(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中心導体は、前記筒状体の一端部側に挿入される第一棒状本体を有する第一中心導体と、前記筒状体の他端部側に挿入される第二棒状本体を有する第二中心導体とを備え、
前記筒状体には、その一端部側において前記第一棒状本体の基端部を抱持する第一抱持部と、前記筒状体の他端部側において前記第二棒状本体の基端部を抱持する第二抱持部とが設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の接触端子。
前記筒状体には、前記第一抱持部に連設された第一ばね部と、前記第二抱持部に連設された第二ばね部と、当該第一,第二ばね部を互いに連結する筒状の連結部とが設けられ、
前記第一,第二中心導体は、前記第一,第二棒状本体の先端部がそれぞれ前記筒状体の前記連結部内に挿入されるとともに、両棒状本体の先端面が間隙を隔てて相対向した状態に維持されるように、前記第一,第二棒状本体の全長が設定されている請求項4記載の接触端子。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第一実施形態)
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る接触端子及び検査治具を備えた基板検査装置1の構成を概略的に示す概念図である。基板検査装置1は検査装置の一例に相当している。
図1に示す基板検査装置1は、検査対象の一例である基板101に形成された回路パターンを検査するための装置である。
【0013】
基板101は、例えばプリント配線基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、半導体基板、及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリアなど種々の基板であってもよい。なお、検査対象は、基板に限らず、例えば半導体素子(IC:Integrated Circuit)等の電子部品であってもよく、その他にも電気的な検査を行う対象となるものであればよい。
【0014】
図1に示す基板検査装置1は、検査部4U,4Dと、基板固定装置6と、検査処理部8とを備えている。基板固定装置6は、検査対象の基板101を所定の位置に固定するように構成されている。検査部4U,4Dは、検査治具3U,3Dと図略の駆動機構とを備えている。検査治具3U,3Dは、図略の駆動機構によって、互いに直交するX,Y,Zの三軸方向に移動可能に支持され、かつZ軸を中心に回動可能に支持されている。
【0015】
検査部4Uは、基板固定装置6に固定された基板101の上方に位置する。検査部4Dは、基板固定装置6に固定された基板101の下方に位置する。検査部4U,4Dには、基板101に形成された回路パターンを検査するための検査治具3U,3Dが着脱可能に配設されている。検査部4U,4Dは、それぞれ、検査治具3U,3Dと着脱可能に接続される図略のコネクタを備えている。以下、検査部4U,4Dを総称して検査部4と称する。
【0016】
検査治具3U,3Dは、それぞれ、複数のプローブPr(接触端子)と、複数のプローブPrを支持する支持部材31、ベースプレート321とを備えている。プローブPrは接触端子の一例に相当している。ベースプレート321には、各プローブPrの一端部と接触して導通する後述の電極が設けられている。検査部4U,4Dは、ベースプレート321に設けられた各電極を介して各プローブPrの後端を、検査処理部8と電気的に接続したり、その接続を切り替えたりする図略の接続回路を備えている。
【0017】
プローブPrは、全体として略棒状の形状を有し、その具体的な構成の詳細については後述する。支持部材31には、プローブPrを支持する複数の貫通孔が形成されている。各貫通孔は、検査対象となる基板101の配線パターン上に設定された被検査点の位置と対応するように配置されている。これにより、支持部材31は、各プローブPrの一端部が基板101の被検査点に接触するように構成されている。例えば、複数のプローブPrは、格子の交点位置に対応するように配設されている。当該格子の桟に相当する方向が、互いに直交するX軸方向及びY軸方向と一致するように向けられている。被検査点は、例えば配線パターン、半田バンプ、接続端子等からなっている。
【0018】
検査治具3U,3Dは、プローブPrの配置が異なる点と、検査部4U,4Dへの取り付け方向が上下逆になる点を除き、互いに同様に構成されている。以下、検査治具3U,3Dを総称して検査治具3と称する。検査治具3は、検査対象となる基板101の種類に応じて取り替え可能に構成されている。
【0019】
検査処理部8は、例えば電源回路、電圧計、電流計、及びマイクロコンピュータ等を備えている。検査処理部8は、図略の駆動機構を制御して検査部4U,4Dを移動、位置決めし、基板101の各被検査点に、各プローブPrを接触させる。これにより、各被検査点と、検査処理部8とが電気的に接続される。この状態で、検査処理部8は、検査治具3の各プローブPrを介して基板101の各被検査点に検査用の電流又は電圧を供給し、各プローブPrから得られた電圧信号又は電流信号に基づき、例えば回路パターンの断線や短絡等の基板101の検査を実行する。あるいは、検査処理部8は、交流の電流又は電圧を各被検査点に供給することによって各プローブPrから得られた電圧信号又は電流信号に基づき、検査対象のインピーダンスを測定するものであってもよい。
【0020】
図2は、
図1に示す基板検査装置1に設けられた検査部4の別の一例を示す斜視図である。
図2に示す検査部4aは、いわゆるICソケット35に検査治具3が組み込まれて構成されている。検査部4aは、検査部4のような駆動機構を備えず、ICソケット35に取り付けられたICのピン、バンプ、あるいは電極等にプローブPrが接触する構成とされている。
図1に示す検査部4U,4Dの代わりに検査部4aを設けることで、検査対象を、例えば半導体素子(IC)とし、検査装置をIC検査装置として構成することができる。
【0021】
図3は、
図1に示す支持部材31及びベースプレート321を備えた検査治具3の構成の一例を示す模式図である。
図3に示す支持部材31は、例えば板状の支持プレート31a,31b,31cが積層されることにより構成されている。
図3の上方側に位置する支持プレート31aが支持部材31の前端側となり、
図3の下方側に位置する支持プレート31cが支持部材31の後端側となるように配設されている。そして、支持プレート31a,31b,31cを貫通するように、複数の貫通孔が形成されている。
【0022】
支持プレート31a,31bには、所定径の開口孔からなる挿通孔部Haがそれぞれ形成されている。支持プレート31cには、挿通孔部Haよりも細径の狭隘部Hbからなる貫通孔が形成されている。また、上方側の支持プレート31aの、検査対象である基板101と対向する面側に位置する部位、つまり支持部材31の前端側部には、挿通孔部Haよりも孔径の小さい小径部Ha1が形成されている。そして、支持プレート31aの小径部Ha1及び挿通孔部Haと、支持プレート31bの挿通孔部Haと、支持プレート31cの狭隘部Hbとが連通されることにより、前記貫通孔が形成されている。
【0023】
なお、支持部材31は、板状の支持プレート31a,31b,31cが積層されて構成される例に限らず、例えば一体の部材に、小径部Ha1、挿通孔部Ha及び狭隘部Hbからなる貫通孔が設けられた構成としてもよい。また、細径の狭隘部Hb及び小径部Ha1を省略し、貫通孔の全体が所定径を有する挿通孔部Haとされた構造としてもよい。さらに、支持部材31の支持プレート31a,31bを互いに積層した例に代え、支持プレート31aと支持プレート31bとを互いに離間させた状態で、例えば支柱等により連結した構成としてもよい。
【0024】
支持プレート31cの後端側には、例えば絶縁性の樹脂材料により構成されたベースプレート321が取り付けられている。このベースプレート321により貫通孔の後端側開口部、つまり狭隘部Hbの後端面が閉塞されている。ベースプレート321には、貫通孔の後端側開口部に対向する位置において、ベースプレート321を貫通するように配線34が取り付けられている。支持プレート31cに対向するベースプレート321の前面と、配線34の端面とが面一になるように設定されている。この配線34の端面が、電極34aとされている。
【0025】
支持部材31の各貫通孔に挿入されて取り付けられるプローブPrは、導電性を有する素材により筒状に形成された筒状体Paと、導電性を有する素材により棒状に形成され第一,第二中心導体Pb,Pcとを備えている。
【0026】
図4は、プローブの具体的構成を示す平面図であり、
図5は、プローブPrを、筒状体Paと、第一中心導体Pbと、第二中心導体Pcとに分解して示す説明図である。筒状体Paとしては、例えば約25〜300μmの外径と、約10〜250μmの内径とを有するニッケルあるいはニッケル合金のチューブを用いて形成することができる。例えば、筒状体Paの外径を約120μm、内径を約100μm、全長を約1700μmとすることができる。また、筒状体Paの内周には、金メッキ等のメッキ層を施し、かつ筒状体Paの周面を、必要に応じて絶縁被覆した構造としてもよい。
【0027】
筒状体Paの両端部には、後述するように第一,第二中心導体Pb,Pcを構成する第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の基端部を抱持する第一,第二抱持部Pd1,Pd2が形成されている。また、第一,第二抱持部Pd1,Pd2の間には、筒状体Paの軸方向に伸縮する第一,第二ばね部Pe1,Pe2が所定長さに亘って形成されている。さらに、筒状体Paの長さ方向の中央部には、両第一,第二ばね部Pe1,Pe2を互いに連結する連結部Pfが設けられている。
【0028】
例えば、図示を省略したレーザ加工機から、筒状体Paの周壁にレーザ光を照射して、第一,第二螺旋溝Pg1,Pg2を形成することにより、筒状体Paの周面に沿って螺旋状に延びる螺旋状体からなる第一,第二ばね部Pe1,Pe2が構成される。そして、第一,第二ばね部Pe1,Pe2を圧縮変形させることにより、筒状体Paを、その軸方向に伸縮させ得るようになっている。
【0029】
なお、筒状体Paの周壁を例えばエッチングして第一,第二螺旋溝Pg1,Pg2を形成することにより、螺旋状体からなる第一,第二ばね部Pe1,Pe2を設けてもよい。また、例えば電鋳により筒状体Paの周壁に第一,第二螺旋溝Pg1,Pg2を形成することによっても、第一,第二ばね部Pe1,Pe2を設けることができる。
【0030】
連結部Pfは、筒状体Paに第一,第二螺旋溝Pg1,Pg2の非形成部を設けることによって残存された筒状体Paの周壁部から構成される。連結部Pfは、筒状体Paの中央部に、所定長さに亘って形成されている。
【0031】
第一抱持部Pd1は、第一螺旋溝Pg1の端部から筒状体Paの一端部側に向けて筒状体Paの軸方向と略平行に延びる第一スリットPh1によって、その一部が分断された筒状体Paの周壁により構成されている。
【0032】
また、第二抱持部Pd2は、第二螺旋溝Pg2の端部から筒状体Paの他端部側に向けて筒状体Paの軸方向と略平行に延びる第二スリットPh2によって、その筒状体Paの一部が分断された周壁により構成されている。
【0033】
第一,第二抱持部Pd1,Pd2は、筒状体Paの長さ方向の中間点を中心とした点対称形状を有している。このため、第二抱持部Pd2の具体的構造のみを以下に説明し、第一抱持部Pd1については、その具体的構造の説明を省略する。
【0034】
図6A〜
図6Cは、筒状体Paの端部に設けられた第二抱持部Pd2の具体的構成を示している。
図6Aは、筒状体Paの端部を拡大した平面図であり、
図6Bは、第二抱持部Pd2を
図6Aの下方から見た端面図である。また、
図6Cは、第二抱持部Pd2を展開した状態を示す平面図である。
【0035】
第二抱持部Pd2の展開形状は、
図6Cに示すように、第二スリットPh2の一側辺に対応した先端面Pd21と、第二螺旋溝Pg2の一側辺に対応した傾斜面Pd22とを備えた台形状を有している。この台形状体を、
図6Bに示すように、円弧状に湾曲させた構造とすることにより、一部に所定幅の分断部を有するC形止め輪状の第二抱持部Pd2が筒状体Paの周壁により構成されている。
【0036】
図4及び
図5に示すように、第一中心導体Pbは、その外径が筒状体Paの内径よりもやや小さく設定されることにより筒状体Pa内に挿入可能に構成された第一棒状本体Pb1と、その基端部に設けられた圧入部Pb2と、この圧入部Pb2に連設された鍔部Pb3と、この鍔部Pb3に連設された接続部Pb4とを備えている。
【0037】
第一棒状本体Pb1は、その全長が筒状体Paの第一ばね部Pe1の形成範囲よりも長く設定されている。これにより、第一棒状本体Pb1を筒状体Pa内に挿入して第一中心導体Pbを組み付ける際に、第一棒状本体Pb1の先端部が筒状体Paの連結部Pf内に挿入された状態となるように構成されている。
【0038】
また、筒状体Paの内径と第一棒状本体Pb1の外径との差が微小に設定されることにより、第一中心導体Pbを筒状体Paに組み付けた状態で後述の検査を行う際には、筒状体Paの連結部Pfと第一棒状本体Pb1とが互いに摺動可能に接触して、電気的に導通するようになっている。
【0039】
第一棒状本体Pb1の圧入部Pb2は、第一棒状本体Pb1が筒状体Pa内に挿入されていない状態では、その外径が筒状体Paの第一抱持部Pd1の内径よりも大きく設定されている。この結果、第一棒状本体Pb1を筒状体Pa内に挿入して第一中心導体Pbを組み付ける際に、圧入部Pb2が、第一抱持部Pd1を拡開変位させることにより、第一抱持部Pd1内に圧入される。そして、圧入部Pb2の周面に第一抱持部Pd1が圧着された状態で、第一抱持部Pd1により第一棒状本体Pb1の圧入部Pb2が抱持されるため、第一中心導体Pbが筒状体Paに組み付けられた状態が維持される。
【0040】
第一棒状本体Pb1の鍔部Pb3は、その外径が筒状体Paの内径よりも大きく、かつ圧入部Pb2よりも大きく設定されている。これにより、第一棒状本体Pb1を筒状体Pa内に挿入して第一中心導体Pbを組み付ける際に、鍔部Pb3が筒状体Paの端部に当接して第一棒状本体Pb1の位置決めがなされる。
【0041】
また、
図3に示すように、支持部材31の挿通孔部Ha内にプローブPrの筒状体Paを挿入した状態で、支持部材31にプローブPrを支持させ得るように、第一棒状本体Pb1の鍔部Pb3は、その外径が挿通孔部Haの内径よりも小さく形成されている。さらに、鍔部Pb3の外径が、支持プレート31aに形成された小径部Ha1の内径よりも大きく設定されることにより、プローブPrを支持部材31に支持させた際に、第一中心導体Pbが支持部材31から抜け落ちることが防止されている。
【0042】
第一中心導体Pbの接続部Pb4は、その外径が支持プレート31aに形成された小径部Ha1の内径よりも小さく設定されることより、小径部Ha1に挿通可能に構成されている。また、プローブPrを支持部材31に支持させた状態で、接続部Pb4の端部が支持プレート31aの小径部Ha1から支持部材31の外方に突出した状態となるように、接続部Pb4の全長が、小径部Ha1の長さよりも大きく設定されている。また、接続部Pb4の端部には、先窄まりのテーパ部Pb5が形成され、後述する基板101等の検査時に、Pb5の先端面が検査対象の被検査点(バンプBP)に当接するようになっている。
【0043】
一方、第二中心導体Pcは、第一中心導体Pbの第一棒状本体Pb1、圧入部Pb2、及び鍔部Pb3と同様の構成を有する第二棒状本体Pc1、圧入部Pc2、及び鍔部Pc3とを有している。そして、この鍔部Pc3に連設された接続部Pc4の先端面が、後述する検査時に、ベースプレート321に設けられた電極34aに当接するように構成されている。
【0044】
接続部Pc4は、その外径が支持プレート31cに形成された狭隘部Hbの内径よりも小さく形成されることより、狭隘部Hb内に挿入されるようになっている。また、プローブPrを支持部材31に支持させた状態で、接続部Pc4の端部が支持プレート31cの狭隘部Hbから支持部材31の外方に突出した状態となるように、接続部Pc4の全長が支持プレート31cの板厚よりも大きく設定されている。さらに、接続部Pc4の先端面は、略平坦に形成されている。
【0045】
第二中心導体Pcの第二棒状本体Pc1は、その全長が筒状体Paの第二ばね部Pe2の形成範囲よりも長く設定されている。これにより、第二棒状本体Pc1を筒状体Pa内に挿入して第二中心導体Pcを組み付けた際に、第二棒状本体Pc1の先端部が筒状体Paの連結部Pf内に挿入された状態となるように構成されている。
【0046】
また、第一,第二中心導体Pb,Pcを筒状体Paに組み付けた状態で、
図4に示すように第一棒状本体Pb1の先端面と,第二棒状本体Pc1の先端面との間に、所定の間隙KGが形成されるように、第一棒状本体Pb1及び第二棒状本体Pc1の全長がそれぞれ設定されている。
【0047】
さらに、後述する検査時に、第一中心導体Pbの接続部Pb4と、第二中心導体Pcの接続部Pc4とがそれぞれ支持部材31内に押し込まれた際(
図8参照)においても、第一棒状本体Pb1の先端面と,第二棒状本体Pc1の先端面とが離間した状態に維持されるように、第一棒状本体Pb1及び第二棒状本体Pc1の全長が設定されている。
【0048】
支持プレート31a,31bに形成された挿通孔部Ha,Ha内に挿入されて支持されるプローブPrの本体部長さ、つまり筒状体Paの全長と、第一,第二中心導体Pb,Pcの鍔部Pb3,Pc3の板厚とを加算した長さαは、支持プレート31aに形成された挿通孔部Haの全長と、支持プレート31bに形成された挿通孔部Haの全長とを加算した値である挿通孔長さβと等しい値に設定することが好ましい。
【0049】
すなわち、プローブPrの本体部長さαを、支持プレート31a,31bの挿通孔長さβよりも大きく形成した場合には、両者の相違寸法(α−β)に対応した長さだけ、筒状体Paの第一,第二ばね部Pe1,Pe2を圧縮変形させた状態で、支持部材31にプローブPrを取り付ける必要がある。この構成では、プローブPrのグラツキを防止して、支持プレート31a,31bの挿通孔部Ha,Ha内にプローブPr安定して保持させることができる利点がある反面、支持部材31に対するプローブPrの取り付け作業が煩雑になるという欠点がある。
【0050】
一方、前記プローブPrの本体部長さαを、支持プレート31a,31bの挿通孔長さβよりも小さく形成した場合には、筒状体Paの第一,第二ばね部Pe1,Pe2を圧縮変形させることなく、支持部材31に対してプローブPrを容易に取り付けることができるという利点がある。この反面、支持部材31にプローブPrを取り付けた状態では、プローブPrの本体部と、支持プレート31bの挿通孔部Haとの間に隙間が形成されることが避けられないため、プローブPrにグラツキが生じ易く、支持プレート31a,31bの挿通孔部Ha,Ha内にプローブPrを安定して保持させることが困難である。
【0051】
これに対し、プローブPrの本体部長さαと、支持プレート31a,31bの挿通孔長さβとが等しくなるように、両者の長さを正確に設定した場合には、支持部材31に対するプローブPrの取り付け作業を容易化しつつ、支持部材31にプローブPrを取り付けた状態で、プローブPrにグラツキを生じるのを防止できるという利点がある。
【0052】
図7は、検査治具3の構成の一例を示す模式的な断面図であって、支持部材31の支持プレート31cにベースプレート321が取り付けられた状態を示している。
【0053】
支持部材31にベースプレート321が取り付けられる前の状態では、
図3に示すように、第二中心導体Pcの接続部Pc4はその後端部が支持プレート31cから僅かに突出している。そして、
図7に示すように、支持プレート31cの後端部側(下方側)にベースプレート321が取り付けられると、第二中心導体Pcの後端部、すなわち接続部Pc4の先端面が、ベースプレート321の電極34aに接触して、支持部材31の前端部側に押圧される。
【0054】
この結果、筒状体Paの第一ばね部Pe1及び第二ばね部Pe2が圧縮されて弾性変形することにより、この第一,第二ばね部Pe1,Pe2の付勢力に抗して接続部Pc4の突出部分が、支持部材31に押し込まれる。また、プローブPrの後端部、つまり接続部Pc4の後端面が、第一,第二ばね部Pe1,Pe2の付勢力に応じて電極34aに圧接されることにより、プローブPrの後端部と電極34aとが安定した導電接触状態に保持される。
【0055】
接続部Pc4の先端面は、略平坦に形成され、電極34aも略平坦に形成されているので、両者を圧接させると、平坦面同士で接触した状態となる。この結果、両者の接触面積が増大し、電極34aとプローブPrとの間における接触抵抗が低減されることになる。
【0056】
なお、接続部Pc4の後端面は、必ずしも平坦な形状に限られず、例えばクラウン形状であってもよく、半球形であってもよく、円錐又は円錐台形状であってもよく、種々の形状とすることができる。
【0057】
図8は、検査対象である基板101のバンプBPにプローブPrの前端部が圧接された検査状態を示す模式的な断面図である。
【0058】
プローブPrを使用した基板101等の検査時に、支持部材31が基板101に対して位置決めされた状態で、検査治具3が基板101に圧接されると、プローブPrの前端側に設けられた第一中心導体Pbの接続部Pb4が、基板101のバンプBPに接触して、支持部材31の後端部側に押圧される。
【0059】
この結果、筒状体Paの第一ばね部Pe1及び第二ばね部Pe2がさらに圧縮されて弾性変形することにより、この第一,第二ばね部Pe1,Pe2の付勢力に抗して、接続部Pb4の突出部分が支持部材31の後端部側に押し込まれる。そして、第一,第二ばね部Pe1,Pe2の付勢力に応じ、プローブPrの前端部、つまり接続部Pb4の先端面が基板101のバンプBPに圧接された状態で、プローブPrの前端部と基板101の被検査点(バンプBP)とが安定した導電接触状態に保持される。
【0060】
このように、導電性を有する素材により筒状に形成された筒状体Paと、導電性を有する素材により棒状に形成された第一,第二中心導体Pb,Pcとを備え、この第一,第二中心導体Pb,Pcが、筒状体Paに挿通される第一,第二棒状本体Pb1,Pc1を有し、筒状体Paが、この筒状体Paの周面に沿って第一,第二螺旋溝Pg1,Pg2を設けられることにより構成された螺旋状体からなる第一,第二ばね部Pe1,Pe2と、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の基端部に外嵌されてこれを抱持する第一,第二抱持部Pd1,Pd2とを有する構成とし、この第一,第二抱持部Pd1,Pd2を、筒状体Paの端部に設けられたスリットPh1,Ph2により、筒状体Paの周方向に一部が分断された筒状体Paの周壁により構成したため、基板101等の検査に使用するプローブPr(接触端子)を容易かつ適正に製造できるとともに、基板101の被検査点及び配線34の電極34aに対するプローブPrの接触圧を適正値に設定することができる。
【0061】
例えば、第一中心導体Pbの第一棒状本体Pb1を筒状体Paの一端部内に挿入して組み付ける際に、スリットPh1を拡開変位させることにより、筒状体Paの第一抱持部Pd1を弾性変形させて、この第一抱持部Pd1内に第一中心導体Pbの圧入部Pb2を容易に圧入することができる。そして、第一抱持部Pd1を、その復元力に応じて圧入部Pb2の周面に圧着させることができるため、この第一棒状本体Pb1の圧入部Pb2を第一抱持部Pd1により抱持して、筒状体Paに対する第一中心導体Pbの組み付け状態を安定して維持できるという利点がある。
【0062】
同様に、第二中心導体Pcの第二棒状本体Pc1を筒状体Paの他端部内に挿入して組み付ける際に、スリットPh2を拡開変位させることにより、筒状体Paの第二抱持部Pd2を弾性変形させて、この第二抱持部Pd2内に第二中心導体Pcの圧入部Pc2を容易に圧入することができる。そして、第二抱持部Pd2を、その復元力に応じて圧入部Pc2の周面に圧着させることができるため、この第二棒状本体Pc1の圧入部Pc2を第二抱持部Pd2により抱持して、筒状体Paに対する第二中心導体Pcの組み付け状態を安定して維持できるという利点がある。
【0063】
したがって、筒状体Paに設けられた第一,第二ばね部Pe1,Pe2を弾性変形させることにより、その付勢力に応じて、第一棒状本体Pb1の先端面及び第二棒状本体Pc1の先端面を基板101のバンプBP及び電極34aに適正圧でそれぞれ圧接させることができるプローブ(接触端子)Prを容易に製造することができる。
【0064】
なお、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の基端部に設けられた圧入部Pb2,Pc2を省略し、筒状体Paの第一,第二抱持部Pd1,Pd2により第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の基端部を直接、抱持する構成とすることも可能である。
【0065】
しかし、上述のように第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の外径を、筒状体Paの第一,第二抱持部Pd1,Pd2の内径よりも小さく設定した場合には、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1を筒状体Pa内にスムーズに挿入して第一,第二中心導体Pb,Pcを容易に組み付けることができる。しかも、第一棒状本体Pb1が筒状体Pa内に挿入されていない状態での第一,第二抱持部Pd1,Pd2の内径よりも大きい外径を有する圧入部Pb2,Pc2を、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の基端部に設けた構造とした場合には、圧入部Pb2,Pc2の周面に、筒状体Paの第一,第二抱持部Pd1,Pd2を圧着させて、第一,第二抱持部Pd1,Pd2により圧入部Pb2,Pc2を安定して抱持することが可能である。
【0066】
また、第一,第二中心導体Pb,Pcの鍔部Pb3,Pc3を省略することも可能であるが、この鍔部Pb3,Pc3を設けた構造とすれば、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1を筒状体Pa内に挿入して第一,第二中心導体Pb,Pcを組み付ける際に、鍔部Pb3,Pc3により第一,第二中心導体Pb,Pcを位置決めすることができるので、その組み付け作業を容易に行うことができる。
【0067】
さらに、上述のように、第一抱持部Pd1を構成する第一スリットPh1を、第一ばね部Pe1を構成する第一螺旋溝Pg1の端部に連設して筒状体Paの軸方向に延びるように形成し、かつ第二抱持部Pd2を構成する第二スリットPh2を、第二ばね部Pe2を構成する第二螺旋溝Pg2の端部に連設して筒状体Paの軸方向に延びるように形成した場合には、例えばレーザ加工機から筒状体Paの周面にレーザ光を照射して第一,第二螺旋溝Pg1,Pg2を形成する際等に、これに連続して第一,第二スリットPh1,Ph2を容易に形成できるという利点がある。
【0068】
なお、第一,第二スリットPh1,Ph2を筒状体Paの軸方向と略平行に延びるように構成した上述の第一実施形態に代え、第一,第二スリットPh1,Ph2を筒状体Paの軸方向と所定角度で傾斜させた形状としてもよい。
【0069】
また、筒状体Paの一端部側に挿入されて抱持される第一棒状本体Pb1を有する第一中心導体Pbと、筒状体Paの他端部側に挿入されて抱持される第二棒状本体Pc1を有する第二中心導体Pcとを設け、かつ筒状体Paの両端部に、第一,第二抱持部Pd1,Pd2とを設けてなる上述の第一実施形態に代え、後述のように単一の中心導体と、単一の抱持部とを設けた構造とすることも可能である。
【0070】
しかし、上述の第一実施形態に示すように、第一中心導体Pbと、第二中心導体Pcとを別体に形成し、筒状体Paの両端部に設けられた第一,第二抱持部Pd1,Pd2により第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の基端部をそれぞれ抱持するように構成した場合には、単一の中心導体を設けた場合に比べ、第一,第二中心導体Pb,Pcを構成する第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の全長をそれぞれ短く形成することにより、これらを筒状体Paの両端部に挿入して第一,第二中心導体Pb,Pcを組み付ける作業を容易化することができる。
【0071】
上述のように、第一抱持部Pd1に連設された第一ばね部Pe1と、第二抱持部Pd2に連設された第二ばね部Pe2と、これらの第一,第二ばね部Pe1,Pe2を互いに連結する筒状の連結部Pfとを、筒状体Paに設け、第一,第二中心導体Pb,Pcの第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の先端部が、それぞれ筒状体Paの連結部Pf内に挿入されるとともに、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の先端面が所定の間隙KGを隔てて相対向した状態に維持されるように構成した場合には、第一,第二ばね部Pe1,Pe2に対して第一,第二中心導体Pb,Pcが並列接続される。
【0072】
プローブPrを流れる電流は、コイル形状を有してインダクタンスが大きくかつ電流経路が長いために抵抗値の大きな第一,第二ばね部Pe1,Pe2には流れにくく、直線的でインダクタンスが小さくかつ電流経路が短いために抵抗値の小さな第一,第二中心導体Pb,Pcに流れやすくなる。
【0073】
その結果、プローブPrを使用した基板101等の検査時に、インダクタンス及び抵抗値の大きな第一,第二ばね部Pe1,Pe2に流れる電流を減少させることができるので、第一,第二ばね部Pe1,Pe2におけるインピーダンスが大きくなるのを抑制して、プローブPrを用いた検査精度を効果的に向上させることができる。
【0074】
また、例えば連結部Pfを省略し、第一,第二抱持部Pd1,Pd2の設置部を除く筒状体Paの略全体に螺旋状体からなるばね部を設けた構造とすることも可能であるが、このように構成した場合には、プローブPrを使用した基板101等の検査時に、長尺のばね部を電流が流れやすくなるため、そのインピーダンスが大きくなるとともに、渦電流が発生して検査精度が低下する可能性がある。
【0075】
これに対して第一実施形態のように、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の先端部を、それぞれ連結部Pf内に位置させて、連結部Pfに対して第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の先端部をそれぞれ接触させるように構成した場合は、プローブPrを使用した基板101等の検査時に、第一,第二ばね部Pe1,Pe2に流れる電流を減少させつつ第一中心導体Pbと第二中心導体Pcとを電気的に導通させることができる。その結果、第一,第二ばね部Pe1,Pe2におけるインピーダンスの増大や、渦電流の発生を低減することができる。
【0076】
また、筒状体Paに第一,第二中心導体Pb,Pcを組み付けた状態において、先端部が筒状体Paの連結部Pf内に届くように第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の全長が設定されることで、この第一,第二棒状本体Pb1,Pc1によって、筒状体Paの略全体を補強することができるため、プローブPrの機械的強度を向上できるという利点もある。
【0077】
なお、プローブPrを使用した基板101等の検査時に、第一,第二ばね部Pe1,Pe2が圧縮されて変形した場合に、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の先端面間同士が当接すると、その時点で第一,第二ばね部Pe1,Pe2の圧縮変形が阻害されることになる。このため、プローブPrを使用した基板101等の検査時に、第一,第二ばね部Pe1,Pe2が圧縮されて変形した場合においても、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の先端面間同士が離間した状態となるように、第一,第二棒状本体Pb1,Pc1の全長を設定することが好ましい。
(第二実施形態)
【0078】
図9は、本発明の第二実施形態に係るプローブ(接触端子)PRの構成を示す模式的な平面図である。
図10は、プローブPRを、筒状体PAと、中心導体PBとに分解して示す説明図である。
図11は、プローブPRを支持部材31に組み付けるとともに、支持部材31にベースプレート321を取り付けた状態を示している。
【0079】
プローブPRは、導電性を有する素材により筒状に形成された筒状体PAと、導電性を有する素材により棒状に形成された単一の中心導体PBとを有し、この中心導体PBが第一中心導体と第二中心導体とに分割されていない点と、筒状体PAの後端側部PIに抱持部が設けられていない点とが第一実施形態と異なっている。また、筒状体PAの全長は、第一実施形態のPaと比べて長く形成されている。
【0080】
中心導体PBは、筒状体PA内に挿入可能に構成された棒状本体PB1と、その基端部に設けられた圧入部PB2と、この圧入部PB2に連設された鍔部PB3と、この鍔部PB3に連設された接続部PB4とを備え、棒状本体PB1の全長が第一実施形態の第一棒状本体Pb1に比べて長尺に形成されている点を除き、第一実施形態の第一中心導体Pbと略同様に構成されている。
【0081】
図9に示すように、中心導体PBの棒状本体PB1を筒状体PA内に挿入し、その基端部に設けられた圧入部PB2を、筒状体PAの一端部に形成された抱持部PDに圧入して抱持させることにより、中心導体PBの接続部PB4が筒状体PAの前端側に突出した状態で支持されたプローブPRが構成される。
【0082】
上述のプローブPRからなる接触端子は、
図11に示すように、支持部材31に形成された挿通孔部Ha,Haに挿入されて組み付けられる。具体的には、プローブPRの前端側部に設けられた接続部PB4を、支持プレート31aに設けられた小径部Ha1に挿通させ、その先端部を小径部Ha1の開口部から支持部材31の外方に突出させ、かつ筒状体PAの後端側部PIをベースプレート321に設けられた電極34aに当接させた状態で、プローブPRが支持部材31に組み付けられるようになっている。
【0083】
このように、筒状体PAと、単一の中心導体PBとによりプローブPRを構成した第二実施形態では、上述の第一実施形態に比べて部品点数を低減することができるため、プローブPRからなる接触端子の構造を簡略化できるという利点がある。
(第三実施形態)
【0084】
図12は、本発明の第三実施形態に係るプローブ(接触端子)PRaの構成の一例を示す模式的な断面図である。
【0085】
プローブPRaは、両端部にスリットPh1,Ph2が形成されていない点を除いて第一実施形態の筒状体Paと略同様に構成された筒状体PAaと、第一実施形態の第一,第二中心導体Pb,Pcと同様に構成された第一,第二中心導体PBa,PCaとを備えている。
【0086】
すなわち、第一中心導体PBaは、第一実施形態の第一棒状本体Pb1と同様に構成された第一棒状本体PBa1と、その基端部に設けられた圧入部PBa2と、この圧入部PBa2に連設された鍔部PBa3と、この鍔部PBa3に連設された接続部PBa4とを備えている。また、第二中心導体PCaは、第一実施形態の第二棒状本体Pc1と同様に構成された第二棒状本体PCa1と、その基端部に設けられた圧入部PCa2と、この圧入部PCa2に連設された鍔部PCa3と、この鍔部PCa3に連設された接続部PCa4とを備えている。
【0087】
筒状体PAaは、第一,第二螺旋溝PGa1,PGa2によって構成された第一,第二ばね部PEa1,PEa2と、両ばね部PEa1,PEa2の間に設けられた連結部PFaとを有している。また、筒状体PAaの両端部には、その周壁からなる抱持部、つまり上述の分断部のない筒状の第一,第二抱持部PDa1,PDa2が設けられている。
【0088】
第一,第二棒状本体PBa1,PCa1を、筒状体PAa内にそれぞれ挿入する。そして、第一,第二中心導体PBa,PCaの圧入部PBa2,PCa2を筒状体PAaの第一,第二抱持部PDa1,PDa2内にそれぞれ圧入し、この第一,第二抱持部PDa1,PDa2を拡開変位させる等により、圧入部PBa2,PCa2の周面に第一,第二抱持部PDa1,PDa2を圧着させる。この結果、第一,第二棒状本体PBa1,PCa1の圧入部PBa2,PCa2が、第一,第二抱持部PDa1,PDa2によって、それぞれ抱持されるようになっている。
【0089】
なお、上述の圧入部PBa2,PCa2を省略し、筒状体PAa内に第一,第二棒状本体PBa1,PCa1をそれぞれ挿入し、その基端部と筒状体PAaの端部と、つまり第一,第二抱持部PDa1,PDa2とを、例えば溶着、あるいはカシメ加工等、他の接続手段によって接続することにより、プローブPRaを構成してもよい。
【0090】
また、第一,第二中心導体PBa,PCaを筒状体PAaに組み付けた状態では、
図12に示すように第一棒状本体PBa1の先端面と,第二棒状本体PCa1の先端面との間に、所定の間隙KGが形成されるように、第一棒状本体PBa1及び第二棒状本体PCa1の全長が設定されている。
【0091】
このように、導電性を有する素材により筒状に形成された筒状体PAaと、導電性を有する素材により棒状に形成された第一,第二中心導体PBa,PCaとを備えたプローブPRaにおいて、第一中心導体PBaが、筒状体PAaの一端部側に挿入される第一棒状本体PBa1を有し、かつ第二中心導体PCaが、筒状体PAaの他端部側に挿入される第二棒状本体PCa1を有し、筒状体PAaが、その一端部側において第一棒状本体PBa1の基端部を抱持する第一抱持部PDa1と、筒状体PAaの他端部側において第二棒状本体PCa1の基端部を抱持する第二抱持部PDa2と、第一抱持部PDa1に連設された第一ばね部PEa1と、第二抱持部PDa2に連設された第二ばね部PEa2と、当該第一,第二ばね部PEa1,PEa2を互いに連結する筒状の連結部PFaとを備え、第一,第二中心導体PBa,PCaは、第一,第二棒状本体PBa1,PCa1の先端部がそれぞれ筒状体PAaの連結部PFa内に挿入された状態で組み付けられるとともに、第一,第二棒状本体PBa1,PCa1の先端面が間隙KGを隔てて相対向した状態に維持されるように、第一,第二棒状本体PBa1,PCa1の全長を設定した構成によれば、上述の第二実施形態のように単一の中心導体PBを設けた場合に比べ、第一,第二中心導体PBa,PCaを構成する第一,第二棒状本体PBa1,PCa1の全長を短くすることができるので、これを筒状体PAaの両端部に挿入して第一,第二中心導体PBa,PCaを組み付ける作業を容易化することができる。
【0092】
しかも、プローブPRaを使用した基板101等の検査時に、筒状体PAaに設けられた連結部PFaに対して第一,第二棒状本体PBa1,PCa1の先端部をそれぞれ接触させることによって、第一,第二ばね部PEa1,PEa2に流れる電流を減少させつつ第一中心導体PBaと第二中心導体PCaとを電気的に導通させることができる。その結果、プローブPRaのインピーダンスが大きくなったり、渦電流が発生したりするのを抑制して、プローブPRaを用いた検査精度を効果的に向上させることができる。さらに、筒状体PAaに第一,第二中心導体PBa,PCaを組み付けた状態において、先端部が筒状体PAaの連結部PFa内に届くように第一,第二棒状本体PBa1,PCa1の全長が設定されることで、これらによって筒状体Paの略全体を補強することができるため、プローブPRaの機械的強度を向上できるという利点もある。
【0093】
すなわち、本発明の一局面に従う接触端子は、導電性を有する素材により筒状に形成された筒状体と、導電性を有する素材により棒状に形成された中心導体とを備え、当該中心導体が、前記筒状体に挿通される棒状本体を有し、前記筒状体が、当該筒状体の周面に沿って螺旋溝が設けられることにより構成された螺旋状体からなるばね部と、前記棒状本体の基端部に外嵌されてこれを抱持する抱持部とを有し、当該抱持部は、前記ばね部を構成する前記螺旋溝の端部から前記筒状体の軸方向に延びるスリットにより、前記筒状体の周方向に一部が分断された周壁からなっている。
【0094】
この構成によれば、筒状体の抱持部に棒状本体の基端部を抱持させることにより、半導体素子等の検査に使用する接触端子を適正に製造することが容易である。また、筒状体のばね部を弾性変形させることにより、半導体素子等の被検査点及び配線の電極等に対する接触端子の接触圧を適正値に設定することが容易である。
【0095】
また、前記中心導体の前記棒状本体は、その外径が前記筒状体の前記抱持部の内径よりも小さく設定され、前記棒状本体の前記基端部には、その外径が、前記棒状本体が挿通されていない状態の前記筒状体の前記抱持部の内径よりも大きく設定された圧入部が設けられていることが好ましい。
【0096】
この構成によれば、筒状体に中心導体を組み付ける際に、棒状本体を筒状体内にスムーズに挿入して中心導体の組み付けを容易に行うことができる。しかも、中心導体に設けられた圧入部の周面に、筒状体の抱持部を圧着させて、この抱持部により前記圧入部を安定して抱持することが可能である。
【0097】
また、前記スリットは、前記ばね部を構成する前記螺旋溝の端部に連設されて前記筒状体の軸方向に延びている構成としてもよい。
【0098】
この構成によれば、例えばレーザ加工機から筒状体の周面にレーザ光を照射して螺旋溝を形成する際に、これに連続して前記スリットを容易に形成できるという利点がある。
【0099】
また、前記中心導体は、前記筒状体の一端部側に挿入される第一棒状本体を有する第一中心導体と、前記筒状体の他端部側に挿入される第二棒状本体を有する第二中心導体とを備え、前記筒状体には、その一端部側において前記第一棒状本体の基端部を抱持する第一抱持部と、筒状体の他端部側において前記第二棒状本体の基端部を抱持する第二抱持部とが設けられている構成とすることが好ましい。
【0100】
この構成によれば、単一の中心導体を設けた場合に比べ、第一,第二中心導体を構成する第一,第二棒状本体の全長を短くすることにより、これらを筒状体の両端部に挿入して第一,第二中心導体を組み付ける作業を容易化できる等の利点がある。
【0101】
また、前記筒状体には、前記第一抱持部に連設された第一ばね部と、前記第二抱持部に連設された第二ばね部と、当該第一,第二ばね部を互いに連結する筒状の連結部とが設けられ、前記第一,第二中心導体は、前記第一,第二棒状本体の先端部がそれぞれ前記筒状体の前記連結部内に挿入されるとともに、両棒状本体の先端面が間隙を隔てて相対向した状態に維持されるように、前記第一,第二棒状本体の全長が設定されている構成とすることが好ましい。
【0102】
この構成によれば、接触端子を使用した基板等の検査時に、第一中心導体から連結部を介して第二中心導体に電流が流れ易くなるので、筒状体の第一,第二ばね部に流れる電流を減少させつつ前記連結部を介して第一中心導体と第二中心導体とを電気的に導通させることができる。このため、前記ばね部におけるインピーダンスの増大や、渦電流の発生を低減できる。その結果、接触端子を用いた検査の精度を効果的に向上させることができる。しかも、筒状体に中心導体を組み付けた状態では、第一,第二棒状本体により筒状体の略全体を補強することができるため、接触端子の機械的強度を十分に確保できるという利点がある。
【0103】
また、本発明の一局面に従う接触端子は、導電性を有する素材により筒状に形成された筒状体と、導電性を有する素材により棒状に形成された中心導体とを備え、当該中心導体が、前記筒状体の一端部側に挿入される第一棒状本体を有する第一中心導体と、前記筒状体の他端部側に挿入される第二棒状本体を有する第二中心導体とを備え、前記筒状体が、その一端部側において前記第一棒状本体の基端部を抱持する第一抱持部と、筒状体の他端部側において前記第二棒状本体の基端部を抱持する第二抱持部と、前記第一抱持部に連設された第一ばね部と、前記第二抱持部に連設された第二ばね部と、当該第一,第二ばね部を互いに連結する筒状の連結部とを備え、前記第一,第二中心導体は、前記第一,第二棒状本体の先端部がそれぞれ前記筒状体の前記連結部内に挿入されるとともに、両棒状本体の先端面が間隙を隔てて相対向した状態に維持されるように、前記第一,第二棒状本体の全長が設定されている。
【0104】
この構成によれば、単一の中心導体を備えた接触端子に比べ、中心導体を構成する第一,第二棒状本体の全長を短くすることができるので、これを筒状体の両端部に挿入して第一,第二中心導体を組み付ける作業を容易化することができる。また、筒状体に第一,第二中心導体を組み付けた状態において、先端部が筒状体の連結部内に届くように第一,第二棒状本体の全長が設定されることで、これらによって筒状体の略全体を補強することができるため、プローブの機械的強度を向上できるという利点もある。
【0105】
しかも、接触端子を使用した基板等の検査時に、筒状体に設けられた連結部に、第一,第二棒状本体の先端部をそれぞれ接触させることにより、前記第一,第二ばね部に流れる電流を減少させつつ第一中心導体と第二中心導体とを電気的に導通させることができる。したがって、ばね部での、インピーダンスの増大や渦電流の発生を低減することができる。その結果、接触端子を用いた検査精度を効果的に向上させることができる。
【0106】
また、本発明の一局面に従う検査治具は、上述の接触端子と、これを支持する支持部材とを備える。
【0107】
この構成によれば、半導体素子等からなる検査対象の検査に使用する検査治具を適正に製造することが容易であり、検査対象の被検査点及び配線の電極等に対する接触端子の接触圧を適正値に設定することが容易である。
【0108】
さらに、本発明の一局面に従う検査装置は、上述の検査治具と、前記接触端子を検査対象に設けられた被検査点に接触させることにより得られる電気信号に基づき、前記検査対象の検査を行う検査処理部とを備える。
【0109】
この構成によれば、検査対象の検査に使用する検査装置を適正に製造することが容易であるとともに、半導体素子等の被検査点及び配線の電極等に対する接触端子の接触圧を適正値に設定することが容易である。
【0110】
このような構成の接触端子、検査治具及び検査装置は、これらを適正に製造することが容易であるとともに、電極及び検査対象に対する接触端子の接触圧を、適正値に設定することが容易である。
【0111】
この出願は、2016年11月30日に出願された日本国特許出願特願2016−232912を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明は、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではない。