特許第6440001号(P6440001)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6440001二次電池モジュールの電極リード溶接方法及びそれを用いたコンパクトな二次電池モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440001
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】二次電池モジュールの電極リード溶接方法及びそれを用いたコンパクトな二次電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20181210BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20181210BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20181210BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M2/10 Y
   H01M2/20 A
   H01M2/34 B
   H01M10/48 P
   H01M10/48 301
【請求項の数】22
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-528160(P2017-528160)
(86)(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公表番号】特表2018-503936(P2018-503936A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】KR2015014281
(87)【国際公開番号】WO2016105168
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年6月28日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0188072
(32)【優先日】2014年12月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ブム−ヒョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジン−キュ・シン
(72)【発明者】
【氏名】サン−ヒ・チェ
【審査官】 近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−229266(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0056836(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 2/34
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するセルの第1リードと第2リードとが重なる多数のリード溶接部がカートリッジの側壁に予め決められたパターンで位置し、それぞれのセルを収納しながら積層された多数のカートリッジを含むカートリッジ組立体と、
それぞれのリード溶接部に対応し位置して溶接可能な多数のバスバーが設けられ、カートリッジ組立体の側面に配置可能なセンシングハウジングと、
を備え、
カートリッジ組立体にセンシングハウジングが結合されるとき、カートリッジの側壁から外側に第1リード、第2リード及びバスバーが順次位置した状態でバスバーの方向から1つの溶接ポイントで溶接されることを特徴とするコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項2】
隣接するセルのリードの終端が実質的に同一線上に位置し、多数のリード溶接部がカートリッジの側壁に予め決められたパターンで形成され、それぞれのセルを収納しながら積層された多数のカートリッジを含むカートリッジ組立体と、
それぞれのリード溶接部に対応し位置して溶接可能な多数のバスバーが設けられ、カートリッジ組立体の側面に配置可能なセンシングハウジングと、
を備え、
カートリッジ組立体にセンシングハウジングが結合されるとき、それぞれのバスバーは、対応するセルの第1リードと、第1リードと逆極性の第2リードとに、異なる溶接ポイントで溶接され
溶接作業時にセルを保護するため、それぞれのカートリッジの側面に設けられた隔壁であって、外側に開口するように構成されたコ字状の隔壁を備えることを特徴とするコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項3】
溶接作業時にセルを保護するため、それぞれのカートリッジの側面に設けられた隔壁を備えることを特徴とする請求項に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項4】
それぞれのセルのリードは、対応するカートリッジに収納された状態でリード絶縁部から約1mmの地点で直角に折り曲げられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項5】
前記溶接は、レーザー溶接であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項6】
前記レーザーの方向は、センシングハウジングに実質的に垂直であることを特徴とする請求項5に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項7】
バスバーと第2リードは銅で製作され、第1リードはアルミニウムで製作されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項8】
センシングハウジングは、それぞれのバスバーによって感知されるそれぞれのセルの電圧及び/または温度データを管理するためのBMS回路基板をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項9】
センシングハウジングは、カートリッジ組立体にスナップまたはフック結合されることを特徴とする請求項8に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項10】
センシングハウジングに結合されるセンシングカバーをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項11】
センシングカバーは、センシングハウジングにスナップまたはフック結合されることを特徴とする請求項10に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項12】
カートリッジ組立体の隣接する2つのカートリッジは、相互フック結合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項13】
カートリッジ組立体は、両端のカートリッジにそれぞれフック結合される上部カバーと下部カバーとをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項14】
(a)相互逆極性を有する第1リードと第2リードとが逆方向にそれぞれ折り曲げられた多数のセルを用意する段階と、
(b)隣接するセルのうち一方のセルの第1リードがカートリッジの側壁に面し、他方のセルの第2リードが第1リードに面するように重なるリード溶接部がカートリッジの側壁に予め決められたパターンで形成されるように、それぞれのセルが収納された多数のカートリッジを積層してカートリッジ組立体を形成する段階と、
(c)それぞれの第2リードに対面可能な多数のバスバーが設けられたセンシングハウジングをカートリッジ組立体の側面に組み立てる段階と、
(d)それぞれのバスバーと、それに対応する第2リード及び第1リードとを1つの溶接ポイントで溶接する段階と、
を含むことを特徴とするコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法。
【請求項15】
(a)相互逆極性を有する第1リードと第2リードとが逆方向にそれぞれ折り曲げられた多数のセルを用意する段階と、
(b)隣接するセルのうち一方のセルの第1リードと他方のセルの第2リードとがカートリッジの側壁で同一線上に位置するリード溶接部がカートリッジの側壁に形成されるように、それぞれのセルが収納された多数のカートリッジを積層してカートリッジ組立体を形成する段階と、
(c)対応するそれぞれの第1リードと第2リードとに同時に対面可能な多数のバスバーが設けられたセンシングハウジングをカートリッジ組立体の側面に組み立てる段階と、
(d)それぞれのバスバーを第1リードと第2リードとに対応する異なる溶接点で溶接する段階と、
を含み、
前記(b)段階では、それぞれのカートリッジの側面に、外側に開口するように構成されたコ字状の隔壁を形成することを特徴とするコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法。
【請求項16】
前記(b)段階では、それぞれのカートリッジの側面に隔壁を形成することを特徴とする請求項14に記載のコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法。
【請求項17】
前記(a)段階では、対応するカートリッジに収納された状態でセルのリード絶縁部から約1mmの地点でそれぞれのリードを直角に折り曲げることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法。
【請求項18】
前記(d)段階では、レーザー溶接機を使用することを特徴とする請求項14または請求項15に記載のコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法。
【請求項19】
レーザー溶接機のレーザー照射方向は、センシングハウジングに実質的に垂直であることを特徴とする請求項18に記載のコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法。
【請求項20】
バスバーと第2リードは銅で製作され、第1リードはアルミニウムで製作されることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法。
【請求項21】
請求項14または請求項15に記載の方法によって製造されたコンパクトな二次電池モジュール。
【請求項22】
請求項21に記載のコンパクトな二次電池モジュールを含む二次電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池モジュールの電極リード溶接方法及びそれを用いたコンパクトな二次電池モジュールに関し、より詳しくは、リチウム二次電池モジュールの電極リードとバスバーとの溶接方法及びそれを用いたリチウム二次電池モジュールに関する。
本出願は、2014年12月24日出願の韓国特許出願第10−2014−0188072号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加とともにエネルギー源としての二次電池の需要も急激に伸びている。従来は二次電池としてニッケルカドミウム電池または水素イオン電池が使用されたが、近年、エネルギー密度の高いリチウムイオン電池及びリチウムポリマー電池が広く使用されている。
【0003】
このような二次電池のうち、正極活物質としてリチウム遷移金属酸化物、リチウム複合酸化物などを使用し、重量に対比して高出力と高容量を有するリチウム二次電池が脚光を浴びている。一般に、リチウム二次電池は、正極/セパレータ/負極の電極組立体が電解質とともに密閉された容器に収納されている構造になっている。
【0004】
一方、リチウム二次電池は、正極、負極、これらの間に介在されるセパレータ及び電解質からなり、使用される正極活物質と負極活物質の種類によってリチウムイオン電池(Lithium Ion Battery、LIB)、リチウムポリマー電池(Polymer Lithium Ion Battery、PLIB)などに分けられる。通常、これらリチウム二次電池の電極は、アルミニウムまたは銅のシート、メッシュ、フィルム、ホイルなどの集電体に、正極または負極活物質を塗布し乾燥して形成される。
【0005】
二次電池モジュールは、それぞれのカートリッジに収納されたそれぞれのセルのリードを溶接、ボルティング、リベッティングを用いてパスを構成する方法で直列または並列で構成される。また、二次電池モジュールでそれぞれのセルを直列または並列で構成するとき、アルミニウム材質の正極リード、銅材質の負極リード、及びセンシングのために配置される銅材質のバスバーの3つの部材は、上述したような方式で電気的に接続されねばならない。
【0006】
従来技術によれば、二次電池モジュールが多様に存在し、モジュールを構成するカートリッジ及びセンシングのためのバスバーの構造や位置が相異なることから効率的な接続作業が困難であるだけでなく、センシング構造物の溶接品質が低下し、二次電池モジュールに溶接などの作業のための不要な空間を設けなければならず、最終的に二次電池モジュールのエネルギー密度が低下するという問題があった。
【0007】
また、エネルギー貯蔵装置または電力貯蔵装置に使用される二次電池モジュールは、エネルギー効率または密度を高めるため、二次電池モジュールを最大限コンパクトに構成することに技術開発の焦点が合わせられている。
【0008】
一方、一般的な二次電池モジュールの構成において、セルの電極リード(Al、Cu)とバスバー(Cu)との溶接(特に、レーザー溶接)は、素材毎に溶融点が異なるため、アルミニウムリード−銅リード−バスバーの順に母材を配置した後、セルリード側からレーザーを照射して溶接することが一般的である。しかし、このような順に溶接すれば、レーザーによってセルリードが先に変形するなどのおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、二次電池モジュールの隣接するセルの対応する電極リードが重なる銅材質のバスバー、バスバーと同じ材質の銅リード、及びアルミニウムリードを順次配列して一体的に溶接するか、または、アルミニウムリードと銅リードとを平行に配列した後、バスバーから2つの溶接ポイントで溶接できるように構造が改善された二次電池モジュールの電極リード溶接方法及びそれを用いたコンパクトな二次電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様によるコンパクトな二次電池モジュールは、隣接するセルの第1リードと第2リードとが重なる多数のリード溶接部がカートリッジ側壁に予め決められたパターンで位置し、それぞれのセルを収納しながら積層された多数のカートリッジを含むカートリッジ組立体;及びそれぞれのリード溶接部に対応し位置して溶接可能な多数のバスバーが設けられ、カートリッジ組立体の側面に配置可能なセンシングハウジング;を備え;カートリッジ組立体にセンシングハウジングが結合されるとき、カートリッジの側壁から外側に第1リード、第2リード及びバスバーが順次位置した状態でバスバー方向から溶接される。
【0011】
本発明の他の態様によるコンパクトな二次電池モジュールは、隣接するセルのリードの終端が実質的に同一線上に位置し、多数のリード溶接部がカートリッジの側壁に予め決められたパターンで形成されて、それぞれのセルを収納しながら積層された多数のカートリッジを含むカートリッジ組立体;及びそれぞれのリード溶接部に対応し位置して溶接可能な多数のバスバーが設けられ、カートリッジ組立体の側面に配置可能なセンシングハウジング;を備え;カートリッジ組立体にセンシングハウジングが結合されるとき、それぞれのバスバーは対応するセルの第1リードと、第1リードと逆極性の第2リードとに、異なる溶接ポイントで溶接される。
【0012】
望ましくは、二次電池モジュールは、溶接作業時にセルを保護するためそれぞれのカートリッジの側面に設けられた隔壁を備える。
望ましくは、それぞれのセルのリードは、対応するカートリッジに収納された状態でリード絶縁部から約1mmの地点で直角に折り曲げられる。
望ましくは、前記溶接はレーザー溶接である。
望ましくは、前記レーザーの方向はセンシングハウジングに実質的に垂直である。
望ましくは、バスバーと第2リードは銅で製作され、第1リードはアルミニウムで製作される。
望ましくは、センシングハウジングは、それぞれのバスバーによって感知されるそれぞれのセルの電圧及び/または温度データを管理するためのBMS回路基板をさらに備える。
望ましくは、センシングハウジングはカートリッジ組立体にスナップまたはフック結合される。
望ましくは、二次電池モジュールはセンシングハウジングに結合されるセンシングカバーをさらに備える。
望ましくは、センシングカバーはセンシングハウジングにスナップまたはフック結合される。
望ましくは、カートリッジ組立体の隣接する2つのカートリッジは相互フック結合される。
望ましくは、カートリッジ組立体は両端のカートリッジにそれぞれフック結合される上部カバーと下部カバーをさらに備える。
【0013】
上記の課題を達成するため、本発明のさらに他の態様によるコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法は、(a)相互逆極性を有する第1リードと第2リードとが逆方向にそれぞれ折り曲げられた多数のセルを用意する段階;(b)隣接するセルのうち一方のセルの第1リードがカートリッジの側壁に面し、他方のセルの第2リードが第1リードに面するように重なるリード溶接部がカートリッジの側壁に予め決められたパターンで形成されるように、それぞれのセルが収納された多数のカートリッジを積層してカートリッジ組立体を形成する段階;(c)それぞれの第2リードに対面可能な多数のバスバーが設けられたセンシングハウジングをカートリッジ組立体の側面に組み立てる段階;及び(d)それぞれのバスバー、それに対応する第2リード及び第1リードを溶接する段階を含む。
【0014】
本発明のさらに他の態様によるコンパクトな二次電池モジュールの電極リード溶接方法は、(a)相互逆極性を有する第1リードと第2リードとが逆方向にそれぞれ折り曲げられた多数のセルを用意する段階;(b)隣接するセルのうち一方のセルの第1リードと他方のセルの第2リードとがカートリッジ側壁の同一線上に位置するリード溶接部がカートリッジの側壁に形成されるように、それぞれのセルが収納された多数のカートリッジを積層してカートリッジ組立体を形成する段階;(c)対応するそれぞれの第1リードと第2リードとに同時に対面可能な多数のバスバーが設けられたセンシングハウジングをカートリッジ組立体の側面に組み立てる段階;及び(d)それぞれのバスバーを第1リードと第2リードとに対応する異なる溶接点で溶接する段階を含む。
【0015】
望ましくは、前記(b)段階で、それぞれのカートリッジの側面に隔壁を形成する。
望ましくは、前記(a)段階で、対応するカートリッジに収納された状態でそれぞれのリードがセルのリード絶縁部から約1mmの地点で直角に折り曲げられる。
望ましくは、前記(d)段階ではレーザー溶接機を使用する。
望ましくは、レーザー溶接機のレーザー照射方向はセンシングハウジングに実質的に垂直である。
望ましくは、バスバーと第2リードは銅で製作され、第1リードはアルミニウムで製作される。
【0016】
本発明のさらに他の態様によれば、上述した方法によって製造されたコンパクトな二次電池モジュールが提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、上述した方法によるコンパクトな二次電池モジュールを含む二次電池パックが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の望ましい例示的実施例によるコンパクトな二次電池モジュールの電極端子溶接方法及びそれを用いたコンパクトな二次電池モジュールは、次のような効果を奏する。
第一に、セルリードの折り曲げ長さを最小限に構成し、バスバーが取り付けられた構造物をカートリッジ組立体の側面に組み立てる過程で、特にレーザー溶接で母材の順序を変更(例えば、バスバー−アルミニウムリード及びバスバー−銅リードとの2つの溶接点で個別的に溶接するか、又は、バスバー−銅リード−アルミニウムリードを同時に溶接)した構造、すなわち、異種材溶接によってセンシング構造物の溶接品質を向上させ、コンパクトなモジュールを構成することができる。
第二に、モジュール構成における不要な空間を最小化してモジュールをコンパクトに構成することで、エネルギー効率を向上させることができる。
第三に、セルリードとバスバーとの間の溶接母材の順序において、バスバーが先に加熱される方式を適用することで、リードの損傷を防止することができる。
【0018】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールの結合斜視図である。
図2】本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールの分離斜視図である。
図3図1及び図2に示されたカートリッジ組立体の斜視図である。
図4図3の拡大斜視図である。
図5図2のセンシングハウジングの斜視図である。
図6】本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールのセルリードの折り曲げ部位を示した断面図である。
図7】本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールのリード溶接部の断面図である。
図8】本発明の望ましい例示的実施例によるコンパクトな二次電池の電極リード溶接方法を説明するための図である。
図9】本発明の他の望ましい例示的実施例によるコンパクトな二次電池の電極リード溶接方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を図面を参照して詳しく説明する。本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0021】
図1は本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールの結合斜視図であり、図2は本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールの分離斜視図である。
図1及び図2を参照すれば、本発明の望ましい例示的実施例によるコンパクトな二次電池モジュール100は、それぞれのセル2を収納する多数のカートリッジ10が積層されたカートリッジ組立体20、カートリッジ組立体20の側面に、例えば、ワンタッチ形態、スナップフィット(snap−fit)又はフック形態で結合されるセンシングハウジング30、そしてセンシングハウジング30に設けられた多数のバスバー32及びBMS回路基板34を保護するためのセンシングカバー40を備える。図2の部材番号36は、多数のモジュール100が結合される場合、それぞれのBMS回路基板34の間でデータを伝送するための一対のデータ通信ポートであり、部材番号38は、二次電池モジュール100内部の温度を測定するための温度センサ(図示せず)の信号を受信するための温度データポートである。部材番号31は、完成された二次電池モジュール100の正極ターミナル端子と負極ターミナル端子とをそれぞれ示す。
【0022】
カートリッジ組立体20は、プラスチックで射出成形され、セル2を収納可能な収納部が形成された多数のカートリッジ10が積層されたものであって、それぞれのカートリッジ10は相互スナップフィットまたはフックによって結合されることが望ましい。カートリッジ組立体20において、隣接するセル2の逆極性を有するリード12、14、例えば第1極性を有し、例えばアルミニウムで製造される第1リード12と、第1極性と逆の第2極性を有し、例えば銅で製造される第2リード14とが重なる多数のリード溶接部が、それぞれのカートリッジ10の側壁に予め決められたパターンで位置する。
【0023】
カートリッジ組立体20は、両端のカートリッジ10に、例えばフック結合される上部カバー11と下部カバー13を備える。上部カバー11と下部カバー13は、それぞれカートリッジ組立体20の個別カートリッジ10と実質的に同じ形状を有するように射出成形される。上部カバー11と下部カバー13は、両端のカートリッジ10に収納されたセル2を保護する機能を果たし、二次電池モジュール100の外形を区切って囲む機能と構造を有することは当業者であれば十分理解できるであろう。
【0024】
図3図1及び図2に示されたカートリッジ組立体の斜視図であり、図4図3の拡大斜視図であり、図5図2のセンシングハウジングの斜視図である。
図1ないし図5を参照すれば、センシングハウジング30にはそれぞれのリード溶接部に対応する多数のバスバー32が設けられる。それぞれのバスバー32は、例えば銅で製作されることが望ましい。また、センシングハウジング30は略長方形であり、例えば絶縁性プラスチックで射出成形でき、それぞれのバスバー32を収納可能な多数の収納孔35が所定パターンで貫設されている。センシングハウジング30の略中央部には対応するバスバー32によって感知されるそれぞれのセル2の電圧及び/または温度データを収集し、収集したデータに基づいて該当セル2をバランシングし、モジュールの他の制御部(図示せず)にデータを伝達する機能を有するBMS回路基板34が設けられる。BMS回路基板34はそれぞれのバスバー32の一端と電気的に連結される。
【0025】
第1リード12と第2リード14は、それぞれのセル2の側面から所定長さ延びて折り曲げられて所定の幅をそれぞれ有する。それぞれのセル2の第1リード12は図面の下方に90度折り曲げられ、第2リード14は図面の上方に90度折り曲げられる。
【0026】
上述したように、それぞれのリード溶接部を構成するため、隣接するセルのうち一方のセル2の第1リード12はカートリッジ10厚さの約半分の長さほど折曲部から延び、他方のセル2の第2リード14はカートリッジ10厚さの約半分の長さほど延びることで、第1リード12と第2リード14とはリード溶接部で同一平面に位置し、その終端は相互対面しながら実質的に接触するか又は所定間隔離隔するように配置される。この状態で、カートリッジ組立体20にセンシングハウジング30が結合されれば、対応するそれぞれのバスバー32は第1リード12と第2リード14とに同時に面するようになる。そして、例えば、レーザー溶接機を用いて2つの溶接ポイントで溶接することができる。このような溶接工程において、第1リード12に対応するセンシングハウジング30のバスバー32を先に溶接した後、第2リード14に対応するバスバー32の溶接ポイントを溶接できることは勿論であり、2つの溶接ポイントを有する溶接機を用いて2つのポイントを同時に溶接することもできる。変形された実施例によれば、第1リード12及び第2リード14と対応するバスバー32とは超音波溶接によっても相互結合され得る。
【0027】
本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールのセルリードの折り曲げ部位を示した断面図である図6を参照すれば、本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュール100をコンパクトに構成してエネルギー効率を最大限高めるため、それぞれのセル2のリード12、14は対応するカートリッジに収納された状態でリード絶縁部15から約0.8〜1.2mmの地点で直角に折り曲げられることが望ましい。
【0028】
図7は、本発明の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールのリード溶接部の断面図である。図7を参照すれば、それぞれのリード溶接部に隣接するセル2の第1リード12と第2リード14とが平行に相互対面して配置された状態のカートリッジ組立体20の側面に、センシングハウジング30が結合されて二次電池モジュール100を構成すれば、モジュール100の外側、すなわち、レーザー溶接が行われる方向からカートリッジ組立体に向かう方向にバスバー32と、第1リード12及び第2リード14とが同時に面するように位置される。このように配置された状態でバスバー32と第1リード12との間、及びバスバー32と第2リード14との間を溶接するとき、特に、センシングハウジング30に実質的に垂直な方向にレーザーを照射するとき、カートリッジ組立体20のそれぞれのカートリッジ10に収納されたセル2を保護するため、それぞれのカートリッジ10の側面には隔壁18が設けられる。このような隔壁18は、レーザー装置(図示せず)によって照射されるレーザー(図示せず)がセル2に直接照射されることを防止するための遮断壁の機能を果たす。
【0029】
図1及び図2を再び参照すれば、望ましい例示的実施例による二次電池モジュール100において、センシングハウジング30がカートリッジ組立体20に結合された状態で、BMS回路基板34とバスバー32部位を保護するため、センシングハウジング30にセンシングカバー40が結合された状態が示されている。センシングカバー40はセンシングハウジング30にスナップまたはフック結合されることが望ましく、絶縁性プラスチック材質で射出成形されることが望ましい。
【0030】
本発明の他の望ましい例示的実施例による二次電池モジュールの電極リードの溶接方法を説明する。
まず、相互逆極性を有する第1リード12と第2リード14とが反対方向に折り曲げられた多数のセル2を用意する。ここで、第1リード12と第2リード14の長さは、セル2がカートリッジ10に収納されたとき、カートリッジ10の幅の約半分になることが望ましい。また、セル2がそれぞれ対応するカートリッジ10に収納された状態で、セルのリード12、14はリード絶縁部15から約0.8〜1.2mm、望ましくは1mmの地点で直角に折り曲げられることで、エネルギー効率を最大化させることができる。
【0031】
その後、隣接するセル2の逆極性のリード12、14が相互対面し、リード溶接部がカートリッジ10の側壁に予め決められたパターンで位置するように、それぞれのセル2が収納された多数のカートリッジ10を積層してカートリッジ組立体20を形成する。ここで、それぞれのセル2がカートリッジ10に収納されてカートリッジ組立体20を形成するために積層されれば、隣接する2つのセル2の相互逆極性の第1リード12と第2リード14との終端は相互接触しても良く、所定間隔離隔しても良いが、リード溶接部で第1リード12と第2リード14とは同一平面に置かれるようになる。カートリッジ組立体20を形成するためのそれぞれのカートリッジ10には、セル2を収納可能な収納部が設けられ、隣接する一対のカートリッジ10には相互スナップフィットまたはフック結合できるようにフックとスロットが形成され得る。また、カートリッジ組立体20の両面では、それぞれセル2を収納及び保護できる上部カバー11と下部カバー13とが、例えばスナップフィットまたはフック結合される。また、第1リード12と第2リード14が位置するカートリッジ10は、それぞれの側面に隔壁18が設けられたカートリッジを用いることで、後述するレーザー溶接作業時にレーザーからセル2を保護する。
【0032】
次いで、対応するバスバー32が第1リード12と第2リード14とに対面できるように、それぞれのリード溶接部に対応する多数のバスバー32が設けられたセンシングハウジング30をカートリッジ組立体20の側面にフックまたはスナップフィット形態で結合する。ここで、第1リード12はアルミニウムで製作され、第2リード14とバスバー32は銅で製作される。
【0033】
最後に、それぞれのリード溶接部の第1リード12及び第2リード14と、それぞれのバスバー32とを2つの溶接ポイントでレーザー溶接を行う。該段階は、それぞれのバスバー32の2つの溶接ポイントを有する溶接システムを使用することもでき、一方のリードに対応する溶接ポイントを有する個別レーザー溶接機を用いてポイント溶接を数回行うこともできる。また、レーザー溶接機は、センシングハウジング30に実質的に垂直方向にレーザーを照射することが望ましい。
【0034】
上述した実施例による二次電池モジュール100は、相互直/並列方式で電気的に連結されて所定のケースに収納され、例えば、家庭用光起電(PV)太陽エネルギーパネル用電力貯蔵装置のためのコンパクトな二次電池パックとして提供することができる。
【0035】
図9は、本発明の他の望ましい例示的実施例によるコンパクトな二次電池の電極リード溶接方法を説明するための構成図である。
図9を参照すれば、本実施例による二次電池の電極リード溶接方法及びそれを用いたコンパクトな二次電池モジュールにおいて、隣接するセルの逆極性を有する第1リード12と第2リード14とを相互重ねてリード溶接部を形成する。この過程において、第2リード14をカートリッジ10の側壁に面するようにし、バスバー32と第2リード14との間に第1リード12を位置させる。すなわち、このようにリード溶接部を構成することで、例えば、レーザー溶接機を用いてリード溶接部を溶接するとき、バスバー32、第1リード12及び第2リード14が順次位置した状態で1つのポイントで溶接することができる。本実施例による溶接方法の場合、3つの母材を同時に溶接せねばならないため、2つの母材のみを溶接する上述した実施例より溶接機の出力が一層高いものを使用することが望ましい。
【0036】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者であれば本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。従って、本発明に開示された実施例は本発明の技術思想を限定するものではなく、説明するためのものであって、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されることはない。本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって解釈されねばならず、それと同等な範囲内の全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は二次電池モジュールの電極リード溶接方法及びそれを用いたコンパクトな二次電池モジュールに関し、特に、二次電池モジュールの電極リード溶接と関連する産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0038】
2 セル
10 カートリッジ
12 第1リード
14 第2リード
20 カートリッジ組立体
30 センシングハウジング
32 バスバー
100 二次電池モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9