを操作して投影開始を指示する。遠隔操作器7の制御部70は、作業者IDを管理装置6に送信し、開始信号をプロジェクタ5に送信する。管理装置6の制御部60は、遠隔操作器7から送信された作業者IDを管理データ612として記憶部61に記憶する。プロジェクタ5の制御部57は、遠隔操作器7からの開始信号に基づいて投影を開始する。すなわち、制御部57は、1ページ目の投影画像データをメモリ58から読み出し、投影手段50を制御して1ページ目の投影画像データに基づく投影画像をスクリーン2に投影させる。
【0060】
(1)組立用治具取付工程
図7Aは、1ページ目の「組立用治具取付」工程の投影画像の一例を示す図である。同図に示す投影画像20には、「組立用治具取付」の工程名20aと、組立用治具10の取付位置を示す組立用治具10の治具画像21と、電線の布線位置を示す布線指示線22とが表示されている。このとき、治具画像21がハイライト表示されてもよい。
【0061】
作業者は、投影された投影画像20の工程名20aの「組立用治具取付」を確認し、スクリーン2に投影された治具画像21の位置に組立用治具10を取り付ける。作業者は、組立用治具10の取付作業が終わると、遠隔操作器7の送りボタン71bを操作する。遠隔操作器7の制御部70は、送りボタン71bの操作に基づいてページ送り信号をプロジェクタ5に送信する。
【0062】
(2)ハーネス1の布線工程
プロジェクタ5の制御部57は、遠隔操作器7からのページ送り信号に基づいて2ページ目の投影画像データをメモリ58から読み出し、投影手段50を制御して2ページ目の投影画像データに基づく投影画像をスクリーン2に投影させる。
【0063】
図7Bは、2ページ目の「ハーネス1布線」工程の投影画像を示す図である。同図に示す投影画像20には、図7Aと同様の「ハーネス1布線」の工程名20a、治具画像21、布線指示線22の他に、電線画像23a、コネクタ型式及びバーコード27a、27bを含むコネクタ画像24a、24bが表示されている。このとき、電線画像23a及びコネクタ画像24a、24bがハイライト表示されてもよい。なお、布線工程では、電線の仕様(型式、色、長さ等9が投影画像に表示されている(以下の布線工程でも同じ。)。
【0064】
作業者は、投影された投影画像20の工程名20aの「ハーネス1布線」を確認し、電線画像23aと色が同系色で長さがほぼ同じ電線を選び、選んだ電線を組立用治具10の一対の支持片130間を通る電線画像23a上に配置する。
【0065】
次に、その電線の両端にコネクタ画像24a、24bに対応するコネクタを接続する。このとき、作業者は、コネクタに付加されたコネクタ番号がコネクタ画像24a、24bに表示されているコネクタ番号と一致することを確認した後、コネクタを接続する。具体的には、遠隔操作器7の読取部73でコネクタ側及びコネクタ画像24a、24b側のそれぞれのコネクタ番号に併記されているバーコードを読み取る。判定部74は、両者が一致しているか否かを判定し、判定結果表示部75は、判定結果を表示して作業者に知らせる。また、遠隔操作器7の制御部70は、判定結果を通信部76を介して管理装置6に送信する。管理装置6の制御部60は、判定結果を通信部64を介して受信し、その判定結果を工程名とともに履歴情報として管理データ612に記憶する。バーコードの読取、判定結果の表示、履歴情報の記憶は、以下のハーネスの布線工程でも同じように行われる。
【0066】
以上のようにしてハーネス1の布線が終わる。作業者は、ハーネス1の布線が終わると、遠隔操作器7の送りボタン71bを操作する。遠隔操作器7の制御部70は、送りボタン71bの操作に基づいてページ送り信号をプロジェクタ5に送信する。
【0067】
(3)ハーネス2の布線工程
プロジェクタ5の制御部57は、遠隔操作器7からのページ送り信号に基づいて3ページ目の投影画像データをメモリ58から読み出し、投影手段50を制御して3ページ目の投影画像データに基づく投影画像をスクリーン2に投影させる。
【0068】
図7Cは、3ページ目の「ハーネス2布線」工程の投影画像を示す図である。同図に示す投影画像20には、図7Aと同様の「ハーネス2布線」の工程名20a、治具画像21、布線指示線22の他に、電線画像23b、23c、コネクタ型式及びバーコード27c〜27eを含むコネクタ画像24c、24d、24eが表示され、さらにテープを表してテープ画像25が表示されている。このとき、電線画像23b、23c、コネクタ画像24a〜24e及びテープ画像25がハイライト表示されてもよく、テープ画像25のみがハイライト表示されてもよい。なお、ハーネス1の画像は表示されていない。
【0069】
作業者は、投影された投影画像20の工程名20aの「ハーネス2布線」を確認し、2本の電線画像23b、23cのそれぞれと色が同系色で長さがほぼ同じ2本の電線を選び、選んだ2本の電線を組立用治具10の一対の支持片130間を通る電線画像23b、23c上に配置する。
【0070】
次に、2本の電線の両端にコネクタ画像24c、24d、24eに対応するコネクタを接続する。このとき、作業者は、コネクタに付加されたコネクタ番号がコネクタ画像24c、24d、24eに表示されているコネクタ番号と一致することを確認した後、コネクタを接続する。次に、テープ画像25が表示されている複数の位置にテープを巻き付けて電線を束ねる。なお、テープの巻き付け作業は、後の工程、例えば電線を束ねる工程で行ってもよい。
【0071】
以上のようにしてハーネス2の布線が終わる。作業者は、ハーネス2の布線が終わると、遠隔操作器7の送りボタン71bを操作する。遠隔操作器7の制御部70は、送りボタン71bの操作に基づいてページ送り信号をプロジェクタ5に送信する。
【0072】
(4)ハーネス3の布線工程
プロジェクタ5の制御部57は、遠隔操作器7からのページ送り信号に基づいて4ページ目の投影画像データをメモリ58から読み出し、投影手段50を制御して4ページ目の投影画像データに基づく投影画像をスクリーン2に投影させる。
【0073】
図7Dは、4ページ目の「ハーネス3布線」工程の投影画像を示す図である。同図に示す投影画像20には、図7Aと同様の「ハーネス3布線」の工程名20a、治具画像21、布線指示線22の他に、電線画像23d、コネクタ型式及びバーコード27f、27gを含むコネクタ画像24f、24gが表示されている。このとき、電線画像23d及びコネクタ画像24f、24gがハイライト表示されてもよい。なお、ハーネス1、2の画像は表示されていない。
【0074】
作業者は、投影された投影画像20の工程名20aの「ハーネス3布線」に従い、電線画像23dと色が同系色で長さがほぼ同じ電線を選び、選んだ電線を組立用治具10の一対の支持片130間を通る電線画像23d上に配置する。
【0075】
次に、電線の両端にコネクタ画像24f、24gに対応するコネクタを接続する。このとき、作業者は、コネクタに付加されたコネクタ番号がコネクタ画像24f、24gに表示されているコネクタ番号と一致することを確認した後、コネクタを接続する。
【0076】
以上のようにしてハーネス3の布線が終わる。作業者は、ハーネス3の布線が終わると、遠隔操作器7の送りボタン71bを操作する。遠隔操作器7の制御部70は、送りボタン71bの操作に基づいてページ送り信号をプロジェクタ5に送信する。
【0077】
(5)電線を束ねる工程
プロジェクタ5の制御部57は、遠隔操作器7からのページ送り信号に基づいて5ページ目の投影画像データをメモリ58から読み出し、投影手段50を制御して5ページ目の投影画像データに基づく投影画像をスクリーン2に投影させる。
【0078】
図7Eは、5ページ目の「電線を束ねる」工程の投影画像を示す図である。同図に示す投影画像20には、図7Aと同様の「電線を束ねる」の工程名20a、治具画像21の他に、全てのハーネス1〜3の電線画像23a〜23d、コネクタ画像24a〜24gが表示され、さらにスリット入りチューブを表したチューブ画像26が表示されている。なお、チューブ画像26は、目立つようにハイライト表示されてもよい。
【0079】
作業者は、投影された投影画像20の工程名20aの「電線を束ねる」を確認し、チューブ画像26の位置でスリット入りのチューブにより電線を束ねる。
【0080】
以上のようにしてワイヤーハーネス組立品が完成する。作業者は、ワイヤーハーネス組立品が完成すると、遠隔操作器7の終了ボタン71dを操作する。遠隔操作器7は、終了ボタン71dの操作に基づいて終了信号をプロジェクタ5に送信する。
【0081】
プロジェクタ5の制御部57は、遠隔操作器7からの終了信号に基づいて、メモリ58に記憶されている投影画像データを消去する。
【0082】
(第1の実施の形態の作用、効果)
第1の実施の形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
(a)電線の布線工程内の作業工程に応じてワイヤーハーネスの組立工程の画像を切り換えるため、電線や布線場所を間違えるおそれが少なくなる。
(b)組立用治具の取付位置は、投影画像に表示されるため、組立用治具の取付位置を誤るおそれが少なくなる。
(c)組立用治具を吸着によりスクリーンに取り付けるため、スクリーンを傷つけたり、組立用治具を破損させるおそれが少なくなり、取付作業が容易になる。
(d)したがって、電線やワイヤーハーネスを支持する組立用治具の取付ミスを含む作業ミスが少なくなる。
(e)スクリーン2に投影画像を投影させているので、スクリーン2として比較的強度の高いものを用いることができる。
(f)ワイヤーハーネスの組立工程を画像によって視覚的に表示しているので、作業ミスが減り、信頼性の高いワイヤーハーネスを製造することができる。
(g)1つの移動体を構成するワイヤーハーネスを複数のワイヤーハーネス製造装置に分散して製造しているので、高い生産性でワイヤーハーネスを製造することができる。
(h)統一した電線の布線工程を経てワイヤーハーネスを製造しているので、同じワイヤーハーネスを分けて製造したとしてもワイヤーハーネスの太さや長さのバラツキが少ない品質の安定した信頼性の高いワイヤーハーネスを製造することができる。
【0083】
次に、第1の実施の形態の変形例を説明する。
【0084】
[変形例1]
上記実施の形態では、組立用治具として、負圧によってスクリーンの表面に吸着するものについて説明したが、スクリーンは、組立用治具が磁力によってスクリーンの表面に磁気吸着する性質を有するものを用いてもよい。
【0085】
図8(a)は、スクリーンの変形例1を示す要部平面図である。磁気吸着する性質を有するスクリーン2としては、図8(a)に示すように、金属線2cを格子状に配置したものを用いてもよい。この場合、組立用治具は、例えば、回転可能に設けられた永久磁石と、永久磁石を回転させて磁力をオン、オフさせるツマミとを備えたものを用いことができる。そして、組立用治具をスクリーン2の表面2aに吸着させる場合は、ツマミを回転させて磁力をオンにする。組立用治具をスクリーン2から外す場合は、ツマミを回転させて磁力をオフにする。なお、永久磁石の代わりに電磁石を用いてもよい。また、変形例1を他の実施の形態に適用してもよい。
【0086】
[変形例2]
図8(b)は、スクリーンの変形例2を示す要部平面図である。図8(b)に示すように、磁性粉2cを含有する透明シート2dをスクリーン2の表面2aに形成したものを用いてもよい。この場合の組立用治具は、変形例1と同じものを用いる。なお、変形例2を他の実施の形態に適用してもよい。
【0087】
[変形例3]
上記実施の形態では、組立工程毎に投影画像データを用意したが、投影画像データ611は、組立工程毎に投影するオブジェクト(テキスト含む)を変えてもよい。また、大分類の工程はページごとに、小分類の工程はオブジェクトごとに画像を切り替えてもよい。なお、変形例3を他の実施の形態に適用してもよい。
【0088】
[変形例4]
上記実施の形態では、遠隔操作器7からのページ送り信号に基づいて投影画像を切り替えていたが、予め定められた時間ごとに投影画像を切り替えて表示するようにプロジェクタ5を制御してもよい。なお、変形例4を他の実施の形態に適用してもよい。
【0089】
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造装置の概略の構成例を示す断面図である。第1の実施の形態では、表示部として、スクリーン2とプロジェクタ5を用いたが、第2の実施の形態は、タッチパネルディスプレイ12を用いたものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0090】
本実施の形態のワイヤーハーネス製造装置1は、タッチパネルディスプレイ12と、タッチパネルディスプレイ12を支持する筐体3と、タッチパネルディスプレイ12を制御する管理装置6と、管理装置6に接続された遠隔操作器7とを備える。なお、タッチパネルディスプレイ12は、表示部又は表示入力部の一例である。
【0091】
タッチパネルディスプレイ12は、画像の表示及び画像の編集情報等の入力が可能に構成されている。すなわち、タッチパネルディスプレイ12は、画像を表示するディスプレイの表面側にタッチパネルを配置し、タッチパネルに手、指、ペン等で情報を入力できるように構成されている。また、タッチパネルディスプレイ12の表面12aには、第1の実施の形態と同様に組立用治具10が取り付け可能になっている。なお、タッチパネルディスプレイ12の表面12aの側に透明板を配置し、その透明板の表面に組立用治具10を取り付けてもよい。この構成によれば、タッチパネルディスプレイ12の表面の強度が低い場合でも組立用治具10の取付けが可能になる。
【0092】
遠隔操作器7は、第1の実施の形態と同様のものであるが、開始ボタン71a、送りボタン71b、戻しボタン71c、終了ボタン71d、テンキー72の機能をタッチパネルディスプレイ12に表示する画像に持たせてもよい。これにより、開始ボタン71a、送りボタン71b、戻しボタン71c、終了ボタン71d、テンキー72を省くことができ、遠隔操作器7の小型化を図れる。
【0093】
図10は、第2の実施の形態に係る管理装置6の制御系の一例を示すブロック図である。管理装置6は、第1の実施の形態と同様に、制御部60、記憶部61、入力部62、表示部63及び通信部64を備える。通信部64にタッチパネルディスプレイ12が接続されている。
【0094】
記憶部61は、ROM、RAM、ハードディスク等から構成され、CPUのプログラム610、投影画像データ611と同様に構成された画像データ611a、管理データ612等を記憶している。なお、本実施の形態では、サーバ装置200が保持するワイヤーハーネス組立品画像データ222は、ワイヤーハーネス製造装置1が保持する画像データ611aに対応しているものとする。
【0095】
制御部60のCPUは、通信部64及びネットワーク300を介してサーバ装置200と双方向通信を行い、自己のワイヤーハーネス製造装置1に提示されたワイヤーハーネス組立品画像データ222を画像データ611aとして記憶部61に記憶する。また、制御部60のCPUは、予め定められたタイミングで記憶部61に記憶された履歴情報又は編集情報を通信部64及びネットワーク300を介してサーバ装置200に送信する。
【0096】
サーバ装置200の制御部210のCPUは、プログラム221に従って動作することにより、編集手段として動作する。編集手段は、タッチパネルディスプレイ12に入力され、ワイヤーハーネス製造装置1から送信された編集情報に基づいて記憶部220が記憶するワイヤーハーネス組立品画像データ222を編集する。
【0097】
(第2の実施の形態の作用、効果)
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に上記(a)〜(d)の作用、効果を奏するとともに、編集情報をサーバ装置200に送信することにより、サーバ装置200側で画像データを編集することができる。また、第1の実施の形態と比べて表示部を小型にできる。
【0098】
なお、第2の実施の形態の組立工程に対応したワイヤーハーネス組立品画像データ222の代わりに組立工程に対応した仮図面データをサーバ装置200の記憶部220に記憶しておき、仮図面データをサーバ装置200から各ワイヤーハーネス製造装置1に提示してもよい。作業者がタッチパネルディスプレイ12に表示された画像に対しワイヤーハーネスを沿わせながら、タッチペン、電子ペン等を用いて仮図面の編集情報の入力を行うと、管理装置6の制御部60が入力された編集情報をサーバ装置200に送信し、サーバ装置200の制御部210の編集手段が編集情報に基づいて、記憶部220が記憶する仮図面データを編集してワイヤーハーネス組立品画像データ222を生成する。ここで、「仮図面データ」とは、ワイヤーハーネスの布線位置を示す図面情報、及びハーネス組立作業を指示する文字情報を含むものをいう。
【0099】
[第3の実施の形態]
図11は、本発明の第3の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造装置の概略の構成例を示す断面図である。第2の実施の形態では、1つの管理装置6に1つのタッチパネルディスプレイ12及び遠隔操作器7を接続したが、本実施の形態は、1つの管理装置6に複数のタッチパネルディスプレイ12及び遠隔操作器7を直接又はインターネット等のネットワークを介して接続したものである。
【0100】
本実施の形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
(a)同一のワイヤーハーネス組立品、又は異なるワイヤーハーネス組立品を複数の作業者に同時に作製することができる。
(b)管理装置6は、各工程の開始時間及び終了時間が作業者ごとに分かるので、どこの作業者が遅れているかを把握することができ、その遅れている作業者の所の人数を増やして応援することができる。また、1つのワイヤーハーネスの製造業者が複数のタッチパネルディスプレイ12を用いることにより、生産性の向上をより一層図ることができる。
【0101】
なお、複数のタッチパネルディスプレイ12を横に並べておき、1つのワイヤーハーネス組立品用の画像を分割して複数のタッチパネルディスプレイ12に表示してもよい。この場合、タッチパネルディスプレイ12間の隙間は無い方が好ましい。
【0102】
[他の変形例]
なお、本発明の実施の形態は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々な実施の形態が可能である。上記各実施の形態では、ハーネス1の布線工程、ハーネス2の布線工程、ハーネス3の布工程は、それぞれ画像を切り替えたが、全てのハーネスを明るさを落として表示しておき、当該ハーネスに関係する箇所のみを明るく表示するなどの当該ハーネスに関係する箇所が目立つようにハイライト表示等の強調表示をしてもよい。
【0103】
また、本発明の実施の形態の構成要素の一部を本発明の要旨を逸脱しない範囲内において省いてもよい。例えば、遠隔操作器7を用いずに管理装置6から画像の切り替えを行ってもよい。また、第1の実施の形態において、投影画像をミラーを介さずにスクリーンに直接投影してもよい。さらに、投影画像を複数のミラーを介してスクリーンに投影してもよい。これにより薄型化が図れる。
【0104】
また、ワイヤーハーネス組立品画像データをワイヤーハーネス製造装置に提示する際、1つの移動体を構成する複数のワイヤーハーネスを全長に応じて複数の組に分け、複数の組に対応したワイヤーハーネス組立品画像データを複数の組に対応した複数のワイヤーハーネス製造装置に提示してもよい。
【0105】
また、上記実施の形態では、ワイヤーハーネス組立品画像データや仮図面データをネットワーク300経由でワイヤーハーネス製造装置1に提示したが、USBメモリ、CD−ROM等の記録媒体を介してワイヤーハーネス製造装置1に提示してもよい。
【0106】
また、上記実施の形態では、編集情報をネットワーク300経由でサーバ装置200に提供したが、USBメモリ、CD−ROM等の記録媒体を介してサーバ装置200に提供してもよい。
【0107】
また、電線に組立順序を示す番号等による順序情報を付加してもよい。
【0108】
また、上記実施の形態では、サーバ装置200側で認証処理を行ったが、ワイヤーハーネス製造装置1側に認証情報を保持させてワイヤーハーネス製造装置1側、例えば、管理装置6の制御部60又は遠隔操作器7の制御部70が認証処理を行ってもよい。
【0109】
上記実施の形態では、認証対象者を管理者として説明したが、作業者でもよい。また、管理者を省いて作業者が管理者の業務も行ってもよい。
【0110】
上記実施の形態では、ワイヤーハーネス製造装置1をハードディスクを有するものとして説明したが、ハードディスクを持たないものでもよい。この場合のワイヤーハーネス製造装置は、サーバ装置200から提示された画面データを1ページごとに表示部に表示して閲覧する。ワイヤーハーネス製造装置にハードディスクを持たせないことにより、画像データの流出による情報漏洩を防ぐことができる。
【0111】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態の組立工程において、工程の追加、削除、変更、入替え等が可能である。
【0112】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、各実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。例えば、第2及び第3の実施の形態では、編集情報等を入力する手段として、タッチパネルディスプレイ12を用いたが、第1の実施の形態のスクリーン2に対してインタラクディブペンのようにポインティング光(例えば赤外線、レーザ光)を照射し、その照射点の座標をカメラで検出するポインティングデバイスを用いることができる。また、第1の実施の形態のスクリーン2に対して電子ペンのスクリーン2上の位置を検出して編集情報等を入力するようにしてもよい。そのような方式として、超音波式(電子ペンが発信する超音波をセンサが受ける)、赤外線式(電子ペンが出力する赤外線をセンサが受ける)、カメラ式(電子ペンの座標を特定するための特別な模様が薄く印刷されている半透明シートを使用する)等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、鉄道車両用ハーネス、自動車用ハーネス、航空機用ハーネス、医療用ハーネス、機器内ハーネス等に適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
1、1a、1b、1c…ワイヤーハーネス製造装置、2…スクリーン、2a…表面、2b…裏面、2c…金属線、2c…磁性粉、2d…透明シート、20…投影画像、20a…工程名、21…治具画像、22…布線指示線、23a〜23d…電線画像、24a〜24g…コネクタ画像、25…テープ画像、26…チューブ画像、27a〜27g…バーコード、3…筐体、4…ミラー、5…プロジェクタ、50…投影手段、51…LED光源、52…液晶パネル、53…光源駆動部、54…液晶パネル駆動部、55…合成光学系、56…投影レンズ、57…制御部、58…メモリ、10…組立用治具、11…本体、11a…開口、12…吸着盤、13…レバー部、14…支軸、15…スライド軸、16…座部、130…支持片、131…支点部、131a…カム面、6…管理装置、60…制御部、61…記憶部、62…入力部、63…表示部、610…プログラム、611…投影画像データ、612…管理データ、7…遠隔操作器、70…制御部、71a…開始ボタン、71b…送りボタン、71c…戻しボタン、71d…終了ボタン、72…テンキー、73…読取部、74…判定部、75…判定結果表示部、76…通信部100…ワイヤーハーネス製造システム、200…サーバ装置、210…制御部、220…記憶部、221…プログラム、222、222a、222b、222c…ワイヤーハーネス組立品画像データ、223…認証情報、230…通信部、300…ネットワーク
【要約】
【課題】信頼性の高いワイヤーハーネスを高い生産性で製造することが可能なワイヤーハーネス製造システム及びワイヤーハーネス製造方法を提供する。
【解決手段】ワイヤーハーネスの組立工程に対応した画像データを前記組立工程の進行に応じて画面を切り替えて表示部に表示する複数のワイヤーハーネス製造装置と、前記ワイヤーハーネスを全長に応じて複数の組に分け、前記複数の組に対応した前記画像データを前記複数の組に対応した前記複数のワイヤーハーネス製造装置に提示する提示手段と、を備えた、ワイヤーハーネス製造システム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11