特許第6438412号(P6438412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6438412リソグラフィ装置のための投影システム、ミラーおよび放射源
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6438412
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】リソグラフィ装置のための投影システム、ミラーおよび放射源
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20181203BHJP
   G03F 7/22 20060101ALI20181203BHJP
   G02B 19/00 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   G03F7/20 503
   G03F7/22 H
   G02B19/00
【請求項の数】22
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-554073(P2015-554073)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-509691(P2016-509691A)
(43)【公表日】2016年3月31日
(86)【国際出願番号】EP2013076310
(87)【国際公開番号】WO2014114405
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2016年12月8日
(31)【優先権主張番号】61/757,358
(32)【優先日】2013年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ ケルクホフ,マーカス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン オーステン,アントン
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,ハンズ
(72)【発明者】
【氏名】ループストラ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル ウィスト,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ザール,コエン
【審査官】 植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−504329(JP,A)
【文献】 特開2011−128515(JP,A)
【文献】 特開2005−166778(JP,A)
【文献】 特開2003−203860(JP,A)
【文献】 特開2008−097784(JP,A)
【文献】 特開2006−307933(JP,A)
【文献】 米国特許第04679915(US,A)
【文献】 特開2014−160241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G02B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射ビームをリソグラフィ装置内の基板のターゲット部分上に投影する投影システムであって、前記投影システムは、
少なくとも1つのミラーであって、前記ミラーを位置決めおよび/または前記ミラーの形状を構成し、かつアクティブ制振を前記ミラーに提供するように動作可能なアクチュエータを少なくとも1つ含む、少なくとも1つのミラーと、
(1つ以上の)前記アクチュエータの制御のためにアクチュエータ制御信号を生成するための少なくとも1つのコントローラとを備え、
前記ミラーを位置決めおよび/または前記ミラーの形状を構成するときの(1つ以上の)前記アクチュエータの制御のためにゼルニケ座標系が使用され、アクティブ制振を前記ミラーに提供するときの(1つ以上の)前記アクチュエータの制御のためにモード座標系が使用される、投影システム。
【請求項2】
前記アクチュエータ制御信号が、制御信号の周波数に応じて、前記ミラーを位置決めおよび/または前記ミラーの形状を構成するときの(1つ以上の)前記アクチュエータの制御のための第1アクチュエータ制御信号と、アクティブ制振を前記ミラーに提供するときの(1つ以上の)前記アクチュエータの制御のための第2アクチュエータ制御信号とに分離されるように動作可能である、請求項1に記載の投影システム。
【請求項3】
前記第1アクチュエータ制御信号および前記第2アクチュエータ制御信号を得るために第1デカップリング行列および第2デカップリング行列がそれぞれ使用されるように動作可能である、請求項2に記載の投影システム。
【請求項4】
前記第1デカップリング行列の出力をフィルタリングするためのローパスフィルタおよび前記第2デカップリング行列の出力をフィルタリングするためのハイパスフィルタを含む、請求項3に記載の投影システム。
【請求項5】
前記ミラーは、フィードバック信号を提供するための少なくとも1つのセンサを含み、前記フィードバック信号は、前記第1アクチュエータ制御信号および前記第2アクチュエータ制御信号に対して負のフィードバックを提供するために使用される、請求項1〜4のいずれかに記載の投影システム。
【請求項6】
1つ以上の第1コントローラは、前記第1アクチュエータ制御信号を生成するために使用され、1つ以上の第2コントローラは、前記第2アクチュエータ制御信号を生成するために使用され、(1つ以上の)同じセンサを用いて(1つ以上の)前記第1コントローラによる使用のために前記ゼルニケ座標系に従って第1フィードバック信号を生成し、(1つ以上の)前記第2コントローラによる使用のために前記モード座標系に従って第2フィードバック信号を生成する、請求項5に記載の投影システム。
【請求項7】
前記ミラーは、前記ミラーの中心と比べて前記ミラーの外縁の近くにより急峻なプロファイルを有する反射面を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の投影システム。
【請求項8】
前記ミラーの前記形状は、(1つ以上の)前記アクチュエータによって加えられる修正変形の効果を最大限にするように特定の収差パターンのために選択される、請求項1〜7のいずれかに記載の投影システム。
【請求項9】
前記ミラーの位置を変更するための1つ以上の位置アクチュエータに加えて、前記ミラーの前記形状を構成するために単一の変形アクチュエータが設けられ、前記単一の変形アクチュエータは、前記ミラーの裏面の中央領域で動作可能であり、前記ミラーはエッジより中心の近くにより厚いプロファイルを有する、請求項1〜8のいずれかに記載の投影システム。
【請求項10】
前記ミラーは、前記単一の変形アクチュエータが使用されたときに変形が所望の変形と一致することを確実にする形状を有する、請求項9に記載の投影システム。
【請求項11】
前記ミラーの表面と垂直である変形アクチュエータは、前記ミラーの表面と平行である2つのさらなるアクチュエータによって支持され、前記さらなるアクチュエータの各々は、センサおよびコントローラを含む、請求項9または10に記載の投影システム。
【請求項12】
前記変形アクチュエータは、センサおよびコントローラを含む、請求項11に記載の投影システム。
【請求項13】
前記アクチュエータは、前記ミラーと直接接続するための作動ニードルを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の投影システム。
【請求項14】
前記作動ニードルは、ミラー材料内のくぼみを介して前記ミラーと接続される、請求項13に記載の投影システム。
【請求項15】
前記作動ニードルは一次元のみで動作可能である、請求項13または14に記載の投影システム。
【請求項16】
複数の前記ミラーを備える投影システムであって、各ミラーは複数のアクチュエータを有し、各アクチュエータは、前記ミラーを位置決めし、前記ミラーの前記形状を構成し、かつ前記ミラーにアクティブ制振を提供するように動作可能である、請求項1〜15のいずれかに記載の投影システム。
【請求項17】
ミラーの位置を変更するための1つ以上の位置アクチュエータに加えて、前記ミラーの前記形状を構成するための単一の変形アクチュエータを含むミラーであって、前記単一の変形アクチュエータは、前記ミラーの裏面の中央領域で動作可能であり、前記ミラーはエッジより中心の近くにより厚いプロファイルを有する三角形状又は台形状を有する、ミラー。
【請求項18】
前記ミラーは、前記単一の変形アクチュエータが使用されたときに変形が所望の変形と一致することを確実にする形状を有する、請求項17に記載のミラー。
【請求項19】
前記ミラーの表面と垂直である前記変形アクチュエータは、前記ミラーの表面と平行である2つのさらなるアクチュエータによって支持され、前記さらなるアクチュエータの各々は、センサおよびコントローラを含む、請求項17または18に記載のミラー。
【請求項20】
前記変形アクチュエータは、センサおよびコントローラを含む、請求項19に記載のミラー。
【請求項21】
請求項17〜20のいずれかに記載のミラーを備える、投影システム。
【請求項22】
請求項1〜16のいずれかまたは請求項21に記載の投影システムを備える、リソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本願は、2013年1月28日に出願した米国仮出願第61/757,358号の優先権を主張し、その全体を本願に参考として組み込む。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本発明は、リソグラフィ装置のための投影システムおよびそのためのミラーに関する。本発明は、そのような投影システムを含むリソグラフィ装置にも関する。本発明は、リソグラフィ装置のための放射源にも関する。
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0004】
[0004] リソグラフィは、ICや他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作られるフィーチャの寸法が小さくなるにつれ、リソグラフィは、小型ICあるいは他のデバイスおよび/または構造を製造できるようにするためのより一層重要な要因になりつつある。
パターン印刷の限界の理論推定値を、式(1)に示す解像度に関するレイリー基準によって得ることができる。
【数1】

上の式では、λは使用される放射の波長であり、NAはパターンを印刷するために使用される投影システムの開口数であり、k1はレイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンション)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、以下の3つの方法、露光波長λを短縮することによって、開口数NAを増加させることによって、あるいはk1の値を低下させることによって達成することができる、と言える。
【0005】
[0005] 露光波長を短縮するため、したがって、最小印刷可能サイズを縮小させるためには、極端紫外線(EUV)放射原を使用することが提案されている。EUV放射は、5〜20nmの範囲内、例えば13〜14nmの範囲内の波長を有する電磁放射である。10nm未満の波長、例えば6.7nmまたは6.8nmといったような5〜10nmの範囲内の波長を有するEUV放射を使用できることがさらに提案されている。そのような放射を極端紫外線または軟X線放射と呼ぶ。可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングによって提供されるシンクロトロン放射に基づく放射源が挙げられる。
【0006】
[0006] EUV放射は、プラズマを用いて生成することができる。EUV放射を生成するための放射システムは、プラズマを提供するために燃料を励起するレーザと、プラズマを収容するソースコレクタ装置とを含んでよい。プラズマは、例えば、適切な材料(例えば、スズ)の粒子あるいはXeガスまたはLi蒸気などの適切なガスまたは蒸気の流れなどといった燃料にレーザビームを向けることによって生成することができる。結果として生じるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、これは、放射コレクタを用いて集光される。放射コレクタは、放射を受けて放射をビームに合焦させるミラー法線入射放射コレクタであってよい。ソースコレクタ装置は、プラズマを支持するために真空環境を提供するように配置された閉鎖構造またはチャンバを含んでよい。そのような放射システムを、通常、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ぶ。
【0007】
[0007] EUV投影光学系内のミラーは、堅くて機械的に安定した要素である。高い剛性は、高コントローラ帯域幅を得るために望ましい高い固有振動数をもたらす。しかしながら、レンズ加熱によって引き起こされ得るミラー収差の影響を打ち消すために、意図的に変形させることができるミラーを提供することが提案されている。ここでは、取り入れられた変形は、収差の影響を(少なくとも部分的に)打ち消す。そのようなミラーは、より柔軟である必要がある。そのような剛性の低下は、より低い固有振動数をもたらし、したがって、より低い帯域幅をもたらし得る。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 許容可能なコントローラ帯域幅を維持しながら投影光学系内で変形可能なミラーを利用できることが望ましい。
【0009】
[0009] 第1態様における本発明は、放射ビームをリソグラフィ装置内の基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムを提供する。投影システムは、少なくとも1つのミラーであって、ミラーを位置決めおよび/またはミラーの形状を構成し、かつアクティブ制振をミラーに提供するように動作可能な少なくとも1つのアクチュエータを含む、少なくとも1つのミラーと、(1つ以上の)アクチュエータの制御のためにアクチュエータ制御信号を生成するための少なくとも1つのコントローラとを備え、ミラーを位置決めおよび/またはミラーの形状を構成するときの(1つ以上の)アクチュエータの制御のために第1座標系が使用され、アクティブ制振をミラーに提供するときの(1つ以上の)アクチュエータの制御のために第2座標系が使用される。
【0010】
[0010]第2態様における本発明は、ミラーを備える投影システムを提供し、ミラーの形状は、(1つ以上の)アクチュエータによって加えられる修正変形の効果を最大限にするように特定の収差パターンのために選択される。
【0011】
[0011] 第3態様における本発明は、ミラーの位置を変更するための1つ以上の位置アクチュエータに加えて、ミラーの形状を構成するための単一の変形アクチュエータを含むミラーを提供し、単一の変形アクチュエータは、ミラーの裏面の中央領域で動作可能であり、ミラーはエッジより中心の近くにより厚いプロファイルを有する。
【0012】
[0012] 第4態様における本発明は、ミラーの形状を構成するためのアクチュエータを含むミラーを提供し、アクチュエータは、ミラーと直接接続するための作動ニードルを含む。
【0013】
[0013] 第5態様における本発明は、格子構造を含む放射源であって、格子構造は、少なくとも第1成分波長および第2成分波長に対する格子構造に入射するゼロ次放射を抑制するように動作可能である、放射源を提供する。この格子構造は、少なくとも第1成分波長に対するゼロ次回折放射の破壊的干渉を引き起こすように構成された第1形状と、第1形状に重ね合わされ、かつ少なくとも第2成分波長に対するゼロ次回折放射の破壊的干渉を引き起こすように構成された第2形状とを含むプロファイルを有する。
【0014】
[0014] 第6態様における本発明は、格子構造を含む放射源であって、格子構造は、少なくとも第1成分波長に対する格子構造に入射するゼロ次放射を抑制するように動作可能である、放射源を提供する。この格子構造は、格子構造によって回折された放射が少なくとも第1成分波長に対するゼロ次回折放射に対して破壊的に干渉する3相の放射を含むように、3つの表面レベルを提供する規則的間隔構造を含む周期的プロファイルを有する。
【0015】
[0015] 本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書では例示のためにのみ提示されている。本明細書に含まれる教示に基づき、当業者には追加の実施形態が明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
[0016] 本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を図示し、さらに、記述とともに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成して使用できるように役立つ。本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。
図1図1は、反射型投影光学系を有するリソグラフィ装置を概略的に示す。
図2図2は、図1の装置のより詳細な図である。
図3図3は、図2の装置で使用可能な別の放射源構成を示す。
図4図4は、投影光学構成を示す。
図5図5は、本発明のある実施形態を示す第1システム制御図である。
図6図6は、本発明のある実施形態を示す第2システム制御図である。
図7図7(a)は、単一のアクチュエータによる変形の前後の平面ミラーを示し、図7(b)は、単一のアクチュエータによる変形の前後の本発明のある実施形態によるミラーを示す。
図8図8は、本発明のさらなる実施形態によるミラー構成を示す。
図9図9は、本発明のある実施形態によるアクチュエータ構成を示す。
図10図10は、コレクタSPFの機能を示すEUV源構成を示す。
図11図11は、波長λのゼロ次回折放射の抑制に対する格子プロファイルを示す。
図12図12は、波長λおよび波長λのゼロ次回折放射の抑制に対する本発明のある実施形態による格子プロファイルを示す。
図13図13は、波長λの一次回折放射の改善された抑制を有する波長λのゼロ次回折放射の抑制に対する本発明のある実施形態による格子プロファイルの一部を示す。
図14図14は、図13に示すタイプの格子プロファイルに対する回折効率対回折次数のグラフである。
【0017】
[0017] 本発明の特徴および利点は、これらの図面と併せて以下に記載される詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同じ参照記号は、全体を通じて対応する要素を特定する。図面において、同じ参照番号は、基本的に、同一の、機能的に同様な、および/または構造的に同様な要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0018] 図1は、本発明の一実施形態によるソースモジュールSOを含むリソグラフィ装置100を概略的に示している。このリソグラフィ装置は、
‐放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
‐パターニングデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを支持するように構築され、かつパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
‐基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
‐パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
【0019】
[0019] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0020】
[0020] サポート構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。
【0021】
[0021] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。放射ビームに付与されたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
【0022】
[0022] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0023】
[0023] 投影システムは、照明システムのように、使われている露光放射にとって、あるいは真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折、反射、磁気、電磁気、静電型または他の種類の光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントまたはこれらの組合せを包含することができる。他のガスは放射を吸収しすぎることがあるので、EUV放射に対して真空を用いることが望ましいことがある。したがって、真空環境を、真空壁および真空ポンプを用いてビームパス全体に提供することができる。
【0024】
[0024] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。
【0025】
[0025] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0026】
[0026] 図1を参照すると、イルミネータILは、ソースモジュールSOから極端紫外線(EUV)ビームを受ける。EUV光を生成する方法としては、EUV範囲内の1つ以上の輝線を有する例えばキセノン、リチウムまたはスズなどの少なくとも1つの要素を有するプラズマ状態に材料を変換することが挙げられるが、必ずしもこれに限定されない。そのような一方法では、レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ぶことが多い所要のプラズマは、所要のEUV発光要素を有する材料の小滴、流れまたは群などの燃料をレーザビームで照射することによって生成することができる。ソースモジュールSOは、燃料を励起するためのレーザビームを提供するためにレーザ(図1に示していない)を含むEUV放射システムの一部であってよい。結果として生じるプラズマは、ソースモジュールに配置された放射コレクタを用いて収集された出力放射(例えばEUV放射)を放出する。例えば、CO2レーザを用いて燃料励起のためのレーザビームを提供する場合、レーザとソースモジュールは、別個の構成要素であってもよい。
【0027】
[0027] そのような場合には、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、レーザからソースモジュールへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源がDPP源と呼ばれることが多い放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、放射源は、ソースモジュールの一体部分とすることもできる。
【0028】
[0028] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールドおよび瞳ミラーデバイスといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0029】
[0029] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサPS1を使い、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。
【0030】
[0030] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
1.ステップモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。
2.スキャンモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。
3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0031】
[0031] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0032】
[0032] 図2は、放射システム42、照明システムILおよび投影システムPSを含むリソグラフィ装置の実施形態をより詳細に示している。図2に示すように、放射システム42は、レーザ生成プラズマを放射源として使用するタイプのものである。EUV放射は、ガスまたは蒸気、例えばXeガス、Li蒸気またはSn蒸気によって生成されてよい。このガスまたは蒸気では、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出するために非常に高温のプラズマが生成される。この非常に高温のプラズマは、例えば、COレーザ光を用いる光励起により少なくとも部分電離プラズマを引き起こすことによって生成される。例えば、10PaのXe、Li、Sn蒸気あるいは他のあらゆる適切なガスまたは蒸気の分圧は、放射の効率的な生成のために必要とされる場合がある。ある実施形態では、EUV範囲内の放射を放出するためにSnを用いてプラズマが生成される。
【0033】
[0033] 放射システム42は、図1の装置内のソースSOの機能を組み入れる。放射システム42は、ソースチャンバ47を含む。本実施形態では、このソースチャンバ47は、EUV放射源を実質的に囲うだけではなく、図2の例では法線入射コレクタ(例えば、多層ミラー)であるコレクタ50も囲う。
【0034】
[0034] LPP放射源の一部として、レーザシステム61は、コレクタ50に設けられたアパーチャ67を介してビームデリバリシステム65によって供給されるレーザビーム63を提供するように構築および配置される。さらに、放射システムは、ターゲット材料源71によって供給されるSnまたはXeなどのターゲット材料69を含む。本実施形態では、ビームデリバリシステム65は、所望のプラズマ形成位置73に実質的に合焦されたビームパスを確立するように配置される。
【0035】
[0035] 動作中、燃料と呼ぶこともできるターゲット材料69は、小滴の形態を有するターゲット材料源71によって供給される。そのようなターゲット材料69の小滴がプラズマ形成位置73に到達すると、レーザビーム63は小滴に衝突し、EUV放射放出プラズマがソースチャンバ47の中で形成される。パルスレーザの場合、これは、レーザ放射のパルスが位置73を通過する小滴と一致するタイミングを伴う。上記したように、燃料は、例えば、キセノン(Xe)、スズ(Sn)またはリチウム(Li)であってよい。これらは、数十eVの電子温度を有する高電離プラズマを生成する。より高いエネルギーのEUV放射を、例えばTbおよびGdなどの他の燃料材料によって生成することもできる。これらのイオンの逆励起および再結合中に生成されるエネルギー放射は位置73でプラズマから放出される望ましいEUVを含む。プラズマ形成位置73およびアパーチャ52は、それぞれ、コレクタ50の第1焦点および第2焦点に配置され、EUV放射は、法線入射コレクタミラー50によって中間焦点IFに合焦される。
【0036】
[0036] 図2では放射ビーム56で示されているように、ソースチャンバ47から発散される放射ビームは、いわゆる法線入射リフレクタ53,54を介して照明システムILを横切る。法線入射リフレクタは、ビーム56を、サポート(例えば、レチクルまたはマスクテーブル)MT上に位置決めされたパターニングデバイス(例えば、レチクルまたはマスク)上に誘導する。パターン付きビーム57が形成され、これは投影システムPSによって反射要素58,59を介してウェーハステージまたは基板テーブルWTによって支えられる基板上に結像される。通常、示されているものよりも多くの要素が照明システムILおよび投影システムPS内に存在してよい。例えば、図2に示す2つの要素58および59より1〜4個またはそれより多くの反射要素が存在してもよい。放射コレクタ50に類似した放射コレクタが従来知られている。
【0037】
[0037] 当業者には明らかなように、基準軸X、YおよびZを定義して装置の形状および挙動と、その様々なコンポーネントと、放射ビーム55、56、57とを測定し、記述することができる。装置の各部分では、X、YおよびZ軸の局所基準フレームを定義することができる。Z軸はシステム内の所定の地点で光軸Oの方向と概ね一致し、パターニングデバイス(レチクル)MAの平面とほぼ垂直かつ基板Wの平面と垂直である。ソースモジュール(装置)42では、X軸は燃料流(69、後述する)の方向と概ね一致する一方、Y軸は示すように紙面から突き出る向きに直交する。他方、レチクルMAを保持するサポート構造MTの付近では、X軸は、Y軸に整列したスキャン方向とほぼ交差する。便宜上、図2の概略図の領域では、マークが示すように、X軸も紙面から突き出る。これらの記号は当技術分野での慣例であり、本明細書中では便宜のために採用される。原則的に、装置およびその挙動を記述する任意の基準フレームを選択することができる。
【0038】
[0038] 望ましいEUV放射に加えて、プラズマは、他の波長の放射、例えば、可視のUVおよびDUV範囲の放射を生成する。レーザビーム63からはIR放射も存在する。非EUV波長は、照明システムILおよび投影システムPSには望ましくなく、非EUV放射を遮断するために様々な手段が配置されてよい。図2に概略的に示すように、透過型SPFが仮想光源点IFの上流に適用されてもよい。そのようなフィルタの代わりにまたはそれに加えて、フィルタリング機能を他の光学系に組み入れることができる。例えば、より長いIR放射を仮想光源点IFから離れるように迂回させるように調整された格子構造を提供することによって、回折フィルタをコレクタ50および/またはミラー53,54等に組み入れることができる。したがって、IR、DUVおよび他の望ましくない波長に対するフィルタは、ソースモジュール(放射システム42)、照明システムILおよび/または投影システムPS内のビーム55、56および57の経路に沿って1つ以上の箇所に設けてもよい。
【0039】
[0039] 例えば液体スズである燃料を供給するために、小滴ジェネレータまたはターゲット材料源71がソースチャンバ47内に配置されて小滴の流れをプラズマ形成位置73に向かって発射する。動作中、レーザビーム63は、放射の衝撃を与えて各燃料小滴をプラズマに変換するためにターゲット材料源71の動作と同期して供給される。小滴が供給される周波数は、数キロヘルツ、あるいは数十または数百キロヘルツであってもよい。実際には、レーザビーム63は、レーザシステム61によって少なくとも以下の2つのパルスで供給することができる。限られたエネルギーを有するプレパルスPPが、燃料材料を小さな雲へと気化させるために、小滴がプラズマ配置に到達する前にその小滴に供給される。その後、レーザエネルギーのメインパルスMPが、所望の配置の雲に供給されてプラズマを生成する。典型的な例では、プラズマの直径は約2〜3mmである。トラップ72が閉鎖構造47の反対側に設けられ、何らかの理由によってプラズマに変換されない燃料を捕獲する。
【0040】
[0040] レーザシステム61は、例えば、MOPA(主発振器電力増幅器)型であってもよい。そのようなレーザシステム61は、「マスタ」レーザまたは「シード」レーザを含み、それに続いて、レーザエネルギーのメインパルスを拡大された小滴の集団に向かって発射するための電力増幅器システムPAと、レーザエネルギーのプレパルスを小滴に向かって発射するためのプレパルスレーザとを含む。ビームデリバリシステム24は、レーザエネルギー63をソースチャンバ47に供給するために設けられる。実際には、レーザエネルギーのプレパルス要素は、別のレーザによって供給されてもよい。レーザシステム61、ターゲット材料源71および他のコンポーネントは、コントローラ(図示せず)によって個別に制御されてもよい。コントローラは、多数の制御機能を果たし、システムの様々な要素のためのセンサ入力および制御出力を有する。センサは、放射システム42の要素にまたはその周辺に、かつ任意的にリソグラフィ装置における他の箇所に配置されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、メインパルスおよびプレパルスは、同じレーザから得られる。本発明の他の実施形態では、互いに独立しているが同期して動作するように制御された異なるレーザから得られる。LPP源装置に生じ得る問題としては、レーザビームデリバリシステム65の光学素子がプラズマからのデブリによって汚染されるということである。特に、レンズまたはミラーである最終光学素子は、プラズマから噴出した燃料の粒子に直接露光される。屈折(透過)要素は、スズ堆積物によってすぐに覆い隠され、レーザ放射の透過の減少および望ましくない加熱へと繋がる。銅ミラーなどの反射最終要素は、一時はスズ堆積物により耐性があり得るが、反射および集束の効率を維持するために次第に洗浄を必要とする。
【0041】
[0041] できる限りの汚染を阻止するために、ある種の汚染トラップ80をプラズマ形成部位73とビームデリバリシステム65の光学素子との間に設けてよい。このような場合にいわゆるフォイルトラップの使用が知られている。トラップは、静的または回転フォイルトラップ、あるいはその両方の組み合わせであってもよい。当該技術分野では周知のように、回転フォイルトラップ(RFT)は、望ましい放射ビームの障害にあまりならないように放射方向と整列された多数の薄い羽根を含む。羽根は、ビーム方向と平行の長さに延在し、光軸(O)から放射状に延在する。フォイルが光軸Oの周りを回転すると、動きの遅い汚染物質粒子は、羽根の掃引動作によって捕捉される。あいにくフォイルトラップ自体がビームに対して何らかの障害となり、プラズマ形成位置73に供給される放射電力の損失という結果をもたらす。トラップに吸収された放射は加熱に繋がり、結果的にトラップの変形およびそこからの放射に繋がる。結果的に、RFTは、装置の全体的な性能を維持するために効果的とならない場合がある。例えば、逆流ガスに基づく他のタイプのトラップが代わりに配置される(例えば、低圧窒素)。これらの他のタイプのトラップは、必ずしもデブリを止めるために効果的であるとは限らない。
【0042】
[0042] 図3は、図2に示す構成の代わりに使用することができる別のLPP源構成を示している。主な違いは、メインパルスレーザビームが、集光されるEUV放射が通常メインレーザパルスを受けた方向に放出される放射であるように、中間焦点IFの方向から燃料小滴上に誘導されることである。
【0043】
[0043] 図3は、プラズマ形成位置132に供給されるメインパルスビーム131を放出するメインレーザビームデリバリシステム130を示している。ビームデリバリシステムの少なくとも1つの光学要素、この場合、折り畳みミラー133は、プラズマ位置132と中間焦点との間の光軸に配置される。(ここで使用する「折り畳み」という用語は、ミラーの折り畳みではなくビームの折り畳みを意味する。)位置132でプラズマによって放出されるEUV放射134または光軸Oに沿って折り畳みミラー133に向かって戻らない少なくとも大部分は、斜入射型コレクタ135によって集光される。このタイプのコレクタは既に知られているが、通常はLPP源ではなく放電生成プラズマ(DPP)源で使用される。デブリトラップ136も示されている。プレパルスレーザビーム138を燃料小滴に供給するためのプレパルスレーザ137が設けられている。この例では、プレパルスエネルギーは、中間焦点IFから離れる燃料小滴の横に供給される。この概略図で示す要素が縮尺通りではないことを理解されたい。
【0044】
[0044] 図4に投影システムが、一例として、光学システムフレームに取り付けられた3つの反射ミラーとして示されている。装置では、投影システムは、例えば、より多くの、例えば4つまたは6つのミラーを含んでよく、各ミラーは図4に示すように取り付けられる。ミラーM1、M2およびM3は、ミラー10を6自由度で正確に位置決めできることが好ましいそれぞれの位置決めシステムを介してフレーム17に取り付けられる。サブナノメートル位置精度に対して、各ミラーを制御する位置ループは高いサーボ帯域幅(≧200Hz)を有する必要があり、これはサーボループで見られる機械的固有振動数によって物理的に制限される。ミラー自体は、比較的小型であって比較的単純な構造および高剛性を有するので、動特性は、高コントローラサーボ帯域幅に必要とされる高い内部機械的固有振動数(例えば、>2000Hz)で設計されてよい。アクチュエータ15は、各ミラー10を選択的に位置決めするように駆動する。位置決めアクチュエータ15は、ローレンツ力モータであってよい。位置センサ13などのサーボフィードバック要素を用いて光学システムサブフレーム11に対する要素の位置を測定することができる。制御システムの要件に応じて、位置センサ13を用いてミラー10の相対的な変位、速度および/または加速を決定することができる。
【0045】
[0045] ミラー10の位置決めの精度は、投影システムおよび投影システムフレーム内の振動および他の位置ノイズによって影響され得る。位置ノイズは、例えば、投影システムの外部の影響(例えば、ベースフレームと投影光学システムとの間の振動絶縁または懸架システムを介して送られる音響ノイズ、残留床振動およびスキャン反応力)によって生成され、かつ投影システム要素の位置を調整するために使用するアクチュエータの反応力などの内部影響によって生成される。これらの振動の少なくとも一部を補償する一方法は、ミラー固有振動数のアクティブ制振である。
【0046】
[0046] 例えば、レンズ誘導加熱から結果として得られるミラー収差の影響を打ち消すために、ミラーを変形可能とすることが望ましい。これを行うことにより、ミラー収差を取り消すように変形の取り消しを意図的に取り入れることができる。これは、ミラーをあまり固くしない必要性という結果に自然となる。しかしながら、剛性の低下は、より低い固有振動数となり、したがってより低いサーボ帯域幅となる。
【0047】
[0047] ミラーの低下した剛性は、センサおよびアクチュエータの量が同じままであった場合に減少したサーボ帯域幅を必要とする。例えば、モード制御を加えることにより、センサおよびアクチュエータの数を増加させることによってより高い帯域幅を得ることができる。しかしながら、ミラーに取り付けることができる物理的デバイスの数は少なく、アクチュエータを物理的に接続することは一定量の収差を誘導するので、アクチュエータの数を最小限することは好ましい。したがって、ミラー位置決めおよび変形制御に使用されるのと同じアクチュエータおよび/またはセンサをモード制御のために使用することが提案されている。
【0048】
[0048] 図5は、本発明の第1実施形態のためのシステム制御図を示している。ミラー510位置決めおよび変形のため、かつ共振モードのアクティブ制振のために使用されるアクチュエータ500および/またはセンサ505が示されている。ミラー位置決めおよび変形に対して、特定の座標系、例えば、6剛体位置および多数のゼルニケ多項式(低周波数信号)を含むゼルニケ座標系が必要とされる。アクティブ制振に対して、別の座標系、例えば、モード座標(高周波数信号)を含む座標系が必要とされる。周波数領域において2つの可能なデカップリング行列との間で切り替えることによって、両方の座標系における制御を同時に達成することができる。
【0049】
[0049] ミラー510位置および変形(例えば、6剛体およびNゼルニケコントローラ)およびアクティブ制振(例えば、6+Nモード形状コントローラ)の両方を制御するための多数のコントローラ515が示されている。Nは、所要のミラー変形およびアクティブに制振する必要があるモードの数によって決定される。Nは追加のアクチュエータ/センサの数と等しい。コントローラは、入力iとして、センサ505からのフィードバック信号と組み合わされてより高いレベルの機械ソフトウェアからセットポイント位置およびゼルニケ座標を受け取る。コントローラから出力される制御信号は、モードデカップリング行列520とゼルニケデカップリング行列525とに別々に供給される。モードデカップリング行列520からの出力は、その出力が高周波数信号にのみ有効であるため、ハイパスフィルタ530を通過する。続いて、フィルタリングされた信号は、ミラー510制振を制御するためにアクチュエータ500に供給される。ゼルニケデカップリング行列525からの出力は、その出力が低周波数信号にのみ有効であるため、ローパスフィルタ535を通過する。続いて、フィルタリングされた信号は、ミラー510位置決めおよび変形を制御するためにアクチュエータ500に供給される。
【0050】
[0050] 図6は、図5の構成の変形を示している。この例では、センサ505の測定値も周波数分離を受けることになり、測定されたモード位置は測定されたゼルニケ位置から分離される。モード位置信号を得るために、センサ505信号は、モードデカップリング行列600を介して供給され、その後ハイパスフィルタ620を通過する。これらのモード位置信号は、アクティブ制振の制御のために専用のモードコントローラ515aにフィードバックされ、ここでシステム入力i(ゼロであり得る)と組み合わされる。同様に、ゼルニケ位置信号を得るために、センサ505信号は、デカップリング行列610によってミラーの剛体位置および変形を表現する信号に変換され、ローパスフィルタ630を通過する。これらのゼルニケ位置信号は、ミラー位置および変形を制御するために専用の剛体/ゼルニケコントローラ515bにフィードバックされ、ここでシステム入力i(より高いレベルのソフトウェアによって生成される)と組み合わされる。このようにして、専用のコントローラを2つの制御方式のために使用することができる。
【0051】
[0051] ミラー変形、共振モードのアクティブ制振のために必要なセンサ/アクチュエータを用いることは、高い位置制御帯域幅を可能にし、したがって、低いイメージ位置エラーを可能にする。
【0052】
[0052] 特定の形態の変形を達成するために必要であるアクチュエータの数を最小限にするために、1つ以上のミラーの形状を調整することが提案されている。例えば、図7に示すように、ミラーがより三角形または台形となるようにそのミラーを再形成することにより、中心よりエッジに急峻な変形を作り出すために単一の変形アクチュエータ(位置アクチュエータに加えて、ミラー変形専用の追加のアクチュエータである)のみが必要である。図7は、(a)ミラーの裏面に作用する単一の変形アクチュエータによる変形の前700および変形の後700’の平面ミラーを示し、(b)ミラーの裏面に作用する単一の変形アクチュエータによる変形の前710および変形の後700’の部分台形ミラーを示している。ミラー周辺部における他の力は、ミラーの位置アクチュエータによって提供される。ミラー形状は、単一の変形アクチュエータ(または最小数のアクチュエータ)を用いる特定の形態の最も効率的な作動を可能にするように、例えば、特定のゼルニケ形態の効率的な修正または最も発生する一般の(1つ以上の)ミラー変形のためにミラー形状を選択することができる。
【0053】
[0053] ポジティブミラーの裏面の中心位置に作用する単一の変形アクチュエータのみが使用される場合、ミラーの厚さ形状は、単一の力から結果的に生じる変形が中央のへこみだけではなく所望の形状となるように選択することができる。図8はそのような構成を示している。図8はミラーフレーム810内のミラー800を示し、ミラーは、エッジよりアクチュエータの中心の近くにより厚いプロファイルを有し、かつ単一のアクチュエータのみが使用された場合に変形が所望の変形と一致することを確実にする特定の形状を有する。変形アクチュエータは矢印815で表され、その動作(ミラープロファイルと組み合わせて)によってミラーをXおよびY寸法に曲げる。ミラー位置決めのための位置アクチュエータ820(例えば、6自由度(6dof)ローレンツモータ)も示されている。
【0054】
[0054] 6dof位置アクチュエータの帯域幅を制限するアクチュエータの低周波数を防止するために、ミラー表面と垂直な変形アクチュエータは、ミラー表面に平行な2つのアクチュエータによって支持されてよく、各アクチュエータは、センサおよび(例えば、比例積分微分PID)コントローラを有する。さらに、主要な変形アクチュエータは、通常ローレンツモータで使用されるように、センサおよびコントローラを有してよい。全てのコントローラは、通常ローレンツモータに使用されるように、PIDコントローラからの微分動作(D動作)にアクティブ制振を含んでよい。内部変形の測定は、6dof位置センサとは異なる内部センサを用いて行うことができ、したがって、別の座標系を用いることもできる。
【0055】
[0055] 望ましくないミラー変形を減らすために、最小数のアクチュエータをミラーに接続することが好ましい。例えば、ミラーは3つのインサートを含んでよく、2−Dアクチュエータは各インサートに接続される。誘導レンズ収差により、同様の方法でアクチュエータをさらに加えることは望ましくない。図9は、以下「ニードル」アクチュエータと呼ぶタイプのアクチュエータ900を示し、これはインサートを用いてミラー910に接続されないがミラー材料に直接接続される。ニードルアクチュエータ900は小さい力を加えるだけであり、したがって小さいアクチュエータユニットを必要とするだけであるため、ニードルアクチュエータ900は、非作動方向に非常に柔軟であり得る。ミラー材料にノッチ920を設けること以外は、ミラー自体に特定の寸法を必要としていない。ある実施形態では、ニードルアクチュエータは、押すことだけ可能であり、したがってプレストレスを与えることが必要である。
【0056】
[0056] LPP EUV源は、その出力に高赤外(IR)成分を有してよく、燃料を励起するために使用されるレーザによって放出されて燃料小滴からコレクタに向かって反射するIR放射からが主である。このIR成分は、オーバーレイエラーに繋がるウェーハ加熱および光学(過)熱を防止するために放射源出力からできる限り取り除かれるべきである。
【0057】
[0057] この問題は図10に概略的に示されている。図10は燃料小滴310に入射するIRレーザビーム300を示している。一部のIR放射320はコレクタ50に戻るように反射する。IRフィルタリングは、コレクタ50表面(「スペクトル純度フィルタ(SPF)コレクタ」と呼ばれることがある)に組み込まれる格子330を設けることによって実現することができる。この格子330を調整して10.6μmの駆動IR波長のためのゼロ次反射放射340(これはフィルタ330によって基本的に抑制されるので点線として示される)を打ち消す。次いで一次反射放射350(および他の次数)は、中間焦点(IF)でまたはその近くのキャップ360によって遮断することができる。
【0058】
[0058] このゼロ次相殺は、単一の特定波長に特有であり、二次ラインに対して効果的ではない。これは二次IRラインが効果的に抑制されていないことを意味し、IRレーザまたはデリバリシステムで除去される必要がある。この制限は、多数のCO出力ラインの使用を効果的に防止することによってレーザシステムからの正味のIR出力を制限する。
【0059】
[0059] 一部の現在のCOIRレーザは、主要な10.6μmラインに加えて波長9.6μmの強力な二次ラインを出力する。このラインの使用は、全体的な出力を10%増加させることができる。多数の出力ラインの使用は、波長フィルタリングが必要ないかまたは少ない波長フィルタリングが必要であることを意味し、さらに、より少ないレベル遷移障害の存在を意味する。
【0060】
[0060] コレクタ上の抑制格子は破壊的干渉の基本原理を使用し、格子の上部領域からの各寄与は、下部領域からの位相外れの同等の寄与によって打ち消される。これは上部と下部の等面積(デューティサイクルDC=50%)および格子深さλ/4(より一般的にはλ/4+n*λ/2)と同じである。
【0061】
[0061] 図11は、これらの条件を満たす最も単純なプロファイル200を示している。pは格子ピッチ(一例として、1000μmであってよい)を表し、λは格子によって抑制される波長(例えば、10.6μm)である。図に示すように、プロファイル200は、格子深さλ/4(例えば、2.65μm)を有する二元(方形波)構造を表す。
【0062】
[0062] 追加される形状が格子の上部および下部の両方で同一となるように、さらなる形状を図10の構造に追加することによってこの基本的なレイアウトを広げることが提案されている。このようにして、各寄与に対して依然として180度の位相外れの同等の寄与が存在する。
【0063】
[0063] 一実施としては、基本ピッチpを有する格子に重ね合わされたハーフピッチp2=p/2を有する段階格子の追加が挙げられる。同様に、別の実施としては、ダブルピッチp2’=2*pを有する段階格子をピッチpを有するオリジナル格子に重ね合わせることが挙げられる。
【0064】
[0064] 図12は、これらの実施のうちの後者のプロファイル210を示している。繰り返しとなるが、pは(メイン)格子ピッチを表し、λは格子によって抑制されるメイン波長(例えば、10.6μm)である。λは、格子によって抑制される二次波長(例えば、9.6μm)である。プロファイル210は、便宜上、図11のプロファイル200に重ね合わされて示されている(ここでは点線で示している)。格子の上部および下部のそれぞれの上に、深さλ/4(前述の例では2.4μmになり得る)を有するステップが追加されてこの二次波長の破壊的干渉のための条件を満たす。
【0065】
[0065] 図12のプロファイルは、基本ピッチpを有する格子に重ね合わされたハーフピッチp2=p/2を有する段階格子の追加を含む例にとって好ましい場合がある。なぜなら、これはメイン波長(10.6μm)の抑制が損なわれるのが最低限になることを意味するからである。より大きいピッチは、IR放射がより小さい角度で回折されて熱負荷が空間フィルタまたはアパーチャの近くでより集中していることを意味する。したがって、最も強い波長がより小さいピッチを有することが好ましい。
【0066】
[0066] この概念は、形状が上部および下部の両方のプロファイルに対して等しい限り、任意の形状の格子を含むようにさらに一般化することができる。したがって、このステップ形状は、一次抑制を維持しながらあらゆる所望の二次特性のために設計することができる。
【0067】
[0067] 実際には、この一般化は、基本的な破壊的干渉条件が満たされている限り、上部および下部の両方の形状が自由形状であるさらなるステップをとることができる(「各寄与に対して180度の位相外れの同等の寄与が必要である」)。
【0068】
[0068] この原理は、3つ以上の波長を抑制するための単純な方法で広げることができる。(しかし、実際には、これはピッチおよびエッジ損失の考慮によって制限される。追加の波長ごとに、ピッチの倍増および追加のエッジを必要とする。)これは、最適な波長および/またはレーザタイプがメインパルスと比べてプレパルスに対してはかなり異なり得る例に対して有用となり得る(例えば、プレパルスに対して1μmで出力するNd−YAGレーザ、メインパルスに対して10.6μmおよび9.6μmの両方で出力する上述したCO2レーザ)。プレパルスに対するパワーは、さらに、コレクタ格子330がメインパルスの(1つ以上の)波長に対してのみ調整された場合に制限されるべきである。
【0069】
[0069] (密接配置された波長を有する)デュアルラインIRメインパルスおよび(約10倍短い波長を有する)別のプレパルス波長の特定の例に対して、本明細書中に記載された概念を、長いおよび短い波長の両方を抑制するように格子深さが選択される従来型の深さの最適化と組み合わせることができる。既に述べたように、深さがλ/4+n*λ/2の式を満たす場合、破壊的干渉が発生し、したがって、nを変化させることにより同じ深さが2つの異なる波長を満たすことができる。この具体例では、10.6μm放射に加えて、深さ2.65μmは、1μm波長放射を妥当な程度にまで抑制する。一実施形態では、両方の格子深さ(すなわち、メイン格子の深さおよびメイン格子に重ね合わされた格子の深さ)は、メインパルスおよびプレパルスの両方の寄与を抑制するように選択される。
【0070】
[0070] λ/4格子は、ゼロ次を相殺するように(2つの均等に広い表面積からの)同等の強度および逆位相(λ/4異なる表面垂直位置)の2つの信号の生成に依拠する。便宜な表示としては複素平面がある。幅wおよび深さzの各平面要素は、以下のように点pで表される。
【数2】

上の式では、
【数3】

である。ゼロ次が消える条件は、Σp=0の場合である。λ/4格子は、2つの対点、p=pで表される。
【0071】
[0071] 上記したこのようなλ/4格子は、ゼロ次反射を強く抑制することに効果的であるが、格子は2つの一次における入射パワーの40%を反射する。図10に示すように、一次は、このパワーが消散されるIFキャップ360によって遮断される。
【0072】
[0072] MOPA−PP駆動レーザの場合のように、レーザパワーがコレクタ50上のホットスポットに集中した場合、IFキャップ360上に2つのホットスポットが生じ、各ホットスポットは、コレクタによって送られるパワーの約40%を含む。したがって、この熱負荷は、IFキャップ360の最大仕様を超え、高パワーレベルおよび高デューティサイクルの機械的損傷をもたらし得る。
【0073】
[0073] したがって、三重相λ/6格子を、λ/4格子の代わりにコレクタ格子330として用いることが提案されている。この格子は、ゼロ次も同様に抑制する一方、反射する一次放射を、λ/4格子に対する40%と比べて入射パワーの23%に減少させる。したがって、一次ホットスポットパワーは、二倍近く減少され、IFキャップ360に対するダメージのリスクを減少させる。
【0074】
[0074] 図13は、そのような格子を構成する構造のうちの1つの断面を示している。格子は、格子のより下部プロファイルと中間プロファイルとの間に深さλ/6を有する。繰り返しとなるが、λは入射放射の波長である。
【0075】
[0075] λ/6格子は、λ/4格子の次に格子の最も単純な一般化である。図13に示すように3つのほぼ等しい表面が存在するところでは、複素平面内の原点に中心がある正三角形として表すことができる。三相の解決策では、高差がΣp=0となるように選択される限り、レベルの幅は異なってもよい。三重相格子に対しては、6つのパラメータ、wおよび
【数4】

がある。位相のうちの一つ、例えば
【数5】

をゼロに設定できることを考慮に入れると、以下のとおりとなる。
【数6】

そして、2つの独立したパラメータが残る。w=wを選択することにより、これを単一の自由パラメータwに減少させ、キルヒホッフ格子近似または標準電磁コードを用いて一次と二次との間の所望の比率のために最適化することができる。
【0076】
[0076] 図14は、一例として、w=w=w=0.321P、w=P−2wに対する、厳密結合波理論(RCWA)コードを用いて波長λ=10.6μmの光で照らされたピッチPの二波格子から得られる回折パターンを示している。上の式では、回折効率はy軸にあって、回折次数はx軸にある。
【0077】
[0077] 構造の全高は、幅および位相の選択によって変化する。λ/4格子に対してより大きく、λ/3で最大である。このようにして、一次および二次をさらに最適化し、強度をほぼ同等にすることができる。
【0078】
[0078] この概念は、あらゆる数の位相レベルに一般化することができる。位相レベルの数を二倍にすることによって、この概念を図12に関連して説明した概念と組み合わせることができる。
【0079】
[0079] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
【0080】
[0080] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
【0081】
[0081] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10
図11
図12
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図14