特許第6433321号(P6433321)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6433321
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】同期制御システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/434 20110101AFI20181126BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20181126BHJP
   H04L 7/00 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   H04N21/434
   H04N21/436
   H04L7/00
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-23375(P2015-23375)
(22)【出願日】2015年2月9日
(65)【公開番号】特開2016-146586(P2016-146586A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2018年1月4日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 映像情報メディア学会2014年年次大会講演予稿集にて公開 映像情報メディア学会2014年年次大会にて公開
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】大西 正芳
(72)【発明者】
【氏名】松村 欣司
(72)【発明者】
【氏名】大亦 寿之
【審査官】 冨田 高史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/061525(WO,A1)
【文献】 特開2013−085139(JP,A)
【文献】 特開2013−046386(JP,A)
【文献】 特開2013−229684(JP,A)
【文献】 特開2013−085148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
H04L 7/00 − 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末で再生される通信系コンテンツと、受信機で再生される放送系コンテンツとを同期させる同期制御システムであって、
前記受信機は、
前記放送系コンテンツの放送ストリームを受信する放送系コンテンツ受信部と、
受信した前記放送ストリームに重畳された基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに対して、前記放送ストリームのタイムスタンプを合致させて前記放送系コンテンツを再生する放送系コンテンツ再生部と、
前記基準クロック情報を前記端末に配信する基準クロック情報配信部と、を備え、
前記端末は、
配信された前記基準クロック情報を受信する基準クロック情報受信部と、
前記通信系コンテンツの通信ストリームを受信する通信系コンテンツ受信部と、
受信した前記通信ストリームを再生前に記憶する通信系バッファ部と、
前記通信系バッファ部から前記通信ストリームを読み出して再生する通信系コンテンツ再生部と、
前記基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに前記受信機と前記端末との間のネットワーク伝搬時間を加えた時刻を、再生中の前記通信ストリームのタイムスタンプから減算して、通信バッファリング時間を算出するバッファリング時間算出部と、を備え、
前記通信系コンテンツ再生部は、前記通信バッファリング時間が経過するまで前記通信ストリームの再生を待機する、
同期制御システム。
【請求項2】
前記バッファリング時間算出部は、前記通信バッファリング時間を定期的に算出する、請求項1に記載の同期制御システム。
【請求項3】
前記端末は、
前記通信バッファリング時間が閾値を超えたか否かを監視する監視部をさらに備え、
前記監視部は、前記通信バッファリング時間が前記閾値を超えた場合に、前記通信系コンテンツ再生部に、再生を待機させる、請求項1又は2に記載の同期制御システム。
【請求項4】
前記端末は、
前記バッファリング時間算出部が前記通信バッファリング時間の符号を反転した放送バッファリング時間を算出した場合に、前記放送バッファリング時間を含む指示情報を前記受信機に送信する指示送信部をさらに備え、
前記受信機は、
前記端末から前記指示情報を受信する指示受信部と、
受信した前記放送ストリームを再生前に記憶する放送系バッファ部と、をさらに備え、
前記放送系コンテンツ再生部は、前記放送系バッファ部から前記放送ストリームを読み出して、前記指示情報に含まれる前記放送バッファリング時間が経過するまで再生を待機する、請求項1から3のいずれか一項に記載の同期制御システム。
【請求項5】
前記端末は、
前記通信バッファリング時間が閾値を超えたか否かを監視する監視部をさらに備え、
前記監視部は、前記通信バッファリング時間が前記閾値を超えた場合であって、前記通信バッファリング時間の符号が正の場合に、前記通信系コンテンツ再生部に、再生を待機させ、前記通信バッファリング時間の符号が負の場合に、符号を反転した破棄時間を設定し、
前記通信系コンテンツ再生部は、前記破棄時間に相当する前記通信ストリームの再生を破棄する、請求項1又は2に記載の同期制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載の同期制御システムが実行する方法であって、
前記放送系コンテンツ受信部が、前記放送系コンテンツの放送ストリームを受信する放送系コンテンツ受信ステップと、
前記放送系コンテンツ再生部が、受信した前記放送ストリームに重畳された基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに対して、前記放送ストリームのタイムスタンプを合致させて前記放送系コンテンツを再生する放送系コンテンツ再生ステップと、
前記基準クロック情報配信部が、前記基準クロック情報を前記端末に配信する基準クロック情報配信ステップと、
前記基準クロック情報受信部が、配信された前記基準クロック情報を受信する基準クロック情報受信ステップと、
前記通信系コンテンツ受信部が、前記通信系コンテンツの通信ストリームを受信する通信系コンテンツ受信ステップと、
前記通信系バッファ部が、受信した前記通信ストリームを再生前に記憶する通信系バッファステップと、
前記通信系コンテンツ再生部が、前記通信系バッファ部から前記通信ストリームを読み出して再生する通信系コンテンツ再生ステップと、
前記バッファリング時間算出部が、前記基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに前記受信機と前記端末との間のネットワーク伝搬時間を加えた時刻を、再生中の前記通信ストリームのタイムスタンプから減算して、通信バッファリング時間を算出するバッファリング時間算出ステップと、を備え、
前記通信系コンテンツ再生ステップは、前記通信バッファリング時間が経過するまで前記通信ストリームの再生を待機する、方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項6に記載の方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期制御システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送のデジタル化と通信のブロードバンド化との進展に伴い、放送通信連携サービスについて、より魅力のあるサービスの実現に向けた研究開発が行われている。
【0003】
放送通信連携サービスにおいては、放送と、通信(例えば、IP(Internet Protocol)網)という異なる伝送経路を用いて複数のコンテンツ(例えば、映像、音声、字幕等)を配信し、デジタルテレビ等の受信機において、配信された複数のコンテンツを統合して提示する形態が想定される。
【0004】
このような形態においては、コンテンツの伝送経路が異なるので、コンテンツのパケット到達までに要する時間は相違する。この複数のコンテンツの同期をとって受信機で提示できるようにするための技術であってコンテンツを送信する側の技術を開示する特許文献1及び特許文献2が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−10009号公報
【特許文献2】特開2012−205075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献が開示する技術は、受信装置が1つであることを前提にしており、1つの受信装置で複数のコンテンツ(例えば、放送系コンテンツと通信系コンテンツと)の同期をとる技術である。これらの技術は、複数のコンテンツのうち、放送系コンテンツが受信機(例えば、テレビ受信機)で受信され、通信系コンテンツが端末(例えば、IP網に接続する携帯端末)で受信される場合のように、複数のコンテンツが複数の装置でそれぞれ提示される場合に同期をとる技術ではない。
【0007】
本発明は、複数装置間で放送系コンテンツと通信系コンテンツとを同期して提示できる同期制御システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
具体的には、以下のような解決手段を提供する。
(1) 端末で再生される通信系コンテンツと、受信機で再生される放送系コンテンツとを同期させる同期制御システムであって、前記受信機は、前記放送系コンテンツの放送ストリームを受信する放送系コンテンツ受信部と、受信した前記放送ストリームに重畳された基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに対して、前記放送ストリームのタイムスタンプを合致させて前記放送系コンテンツを再生する放送系コンテンツ再生部と、前記基準クロック情報を前記端末に配信する基準クロック情報配信部と、を備え、前記端末は、配信された前記基準クロック情報を受信する基準クロック情報受信部と、前記通信系コンテンツの通信ストリームを受信する通信系コンテンツ受信部と、受信した前記通信ストリームを再生前に記憶する通信系バッファ部と、前記通信系バッファ部から前記通信ストリームを読み出して再生する通信系コンテンツ再生部と、前記基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに前記受信機と前記端末との間のネットワーク伝搬時間を加えた時刻を、再生中の前記通信ストリームのタイムスタンプから減算して、通信バッファリング時間を算出するバッファリング時間算出部と、を備え、前記通信系コンテンツ再生部は、前記通信バッファリング時間が経過するまで前記通信ストリームの再生を待機する、同期制御システム。
【0009】
(1)の同期制御システムは、受信した放送ストリームの基準クロック情報を受信機から端末に配信し、端末は、受信機と端末との間のネットワーク伝搬時間及び基準クロック情報と、再生中の通信ストリームのタイムスタンプとから通信バッファリング時間を算出する。そして、端末は、通信ストリームのタイムスタンプを受信機のシステムタイムクロックと合致させるように通信ストリームをバッファリングするので、同期制御システムは、複数装置間で放送系コンテンツと通信系コンテンツとを同期して提示できる。
【0010】
(2) 前記バッファリング時間算出部は、前記通信バッファリング時間を定期的に算出する、(1)に記載の同期制御システム。
【0011】
(2)の同期制御システムは、定期的に算出した通信バッファリング時間を用いてバッファリングするので、提示タイミングのずれを定期的に補正でき、同期精度が向上する。
【0012】
(3) 前記端末は、前記通信バッファリング時間が閾値を超えたか否かを監視する監視部をさらに備え、前記監視部は、前記通信バッファリング時間が前記閾値を超えた場合に、前記通信系コンテンツ再生部に、再生を待機させる、(1)又は(2)に記載の同期制御システム。
【0013】
(3)の同期制御システムは、端末での提示タイミングが受信機のシステムタイムクロックに対して大きくずれた場合に、算出した通信バッファリング時間を用いて再生を待機するので、同期精度を向上できる。さらに、同期制御システムは、閾値を設けたことにより、過度の再同期を避け、処理負荷を低減できると共に再生の品質を安定させることができる。
【0014】
(4) 前記端末は、前記バッファリング時間算出部が前記通信バッファリング時間の符号を反転した放送バッファリング時間を算出した場合に、前記放送バッファリング時間を含む指示情報を前記受信機に送信する指示送信部をさらに備え、前記受信機は、前記端末から前記指示情報を受信する指示受信部と、受信した前記放送ストリームを再生前に記憶する放送系バッファ部と、をさらに備え、前記放送系コンテンツ再生部は、前記放送系バッファ部から前記放送ストリームを読み出して、前記指示情報に含まれる前記放送バッファリング時間が経過するまで再生を待機する、(1)から(3)のいずれか一に記載の同期制御システム。
【0015】
(4)の同期制御システムは、端末から受信機へ放送バッファリング時間を指示するので、放送ストリームの到着が通信ストリームの到着に対して先行する場合でも、同期をとることができる。
【0016】
(5) 前記端末は、前記通信バッファリング時間が閾値を超えたか否かを監視する監視部をさらに備え、前記監視部は、前記通信バッファリング時間が前記閾値を超えた場合であって、前記通信バッファリング時間の符号が正の場合に、前記通信系コンテンツ再生部に、再生を待機させ、前記通信バッファリング時間の符号が負の場合に、符号を反転した破棄時間を設定し、前記通信系コンテンツ再生部は、前記破棄時間に相当する前記通信ストリームの再生を破棄する、(1)又は(2)に記載の同期制御システム。
【0017】
(5)の同期制御システムは、端末での提示タイミングが受信機のシステムタイムクロックに対して大きくずれた場合に、算出した通信バッファリング時間を用いて端末での再生を待機又は破棄するので、放送ストリームの到着が通信ストリームの到着に対して先行する場合でも、受信機での再生を待機することなく、同期精度を向上できる。さらに、同期制御システムは、閾値を設けたことにより、過度の再同期を避け、処理負荷を低減できると共に再生の品質を安定させることができる。
【0018】
(6) (1)に記載の同期制御システムが実行する方法であって、前記放送系コンテンツ受信部が、前記放送系コンテンツの放送ストリームを受信する放送系コンテンツ受信ステップと、前記放送系コンテンツ再生部が、受信した前記放送ストリームに重畳された基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに対して、前記放送ストリームのタイムスタンプを合致させて前記放送系コンテンツを再生する放送系コンテンツ再生ステップと、前記基準クロック情報配信部が、前記基準クロック情報を前記端末に配信する基準クロック情報配信ステップと、前記基準クロック情報受信部が、配信された前記基準クロック情報を受信する基準クロック情報受信ステップと、前記通信系コンテンツ受信部が、前記通信系コンテンツの通信ストリームを受信する通信系コンテンツ受信ステップと、前記通信系バッファ部が、受信した前記通信ストリームを再生前に記憶する通信系バッファステップと、前記通信系コンテンツ再生部が、前記通信系バッファ部から前記通信ストリームを読み出して再生する通信系コンテンツ再生ステップと、前記バッファリング時間算出部が、前記基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに前記受信機と前記端末との間のネットワーク伝搬時間を加えた時刻を、再生中の前記通信ストリームのタイムスタンプから減算して、通信バッファリング時間を算出するバッファリング時間算出ステップと、を備え、前記通信系コンテンツ再生ステップは、前記通信バッファリング時間が経過するまで前記通信ストリームの再生を待機する、方法。
【0019】
(6)の方法は、(1)と同様に、複数装置間で放送系コンテンツと通信系コンテンツとを同期して提示できる。
【0020】
(7) コンピュータに、(6)に記載の方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
【0021】
(7)のプログラムは、複数装置間で放送系コンテンツと通信系コンテンツとを同期して提示できるようにコンピュータを機能させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数装置間で放送系コンテンツと通信系コンテンツとを同期して提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る同期制御システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る同期制御システムにおける受信機が放送系コンテンツを再生する処理の例を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係る同期制御システムにおける受信機の放送バッファリング時間の処理の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る同期制御システムにおける端末が通信系コンテンツを再生する処理の例を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る同期制御システムにおける端末の基準クロック情報の受信処理の例を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る同期制御システムにおける端末のバッファリング処理の例を示すフローチャートである。
図7】本発明の変形例に係る同期制御システムにおける端末が通信系コンテンツを再生する処理の例を示すフローチャートである。
図8】本発明の変形例に係る同期制御システムにおける端末のバッファリング処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る同期制御システム1の構成を示すブロック図である。
同期制御システム1が受信するマルチメディアコンテンツは、複数の映像、音声、及び字幕等のコンポーネントで構成される。マルチメディアコンテンツの各コンポーネントは、異なる複数の経路(例えば、放送網及びIP網)を介して配信される。
コンテンツを配信する送出装置(例えば、放送局送出装置及びコンテンツ配信サーバ)は、送出側全体で共通のシステムタイムクロックを持ち、システムタイムクロックを基準に各コンポーネントの配信ユニット(映像フレーム又は音声フレーム等の配信単位)ごとにタイムスタンプを付加して配信する。
タイムスタンプは、配信ユニットのデータが受信側で提示されるべき時刻を示している。
【0025】
同期制御システム1は、受信機10の放送系コンテンツと端末20の通信系コンテンツとを同期させて、提示する。
受信機10は、例えば、デジタルテレビや、STB(セット・トップ・ボックス)等であってよい。端末20は、例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末等であってよい。
本実施形態では、同期制御システム1は、通信ストリームの到着が放送ストリームの到着に対して先行する場合、端末20での再生を待機し、放送ストリームの到着が通信ストリームの到着に対して先行する場合、受信機10での再生を待機する。
【0026】
受信機10は、放送系コンテンツ受信部11と、放送系コンテンツ再生部12と、基準クロック情報配信部13と、放送系バッファ部14と、指示受信部15とを備え、端末20は、基準クロック情報受信部21と、通信系コンテンツ受信部22と、通信系コンテンツ再生部23と、バッファリング時間算出部24と、通信系バッファ部25と、監視部26と、指示送信部27とを備える。以下、各部について説明する。
【0027】
放送系コンテンツ受信部11は、放送系コンテンツの放送ストリームを受信する。
具体的には、放送系コンテンツ受信部11は、放送局送出装置から放送網を経由して送信される放送ストリームを受信する。
【0028】
放送系コンテンツ再生部12は、受信した放送ストリームに重畳された基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに対して、放送ストリームのタイムスタンプを合致させて放送系コンテンツを再生する。
具体的には、放送系コンテンツ再生部12は、受信した放送ストリームのPCR(Program Clock Reference)に基づいて、受信機10のシステムタイムクロックを校正する。放送系コンテンツ再生部12は、放送ストリームのタイムスタンプが受信機10のシステムタイムクロックと合致するフレームを再生する。
【0029】
基準クロック情報配信部13は、基準クロック情報を端末20に配信する。
具体的には、基準クロック情報配信部13は、基準クロック情報を、通信(例えば、Wi−Fi等の無線LAN)により、端末20に配信する。
【0030】
基準クロック情報受信部21は、基準クロック情報配信部13によって配信された基準クロック情報を受信する。
【0031】
通信系コンテンツ受信部22は、通信系コンテンツの通信ストリームを受信する。
具体的には、通信系コンテンツ受信部22は、コンテンツ配信サーバからIP網を経由して送信される通信ストリームを受信する。
【0032】
通信系バッファ部25は、受信した通信ストリームを再生前に記憶する。
具体的には、通信系バッファ部25は、通信ストリームのタイムスタンプを受信機10のシステムタイムクロックと合致させるために、通信系ストリームのフレームを、バッファリングする。
【0033】
通信系コンテンツ再生部23は、通信系バッファ部25から通信ストリームを読み出して再生する。通信系コンテンツ再生部23は、後述するバッファリング時間算出部24によって算出された通信バッファリング時間が経過するまで通信ストリームの再生を待機する。
【0034】
バッファリング時間算出部24は、基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックに受信機10と端末20との間のネットワーク伝搬時間を加えた時刻を、再生中の通信ストリームのタイムスタンプから減算して、通信バッファリング時間を算出する。
すなわち、通信バッファリング時間の算出は、次の数式で算出される。
通信バッファリング時間=通信側時刻情報−(放送側時刻情報+ネットワーク伝搬時間)
ここで、通信側時刻情報には、再生中の通信ストリームのタイムスタンプが用いられ、放送側時刻情報には、受信機10から受信した基準クロック情報に基づくシステムタイムクロックが用いられる。
ネットワーク伝搬時間は、受信機10から端末20に基準クロック情報が配信されるのに要する時間である。ネットワーク伝搬時間は、受信機10と端末20との間の計測された通信時間であってよい。例えば、端末20は、テストデータを受信機10に送信した後、受信機10から返信を受信し、送信時刻と受信時刻との時刻差の半分をネットワーク伝搬時間とするとしてもよい。なお、ネットワーク伝搬時間は、複数回計測された時刻差の半分の平均値であってもよい。
【0035】
バッファリング時間算出部24は、通信バッファリング時間を定期的に算出する。
バッファリング時間算出部24は、算出した通信バッファリング時間の符号が負の場合、符号を反転して正の値にして放送バッファリング時間を算出する。放送バッファリング時間は、後述する指示送信部27によって受信機10に送信される。
【0036】
監視部26は、バッファリング時間算出部24から通信バッファリング時間を受け取り、通信バッファリング時間が閾値を超えたか否かを監視する。そして、監視部26は、通信バッファリング時間が閾値を超えたと判断した場合に、通信系コンテンツ再生部23に、再生を待機させる。
【0037】
監視部26は、放送バッファリング時間が閾値を超えたと判断した場合に、受信機10に再生を待機させるために、指示送信部27によって指示情報を送信する。
指示送信部27は、放送バッファリング時間を含む指示情報を受信機10に送信する。
指示受信部15は、端末20から放送バッファリング時間を含む指示情報を受信する。
放送系バッファ部14は、受信した放送ストリームを再生前に記憶する。放送系コンテンツ再生部12は、放送系バッファ部14から放送ストリームを読み出して再生する。
指示受信部15により放送バッファリング時間を含む指示情報を受信した場合、放送系コンテンツ再生部12は、受信した放送バッファリング時間が経過するまで、放送系バッファ部14から読み出した放送ストリームの再生を待機する。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態に係る同期制御システム1における受信機10が放送系コンテンツを再生する処理の例を示すフローチャートである。受信機10は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成され、以下の処理は、受信機10の制御部(例えば、受信機10のCPU)が、OSの下で所定のソフトウェアに従い実行する処理である。
【0039】
ステップS101において、CPU(放送系コンテンツ受信部11)は、放送ストリームを受信する。
【0040】
ステップS102において、CPU(基準クロック情報配信部13)は、受信した基準クロック情報に基づいてシステムタイムクロックを校正し、基準クロック情報を端末20に配信する。
【0041】
ステップS103において、CPU(放送系バッファ部14)は、ステップS101において受信した放送ストリームをバッファに記憶する。
【0042】
ステップS104において、CPU(放送系コンテンツ再生部12)は、受信した放送バッファリング時間の設定が有るか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS105に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS106に移す。
【0043】
ステップS105において、CPU(放送系コンテンツ再生部12)は、放送バッファリング時間が経過するまで、バッファから読み出した放送ストリームの再生を待機する。
【0044】
ステップS106において、CPU(放送系コンテンツ再生部12)は、バッファから読み出した放送ストリームを再生する。
【0045】
ステップS107において、CPU(放送系コンテンツ受信部11)は、放送ストリームの終了か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理を終了し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS101に移す。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態に係る同期制御システム1における受信機10の放送バッファリング時間の処理の例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS111において、CPU(指示受信部15)は、端末20から放送バッファリング時間を含む指示情報を受信する。
【0048】
ステップS112において、CPU(指示受信部15)は、ステップS111において受信した放送バッファリング時間を設定する。その後、CPUは、処理を終了する。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態に係る同期制御システム1における端末20が通信系コンテンツを再生する処理の例を示すフローチャートである。端末20は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成され、以下の処理は、端末20の制御部(例えば、端末20のCPU)が、OSの下で所定のソフトウェアに従い実行する処理である。
【0050】
ステップS201において、CPU(通信系コンテンツ受信部22)は、通信ストリームを受信する。
【0051】
ステップS202において、CPU(通信系バッファ部25)は、受信した通信ストリームをバッファに記憶する。
【0052】
ステップS203において、CPU(通信系コンテンツ再生部23)は、通信バッファリング時間の設定が有るか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS204に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS205に移す。
【0053】
ステップS204において、CPU(通信系コンテンツ再生部23)は、通信バッファリング時間が経過するまで、バッファから読み出した通信ストリームの再生を待機する。
【0054】
ステップS205において、CPU(通信系コンテンツ再生部23)は、バッファから読み出した通信ストリームを再生する。
【0055】
ステップS206において、CPU(通信系コンテンツ受信部22)は、通信ストリームの終了か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理を終了し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS201に移す。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に係る同期制御システム1における端末20の基準クロック情報の受信処理の例を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS211において、CPU(基準クロック情報受信部21)は、受信機10から基準クロック情報を受信する。その後、CPUは、処理を終了する。
【0058】
図6は、本発明の一実施形態に係る同期制御システム1における端末20のバッファリング処理の例を示すフローチャートである。本処理は、定期的に起動される。
【0059】
ステップS221において、CPU(バッファリング時間算出部24)は、基準クロック情報、ネットワーク伝搬時間及び再生中の通信ストリームのタイムスタンプに基づき通信バッファリング時間を算出する。CPUは、算出した通信バッファリング時間の符号が負の場合、符号を正にして放送バッファリング時間を算出する。
ネットワーク伝搬時間は、このときに計測されてもよいし、別のタイミングで定期的に計測されてもよい。
【0060】
ステップS222において、CPU(監視部26)は、ステップS221において算出した通信バッファリング時間が閾値を超えたか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS223に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理を終了する。
【0061】
ステップS223において、CPU(監視部26)は、算出した通信バッファリング時間の符号が正か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS224に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS225に移す。
【0062】
ステップS224において、CPU(監視部26)は、ステップS221において算出した通信バッファリング時間を設定する。その後、CPUは、処理を終了する。
【0063】
ステップS225において、CPU(監視部26)は、ステップS221において算出した放送バッファリング時間を含む指示情報を指示送信部27によって受信機10に送信する。その後、CPUは、処理を終了する。
【0064】
[変形例]
本実施形態の変形例について説明する。変形例では、同期制御システム1は、通信ストリームの到着が放送ストリームの到着に対して先行する場合、端末20での再生を待機し、放送ストリームの到着が通信ストリームの到着に対して先行する場合、端末20での遅れぶんの再生を破棄する。
受信機10及び端末20の構成は、図1で示した構成と同様であり、通信系コンテンツ再生部23及び監視部26の処理以外の処理も同様である。
【0065】
監視部26は、バッファリング時間算出部24から通信バッファリング時間を受け取り、通信バッファリング時間が閾値を超えたか否かを監視する。そして、監視部26は、通信バッファリング時間が閾値を超えたと判断した場合であって、通信バッファリング時間の符号が正の場合に、通信系コンテンツ再生部23に、再生を待機させ、通信バッファリング時間の符号が負の場合に、符号を反転した破棄時間を設定する。
通信系コンテンツ再生部23は、破棄時間に相当する通信ストリームの再生を破棄する。すなわち、通信系コンテンツ再生部23は、破棄時間に相当する通信ストリームを、通信系バッファ部25から読み出して破棄する。
【0066】
図7は、本発明の変形例に係る同期制御システム1における端末20が通信系コンテンツを再生する処理の例を示すフローチャートである。
【0067】
ステップS301において、CPU(通信系コンテンツ受信部22)は、通信ストリームを受信する。
【0068】
ステップS302において、CPU(通信系バッファ部25)は、受信した通信ストリームをバッファに記憶する。
【0069】
ステップS303において、CPU(通信系コンテンツ再生部23)は、通信バッファリング時間の設定が有るか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS304に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS307に移す。
【0070】
ステップS304において、CPU(通信系コンテンツ再生部23)は、通信バッファリング時間が経過するまで、バッファから読み出した通信ストリームの再生を待機する。
【0071】
ステップS305において、CPU(通信系コンテンツ再生部23)は、バッファから読み出した通信ストリームを再生する。
【0072】
ステップS306において、CPU(通信系コンテンツ受信部22)は、通信ストリームの終了か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理を終了し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS301に移す。
【0073】
ステップS307において、CPU(通信系コンテンツ再生部23)は、破棄時間の設定が有るか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS308に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS305に移す。
【0074】
ステップS308において、CPU(通信系コンテンツ再生部23)は、破棄時間に相当する通信ストリームを、バッファから読み出して破棄する。その後、CPUは、処理をステップS305に移す。
【0075】
図8は、本発明の変形例に係る同期制御システム1における端末20のバッファリング処理の例を示すフローチャートである。本処理は、定期的に起動される。
【0076】
ステップS321において、CPU(バッファリング時間算出部24)は、基準クロック情報、ネットワーク伝搬時間及び再生中の通信ストリームのタイムスタンプに基づき通信バッファリング時間を算出する。
ネットワーク伝搬時間は、このときに計測されてもよいし、別のタイミングで定期的に計測されてもよい。
【0077】
ステップS322において、CPU(監視部26)は、ステップS301において算出した通信バッファリング時間が閾値を超えたか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS323に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理を終了する。
【0078】
ステップS323において、CPU(監視部26)は、算出した通信バッファリング時間の符号が正か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPUは、処理をステップS324に移し、この判断がNOの場合、CPUは、処理をステップS325に移す。
【0079】
ステップS324において、CPU(監視部26)は、ステップS321において算出した通信バッファリング時間を設定する。その後、CPUは、処理を終了する。
【0080】
ステップS325において、CPU(監視部26)は、ステップS321において算出した通信バッファリング時間の符号を反転した破棄時間を設定する。その後、CPUは、処理を終了する。
【0081】
本実施形態によれば、同期制御システム1は、受信した放送ストリームの基準クロック情報を受信機10から端末20に配信し、端末20は、受信機10と端末20との間のネットワーク伝搬時間及び基準クロック情報と、通信ストリームのタイムスタンプとから通信バッファリング時間を算出する。そして、端末20は、通信ストリームのタイムスタンプを受信機10のシステムタイムクロックと合致させるように通信ストリームをバッファリングするので、同期制御システム1は、複数装置間で放送系コンテンツと通信系コンテンツとを同期して提示できる。
さらに、同期制御システム1は、定期的に算出した通信バッファリング時間を用いてバッファリングするので、提示タイミングのずれを定期的に補正でき、同期精度が向上する。
さらに、同期制御システム1は、端末20での提示タイミングが受信機10のシステムタイムクロックに対して大きくずれた場合に、算出した通信バッファリング時間を用いて再生を待機するので、同期精度を向上できる。さらに、同期制御システム1は、閾値を設けたことにより、過度の再同期を避け、処理負荷を低減できると共に再生の品質を安定させることができる。
さらに、同期制御システム1は、端末20から受信機10へ放送バッファリング時間を指示するので、放送ストリームの到着が通信ストリームの到着に対して先行する場合でも、同期をとることができる。
【0082】
本変形例によれば、同期制御システム1は、端末20での提示タイミングが受信機10のシステムタイムクロックに対して大きくずれた場合に、算出した通信バッファリング時間を用いて端末20での再生を待機又は破棄するので、放送ストリームの到着が通信ストリームの到着に対して先行する場合でも、受信機10での再生を待機することなく、同期精度を向上できる。さらに、同期制御システムは、閾値を設けたことにより、過度の再同期を避け、処理負荷を低減できると共に再生の品質を安定させることができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0084】
例えば、本実施形態では、受信機10及び端末20はそれぞれ1台として説明したが、これに限られない。受信機10又は端末20は複数であってもよい。同期制御システム1は、複数の装置間で基準クロック情報を共有することで、各装置でのバッファリング時間を適切に制御し、コンテンツの提示タイミングの同期をとることができる。
【0085】
本実施形態では、主に同期制御システムの構成と動作について説明したが、本発明はこれに限られず、各構成要素を備え、同期制御を実行するための方法、又はプログラムとして構成されてもよい。
【0086】
さらに、同期制御システムの機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0087】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0088】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 同期制御システム
10 受信機
11 放送系コンテンツ受信部
12 放送系コンテンツ再生部
13 基準クロック情報配信部
14 放送系バッファ部
15 指示受信部
20 端末
21 基準クロック情報受信部
22 通信系コンテンツ受信部
23 通信系コンテンツ再生部
24 バッファリング時間算出部
25 通信系バッファ部
26 監視部
27 指示送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8