【実施例】
【0031】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0032】
[平均屈折率の測定]
屈折率が1.40のデカメチルシクロペンタンシロキサンと、屈折率が1.51のメチルフェニルポリシロキサンを用い、その配合比率を変えて、屈折率が1.46、1.47、1.48、1.49、1.50の混合溶解液を用意した。また、屈折率が1.51のメチルフェニルポリシロキサンを用意した。用意した液20gをそれぞれ25mlガラス瓶に量り取り、さらに粉体を1gずつ添加し、フタをして5分間振とうして、液中に粉体を均一に分散させた。静置10分後に透明性を観察し、最も透明性が高い液の屈折率を粉体の平均屈折率とした。
【0033】
[実施例1]
1リットルのガラスフラスコにイオン交換水801gを仕込み、水温を20℃とした。イオン交換水のpHを測定したところ5.9であった。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン95.5gを投入したところ発熱が起こり24℃まで温度が上昇した。3分後に透明な状態になり、さらに7分撹拌した。ついで、フェニルトリメトキシシラン62.5gを投入し、20〜25℃の温度を保ち撹拌を続けたところ、50分後に透明な状態となり、さらに5分間撹拌した。25分かけて、5℃まで冷却した。28質量%アンモニア水溶液0.53gとイオン交換水2.65gの混合溶解液を投入し、30秒間撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止12秒後に白濁が起こった。
【0034】
メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは、水100質量部に対するメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの合計量が19.7質量部であり、またメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの質量比が60.4:39.6となる配合量である。
【0035】
3時間静置した後、翼回転数150rpmの条件で撹拌を開始した。75℃まで加熱し、28質量%アンモニア水溶液38gを添加し、さらに73〜77℃の温度で1時間撹拌を行った。30℃以下まで冷却後、1リットルのガラスビーカに移し、ガラスフラスコの内壁及び撹拌翼を観察したところ、ゲルの付着は認められなかった。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子を得た。
【0036】
このポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の形状を電子顕微鏡にて観察したところ、球状であった。ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の体積平均粒径を電気抵抗法粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、2.1μmであった。また、標準偏差(S.D.)は0.29μm、変動係数(C.V.)は13.6%であった。前記の方法にて平均屈折率を測定したところ、1.49であった。
【0037】
[実施例2]
1リットルのガラスフラスコにイオン交換水815gを仕込み、水温を20℃とした。イオン交換水のpHを測定したところ5.9であった。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン77.6gを投入したところ発熱が起こり24℃まで温度が上昇した。3分後に透明な状態になり、さらに7分撹拌した。ついでフェニルトリメトキシシラン66.4gを投入し、20〜25℃の温度を保ち撹拌を続けたところ、55分後に透明な状態となり、さらに5分間撹拌した。25分かけて、5℃まで冷却した。28質量%アンモニア水溶液0.54gとイオン交換水2.7gの混合溶解液を投入し、20秒間撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止12秒後に白濁が起こった。
【0038】
メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは、水100質量部に対するメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの合計量が17.7質量部であり、またメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの質量比が53.9:46.1となる配合量である。
【0039】
3時間静置した後、翼回転数150rpmの条件で撹拌を開始した。75℃まで加熱し、28質量%アンモニア水溶液38gを添加し、さらに73〜77℃の温度で1時間撹拌を行った。30℃以下まで冷却後、1リットルのガラスビーカに移し、ガラスフラスコの内壁及び撹拌翼を観察したところ、ゲルの付着は認められなかった。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子を得た。
【0040】
このポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の形状を電子顕微鏡にて観察したところ、球状であった。ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の体積平均粒径を電気抵抗法粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、2.1μmであった。また、標準偏差(S.D.)は0.19μm、変動係数(C.V.)は8.6%であった。前記の方法にて平均屈折率を測定したところ、1.50であった。
【0041】
[実施例3]
1リットルのガラスフラスコにイオン交換水789gを仕込み、水温を20℃とした。イオン交換水のpHを測定したところ5.8であった。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン110.5gを投入したところ発熱が起こり24℃まで温度が上昇した。4分後に透明な状態になり、さらに6分撹拌した。ついでフェニルトリメトキシシラン59.5gを投入し、20〜25℃の温度を保ち撹拌を続けたところ、45分後に透明な状態となり、さらに5分間撹拌した。25分かけて、5℃まで冷却した。28質量%アンモニア水溶液0.52gとイオン交換水2.6gの混合溶解液を投入し、30秒間撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止30秒後に白濁が起こった。
【0042】
メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは、水100質量部に対するメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの合計量が21.5質量部であり、またメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの質量比が65.0:35.0となる配合量である。
【0043】
3時間静置した後、翼回転数150rpmの条件で撹拌を開始した。75℃まで加熱し、28質量%アンモニア水溶液38gを添加し、さらに73〜77℃の温度で1時間撹拌を行った。30℃以下まで冷却後、1リットルのガラスビーカに移し、ガラスフラスコの内壁及び撹拌翼を観察したところ、ゲルの付着は認められなかった。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子を得た。
【0044】
このポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の形状を電子顕微鏡にて観察したところ、球状であった。ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の体積平均粒径を電気抵抗法粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、2.2μmであった。また、標準偏差(S.D.)は0.27μm、変動係数(C.V.)は12.0%であった。前記の方法にて平均屈折率を測定したところ、1.48であった。
【0045】
[実施例4]
1リットルのガラスフラスコにイオン交換水754gを仕込み、水温を20℃とした。イオン交換水のpHを測定したところ5.9であった。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン142.9gを投入したところ発熱が起こり24℃まで温度が上昇した。7分後に透明な状態になり、さらに8分撹拌した。ついでフェニルトリメトキシシラン62.1gを投入し、20〜25℃の温度を保ち撹拌を続けたところ、35分後に透明な状態となり、さらに5分間撹拌した。25分かけて、5℃まで冷却した。28質量%アンモニア水溶液0.50gとイオン交換水2.5gの混合溶解液を投入し、30秒間撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止1分15秒後に白濁が起こった。
【0046】
メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは、水100質量部に対するメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの合計量が27.2質量部であり、またメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの質量比が69.7:30.3となる配合量である。
【0047】
3時間静置した後、翼回転数150rpmの条件で撹拌を開始した。75℃まで加熱し、28質量%アンモニア水溶液38gを添加し、さらに73〜77℃の温度で1時間撹拌を行った。30℃以下まで冷却後、1リットルのガラスビーカに移し、ガラスフラスコの内壁及び撹拌翼を観察したところ、ゲルの付着は認められなかった。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子を得た。
【0048】
このポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の形状を電子顕微鏡にて観察したところ、球状であった。ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の体積平均粒径を電気抵抗法粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、2.8μmであった。また、標準偏差(S.D.)は0.37μm、変動係数(C.V.)は13.4%であった。前記の方法にて平均屈折率を測定したところ、1.47であった。
【0049】
[実施例5]
1リットルのガラスフラスコにイオン交換水759gを仕込み、水温を20℃とした。イオン交換水のpHを測定したところ6.0であった。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン151.6gを投入したところ発熱が起こり24℃まで温度が上昇した。8分後に透明な状態になり、さらに7分撹拌した。ついでフェニルトリメトキシシラン48.4gを投入し、20〜25℃の温度を保ち撹拌を続けたところ、30分後に透明な状態となり、さらに5分間撹拌した。25分かけて、5℃まで冷却した。28質量%アンモニア水溶液0.50gとイオン交換水2.5gの混合溶解液を投入し、30秒間撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止1分40秒後に白濁が起こった。
【0050】
メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは、水100質量部に対するメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの合計量が26.3質量部であり、またメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの質量比が75.8:24.2となる配合量である。
【0051】
3時間静置した後、翼回転数150rpmの条件で撹拌を開始した。75℃まで加熱し、28質量%アンモニア水溶液38g添加し、さらに73〜77℃の温度で1時間撹拌を行った。30℃以下まで冷却後、1リットルのガラスビーカに移し、ガラスフラスコの内壁及び撹拌翼を観察したところ、ゲルの付着は認められなかった。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子を得た。
【0052】
このポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の形状を電子顕微鏡にて観察したところ、球状であった。ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の体積平均粒径を電気抵抗法粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、3.2μmであった。また、標準偏差(S.D.)は0.52μm、変動係数(C.V.)は16.3%であった。前記の方法にて平均屈折率を測定したところ、1.46であった。
【0053】
[比較例1]
1リットルのガラスフラスコにイオン交換水801gを仕込み、水温を20℃とした。イオン交換水のpHを測定したところ5.9であった。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン95.5g及びフェニルトリメトキシシラン62.5gの混合溶解液を投入したところ発熱が起こり24℃まで温度が上昇した。20〜25℃の温度を保ち300分間撹拌を続けたが、灰色に濁った状態で透明にならなかった。
【0054】
メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは、水100質量部に対するメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの合計量が19.7質量部であり、またメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの質量比が60.4:39.6となる配合量である。
【0055】
25分かけて、5℃まで冷却した。28質量%アンモニア水溶液0.54gとイオン交換水2.7gの混合溶解液を投入し、20秒間撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止10秒後に白濁が起こった。3時間静置した後、翼回転数150rpmの条件で撹拌を開始した。75℃まで加熱し、28質量%アンモニア水溶液38gを添加し、さらに73〜77℃の温度で1時間撹拌を行った。30℃以下まで冷却後、1リットルのガラスビーカに移し、ガラスフラスコの内壁及び撹拌翼を観察したところ、ガラスフラスコの底部及び撹拌翼に硬いゲルの付着が認められた。
【0056】
[比較例2]
1リットルのガラスフラスコにイオン交換水801gを仕込み、水温を20℃とした。イオン交換水のpHを測定したところ5.9であった。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、フェニルトリメトキシシラン62.5gを投入し20〜25℃の温度を保ち300分間撹拌を続けたが、灰色に濁った状態で透明にならなかった。ついでメチルトリメトキシシラン95.5gを投入したところ発熱が起こり26℃まで温度が上昇した。20〜25℃の温度を保ち60分間撹拌を続けたが、灰色に濁った状態で透明にならなかった。
【0057】
メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは、水100質量部に対するメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの合計量が19.7質量部であり、またメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの質量比が60.4:39.6となる配合量である。
【0058】
25分かけて、5℃まで冷却した。28質量%アンモニア水溶液0.54gとイオン交換水2.7gの混合溶解液を投入し、20秒間撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止9秒後に白濁が起こった。3時間静置した後、翼回転数150rpmの条件で撹拌を開始した。75℃まで加熱し、28質量%アンモニア水溶液38gを添加し、さらに73〜77℃の温度で1時間撹拌を行った。30℃以下まで冷却後、1リットルのガラスビーカに移し、ガラスフラスコの内壁及び撹拌翼を観察したところ、ガラスフラスコの底部及び撹拌翼に硬いゲルの付着が認められた。
【0059】
[比較例3]
1リットルのガラスフラスコにイオン交換水722gを仕込み、水温を25℃とした。イオン交換水のpHを測定したところ5.9であった。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、フェニルトリメトキシシラン47.9gを投入し20〜25℃の温度を保ち60分間撹拌を続けたが、灰色に濁った状態で透明にならなかった。ついでメチルトリメトキシシラン191.7gを投入したところ、発熱が起こり32℃まで温度が上昇した。38分後に透明な状態となり、さらに5分間撹拌した。25分かけて、20℃まで冷却した。28質量%アンモニア水溶液0.064gとイオン交換水0.32gの混合溶解液を投入し、30秒間撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止9分後に白濁が起こった。
【0060】
メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは、水100質量部に対するメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの合計量が33.1質量部であり、またメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの質量比が80:20となる配合量である。12時間静置した後、翼回転数150rpmの条件で撹拌を開始した。75℃まで加熱し、28質量%アンモニア水溶液38gを添加し、さらに73〜77℃の温度で1時間撹拌を行った。
【0061】
30℃以下まで冷却後、1リットルのガラスビーカに移し、ガラスフラスコの内壁及び撹拌翼を観察したところ、ゲルの付着は認められなかった。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子を得た。このポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の形状を電子顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
【0062】
ポリメチルフェニルシルセスキオキサン粒子の体積平均粒径を電気抵抗法粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、8.4μmであった。また、標準偏差(S.D.)は1.13μm、変動係数(C.V.)は13.4%であった。前記の方法にて平均屈折率を測定したところ、1.45であった。