(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属層をエッチングする段階は、前記金属層をエッチングして、前記セルピラートレンチの下端から全ての浮遊ゲート材料を除去する段階を更に有する、請求項1または2に記載の方法。
前記金属層は、TiN、TiCN、TaN、TiSiN、WSix、RuTiN、RuOx、TaSiN、TaCON、TiCON、WxNxおよびこれらの複数の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下の詳細な説明は、図示を目的として多くの具体的な事柄を含むが、当業者は、以下の詳細に対して多くの改変および変更を行い、これらが本明細書に包含されるものとみなされ得ることを理解するであろう。
【0004】
従って、以下の実施形態は、記載される特許請求の範囲に対する一般性を失うことなく、またそれに対して限定を課することなく記載されている。また、本明細書において用いられる用語が特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、限定することを意図しないことを理解されたい。別途定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般に理解されるのと同一の意味を有する。
【0005】
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈で明らかにそうでないと記載されない限り、複数形を含む。従って、例えば「1つの層」に言及する場合、複数のそのような層を含む。
【0006】
本開示において、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(containing)」および「有する(having)」等は、米国特許法においてそれらに基づく意味を有し得、「含む(include)」、「含む(including)」等を意味し得、一般に非限定的な用語として解釈される。「からなる(consist of)」または「からなる(consist of)」という用語は、限定的な用語であり、当該用語と共に具体的に列挙される構成要素、構造体、段階等、ならびに米国特許法によるもののみを含む。「から本質的になる(consisting essentially of)」または「から本質的になる(consist essentially of)」は、一般に、米国特許法がそれらに基づく意味を有する。具体的には、そのような用語は一般に、関連して用いられる項目の基本的および新規な特性または機能に実質的に影響しない追加の項目、材料、構成要素、段階または要素の包含を可能にすることを例外として、限定的な用語である。例えば、混合物中に存在するが、混合物の性質もしくは特性に影響しない微量元素は、たとえそのような用語の後の項目の一覧に明示的に列挙されていなくとも、「から本質的になる」という文言のもとに存在する場合には許容されるであろう。「備える」もしくは「含む」等の非限定的な用語を用いる場合、明示的に記載された場合と同様に、「から本質的になる」という文言、ならびに「からなる」という文言にも直接のサポートが与えられるべきであることを理解されたい。
【0007】
本明細書および特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等の用語は、それらがある場合には、類似の複数の要素を区別するのに用いられ、特定のシーケンシャルまたは時系列の順序を説明するのには必ずしも用いられない。そのように用いられる用語は、本明細書において説明される複数の実施形態が本明細書において例えば、図示され、または別途説明されるもの以外のシーケンスにおける動作が可能となるように、適切な状況下において、交換可能であることを理解されたい。同様に、方法が本明細書において一連の段階を備えるものとして説明される場合、本明細書において提示されるそのような段階の順序は、そのような段階が実行され得る唯一の順序では必ずしもなく、記載される段階のあるものは場合によって省略されてもよく、および/または本明細書において説明されない他のある段階が場合によって方法に追加されてもよい。
【0008】
説明および特許請求の範囲における「左」、「右」、「前面」、「背面」、「上部」、「底部」、「上」、「下」などの用語は、それらがある場合、説明する目的のために用いられるのであって、必ずしも恒久的な相対位置を説明しているのではない。そのように用いられるそれらの用語は、本明細書において説明される複数の実施形態が、例えば、本明細書において例示されもの以外の向き、または別途説明された向きでの動作が可能であるように、複数の適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。本明細書において用いられる「結合された」という用語は、電気的もしくは非電気的態様で直接的もしくは間接的に接続されているものとして定義される。互いに「隣接」するものとして本明細書において説明される複数の物体は、その文言が用いられる文脈に応じて、互いに物理的接触があるか、互いに近接しているか、または、互いに同一の一般的領域または区域にあるか、であり得る。本明細書における「一実施形態において」または「一態様」という文言が現れる場合、全てが同一の実施形態または態様を必ずしも指すわけではない。
【0009】
本明細書において用いられるように、「実質的に」という用語は、完全もしくはほぼ完全な程度の動作、特性、属性、状態、構造、項目または結果を指す。例えば、「実質的に」囲繞された対象は、完全に囲繞されているか、またはほぼ完全に囲繞されている対象を意味するであろう。絶対的に完全なものから全く許容可能な程度のずれは、いくつかの場合に特定の文脈に依存し得る。しかし、一般的に言えば、完全に近ければ、絶対的な全体としての完全さが得られたのと同一の全体としての結果を有することになる。「実質的に」を用いることは、動作、特性、属性、状態、構造、項目または結果を完全もしくはほぼ完全に欠いていることを指す、否定的な含意において用いられる場合に、同様に適用される。例えば、粒子を「実質的に含まない」混合物は、完全に粒子を欠くか、またはほぼ完全に粒子を欠き、その結果効果は、完全に粒子を欠く場合と同一である。換言すれば、成分または要素を「実質的に含まない」混合物は、その測定可能な効果が存在しない限り、そのような項目をやはり実際としては含み得る。
【0010】
本明細書において用いられるように、「約」という用語は、提示される値が終点より「少し大きい」か、または「少し小さく」なり得ることを条件とすることにより、数値範囲の終点に柔軟性を提供するべく、用いられる。
【0011】
本明細書において用いられるように、複数の項目、構造的要素、組成上の要素、および/または材料は、利便性のために共通の一覧において提示され得る。しかし、これらの一覧は、一覧の各部材が別個の一意な部材として個別に識別されるのと同様に解釈されるべきである。従って、そのような一覧の個別の部材は、共通の群における表示のみに基づいて、相反する指示のない限り、同一の一覧のその他の部材の事実上の均等物として解釈されるべきではない。
【0012】
濃度、量および他の数値データが、本明細書において、ある範囲形式の中で表され、または提示され得る。そのような範囲形式は、利便性および簡潔さのためだけに用いられ、従って、その範囲の限界として明示的に列挙された数値を含むだけでなく、各数値およびサブレンジが明示的に列挙されているのと同様に、その範囲内に包含される全ての個別の数値またはサブレンジを含むものとして、柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。図示として、「約1〜約5」の数値範囲は、約1〜約5の明示的に列挙された値を含むだけでなく、示された範囲内の個々の値およびサブレンジも含むものと解釈されるべきである。従って、2、3および4等の個々の値、1〜3、2〜4、および3〜5等のサブレンジ、ならびに1、2、3、4および5が個別に、この数値範囲の中に含まれる。
【0013】
同一の原理が、最小値または最大値として唯一の数値を列挙する複数の範囲に適用される。更に、そのような解釈は、説明される範囲または特性の幅に関わらず適用されるべきである。
【0014】
本明細書全体を通して、「一例」に言及する場合、当該例に関連して説明される特定の特徴、構造、特性が少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書の全体に渡り様々な箇所で「一例において」という複数の文言が現れても、必ずしも全て、同一の実施形態を指す訳ではない。
【0015】
[例示的な実施形態] 複数の技術的実施形態の初期的概要が以下に提供され、次に特定の複数の技術的実施形態が更に詳細に説明される。この初期的概要は、読者が技術をより迅速に理解するのに役立つことを意図しており、本技術の重要または本質的な特徴を識別することを意図せず、または特許請求される主題の範囲を限定することを意図するものではない。
【0016】
一般に、3次元NANDメモリは、浮遊ゲートトランジスタを含む複数のメモリセルを含む。現在の3次元NANDメモリセルは、中央のセルピラーの周囲に3次元に配列された複数のNANDメモリ構造体を含み得る。一般に、メモリ構造体は、トンネル誘電体層と呼ばれる薄い誘電層(すなわち、トンネル酸化物層)により支持半導体基板から電気的に絶縁された浮遊ゲートを含み得る。導電材料(すなわち、制御ゲート)は、浮遊ゲートに隣接して位置し、インターポリ誘電(IPD)層によりその場所から電気的に絶縁されている。インターポリ誘電体は層状構造であり得、いくつかの態様において2つの酸化シリコンの層の間に挟まれた窒化シリコン層を含み得る。一般に、浮遊ゲートは、充電用の蓄電素子として機能する導電材料から構成される。この蓄電素子は、関連する特定のトランジスタのメモリ状態を規定する。浮遊ゲートは、周囲の複数の導電材料から電気的に絶縁され、従ってその中に蓄えられる電荷は、デバイスに対する電力供給が中断しても依然として一定に保たれる。
【0017】
様々な3次元NAND技術において、浮遊ゲートからの導電材料は、製造中に遊離する可能性があり、セルピラーの底部に蓄積することが発見されている。これは電気の短絡を引き起こし、従ってデバイスの効率性を低下させ得る。製造中に、金属層を浮遊ゲート材料と関連付けることにより、セルピラー底部もしくはこの付近における欠損およびデブリが低減もしくは除去され、従ってデバイスの効率性および性能を高め得る。
【0018】
従って、
図1に示される一態様において、改善したプロセスマージンおよび向上した性能を有するNANDメモリ構造体102が提供される。メモリ構造体は、第1の絶縁層108と第2の絶縁層110との間に配置された制御ゲート材料104および浮遊ゲート材料106を含み得る。金属層112は、金属層112が浮遊ゲート材料106の少なくとも3つの表面に沿って配置され、またはこれらの周囲を囲繞するように、制御ゲート材料104と浮遊ゲート材料106との間に位置する。インターポリ誘電体(IPD)層114は、IPD層114が制御ゲート材料104を浮遊ゲート材料106から電気的に絶縁するように、金属層112と制御ゲート材料104との間に配置されている。IPD層114は、金属層112の少なくとも3つの表面に沿って配置され、またはこれらの周囲を囲繞する。構造体は、制御ゲート材料104と反対側の浮遊ゲート材料106に結合されたトンネル誘電体材料116を更に含み得る。別の態様において、金属層112は、浮遊ゲート材料106の少なくとも4つの表面に沿って配置され、またはこれらの周囲を囲繞し得る。なおも別の態様において、IPD層114は、金属層112の少なくとも4つの表面に沿って配置され、またはこれらの周囲を囲繞し得る。
【0019】
そのようなNANDメモリ構造体は、1つのNANDデバイスとして用いられ得、またはメモリ構造体は、複数のそのような構造体を含むデバイスに組み込まれ得る。
【0020】
更に、本明細書において説明される特定のアーキテクチャレイアウトは、限定的なものとみなされるべきではなく、複数のそのようなメモリ構造体をデバイスに統合するべく、他の複数のアーキテクチャが企図されることを理解されたい。従って、例えば
図2に示される一態様において、改善したプロセスマージンおよび向上した性能を有する3次元NANDメモリ202が提供される。そのようなメモリセルは、セレクトゲートソース(SGS)領域210上に配置された導電材料206および絶縁材料208の複数の交互層を有するセルスタック基板204を含み得る。いくつかの態様において、SGS領域は、エッチング停止層212と追加の絶縁層214との間に配置されている。セルピラー216は、複数の交互層206、208に対して実質的に鉛直の向きでセルスタック基板204内に位置し得る。セルピラーは、SGS領域を通って下にあるソース層218へと延在する。更に、複数のNANDメモリ構造体220は、セルピラー216の周囲において3次元構成で配列されている。複数のNANDメモリ構造体220は、セルスタック基板204の複数の導電材料層206と位置合わせされている。一態様において、導電材料層206は、制御ゲート材料として機能し得るが、複数の他の態様においては、別個の制御ゲート材料が導電材料層とNANDメモリ構造体との間に位置し得る。
【0021】
トンネル誘電体材料222は、セルスタック基板204とセルピラー216との間に位置し、従って、NANDメモリ構造体220をセルピラー216から電気的に絶縁し得る。各NANDメモリ構造体は、複数の絶縁材料層208の間に配置され、導電材料層206と位置合わせされた浮遊ゲート材料224を含む。金属層226は、金属層226が浮遊ゲート材料224の少なくとも3つの表面に沿って配置され、またはこれらの周囲を囲繞するように、導電材料層206(もしくは制御ゲート)と浮遊ゲート材料224との間に位置する。インターポリ誘電体(IPD)層228は、IPD層228が導電材料層206を浮遊ゲート材料224から電気的に絶縁するように、金属層226と導電材料層206との間に配置されている。IPD層228は、金属層226の少なくとも3つの表面に沿って配置され、またはこの周囲を囲繞する。別の態様において、金属層226は、浮遊ゲート材料224の少なくとも4つの表面に沿って配置され、またはこれらの周囲を囲繞し得る。なおも別の態様において、IPD層228は、金属層226の少なくとも4つの表面に沿って配置され、またはこれらの周囲を囲繞し得る。
【0022】
別の態様において、改善したプロセスマージンおよび向上した性能を有する3次元NANDメモリ構造体を製造する方法が提供される。
図3に示されるように、そのような方法は、セレクトゲートソース領域上に配置された導電材料および絶縁材料の複数の交互層を有するセルスタック基板にセルピラートレンチをエッチングする段階302と、導電材料の複数の層におけるセルピラートレンチの複数の側壁に複数の浮遊ゲートの凹部をエッチングする段階304と、複数の浮遊ゲートの凹部にインターポリ誘電体(IPD)層を形成する段階306とを備え得る。本方法は、複数の浮遊ゲートの凹部におけるIPD層上に金属層を堆積させる段階308と、複数の浮遊ゲートの凹部における金属層上に浮遊ゲート層を堆積させて、少なくとも3つの表面を金属層で囲繞される浮遊ゲートコアを有する、複数の浮遊ゲートユニットを形成する段階310とを更に備え得る。
【0023】
図4Aに示される別の態様において、3次元NANDメモリ構造体402は、製造されるプロセスにおいて示されている。セルピラートレンチ405は、セルスタック基板404へとエッチングされている。セルスタック基板404は、複数の交互絶縁材料層406および導電材料層408を含む。複数の浮遊ゲートの凹部は、導電材料層408においてセルピラートレンチ405の複数の側壁へとエッチングされている。従って、複数の浮遊ゲートの凹部410は、複数の絶縁材料層406により互いに絶縁されている。
【0024】
また、
図4Aは、浮遊ゲートの凹部410に形成されたIPD層412を示す。いくつかの態様において、IPD層は、セルピラートレンチ405の複数の側壁414に沿って形成されており、従ってセルピラートレンチ405の底部416から上部418へと連続的なIPD層を形成する。複数の他の態様において、IPD層は製造のこの段階では不連続である。IPD層は、そのような材料に有用な任意の知られた材料で製造され得る。一態様において、IPD層は、酸化シリコンの2つの層の間に配置された窒化シリコン層から構成された層状構造であり得る。この3層は、「ONO」または「酸化物―窒化物―酸化物」層として当技術分野において既知である。IPD層412は、複数の材料を電気的に絶縁するように位置し、その後に導電材料層408の浮遊ゲートの凹部410に堆積されることに留意されたい。
【0025】
浮遊ゲートの凹部410におけるIPD層412上に堆積された金属層420が示されている。いくつかの態様において、金属層420は、IPD層412に沿って、セルピラートレンチ405の底部416から上部418へと堆積され、従って連続層を形成する。他の態様において、金属層は製造のこの段階では不連続である。一態様において、金属層420は、セルピラートレンチ405の底部416に沿って堆積され得る。金属層は、3次元NANDメモリセルもしくは構造体の製造もしくは使用に有益な複数の属性を有する任意の金属材料であり得る。一態様において、金属層は窒化金属であり得る。別の態様において、金属層材料の非限定的な例としては、適切な複数の組み合わせを含む、TiN、TiCN、TaN、TiSiN、WSix、RuTiN、RuO
x、TaSiN、TaCON、TiCON、W
XN
X等が挙げられ得る。なおも別の態様において、金属層はTiNであり得る。金属層の厚みは、デバイスのアーキテクチャに応じて変わり得るが、一態様において、金属層は、約1nm〜約6nmの厚みを有し得る。別の実施形態において、厚みは約3nmになり得る。なおも別の態様において、金属層は、導電材料層408の厚みの約15%〜約30%の厚みを有し得る。更に、金属層は、化学蒸着、物理蒸着、原子層蒸着等を含むがこれらに限定されない任意の既知の技術により、形成され得る。
【0026】
また、
図4Aは、浮遊ゲートの凹部410における金属層420上に堆積された浮遊ゲート層(または材料)422を示す。いくつかの態様において、浮遊ゲート層422は、金属層420に沿って、セルピラートレンチ405の底部416から上部418へと堆積し、従って連続層を形成する。他の態様において、浮遊ゲート層は製造のこの段階では不連続である。一態様において、浮遊ゲート層422は、セルピラートレンチ405の底部416に沿って、金属層420上に堆積され得る。従って、浮遊ゲートの凹部410における浮遊ゲート材料は、少なくとも3つの表面を金属層で囲繞されており、いくつかの態様においては少なくとも4つまたは5つの表面を金属層で囲繞されている。換言すれば、金属層は、デバイスのアーキテクチャに応じて異なる程度に、浮遊ゲートの凹部における浮遊ゲート材料を「囲繞し」得る。同様に、いくつかの態様において、浮遊ゲートの凹部における金属層は、少なくとも3つの表面をIPD層で囲繞され、いくつかの態様においては、少なくとも4つまたは5つの表面をIPD層で囲繞される。また、そのようなものは、異なる程度に金属層を「囲繞する」IPD層として説明され得る。浮遊ゲート材料が浮遊ゲートを製造するのに有用な任意の材料であり得ることに留意されたい。具体的な一態様において、浮遊ゲート材料はポリシリコンであり得る。
【0027】
図4Bを参照すると、浮遊ゲート層422は、セルピラートレンチ405の複数の側壁および底部416からエッチングされて、金属層420を露出させ得る。金属層を欠くいくつかのセル構造体において、浮遊ゲート材料からの複数のデブリおよび他の残留欠損は、不完全な浮遊ゲートのエッチングゆえに、セルピラートレンチの底部に存在し得る。そのような複数のデブリおよび残留欠損は、メモリセルの性能にマイナスに影響し得る。そのような複数の欠損は、洗浄および更なるエッチングにより低減され得るが、この更なるエッチングは多くの場合、浮遊ゲート、具体的にはセルピラートレンチの上部付近の上方浮遊ゲートの階層に望ましくない腐食をもたらす。浮遊ゲート材料422の下に位置する金属層420は、浮遊ゲート材料において、特にセルピラートレンチ405の底部416、および従来洗浄が困難な底部の角の複数の領域のより強力なエッチングを可能にする。そのような全ての、または実質的に全てのデブリおよび残留欠損は、そのような洗浄プロセス、ならびにプロセスマージンの利得を高めることにより除去され得る。
【0028】
浮遊ゲート層422は、下にある金属層をあまりエッチングすることなく、浮遊ゲートのポリシリコン材料を選択的にエッチングする任意のプロセスにより、エッチングされ得る。様々なウェット洗浄およびドライ洗浄の方法が当技術分野において既知である。いくつかの例示的な態様において、従来のウェットDHF(希フッ酸)エッチングまたは洗浄エッチングプロセスが用いられ得る。複数の他の態様において、日本の東京エレクトロン株式会社(TEL)から入手可能なCertasマシンを用いて選択的に酸化膜をエッチングすることを目的とするプラズマフリーの化学ガスエッチングシステム、またはHF+NH3蒸気/HF+NH3プラズマを用いる、カリフォルニア州サンタクララ市のアプライドマテリアルズの機械を用いたSiCoNiエッチングプロセス等に限定されないドライエッチングまたは洗浄プロセスが用いられ得る。具体的な一態様において、浮遊ゲート材料は、Certasマシンを用いて10℃〜100℃の温度で0.5%〜10%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)によりエッチングされ得る。1つの例示的な化学的反応は、<10%のTMAH、<2%の非イオン性界面活性剤、8〜10の範囲のpH緩衝剤、ならびに任意選択のキレート剤および/または錯化剤を含む。
【0029】
図4Cに示されるように、浮遊ゲート層422をエッチングした後、金属層420は、適切なエッチングにより、セルピラートレンチ405の複数の側壁および底部416からエッチングされ得る。この洗浄段階は、セルピラートレンチの底部および底部の複数の角からデブリおよび残留欠損を更に洗浄し得る。一態様において、例えば金属層420は、セルピラートレンチ405の底部416へと十分に深くエッチングされ、実質的に全ての、または全ての浮遊ゲート材料を除去し得る。用いられるエッチングは、金属層において用いられる金属材料に応じて変わり得る。TiN金属層の場合においては、例えばSCI化学反応が有用であり得る。SCI化学反応が周知であり、多くの場合にNH
4OH、H
2O
2および脱イオン水の溶液を含む。1つの例示的な化学的反応は、70℃で1:1:5の比で28%のNH
4OH、30%のH
2O
2および脱イオン水を含む。別の態様において、APMエッチングが使用され得る。例えば、ある製法は、55℃の温度で100:3:2の比で混合された脱イオン水、H
2O
2およびNH
4OHであってもよい。金属をエッチングし得る複数の他の化学物質としては、熱リン酸、HF/O
3、HF/H
2O
2、HFの蒸気、NH
3の蒸気およびH
2SO
4/H
2O
2、HF/HNO
3が挙げられ得るが、これらに限定されない。金属層のエッチングは、複数の側壁、ならびに良好に画定された浮遊ゲート422および浮遊ゲートの凹部における金属層422の領域に沿ってIPD層を露出させることに留意されたい。金属層のエッチングは、セルピラートレンチ405の底部416でソース430を露出させ得る。
【0030】
セルピラートレンチにおいて残留欠損およびデブリを検出するべく、様々な技術が使用され得ることに留意されたい。セルピラートレンチがセルピラー材料で充填されると、そのような欠損およびデブリにより電気的短絡が生じ得る。従って、これらの短絡が検出され得、欠損のカウントが定量化され得る。また、SEMまたは複数の他の適切な技術を用いてメモリセルは画像化され、視覚的に欠損が検査され得る。
【0031】
図4Dに示されるように、IPD層412はエッチングされて、セルピラートレンチ405の複数の側壁を露出させる。次に、トレンチの複数の側壁に沿ってトンネル誘電体(すなわち、トンネル酸化物)432が形成され得る。トンネル誘電体が周知であり、トンネル誘電体として機能し得る任意の絶縁材料であり得る。非限定的な例としては、Si0
2、SiON等の酸化物および窒化物が挙げられ得る。一態様において、トンネル誘電体は、複数の金属材料上において均一な成長を可能とするように処理された酸化物であり得る。具体的な一態様において、トンネル誘電体は、インサイチュ水蒸気発生(in situ steam generation、ISSG)で酸化されたDEPポリライナー(30A)であり得る。
【0032】
トンネル誘電体を形成した後、ライナー層(図示せず)はトンネル誘電体上に形成され得、セルピラートレンチ405の底部416は、ライナー層およびトンネル誘電体432を貫通してパンチエッチング(punch−etched)されてソース層430を露出し得る。次にセルピラー434は、セルピラートレンチ405へと堆積され、従ってセルピラートレンチ405を充填し得る。非限定的な一態様において、セルピラー434はポリシリコン材料であり得る。
【0033】
もたらされる複数のデバイスおよび複数の構造体は、改善された様々な性能特性を示し得、これらは少なくとも部分的に、金属層/浮遊ゲート複合材料の存在、ならびにセルピラートレンチの底部に残留欠損の洗浄および除去の改善に基づき得る。例えば一態様において、そのような3次元NANDメモリセルは、約8V〜約15Vのプログラム/消去ウィンドウを有し得る。別の態様において、ウィンドウは、約10v〜約13vになり得る。なおも別の態様において、ウィンドウは、約8v〜約13vになり得る。別の態様において、3次元NANDメモリ構造体は、約500サイクル〜約10,000サイクルのサイクル耐久性を有し得る。別の態様において、耐久性は約750〜約8000になってもよい。なおも別の態様において、耐久性は、約500〜約5000サイクルになってもよい。
【0034】
別の例において、本明細書において説明される複数のデバイスおよび複数の構造体は、複数の他のデバイスおよび構造体と比較して、改善されたプログラムスロープを有し得る。一実施形態において、スロープは、約0.6V〜約1Vになり得る。別の態様において、スロープは、約0.8V〜約1Vになり得る。
【0035】
一例において、3次元NANDメモリ構造体を製造する方法は、セレクトゲートソース領域上に配置された導電材料および絶縁材料の複数の交互層を含むセルスタック基板へとセルピラートレンチをエッチングする段階と、導電材料の複数の層において、セルピラートレンチの複数の側壁へと複数の浮遊ゲートの凹部をエッチングする段階と、複数の浮遊ゲートの凹部においてインターポリ誘電体(IPD)層を形成する段階と、複数の浮遊ゲートの凹部におけるIPD層上に金属層を堆積させる段階と、複数の浮遊ゲートの凹部における金属層上に浮遊ゲート層を堆積させて、少なくとも3つの表面を金属層で囲繞された浮遊ゲートコアを含む複数の浮遊ゲートユニットを形成する段階とを備え得る。
【0036】
一例において、メモリ構造体は、金属層を有しない構造体と比較して、改善したプロセスマージンおよび向上した性能を提供し得る。
【0037】
一例において、複数の浮遊ゲートユニットは、少なくとも4つの表面を金属層で囲繞された浮遊ゲートコアを含む。
【0038】
一例において、複数の浮遊ゲートの凹部においてIPD層を形成する段階は、セルピラートレンチの複数の側壁に沿ってIPDを形成する段階を更に有する。
【0039】
一例において、複数の浮遊ゲートの凹部におけるIPD層上に金属層を堆積させる段階は、セルピラートレンチの複数の側壁に沿って金属層を堆積させる段階を更に有する。
【0040】
一例において、複数の浮遊ゲートの凹部における金属層上に浮遊ゲート層を堆積させる段階は、セルピラートレンチの複数の側壁に沿った金属層上に浮遊ゲート層を堆積させる段階を更に有する。
【0041】
一例において、本明細書における複数の方法は、セルピラートレンチの複数の側壁から浮遊ゲート層をエッチングして金属層を露出させる段階と、セルピラートレンチの複数の側壁から金属層をエッチングしてIPD層を露出させる段階とを更に備え得る。
【0042】
一例において、本明細書における複数の方法は、セルピラートレンチの複数の側壁からIPD層をエッチングしてセルスタック基板を露出させる段階を更に備え得る。
【0043】
一例において、金属層をエッチングする段階は、基板のセレクトゲートソース領域の下方と、導電材料および絶縁材料の複数の交互層の反対側とに位置するソース材料の一部を露出させる。
【0044】
一例において、金属層をエッチングする段階は、セルピラートレンチの下端から複数の残留欠損を更に除去する。
【0045】
一例において、金属層をエッチングする段階は、金属層を十分に深くエッチングして、セルピラートレンチの下端から実質的に全ての浮遊ゲート材料を除去する段階を更に有する。
【0046】
一例において、金属層をエッチングする段階は、金属層を十分に深くエッチングして、セルピラートレンチの下端から全ての浮遊ゲート材料を除去する段階を更に有する。
【0047】
一例において、本明細書における複数の方法は、セルピラートレンチの複数の側壁に沿ってトンネル誘電体層を形成する段階と、セルピラートレンチの複数の側壁に沿ったトンネル誘電体層上にライナー層を形成する段階と、ライナー層およびトンネル誘電体層を貫通してセルピラートレンチの底部側をパンチエッチングして、基板のソース層を露出させる段階と、セルピラートレンチを充填してセルピラーを形成する段階とを更に備え得る。
【0048】
一例において、セルピラートレンチを充填する段階は、ポリシリコン材料でセルピラートレンチを充填する段階を更に有する。
【0049】
一例において、金属層は、TiN、TiCN、TaN、TiSiN、WSix、RuTiN、RuOx、TaSiN、TaCON、TiCON、WxNxおよびこれらの複数の組み合わせからなる群から選択される材料を含む。一例において、金属層は、TiNである。
【0050】
一例において、金属層は、約1nm〜約5nmの厚みを有する。一例において、金属層は、導電材料層の厚みの約15%〜約30%の厚みを有し得る。
【0051】
一例において、改善したプロセスマージンおよび向上した性能を有するNANDメモリ構造体は、第1の絶縁層と第2の絶縁層との間に配置された制御ゲート材料および浮遊ゲート材料と、制御ゲート材料と浮遊ゲート材料との間に配置された金属層と、インターポリ誘電体(IPD)層が浮遊ゲート材料から制御ゲート材料を電気的に絶縁するように、金属層と制御ゲート材料との間に配置されたIPD層と、制御ゲート材料の反対側の浮遊ゲート材料に結合されたトンネル誘電体材料とを備え得、金属層は、浮遊ゲート材料の少なくとも3つの表面に沿って配置され、IPD層は、金属層の少なくとも3つの表面に沿って配置される。一例において、金属層は、浮遊ゲート材料の少なくとも4つの表面に沿って配置される。一例において、IPD層は、金属層の少なくとも4つの表面に沿って配置される。
【0052】
一例において、金属層は、TiN、TiCN、TaN、TiSiN、WSix、RuTiN、RuOx、TaSiN、TaCON、TiCON、およびこれらの複数の組み合わせからなる群から選択される材料を含む。一例において、金属層は、TiNである。
【0053】
一例において、金属層は、約1nm〜約5nmの厚みを有する。一例において、改善したプロセスマージンおよび向上した性能を有する3次元NANDメモリセルは、セレクトゲートソース領域上に配置された導電材料および絶縁材料の複数の交互層を含むセルスタック基板と、複数の交互層に対して実質的に鉛直の向きで基板内に位置するセルピラーと、3次元構成でセルピラーの周囲の、本明細書に列挙される複数のNANDメモリ構造体とを備え得、複数のNANDメモリ構造体は、複数の導電材料層と位置合わせされ、複数の導電材料層に電気的に結合される。
【0054】
一例において、複数のNANDメモリ構造体は、セルピラーの周囲の複数のコラムに配列される。
【0055】
一例において、セルピラーの下端は、実質的に残留欠損を含まない。一例において、セルピラーの下端は、残留欠損を含まない。一例において、メモリセルは、約8V〜約15Vのプログラム/消去ウィンドウを有する。
【0056】
一例において、メモリセルは、約0.6V〜約1.0Vのプログラムスロープを有する。一例において、メモリセルは、約500サイクル〜約10,000サイクルのサイクル耐久性を有し得る。一例において、メモリセルは、約500〜5000サイクルのサイクル耐久性を有する。
【0057】
上述の複数の例は、1または複数の特定の用途における特定の実施形態を例示するが、本明細書において明瞭に表現される原理およびコンセプトを逸脱することなく、実装の形態、使用、および詳細における様々な修正が行われ得ることが、当業者には明らかであろう。従って、以下に記載される特許請求の範囲による以外に、限定は意図されない。