特許第6433716号(P6433716)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6433716表示装置及び画像データ信号の伝送処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6433716
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】表示装置及び画像データ信号の伝送処理方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20181126BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20181126BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 633P
   G09G3/20 633H
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 642J
   G09G3/20 632A
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 611A
   G02F1/133 505
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-167003(P2014-167003)
(22)【出願日】2014年8月19日
(65)【公開番号】特開2016-45223(P2016-45223A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】近藤 裕則
【審査官】 斎藤 厚志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−048153(JP,A)
【文献】 特開2008−003347(JP,A)
【文献】 特開平11−282432(JP,A)
【文献】 特開2008−152022(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0052443(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各画素の輝度レベルを示す画素データ片の系列を含む入力画像データに基づく画像を表示パネルに表示する表示装置であって、
前記表示パネルの複数のデータラインに画素駆動電圧を印加するドライバと、前記入力画像データに基づき送信画像データ信号を生成しこれを前記ドライバに送信する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列に基づき1水平走査ライン分の前記画素が同一色となるか否かを示すライン同一色データを1水平走査ライン毎に生成するライン同一色検出部と、
前記画素データ片の系列中から赤色、緑色及び青色に夫々対応した3つの画素データ片を代表画素データ群として抽出する代表画素抽出部と、
前記画素データ片の系列に対して誤り訂正符号化処理を施すことにより符号化データブロックを生成する誤り訂正符号化部と、
前記ライン同一色データ、前記代表画素データ群、及び前記符号化データブロックを含む前記送信画像データ信号を生成しこれを前記ドライバに送信する送信部と、を有し、
前記ドライバは、
受信した前記送信画像データ信号中の前記ライン同一色データが前記同一色ではないことを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記符号化データブロックに対して誤り訂正処理を施して得られた前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換する一方、
前記ライン同一色データが前記同一色であることを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記代表画素データ群に含まれる前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記符号化データブロックに対してインタリーブ処理を施すインタリーブ部を有し、
前記ドライバは、前記誤り訂正処理を行う誤り訂正回路と、デインタリーブ処理を行うデインタリーブ回路と、を含み、
前記誤り訂正回路及び前記デインタリーブ回路は、前記ライン同一色データが前記同一色であることを示す場合には動作停止状態に設定されることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記ドライバは、前記代表画素データ群を保持するレジスタを有し、
前記レジスタは、前記ライン同一色データが前記同一色であることを示す場合に前記代表画素データ群を前記1水平走査ライン分だけ繰り返し読み出すことを特徴とする請求項1又は2記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ライン同一色データ及び前記代表画素データ群からなるデータ列に対して誤り検出符号化処理を施して得た誤り検査データを前記送信画像データ信号に含ませたものを前記ドライバに送信し、
前記ドライバは、
前記送信画像データ信号に含まれる前記誤り検査データに基づき前記ライン同一色データ及び前記代表画素データ群からなるデータ列に対して誤り検出処理を施す誤り検出部を含み、
前記誤り検出処理によって誤りが検出された場合又は前記ライン同一色データが前記同一色ではないことを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記符号化データブロックに対して誤り訂正処理を施して得られた前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換する一方、
前記誤り検出処理によって誤りが検出されず且つ前記ライン同一色データが前記同一色であることを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記代表画素データ群に含まれる前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ライン同一色検出部は、高画質モードでは、前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列に基づき前記ライン同一色データを生成する一方、
低消費電力モードでは、前記入力画像データに基づき1水平走査ライン分毎に、各画素で表現される色のうちで最も多い色を基準色として設定し、前記基準色と、前記画素各々で表現される色との色差分を各画素毎に求め、前記色差分が所定範囲内にある場合にはその画素に対応した赤、緑及び青色成分毎の前記画素データ片各々の輝度レベルを、前記基準色における赤、緑及び青色成分毎の輝度レベルに置換する補正を前記入力画像データに対して施したものに基づいて、前記ライン同一色データの生成を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記低消費電力モードにおいて、1水平走査ライン分の前記画素各々で表現される色のうちで最も多い色が複数存在する場合には、1水平走査ライン分の前記画素各々の平均色を前記基準色とすることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
各画素の輝度レベルを示す画素データ片の系列を含む入力画像データに基づく画像を表示パネルに表示する表示装置における画像データ信号の伝送処理方法であって、
前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列に基づき1水平走査ライン分の前記画素が同一色となるか否かを示すライン同一色データを1水平走査ライン毎に生成する第1ステップと、
前記画素データ片の系列中から赤色、緑色及び青色に夫々対応した3つの画素データ片を代表画素データ群として抽出する第2ステップと、
前記画素データ片の系列に対して誤り訂正符号化処理を施すことにより符号化データブロックを生成する第3ステップと、
前記ライン同一色データ、前記代表画素データ群及び前記符号化データブロックを含む送信画像データ信号を生成する第4ステップと、
前記送信画像データ信号中の前記ライン同一色データが前記同一色であることを示すのか、或いは前記同一色ではないことを示すのかを判定する第5ステップと、
前記ライン同一色データが前記同一色ではないことを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記符号化データブロックに対して誤り訂正処理を施して得られた前記画素データ片の各々を画素駆動電圧に変換して前記表示パネルに印加する一方、前記ライン同一色データが前記同一色であることを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記代表画素データ群に含まれる前記画素データ片を前記画素駆動電圧に変換して前記表示パネルに印加する第6ステップと、を有することを特徴とする画像データ信号の伝送処理方法。
【請求項8】
前記第2ステップでは、前記符号化データブロックに対してインタリーブ処理を施し、
前記第6ステップでは、前記ライン同一色データが前記同一色ではないことを示す場合に、前記送信画像データ信号中の前記符号化データブロックに対してデインタリーブ処理及び前記誤り訂正処理を実施することを特徴とする請求項7記載の画像データ信号の伝送処理方法。
【請求項9】
前記第6ステップでは、前記ライン同一色データが前記同一色となることを示す場合には、前記代表画素データ群をレジスタに保持させ、前記レジスタから前記代表画素データ群を前記1水平走査ライン分だけ繰り返し読み出すことを特徴とする請求項7又は8記載の画像データ信号の伝送処理方法。
【請求項10】
前記第4ステップでは、前記ライン同一色データ及び前記代表画素データ群からなるデータ列に対して誤り検出符号化処理を施して得た誤り検査データを含む前記送信画像データ信号を生成し、
前記第6ステップでは、前記送信画像データ信号に含まれる前記誤り検査データに基づき前記ライン同一色データ及び前記代表画素データ群からなるデータ列に対して誤り検出処理を施して誤りが検出された場合、又は前記ライン同一色データが前記同一色とはならないことを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記符号化データブロックに対して誤り訂正処理を施して得られた前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換する一方、前記誤りが検出されず且つ前記ライン同一色データが前記同一色となることを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記代表画素データ群に含まれる前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載の画像データ信号の伝送処理方法。
【請求項11】
前記第1ステップは、高画質モードでは、前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列に基づき前記ライン同一色データを生成する一方、
低消費電力モードでは、前記入力画像データに基づき1水平走査ライン分毎に、各画素で表現される色のうちで最も多い色を基準色として設定し、前記基準色と、前記画素各々で表現される色との色差分を各画素毎に求め、前記色差分が所定範囲内にある場合にはその画素に対応した赤、緑及び青色成分毎の前記画素データ片各々の輝度レベルを、前記基準色における赤、緑及び青色成分毎の輝度レベルに置換する補正を前記入力画像データに対して施したものに基づいて、前記ライン同一色データの生成を行うことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1に記載の画像データ信号の伝送処理方法。
【請求項12】
前記低消費電力モードにおいて、1水平走査ライン分の前記画素各々で表現される色のうちで最も多い色が複数存在する場合には、1水平走査ライン分の前記画素各々の平均色を前記基準色とすることを特徴とする請求項11記載の画像データ信号の伝送処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示装置内における画像データ信号の伝送処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置としての液晶表示装置には、液晶表示パネルと共に、この液晶表示パネルを駆動する複数のデータドライバと、当該ドライバの各々に画像データを伝送する制御部と、が含まれている。また、近年、高精細画像を表示する為に液晶表示パネルが高解像度化され、それに伴い液晶表示装置内での画像データの伝送周波数が高くなっている。よって、伝送周波数の高周波数化に伴う消費電力の増加が懸念されている。
【0003】
そこで、1表示ライン分の各表示データのうちで互いに隣接するもの同士が同一である場合には、液晶表示パネルを駆動する電圧を液晶表示パネルに送出するのを停止することにより低消費電力化を図るようにしたデータドライバが提案された(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−194305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表示装置内での画像データの伝送周波数の高周波数化に伴い、電磁気的干渉、いわゆるEMI(Electro-Magnetic Interference )が発生し、ドライバ側で受信した画像データに誤りが生じる虞があった。これにより、画像の表示品質が低下するという問題が生じた。
【0006】
本発明は、表示品質の低下及び電力消費量の増大を抑えることが可能な表示装置及び画像データ信号の伝送処理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、各画素の輝度レベルを示す画素データ片の系列を含む入力画像データに基づく画像を表示パネルに表示する表示装置であって、前記表示パネルの複数のデータラインに画素駆動電圧を印加するドライバと、前記入力画像データに基づき送信画像データ信号を生成しこれを前記ドライバに送信する制御部と、を有し、前記制御部は、前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列に基づき1水平走査ライン分の前記画素が同一色となるか否かを示すライン同一色データを1水平走査ライン毎に生成するライン同一色検出部と、前記画素データ片の系列中から赤色、緑色及び青色に夫々対応した3つの画素データ片を代表画素データ群として抽出する代表画素抽出部と、前記画素データ片の系列に対して誤り訂正符号化処理を施すことにより符号化データブロックを生成する誤り訂正符号化部と、前記ライン同一色データ、前記代表画素データ群、及び前記符号化データブロックを含む前記送信画像データ信号を生成しこれを前記ドライバに送信する送信部と、を有し、前記ドライバは、受信した前記送信画像データ信号中の前記ライン同一色データが前記同一色ではないことを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記符号化データブロックに対して誤り訂正処理を施して得られた前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換する一方、前記ライン同一色データが前記同一色であることを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記代表画素データ群に含まれる前記画素データ片の各々を前記画素駆動電圧に変換する。
【0008】
また、本発明に係る画像データ信号の伝送処理方法は、各画素の輝度レベルを示す画素データ片の系列を含む入力画像データに基づく画像を表示パネルに表示する表示装置における画像データ信号の伝送処理方法であって、前記入力画像データにおける前記画素データ片の系列に基づき1水平走査ライン分の前記画素が同一色となるか否かを示すライン同一色データを1水平走査ライン毎に生成する第1ステップと、前記画素データ片の系列中から赤色、緑色及び青色に夫々対応した3つの画素データ片を代表画素データ群として抽出する第2ステップと、前記画素データ片の系列に対して誤り訂正符号化処理を施すことにより符号化データブロックを生成する第3ステップと、前記ライン同一色データ、前記代表画素データ群及び前記符号化データブロックを含む送信画像データ信号を生成する第4ステップと、前記送信画像データ信号中の前記ライン同一色データが前記同一色であることを示すのか、或いは前記同一色ではないことを示すのかを判定する第5ステップと、前記ライン同一色データが前記同一色ではないことを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記符号化データブロックに対して誤り訂正処理を施して得られた前記画素データ片の各々を画素駆動電圧に変換して前記表示パネルに印加する一方、前記ライン同一色データが前記同一色であることを示す場合には、前記送信画像データ信号中の前記代表画素データ群に含まれる前記画素データ片を前記画素駆動電圧に変換して前記表示パネルに印加する第6ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、入力画像データにおける画素データ片の系列に対して誤り訂正符号化処理を施して得た符号化データブロックと、画素データ片の系列中における赤、緑及び青色に夫々対応した3つの画素データ片を含む代表画素データ群と、を有する送信画像データ信号を表示パネルのドライバに送信する。ドライバ側では、送信画像データ信号に対して誤り訂正処理を施して得た画素データ片の系列を画素駆動電圧に変換して表示パネルに印加する。
【0010】
これにより、表示装置内での画像データの伝送周波数の高周波数化に伴って発生するEMIに起因して、ドライバ側で受信した画像データに誤りが生じても、その誤りが訂正されるので表示品質の高い画像を表示することが可能となる。
【0011】
なお、1水平走査ライン分の画素が同一色となる場合には、上記のような誤り訂正処理を実施せず、送信画像データ信号に含まれる上記代表画素データ群を画素駆動電圧に変換して表示パネルに印加するようにしている。よって、この際、誤り訂正処理が実施されない分だけ電力消費量を削減することが可能となる。
【0012】
従って、本発明によれば、表示装置内での画像データの伝送周波数の高周波数化に伴う表示品質の低下を抑えると共に電力消費量の増大を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る表示装置の概略構成を示す図である。
図2】入力画像データVDのフォーマットの一例を示す図である。
図3】送信画像データ信号生成部100の内部構成を示すブロック図である。
図4】ライン同一色検出部101の内部構成を示すブロック図である。
図5】ライン情報LIFのデータフォーマットを示す図である。
図6】送信用中間画像データPA、PB、及び送信画像データ信号VDTのデータフォーマットを示す図である。
図7】データドライバ12の内部構成を示すブロック図である。
図8】代表画素データレジスタ126から送出される画素データブロックCHDのデータフォーマットを示す図である。
図9】データドライバ12において実施されるデータ受信制御ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る表示装置の概略構成を示す図である。
【0015】
図1において、例えば液晶パネルとしての表示パネル20には、液晶層(図示せぬ)と、2次元画面の水平方向に伸張するn個(nは2以上の整数)の水平走査ラインS1〜Snと、2次元画面の垂直方向に伸張するm個(mは2以上の整数)のデータラインD1〜Dmとが設けられている。水平走査ライン及びデータラインの交叉部の領域には、赤色表示を担う赤表示セルPR、緑色表示を担う緑表示セルPG、又は青色表示を担う青表示セルPBが形成されている。すなわち、データラインD1〜Dmのうちで(3・t−2)番目(tは自然数)のデータライン、つまりD1、D4、D7、・・・、Dm-2の各々には赤表示セルPRが形成されている。また、データラインD1〜Dmのうちで(3・t−1)番目に配列されているデータライン、つまりD2、D5、D8、・・・、Dm-1の各々には緑表示セルPGが形成されている。また、データラインD1〜Dmのうちで(3・t)番目に配列されているデータライン、つまりD3、D6、D9、・・・、Dmには青表示セルPBが形成されている。
【0016】
図1に示すように、水平走査ラインS1〜Snの各々上において、互いに隣接する3つの表示セル、つまり赤表示セルPR、緑表示セルPG及び青表示セルPBにて1つの画素PX(破線にて囲まれた領域)が形成されている。
【0017】
駆動制御部10は、入力画像データVDに同期した走査制御信号を生成し、これを走査ドライバ11に供給する。
【0018】
入力画像データVDは、例えば図2に示すように、1水平走査ライン毎に、表示パネル20における各画素の輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データQD1〜QDmの系列からなる。なお、画素データQD1〜QDmの系列中において、画素データQD1、QD4、QD7、・・・、QDm-5、QDm-2、つまり(3・t−2)番目に配置されている画素データQDは、赤色成分の輝度レベルを表す。また、画素データQD1〜QDmの系列中において、画素データQD2、QD5、QD8、・・・、QDm-4、QDm-1、つまり(3・t−1)番目に配置されている画素データQDは、緑色成分の輝度レベルを表す。また、画素データQD1〜QDmの系列中において、画素データQD3、QD6、QD9、・・・、QDm-3、QDm、つまり(3・t)番目に配置されている画素データQDは、青色成分の輝度レベルを表す。
【0019】
駆動制御部10は、この入力画像データVDに基づき送信画像データ信号VDTを生成し、これをデータドライバ12に送信する。なお、駆動制御部10による送信画像データ信号VDTの生成動作については後述する。
【0020】
走査ドライバ11は、駆動制御部10から供給された走査制御信号に応じて走査パルスを生成し、これを表示パネル20の水平走査ラインS1〜Snに順次択一的に印加する。
【0021】
データドライバ12は、単一の半導体チップ、又は複数の半導体チップに分散して形成されている。
【0022】
データドライバ12は、先ず、受信した送信画像データ信号VDTに対して復号処理を施すことにより、図2に示す画素データQDの系列を復元する。なお、データドライバ12による復号処理の詳細については後述する。データドライバ12は、復元した画素データQDの系列を順次取り込んで保持する。この際、1水平走査ライン分、つまりm個の画素データQDの取り込みが完了する度に、データドライバ12は、これらm個の画素データQDの各々を、その画素データQDによって示される輝度レベルに対応したアナログの電圧に変換し、これらを画素駆動電圧G1〜Gmとして表示パネル20のデータラインD1〜Dmに印加する。
【0023】
以下に、駆動制御部10による送信画像データ信号VDTの生成及び送信動作と、データドライバ12の動作について説明する。
【0024】
図3は、駆動制御部10内に設けられており、上記送信画像データ信号VDTの生成及び送信を行う送信画像データ信号生成部100の内部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、送信画像データ信号生成部100は、ライン同一色検出部101、誤り訂正符号化部102、インタリーブ処理部103及び送信部104を含む。
【0025】
ライン同一色検出部101は、例えば図4に示す内部構成を有する。図4において、色補正部101xは、モード信号MODが高画質モードを示す場合には、入力画像データVDをそのまま画像データVDXとして色分離抽出部101aに供給する。一方、モード信号MODが低消費電力モードを示す場合には、入力画像データVDに対して以下の補正を施したものを画像データVDXとして色分離抽出部101aに供給する。
【0026】
すなわち、低消費電力モードでは、色補正部101xは、先ず、入力画像データVDに基づき、1水平走査ライン分毎に各画素によって表現される色の頻度を求める。次に、色補正部101xは、この頻度が最も高い色、つまり1水平走査ライン分の各画素で表現される色のうちで最も多い色を基準色として設定する。なお、頻度が最高となる色が複数存在する場合には、色補正部101xは、入力画像データVDに基づき、1水平走査ライン分の各画素による平均色を上記した基準色として設定する。
【0027】
次に、色補正部101xは、上記した1水平走査ライン分の画素毎に、その画素によって表される色と、基準色との差分を求める。すなわち、色補正部101xは、基準色における赤色、緑色及び青色成分各々の輝度(以下、基準赤輝度、基準緑輝度及び基準青輝度と称する)と、入力画像データVDに基づく各画素における赤色、緑色及び青色成分各々の輝度との差分を、色成分(赤、緑、青)毎に求める。尚、以降、基準赤輝度に対する差分を赤色差分、基準緑輝度に対する差分を緑色差分、基準青輝度に対する差分を青色差分と称する。
【0028】
次に、色補正部101xは、上記した赤色差分、緑色差分及び青色差分からなる色差分が、全て所定範囲内、例えば最大輝度の5%〜−5%の範囲内にあるか否かを画素毎に判定する。なお、色補正部101xは、画素毎に、赤色差分、緑色差分、及び青色差分の合計が例えば最大輝度の10%〜−10%の範囲内にあるか否かを判定するようにしても良い。
【0029】
ここで、各色成分の差分が所定範囲内にあると判定された場合には、色補正部101xは、その画素に対応した各色成分の画素データQDの各々にて示される輝度レベルを、基準色における各色成分の輝度レベルの値に夫々置き換える補正を行う。一方、各色成分の差分が所定範囲内には無いと判定された場合には、色補正部101xは、その画素に対応した各色成分の画素データQDの各々に対しては上記のような補正は行わない。
【0030】
そして、色補正部101xは、入力画像データVDにおける画素データQDの各々に対して、上記のような処理を施したものを画像データVDXとして色分離抽出部101aに供給する。
【0031】
色分離抽出部101aは、画像データVDXにて示される画素データQDの系列中から赤色成分の輝度レベルを表す画素データQDを赤色画素データQDRとして順次抽出する。すなわち、色分離抽出部101aは、図2に示す画素データQDの系列中から、(3・t−2)番目に配置されている画素データQD1、QD4、QD7、・・・、QDm-5、QDm-2の各々を赤色画素データQDRとして順次抽出する。色分離抽出部101aは、かかる赤色画素データQDRの系列を赤色同一判定部101b及びLIF生成部101cに供給する。
【0032】
また、色分離抽出部101aは、画像データVDXにて示される画素データQDの系列中から緑色成分の輝度レベルを表す画素データQDを緑色画素データQDGとして順次抽出する。すなわち、色分離抽出部101aは、図2に示す画素データQDの系列中から、(3・t−1)番目に配置されている画素データQD2、QD5、QD8、・・・、QDm-4、QDm-1の各々を緑色画素データQDGとして順次抽出する。色分離抽出部101aは、かかる緑色画素データQDGの系列を緑色同一判定部101d及びLIF生成部101cに供給する。
【0033】
更に、色分離抽出部101aは、画像データVDXにて示される画素データQDの系列中から青色成分の輝度レベルを表す画素データQDを青色画素データQDBとして順次抽出する。すなわち、色分離抽出部101aは、図2に示す画素データQDの系列中から、(3・t)番目に配置されている画素データQD3、QD6、QD9、・・・、QDm-3、QDmの各々を青色画素データQDBとして順次抽出する。色分離抽出部101aは、かかる青色画素データQDBの系列を青色同一判定部101e及びLIF生成部101cに供給する。
【0034】
赤色同一判定部101bは、1水平走査ライン分の赤色画素データQDR、つまり画素データQD1、QD4、QD7、・・・、QDm-5、及びQDm-2が同一の輝度レベルであるか否かを判定する。赤色同一判定部101bは、1水平走査ライン分の赤色画素データQDRが同一であると判定された場合に論理レベル1、1水平走査ライン分のQDRの全てが同一とはならないと判定された場合には論理レベル0の赤色一致判定信号LRをアンドゲート101fに供給する。
【0035】
緑色同一判定部101dは、1水平走査ライン分の緑色画素データQDG、つまり画素データQD2、QD5、QD8、・・・、QDm-4、QDm-1が同一の輝度レベルであるか否かを判定する。緑色同一判定部101dは、1水平走査ライン分の緑色画素データQDGが同一であると判定された場合に論理レベル1、1水平走査ライン分のQDGの全てが同一とはならないと判定された場合には論理レベル0の緑色一致判定信号LGをアンドゲート101fに供給する。
【0036】
青色同一判定部101eは、1水平走査ライン分の青色画素データQDB、つまり画素データQD3、QD6、QD9、・・・、QDm-3、QDmが同一の輝度レベルであるか否かを判定する。青色同一判定部101eは、1水平走査ライン分の青色画素データQDBが同一であると判定された場合に論理レベル1、1水平走査ライン分のQDBの全てが同一とはならないと判定された場合には論理レベル0の青色一致判定信号LBをアンドゲート101fに供給する。
【0037】
アンドゲート101fは、赤色一致判定信号LR、緑色一致判定信号LG及び青色一致判定信号LBが全て論理レベル1である場合には論理レベル1、それ以外の場合には論理レベル0を有するライン同一色データLCをLIF生成部101cに供給する。
【0038】
すなわち、アンドゲート101fは、上記した高画質モード時には、1水平走査ライン分の全ての画素PXが同一色(以降、1ライン同一色と称する)となる場合に論理レベル1、全ての画素PXが同一色とはならない場合には論理レベル0のライン同一色データLCをLIF生成部101cに供給するのである。一方、低消費電力モード時には、アンドゲート101fは、1水平走査ライン分の画素PXで表現される各色のうちで最も頻度の高い基準色と、この1水平走査ライン分の画素PXで表現される各色との色差が全て所定範囲内にある場合には論理レベル1、その他の場合には論理レベル0のライン同一色データLCをLIF生成部101cに供給する。
【0039】
LIF生成部101cは、上記したライン同一色データLC、赤色画素データQDR、緑色画素データQDG及び青色画素データQDBに基づき、図5に示すデータフォーマットからなるライン情報LIFを生成し、これを内蔵レジスタ(図示せぬ)に保持する。
【0040】
すなわち、LIF生成部101cは、先ず、アンドゲート101fから供給されたライン同一色データLCを内蔵レジスタに保持する。次に、LIF生成部101cは、色分離抽出部101aから供給された赤色画素データQDR各々のうちの1つを代表赤色画素データHRとして、内蔵レジスタに保持する。また、LIF生成部101cは、色分離抽出部101aから供給された緑色画素データQDG各々のうちの1つを代表緑色画素データHGとして、内蔵レジスタに保持する。また、LIF生成部101cは、色分離抽出部101aから供給された青色画素データQDB各々のうちの1つを代表青色画素データHBとして、内蔵レジスタに保持する。
【0041】
更に、LIF生成部101cは、内蔵レジスタに保持したライン同一色データLC、代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBからなるデータブロックに対して、例えばCRC(Cyclic Redundancy Check)による誤り検出符号化処理を施す。LIF生成部101cは、かかる誤り検出符号化処理によって得られた誤り検査データCRCを内蔵レジスタに保持する。
【0042】
そして、LIF生成部101cは、内蔵レジスタに保持した、上記ライン同一色データLC、代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHB、誤り検査データCRCからなるライン情報LIFをLIF付加部101gに供給する。
【0043】
LIF付加部101gは、図6に示すように、入力画像データVDにおける1水平走査ライン分の画素データQD1〜QDmからなる画素データブロックHQD毎に、その先頭部にライン情報LIFを付加したものを送信用中間画像データPAとして生成する。
【0044】
よって、上記した図4に示す構成により、ライン同一色検出部101は、入力画像データVDに基づき図6に示す送信用中間画像データPAを生成し、これを誤り訂正符号化部102に供給する。
【0045】
誤り訂正符号化部102は、送信用中間画像データPAにおける画素データブロックHQDに対して誤り訂正符号化処理を施すことにより、このHQDに誤り訂正符号データERRを付加した符号化データブロックCDDを生成する。誤り訂正符号化部102は、図6に示すように、符号化データブロックCDDの先頭部にライン情報LIFを付加してなる送信用中間画像データPBをインタリーブ部103に供給する。
【0046】
インタリーブ部103は、図6に示す送信用中間画像データPBの符号化データブロックCDDに対してデータ配列を変更するインタリーブ処理を施すことにより、符号化データブロックILVを得る。
【0047】
送信部104は、図6に示すように、ライン情報LIF及び符号化データブロックILVを含むデータ系列からなる送信画像データ信号VDTを、伝送ラインLLを介してデータドライバ12に送信する。
【0048】
図7は、データドライバ12の内部構成の一例を示すブロック図である。図7において、インタフェース部121は、伝送ラインLLを介して受信した送信画像データ信号VDTをクロック信号に応じたタイミングで取り込み、これをLIF取込部122及びデータ復号部123に供給する。
【0049】
LIF取込部122は、図6に示す送信画像データ信号VDT中からライン情報LIFを取り込む。そして、LIF取込部122は、図5に示すライン情報LIFを誤り検出部124に供給すると共に、ライン情報LIF中のライン同一色データLCをアンドゲート125に供給する。更に、LIF取込部122は、図5に示すライン情報LIF中の代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBを代表画素レジスタ126に供給する。
【0050】
誤り検出部124は、ライン情報LIFに含まれる誤り検査データCRCに基づき、ライン情報LIFに含まれるライン同一色データLC、代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBからなる系列中に誤りビットが存在するか否かを検出する。この際、誤り検出部124は、誤りビットが存在する場合には論理レベル0、誤りビットが存在しない場合には論理レベル1の誤り検出信号ERをアンドゲート125に供給する。
【0051】
アンドゲート125は、誤り検出信号ER及びライン同一色データLCが共に論理レベル1である場合に論理レベル1、ER及びLCのうちの少なくとも一方が論理レベル0となる場合には論理レベル0のライン同一画素信号SEを生成する。つまり、アンドゲート125は、ライン情報LIFに誤りが無く、且つライン情報LIFに含まれるライン同一色データLCが、1ライン同一色を示す場合に論理レベル1のライン同一画素信号SEを生成する。一方、ライン情報LIFに誤りが生じている、又はライン同一色データLCが、1ライン同一色では無いことを示す場合には、アンドゲート125は、論理レベル0のライン同一画素信号SEを生成する。
【0052】
アンドゲート125は、かかるライン同一画素信号SEをデータ復号部123、代表画素レジスタ126及びセレクタ127に供給する。
【0053】
データ復号部123は、論理レベル0のライン同一画素信号SEが供給されている場合には以下の復号処理を行う状態となる一方、論理レベル1のライン同一画素信号SEが供給されている場合には動作停止状態に設定されるデインタリーブ回路DV及び誤り訂正回路EEを有する。
【0054】
デインタリーブ回路DVは、図6に示される送信画像データ信号VDT中の符号化データブロックILVに対してデータ配列を元に戻すデインタリーブ処理を施す。これにより、デインタリーブ回路DVは、画素データブロックHQD及び誤り訂正符号データERRからなる符号化データブロックCDDを復元する。例えば、デインタリーブ回路DVは、先ず、符号化データブロックILVを一旦、RAM(Random Access Memory)128の第1処理領域に書き込む。ここで、デインタリーブ回路DVは、第1処理領域から符号化データブロックILVを分割して読み出し、そのデータ配置が図6に示される画素データブロックHQD及び誤り訂正符号データERRと同一となるように組み替えたものをRAM128の第2処理領域に書き込む。よって、デインタリーブ処理によって復元された画素データブロックHQD及び誤り訂正符号データERRからなる符号化データブロックCDDがRAM128の第2処理領域に保持される。デインタリーブ回路DVは、RAM128の第2処理領域に保持された画素データブロックHQD及び誤り訂正符号データERRを誤り訂正回路EEに供給する。なお、RAM128には、上記のデインタリーブ処理によって使用される第1及び第2処理領域の他に、以下の誤り検出及び誤り訂正処理過程によって生成される中間データを保持する領域を有する。
【0055】
誤り訂正回路EEは、デインタリーブ回路DVによって復元された符号化データブロックCDDに対して誤り検出及び誤り訂正処理を施す。この際、誤り検出及び誤り訂正の処理過程で生成される中間データがRAM128に書き込まれ、必要に応じて読み出される。誤り訂正回路EEは、誤り検出及び誤り訂正処理により、符号化データブロックCDD中に生じている誤りを訂正することにより、図6に示す1水平走査ライン分の画素データQD1〜QDmの系列を復元し、復元された画素データQD1〜QDmからなる画素データブロックHQDを得る。
【0056】
このように、データ復号部123は、受信した送信画像データ信号VDTに対して復号処理、つまりデインタリーブ処理及び誤り訂正処理を施して得た画素データブロックHQDをセレクタ127に供給する。
【0057】
代表画素レジスタ126は、LIF取込部122から供給された夫々単一の代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBを保持する。そして、代表画素レジスタ126は、論理レベル1のライン同一画素信号SEが供給された場合には以下の読み出し動作を行う。
【0058】
すなわち、代表画素レジスタ126は、記憶されている代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBを、図8に示すように1水平走査ライン分だけ、HR、HG、HBの順に周期的に繰り返し読み出す。代表画素レジスタ126は、このように読み出した1水平走査ライン分のm個のHR、HG、HBからなる画素データブロックCHDをセレクタ127に供給する。
【0059】
尚、代表画素レジスタ126は、論理レベル0のライン同一画素信号SEが供給された場合には動作停止状態となる。
【0060】
セレクタ127は、代表画素レジスタ126から供給された画素データブロックCHD、及びデータ復号部123から供給された画素データブロックHQDのうちから、ライン同一画素信号SEにて示される方を択一的に選択する。つまり、セレクタ127は、ライン同一画素信号SEが論理レベル0を示す場合には画素データブロックHQDを選択する一方、ライン同一画素信号SEが論理レベル1を示す場合には画素データブロックCHDを選択する。セレクタ127は、これら画素データブロックHQD及びCHDのうちから、上記のように選択された方をデータラッチ129に供給する。
【0061】
すなわち、セレクタ127は、1ライン同一色ではないことを示す論理レベル0のライン同一画素信号SEに応じて、データ復号部123にて復号された画素データブロックHQDをデータラッチ129に供給する。また、1ライン同一色を示す論理レベル1のライン同一画素信号SEに応じて、セレクタ127は、代表画素データ群(HR、HG、HB)からなる画素データブロックCHDをデータラッチ129に供給するのである。
【0062】
データラッチ129は、上記した画素データブロックHQD又はCHDに含まれる1水平走査ライン分のm個の画素データ片(QD、H)を順次取り込み、これらを画素データSD1〜SDmとして階調電圧生成部130に供給する。
【0063】
階調電圧生成部130は、画素データSD1〜SDmを、夫々が示す輝度レベルに対応したアナログの階調電圧に変換する。そして、階調電圧生成部130は、画素データSD1〜SDmに夫々対応した階調電圧を画素駆動電圧G1〜Gmとして表示パネル20のデータラインD1〜Dmに印加する。
【0064】
上記した構成により、データドライバ12は、受信した図6に示す送信画像データ信号VDTに基づき、画素データブロックHQD及びCHDのうちの一方を得る。つまり、送信画像データ信号VDTに含まれるライン情報LIFに誤りが生じている(ER=0)、又はライン情報LIFに含まれるライン同一色データLCが1ライン同一色を示していない(LC=0)場合には、データドライバ12は、画素データブロックHQDを生成する。すなわち、この場合、データ復号部123が、送信画像データ信号VDTの符号化データブロックILVに対して、デインタリーブ処理及び誤り訂正処理を施すことにより、図6に示す画素データQD1〜QDmからなる画素データブロックHQDを復元する。そして、セレクタ127が、かかる画素データブロックHQDをデータラッチ129に供給することにより、HQDに含まれる1水平走査ライン分の画素データQD1〜QDmをデータラッチ129に取り込ませる。これにより、階調電圧生成部130は、図6に示される画素データQD1〜QDmに夫々対応したアナログの画素駆動電圧G1〜Gmを生成して表示パネル20のデータラインD1〜Dmに印加する。
【0065】
一方、ライン情報LIFに誤りが生じておらず(ER=1)、且つライン同一色データLCが1ライン同一色を示す(LC=1)場合には、データドライバ12は、受信した送信画像データ信号VDTに基づき画素データブロックCHDを生成する。すなわち、この場合、代表画素レジスタ126が、ライン情報LIFに含まれる夫々単一の代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBを、図8に示すようにHR、HG、HBの順に周期的に繰り返し読み出す。これにより、代表画素レジスタ126は、3つの代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データBが1水平走査ライン分に亘り繰り返し配置された画素データブロックCHDを生成する。そして、セレクタ127が、かかる画素データブロックCHDをデータラッチ129に供給することにより、CHDに含まれる1水平走査ライン分の代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBをデータラッチ129に取り込ませる。これにより、階調電圧生成部130は、3つの代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBに基づき、1水平走査ラインが同一色となるアナログの画素駆動電圧G1〜Gmを生成して表示パネル20のデータラインD1〜Dmに印加する。
【0066】
以上のように、図1に示す表示装置では、駆動制御部10が、入力画像データVDに対して誤り訂正符号化処理及びインタリーブ処理を施して得た送信画像データ信号VDTを、伝送ラインLLを介してデータドライバ12に送信する。この際、データドライバ12は、受信した送信画像データ信号VDTに対してデインタリーブ処理及び誤り訂正処理を施す。これにより、データドライバ12は、受信した送信画像データ信号VDTから、入力画像データVDにて示される画素データQDの系列を復元し、当該画素データQDの系列を1水平走査ライン分(m個)ずつデータラッチ129で取り込むようにしている。
【0067】
よって、かかる構成によれば、画像データ信号の伝送周波数の高周波数化に伴って発生するEMIの影響によって、データドライバ12で受信した送信画像データ信号VDT中に誤りが生じていても、これをデータドライバ12側で訂正することができる。従って、画像データ信号の高周波数化に伴うEMI環境下においても、表示品質の低下を防ぐことが可能となる。
【0068】
更に、駆動制御部10では、入力画像データVD中に、1水平走査ライン上の各画素PXを同一色で表示させるような画素データQD1〜QDmが存在する場合には、先ず、当該QD1〜QDmのうちから、その色を形成する為の3つの画素データを代表画素データ(HR、HG、HB)として選出する。そして、駆動制御部10は、これらHR、HG及びHBと共に、1水平走査ライン上の各画素が同一色状態となるか否かを示すライン同一色データLCを含むライン情報LIFを、図6に示すように送信画像データ信号VDTに含ませたものをデータドライバ12に送信する。
【0069】
ここで、データドライバ12では、ライン同一色データLCが、1水平走査ライン上の各画素が同一色となることを示す場合には、受信した送信画像データ信号VDTに対するデインタリーブ処理及び誤り訂正処理を行わずに、以下の処理を行う。すなわち、ライン情報LIFに含まれている3つの代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBを1水平走査ライン分(m個)に亘り繰り返し、データラッチ129に取り込ませるのである。
【0070】
よって、かかる構成によれば、1水平走査ライン上の全画素が同一色となる場合には、受信した送信画像データ信号VDTに対して上記デインタリーブ処理及び誤り訂正処理は実施されず、且つその処理に付随するRAM128へのアクセスも実施されない。従って、デインタリーブ処理、誤り訂正処理、及びRAM128へのアクセスが実施されない分だけ、電力消費量及び発熱量を低減することが可能となる。
【0071】
以上のように、図1に示す表示装置によれば、表示パネルの高精細化に伴い表示装置内での画像データ信号の伝送周波数を高周波数化しても、表示品質を低下させることなく電力消費量及び発熱量の増大を抑えることが可能となる。
【0072】
なお、図7に示すデータドライバ12の構成では、送信画像データ信号VDTを受信してから1水平走査ライン分の画素データ群をデータラッチ129に送出するまでのデータ受信動作をハードウェア(121〜127)にて実施しているが、これをソフトウェアで実施するようにしても良い。
【0073】
図9は、かかる点に鑑みて為された、データドライバ12内の制御部(図示せぬ)が実施するデータ受信制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0074】
図9において、先ず、データドライバ12の制御部は、受信した送信画像データ信号VDT中から図5に示すライン情報LIFを取り込む(ステップS1)。次に、制御部は、図5に示すようにライン情報LIFに含まれている誤り検査データCRCに基づき、このライン情報LIFに対して誤り検出処理を施し(ステップS2)、誤りが有るか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において誤りが無いと判定された場合、制御部は、ライン情報LIFに含まれているライン同一色データLCが、1水平走査ライン上の各画素が同一色状態となることを示す論理レベル1であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において、ライン同一色データLCが論理レベル1であると判定された場合、制御部は、図5に示すようにライン情報LIFに含まれている代表赤色画素データHR、代表緑色画素データHG及び代表青色画素データHBを1水平走査ライン分(m個)に亘り繰り返し、データラッチ129に送出する(ステップS5)。
【0075】
一方、ステップS3においてライン情報LIFに誤りがあると判定された場合、又はライン同一色データLCが、1水平走査ライン上の全ての画素が同一色状態には無いことを示す論理レベル0であると判定された場合、制御部は、以下のステップS6を実行する。すなわち、制御部は、受信した送信画像データ信号VDT中の図6に示す符号化データブロックILVに対して、デインタリーブ処理を施すことにより、図6に示す画素データQD1〜QDm及び誤り訂正符号データERRからなる符号化データブロックCDDを復元する(ステップS6)。次に、制御部は、かかる符号化データブロックCDDに対して誤り訂正処理を施すことにより、誤り訂正された画素データQD1〜QDmを得てこれをデータラッチ129に送出する(ステップS7)。
【0076】
データドライバ12の制御部は、受信した送信画像データ信号VDTに対して、上記したステップS1〜S5、或いはS1〜S4、S6、S7なる制御を1水平走査ライン分毎に実施する。
【0077】
要するに、図1に示す表示装置では、先ず、制御部(10)が、以下のように、入力画像データ(VD)に基づき送信画像データ信号(VDT)を生成しこれをドライバ(12)に送信する。
【0078】
制御部(10)は、ライン同一色検出部(101x、101a〜101f)、代表画素抽出部(101a、101c)、誤り訂正符号化部(102)及び送信部(104)を有する。ライン同一色検出部は、入力画像データにおける画素データ片の系列に基づき1水平走査ライン分の画素が同一色となるか否かを示すライン同一色データ(LC)を1水平走査ライン毎に生成する。代表画素抽出部は、画素データ片の系列中から赤色、緑色及び青色に夫々対応した3つの画素データ片(HR、HG、HB)を代表画素データ群として抽出する。誤り訂正符号化部は、画素データ片の系列に対して誤り訂正符号化処理を施すことにより符号化データブロック(CDD)を生成する。送信部は、上記したライン同一色データ、代表画素データ群、及び符号化データブロックを含む送信画像データ信号を生成しこれをドライバに送信するのである。
【0079】
ドライバ(12)は、受信した送信画像データ信号中のライン同一色データが同一色ではないことを示す場合には、送信画像データ信号中の符号化データブロックに対して誤り訂正処理(EE)を施して得られた画素データ片の各々を画素駆動電圧に変換(130)して表示パネル(20)の複数のデータライン(D1〜Dm)に印加する。一方、ライン同一色データが同一色であることを示す場合には、ドライバ(12)は、送信画像データ信号中の代表画素データ群に含まれる画素データ片の各々を画素駆動電圧に変換して表示パネルの複数のデータラインに印加するのである。
【0080】
なお、ライン同一色検出部は、高画質モードでは、1水平走査ライン分の画素が全て同一色となる場合に1水平走査ライン分の画素が同一色であると判定する。一方、ライン同一色検出部は、低消費電力モードでは、1水平走査ライン分の画素で表現される各色のうちで最も頻度の高い基準色と、1水平走査ライン分の各画素で表現される各色との色差が全て所定範囲内にある場合に1水平走査ライン分の画素が同一色であると判定するようにしている。
【符号の説明】
【0081】
10 駆動制御部
12 データドライバ
20 表示パネル
101 ライン同一色検出部
102 誤り訂正符号化部
123 データ復号部
126 代表画素レジスタ
127 セレクタ
128 データラッチ
DV デインタリーブ回路
EE 誤り訂正回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9