特許第6440139号(P6440139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440139
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】三次元造形物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/165 20170101AFI20181210BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20181210BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20181210BHJP
   B22C 9/02 20060101ALI20181210BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20181210BHJP
【FI】
   B29C64/165
   B22F3/105
   B22F3/16
   B22C9/02 101Z
   B33Y10/00
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-66741(P2014-66741)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-189035(P2015-189035A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2017年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】391064429
【氏名又は名称】シーメット株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】大場 好一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸吉
(72)【発明者】
【氏名】大長 勇哉
(72)【発明者】
【氏名】岡根 利光
(72)【発明者】
【氏名】今村 聡
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−275846(JP,A)
【文献】 特開2005−171299(JP,A)
【文献】 特開2000−024756(JP,A)
【文献】 特開2014−018835(JP,A)
【文献】 特開2002−249805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 − 64/40
B22F 3/105
B22F 3/16
B22C 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一層毎に粉体材料に結合剤となりうる物質を選択的に作用させて固化し、三次元物体を得るインクジェット粉末造形法で三次元造形物を作成、或いは粉体材料を電磁または粒子放射により選択的に加熱し、焼結或いは溶融させて固化して一体にする粉末造形法によって三次元造形物を作成し、固化された粉体材料の内部から非固化の粉体材料を除去することによって鋳型となる三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法において、
前記鋳型となる部分の外側に、前記三次元造形物の造形中に、非固化の粉体材料が封入された第2の粉体材料封入部を備える型枠部少なくとも1つ設ける工程を加えたことを特徴とする三次元造形物の製造方法
【請求項2】
前記三次元造形物の外側から、前記第2の粉体材料封入部の各個の内部に連通し、前記結合剤となりうる物質の注入は可能であるが、前記粉体材料の通過は困難な注入孔を、前記型枠部に設ける工程を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の三次元造形物の製造方法
【請求項3】
前記注入孔から前記第2の粉体材料封入部の内部に、冷却を促進する前記結合剤となりうる物質注入することにより、前記第2の粉体材料封入部冷却促進部に変更する工程を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の三次元造形物の製造方法
【請求項4】
前記注入孔から前記第2の粉体材料封入部の内部に、冷却を抑制する前記結合剤となりうる物質を注入することにより、前記第2の粉体材料封入部冷却抑制部に変更する工程を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の三次元造形物の製造方法
【請求項5】
前記第2の粉体材料封入部が複数あり、
前記注入孔から前記第2の粉体材料封入部の少なくとも1つの内部に、冷却を促進する前記結合剤となりうる物質注入することにより、冷却促進部に変更された前記第2の粉体材料封入部と、
前記注入孔から前記第2の粉体材料封入部の少なくとも1つの内部に、冷却を抑制する前記結合剤となりうる物質を注入することにより、冷却抑制部に変更された前記第2の粉体材料封入部の両方を作る工程を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の三次元造形物の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元造形装置を使用して得た三次元造形物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄、アルミニウム合金、銅、真鍮等の金属を融点よりも高い温度で熱して液体にした後、鋳型に流し込んで冷やし、金属製の造形物を製造する鋳造技術が知られている。この鋳造技術では寺の梵鐘や鉄瓶、風鈴等の民芸品から、エンジン、プロペラ、タービン等の工業製品までが作られる。ここで、図1(a)から(h)を用いて従来の鋳造工程を説明する。
【0003】
図1(a)は作ろうとする鋳造品の形状を示すものである。ここでは、底のある円筒状の容器(以後中空容器と言う)90を、金属で製造する場合の工程について説明する。図1(a)に示すような中空容器90を作る場合は、図1(b)に示すような中空容器90と同形状で中央で二分割できる割り木型と呼ばれる木型91が準備される。木型91は上木型91Uと下木型91Lに分解することができる。
【0004】
図1(c)、(d)は下側の砂型95Lを作る工程を示すものである。この工程では、図1(c)に示すように、まず下木型91Lが定盤92の上に置かれ、その周囲が型枠93で囲まれる。次に、下木型91Lの周囲に砂Sが詰め込まれ、型枠93の上まで砂Sで満たされる。この砂Sには粘土分を殆ど含まない天然けい砂、人工けい砂等に液体樹脂と結合剤がミックスされたもの等が使用される。砂Sが固まったところで型枠93から下木型91Lを抜いて上下を逆にすると、図1(d)に示すような下側の砂型95Lが出来上がる。
【0005】
上側の砂型95Uは上木型91Uを使用して下側の砂型95Lと同様に作られる。上側の砂型95Uの製法が下側の砂型95Lの製法と異なる点は、図1(e)に示すように、型枠93内に詰め込まれた砂Sの中に、上木型91Uの外周面と枠型93に詰め込まれた砂Sの上面とを連絡する湯口棒94やガス抜き棒96が挿入される点である。型枠93内で固まった砂Sから上木型91Uを抜く時に、これらの湯口棒94とガス抜き棒96も引き抜かれる。湯口棒94を引き抜いてできる孔が溶湯(溶けた鋳造金属)の注ぎ口となる湯口94Hであり、ガス抜き棒96を引き抜いてできる孔が鋳造時に砂型95内に発生するガスを抜くためのガス抜き孔96Hである(図1(g)参照)。
【0006】
図1(f)は砂型95内に入れる中子97を作る工程を示すものである。中子97は、図1(a)に示した中空容器90の中空部分90Hを作るためのものであり、中子用型枠93Cに砂Sを詰めて作られる。中子97は上側と下側の砂型95U,95Lを合わせる時にその内部に位置決めされて取り付けられ、中子97を備える砂型95は図1(g)に示すような内部空間98を備えた形状となる。この砂型95の湯口94Hから溶解した金属Mを流し込んで内部空間98を金属Mで充填した後に冷却し、砂型95を壊すと、図1(h)に示すような鋳造品90Cが出来上がる。この鋳造品90Cから湯口94Hやガス抜き孔96Hによってできる不要な部分94M,96Mを除去して整形すると、図1(a)に示した中空容器90が出来上がる。
【0007】
このような砂型に溶融金属を流し込んで金属製の造形物を製造する鋳造技術の分野では、粉体材料に砂以外の多孔性粉末品を使用したり、鋳型に金属以外の複合材料を流し込む鋳造方法も知られており、その一例が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2005−536353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、これまでの鋳造技術では、鋳造のための鋳型、例えば砂型を作る作業に大きな作業場(スペース)と多大な労力がかかるという課題があった。そこで、砂型のような三次元造形物を、より効率的に小さなスペースで作り出す三次元造形物の製造方法が望まれている。
【0010】
この要望に対して、本発明は、これまである3次元造形装置を利用し、インクジェット粉末造形法又は粉末溶融/焼結法で作成した三次元造形物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の三次元造形物の製造方法は、一層毎に粉体材料に結合剤となりうる物質を選択的に作用させて固化し、三次元物体を得るインクジェット粉末造形法で三次元造形物を作成、或いは粉体材料を電磁または粒子放射により選択的に加熱し、焼結或いは溶融させて固化して一体にする粉末造形法によって三次元造形物を作成し、固化された粉体材料の内部から非固化の粉体材料を除去することによって鋳型となる三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法において、鋳型となる部分の外側に、三次元造形物の造形中に、非固化の粉体材料が封入された第2の粉体材料封入部を備える型枠部少なくとも1つ設ける工程を加えたことを特徴とする三次元造形物の造形方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の三次元造形物の造形方法によれば、結合剤が塗布された外皮と、外皮の内部にあり、結合剤が塗布されていない粉体材料とを備える三次元造形物の造形方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来の砂型による鋳造作業を説明するものであり、(a)は作ろうとする鋳造品の形状を示す斜視図、(b)は(a)の造形品を製造するのに使用される割り木型の斜視図、(c)は定盤上に置いた枠内に木型を置いて砂を詰め込んだ状態の下型を示す断面図、(d)は(c)に示した下型を上下逆にした後に割り木を取り除いた下型の断面図、(e)は盤上に置いた枠内に木型と湯口棒とガス抜き棒を置いて砂を詰め込んだ状態の上型を示す断面図、(f)は型枠に砂を詰め込んで作った中子の断面図、(g)は(a)に示した下型に(a)で示した上型から割り木と湯口棒と空気抜き棒を取り除いた上型と(f)に示した中子を取り付けて鋳型を作り、鋳鉄を鋳込む状態を示す断面図、(h)は(g)に示した鋳型を用いて出来上がった鋳造品の断面図である。
図2】本発明の三次元造形装置を構成する部材を示す斜視図である。
図3】(a)は図2に示した造形タンク内に格納された造形テーブルの上にリコータユニットにより砂を水平に供給して第1層目の砂層を形成する工程を示す斜視図、(b)は(a)の工程によって造形テーブルの上に作られた砂の層に、プリントヘッドユニットによりバインダを塗布する工程を示す斜視図である。
図4】(a)は図3(b)に示した工程によってバインダが塗布された第1層目の砂層の上に、リコータユニットにより砂を供給して第2層目の砂層を形成する工程を示す斜視図、(b)はリコータユニットによる砂の供給とプリントヘッドユニットによるバインダの塗布が複数層に渡って行われた後に、砂層の上にプリントヘッドユニットによりバインダを塗布する工程を示す斜視図である。
図5】(a)は造形タンク内に格納された造形テーブルの上にリコータユニットとプリントヘッドユニットにより三次元造形物が形成された状態を示す斜視図、(b)は造形タンク内から(a)に示した三次元造形物を取り出して余分な砂を除去した状態の三次元造形物を示す斜視図である。
図6】(a)は図3(a)に示した状態を造形タンクと造形テーブルを昇降させる昇降装置と共に示す断面図、(b)は図3(b)に示した状態を造形タンクと造形テーブルを昇降させる昇降装置と共に示す断面図、(c)は図4(a)に示した状態を造形タンクと造形テーブルを昇降させる昇降装置と共に示す断面図、(d)は(c)の工程によって形成された2層目の砂層の上にプリントヘッドユニットによりバインダを塗布する工程を示す断面図、(e)は造形タンク内の造形テーブルの上に砂層が複数層に渡って形成された状態を示す断面図、(f)は造形タンク内の造形テーブルの上に砂層が最後の層まで形成され、砂層の中にバインダによって三次元造形物が形成された状態を示す断面図である。
図7】(a)は図6(f)のA−A線における断面図、(b)は(a)のB−B線における断面図、(c)は(a)のC−C線における断面図、(d)は(a)のD−D線における断面図、(e)は(a)のE−E線における断面図、(f)は(a)のF−F線における断面図、(g)は(a)のG−G線における断面図である。
図8】(a)は図3(a)から図5(b)に示した工程と同様の工程によって形成された本発明の三次元造形物の形状を示す斜視図、(b)は(a)に示した三次元造形物を線Hにおいて切断した状態の斜視図である。
図9】(a)は本発明の三次元造形物の変形例の断面図、(b)は(a)に示した変形例の三次元造形物の第2の粉体材料封入部にバインダ注入器によって別のバインダを注入する工程を説明する断面図である。
図10】鋳造欠陥を防止するための従来の方法を説明するものであり、(a)は割り木型を用いて製造した砂型の下側の砂型に設けた凹部に冷やし金を挿入する工程を示す工程図、(b)は中子を製作する工程を示す斜視図、(c)は中子と冷やし金の入った砂型に鋳鉄を投入して鋳込む工程を示す工程図、(d)は(c)に示した鋳造工程の後に砂型を壊して鋳造品を取り出した状態を示す断面図である。
図11】(a)は本発明の三次元造形装置で作られた別の実施例の三次元造形物の断面図、(b)は(a)に示した三次元造形物において第1の粉体材料封入部からは砂を取り出し、第2の粉体材料封入部は冷却阻害部と冷却促進部にした状態の断面図、(c)は(b)に示した三次元造形物の第1の粉体材料封入部に鋳鉄を投入して鋳込む工程を示す工程図、(d)は(c)に示した鋳造工程の後に三次元造形物を壊して鋳造品を取り出した状態を示す断面図である。
図12】(a)は造形テーブルの上にリコータによって第1層目の砂が散布される状態を示す断面図、(b)は第1層目の砂層に照射装置によって光ビームが照射されて砂同士が結合する状態を示す断面図、(c)は造形テーブルの上にリコータによって第2層目の砂が散布される状態を示す断面図、(d)は(c)の工程によって形成された2層目の砂層の上に照射装置によって光ビームが照射されて砂同士が結合する状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例では、粉体材料として砂を用いた三次元造形装置及び三次元造形物を説明するが、砂は一例であり、本発明の三次元造形装置及び三次元造形物は砂以外の他の粉体材料に対しても適用が可能である。
【0018】
図2は本発明の三次元造形装置10の外観とその内部に設けられる部材を取り出して示すものであり、三次元造形装置10は3Dプリンタとも呼ばれる。三次元造形装置10には、プリントヘッドユニット1、リコータユニット2、造形タンク3、昇降装置4、砂供給ホッパユニット5、クリーニングユニット6、造形タンク移送ユニット7及び薬品ユニット8等が内蔵されている。
【0019】
プリントヘッドユニット1は、プリントヘッドX軸AXとプリントヘッドY軸AYにより矢印で示す前後左右に移動することができる。また、プリントヘッドユニット1は、ビットマップやNCのパスデータ等の3次元データが2次元の層の集まりに変換されたデータを元に、砂を結合させる結合剤であるバインダを造形テーブルの上に吐出し、液滴が落下し塗布する。結合剤は以後バインダと記載する。プリントヘッドユニット1の近傍にはリコータユニット2が設けられている。リコータユニット2は、リコータ内ホッパと振動ブレード(共に図示せず)を備えている。リコータ内ホッパは、砂供給ホッパユニット5から供給される砂を貯蔵する。また、振動ブレードは、リコータユニット2がリコータ軸AY1によって矢印で示す装置正面から見て前後方向に移動している時に動作し、移動中にリコータユニット2から砂を造形テーブルの上に密に且つ水平に同じ厚さで撒く。
【0020】
造形タンク3は後述する造形テーブルを格納するものであり、造形テーブルの上に造形したモデル(本発明では三次元造形物)が完成する。造形タンク3の中にモデルが完成すると、造形タンク3は造形タンク移送ユニット7の駆動ローラによって自動で三次元造形装置10の外に送り出される。造形タンク3を三次元造形装置10の中に挿入する時も造形タンク移送ユニット7の駆動ローラによって自動で造形タンク3が三次元造形装置10の中に挿入される。
【0021】
昇降装置4は造形タンク3に格納された造形テーブルを矢印で示すZ軸方向に移動させるものであり、汎用のものが使用できるので、ここではその構成についての説明は省略する。また、クリーニングユニット6は、プリントヘッドユニット1に付着した余分なバインダや砂等を取り除くものであり、薬品ユニット8は、造形プロセスに使用する薬品(バインダ、クリーナ)を貯蔵するものである。バインダはプリントヘッドユニット1に供給され、クリーナはクリーニングユニット6に供給される。また、薬品ユニット8には廃液タンクがあり、クリーニングユニット6で発生した廃液がこのタンクに回収される。
【0022】
リコータユニットやプリントヘッドユニットの各軸に沿った移動は、ボールねじを使用する、タイミングベルトを使用する、或いは空気圧を使用したエアスライドシリンダを使用する等の公知の手段によって行うことができる。同様に昇降装置による造形テーブルの昇降には、ボールねじを使用した機構、チェーンと歯車を使用した機構、空気圧を使用したエアスライドシリンダ、或いは油圧機構等の公知の機構を使用することができる。
【0023】
ここで、図2に示した造形タンク3の中に、プリントヘッドユニット1とリコータユニット2を使用して三次元造形物を作る工程の一実施例について、図3から図7を用いて説明する。なお、この実施例では、造形タンク3の中に作る粉体材料が封入された三次元造形物として、図1(a)に示した中空容器90と同形状の中空造形物を作る鋳型を、最小限の三次元造形物として作る場合について説明する。
【0024】
図3(a)、図6(a)は、図2に示した造形タンク3内に格納された造形テーブル30の上に、リコータユニット2により砂Sを水平に撒いて第1層目の砂層S1を形成する工程を示すものである。図6(a)に示すように、この実施例では、造形開始時点において、造形テーブル30の上面30Sは造形タンク3の上端面3Tと同じ高さの面になっているものとする。リコータユニット2の中には図2に示した砂供給ホッパユニット5から供給される砂Sが入っており、リコータユニット2はリコータ軸AY1に沿って移動して、この砂Sを造形テーブル30の上面30Sに撒いて第1層目の砂層S1を形成する。
【0025】
図7(b)が造形テーブル30の上に形成された第1層目の砂層S1を示している。第1層目の砂層S1の厚さを含め、第1層目の砂層S1の上に以後積層される砂層の厚さは常に一定である。図3(b)、図6(b)は、図3(a)、図6(a)に示した工程によって、造形テーブル30の上に作られた第1層目の砂層S1に、プリントヘッドユニット1によりバインダが吐出・塗布される工程を示すものである。造形テーブル30の下には昇降装置4が設置されているが、リコータユニット2の動作が終了した直後にプリントヘッドユニット1が動作する時には、昇降装置4は動作しない。プリントヘッドユニット1から第1層目の砂層S1へのバインダの吐出・塗布が終了した状態が図7(c)に示される。第1層目の砂層S1の上へのバインダの吐出・塗布が終了すると、第1層目の砂層S1のバインダ塗布部分B1が固化する。
【0026】
第1層目の砂層S1の上へのバインダの塗布が終了すると、昇降装置4により、造形テーブル30が第1層目の砂層S1の厚さ分だけ下降する。この結果、第1層目の砂層S1の上面が造形タンク3の上端面3Tと同じ面になる。この状態で、図4(a)、図6(c)に示すように、バインダが塗布された第1層目の砂層S1の上に、リコータユニット2により砂Sが供給されて第2層目の砂層S2を形成する工程が行われる。リコータユニット2による第2層目の砂層S2の形成により、第1層目の砂層S1に塗布されたバインダ塗布部分B1は砂Sで完全に隠れる。
【0027】
次いで、図6(d)に示すように、第2層目の砂層S2に、プリントヘッドユニット1によりバインダが吐出・塗布され、第2層目の砂層S2のバインダ塗布部分B2が固化し、第1層目の砂層S1のバインダ塗布部分B1と結合する。このようなリコータユニット2による砂層の散布と、プリントヘッドユニット1によるバインダの吐出・塗布は、昇降装置4によって造形テーブル30を砂層の厚さ分だけ降下させながら繰り返し行われる。プリントヘッドユニット1により砂層上に形成されるバインダの塗布部分の形状は、作る三次元造形物の形状によって異なる。本実施例のように、図1(a)に示した中空容器90と同形状のものを中空造形物として作る場合、砂層の上のバインダ塗布部分の形状は図7(c)、図7(d)及び図7(e)のように変化して三次元造形物が造形される。
【0028】
図7(e)に示す状態が、造形タンク3の中に三次元造形物が半分程度作られた状態を示している。そして、図7(e)に示す状態の、n(nは自然数)層目の砂層Snを形成する工程が図6(e)に示され、砂層Snの上にバインダを塗布してバインダ塗布部分Bnを形成する工程が図4(b)に示される。この時、造形テーブル30は昇降装置4によって造形タンク3の深さの半分程度の位置まで降下している。
【0029】
造形テーブル30の上に砂の最終層Szが形成され、砂の最終層Szの上にバインダ塗布部分Bzが形成された状態が図5(a)、図6(f)及び図7(g)に示される。この状態では、造形テーブル30の下面30Bは、昇降装置4によって造形タンク3の下端面3Bの位置まで降下している。また、図6(f)のA−A線における断面が図7(a)に示される。そして、図7(a)に示す断面から図7(b)〜図7(g)に示されるバインダ塗布部分の形状は、それぞれ図7(a)におけるB−B線、C−C線、D−D線、E−E線、F−F線及びG−G線における形状であることが分る。なお、造形テーブル30の上に形成される三次元造形物の高さが、造形タンク3の深さよりも低い場合には、三次元造形装置の造形終了時に、造形テーブル30が造形タンク3の下端部まで達しないこともある。
【0030】
以上説明した工程が終了すると、造形タンク3の内部には、バインダが塗布されていない砂層が存在し、この砂層に囲まれて、バインダ塗布部分によって砂が結合して固化した三次元造形物20が形成されている。三次元造形物20の上端面には、内部と外部との連絡部である湯口22が形成されている。この状態から昇降装置4を動作させて造形テーブル30とその上の砂層を含む造形物とを造形タンク3から抜き出し、砂層を除去すると図5(b)に示すような三次元造形物20が出来上がる。
【0031】
三次元造形物20の内部には、内部空間21が形成されており、内部空間21の中にはバインダが塗布されていない砂が粉体として入っている。そこで、内部空間21の中から湯口22を通じて砂を抜くと、三次元造形物20が内部空間21を有する砂型(鋳型)となる。三次元造形物20の周囲から除去した砂と内部空間21から抜き出した砂は再利用することができる。この状態で湯口22から溶融した金属を流し込めば、図1(a)に示したような中空容器が出来上がる。なお、以上説明した工程によって作られる三次元造形物20には、従来技術で説明したガス抜き孔を示していないが、ガス抜き孔は湯口22と同様に形成することができるものである。バインダの塗布部は外皮とも呼ばれる。
【0032】
以上説明した工程により、造形タンク3の中には、図5(b)に示したような三次元造形物20が造形される。一方、本発明では、三次元造形物20を第1造形部20として、プリントヘッドユニット1による砂層へのバインダの吐出・塗布部分を増やすことにより、図5(b)に示した第1造形部20の外側に、型枠部としての第2造形部41を形成する。第1造形部20の外側に第2造形部41を備えた三次元造形物40は、図8(a)に示すように、造形タンク3の内寸に等しい外形を備えている。
【0033】
図8(b)は図8(a)に示した三次元造形物40から、内部と外部の連絡部である湯口46を通じて内部の砂を抜き、線Hにおいて切断した状態を示すものである。三次元造形物20と同形状の第1造形部20の部分を鋳型部42として、三次元造形物20の内部空間21に対応する内部空間44を第1の粉体材料封入部44とする。三次元造形物40では、鋳型部42の周りに、バインダによって結合された型枠部41が形成されている。
【0034】
そして、型枠部41と鋳型部42の間にはバインダが塗布されなかった第2の粉体材料封入部43が形成されている。第2の粉体材料封入部43の中の砂は抜くことができない。鋳型部42の中には、砂を抜けば内部空間となる第1の粉体材料封入部44と中子部45があり、第1の粉体材料封入部44が湯口46によって外部に連通している点は、三次元造形物20と同じである。三次元造形物40では、鋳造後に型枠部41を壊すことによって、第2の粉体材料封入部43内の砂を取り出すことができる。
【0035】
鋳造後には砂は除去されるが、一般的な鋳造作業ではバインダを化学的、物理的に除去所して再生を行っている。しかしながら、これまでの三次元造形物を利用して鋳造を行う場合は、同様にバインダの再生を行おうとしても、砂の粒径が変化する等の理由で再び三次元造形物の原料として再生することはできなかった。一方、本発明では、鋳造を行った後に、第2の粉体材料封入部43内のバインダで固化されていない砂を取り出して再利用することが出来るので、用いた砂の全量ではないが、砂の再生が可能である。
【0036】
図9(a)は本発明の三次元造形物40の変形例を示すものである。この変形例では、三次元造形物40の造形時に、型枠部41と鋳型部42の間に形成された第2の粉体材料封入部43のそれぞれに、外部に連通する細径の連絡部である細孔48を形成している。細孔48の位置は特に限定されるものではない。細孔48が設けられていると、砂を除去した細孔48内にバインダ注入器の針を差し込み、別の種類のバインダ、例えば冷却促進するバインダや冷却抑制するバインダ等を、第2の粉体材料封入部43のそれぞれに注入することが可能になる。
【0037】
冷却促進するバインダは、通常のバインダに熱伝達剤として、金属、金属化合物、黒鉛等の副材料を加えることによって作ることができる。また、冷却を抑制するバインダは、通常のバインダに熱不伝達剤として、ガラスや粒径の小さい砂(ガスの移動を妨げる)等の副材料を加えることによって作ることができる。
【0038】
図9(b)は、三次元造形物40が形成された後に、第2の粉体材料封入部43の細孔48にバインダ注入器47の針を差し込み、冷却促進するバインダを注入した実施例を示している。冷却促進するバインダを注入することにより、第2の粉体材料封入部43を冷却促進部43Aに変えることができる。また、第2の粉体材料封入部43の細孔48にバインダ注入器47の針を差し込み、冷却を抑制するバインダを注入することにより、第2の粉体材料封入部43を冷却抑制部43Bに変えることができる。
【0039】
図10(a)から(d)は、熱伝達不良による鋳造欠陥を防止するための従来の砂型を使用した鋳造方法を説明するものである。図10(a)に示すように、従来は、割り木型を用いて製造した下側の砂型95Lの内部空間98に設けた凹部98Cに金属製の冷やし金99を挿入し、これに上側の砂型95Uを合わせていた。98Aは押湯部、94Hは湯口である。そして、図10(b)に示すように、中子用枠型93Cを用いて中子97を製作し、図10(c)に示すように、中子97と冷やし金99の入った砂型95に、溶融した鋳鉄Mを投入して鋳造を行っていた。図10(d)は図10(c)に示した鋳造工程の後に砂型95を壊して取り出した鋳造品90Cを示している。砂型95を壊すと、冷やし金99と残砂DSが残る。
【0040】
このような、熱伝達不良による鋳造欠陥を防止するための従来の砂型を使用した鋳造方法は、本発明の三次元造形装置によって造形される三次元造形物によって実現することが可能である。これを図11(a)から(d)を用いて説明する。
【0041】
図11(a)は、三次元造形装置によって形成された三次元造形物40Aの断面を示すものである。この実施例の三次元造形物40Aによって作られる中空容器は、図1(a)に示した中空容器90と同形状であるとする。三次元造形物40Aには、型枠部41、第1の粉体材料封入部44、第2の粉体材料封入部43、中子部45及び湯口46が設けられている。第2の粉体材料封入部43は、湯口46に近い側に2箇所、湯口46から遠い側に1箇所の合計3箇所に設けられている。第2の粉体材料封入部43のそれぞれには細孔48が設けられていることは前述の三次元造形物40と同様である。
【0042】
図11(b)は図11(a)に示した三次元造形物40Aから砂Sを抜き出した状態を示すものである。この実施例では、湯口46から遠い側の第2の粉体材料封入部43に細孔48を通じて冷却促進するバインダが注入されて冷却促進部43Aとなり、湯口46に近い側の第2の粉体材料封入部43には細孔48を通じて冷却抑制するバインダが注入されて、冷却抑制部43Bとなっている。また、第1の粉体材料封入部44からは砂が抜かれて内部空間44となっている。
【0043】
図11(c)は図11(b)に示した三次元造形物40Aに、溶融した鋳鉄Mを湯口46から投入して鋳込む工程を示している。溶融した鋳鉄Mを内部空間44に投入すると、型枠部41の湯口46から遠い側では冷却促進部43Aによって鋳鉄Mが短い時間で冷却され、湯口46に近い側では冷却抑制部43Bによって鋳鉄Mが時間をかけて冷却される。また、冷却促進部43Aと冷却抑制部43Bの位置を逆にすれば、溶融した鋳鉄Mを内部空間44に投入した時に、型枠部41の湯口46から遠い側では冷却抑制部43Bによって鋳鉄Mが冷却され難く、湯口46に近い側では冷却促進部43Aによって鋳鉄Mが冷却され易くなる。
【0044】
図11(d)は図11(c)に示した鋳造工程の後に三次元造形物40Aを壊して鋳造品90Cを取り出した状態を示すものである。三次元造形物40Aを壊した後には、鋳造品90Cと残砂DS及び冷却促進剤を含む残砂DAと冷却抑制剤を含む残砂DBが残る。湯口部46によって作られた余分な部分46Mは鋳造品90Cから除去する。このようにして出来上がった鋳造品90Cは、冷却促進部43Aと冷却抑制部43Bにより熱伝達不良による鋳造欠陥を防止することができる。また、本発明の三次元造形装置では、冷却促進部43Aと冷却抑制部43Bにより、用途に応じて硬さを部分的に変えた鋳造物を製造することもできる。残砂DSは再利用が可能であり、残砂DA及びDBは化学処理によって冷却促進剤と冷却抑制剤を分離すれば再利用が可能である。
【0045】
また、以上説明した実施例では、三次元造形物20,40は一体型の造形物として造形されているが、造形物は必ずしも一体である必要はない。例えば、図11(b)に示した三次元造形物40は、K‐K線よりも上側の三次元造形物と下側の三次元造形物に分けて造形することができる。分割する数は限定されるものはないが、分割された三次元造形物には第1の粉体材料封入部又は第2の粉体材料封入部が含まれていなければならない。また、以上説明した実施例では、造形時に造形テーブルが下降し、リコータユニットとプリントヘッドの位置は変わらなかった。しかし、三次元造形装置の構造によっては、造形時に造形テーブルの位置が固定され、リコータユニットとプリントヘッドの位置が造形テーブルの位置に対して変化させることも可能である。
【0046】
なお、以上説明した三次元造形装置において使用できる粉体材料としては、砂以外にも、有機樹脂、セラミック、澱粉、ガラス粉末等が使用可能である。また、粉体材料の粒径は粉体材料で作る層の厚さよりも小さければ問題はなく、1μm〜300μm程度とすることができる。更に、粉体材料によって形成する層厚は、造形対象となる造形物に応じて異なるが、0.01〜0.5mm程度とすることができる。
【0047】
また、バインダに使用する結合剤は、粉体材料の種類に応じて自由に変えることが可能である。例えば、粉体材料が石膏や澱粉の場合には、水を主体とした液体を用いることができ、また、インクジェットプリンタで使用される種々のバインダ液を使用することも可能である。この時、バインダに染料や顔料を混入してバインダを着色することもできる。鋳物砂の場合には、通常使われる粘結剤を用いることができる。更に、1液性ではバインダの可使時間が短い場合には、鋳物砂にバインダのある成分を予め塗っておき、2液性としたり、電磁放射や液体・ガスを通じることで結合剤となる前駆体を用いることが可能である。
【0048】
なお、バインダのプリントヘッドユニットからの吐出量は、バインダの種類やどの程度の大きさを1回の吐出で固められるかによって異なるが、1pl〜200plの範囲で設定することが可能である。そして、プリントヘッドユニットからバインダを吐出する吐出機構としては、ピエゾ型やサーマル型等の公知の機構を用いることができる。
【0049】
以上説明した実施例では、造形テーブル上に積層した粉体材料を固化させるのにバインダを使用しているが、造形テーブル上に積層した粉体材料は、電磁あるいは粒子放射によっても固化させることができる。この場合、粉体材料には電磁あるいは粒子放射により固化可能な粉体材料を使用する。前述の実施例のように、粉体材料として砂を使用する場合は、砂の表面に、電磁あるいは粒子放射されると加熱されて溶け、放射後に固化して砂同士を結合させるバインダが塗布されている。このようなバインダとしては熱可塑性樹脂や熱反応性のバインダを使用することができる。また、電磁あるいは粒子放射としては、一般に赤外線レーザーや電子線ビームを使用することができる。電磁あるいは粒子放射が赤外線レーザーである場合の実施例を図12(a)から(d)を用いて説明する。
【0050】
図12(a)は、造形テーブル30の上面30Sに、リコータユニット2によってレーザー光の照射により固化可能な砂が撒かれて第1層目の砂層S1が形成される状態を示している。造形テーブル30の上に第1層目の砂層S1が形成されると、図12(b)に示すように、照射装置50によってレーザービーム(以後光ビームという)が、第1層目の砂層S1の固化させたい部分に照射される。照射装置50は、光ビームを発生する光ビーム発生装置51、光ビームの方向を偏光させる偏光装置52及び偏光装置52の角度を制御する制御ユニット53を備えている。光ビーム発生装置51は発生した光ビームを偏光装置52に向けて照射する。変更装置52は制御ユニット53に制御されて角度を変え、光ビーム発生装置51から入力された光ビームを第1層目の砂層S1の固化させたい部分に向けて照射する。この結果、第1層目の砂層S1の光ビームが照射された部分が固化する。
【0051】
図13(c)は、造形テーブル30の上に、リコータユニット2によって第2層目の光ビームの照射で固化する砂が散布される状態を示している。このとき、昇降装置4により、造形テーブル30は第1層目の砂層S1の厚さ分だけ下降しており、第1層目の砂層S1の上面が造形タンク3の上端面3Tと同じ面になっている。第2層目の砂層S2が形成されると、図12(d)に示すように、照射装置50によって光ビームが、第2層目の砂層S2の固化させたい部分に照射され、第2層目の砂層S2の光ビームが照射された部分が固化する。
【0052】
以後はリコータユニット2により砂の積層が繰り返され、砂層が形成された後に照射装置50によって光ビームが砂層の固化させたい部分に照射されて固化が繰り返されるが、この工程はバインダによって砂層が固化されるのと同じであるので、以後の説明は省略する。光ビーム発生装置としては一般に赤外線レーザ光発生装置が使用されるが、光ビームは赤外線レーザ光に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 プリントヘッドユニット
2 リコータユニット
3 造形タンク
4 昇降装置
10 三次元造形装置
20、40 三次元造形物
21、44 第1の粉体材料封入部(内部空間)
22、46 湯口
30 造形テーブル
41 型枠部
42 鋳型部
43 第2の粉体材料封入部
43A 冷却促進部
43B 冷却抑制部
45 中子部
47 バインダ注入器
48 細孔
50 照射装置
51 光ビーム発生装置
52 変更装置
53 制御ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図12