(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作受付手段は、前記関連表示要素の最終的な表示位置を受け付けるまでの間、前記関連表示要素が前記第1の領域に重畳すること又は前記第2の領域の外縁を超えて移動することを許容するが、
前記操作受付手段が前記関連表示要素の表示位置の変更を受け付けた場合、前記情報表示手段は、前記第1の領域に重畳せずかつ前記第2の領域の外縁を超えない位置に前記関連表示要素を表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
前記操作受付手段が前記関連表示要素を表示させる操作を受け付けた直後、前記情報表示手段は、前記第2の領域の中央に前記関連表示要素を表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
前記警告情報は画像形成装置の外観が模倣された第1のアイコンを含み、予め定められた状態となった前記画像形成装置の箇所と同じ前記第1のアイコンの箇所が強調表示されている請求項6に記載の情報処理装置。
前記第1の領域に表示される前記画像形成装置の状態情報は、前記画像形成装置の外観を模倣した第2のアイコンを含み、予め定められた状態となった前記画像形成装置の箇所と同じ前記第2のアイコンの箇所が強調表示されている請求項10に記載の情報処理装置。
前記第1の領域に表示される前記画像形成装置の状態情報は、前記画像形成装置に設定されている印刷条件が予め定められた印刷条件と異なることを通知するアイコンを含む、請求項9に記載の情報処理装置。
前記第1の領域には、前記画像形成装置の状態情報に加え、前記画像形成装置が印刷ジョブを受け付けることを停止するボタン、前記画像形成装置が印刷ジョブの受け付けを停止した後に印刷ジョブの受け付けを再開することを受け付けるボタン、又は、前記画像形成装置にエラーが発生したという記録の消去を受け付けるボタンが表示される請求項9に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
<本実施形態の画像形成装置のユーザインタフェースの概略>
図1は、本実施形態の画像形成装置のユーザインタフェースの概略を説明する図の一例である。
図1(a)に示すように、本実施形態の画像形成装置のユーザインタフェース(以下、UIという)5は、主に、画像形成装置の現在の状態を表示する現在状態表示エリア11、画面遷移メニュー表示エリア12、及び、各種情報表示エリア13の3つのエリアを有している。上段の現在状態表示エリア11、中段の画面遷移メニュー表示エリア12、及び、下段の各種情報表示エリア13は互いに隣接している。
【0014】
そして、本実施形態では、現在状態表示エリア11は画像形成装置の現在の状態を表示するためのエリアであり、ポップアップ画面99により隠れることがない。
【0015】
図1(b)はポップアップ画面99が表示されたUI5の一例を示す図である。ポップアップ画面99は現在状態表示エリア11に重畳しないように表示される。
【0016】
したがって、本実施形態のUI5によれば、画像形成装置の作業者が画像形成装置の現在の状態を定常的に把握することが可能になる。
【0017】
なお、「定常的」とは常に現在状態表示エリア11が隠れることなく表示されることをいう。しかし、画面遷移の途中など一時的又は過渡的には隠れることがあってもよい。また、マウスカーソル等のポインティングデバイスで隠れてもよい。
【0018】
<構成例>
図2は、印刷システム200の全体構成図の一例を示す。この印刷システム200は業務用の大量の文書を印刷したり製本したりするいわゆる商用印刷(プロダクションプリンティング)を前提としたものである。本実施形態に係る印刷システム200は、LANやインターネットなどのネットワーク3を介して接続された、一台以上のエンドユーザ環境1と、POD(Print On Demand)印刷システム環境2とを有する。
【0019】
エンドユーザ環境1にはクライアントPC22が配置されている。クライアントPC22はPOD印刷業務向けのワークフローアプリケーションが搭載されており、ユーザの操作を受け付けて印刷ジョブの生成を行う。
【0020】
クライアントPC22は用紙面に複数の論理的なページイメージを複数貼り付けるための集約印刷機能(Number Up面付け機能)、ヘッダー、フッター、ページ番号などを付加するためのイメージ編集機能を有する。また、クライアントPC22は印刷製本のための穴あけ(パンチ)指示やステープル留め(ステープル)などの指示を指定することができる。これらの指示や設定はJDF(Job Definition Format)に記述される。JDFはジョブチケット又は作業指示書、印刷指示書などと呼ばれる場合がある。
【0021】
POD印刷システム環境2は、ネットワーク3で接続された、工程管理部20、デジタル印刷部30及びポストプレス部25を有している。工程管理部20はPOD印刷システム環境2においてデジタル印刷部30及びポストプレス部25の各工程に対して作業を指示し、POD印刷システム環境2のワークフローを一元管理する。
【0022】
なお、図示する構成は一例であって、印刷システム200が独立した工程管理部20を有しておらず工程管理部20がデジタル印刷部30と統合されていたり、さらにポストプレス部25とも統合されていたりしてもよい。
【0023】
工程管理部20は、エンドユーザ環境1から印刷ジョブを受信し、印刷ジョブを保存する。この印刷ジョブはJDFとPDL(Page Description Language)とを含んでいる。JDFには上記のように各種の印刷条件が記述されているのに対し、PDLは印刷の対象となる画像データである。なお、PDLとはページイメージ(ラスタライズされた画像)の描画内容を指示するための言語であるが、ここではPDLで記述されたデータを意味している。PDLには、PDF(Portable Document Format)、PostScript、PCL、RPDLなどがある。
【0024】
また、工程管理部20はPCサーバ21を有する。PCサーバ21は、作業者26の操作を受け付けて、エンドユーザ環境1から送信された印刷ジョブに基づいて各工程における作業をワークフローとして組み立てたり、デジタル印刷部30やポストプレス部25の作業を効率よくスケジューリングしたりする。デジタル印刷部30やポストプレス部25の状態はPCサーバ21に送信され、作業者26はワークフローにおける各印刷ジョブの進行状況やエラーの有無などを確認できる。
【0025】
ワークフローの設定が行われると、PCサーバ21は、印刷ジョブをデジタル印刷部30に送信し印刷を行わせる。また、印刷物はポストプレス部25に搬送され、PCサーバ21からの指示によりポストプレス部25は製本などを行う。なお、デジタル印刷部30から直接、印刷ジョブがポストプレス部25に送信されてもよい。
【0026】
デジタル印刷部30は、種々の画像形成装置(プロダクション向けプリンター、高速カラーインクジェットプリンタ、カラー/モノクロMFPなどのプリンター装置)31を含むように構成される。デジタル印刷部30には、DFE(Digital Front End)32が配置される。DFE32はプリンター制御装置や画像処理装置とも呼ばれ、画像形成装置31による印刷を制御する。DFE32は、図示するように画像形成装置31と別体でもよいし、画像形成装置31と一体でもよい。DFE32は、工程管理部20から印刷ジョブを取得すると、JDFとPDLを用いて商用印刷用の画像形成装置31がトナー像又はインクによる画像を形成するための描画データ(ラスターデータ)を生成して画像形成装置31に送信する。
【0027】
このDFE32にモニター24が接続される場合がある。モニター24にはPCサーバ21がディスプレイ23に表示するUI5と同じUI5が表示される。この場合、作業者26はこのモニター24を見ることで、ワークフローにおける各印刷ジョブの進行状況やエラーの有無などを確認できる。なお、モニター24又はディスプレイ23は表示装置の一例である。
【0028】
なお、デジタル印刷部30には印刷した記録紙に対して、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、パンチ等の後加工(後処理)を行うためのフィニッシャ(後処理装置)と直接接続した画像形成装置31が含まれていてもよい。
【0029】
ポストプレス部25は、工程管理部20から受信した印刷物(ポストプレスジョブ)の作業指示に従って、紙折り機、中綴じ製本機、くるみ製本機、断裁機、封入機、帳合い機等の後処理デバイスを含むように構成される。また、ポストプレス部25はデジタル印刷部30より出力された印刷物に対して、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、断裁、封入、帳合い等の仕上げ処理を実行する。ポストプレス部25には、ステープラ33、パンチ穴開け機34など、デジタル印刷後の後加工(後処理)を行うための後処理装置が含まれている。
【0030】
<PCサーバ、DFEのハードウェア構成>
図3は、DFE32のハードウェア構成図の一例を示す。DFE32は、情報処理装置(コンピュータ)としての機能を有している。DFE32は、バス329で相互に接続されているCPU321、RAM322、補助記憶装置323、通信装置324、入力装置325、表示制御部326、及び、記録媒体I/F327を有している。
【0031】
CPU321は、RAM322をワークメモリにしてプログラム328を実行することで、DFE32の全体を制御する。補助記憶装置323は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発メモリである。補助記憶装置323は後述する機能を有するプログラム328の他、OS(Operating System)、印刷ジョブ及び各種のデータを記憶している。
【0032】
通信装置324は、モデムやLANカード等であり、ネットワーク3に接続してエンドユーザ環境1、工程管理部20又はポストプレス部25と通信する。通信は無線で行われても有線で行われてもよい。また、DFE32は通信装置324を介して画像形成装置31と通信してもよいし、例えばUSBのようなケーブル(専用線)で画像形成装置31と通信してもよい。
【0033】
入力装置325は作業者の操作や入力を受け付けるキーボードやマウスなどである。キーボードは文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えこれらからの入力を受け付ける。マウスはマウスポインターの移動及び各種指示の選択や実行、処理対象の選択などを受け付ける。
【0034】
表示制御部326はモニター24と接続されており、CPU321からの指示によりモニター24にUI5を表示する。なお、モニター24にタッチパネルが形成されている場合、モニター24に表示されたUI5の項目の選択等をタッチパネルが受け付けることができる。
【0035】
記録媒体I/F327は、可搬型の記録媒体を脱着可能であり、CPU321からの指示により記録媒体331にデータを書き込んだり、記録媒体331からデータを読み出したりする。記録媒体331は、例えば光ディスク、USBメモリ、SDカード(登録商標)等、光学的,電気的、又は、磁気的に記録する媒体、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプのものを用いることができる。
【0036】
なお、プログラム328はインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録媒体331に記憶された状態で配布されるか、又は、プログラム配信用のサーバからネットワーク3を介してダウンロードされることで配布される。
【0037】
本実施形態では、DFE32だけでなく
図2のPCサーバ21又はネットワーク3に接続可能な任意の情報処理装置がUI5を表示することが可能である。しかし、PCサーバ21及び任意の情報処理装置のハードウェア構成図は
図3と同様の構成で実現できる。
【0038】
<DFE、PCサーバの機能について>
図4は、DFE32及びPCサーバ21の機能ブロック図の一例を示す。DFE32は、ワークフローにおいてジョブ制御、RIP(Raster Image Processor)制御、及び、プリンター制御を行う。DFE32はエンドユーザ環境1や工程管理部20に対し印刷の主要な機能を提供するサーバとして動作する。なお、ジョブ制御とは、印刷ジョブの受け付け、JDFの解析、描画データの作成、及び、画像形成装置31による印刷等、印刷ジョブの手順の一連の制御をいう。RIP制御とは、JDFとPDLから描画コマンドを作成してRIPエンジン59に描画データを作成させる制御をいう。「RIP」とは「Raster Image Processor」の略であり、描画データを作成する専用のICや描画データを作成すること(レンダリングをすること)をいう。プリンター制御とは、画像形成装置31に描画データを送信して印刷を行わせる制御をいう。
【0039】
DFE32は、操作入力受付部41、UI制御部42、Webサーバ機能提供部43、送受信部44、ジョブ受信部45、システム制御部46、ジョブ制御部47、RIP部48、及び、プリンター制御部49を有している。これら(操作入力受付部41、UI制御部42、Webサーバ機能提供部43、送受信部44、ジョブ受信部45、システム制御部46、ジョブ制御部47、RIP部48、及び、プリンター制御部49)は、CPU321がプログラム328を実行し、
図3に示した各種のハードウェアと協働することで実現される。
【0040】
また、DFE32は、
図3に示したRAM322や補助記憶装置323又は記録媒体331などに構築されたジョブデータ格納部51及び画像格納部52を有している。ジョブデータ格納部51及び画像格納部52は、ネットワーク上に設けられてもよい。
【0041】
ジョブ受信部45は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行すること及び通信装置324等によって実現され、ネットワーク3を介してPCサーバ21(クライアントPC22から直接受け付けてもよい)から印刷ジョブを受け付ける。ジョブ受信部45は、例えば、受信したデータから印刷ジョブであるJDFとPDLを取り出し、システム制御部46に出力する。例えば、ログとして、一意のジョブ番号、受付日時、終了日時及び現在の実行工程などを印刷ジョブに関連付けて記録する。
【0042】
【表1】
表1はJDFに含まれる情報の一例を示す。JDFにはジョブ情報、EDIT情報、Finishing情報などが含まれるがこれらは一例であり、印刷に必要な多種多様な情報が含まれうる。
【0043】
システム制御部46は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行することで実現され、印刷ジョブのジョブ制御、RIP制御、及び、プリンター制御を行う。まず、受信した印刷ジョブをジョブデータ格納部51に格納するか、又は、ジョブ制御部47に出力する。例えばJDFにジョブデータ格納部51に格納させておくと記述されている場合は(後で作業者26が印刷ジョブを実行する)、ジョブデータ格納部51に格納させる。また、JDFに即時の印刷ジョブを実行すると記述されている場合はジョブ制御部47に出力する。ジョブ制御部47が別の印刷ジョブを実行中の場合は、一時的にジョブデータ格納部51に格納しておき別の印刷ジョブが終了したらジョブ制御部47に出力する。
【0044】
また、システム制御部46は、操作入力受付部41又はPCサーバ21から印刷ジョブの実行の指示を受け付けると、ジョブデータ格納部51に格納された印刷ジョブをジョブ制御部47に出力する。また、システム制御部46は、ジョブ制御部47がRIP部48に作成させた描画データをプリンター制御部49に印刷させる。操作入力受付部41は操作受け付け手段の一例である。
【0045】
システム制御部46は、各印刷ジョブの状態(実行中、順番待ち状態、待機状態、及び、実行済み状態など)を管理して上記のログに記録する。システム制御部46は、JDF(各印刷ジョブの状態を含む)、及び、後述する機器状態情報DiをWebサーバ機能提供部43に送出する。
【0046】
ジョブ制御部47は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行することで実現され、システム制御部46から受け取った印刷ジョブのJDFから印刷に関する設定を取得する。また、ジョブ制御部47は、JDFとPDLから描画コマンドを作成してRIP部48に対し描画データを作成させる。
【0047】
RIP部48は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行することで実現され、描画コマンドを実行してラスタライズを行うことで描画データを作成する。作成された描画データは画像格納部52に記憶される。画像格納部52は作成された描画データが格納される記憶手段である。
【0048】
プリンター制御部49は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行することで実現され、画像形成装置31と接続されており、画像格納部52に格納されている描画データを読み出して画像形成装置31に送信することで印刷を行う。プリンター制御部49は、ジョブ制御部47から取得したFinishing情報を画像形成装置31に送信する。Finishing情報は、表1に示したようにステープル、パンチ、折りに関する情報、トリム、出力トレイ、入力トレイなどを指定する。
【0049】
また、プリンター制御部49は、画像形成装置31と通信して、画像形成装置31の機器状態情報Diを取得する。表2は機器状態情報Diの一例を示す。
【0050】
【表2】
機器状態情報Diは、例えば「機器の構成、機器の状態、カウンター、印刷条件、ジョブ進行情報」などである。表2の機器状態情報Diは一例に過ぎず、画像形成装置31から取得可能な全ての情報又はこの情報のうち有用な情報が含まれ得る。また、プリンター制御部49は画像形成装置31から機器状態情報Diを取得できるかどうかにより通信状態を判断する。プリンター制御部49はこの通信状態を含む機器状態情報Diをシステム制御部46に送出する。
【0051】
操作入力受付部41は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行すること及び入力装置325により実現され、作業者26の各種の操作及び入力を受け付ける。
【0052】
UI制御部42は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行すること及び表示制御部326により実現され、モニター24にUI5を表示する。詳細は、PCサーバ21のUI作成部63にて説明する。
【0053】
Webサーバ機能提供部43は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行することで実現され、PCサーバ21や任意の情報処理装置に対しWebサーバとして動作する。Webサーバ機能提供部43は、システム制御部46から各印刷ジョブのJDF、及び、機器状態情報Diを取得して、PCサーバ21が解釈可能なUI情報を作成する。UI情報は、例えばHTML、XML(若しくはJSON)及びAction Scriptを主な言語とするFLASH(登録商標)などで作成されている。すなわち、UI情報はWebアプリやWebページとして提供される。
【0054】
送受信部44は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行すること及び通信装置324等によって実現され、UI情報(
図4では"UI"で示す)をPCサーバ21に送信する。また、送受信部44は、PCサーバ21から作業者26の操作内容を示す操作情報Opを受信する。
【0055】
続いて、PCサーバ21の機能について説明する。PCサーバ21は、送受信部61、操作入力受付部62、及び、UI作成部63を有している。これら(送受信部61、操作入力受付部62、及び、UI作成部63)は、CPU321がプログラム328及びUI情報を実行し、
図3に示した各種のハードウェアと協働することで実現される。
【0056】
送受信部61は、
図3に示されているCPU321がプログラム328の命令を実行すること及び通信装置324等によって実現され、DFE32からUI情報を受信する。また、送受信部61はDFE32に操作情報Opを送信する。通信プロトコルには例えばHTTP、REST、SOAPなどが使われるがこれらに制限されるものではない。
【0057】
操作入力受付部62は、
図3に示されているCPU321がプログラム328とUI情報の命令を実行すること及び入力装置325により実現され、作業者26の各種の操作及び入力を受け付ける。操作入力受付部62が入力を受け付けた情報が操作情報Opである。操作入力受付部62は操作受け付け手段の一例である。
【0058】
UI作成部63は、
図3に示されているCPU321がプログラム328とUI情報の命令を実行すること及び表示制御部326により実現され、PCサーバ21と接続されたディスプレイ23に表示するUI5を作成して表示する。
【0059】
UI作成部63は、さらに現在状態作成部64、画面遷移メニュー作成部65、各種情報作成部66、ポップアップ画面作成部67及び設定保持部68を有している。現在状態作成部64は、現在状態表示エリア11に表示される現在状態を作成する。この現在状態表示エリア11をステータスバーと称する場合がある。画面遷移メニュー作成部65は画面遷移メニュー表示エリア12に表示される画面遷移メニューを作成する。各種情報作成部66は、各種情報表示エリア13に表示される各種情報を作成する。ポップアップ画面作成部67は、UI情報を解析してポップアップ画面99を作成する。
【0060】
UI作成部63は、現在状態を現在状態表示エリア11に配置し、画面遷移メニューを画面遷移メニュー表示エリア12に配置し、各種情報を各種情報表示エリア13に配置する。現在状態表示エリア11、画面遷移メニュー表示エリア12及び各種情報表示エリア13はプログラム328が構築するプログラムウィンドウ内に配置される。プログラムウィンドウ内における各エリアの位置は予め定められている。あるいは、作業者26が各エリアの位置を設定することができる。また、UI作成部63は、現在状態表示エリア11に重畳しないようにポップアップ画面99の配置を決定する。
【0061】
設定保持部68は、作業者によって設定されたUI5の表示に関する設定が記憶されている。設定保持部68には、例えば、ポップアップ画面99と現在状態表示エリア11の拡張部分のどちらを優先するかが設定されている。現在状態表示エリア11の拡張部分については
図16にて説明する。
【0062】
<<UI作成部の実現方法の一例>>
図5(a)はPCサーバ21によるUI作成部63の実現方法を模式的に説明する図の一例である。一般的な情報処理装置と同様に、PCサーバ21はOS上でブラウザソフトウェアを実行することで、Webサーバから送信されたWebページをディスプレイ23に表示する。Webページは少なくとも一部にHTML71による記述を含む。また、適宜、JDFの内容がXML(若しくはJSON)などで送信される。
【0063】
しかしながら、HTML71はユーザサイドで表示をカスタマイズすることが困難であることが知られている。このため本実施形態ではDFE32がHTML71及びSWF72により記述されたWebアプリとしてUI情報を作成することで、ユーザサイドでUI5を柔軟に変更することを可能にした。SWF72は、FLASH(登録商標)により作成されたプログラムのファイルである。SWF72はJavaScript(登録商標)を介してHTMLデータに埋め込まれている。
【0064】
SWF72をPCサーバ21が実行するためには、SWF72を実行するためのプレイヤー74がブラウザソフトウェア73にインストールされている必要がある。プレイヤー74は、ブラウザソフトウェア73に機能を追加するためのプラグインの1つである。したがって、ブラウザソフトウェア73にプレイヤー74がインストールされたPCサーバ21がUI情報を実行することで、ユーザサイドでUI5を柔軟に変更することが可能になる。
【0065】
また、PCサーバ21はSWF72を実行することで、DFE32と非同期にHTTP通信等を行うことが可能である。すなわち、PCサーバ21がディスプレイ23に表示する画面を遷移させずにDFE32と通信できる。
【0066】
なお、このようなFLASH(登録商標)を用いたUI作成部63の実現方法は一例であって、HTML5、JavaScript及びAjax(Webページのリロードを伴わずにサーバとXML(若しくはJSON)形式のデータをやり取りして処理を進めていく)などを用いてPCサーバ21がUI情報を受信してUI5を表示してもよい。
【0067】
図5(b)はUI作成部63の実現方法の変形例を示す図である。
図5(a)では、プレイヤー74がインストールされているブラウザソフトウェア73がUI情報を実行すると説明した。しかしながら、PCサーバ21はOS75上で直接、プレイヤー74を実行することも可能である。これは、プレイヤー74がHTMLデータ等を解釈する機能を有しているためである。したがって、プレイヤー74がインストールされているPCサーバ21は、本実施形態のUI情報を解釈してUI5を表示できる。
【0068】
<<DFEのUI制御部について>>
上記したDFE32のUI制御部42は、PCサーバ21のUI作成部63と同じように実現することができる。すなわち、UI制御部42がブラウザソフトウェア73やプレイヤー74などの機能を有していれば、UI制御部42がWebサーバ機能提供部43からUI情報を取得することでモニター24にUI5を表示できる。
【0069】
このようにUI制御部42を構成することで、モニター24とディスプレイ23のいずれでもUI5を同じ仕組みで表示できるため、開発コストを抑制できる。
【0070】
なお、PCサーバ21がディスプレイ23にUI5を表示する仕組みとは異なる仕組みでUI制御部42がモニター24にUI5を表示してもよい。ブラウザソフトウェアを使わない仕組みとして、例えばVisual BASIC(登録商標)やVisual C#(登録商標)、Java(登録商標)などで記述されたUI情報をUI制御部42が解析し表示する方法がある。
【0071】
<UIの一例>
本実施形態のUI5は多種多様な情報を提示でき、また、作業者がカスタマイズすることも可能である。したがって、次述するUI5はあくまで一例として説明する。
【0072】
図6は、UI5の一例を示す図である。上記のようにUI5は現在状態表示エリア11(第1の領域又は第2表示要素の一例)、画面遷移メニュー表示エリア12(第2の領域の一例)及び各種情報表示エリア13(第2の領域又は第1表示要素の一例)を有している。Webサーバ機能提供部43はJDF及び機器状態情報Diを用いてこれらのエリアを含むUI5を表示するためのUI情報を作成する。
【0073】
<<現在状態表示エリア11>>
現在状態表示エリア11は、ステータス表示部101、ジョブ情報表示部102、ジョブ受付停止ボタン103、ジョブ受付開始ボタン104、エラーリセットボタン105、インフォメーション表示部106、機器アイコン部107及び開閉ボタン108を有している。
・ステータス表示部101…画像形成装置31との通信状態が表示される。画像形成装置31との通信状態には、DFE32が通信できることを意味するREADY、通信できないことを意味するNot Raedy等がある。Webサーバ機能提供部43は機器状態情報Diに含まれる通信状態により画像形成装置31の通信状態を決定する。
・ジョブ情報表示部102…現在実行中の印刷ジョブのジョブ名1021(印刷対象のファイル名でもよい)、進行状況1023、処理経過時間1022及び処理残り時間1024が表示される。これらの情報はJDF及び機器状態情報Diが加工されて表示される。加工の一例を説明する。Webサーバ機能提供部43は、システム制御部46が出力するJDFから現在実行中の印刷ジョブの総ページ数と部数、及び、プリンター制御部49が画像形成装置31から取得した、印刷が終了したページ数を取得する。進行状況1023は「印刷が終了したページ数÷(総ページ数×部数)」により算出できる。また、Webサーバ機能提供部43は、システム制御部46から取得した印刷ジョブの実行開始時刻を現在時刻から減じることで処理経過時間1022を求める。また、Webサーバ機能提供部43は、印刷が終了したページ数と処理経過時間から現在までの1ページあたりの印刷時間(印刷速度)を算出し、印刷速度で残りのページ数を割ることで処理残り時間1024を求める。なお、このような加工は、PCサーバ21の現在状態作成部64が行ってもよい。
・ジョブ受付停止ボタン103…作業者26がDFE32に対し印刷ジョブの受け付けを停止させるためのボタンである。例えば、画像形成装置31が停止したような場合に、作業者26はDFE32がそれ以上の印刷ジョブを受け付けないように緊急処置としてジョブ受付停止ボタン103を押下する。操作情報Opにより又はDFE32の操作入力受付部41によりジョブ受付停止ボタン103が押下されたことを検出すると、システム制御部46はジョブ受信部45による印刷ジョブの受け付けを禁止する。これにより新しい印刷ジョブが受信されなくなる。
・ジョブ受付開始ボタン104…ジョブ受付停止ボタン103で停止された印刷ジョブの受け付けを再開するためのボタンである。例えば、画像形成装置31が動作を開始したような場合に、作業者26はジョブ受付開始ボタン104を押下する。操作情報Opにより又はDFE32の操作入力受付部41によりジョブ受付開始ボタン104が押下されたことを検出すると、システム制御部46はジョブ受信部45による印刷ジョブの受け付けを再開する。これにより新しい印刷ジョブが受信されるようになる。
・エラーリセットボタン105…画像形成装置31に何らかのエラーが発生すると、DFE32に通知される。作業者26が画像形成装置31のエラーを解消しても、DFE32にエラーが解消したことが通知されない場合があるため、エラーが検出された記録がDFE32に残ってしまうおそれがある。この場合、DFE32は印刷ジョブを停止したままにする場合があり生産性が低下する。このため、作業者26は画像形成装置31のエラーを解消した後、DFE32からエラーの記録を確実に消去するためエラーリセットボタン105を押下する。
・インフォメーション表示部106…インフォメーション表示部106には、作業者26に知らせる必要がある情報がある場合に、注意喚起のためのインフォメーションアイコンが表示される。例えば印刷条件に関し、作業者26に知らせる必要がある情報がある場合を説明する。システム制御部46は表3に示すように、好ましい印刷条件を保持している。
【0074】
【表3】
システム制御部46は、好ましい印刷条件とJDFに記述された現在の印刷条件が一致するか否かを判断し、異なっている場合には異なっている旨と好ましい印刷条件と現在の印刷条件をWebサーバ機能提供部43に通知する。この情報は例えば機器状態情報Diに含まれる。Webサーバ機能提供部43はインフォメーション表示部106に表示するための「i」などのインフォメーションアイコンを作成する。なお、PCサーバ21の現在状態作成部64がインフォメーションアイコンを作成してもよい。
【0075】
現在の印刷条件はJDFに記述されていたり作業者26が変更できるので、必ずしもエラーであるとは言えない。そこで、現在の印刷条件が好ましい印刷条件と異なっていることを表示することで、作業者26を煩わせることなく作業者26の任意で対応させることが可能になる。
・機器アイコン部107…画像形成装置31の外観が模倣された装置アイコン107aが表示される。画像形成装置31にエラーが発生すると、装置アイコン107aのエラーの発生箇所が例えば赤色などで明示される。Webサーバ機能提供部43は機器状態情報Diを解析してエラーの発生箇所を特定する。そして、装置アイコン107aのエラーの発生箇所を赤などに変更する。なお、PCサーバ21の現在状態作成部64が装置アイコン107aを作成してもよい。
・開閉ボタン108…開閉ボタン108は作業者26が現在状態表示エリア11を拡張表示するためのボタン、及び、拡張表示後に
図5のような通常状態に戻すためのボタンである。拡張表示された現在状態表示エリア11については
図16にて説明する。なお、開閉ボタン108は、通常状態と拡張表示された状態とで態様が異なることが好ましい。
【0076】
Webサーバ機能提供部43が作成した現在状態表示エリア11のUI情報はPCサーバ21又はUI制御部42に送信される。PCサーバ21の送受信部61又はUI制御部42はUI情報を周期的に取得して、現在状態作成部64がリアルタイムにUI5を更新する。周期の時間はリアルタイム性が保証される程度(例えば1秒未満から1分程度)であればよい。また、固定である必要はない。
【0077】
現在状態表示エリア11は定常的に表示されているため、作業者26は定常的に、画像形成装置31と通信しているかどうか(ステータス表示部101)、印刷ジョブの進行状況(ジョブ情報表示部102)、注意すべき事項の有無(インフォメーション表示部106)、及び、エラーの有無(機器アイコン部107)を判断できる。また、作業者26は、必要であればいつでもDFE32に対し印刷ジョブの受け付けを禁止させ(ジョブ受付停止ボタン103)、また、再開できる(ジョブ受付開始ボタン104)。また、エラーをリセットすることもできる(エラーリセットボタン105)。また、エラーが発生したこと及び発生箇所も確認できる(装置アイコン107a)。
【0078】
したがって、作業者26は画像形成装置31の状況を定常的に把握して、画像形成装置31が停止している時間を最小限に抑制できる。
【0079】
<<画面遷移メニュー表示エリア12>>
画面遷移メニュー表示エリア12は、画面遷移ボタン111、印刷条件設定ボタン112、及び、ヘルプボタン113を有している。
・画面遷移ボタン111…各種情報表示エリア13に表示される各種情報を作業者26が切り替えるためのボタンである。各種情報は図示する「Operation」「Jobs」「Configuration」「Maintenance」のいずれか1つ以上に紐づけられており、作業者26が画面遷移ボタン111を押下すると、画面遷移ボタン111に紐づけられた各種情報が各種情報表示エリア13に表示される。これにより、ディスプレイ23やモニター24に表示される情報の種類が多い場合でも、作業者26は目的の情報を迅速に表示できる。
【0080】
なお、「Operation」の押下により、印刷ジョブの実行時の基本的な各種情報(カレンダー・時間、各色のトナー(インク)残量、現在実行されている印刷ジョブのプレビュー、スケジュールされている印刷ジョブのプレビュー、印刷ジョブの履歴)などが表示される。「Jobs」の押下により現在実行されている印刷ジョブ、スケジュールされている印刷ジョブ、及び、過去の印刷ジョブなどの詳細な情報が表示される。「Configuration」の押下により印刷条件が表示される。「Maintenance」の押下により画像形成装置31の情報(モデル名、機器構成、ソフトウェアバージョン、給紙トレイ・排紙トレイ・トナー(インク)残量などの詳細な状態)などが表示される。
・印刷条件設定ボタン112…作業者26が編集した印刷条件を画像形成装置31に設定するためのボタンである。
・ヘルプボタン113…UI5のヘルプを表示させるためのボタンである。
【0081】
<<各種情報表示エリア13>>
画面遷移ボタン111で例えば「Configuration」が押下された場合の各種情報表示エリア13について説明する。各種情報表示エリア13にいくつかの区画が表示されるが、この区画の位置や種類は作業者26がカスタマイズできるため、図示する各種情報表示エリア13は一例に過ぎない。
【0082】
図6の各種情報表示エリア13には、「Basic」、「Dryer Temperature」、「Paper」、「Special Marks」、「Preset」、「Flushing」、「Date/Time」、「Extended Future」という各種情報の区画121〜128が表示される。これらは、機器状態情報DiからWebサーバ機能提供部43が作成したUI情報に含まれる。
「Basic」の区画121は画像形成装置31の印刷条件のうち基本的なもの(後述する)が表示される区画である。「Dryer Temperature」の区画122は用紙を乾燥させるためのローラー温度が表示される区画である。「Paper」の区画123は用紙のサイズや厚みなどの情報が表示される区画である。「Special Marks」の区画124は印刷された用紙にマーク(後のプロセスのオペレーションを支援するため)を追加するための位置が表示される区画である。「Preset」の区画125は画像形成装置31の設定を一括に行うことができるように保存されている設定の一覧が表示される区画である。「Flushing」の区画126はインクジェットノズルをフラッシング(強制吐出)する際の情報が表示される区画である。「Date/Time」の区画127は画像形成装置31が管理する時間に関しタイムゾーンや取得先などが表示される区画である。「Extended Future」の区画128は画像形成装置31に導入可能な拡張機能が表示される区画である。
【0083】
作業者26は、各区画をマウスカーソル130でクリックしたり、指でタッチすることで選択することができる。
これにより、DFE32の操作入力受付部41又はPCサーバ21の操作入力受付部62は選択された区画のポップアップ画面99の表示指示を受け付ける。そして、UI作成部63又はUI制御部42は、ポップアップ画面作成部67が作成したポップアップ画面99(関連表示要素又は第3表示要素の一例)を少なくとも各種情報表示エリア13に重畳させて表示させる。表示の際、ポップアップ画面99は現在状態表示エリア11には重畳しないことが特徴の1つとなっている。
【0084】
<<ポップアップ画面99>>
続いて、
図7を用いてポップアップ画面99について説明する。このポップアップ画面99は、Webサーバ機能提供部43が機器状態情報DiからWebアプリやWebページとして作成したUI情報を、PCサーバ21のポップアップ画面作成部67が解釈して構築する。
【0085】
図7はポップアップ画面99が表示されたUI5の一例を示す図である。
図7は「Basic」の区画121が選択された場合のポップアップ画面99を示すが、他の区画が選択された場合もポップアップ画面99が表示され、図示するUI5は一例に過ぎない。
【0086】
このポップアップ画面99は、RIP情報(画像形成装置の解像度、RIP解像度、レンダリング速度)141、用紙の張力142、印刷未完了のページの再印刷設定143、用紙ジャムの回復位置144などが表示される。また、作業者26は入力装置325(キーボードやマウス)や指を用いて表示された情報を編集することができる。
【0087】
したがって、作業者26は各種情報表示エリア13の任意の区画に含まれる各種情報をポップアップ画面99により編集することができる。しかし、ポップアップ画面99は現在状態表示エリア11には重畳しないので、作業者26が画像形成装置31の現在状態を把握しにくくなることが抑制される。なお、ポップアップ画面99は編集機能を有さずに、単に情報を表示するだけの画面であってもよい。
【0088】
<ポップアップ画面99の表示手順>
続いて、
図8〜10を用いてポップアップ画面99の表示手順について説明する。
図8はUI制御部42がポップアップ画面99を表示させる手順を示すフローチャート図の一例を示す。
図9、10はポップアップ画面99の配置を模式的に説明する図の一例である。なお、説明の便宜上、
図9,10では画面遷移メニュー表示エリア12と各種情報表示エリア13を区別しない。
【0089】
S1:作業者26が区画を選択したものとする。ポップアップ画面作成部67は、表示されるポップアップ画面99の高さと幅の理想的な設定値を取得する。理想的な設定値とは区画に含まれる全ての情報を過不足なく表示できる設定値であり区画ごとに予め定められている。
図9(a)はポップアップ画面99の理想的な設定値を示す。
図9(a)ではポップアップ画面99の理想的な設定値が高さHpと幅Wpで示されている。
【0090】
S2:次に、ポップアップ画面作成部67は、ポップアップ画面99が利用しうる最大の表示エリア(以下、「表示可能エリア97」という。)の高さと幅を算出する。表示可能エリア97はUI5のうち現在状態表示エリア11を除いた部分である。
図9(b)に示すようにUI5のサイズを高さHuと幅Wuで表し、現在状態表示エリア11の高さをHsで表すものとする。したがって、下式により、表示可能エリア97の高さと幅が求められる。
表示可能エリア97の高さ=Hu−Hs
表示可能エリア97の幅 =Wu
S3:次に、ポップアップ画面作成部67は、ポップアップ画面99の高さと幅を表示可能エリア97よりも小さくする。すなわち、以下のように処理する。
・Hp≦Hu−Hsの場合、ポップアップ画面作成部67はポップアップ画面99の高さを理想的な設定値の高さHpのままとする。
・Hp>Hu−Hsの場合、ポップアップ画面作成部67はポップアップ画面99の高さをHu−Hsに設定する。
・Wp≦Wuの場合、ポップアップ画面作成部67はポップアップ画面99の幅を理想的な設定値の幅Wpのままとする。
・Wp>Wuの場合、ポップアップ画面作成部67はポップアップ画面99の幅をWuに設定する。
【0091】
S4:ポップアップ画面作成部67は、ステップS3で設定された高さと幅のポップアップ画面99を作成する。
図9(c)は作成されたポップアップ画面99の高さと幅の一例を示す。
図9(a)(b)の例では、Hp>Hu−Hsであるため、
図9(c)のポップアップ画面99は高さがHu−Hsに設定されている。また、高さが理想的な設定値よりも短くなったため、スクロールバー98が設けられている。なお、Wp≦Wuの場合であるため、ポップアップ画面99の幅は理想的な設定値(幅Wp)のままである。
【0092】
S5:次に、UI作成部63又はUI制御部42はポップアップ画面99を表示する。表示位置は、表示可能エリア97の中央である。したがって、UI作成部63又はUI制御部42はこの中央にポップアップ画面99が表示されるように、ポップアップ画面99の左上コーナーの座標を決定する。
【0093】
図9(d)はポップアップ画面99の左上コーナーP1の座標の算出方法を説明する図の一例である。説明のため、一例としてUI5の左上コーナーの点Oを原点とし、水平方向にX軸、鉛直方向にY軸を取る。図示するように、ポップアップ画面99の左上コーナーP1のX座標は(Wu−Wp)/2であり、Y座標はHsである。
【0094】
図10は、ポップアップ画面99の別の配置例を示す図である。
図10では、Hp≦Hu−Hs、かつ、Wp≦Wuである。このため、ポップアップ画面99の左上コーナーP1のX座標は(Wu−Wp)/2であり、Y座標は{Hs+(Hu−Hs−Hp)/2}である。
【0095】
このように、ポップアップ画面99が表示された直後、現在状態表示エリア11を避けてポップアップ画面99が表示される。また、ポップアップ画面99は表示可能エリア97の中央に表示されるので、作業者26はポップアップ画面99を編集しやすい。
【0096】
<<ポップアップ画面99の表示後の移動>>
続いて、
図11〜13を用いて、作業者26がポップアップ画面99を移動させた場合のUI作成部63又はUI制御部42の処理について説明する。
図11は、UI作成部63又はUI制御部42が移動されたポップアップ画面99を表示する手順を示すフローチャート図の一例である。
図12、13は移動されたポップアップ画面99の表示を模式的に説明する図の一例である。
【0097】
図11の処理は、作業者26がポップアップ画面99をUI5の中の任意の場所にドラッグさせることでスタートする。すなわち、作業者26はマウスカーソル又は指でポップアップ画面99を掴み任意の場所に移動させており、まだ、ポップアップ画面99を離していない状態である。
図12に示すように、作業者が掴んでいる間は、ポップアップ画面99は現在状態表示エリア11を含むUI5の任意の場所に移動することが許容される。ただし、
図12(a)において点線で示すように、現在状態表示エリア11がポップアップ画面99に隠れることはない。しかしながら、作業者がポップアップ画面99を移動させている移動中は現在状態表示エリア11がポップアップ画面99に隠れてもよい。
【0098】
S1:まず、UI作成部63又はUI制御部42は、マウスアップイベントが発生したか否かを判定する。すなわち、操作入力受付部41,62がマウスアップイベントを検出したか否かを判定する。マウスアップとは、作業者26が掴んでいたポップアップ画面99を離すことをいい、マウスアップによりポップアップ画面99の最終的な表示位置が指示、入力される。
【0099】
S2:マウスアップイベントが発生した場合、UI作成部63又はUI制御部42はポップアップ画面99が表示可能エリア97に入っているか否かを判定する。この判定には、ポップアップ画面99の各コーナーP1〜P4の座標を表示可能エリア97のコーナーT1〜T4の座標と比較すればよい。例えば、P1又はP2のY座標がT1又はT2のY座標より小さい場合、ポップアップ画面99は表示可能エリア97に入っていないと判定される。P2又はP3のX座標がT2又はT3のX座標より大きい場合、ポップアップ画面99は表示可能エリア97に入っていないと判定される。P3又はP4のY座標がT3又はT4のY座標より大きい場合、ポップアップ画面99は表示可能エリア97に入っていないと判定される。P1又はP4のX座標がゼロ(T1又はT4のX座標)より小さい場合、ポップアップ画面99は表示可能エリア97に入っていないと判定される。
【0100】
ポップアップ画面99が表示可能エリア97に入っていない場合、ステップS3以降の処理が実行される
S3:UI作成部63又はUI制御部42は、ポップアップ画面99の左上コーナーP1のX座標を、(i)又は(ii)のうちいずれか大きい方に設定する。
(i)マウスアップされた時のポップアップ画面99のX座標
(ii)表示可能エリア97の左端のX座標
図12(b)を用いて説明する。ポップアップ画面99が表示可能エリア97の左端を越えて移動されている。この場合、マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のX座標よりも表示可能エリア97の左端のX座標の方が大きい。したがって、
図12(b)の状態では、ポップアップ画面99のX座標は表示可能エリアの左端(コーナーT1又はT4)のX座標に設定される。すなわち、ポップアップ画面99の位置はマウスアップされた位置から最も近い表示可能エリア97の内側に修正される。これにより、作業者の視線移動が少ない位置にポップアップ画面の位置を修正できる。
【0101】
これに対し、
図12(a)に示したように、ポップアップ画面99が表示可能エリア97の左端を越えていない場合を説明する。この場合、マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のX座標の方が表示可能エリア97の左端のX座標よりも大きい。したがって、マウスアップされた時のポップアップ画面99の左上コーナーP1のX座標がそのまま、ポップアップ画面99の左上コーナーP1のX座標である。
【0102】
なお、ポップアップ画面99の位置はマウスアップされた位置から最も近い表示可能エリア97の内側でなく、
図9(d)や
図10のように表示可能エリア97の中央でもよい。この場合、作業者は表示可能エリア97の外にポップアップ画面99を移動させることで、ポップアップ画面99の位置を中央に修正できる。
【0103】
S4:次に、UI作成部63又はUI制御部42は、ポップアップ画面99の左上コーナーのY座標を、(iii)又は(iv)のうちいずれか大きい方に設定する。
(iii)マウスアップされた時のポップアップ画面99のY座標
(iv)表示可能エリアの上端のY座標
図12(a)に示すように、ポップアップ画面99が表示可能エリア97の上端を越えて移動されている場合を想定する。この場合、マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のY座標よりも表示可能エリア97の上端のY座標の方が大きい。したがって、この場合、ポップアップ画面99の左上コーナーP1のY座標は表示可能エリアの上端(コーナーT1又はT2)のY座標に設定される。
【0104】
これに対し、
図12(b)に示すように、ポップアップ画面99が表示可能エリア97の上端を越えていない場合、マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のY座標の方が表示可能エリア97の上端のY座標よりも大きい(この例では等しい。)。したがって、マウスアップされた時のポップアップ画面99の左上コーナーP1のY座標がそのまま、ポップアップ画面99の左上コーナーP1のY座標である。
【0105】
S5:次に、UI作成部63又はUI制御部42は、ポップアップ画面99の左上コーナーP1のX座標を、(v)又は(vi)のいずれか小さい方に設定する。
(v)マウスアップされた時のポップアップ画面99のX座標
(vi)表示可能エリア97の右端のX座標からポップアップ画面99の幅をマイナスした座標
図13(a)を用いて説明する。ポップアップ画面99が表示可能エリア97の右端を越えて移動されている。この場合、ポップアップ画面99が表示可能エリア97に入るためには、左上コーナーP1のX座標は、表示可能エリア97よりもポップアップ画面99の幅だけ左側である必要がある。
図13(a)の例では、マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のX座標よりも、表示可能エリアの右端のX座標からポップアップ画面99の幅をマイナスした座標の方が小さい。したがって、UI作成部63又はUI制御部42は、表示可能エリア97の右端のX座標からポップアップ画面99の幅をマイナスした座標をポップアップ画面99の左上コーナーP1のX座標に設定する。
【0106】
なお、ポップアップ画面99が表示可能エリア97の右端を越えていない場合は次のようになる。マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のX座標の方が、表示可能エリアの右端のX座標からポップアップ画面99の幅をマイナスした座標よりも小さい。したがって、マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のX座標が採用される。
【0107】
なお、S3との関係では、S3とS5で設定された左上コーナーP1のX座標のうち小さい方が採用される。
【0108】
S6:UI作成部63又はUI制御部42は、ポップアップ画面99の左上コーナーのY座標を、(vii)又は(viii)のいずれか小さい方に設定する。
(vii)マウスアップされた時のポップアップ画面99のY座標
(viii)表示可能エリアの下端のY座標からポップアップ画面99の高さをマイナスした座標
図13(b)を用いて説明する。ポップアップ画面99が表示可能エリア97の下端を越えて移動されている。この場合、ポップアップ画面99が表示可能エリア97に入るためには、左上コーナーP1のY座標は、表示可能エリア97よりもポップアップ画面99の高さだけ上側である必要がある。
図13(b)の例では、マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のY座標よりも、表示可能エリアの下端のY座標からポップアップ画面99の高さマイナスした座標の方が小さい。したがって、UI作成部63又はUI制御部42は、表示可能エリア97の下端のY座標からポップアップ画面99の高さをマイナスした座標をポップアップ画面99の左上コーナーP1のY座標に設定する。
【0109】
なお、ポップアップ画面99が表示可能エリア97の下端を越えていない場合な次のようになる。マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のY座標の方が、表示可能エリアの下端のY座標からポップアップ画面99の高さをマイナスした座標よりも小さい。したがって、マウスアップ時のポップアップ画面の左上コーナーP1のY座標が採用される。
【0110】
なお、S4との関係では、S4とS6で設定された左上コーナーP1のX座標のうち小さい方が採用される。
S7:UI作成部63又はUI制御部42は、以上のようにして決定したポップアップ画面99の左上コーナーP1のX座標とY座標にロックアップ画面を表示する。
【0111】
<<移動後のポップアップ画面の位置>>
図14は、マウスアップ時のポップアップ画面99の位置と、UI5に表示されるポップアップ画面99の位置の関係を説明する図の一例である。
【0112】
図14(a)では、マウスアップ時のポップアップ画面99が表示可能エリア97の左端を超えている。この場合、
図11のステップS3の処理により、表示可能エリア97の左端にポップアップ画面99の左端が接するようにポップアップ画面99が表示される。Y座標は、
図11のステップS4、6の処理により、マウスアップ時のままである。
【0113】
図14(b)では、マウスアップ時のポップアップ画面99が表示可能エリア97の上端を超えている。この場合、
図11のステップS4の処理により、表示可能エリア97の上端にポップアップ画面99の上端が接するようにポップアップ画面99が表示される。X座標は、
図11のステップS3、5の処理により、マウスアップ時のままである。
【0114】
図14(c)では、マウスアップ時のポップアップ画面99が表示可能エリア97の右端を超えている。この場合、
図11のステップS5の処理により、表示可能エリア97の右端にポップアップ画面99の右端が接するようにポップアップ画面99が表示される。Y座標は、
図11のステップS4、6の処理により、マウスアップ時のままである。
【0115】
図14(d)では、マウスアップ時のポップアップ画面99が表示可能エリア97の下端を超えている。この場合、
図11のステップS6の処理により、表示可能エリア97の下端にポップアップ画面99の下端が接するようにポップアップ画面99が表示される。X座標は、
図11のステップS3、5の処理により、マウスアップ時のままである。
【0116】
図15は、マウスアップ時のポップアップ画面99の位置と、UI5に表示されるポップアップ画面99の位置の関係を説明する図の一例である。
【0117】
図15(a)では、マウスアップ時のポップアップ画面99が表示可能エリア97の左端と上端を超えている。この場合、
図11のステップS3、S4の処理により、表示可能エリア97の左端にポップアップ画面99の左端が接し、表示可能エリア97の上端にポップアップ画面99の上端が接するようにポップアップ画面99が表示される。
【0118】
図15(b)では、マウスアップ時のポップアップ画面99が表示可能エリア97の右端と上端を超えている。この場合、
図11のステップS5、S6の処理により、表示可能エリア97の右端にポップアップ画面99の右端が接し、表示可能エリア97の上端にポップアップ画面99の上端が接するようにポップアップ画面99が表示される。
【0119】
図15(c)では、マウスアップ時のポップアップ画面99が表示可能エリア97の左端と下端を超えている。この場合、
図11のステップS3、S6の処理により、表示可能エリア97の左端にポップアップ画面99の左端が接し、表示可能エリア97の下端にポップアップ画面99の下端が接するようにポップアップ画面99が表示される。
【0120】
図15(d)では、マウスアップ時のポップアップ画面99が表示可能エリア97の右端と下端を超えている。この場合、
図11のステップS4、S6の処理により、表示可能エリア97の右端にポップアップ画面99の右端が接し、表示可能エリア97の下端にポップアップ画面99の下端が接するようにポップアップ画面99が表示される。
【0121】
図14、15に示したように、作業者26がポップアップ画面99を表示可能エリア97の外に移動しても、ポップアップ画面99は表示可能エリア97でのみ表示される。ポップアップ画面99は画面遷移メニュー表示エリア12に重畳せず、各種情報表示エリア13の外縁も超えない。したがって、ポップアップ画面99が現在状態表示エリア11を隠すことがなく、作業者26は定常的に画像形成装置31の状態を把握できる。
【0122】
<拡張表示された現在状態表示エリア11について>
次に、
図16を用いて拡張表示された現在状態表示エリア11について説明する。
図16は、現在状態表示エリア11の遷移を模式的に説明する図の一例である。
図16(a)では現在状態表示エリア11は通常状態である。
【0123】
通常状態の現在状態表示エリア11において、画像形成装置31にエラーが生じた場合、UI作成部63又はUI制御部42は現在状態表示エリア11を拡張表示する。
図16(b)は、通常状態から拡張表示される過程の現在状態表示エリア11の拡張部分14を示す。
図16(b)に示すように、現在状態表示エリア11の拡張部分14が現在状態表示エリア11から下方に伸びるように表示される。
図16(c)は拡張表示が完了した現在状態表示エリア11の一例を示す。
【0124】
現在状態表示エリア11の拡張部分14は、アイコン領域95、メッセージ領域94、及び、用紙トレイ領域93を有する。拡張部分14は拡張領域の一例である。
・アイコン領域95…画像形成装置31の精密装置アイコン95a及びトナー(インク)の残量95bが表示される。精密装置アイコン95aでは、エラー発生箇所が赤色などで明示される。また、トナー(インク)切れの場合、所定値より少なくなったトナー(インク)の色が点滅するなど強調して表示される。
図16(c)では8つの用紙トレイの番号1〜8(符号は81〜88)が図示されている。そして、用紙トレイ87が赤色で明示されていることから、作業者26は一目で用紙が足りなくなった用紙トレイを把握できる。
・メッセージ領域94…エラーの具体的な内容がメッセージ(文字や記号)94aで表示される。
図16の例では、「用紙トレイ7(符号は87)が用紙切れです」というメッセージ94aが表示されている。したがって、作業者26は精密装置アイコン95aで把握したエラーの具体的な内容を確実に把握できる。
・用紙トレイ領域93…用紙トレイの番号1〜8と載置されている用紙の種類を含む用紙トレイ情報93aが表示される。また、用紙切れした用紙トレイが赤色などで強調表示される。作業者26は精密装置アイコン95aで把握した用紙切れした用紙トレイの用紙種類を覚えているとは限らないので、用紙トレイ領域93を参照することで補充すべき用紙種類を確認できる。
【0125】
精密装置アイコン95a、トナー(インク)の残量95b、メッセージ94a及び用紙トレイ情報93aは警告情報の一例である。
【0126】
このように現在状態表示エリア11が拡張表示されることで、作業者26は何らかのエラーが生じたことを即座に把握できる。例えば、通常状態の現在状態表示エリア11を表示したまま作業者26が離席したが、現在状態表示エリア11が拡張表示されることで作業者26は遠方からでもエラーが発生したことを把握しやすい。
【0127】
また、作業者26が離席する際に現在状態表示エリア11を拡張表示させていたとしても、エラーが発生した場合に、精密装置アイコンのエラー発生箇所が強調表示されるので、作業者26は遠方からでもエラーが発生したことを把握しやすい。
【0128】
なお、
図16で説明したエラー時の現在状態表示エリア11の表示は一例であって、上方から現在状態表示エリア11の拡張部分14が降りてくるのでなく、右、左又は下から拡張部分14が移動してもよい。また、エラーが生じた場合に、枠89が赤色等で強調表示されたり、点滅して表示されてもよい。
【0129】
<ポップアップ画面99の表示中にエラーが生じた場合>
ポップアップ画面99の表示中にエラーが生じた場合、現在状態表示エリア11が拡張表示されるため、ポップアップ画面99が表示可能エリア97に収まり切らなくなる場合がある。この場合、エラーの発生に対応することを優先したい作業者26が多い反面、ポップアップ画面99を優先して処理したい作業者26も存在する(例えば、ポップアップ画面99の編集が短時間で終了するような場合)。
【0130】
そこで、本実施形態では、作業者26の設定に応じた態様で、ポップアップ画面99の表示中に現在状態表示エリア11を拡張表示する。この設定は設定保持部68に記憶されている。設定保持部68は設定情報記憶手段の一例であり、作業者26の設定は設定情報の一例である。
【0131】
図17は、ポップアップ画面99の表示中に拡張表示される現在状態表示エリア11の一例を示す図である。
図17(a)に示すように、作業者26はポップアップ画面99を表示して編集作業を行っている。この状態でエラーが発生したものとする。
【0132】
・作業者26がポップアップ画面99を優先すると設定している場合
図17(b)は、作業者26がポップアップ画面99を優先すると設定している場合に拡張表示される現在状態表示エリア11の一例を示す図である。ポップアップ画面99の方が現在状態表示エリア11の拡張部分14よりも優先されるため、現在状態表示エリア11の拡張部分14はポップアップ画面99の背面に表示される。したがって、作業者26は中断されることなく、編集処理を継続できる。
【0133】
・作業者26が現在状態表示エリア11を優先すると設定している場合
図17(c)は、作業者26が現在状態表示エリア11を優先すると設定している場合に拡張表示される現在状態表示エリア11の一例を示す図である。現在状態表示エリア11の拡張部分14がポップアップ画面99よりも優先されるため、現在状態表示エリア11の拡張部分14はポップアップ画面99よりも上側に(手前側、作業者の視点側)に表示される。したがって、作業者26が編集処理を行っていても(又はポップアップ画面99を表示したまま離席しても)、作業者26はエラーの内容を把握できる。
【0134】
<<拡張表示された現在状態表示エリア11の表示手順>>
図18は、印刷システム200が拡張表示された現在状態表示エリア11を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。なお、ディスプレイ23又はモニター24に現在状態表示エリア11、画面遷移メニュー表示エリア12及び各種情報表示エリア13が表示されているものとする。
S1:プリンター制御部49は周期的に画像形成装置31と通信して得た機器状態情報Diをシステム制御部46に送信する。この機器状態情報Diにエラーの内容が含まれているものとする。
S2:システム制御部46は機器状態情報DiをWebサーバ機能提供部43に送出する。なお、システム制御部46が機器状態情報Diを解析してエラー発生箇所を特定してもよい。
S3:Webサーバ機能提供部43は機器状態情報Diを解析してエラーの発生箇所を特定する。そして、エラー発生箇所に基づいて、精密装置アイコン95a、メッセージ94a、及び、用紙トレイ情報93aを作成する。すなわち、精密装置アイコン95aのうちエラー発生箇所に相当する部品を赤などに変更する。また、予めエラー発生箇所とメッセージを紐付けたテーブルなどからエラー発生箇所に紐付けられているメッセージ94aを取得する。また、用紙トレイ領域93のエラー発生箇所に相当する用紙トレイの色を赤色などに変更して用紙トレイ情報93aを作成する。これらはUI情報の一部である。なお、精密装置アイコン95a、メッセージ94a、及び、用紙トレイ情報93aの作成は、PCサーバ21の現在状態作成部64が行ってもよい。
S4:Webサーバ機能提供部43はステップS3で作成したUI情報を送受信部44に送出する。
S5:DFE32の送受信部44はUI情報をPCサーバ21の送受信部61に送信する。
S6:PCサーバ21の送受信部61はUI情報を現在状態作成部64に送出する。
S7:現在状態作成部64は現在状態表示エリア11の拡張部分14を作成する。すなわち、現在状態表示エリア11の拡張部分14のうちアイコン領域95に精密装置アイコン95aを配置し、メッセージ領域94にメッセージ94aを配置し、用紙トレイ領域93に用紙トレイ情報93aを配置する。
S8:現在状態作成部64は現在状態表示エリア11の拡張部分14をUI作成部63に送出する。
S9:UI作成部63は現在状態表示エリア11の拡張部分14をUI5に表示する。ステップS9の処理は
図19おいて説明する。
【0135】
なお、
図18はPCサーバ21の動作手順であるが、DFE32がUI5を表示する手順はWebサーバ機能提供部43がUI制御部42にUI情報を送出すればよい。
【0136】
図19は、UI作成部63が現在状態表示エリア11の拡張部分14をUI5に表示する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0137】
まず、UI作成部63はポップアップ画面99を表示中か否かを判定する(S9−1)。
【0138】
ポップアップ画面99を表示中でない場合(S9−1のNo)、UI作成部63は現在状態表示エリア11の拡張部分14を表示する(S9−5)。
【0139】
ポップアップ画面99を表示中の場合(S9−1のYes)、UI作成部63は設定保持部68を参照して作業者26がポップアップ画面99を優先すると設定したかどうかを判定する(S9−2)。
【0140】
作業者26がポップアップ画面99を優先すると設定した場合(9−2のYes)、UI作成部63は現在状態表示エリア11の拡張部分14を表示して、その後、ポップアップ画面99を表示する(S9−3)。これにより、ポップアップ画面99が最も手前に表示される。
【0141】
作業者26がポップアップ画面99を優先すると設定していない場合(9−2のNo)、UI作成部63はポップアップ画面99よりも現在状態表示エリア11の拡張部分14を手前に表示する(S9−4)。これにより、拡張表示された現在状態表示エリア11が最も手前に表示される。
【0142】
以上説明したように、本実施形態の印刷システム200では、ポップアップ画面99が現在状態表示エリア11に重畳しないため、作業者が画像形成装置31の現在の状態を定常的に把握することが可能になる。作業者が自分の操作でポップアップ画面99を現在状態表示エリア11に重畳させることもできないため、誤って現在状態表示エリア11が隠れることもない。また、ポップアップ画面99の表示中にエラーが発生した場合、作業者の設定でポップアップ画面99又は現在状態表示エリア11を優先して表示できるため、作業者の好みで表示を変更できる。
【0143】
<本実施形態のその他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0144】
例えば、本実施形態ではDFE32がWebサーバ機能提供部43を有しているが、Webサーバ機能提供部43はDFE32とは別体に配置されてもよい。
【0145】
また、すでに、現在状態表示エリア11の拡張部分14が表示されている状態で、作業者がポップアップ画面99を表示させることは禁止されていてもよいし、禁止されていなくてもよい。禁止されていない場合は、設定保持部68の設定に従って拡張部分14又はポップアップ画面99が優先して表示される。あるいは、設定保持部68の設定に関わらず、ポップアップ画面99を優先してもよい。
【0146】
また、UI5の例として画面遷移メニュー表示エリア12及び各種情報表示エリア13を別々に図示したが、これらは区別されていなくてもよい。また、画面遷移メニュー表示エリア12がなくてもよい。
【0147】
また、本実施形態では各種情報表示エリア13の各種情報がポップアップ画面として表示されたが、現在状態表示エリア11の情報がポップアップ画面として表示されてもよい。この場合は、原則的にポップアップ画面は現在状態表示エリア11に重畳しない。しかし、例外的にポップアップ画面が現在状態表示エリア11の全ての情報(又は、現在の状態を示す、ステータス表示部101、ジョブ情報表示部102、インフォメーション表示部106、及び、機器アイコン部107)を有する場合は、現在状態表示エリア11にポップアップ画面が重畳してもよい。
【0148】
また、ポップアップ画面99として表示される情報は、各種情報表示エリア13には表示されていない情報や各種情報表示エリア13に表示されている各種情報とは関連のない情報でもよい。
【0149】
また、本実施形態では商用印刷(プロダクションプリンティング)を例にして説明したが、一般ユーザが使用する画像形成装置、スキャナー、コピー機、ファクシミリ機などのUIに適用することも可能である。