【実施例】
【0018】
図1は本発明の一実施例としての熱交換器20の構成の概略を示す説明図であり、
図2は実施例の熱交換器20に用いる複数の熱交換用チューブ30の外観を側面から示す側面図である。実施例の熱交換器20は、図示するように、長手方向が鉛直方向となるように並列に配置した複数の熱交換用チューブ30と、この複数の熱交換用チューブ30を収納するシェル50と、を備える。
【0019】
各熱交換用チューブ30は、金属材料(例えば、ステンレスやアルミニウムなど)による板材を用いて全体として略矩形形状の扁平な中空管となるようプレス加工により形成され、長手方向が鉛直方向となるように積層され、接触点がロウ付けにより接合されて構成されている。各熱交換用チューブ30の鉛直下方の下端近傍に形成された流入口31は、各熱交換用チューブ30を積層することにより隣接する熱交換用チューブ30の流入口31と接合され、各流入口31を連通する連絡管31aを形成する。また、各熱交換用チューブ30の鉛直上方の上端近傍に形成された流出口32も、流入口31と同様に、各熱交換用チューブ30を積層することにより隣接する熱交換用チューブ30の流出口32と接合され、各流出口32を連通する連絡管32aを形成する。したがって、水やオイルなどの第1熱交換媒体は、各熱交換用チューブ30の流入口31から流入して鉛直上方に流れ、各熱交換用チューブ30の流出口32から流出する。
【0020】
シェル50は、各熱交換用チューブ30と同様に、金属材料(例えば、ステンレスやアルミニウムなど)による板材により、連絡管31a,32aにより連結された複数の熱交換用チューブ30を収納する略直方体形状のケースとして形成されている。シェル50の上方には流入口51が形成されており、シェル50の下方には流出口52が形成されている。したがって、空気や排ガスなどの第2熱交換媒体は、シェル50の上方に形成された流入口51から流入し、複数の熱交換用チューブ30の間を通り、シェル50の下方に形成された流出口52から流出する。
【0021】
各熱交換用チューブ30の両扁平面には、滑らかな曲面により複数の波状凹凸34,36が形成されている。
図1では、熱交換用チューブ30の両扁平面のうちの一方側の扁平面33の波状凹凸34を示しており、両扁平面のうちの他方側の扁平面35の波状凹凸36については括弧書きとした。波状凹凸34,36は、複数の実線で示す波の頂部が連続する頂部線34a,36aと、複数の破線で示す底部が連続する底部線34b,36bと、が交互に共にV字を横方向に連ねた形状となるように形成されている。ここで、波の頂部は、波の凸部と凹部とが正弦波で示されたときの90度の位置、即ち最大値の位置(凸部の頂)を意味しており、波の底部は、波の凸部と凹部とが正弦波で示されたときの270度の位置、即ち最小値の位置(凹部の底)を意味している。このように、各熱交換用チューブ30の両扁平面に波状凹凸34,36を形成するのは、第2熱交換媒体を流したときに、第2熱交換媒体の主要な流れの他に熱交換に有効な二次流れを生じさせるためである。なお、実施例の熱交換用チューブ30では、両扁平面のうちの一方側の扁平面の波状凹凸34と他方側の扁平面の波状凹凸36とが平行になるように、即ち、一方側の扁平面の波状凹凸34の頂部線34aと他方側の扁平面の波状凹凸36の底部線36bとが整合すると共に一方側の扁平面の波状凹凸34の底部線34bと他方側の扁平面の波状凹凸36の頂部線36aとが整合するように配置した。なお、熱交換用チューブ30の内側から見ると、一方側の扁平面33の波状凹凸34における底部線34bは内側に凸の一方側凸部の頂部が連続する線となり、他方側の扁平面35の波状凹凸36における底部線36bは内側に凸の他方側凸部の頂部が連続する線となる。
【0022】
実施例の熱交換用チューブ30は、両扁平面33,35に形成された波状凹凸34,36と同様の波状凹凸44が形成されたインナーフィン40が内側に配置されている。インナーフィン40は、金属材料による板材をプレス加工により形成されている。インナーフィン40の波状凹凸44は、振幅が熱交換用チューブ30の一方側の扁平面33の波状凹凸34における底部線34bで表わされる一方側凸部の頂部と他方側の扁平面35の波状凹凸36における底部線36bで表わされる他方側凸部の頂部との間隔に一致するように、熱交換用チューブ30の両扁平面33,35に形成された波状凹凸34,36に対して、同じ波長で、頂部線44aおよび底部線44bが同じV字形となるように、且つ、一方側の扁平面33の波状凹凸34に対して、波長の位相がπ(半波長)だけ異なると共にV字形の繰り返しの位相がπ(V字の半分)だけ異なるように形成されている。
図3は、熱交換用チューブ30の構成を説明するための説明図であり、
図4は、
図3の熱交換用チューブ30のA−A断面を説明する説明図であり、
図5は
図3の熱交換用チューブ30のB−B断面を説明する説明図である。
図3中、太実線は一方側の扁平面33における波状凹凸34の底部線34b(一方側凸部の頂部が連続する線)を示し、太破線は他方側の扁平面35における波状凹凸36の底部線36b(他方側凸部の頂部が連続する線)を示し、細一点鎖線はインナーフィン40の波状凹凸44の頂部線44aを示し、細二点鎖線はインナーフィン40の波状凹凸44の底部線44bを示す。
図4および
図5中、太実線は一方側の扁平面33における波状凹凸34を示し、太破線は他方側の扁平面35における波状凹凸36を示し、細実線はインナーフィン40の波状凹凸44を示す。
【0023】
インナーフィン40は、波状凹凸44の頂部線44aと一方側の扁平面33における波状凹凸34の底部線34bとが接触する接触点が一方側接合部46aとして接合されており、波状凹凸44の底部線44bと他方側の扁平面35における波状凹凸36の底部線36bとが接触する接触点が他方側接合部46bとして接合されている。これらの接合はロウ付けにより行なわれている。
図3〜
図5には、一方側接合部46aを黒丸印で示し、他方側接合部46bを黒四角印で示した。
図6は一方側の扁平面33における波状凹凸34の底部線34bを示す説明図であり、
図7はインナーフィン40の波状凹凸44の頂部線44aを示す説明図であり、
図8は、
図6に
図7を重ねることにより得られる一方側接合部46aを示す説明図である。一方側接合部46aは、
図6〜
図8に示すように、インナーフィン40の波状凹凸44の頂部線44aと熱交換用チューブ30の一方側の扁平面33における波状凹凸34の底部線34bとの交点と、インナーフィン40の波状凹凸44の頂部線44aの屈曲部(一方側の扁平面33における波状凹凸34の底部線34bの屈曲部)と、に形成され、幾何学的に均等に配置されている。他方側接合部46bも同様に、インナーフィン40の波状凹凸44の底部線44bと熱交換用チューブ30の他方側の扁平面35における波状凹凸36の底部線36bとの交点と、インナーフィン40の波状凹凸44の底部線44bの屈曲部(他方側の扁平面35における波状凹凸36の底部線36bの屈曲部)と、に形成され、複数の一方側接合部46aと共に幾何学的に均等に配置されている。したがって、熱交換用チューブ30の流入口31から流入した第1熱交換媒体は、インナーフィン40により熱交換用チューブ30の一方側の扁平面33との間と他方側の扁平面35との間とに分かれて鉛直上方に流れ、合流して熱交換用チューブ30の流出口32から流出する。
【0024】
実施例の熱交換器20では、熱交換用チューブ30の両扁平面33,35やインナーフィン40をロウ材がクラッドされたクラッド板材により形成し、インナーフィン40を挿入した状態の熱交換用チューブ30を隣接する熱交換用チューブ30と流入口31および流出口32が整合するように積層し、この積層体をロウ材が溶ける温度まで加熱する炉に入れてロウ付けを行なって積層体を形成し、この積層体を別に形成したシェル50に配置することによって組み付けられる。
【0025】
こうして構成された熱交換器20に対して熱交換用チューブ30の内側に流れる第1熱交換媒体に圧力を作用させたときを考える。このとき、熱交換用チューブ30内の圧力は全体としては熱交換用チューブ30の外壁を形成する両扁平面33,35を膨らませるように作用するが、熱交換用チューブ30の両扁平面33,35は一方側接合部46aおよび他方側接合部46bによりインナーフィン40と接合されているため、インナーフィン40の一方側接合部46aと他方側接合部46bとの間に引っ張り応力が作用し、両扁平面33,35の変形を抑制する。
【0026】
以上説明した実施例の熱交換器20によれば、熱交換用チューブ30の外壁を構成する両扁平面33,35にV字形を横方向に連ねた形状の波状凹凸34,36を形成すると共に、熱交換用チューブ30の波状凹凸34,36に対してその内側の間隔を振幅とし、同一の波長で、同一のV字形で、同一のV字形の繰り返し幅で、波長の位相がπ(半波長)だけ異なり、V字形の繰り返しの位相がπ(V字の半分)だけ異なる波状凹凸44が形成されたインナーフィン40を配置し、インナーフィン40の波状凹凸44と熱交換用チューブ30の両扁平面33,35における波状凹凸34,36との当接部を接合して一方側接合部46aおよび他方側接合部46bとすることにより、熱交換用チューブ30内に作用する圧力に対して熱交換用チューブ30が変形するのを抑制することができる。この結果、熱交換用チューブ30を形成する両扁平面33,35の板厚を薄くすることができ、熱交換器20の小型化と軽量化を図ることができる。しかも、熱交換用チューブ30の外壁を構成する両扁平面33,35にV字形の波状凹凸34,36を形成したので、隣接する熱交換用チューブ30の間に流れる第2熱交換媒体に主要な流れの他に熱交換に有効な二次流れを生じさせることができる。この結果、熱交換効率を高くすることができ、熱交換器20の小型化と軽量化を図ることができる。また、熱交換用チューブ30の両扁平面33,35やインナーフィン40をクラッド板材により形成するから、熱交換用チューブ30の積層体を高い精度で容易に構成することができる。
【0027】
実施例の熱交換器20では、インナーフィン40の波状凹凸44を、熱交換用チューブ30の両扁平面33,35に形成された波状凹凸34,36に対して、頂部線44aおよび底部線44bが同じV字形となるように形成するものとしたが、頂部線44aおよび底部線44bによるV字形の縦方向の長さが熱交換用チューブ30の両扁平面に形成された波状凹凸34,36より若干長くなるように形成するものとしてもよい。
図9は変形例のインナーフィン140の波状凹凸144の頂部線144aを説明する説明図である。図中、実線は変形例のインナーフィン140における波状凹凸144の頂部線144aを示し、一点鎖線は実施例のインナーフィン40における波状凹凸44の頂部線44aを示す。変形例のインナーフィン140における波状凹凸144の頂部線144aは、V字形の縦方向の長さが若干長くなるように形成したため、頂部線144aの屈曲点は、実施例に比して上下に若干量だけ突出する。実施例では、
図8に示すように、インナーフィン40の波状凹凸44の頂部線44aの屈曲部と熱交換用チューブ30の一方側の扁平面における波状凹凸34の底部線34bの屈曲部とは一点で接触するが、実施例のインナーフィン40に代えて変形例のインナーフィン140を用いると、頂部線144aの屈曲点が実施例に比して上下に突出しているため、波状凹凸34における底部線34bの屈曲部との接触は厳密に解すれば2点の交点に生じる。ロウ付けによりある程度の接合面積を得ることができることを考慮すると、変形例のインナーフィン140を用いることにより、底部線34bの屈曲部における接合面積は、変形例の方が実施例より大きくなる。したがって、底部線34b,36bの屈曲部における接合の強度を高くすることができる。また、変形例のインナーフィン140を用いると、組み付け時に熱交換用チューブ内のインナーフィン140の位置が上下に若干ずれても、波状凹凸144の頂部線144aの屈曲部や底部線144bの屈曲部が底部線34bの屈曲部や底部線36bの屈曲部に整合するから、底部線34b,36bの屈曲部における接合をより確実に行なうことができる。
【0028】
実施例の熱交換器20では、インナーフィン40に波状凹凸44を形成するものとしたが、インナーフィンに貫通孔を形成したり切り起こしを形成したりするものとしてもよい。
図10は、変形例のインナーフィン240の構成の一例を説明するための説明図である。図中、太実線は熱交換用チューブ30の一方側の扁平面33における波状凹凸34の底部線34b(一方側凸部の頂部が連続する線)であり、太破線は熱交換用チューブ30の他方側の扁平面35における波状凹凸36の底部線36b(他方側凸部の頂部が連続する線)であり、細一点鎖線は変形例のインナーフィン240における波状凹凸244の頂部線244aを示し、細二点鎖線は変形例のインナーフィン240における波状凹凸244の底部線244bを示す。また、黒丸印は一方側接合部46aを示し、黒四角印は他方側接合部46bを示す。変形例のインナーフィン240の鉛直線上における一方側接合部46aと他方側接合部46bとの間には、三角形状の切り起こし248a,248bが形成されている。切り起こし248aは、鉛直下から上に向けて一方側接合部46a,他方側接合部46bの順になる両接合部46a,46bの間に配置されており、
図10の紙面の表面側に切り起こされている。また、切り起こし248bは、鉛直下から上に向けて他方側接合部46b,一方側接合部46aの順になる両接合部46b,46aの間に配置されており、
図10の紙面の裏面側に切り起こされている。実施例でも説明したように、熱交換用チューブ内の第1熱交換媒体は、鉛直下から鉛直上に向けて流れるから、切り起こし248a,248bを形成することにより形成される貫通孔をスムースに流れるようになる。このように、インナーフィンに貫通孔や切り起こしを形成することにより、第1熱交換媒体の流通を良好なものとすることができる。
【0029】
実施例の熱交換器20では、インナーフィン40の波状凹凸44を、熱交換用チューブ30の両扁平面33,35に形成された波状凹凸34,36に対して、同じ波長で、頂部線44aおよび底部線44bが同じV字形となるように、且つ、一方側の扁平面33の波状凹凸34に対して、波長の位相がπ(半波長)だけ異なると共にV字形の繰り返しの位相がπ(V字の半分)だけ異なるように形成するものとしたが、インナーフィン40の波状凹凸44の頂部線44aと熱交換用チューブ30の一方側の扁平面33における波状凹凸34の底部線34b(一方側凸部の頂部が連続する線)とが交差すると共にインナーフィン40の波状凹凸44の底部線44bと他方側の扁平面35における波状凹凸36の底部線36b(他方側凸部の頂部が連続する線)とが交差すればよいから、インナーフィン40の波状凹凸44を、熱交換用チューブ30の両扁平面33,35に形成された波状凹凸34,36に対して、異なる波長としたり、頂部線および底部線が異なるV字形となるようにしたり、波長の位相かV字形の繰り返しの位相の何れか或いは双方が同一又は異なるように形成するものとしてもよい。
図11は、変形例のインナーフィン340の波状凹凸344における頂部線344aを示す説明図であり、
図12は、
図6に
図11を重ねることにより得られる一方側接合部346aを示す説明図である。変形例のインナーフィン340の波状凹凸344は、熱交換用チューブ30の一方側の扁平面33の波状凹凸34に対して、同じ波長で、頂部線44aおよび底部線44bが同じV字形となるように、且つ、波長の位相は同じで、V字形の繰り返しの位相をπ(V字の半分)だけ異なるように形成されている。この変形例のインナーフィン340を用いた場合、
図12に示すように、インナーフィン340における波状凹凸344の頂部線344aと熱交換用チューブ30の一方側の扁平面33における波状凹凸34の底部線34b(一方側凸部の頂部が連続する線)との交点に一方側接合部346aが形成されるが、一方側接合部346aは、実施例に比して、その数と均等配置性に劣るものの、インナーフィンを用いないものに比して、熱交換用チューブ30内に作用する圧力に対して熱交換用チューブ30が変形するのを抑制することができる。
【0030】
実施例の熱交換器20では、インナーフィン40に波状凹凸44を形成するものとしたが、インナーフィンをオフセットフィンとして形成するものとしてもよい。
図13は、変形例のインナーフィン440の外観の一部を示す部分外観図であり、
図14は、変形例のインナーフィン440を用いた熱交換用チューブの断面を示す断面図である。変形例のインナーフィン440は、図示するように、一方側の扁平面33に当接するように形成された第1頂部平坦面444aと他方側の扁平面35に当接するように形成された第1底部平坦面444bとが直線上に繰り返す第1凹凸444と、一方側の扁平面33に当接するように形成された第2頂部平坦面445aと他方側の扁平面35に当接するように形成された第2底部平坦面445bとが直線上に繰り返す第2凹凸445と、が交互に配列するように形成されている。そして、第2凹凸445は、第1凹凸444に対して1/4波長(第1頂部平坦面444aの直線方向の長さの半分)だけずれるように配列している。また、第1凹凸444における第1頂部平坦面444aや第1底部平坦面444b,第2凹凸445における第2頂部平坦面445aや第2底部平坦面445bの直線方向の長さ(
図14における左右方向の長さ)は、両扁平面33,35の波状凹凸34,36のV字形の繰り返し幅に一致するように形成されている。このため、第1頂部平坦面444aや第1底部平坦面444b,第2頂部平坦面445a,第2底部平坦面445bは、適当に配置することにより波状凹凸34,36の底部線34b,36bのV字形の隣接する屈曲部に当接して一方側接合部446aや他方側接合部446bを構成する。
図14はこの状態を示している。こうした変形例のインナーフィン440を用いた熱交換用チューブでも一方側接合部446aと他方側接合部446bとの間で引っ張り応力が作用し、熱交換用チューブの変形を抑制することができる。
【0031】
図15は、変形例のインナーフィン540を用いた熱交換用チューブの断面を示す断面図である。変形例のインナーフィン540は、
図13,
図14に例示したインナーフィン440を
図14中左右方向から押して隣接する第1頂部平坦面444aや第2頂部平坦面445aが連続して接合されて一方側平面544aを形成すると共に隣接する第1底部平坦面444bや第2底部平坦面445bが連続して接合されて他方側平面544bを形成することによって構成されている。この場合、
図14における第1凹凸444の第1頂部平坦面444aと第1底部平坦面444bとを連結する垂直壁や第2凹凸445の第2頂部平坦面445aと第2底部平坦面445bとを連結する垂直壁は、一方側平面544aと他方側平面544bとを支持するよう交互に連続する斜壁となる。こうした構成はトラス構造となるため、熱交換用チューブの剛性を非常に高めることができ、その変形をより抑制することができる。ただし、この場合、第1熱交換媒体と第2熱交換媒体とを対向流とすると、第1熱交換媒体は一方側平面544aと他方側平面544bとの間にしか流れないため、各平坦面444a,444b,445a,445bに貫通孔や切り起こしを形成しておき、一方側平面544aや他方側平面544bに複数の貫通孔や切り起こしが形成されているものとするのが好ましい。また、第1熱交換媒体と第2熱交換媒体とが直交流となるように熱交換器を構成してもよい。即ち、隣接する熱交換用チューブの間の第2熱交換媒体については熱交換用チューブの両側の扁平面に形成された複数の波状凹凸34,36のV字形を乗り越えるように流し、熱交換用チューブ内の第1熱交換媒体については熱交換用チューブの両側の扁平面に形成された複数の波状凹凸34,36のV字形に沿ってジグザグ屈曲するように流すのである。
【0032】
実施例の熱交換器20やその変形例では、第1熱交換媒体と第2熱交換媒体とを対向流とするものとしたが、第1熱交換媒体と第2熱交換媒体とを直交流とするものとしてもよいし、第1熱交換媒体や第2熱交換媒体の一方または双方が迂流するようにしても構わない。
【0033】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。