特許第6427576号(P6427576)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6427576低融点を有するアルコキシル化ポリエチレンイミン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427576
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】低融点を有するアルコキシル化ポリエチレンイミン
(51)【国際特許分類】
   C08G 65/26 20060101AFI20181112BHJP
   C08G 73/04 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   C08G65/26
   C08G73/04
【請求項の数】15
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-537174(P2016-537174)
(86)(22)【出願日】2014年7月11日
(65)【公表番号】特表2016-529363(P2016-529363A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】EP2014064898
(87)【国際公開番号】WO2015028191
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年7月10日
(31)【優先権主張番号】13181708.2
(32)【優先日】2013年8月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】エベルト,ゾフィア
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】フュールスケッター,フランク
(72)【発明者】
【氏名】クリスマス,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】シャルラ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ラフナン,ブライアン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アイヒシュタット ヴァオン,アミィ
(72)【発明者】
【氏名】リース,ダレン
【審査官】 佐久 敬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−094708(JP,A)
【文献】 特表2008−535991(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0153983(US,A1)
【文献】 特開平06−322253(JP,A)
【文献】 特開2008−045127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 65/00−65/48
C08G 73/00−73/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
Rは、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C12−アルキレン基、又は以下の式:
【化2】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
10、R11、R12は、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C6−アルキレン基を表し、dは、0〜50の値を有する整数である]
のエーテルアルキル単位を表し;
Bは、分岐によるアルコキシル化ポリアルキレンイミンの連続を表し、
Eは、式II:
【化3】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
1は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び/又は1,2−ペンテンを表し;
2は、水素、及び/又はC14−アルキルを表し;
y及びzは、それぞれ0〜150であり、
mは、5〜18の範囲の値を有する整数であり;
nは、1〜5の範囲の値を有する整数であり;
pは、2〜14の範囲の値を有する整数である]
のアルキレンオキシ単位である]
を有し、及び25℃より低い融点を有する水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項2】
Rが、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C12−アルキレン基を表す請求項1に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項3】
Rが、エチレン、又はヘキサメチレンである請求項1又は2に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項4】
y+zの合計が、少なくとも1であるか、又はy及びzが0である請求項1又は2に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項5】
y及びzが両方とも0であり、dが1〜5であり、且つR10、R11、R12が、直鎖又は分岐のC3〜C4のアルキレン基から独立して選択される請求項1に記載のポリアミン。
【請求項6】
骨格分子量Mwが、50〜10000g/molの範囲にある請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項7】
m及びpが、5〜14の範囲の値を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項8】
前記ポリアルキレンイミン又はポリアミンに存在している窒素原子の最大100%が、四級化されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項9】
前記ポリアルキレンイミン又はポリアミンに存在している窒素原子の四級化度が、10〜95%の範囲にある請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項10】
四級化ポリアルキレンイミン又はポリアミンが、硫酸化、又はトランス硫酸化されている請求項8又は9に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミン。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミンの、化粧品製剤における、原油エマルション破壊剤としての、インクジェットインク用の顔料分散系における、電気めっき用の製剤における、セメント系組成物における使用方法。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアルキレンイミン又はポリアミンを調製する方法であって、ポリアルキレンイミン又はポリアミンを、第一にエチレンオキシドと、次いでプロピレンオキシド又はブチレンオキシドと、その後エチレンオキシドと反応させる方法。
【請求項13】
前記ポリアルキレンイミン又はポリアミンにおけるN−H官能基1モル当たり、前記ポリアルキレンイミン又はポリアミンを、5〜18molのエチレンオキシドと、次いで1〜5モルのプロピレンオキシド又はブチレンオキシドと、その後2〜14モルのエチレンオキシドと反応させる請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ポリアルキレンイミンが、ポリエチレンイミンであるか、又は前記ポリアミンが、ヘキサメチレンジアミンである請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン又は前記アルコキシル化ポリアミンを、さらに四級化、及び/又は硫酸化する請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5〜18個のポリエチレンオキシド単位を含むポリエチレンオキシドの内側ブロック(inner block)、1〜5個のポリアルキレンオキシド単位を含むポリアルキレンオキシドの中間ブロック(middle block)、及び2〜14個のポリエチレンオキシド単位を含むポリエチレンオキシドの外側ブロック(outer block)を有する水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミンに関連する。前記中間ブロックは、ポリプロピレンオキシド単位、ポリブチレンオキシド単位、及び/又はポリペンテンオキシド単位から形成される。さらに、本発明は、水溶性アルコキシル化ポリアミンに関連する。
【背景技術】
【0002】
WO99/67352は、600〜25000g/molの骨格分子量を有するポリアルキレンイミンであって、ポリアミン骨格(polyamine backbone)が、第一に1〜10個のプロピレンオキシ単位、ブチレンオキシ単位、及びそれらの混合物によって変性され、次いで総アルキレンオキシ化度(total degree of alkyleneoxylation)が50単位を超えないように、エチレンオキシ単位によって変性されるポリアルキレンイミンを記載する。これらのポリアルキレンイミンは、洗濯用製剤における汚れ分散剤(soil dispersant)として適切である。
【0003】
WO2006/108856は、両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミンであって、ポリアミン骨格が、第一にプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及び/又はイソブチレンオキシドの内側ポリアルキレンオキシドブロック、第二の中間ポリエチレンオキシドブロック、及び外側ポリプロピレンオキシドブロックによって変性される水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミンを示す。
【0004】
WO2009/060059は、20〜50個のポリエチレンオキシド単位を含む内側ポリエチレンオキシドブロック、及び10〜50個のポリプロピレンオキシド単位を含む外側ポリプロピレンオキシドブロックを有する両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミンに関連する。
【0005】
DE2227546A1は、原油エマルション(crude oil emulsion)用の破壊剤(breaker)として最初にエトキシ化、その後プロポキシ化(propoxylated)されているポリエチレンイミンを記載する。
【0006】
WO 95/32272は、汚れ分散性能を促進するエトキシ化及び/又はプロポキシ化ポリアルキレンアミンポリマーであって、前記ポリマーが、窒素当たり0.5〜10個の平均エトキシ化/プロポキシ化を有する、エトキシ化及び/又はプロポキシ化ポリアルキレンアミンポリマーを記載する。
【0007】
アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含む洗浄組成物(cleaning composition)も、公知である。アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、汚れ再付着防止(soil anti-redeposition)の利益等の洗浄の利益を提供するために役立つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO99/67352
【特許文献2】WO2006/108856
【特許文献3】WO2009/060059
【特許文献4】DE2227546A1
【特許文献5】WO 95/32272
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
エトキシ化ポリアルキレン、又はポリアミンのポリアミン骨格は、窒素原子当たり合計14個のポリエチレンオキシド単位以上で変性される場合、これらのポリアルキレンイミン又はポリアミンは、通常室温で固体であり、相当な取り扱いの難しさの原因となる。したがって、これらのポリアルキレンイミン又はポリアミンは、さらに加工されるために、まず融解されるか、又は水性溶液中に包含されなければならない。そのため、室温で液体であるエトキシ化ポリアルキレンイミン又はアミンであれば、より取り扱い易いであろう。
【0010】
したがって、本発明の目的は、エトキシ化ポリアルキレンイミン及びポリアミンであって、ポリアミン骨格が、窒素原子あたり14個以上のポリエチレンオキシド単位によって変性されており、且つ室温以下で、すなわち25℃以下で液体であるエトキシ化ポリアルキレンイミン及びポリアミンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚くべきことに、前述のエトキシ化ポリアルキレンイミンの欠点は、前記ポリアルキレンイミンのポリアミン骨格と縮合されるポリエチレンオキシドブロックに、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及び/又はペンテンオキシドの中間ブロックを加えることによって克服できることが見出された。また、驚くべきことに、前述のエトキシ化ポリアミンの欠点は、前記ポリアミン骨格と縮合されるポリエチレンオキシドブロックに、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及び/又はペンテンオキシドの中間ブロックを加えることによって克服できることも見出された。
【0012】
したがって、前記課題は、一般式I:
【化1】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
Rは、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C12−アルキレン基、又は以下の式:
【化2】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
10、R11、R12は、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C6−アルキレン基を表し、dは、0〜50の値を有する整数であり、dが0の場合は、y及びzもまた0である]
のエーテルアルキル単位を表し;
Bは、分岐によるアルコキシル化ポリアルキレンイミンの連続を表し、
Eは、式II:
【化3】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
1は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び/又は1,2−ペンテンを表し;
2は、水素、及び/又はC1〜C22−アルキル、及び/又はC7〜C22アラルキルを表し;
y及びzは、それぞれ0〜150であり、
mは、5〜18の範囲の値を有する整数であり;
nは、1〜5の範囲の値を有する整数であり;
pは、2〜14の範囲の値を有する整数である]
のアルキレンオキシ単位である]
の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はポリアミンによって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好ましい実施形態において、Rは、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C12−アルキレン基を表す。別の好ましい実施形態において、R2は、水素、及び/又はC1〜C−アルキルを表す。好ましい実施形態において、y+zの合計は、少なくとも1である。別の好ましい実施形態において、y及びzは両方とも0である。
【0014】
さらなる好ましい実施形態において、R10、R11、R12は、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C6−アルキレン基を表し、dは、0〜50の値を有する整数であり、dが0の場合は、y及びzもまた0である。
【0015】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミンは、基本骨格、すなわちポリアミン骨格を有し、それはアルキレン基Rによって結合され、ランダムな配列で以下の部分の形である一級、二級及び三級アミンの窒素原子を含む:
・基本骨格の主鎖及び側鎖を終結し、その後、その水素原子がアルキレンオキシ単位によって置換される一級アミノ部分:
【化4】
・その後、その水素原子がアルキレンオキシ単位によって置換される二級アミノ部分:
【化5】
・前記主鎖及び前記側鎖を分岐する三級アミノ部分:
【化6】
【0016】
本発明のアルコキシル化ポリアミンは、限定されるものではないが、好ましくは、アルコキシル化ヘキサメチレンジアミン、アルコキシル化エチレンジアミン、アルコキシル化1,3−ジアミノプロパン、アルコキシル化ネオペンタンジアミン、アルコキシル化ジエチレントリアミン、アルコキシル化オクタメチレンジアミン、アルコキシル化1,2−プロピレンジアミン、又はアルコキシル化イソホロンジアミンである。
【0017】
アルコキシル化の前に、前記ポリアルキレンイミン又はポリアミンは、50〜10000g/mol、好ましくは250〜10000g/molの平均分子量Mwを有する。一級、二級、及び三級網の部分の繰り返し単位の合計x+y+zは、これらの分子量に対応するアルキレンイミン単位の総数を意味する。
【0018】
ポリアルキレンイミンの分子量Mwは、好ましくは250〜5000g/mol、さらに好ましくは400〜3000g/molである。
【0019】
ポリアミンの分子量Mwは、好ましくは50〜10000g/mol、さらに好ましくは100〜10000g/molである。
【0020】
アミン窒素原子に接続しているR基は、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C12−アルキレン基、好ましくはC2〜C6−アルキレン基であり得る。好ましい分岐のアルキレンは、1,2−プロピレンである。特に好ましいアルキレン基Rは、エチレン、又はヘキサメチレンである。
【0021】
基本ポリアルキレンイミン又はポリアミン骨格の一級及び/又は二級アミノ基の水素原子は、式:
【化7】
[この式において、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
1は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び/又は1,2−ペンテンを表し;
2は、水素、及び/又はC1〜C22−アルキル、及び/又はC7〜C22アラルキルを表し;
y及びzは、それぞれ0〜150であり、
mは、5〜18の範囲の値を有する整数であり;
nは、1〜5の範囲の値を有する整数であり;
pは、2〜14の範囲の値を有する整数である]
のアルキレンオキシ単位によって置換される。
【0022】
好ましい実施形態において、y+zの合計が、少なくとも1である。別の好ましい実施形態において、y及びzは両方とも0である。
【0023】
好ましい変性ポリアルキレンイミンは、式(III):
【化8】
[式中、Rは、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C6−アルキレン基を表し、Eは、式II:
【化9】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
1は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び/又は1,2−ペンテンを表し;
2は、水素、及び/又はC1〜C22−アルキル、及び/又はC7〜C22アラルキルを表し;
y及びzは、それぞれ0〜150であり、y+zの合計は、少なくとも1であり、
mは、5〜18の範囲の値を有する整数であり;
nは、1〜5の範囲の値を有する整数であり;
pは、2〜14の範囲の値を有する整数である]
のアルキレンオキシ単位である]
の一般構造を有する。
【0024】
好ましい変性ポリアルキレンイミンは、式(IV):
【化10】
[式中、Eは、式II:
【化11】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
1は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び/又は1,2−ペンテンを表し;
2は、水素、及び/又はC1〜C22−アルキル、及び/又はC7〜C22アラルキルを表し;
y及びzは、それぞれ0〜150であり、y+zの合計は、少なくとも1であり、
mは、5〜18の範囲の値を有する整数であり;
nは、1〜5の範囲の値を有する整数であり;
pは、2〜14の範囲の値を有する整数である]
のアルキレンオキシ単位である]
の一般構造を有する。
【0025】
好ましい変性ポリアミンは、式(V):
【化12】
[式中、Rは、同一又は異なり、1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,6−へキシレン、1,8−オクチレン等の直鎖又は分岐のC2〜C12−アルキレン基から選択され、yは、0〜150であり、且つEは、式II:
【化13】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
1は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び/又は1,2−ペンテンを表し;
2は、水素、及び/又はC1〜C22−アルキル、及び/又はC7〜C22アラルキルを表し;
mは、5〜18の範囲の値を有する整数であり;
nは、1〜5の範囲の値を有する整数であり;
pは、2〜14の範囲の値を有する整数である]
のアルキレンオキシ単位である]
の一般構造を有する。
【0026】
別の好ましい実施形態において、好ましい変性ポリアミンは、式(VI):
【化14】
[式中、R10、R11、R12は、同一又は異なる、直鎖又は分岐のC2〜C6−アルキレン基を表し、dは、0〜50の値を有する整数であり;
好ましい実施形態において、dは、1〜10であり、R10、R11、R12は、独立して、直鎖又は分岐のC2〜C4のアルキレン基から選択され、好ましくは1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレンから選択され、
且つEは、式II:
【化15】
[式中、変数はそれぞれ以下の通り規定される:
1は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び/又は1,2−ペンテンを表し;
2は、水素、及び/又はC1〜C22−アルキル、及び/又はC7〜C22アラルキルを表し;
mは、5〜18の範囲の値を有する整数であり;
nは、1〜5の範囲の値を有する整数であり;
pは、2〜14の範囲の値を有する整数である]
のアルキレンオキシ単位である]
の一般構造を有する。
【0027】
また、本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは四級化されてもよい。適切な四級化度は、最大100%、特に10〜95%である。四級化は、好ましくはC1〜C22−アルキル基、C1〜C4−アルキル基、及び/又はC7〜C22−アラルキル基を導入することによって行なわれ、慣例の方法で、対応するハロゲン化アルキル、及び硫酸ジアルキルとの反応によって行なわれてもよい。
【0028】
四級化は、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを、それらが使用される化粧品組成物等の特定の組成物に適合させ、その製剤のより良好な相溶性、及び/又は相安定性を達成するために有利であり得る。
【0029】
アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンの四級化は、例えば、WO09/060059に記載されているように、好ましくはC1〜C22−アルキル、C1〜C4−アルキル基、及び/又はC7〜C22−アラルキル、アリール又はアルキルアリール基を導入することによって達成され、慣例の方法で、対応するハロゲン化−アルキル、アラルキル、及び硫酸ジアルキルとの反応によって行なわれてもよい。
【0030】
四級化は、例えば、アルコキシル化ポリアミン又はアルコキシル化ポリアルキレンイミンを、塩基の存在下で、例えば臭化メチル、塩化メチル、塩化エチル、ヨウ化メチル、臭化n−ブチル、臭化イソプロピル等のハロゲン化C1〜C4−アルキル等のアルキル化剤と、又は例えば塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化アラルキルと、又は硫酸ジ−C1〜C22−アルキルと、特に硫酸ジメチルと、又は硫酸ジエチルと反応させることによって達成され得る。適切な塩基は、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムである。
【0031】
アルキル化剤の量は、ポリマーにおけるアミノ基の四級化の量、すなわち四級化部分の量を決定する。四級化部分の量は、非四級化アミン及び四級化アミンにおけるアミン価の差から算出され得る。アミン価は、DIN16945に記載された方法に従って測定され得る。反応は、溶媒を一切使用せずに実施され得る。しかしながら、水、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等のような溶媒又は希釈剤が使用されてもよい。反応温度は、通常10℃〜150℃の範囲であり、好ましくは50℃〜100℃である。
【0032】
好ましい実施形態において、本発明の四級化ポリアルキレンイミン又はポリアミンは、式IIにおけるR2が水素の場合、硫酸化(sulfatized)、又はトランス硫酸化(transsulfatized)され得る。好ましくは、本発明の四級化ポリアルキレンイミン又は四級化ポリアミンは、硫酸化、又はトランス硫酸化されている。前記四級化ポリアルキレンイミンは、例えばWO05/092952に記載されたような、当技術分野で公知の方法に従って硫酸化、又はトランス硫酸化され得る。硫酸化(sulfatation)、又はトランス硫酸化(transsulfatation)は、例えば硫酸ジメチルによって達成され得る。
【0033】
ポリマーの硫酸化(sulfation)は、本発明に従って、硫酸との、又は硫酸誘導体との反応によって影響を受け得る。適切な硫酸化剤は、例えば、硫酸(好ましくは75%〜100%濃度、さらに好ましくは85%〜98%濃度)、発煙硫酸(oleum)SO3、クロロスルホン酸、塩化スルフリル、アミド硫酸等である。硫酸化剤として塩化スルフリルが使用されている場合、硫酸化の後、残存塩素は加水分解によって置換されている。硫酸化剤は、例えば、ポリマーに存在するOH基当たり1〜1.5モルで、等モル量又は過剰に使用されることが多い。しかし、硫酸化剤はまた、等モル未満の量で使用され得る。硫酸化は、溶媒の存在下で達成され得る。適切な溶媒は、例えばトルエンである、硫酸化の後、反応混合物は、一般に、中和され、慣例の方法で後処理される。
【0034】
上述の通り、アルコキシル化ポリアミン又はアルコキシル化ポリアルキレンイミンを四級化及びトランス硫酸化することも可能である。アルコキシル化ポリアミン又はアルコキシル化ポリアルキレンイミンが、第一に硫酸ジ−C1〜C4−アルキルと反応され、四級化ポリアミン及び対イオンとして硫化種(sulfating species)を形成し、その後、続いて、水酸基を硫化種と反応させ、四級化及び硫酸化アルコキシル化ポリアミン又はアルコキシル化ポリアルキレンイミンをもたらす場合、硫酸化プロセスは、トランス硫酸化(transsulfation)プロセスとして記載され得る。トランス硫酸化プロセスの例は、WO04/024858 又はWO02/12180に記載される。
【0035】
四級化及び硫酸化の組み合わせは、例えば、第一に、塩基の存在下でアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを硫酸ジ−C1〜C4−アルキルと反応させ、その後、四級化から得られた反応混合物を、例えばメタンスルホン酸等のカルボン酸で、又はリン酸、硫酸、又は塩酸等の鉱酸で酸性化することによって達成され得る。前記方法は、pH6未満、好ましくはpH3未満で、0〜200℃、好ましくは50〜150℃で実施される。トランス硫酸化の後、反応混合物は、一般に中和される。
【0036】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、公知の方法で調製されてもよい。
【0037】
好ましい一手順は、第一工程において、最初にポリアルキレンイミン又はポリアミンの初期アルコキシル化のみを行なう工程にある。したがって、本発明はさらに、本発明に従う水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はポリアミンを調製する方法であって、ポリアルキレンイミン又はポリアミンを、第一にエチレンオキシドと、次いでプロピレンオキシド又はブチレンオキシドと、その後エチレンオキシドと反応する方法に関連する。
【0038】
この工程において、前記ポリアルキレンイミン又はポリアミンは、使用されるエチレンオキシドの総量の一部とのみ反応され、それはNH部分の1モル当たり約1モルのエチレンオキシドに相当する。
【0039】
好ましい実施形態において、前記ポリアルキレンイミン又はポリアミンにおけるN−H官能基1モル当たり、前記ポリアルキレンイミン又はポリアミンを、5〜18モルのエチレンオキシドと、次いで1〜5モルのプロピレンオキシド又はブチレンオキシドと、その後2〜14モルのエチレンオキシドと反応する。
【0040】
別の好ましい実施形態において、ポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミンであるか、又は前記ポリアミンは、ヘキサメチレンジアミンである。
【0041】
この反応は一般に、触媒が存在しない場合、水溶液中で、70〜200℃、好ましくは80〜160℃で、最大1MPa(10bar)、特に最大0.8MPa(8bar)の圧力下で行なわれる。第二工程において、その後さらなるアルコキシル化が、i)残りの量のエチレンオキシドとの、ii)プロピレンオキシドとの、又はより高次のアルキレンオキシドによる変性の場合は、ブチレンオキシド及び/又はペンテンオキシドとの、及び最後にiii)エチレンオキシドとの後続反応によって達成される。
【0042】
前記アルコキシル化反応の第二工程は、典型的には塩基性触媒の存在下で行われる。適切な触媒の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、特にナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシド等のナトリウム及びカリウムC1〜C4−アルコキシド、水素化ナトリウム及び水素化カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、並びに炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩である。アルカリ金属水酸化物、及びアルカリ金属アルコキシドが好ましく、特に水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが好ましい。前記塩基の典型的な使用量は、ポリアルキレンイミン又はポリアミン、及びアルキレンオキシドの総量に基づいて、0.05〜10質量%、特に0.5〜2質量%である。
【0043】
前記アルコキシル化の第二工程は、実質的に(in substance)(変形a))、又は有機溶媒中で(変形b))行なわれてもよい。以下に特定するプロセス条件は、両方ともアルコキシル化反応の工程に使用され得る。
【0044】
変形a)において、第一工程において得られた初期アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はポリアミンの水溶液を、触媒の添加後、初めに脱水する。これは、80〜150℃に加熱し、3kPa(30mbar)未満からの減圧下で、水を蒸留で除去することによる単純な方法で行なわれ得る。アルキレンオキシドとの後続反応は、典型的には70〜200℃、好ましくは100〜180℃で、最大1MPa(10bar)、特に最大0.8MPa(8bar)の圧力で達成され、いずれの場合にも約100〜160℃及び一定の圧力での約0.5〜4時間の連続撹拌時間が続く。
【0045】
変形b)のための適切な反応媒体は、特に非極性及び極性の非プロトン性有機溶媒である。特に適切な非極性の非プロトン性溶媒の例は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン及びキシレン等の脂肪族及び芳香族炭化水素を含む。特に適切な極性の非プロトン性溶媒の例は、エーテル、特にテトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等のN,N−ジアルキルアミド、並びにN−メチルピロリドン等のN−アルキルラクタムである。当然、これらの非プロトン性溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましい溶媒は、キシレン及びトルエンである。
【0046】
変形b)においても、第一工程で得られた溶液を、触媒及び溶媒の添加の後、初めに脱水し、それは、120〜180℃の温度で、好ましくは緩やかな窒素流によってサポートされて水を分離除去することによって、有利に行われる。アルキレンオキシドとの後続反応は、変形a)のように達成され得る。
【0047】
変形a)において、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はポリアミンは、実質的に、直接的に得られ、必要であれば、水溶液に変換されても良い。変形b)において、有機溶媒は、典型的には除去され、水によって置換される。生成物は、当然、実質的に単離されてもよい。
【0048】
別の好ましい実施形態において、アルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンを、さらに四級化及び/又は硫酸化する。
【0049】
本発明のポリマーは、それらが室温で液体であるように、25℃より低い融点を有する。このことは、それらが、さらなる処理の前に、融解されるか、又は水溶液中に可溶化される必要がないので、より容易な取り扱いを可能にする。
【0050】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、化粧品製剤へ、原油エマルション破壊剤として、インクジェットインク用の顔料分散系、電気めっき用の製剤に、セメント系組成物に添加され得る。本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、前記製剤中に、0.1〜5質量%の濃度で、好ましくは0.5〜2質量%の濃度で存在する。
【0051】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンはまた、約1%〜約70%の界面活性剤系を含む洗浄組成物へ添加され得る。本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又はアルコキシル化ポリアミンは、洗浄組成物中に、前記組成物の約0.1〜約5質量%の濃度で、好ましくは前記組成物の約0.5〜約2質量%の濃度で存在してもよい。
【0052】
[洗浄組成物]
本明細書で使用される語句「洗浄組成物」は、汚れた物質を洗浄するために設計された組成物及び製剤を含む。そのような組成物は、限定されるものではないが、洗濯用洗浄組成物及び洗剤、生地柔軟組成物、生地増強組成物、生地新鮮化組成物(fabric freshening composition)、洗濯予洗い(laundry prewash)、洗濯前処理(laundry pretreat)、洗濯用添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯用すすぎ添加剤(laundry rinse additive)、洗浄添加剤(wash additive)、すすぎ後生地処理剤(post-rinse fabric treatment)、アイロン助剤、食器洗い組成物、硬質表面洗浄組成物、単位用量製剤(unit dose formulation)、遅延放出製剤(delayed delivery formulation)多孔性基材又は不織布シート上、若しくは中に含まれる洗剤、及び本明細書における教示を考慮して当業者に明らかであり得るその他の適切な形態を含む。そのような組成物は、前洗濯処理、後洗濯処理として使用されてもよく、又は選択操作のすすぎ又は洗浄サイクルの間に添加されてもよい。洗浄組成物は、液体、粉末、単相、若しくは多相単位用量、小袋、錠剤、ゲル状、ペースト状、棒状、又はフレーク状から選択される形態を有してもよい。
【0053】
洗浄組成物は、界面活性剤系を所望の洗浄性能を提供するために十分な量で含む。いくつかの実施形態において、洗浄組成物は、組成物の質量に基づいて、約1〜約70%の界面活性剤系を含む、別の実施形態において、液体洗浄組成物は、組成物の質量に基づいて、約2〜約60%の界面活性剤系を含む。さらなる実施形態において、洗浄組成物は、組成物の質量に基づいて、約5〜約30%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤(amphoteric surfactants)、両性界面活性剤(ampholytic surfactants)、及びそれらの混合物から選択される洗剤界面活性剤を含んでもよい。通常の当業者は、洗剤界面活性剤は、汚れた物質に、洗浄、染み抜き、又は洗濯の利益を提供する任意の界面活性剤、又は界面活性剤の混合物を包含することを理解するだろう。
【0054】
洗浄組成物はまた、補助洗浄添加剤を含んでもよい。適切な補助洗浄添加剤は、ビルダー(builder)、構造化剤、又は増粘剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤(clay soil removal/anti-redeposition agents)、ポリマー性汚れ除去剤、ポリマー性分散剤、ポリマー性油脂洗浄剤、酵素、酵素安定化系、漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、漂白剤(brightener)、染料、色合い剤(hueing agent)、染料移動防止剤(dye transfer inhibiting agent)、キレート剤、泡立ち抑制剤、柔軟剤、及び香料を含む。
【実施例】
【0055】
実施例において、以下の略語を使用する:
EO エチレンオキシド
PO プロピレンオキシド
PEI600 600g/molの平均分子量を有するポリエチレンイミン
xEO/NH 1モルのNH−官能基当たり、xモルのエチレンオキシド
yPO/NH 1モルのNH−官能基当たり、yモルのプロピレンオキシド
【0056】
[実施例1]
PEI600+17EO/NH+2PO/NH+2EO/NH
a)PEI600+1EO/NH
5Lオートクレーブに、1943.0gの600g/molの平均分子量を有するポリエチレンイミン、及び97.0gの水を充填した。反応器を、窒素で3回パージし、110℃に加熱した。1789.0gのエチレンオキシドを14時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、反応混合物を後反応(post-react)させた。水及び揮発性化合物を、90℃、真空で除去した。高粘度黄色オイル(3688.0g、水含有量:2.6%、pH:11.05(水中5%))を得た。
【0057】
b)PEI600+17EO/NH+2PO/NH+2EO/NH
実施例1a)からの生成物(76.3g)及び3.58gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。637.6gのエチレンオキシドを7時間内に添加し、続いて、104.4gのプロピレンオキシドを1.5時間内に、その後79.2gのエチレンオキシドを1.5時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。890.0gのわずかに濁った液体を得た(融点:19.1℃)。融点は、DIN51007に従って測定した。
【0058】
[実施例2]
PEI600+13EO/NH+2PO/NH+6EO/NH
実施例1a)からの生成物(80.0g)及び3.75gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。502.2gのエチレンオキシドを6時間内に添加し、続いて、109.4gのプロピレンオキシドを1.5時間内に、その後249.0gのエチレンオキシドを3.5時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。938.0gのわずかに濁った液体を得た(融点:6.8℃)。
【0059】
[実施例3]
PEI600+11EO/NH+2PO/NH+8EO/NH
実施例1a)に記載の通り調製された生成物(80.2g、水中92.7%)及び3.58gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。399.9gのエチレンオキシドを5時間内に添加し、続いて、104.4gのプロピレンオキシドを1.5時間内に、その後316.8gのエチレンオキシドを3.5時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。895.0gのわずかに濁った液体)を得た(融点:8.3℃、粘度(20℃):2126mPas、曇り点:87℃。曇り点は、DIN EN1890、方法Bに従って測定した。
【0060】
[実施例4]
a)PEI600+11EO/NH+3PO/NH+8EO/NH
実施例1a)に記載の通り調製された生成物(76.3g、水中97.4%)及び3.8gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。400.0gのエチレンオキシドを6時間内に添加し、続いて、156.6gのプロピレンオキシドを2時間内に、その後316.8gのエチレンオキシドを5時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。945.0gの淡褐色の液体を得た(融点:3.8℃)。
【0061】
b)PEI600+11EO/NH+3PO/NH+8EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化
窒素注入口を有する500ml反応器中で、160.0gの実施例4a)からの生成物(PEI600+11EO/NH+3PO/NH+8EO/NH)を、窒素の一定流の下で70℃に加熱した。17.40gの硫酸ジメチルを70〜75℃で滴下し、反応混合物を、窒素下、70℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、3.7g水酸化ナトリウム(水中50%)で、pHを9.2(水中10%で測定)に調整した。185.0gの黄色の液体を得た(アミン価:0.03mgKOH/g、融点:5.0℃)。四級化度は96%であった。
【0062】
c)PEI600+11EO/NH+3PO/NH+8EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化、トランス硫酸化
反応器中で、70.0gの実施例4b)において得られた生成物を、窒素雰囲気下で、60℃に加熱した。2.0gの硫酸(96%)を60℃で添加し、pHを2.0(水中10%で測定)に調整した。温度を90℃に上げ、混合物を真空下(1.5kPa(15mbar))に3時間置いた。60℃に冷却後、5.4gの水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを9.3に調整した。69.0gの褐色の液体を得た(融点:7.0℃、水:0.5%)。
【0063】
[実施例5]
PEI600+9EO/NH+2PO/NH+10EO/NH
実施例1a)からの生成物(76.3g、水中97.4%))及び3.58gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。320.7gのエチレンオキシドを4時間内に添加し、続いて、104.4gのプロピレンオキシドを1.5時間内に、その後396.0gのエチレンオキシドを6時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。895.0gのわずかに褐色の液体を得た(融点:7.7℃)。
【0064】
[実施例6]
PEI600+5EO/NH+2PO/NH+14EO/NH
実施例1a)からの生成物(76.3g、水中97.4%))及び3.6gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。162.4gのエチレンオキシドを2時間内に添加し、続いて、104.4gのプロピレンオキシドを1.5時間内に、その後554.4gのエチレンオキシドを8時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。896.0gのわずかに濁った液体を得た(融点:17.7℃)。
【0065】
[比較例1(CE1)]
PEI600+20EO/NH
実施例1a)に記載の通り調製された生成物(144.6g、水中92.7%)及び4.34gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。1470.7gのエチレンオキシドを14時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。1615.0gのわずかに褐色の固体を得た(融点:35.4℃)。
【0066】
[比較例2(CE2)]
PEI600+19EO/NH+2PO/NH
実施例1a)に記載の通り調製された生成物(80.2g、水中92.7%)及び3.58gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。716.8gのエチレンオキシドを8時間内に添加し、続いて、104.4gのプロピレンオキシドを1時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。897.0gのわずかに褐色の固体を得た(融点:28.7℃)。
【0067】
[比較例2(CE2)]
PEI600+19EO/NH+2PO/NH
実施例1a)と同様な生成物(80.2g、水中92.7%)及び3.58gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。716.8gのエチレンオキシドを8時間内に添加し、続いて、104.4gのプロピレンオキシドを1時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。897.0gのわずかに褐色の固体を得た(融点:28.7℃)。
【0068】
[比較例3(CE3)]
PEI600+2,5EO/NH+2PO/NH+16,5EO/NH
実施例1a)に記載の通り調製された生成物(80.2g、水中92.7%)及び3.58gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。63.4gのエチレンオキシドを1時間内に添加し、続いて、104.4gのプロピレンオキシドを1時間内に添加し、続いて、653.4gのエチレンオキシドを6時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。896.0gのわずかに褐色の固体を得た(融点:27.2℃)。
【0069】
[比較例4(CE4)]
PEI600+2PO/NH+19EO/NH
a)PEI600+1PO/NH
2Lオートクレーブに、430.0gの600g/molの平均分子量を有するポリエチレンイミン、及び21.5gの水を充填した。反応器を、窒素で3回パージし、110℃に加熱した。522.0gのプロピレンオキシドを10時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、反応混合物を後反応させた。水及び揮発性化合物を、90℃、真空で除去した。高粘度黄色オイル(970.0g、水含有量:2.6%)を得た。
【0070】
b)PEI600+2PO/NH+19EO/NH
比較例4a)からの生成物(76.2g、水中97.4%)及び3.18gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、120℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。51.04gのプロピレンオキシドを10分内に添加し、続いて、668.8gのエチレンオキシドを10時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。793.0gの淡褐色の固体を得た(融点:35.8℃)。
【0071】
[比較例5(CE5)]
HMDA+24EO/NH
a)HMDA+1EO/NH
2Lオートクレーブに、408.0gのヘキサメチレンジアミン(HMDA)、及び20.4gの水を充填した。オートクレーブを、窒素で3回パージし、110℃に加熱した。618.0gのエチレンオキシドを6時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、反応混合物を後反応させた。水及び揮発性化合物を、90℃、真空で除去した。高粘度黄色オイル(1019g、水含有量:0.2%、pH:11.05(水中5%))を得た。
【0072】
b)HMDA+5EO/NH
比較例5a)からの生成物(292.2g)及び8.8gの水酸化カリウム(水中50%)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、2時間撹拌して水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。704.0gのエチレンオキシドを7時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。999.0gの褐色の液体を得た。
【0073】
c)HMDA+24EO/NH
比較例5b)からの生成物(348.7g)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、0.5時間撹拌して微量の水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。1171.7gのエチレンオキシドを10時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。1515.0gの淡褐色の固体を得た(融点:42.4℃)。
【0074】
d)HMDA+24EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化
比較例5c)からの生成物を、WO04/024858に記載されたように四級化した。褐色の固体を得た(融点:43.6℃)。
【0075】
e)HMDA+24EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化、トランス硫酸化
比較例5c)からの生成物を、WO04/024858に記載されたように四級化し、トランス硫酸化した。褐色の固体を得た(融点:41.5℃)。
【0076】
[比較例6(CE6)]
HMDA+1PO/NH+22EO/NH
a)HMDA+1PO/NH
2Lオートクレーブに、232.4gのヘキサメチレンジアミン(HMDA)、及び11.6gの水を充填した。オートクレーブを、窒素で3回パージし、110℃に加熱した。464.0gのプロピレンオキシドを6時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、反応混合物を後反応させた。水及び揮発性化合物を、90℃、真空で除去した。高粘度黄色オイル(696.5g、水含有量:アミン価:320mgKOH/g)を得た。
【0077】
b)HMDA+2PO/NH+4EO/NH
比較例6a)からの生成物(350.0g)及び2.58gのカリウムt−ブトキシドを、3.5Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、0.5時間撹拌して微量の水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。233.2gのプロピレンオキシドを2時間内に添加し、続いて、704.0gのエチレンオキシドを添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。1291.0gの淡褐色の液体を得た(アミン価:88.5mgKOH/g)。
【0078】
c)HMDA+2PO/NH+22EO/NH
比較例6b)からの生成物(263.0g)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、0.5時間撹拌して微量の水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。648.8gのエチレンオキシドを710時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。909.0gの淡褐色の固体を得た(融点:42.1℃、アミン価:25.2mgKOH/g)。
【0079】
d)HMDA+2PO/NH+22EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化
窒素注入口を有する500ml反応器中で、160.0gの比較例6c)からの生成物(HMDA+2PO/NH+22EO/NH)を、窒素の一定流の下で70℃に加熱した。9.08gの硫酸ジメチルを70〜75℃で滴下し、反応混合物を、窒素下、70℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、1.7g水酸化ナトリウム(水中50%)で、pHを9.2(水中10%で測定)に調整した。1.54gの淡褐色の固体を得た(アミン価:0.12mgKOH/g、融点:37.8℃)。四級化度は100%であった。
【0080】
e)HMDA+2PO/NH+22EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化、トランス硫酸化
反応器中で、70.0gの比較例6d)において得られた生成物を、窒素雰囲気下で、60℃に加熱した。2.0gの硫酸(96%)を60℃で添加し、pHを2.0(水中10%で測定)に調整した。温度を90℃に上げ、混合物を真空下(1.5kPa(15mbar))に3時間置いた。60℃に冷却後、2.2gの水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを9.2に調整した。65.0gの褐色の固体を得た(融点:40.3℃、水:0.5%)。
【0081】
[実施例7]
a)HMDA+12EO/NH+2PO/NH+12EO/NH
比較例5b)からの生成物(199.2g)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、0.5時間撹拌して微量の水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。246.2gのエチレンオキシドを3時間内に添加し、続いて、92.8gのプロピレンオキシドを1時間内に、その後422.4gのエチレンオキシドを5時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。960.0gの淡褐色の液体を得た(融点:20.2℃、アミン価:23.0mgKOH/g)。
【0082】
b)HMDA+12EO/NH+2PO/NH+12EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化
窒素注入口を有する500ml反応器中で、350.0gの実施例7a)からの生成物を、窒素の一定流の下で70℃に加熱した。17.7gの硫酸ジメチルを70〜75℃で滴下し、反応混合物を、窒素下、70℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、360gの褐色の液体を得た(アミン価:0.02mgKOH/g、pH:8.45(水中10%)、融点:19.9℃)。四級化度は95%であった。
【0083】
c)HMDA+12EO/NH+2PO/NH+12EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化、トランス硫酸化
反応器中で、200.0gの実施例7b)において得られた生成物を、窒素雰囲気下で、60℃に加熱した。1.0gの硫酸(96%)を60℃で添加し、pHを2.15(水中10%で測定)に調整した。温度を90℃に上げ、混合物を真空下(1.5kPa(15mbar))に3時間置いた。60℃に冷却後、2.0gの水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを8.7に調整した。200.0gの褐色の液体を得た(融点:22.1℃、水:0.5%)。
【0084】
[実施例8]
a)HMDA+11EO/NH+2PO/NH+11EO/NH
比較例5b)からの生成物(199.2g)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、0.5時間撹拌して微量の水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。211.2gのエチレンオキシドを2.5時間内に添加し、続いて、92.8gのプロピレンオキシドを1時間内に、その後387.2gのエチレンオキシドを4時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。888.0gの淡褐色の液体を得た(融点:17.7℃、アミン価:25.8mgKOH/g)。
【0085】
b)HMDA+11EO/NH+2PO/NH+11EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化
窒素注入口を有する500ml反応器中で、350.0gの実施例8a)からの生成物を、窒素の一定流の下で70℃に加熱した。19.9gの硫酸ジメチルを70〜75℃で滴下し、反応混合物を、窒素下、70℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、365gの黄色の液体を得た(アミン価:0.5mgKOH/g、pH:8.0(水中10%)、融点:16.4℃)。四級化度は98%であった。
【0086】
c)HMDA+11EO/NH+2PO/NH+11EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化、トランス硫酸化
反応器中で、200.0gの実施例8b)において得られた生成物を、窒素雰囲気下で、60℃に加熱した。1.0gの硫酸(96%)を60℃で添加し、pHを2.15(水中10%で測定)に調整した。温度を90℃に上げ、混合物を真空下(1.5kPa(15mbar))に3時間置いた。60℃に冷却後、1.5gの水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを8.7に調整した。200.0gの褐色の液体を得た(融点:19.2℃、水:0.5%)。
【0087】
[実施例9]
a)HMDA+13EO/NH+2PO/NH+9EO/NH
比較例5b)からの生成物(199.2g)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、0.5時間撹拌して微量の水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。281.6gのエチレンオキシドを3時間内に添加し、続いて、92.8gのプロピレンオキシドを1時間内に、その後316.8gのエチレンオキシドを4時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。890.0gの淡褐色の液体を得た(融点:18.7℃、アミン価:26.9mgKOH/g、粘度:351mPas(50℃))。
【0088】
b)HMDA+13EO/NH+2PO/NH+9EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化
窒素注入口を有する250ml反応器中で、160.0gの実施例9a)からの生成物を、窒素の一定流の下で70℃に加熱した。9.21gの硫酸ジメチルを70〜75℃で滴下し、反応混合物を、窒素下、70℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、0.3g水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを8.0に調整した。156.0gの黄色の液体を得た(アミン価:1.1mgKOH/g、pH:8.0(水中10%)、融点:14.7℃)。四級化度は98%であった。
【0089】
c)HMDA+13EO/NH+2PO/NH+9EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化、トランス硫酸化
反応器中で、70.0gの実施例9b)において得られた生成物を、窒素雰囲気下で、60℃に加熱した。2.0gの硫酸(96%)を60℃で添加し、pHを1.9(水中10%で測定)に調整した。温度を90℃に上げ、混合物を真空下(1.5kPa(15mbar))に3時間置いた。60℃に冷却後、4.1gの水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを9.1に調整した。66.0gの褐色の液体を得た(融点:17.6℃)。
【0090】
[実施例10]
a)HMDA+11EO/NH+2,5PO/NH+11EO/NH
比較例5b)からの生成物(199.2g)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、0.5時間撹拌して微量の水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。211.2gのエチレンオキシドを3時間内に添加し、続いて、116.0gのプロピレンオキシドを1時間内に、その後387.2gのエチレンオキシドを4時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。912.0gの淡褐色の液体を得た(融点:16.6℃、アミン価:24.1mgKOH/g、粘度:380mPas(50℃))。
【0091】
b)HMDA+11EO/NH+2,5PO/NH+11EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化
窒素注入口を有する250ml反応器中で、160.0gの実施例10a)からの生成物を、窒素の一定流の下で70℃に加熱した。8.2gの硫酸ジメチルを70〜75℃で滴下し、反応混合物を、窒素下、70℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、153.0gの黄色の液体を得た(アミン価:1.1mgKOH/g、pH:7.6(水中10%)、融点:13.9℃)。四級化度は95.1%であった。
【0092】
c)HMDA+11EO/NH+2,5PO/NH+11EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化、トランス硫酸化
反応器中で、70.0gの実施例10b)において得られた生成物を、窒素雰囲気下で、60℃に加熱した。2.0gの硫酸(96%)を60℃で添加し、pHを2.0(水中10%で測定)に調整した。温度を90℃に上げ、混合物を真空下(1.5kPa(15mbar))に3時間置いた。60℃に冷却後、3.9gの水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを8.4に調整した。66.0gの褐色の液体を得た(融点:12.9℃)。
【0093】
[実施例11]
a)HMDA+12EO/NH+3PO/NH+12EO/NH
比較例5b)からの生成物(150.0g)を、2Lオートクレーブ中に入れた。混合物を真空下(<1kPa(10mbar))で、100℃に加熱し、0.5時間撹拌して微量の水を除去した。反応器を、窒素で3回パージし、混合物を140℃に加熱した。185.5gのエチレンオキシドを3時間内に添加し、続いて、104.8gのプロピレンオキシドを1時間内に、その後318.1gのエチレンオキシドを4時間内に添加した。反応を完了するため、5時間、混合物を後反応させた。揮発性化合物を、真空で除去した。912.0gの淡褐色の液体を得た(融点:18.6℃、アミン価:22.4mgKOH/g、粘度:415mPas(50℃))。
【0094】
b)HMDA+12EO/NH+3PO/NH+12EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化
窒素注入口を有する250ml反応器中で、160.0gの実施例11a)からの生成物を、窒素の一定流の下で70℃に加熱した。8.1gの硫酸ジメチルを70〜75℃で滴下し、反応混合物を、窒素下、70℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、1.3g水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを9.1に調整した。150.0gの淡褐色の液体を得た(アミン価:1.1mgKOH/g、融点:15.2℃)。四級化度は94.7%であった。
【0095】
c)HMDA+12EO/NH+3PO/NH+12EO/NH、硫酸ジメチルによる四級化、トランス硫酸化
反応器中で、70.0gの実施例11b)において得られた生成物を、窒素雰囲気下で、60℃に加熱した。3.1gの硫酸(96%)を60℃で添加し、pHを1.8(水中10%で測定)に調整した。温度を90℃に上げ、混合物を真空下(1.5kPa(15mbar))に3時間置いた。60℃に冷却後、3.2gの水酸化ナトリウム(水中50%溶液)で、pHを9.3に調整した。69.0gの褐色の液体を得た(融点:14.8℃)。
【0096】
【表1】
【0097】
融点は、DIN51007に従って、Mettler Toledo製、示差走査熱量計823/700/229を用いて測定した。
【0098】
[洗濯用洗剤における使用例]
以下の例において、船上組成物における個々の材料は、洗浄組成物の質量に基づくパーセントとして表される。
【0099】
以下の洗濯用洗剤組成物を、当業者に公知の従来の方法で、リストに記載した材料を混合することによって調製する。
【0100】
【表2】
【0101】
1.本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミンの1種は、例えば、実施例2に記載されたアルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI600+13EO/NH+2PO/NH+6EO/NH)若しくは実施例3に記載されたアルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI600+11EO/NH+2PO/NH+8EO/NH)若しくは実施例4に記載されたアルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI600+11EO/NH+3PO/NH+8EO/NH)若しくは実施例5に記載されたアルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI600+9EO/NH+2PO/NH+10EO/NH)、又は上記の他の実施例のいずれかに記載される。
【0102】
2.Stepan社(Northfield、Illinois、USA)によって供給される平均脂肪族炭素鎖長C11〜C12を有する直鎖アルキルベンゼンスルホネート。
【0103】
3.AE9は、Huntsman社(Salt Lake City、Utah、USA )によって供給される、9の平均エトキシル化度を有するC12〜C13アルコールエトキシレートである。
【0104】
4.適切なキレート剤(chelant)は、例えば、Dow Chemical社(Midland、Michigan、USA)によって供給されるジエチレンテトラアミン5酢酸(DTPA)、Solutia社(St Louis、Missouri、USA)によって供給されるヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)である。
【0105】
5.Natalase(登録商標)、Mannaway(登録商標)は、全てNovozymes社(Bagsvaerd、Denmark)の製品である。
【0106】
6.プロテアーゼは、Genencor International社(Palo Alto、California、USA)(例えば、Purafect Prime(登録商標))によって、又はNovozymes社(Bagsvaerd、Denmark)(例えば、Liquanase(登録商標)、Coronase(登録商標))によって供給されてもよい。
【0107】
7.適切な蛍光増白剤は、例えば、Tinopal(登録商標)AMS、Tinopal(登録商標)CBS−X、スルホン酸化亜鉛フタロシアニン(Ciba Specialty Chemicals社(Basel、Switzerland))である。
【0108】
【表3】
【0109】
1.本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミンの1種、例えば、実施例2に記載されたアルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI600+13EO/NH+2PO/NH+6EO/NH)又は実施例3に記載されたアルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI600+11EO/NH+2PO/NH+8EO/NH)又は実施例4に記載されたアルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI600+11EO/NH+3PO/NH+8EO/NH)又は実施例5に記載されたアルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI600+9EO/NH+2PO/NH+10EO/NH)。
【0110】
2.ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド骨格及び多数のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド骨格の分子量は、約6000であり、ポリ酢酸ビニルに対するポリエチレンオキシドの質量比は、約40〜60であり、50個のエチレンオキシド単位当たり、わずか1個のグラフト点である。
【0111】
3.Stepan社(Northfield、Illinois、USA)によって供給される平均脂肪族炭素鎖長C11〜C12を有する直鎖アルキルベンゼンスルホネート。
【0112】
4.AE3Sは、Stepan社(Northfield、Illinois、USA)によって供給されるC12〜C15アルキルエトキシ(3)硫酸塩である。
【0113】
5.AE7は、Huntsman社(Salt Lake City、Utah、USA )によって供給される、7の平均エトキシ化度を有するC12〜C15アルコールエトキシレートである。
【0114】
6.AE9は、Huntsman社(Salt Lake City、Utah、USA )によって供給される、9の平均エトキシ化度を有するC12〜C13アルコールエトキシレートである。
【0115】
7.適切なキレート剤は、例えば、Dow Chemical社(Midland、Michigan、USA)によって供給されるジエチレンテトラアミン5酢酸(DTPA)、Solutia社(St Louis、Missouri、USA)によって供給されるヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)である。
【0116】
8.Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Lipex(登録商標)、Celluclean(商標)、Mannaway(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)は、全てNovozymes社(Bagsvaerd、Denmark)の製品である。
【0117】
9.プロテアーゼは、Genencor International社(Palo Alto、California、USA)(例えば、Purafect Prime(登録商標))によって、又はNovozymes社(Bagsvaerd、Denmark)(例えば、Liquanase(登録商標)、Coronase(登録商標))によって供給されてもよい。
【0118】
10.適切な蛍光増白剤は、例えば、Tinopal(登録商標)AMS、Tinopal(登録商標)CBS−X、スルホン酸化亜鉛フタロシアニン(Ciba Specialty Chemicals社(Basel、Switzerland))である。