特許第6440478号(P6440478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6440478フラットケーブルの折曲げ固定構造及びその方法、並びに回転コネクタ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440478
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】フラットケーブルの折曲げ固定構造及びその方法、並びに回転コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/08 20060101AFI20181210BHJP
   H01R 35/04 20060101ALI20181210BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20181210BHJP
   B62D 1/04 20060101ALI20181210BHJP
   H01B 7/04 20060101ALN20181210BHJP
【FI】
   H01B7/08
   H01R35/04 F
   H01B13/00 525Z
   B62D1/04
   !H01B7/04
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-248805(P2014-248805)
(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公開番号】特開2016-110898(P2016-110898A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 佳宏
【審査官】 神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−093342(JP,A)
【文献】 特開2002−075069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/08
B62D 1/04
H01B 13/00
H01R 35/04
H01B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔を隔てて配置された複数本の導体と、
該導体を挟み込む絶縁被覆と、
長手方向に対して交差する線状の折曲げ箇所に対して、前記絶縁被覆に折曲げを補助する折曲げ補助部を備えたフラットケーブルと、
該フラットケーブルを固定する固定手段とで構成し、
前記折曲げ補助部を、
前記絶縁被覆における前記線状の折曲げ箇所に沿って形成した脆弱部で構成し、
前記脆弱部を、
前記絶縁被覆における前記線状の折曲げ箇所上の前記導体間に形成するとともに、前記絶縁被覆を貫通する貫通孔で構成し、
該固定手段に、前記貫通孔に挿入する固定凸部を備えた
フラットケーブルの折曲げ固定構造。
【請求項2】
前記貫通孔を貫通した前記固定凸部の先端に抜出し防止部を設けた
請求項に記載のフラットケーブルの折曲げ固定構造。
【請求項3】
環状のロテータと、環状のステータとを、時計回り方向及び反時計回り方向に相対回転可能に同軸上に嵌合するとともに、内部の収容空間に、前記ロテータ側と前記ステータ側とを電気的に接続し、巻き方向を反転する反転部分を有するフラットケーブルを巻き回して収容した回転コネクタ装置であって、
前記ロテータ側及び前記ステータ側の少なくとも一方の電気的接続部において、請求項または請求項に記載のフラットケーブルの折曲げ固定構造により、前記フラットケーブルを折曲げて固定した
回転コネクタ装置。
【請求項4】
所定間隔を隔てて配置された複数本の導体と、該導体を挟み込む絶縁被覆とで構成するとともに、
長手方向に対して交差する線状の折曲げ箇所上において、前記導体間に形成した貫通孔を有するフラットケーブルの前記貫通孔に、固定手段に備えた固定凸部を挿入するフラットケーブル固定工程と、
前記貫通孔を貫通した前記固定凸部の先端に抜出し防止部を形成する抜出し防止部形成工程と、
前記フラットケーブルを、前記線状の折曲げ箇所に沿って折曲げる折曲げ工程とを有する
フラットケーブルの折曲げ固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定間隔を隔てて配置された複数本の導体と、該導体を挟み込む絶縁被覆とで構成したフラットケーブルの折曲げ固定構造及びその方法、並びに回転コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定間隔を隔てて配置された複数本の導体と、該導体を挟み込む絶縁被覆とで構成したFFC(Flexible Flat Cable)と呼ばれるフラットケーブルは、例えば、配置箇所の形状や引き込み方向などに合わせて折曲げることがある。なお、その折曲げは、複数回行う場合もあれば、長手方向に対して斜め方向に折曲げることがある。
【0003】
このような折曲げを正確に行うためには、例えば特許文献1に記載のような折曲げ装置によって行われている。
しかしながら、例えば、特許文献1に記載のような折曲げ装置は大規模であり、また、異なる折曲げ角度で複数箇所を折曲げる場合などは、折曲げ態様毎に対応して設定された折曲げ装置がそれぞれ必要となり、ますます装置構成が大規模化することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−202633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は、簡単に折曲げることができるフラットケーブル、フラットケーブルの折曲げ固定構造及びその方法、並びに回転コネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、所定間隔を隔てて配置された複数本の導体と、該導体を挟み込む絶縁被覆と、長手方向に対して交差する線状の折曲げ箇所に対して、前記絶縁被覆に折曲げを補助する折曲げ補助部を備えたフラットケーブルと、該フラットケーブルを固定する固定手段とで構成し、前記折曲げ補助部を、前記絶縁被覆における前記線状の折曲げ箇所に沿って形成した脆弱部で構成し、前記脆弱部を、前記絶縁被覆における前記線状の折曲げ箇所上の前記導体間に形成するとともに、前記絶縁被覆を貫通する貫通孔で構成し、該固定手段に、前記貫通孔に挿入する固定凸部を備えたフラットケーブルの折曲げ固定構造。であることを特徴とする。
【0007】
上述の折曲げを補助する折曲げ補助部は、線状の折曲げ箇所に沿って折曲げやすくするために設けた切り欠きや薄肉部、あるいは線状の折曲げ箇所に沿った固定などを含む概念である。なお、線状の折曲げ箇所は、仮想線であってもよいし、フラットケーブルにマーキングした線であってもよい。
前記脆弱部とは、貫通孔、薄肉部、あるいは低強度材料で構成した部分などの他の部分に比べて強度が低下した部分とすることができる。
【0008】
この発明により、大規模な折曲げ装置を用いることなく、簡単にフラットケーブルを線状の折曲げ箇所に沿って折曲げることができる。
詳述すると、所定間隔を隔てて配置された複数本の導体と、該導体を挟み込む絶縁被覆とで構成するフラットケーブルの線状の折曲げ箇所に対して備えた折曲げ補助部によって、折曲げ装置を用いることなく、折曲げ方向の負荷を作用させるだけで、容易に線状の折曲げ箇所に沿ってフラットケーブルを折曲げることができる。
【0009】
また、折曲げ方向の負荷を作用するだけで、他の部分に比べて強度が低い脆弱部で容易にフラットケーブルを折曲げることができる。
さらにまた、導体部分の絶縁性を低下させることなく、容易に線状の折曲げ箇所に沿って折曲げることができる。
【0010】
また、導体部分の絶縁性を低下させることなく、貫通孔が形成された線状の折曲げ箇所に沿って容易に折曲げることができる。
さらにまた、線状の折曲げ箇所に沿ってさらに容易に折曲げることができるとともに、折曲げ状態で固定することができる。
【0011】
詳述すると、線状の折曲げ箇所に沿うとともに、導体間に形成した貫通孔に固定手段の固定凸部を貫通させることによって、固定手段に線状の折曲げ箇所近傍のフラットケーブルを固定しながら、固定凸部が貫通された貫通孔を起点として容易に折曲げることができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記貫通孔を貫通した前記固定凸部の先端に抜出し防止部を設けることができる。
また、所定間隔を隔てて配置された複数本の導体と、該導体を挟み込む絶縁被覆とで構成するとともに、長手方向に対して交差する線状の折曲げ箇所上において、前記導体間に形成した貫通孔を有するフラットケーブルの前記貫通孔に、固定手段に備えた固定凸部を挿入するフラットケーブル固定工程と、前記貫通孔を貫通した前記固定凸部の先端に抜出し防止部を形成する抜出し防止部形成工程と、前記フラットケーブルを、前記線状の折曲げ箇所に沿って折曲げる折曲げ工程とを有するフラットケーブルの折曲げ固定方法であることを特徴とする。
【0013】
上述の前記固定凸部の先端に設けた抜出し防止部は、固定凸部の先端を変形させた抜出し防止部、あるいは先端部に装着する別部材で形成した抜出し防止部とすることができる。また、抜出し防止部は、貫通孔より径大に形成された部分、あるいは摩擦抵抗による抜出しを防止する部分とすることができる。
【0014】
この発明により、さらに容易に折曲げできるとともに、線状の折曲げ箇所近傍を固定手段に確実に固定することができる。詳述すると、貫通孔に挿入された固定凸部の抜出し防止部によって、貫通孔は固定手段に確実に固定されているため、フラットケーブルに折曲げ方向の負荷を作用させるだけで、容易に、且つ正確に線状の折曲げ箇所に沿ってフラットケーブルを折曲げることができる。
【0015】
またこの発明は、環状のロテータと、環状のステータとを、時計回り方向及び反時計回り方向に相対回転可能に同軸上に嵌合するとともに、内部の収容空間に、前記ロテータ側と前記ステータ側とを電気的に接続し、巻き方向を反転する反転部分を有するフラットケーブルを巻き回して収容した回転コネクタ装置であって、前記ロテータ側及び前記ステータ側の少なくとも一方の電気的接続部において、上述のフラットケーブルの折曲げ固定構造により、前記フラットケーブルを折曲げて固定した回転コネクタ装置であることを特徴する。
この発明により、容易に且つ正確に線状の折曲げ箇所に沿って折曲げたフラットケーブルを所定位置に備えた回転コネクタを構成することができる。
【0016】
この発明の態様として、前記折曲げ補助部を、前記絶縁被覆における前記線状の折曲げ箇所上の両端部に設けた切り欠き部で構成することができる。
上記切り欠き部は、絶縁被覆の両端縁から幅方向内側に向かう平面視円弧状、三角状、あるいはスリット状などの切り欠きとするとこができる。
この発明により、切り欠き部を結ぶ線状の折曲げ箇所に容易に折曲げることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明により、簡単に折曲げることができるフラットケーブルの折曲げ固定構造及びその方法、並びに回転コネクタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】回転コネクタの説明図。
図2】回転コネクタの分解斜視図。
図3】回転コネクタにおけるフラットケーブル端部の拡大図。
図4】フラットケーブル端部の説明図。
図5】フラットケーブルの別の折曲げ方法について説明図。
図6】フラットケーブルの別の折曲げ方法について説明図。
図7】別の切り欠きを設けたフラットケーブル端部の説明図。
図8】別実施例のフラットケーブル端部の説明図。
図9】さらに別実施例のフラットケーブル端部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は回転コネクタ1(ステアリングロールコネクタ、以下においてSRC1という)の説明図を示し、図2はSRC1の分解斜視図を示し、図3はSRC1におけるフラットケーブル10(以下においてFFC10という)の端部10aの拡大図を示し、図4はFFC10の端部10aの説明図を示している。
【0020】
詳しくは、図1(a)はSRC1の正面、平面及び右側面側の斜視図を示し、図1(b)はSRC1の正面、底面及び右側面側の斜視図を示し、図2はSRC1の正面、底面及び右側面側の分解斜視図を示し、図3図2におけるa部の拡大正面図を示している。なお、図3はコネクタ接続治具6が装着された状態のFFC10の端部10aの拡大正面図を示している。図4(a)は図3と異なり、コネクタ接続治具6が装着される前であり、折曲げ前のFFC10の端部10aの拡大正面図を示し、図4(b)は図4(a)における直交折曲げ線L1に沿った拡大断面図を示している。
【0021】
図1,2に示すSRC1は、コンビネーションスイッチ側(下方側)に固定するステータ2と、ステアリングホイール側(上方側)に位置し、ステータ2に対して相対回転可能なロテータ3と、ステータ2とロテータ3とによって内部に形成された環状の収容空間Sに巻き回して配置されたFFC10とで構成するとともに、平面視中央に図示省略するステアリングシャフトを貫通する貫通孔Hを有した円筒状に形成している。
【0022】
FFC10は、所定間隔を隔てて幅方向Wに一列に配置した複数の平角導体11と、これら複数の平角導体11を被覆した絶縁被覆12とで一体に構成している。より詳しくは、導体同士の間隔が狭い6本の幅狭導体11aと、導体同士の間隔が広い2本の幅広導体11bとを図3において正面視左側から右側に向かってこの順で配置し、表裏方向の両側から絶縁被覆12で覆って構成している
【0023】
ステータ2は、ステアリングコラムに取り付けたコンビネーションスイッチに固定され、中央に円形の孔を有した略円環状に形成し、SRC1の底面を構成する固定側リング部材2aと、軸方向の上下方向で開口する筒状に構成し、SRC1の円筒状の外周面を構成する外周部材2bとで一体に構成している。
【0024】
また、ステータ2における外周部材2bを固定する位置よりも外周側には、径外方向へ張出したコネクタフランジ部4aを介して、ステータ側コネクタ部4を下方へ突出するように形成している。
【0025】
ステータ側コネクタ部4は、後述する収容空間Sに巻き回した状態のFFC10の外周側の端部10aとコネクタ接続治具6(図3参照)を介して接続され、コンビネーションスイッチ側から配索された図示しないケーブルに備えた外部コネクタと接続可能に形成している。
【0026】
ロテータ3は、図1に示したように、ステータ2の固定側リング部材2aの上面側と外周部材2bの内周側との間に、図示しないFFC10を収容するための環状の収容空間Sが形成できるように、ステータ2の外周部材2bの上端に被さる平面視リング状の天板部3aと、この天板部3aの内周縁から軸方向の下方に向かって突設された内周部3bとを一体に構成している。
【0027】
また、ロテータ3の天板部3aの外周側には、ロテータ側コネクタ5が軸方向Vの上方に向けて突設され、ロテータ側コネクタ5は、収容空間S側でFFC10の内周側の端部10aがコネクタ接続治具6(図3参照)を介して接続されるとともに、収容空間Sの外側でステアリングホイール側のホーンやエアーバックシステムなどの電気回路へと接続される。
【0028】
このように構成されたSRC1において、ステータ側コネクタ部4やロテータ側コネクタ5と接続されるFFC10は、図3に示すように、複数回折曲げられて、巻き回し方向Xから所定の接続方向Yに端部10aが向けられるとともに、コネクタ接続治具6が接続されている。
【0029】
コネクタ接続治具6は、樹脂製のハウジング7と、FFC10の平角導体11の本数に対応するかぎ型ピン金具8とで構成されている。
各かぎ型ピン金具8は、先端ピン8aと接続部8bとでかぎ状に形成されて、先端ピン8aが平角導体11の幅方向間隔より広げて配置されるようにハウジング7に固定され、各平角導体11が接続部8bと接続されている。
【0030】
このようにして、接続部8bと接続されることで一体化したコネクタ接続治具6を先端に備えたFFC10の端部10aは、本実施形態において、巻き回し方向Xから直交折曲げ線L1によって折り返されるとともに、斜交折曲げ線L2によって接続方向Yに向けられている。
【0031】
詳しくは、巻き回し方向Xから直交折曲げ線L1に沿って折り返されたFFC10は、巻き回し方向X、つまりFFC10の長手方向に対して交差する45度の方向の斜交折曲げ線L2に沿って折曲げされることで、巻き回し方向Xに対して直交する接続方向Yに向けられる。
【0032】
また、直交折曲げ線L1に沿った折曲げによって、FFC10の裏面側が表面側となり、斜交折曲げ線L2に沿った折曲げによって、FFC10の表面側が再び表面側となるように折曲げられている。なお、折曲げ線L(L1,L2)は、FFC10における線状の折曲げ箇所であり、仮想線であるが、FFC10に折曲げ線L(L1,L2)をマーキングして明示してもよい。
【0033】
このような折曲げ線L(L1,L2)に沿った折曲げを容易に行うため、本実施形態のFFC10には、図4に示すように、折曲げ線Lに対応する端部切り欠き13と、貫通孔14とを形成している。
【0034】
詳述すると、折曲げ線L上において、FFC10の幅方向Wの両端部の絶縁被覆12に幅方向内側に凸な円弧上の端部切り欠き13をそれぞれ形成するとともに、幅方向Wに所定間隔を隔てて配置した平角導体11の間の絶縁被覆12に正面視円形の貫通孔14を形成している。
【0035】
この端部切り欠き13及び貫通孔14により折曲げ線L(L1,L2)は、FFC10の端部10aにおける他の部分より強度が低下するため、FFC10の端部10aに折曲げ方向の負荷を作用するだけで、他の部分より強度が低下した折曲げ線Lに沿って正確かつ簡単に折曲げることができる。
【0036】
このように、所定間隔を隔てて配置された複数本の平角導体11と、平角導体11を挟み込む絶縁被覆12とで構成するFFC10の端部10aに、長手方向に対して交差する線状の折曲げ線L(L1,L2)での折曲げを補助する端部切り欠き13及び貫通孔14を備えたことにより、大規模な折曲げ装置を用いることなく、簡単にFFC10の端部10aを折曲げ線L(L1,L2)に沿って折曲げることができる。
【0037】
また、貫通孔14を、絶縁被覆12における折曲げ線L(L1,L2)上の平角導体11間に形成することにより、平角導体11部分の絶縁性を低下させることなく、容易に折曲げ線L(L1,L2)に沿って折曲げることができる。
【0038】
したがって、環状のロテータ3と、環状のステータ2とを、時計回り方向及び反時計回り方向に相対回転可能に同軸上に嵌合するSRC1において、内部の収容空間Sに巻き回して収容するFFC10の端部10aを容易かつ正確に折曲げて、ロテータ3側及びステータ2側のそれぞれのコネクタ接続治具6と電気的に接続することができる。
【0039】
なお、上述の説明では、正面視円弧状に切欠いて端部切り欠き13を形成したが、図7に示すように、略三角状に切欠いて端部切り欠き13aを形成してもよい。この場合、三角状の端部切り欠き13aの頂点が折曲げ線L上となるように切欠くため、FFC10の長手方向に対して直交する直交折曲げ線L1の端部切り欠き13aは正面視二等辺三角形状となるが、長手方向に対して斜めに交差する斜交折曲げ線L2の端部切り欠き13aは、斜辺の角度が異なる鋭い三角形状となる。
【0040】
また、上述の説明では、正面視円形状の貫通孔14を平角導体11同士の間に形成したが、例えば、間隔が広がる幅広導体11b同士の間には、間隔の狭い幅狭導体11a同士の間の貫通孔14に比べて径大な貫通孔14を形成してもよく、また、間隔が広がる幅広導体11b同士の間の貫通孔14を折曲げ線Lに沿って長い楕円状に形成してもよい。
【0041】
さらには、図8(a)に示すように、貫通孔14の代わりに、貫通しない折曲げ溝15を平角導体11同士の間において折曲げ線Lに沿うように形成してもよい。この場合、図8(b)に示すように、表裏方向の折曲げ方向(図8(b)において左右方向)に応じて、折曲げ溝15を形成する面を異なるように形成してもよい。これにより、さらに正確かつ簡単に折曲げ線Lに沿ってFFC10の端部10aを折曲げることができる。
【0042】
このように、絶縁被覆12における折曲げ線L(L1,L2)に沿って折曲げ溝15を形成したことによって、折曲げ方向の負荷を作用するだけで、他の部分に比べて強度が低い折曲げ溝15で容易にFFC10の端部10aを折曲げることができる。
【0043】
また、これまでの説明では、FFC10の端部10aを単独で折曲げたが、図5,6に示すように、折曲げたFFC10の端部10aを固定治具20に固定しながら、正確かつ簡単に折曲げ線Lに沿ってFFC10の端部10aを折曲げてもよい。なお、図5,6では、斜交折曲げ線L2に沿ってFFC10の端部10aを折曲げる場合についての斜視図で示している。
【0044】
FFC10の端部10aを固定する固定治具20は、貫通孔14に対応する位置、径、及び数の固定凸部22を、固定治具本体21の上面から上方に向かって突出するように備えている。なお、この実施例では、最外側の平角導体11の外側の絶縁被覆12にも貫通孔14を形成しているが、上述のように、円弧状の端部切り欠き13を形成してもよい。
【0045】
上述したように、固定凸部22は、FFC10の端部10aに形成した貫通孔14に対応する位置、径、及び数で形成するとともに、貫通孔14に容易に挿入できるように先端を先細形状かつ、FFC10の厚みより長い高さで形成している。
【0046】
このように構成した固定凸部22を備えた固定治具20に対して、固定凸部22が貫通孔14に挿入するように、FFC10を配置する。このとき、FFC10の厚みより高い高さで形成した固定凸部22は、貫通孔14を貫通して上面側に露出する(図5(b)参照)。
【0047】
そして、貫通孔14を貫通してFFC10の上面側に露出する固定凸部22の先端を、図6(a)に示すように、溶融治具30で溶融変形させて、固定凸部22より径大な径大変形部23を形成する。
【0048】
これにより、固定凸部22が貫通孔14を貫通したFFC10の端部10aは、径大変形部23が貫通孔14より径大であるため、固定凸部22が貫通孔14から抜け出すことなく、固定治具20に対してFFC10の端部10aを固定することができる。
【0049】
この状態で、FFC10の端部10aに曲げ方向の負荷を作用させると、貫通孔14が形成された斜交折曲げ線L2は他の部分より強度低下しているため、斜交折曲げ線L2に沿って容易に折曲げることができる。このとき、斜交折曲げ線L2上に形成された貫通孔14には、固定凸部22が挿入されるとともに、径大変形部23によって抜出しが防止されているため、つまり、FFC10の端部10aは、斜交折曲げ線L2が固定治具20に固定されるため、FFC10の端部10aに曲げ方向の負荷を作用させると、固定治具20に固定された斜交折曲げ線L2を曲げ起点として、斜交折曲げ線L2に沿って正確に折曲げることができる。
【0050】
また、固定凸部22や貫通孔14を円形状に形成せずとも、図9に示すように、円形が斜交折曲げ線L2に沿って切り取られた略蒲鉾型の筒状固定凸部22や貫通孔14を構成してもよい。これにより、ロテータ30によって溶融変形した径大変形部23も斜交折曲げ線L2に沿った略蒲鉾型となるため、斜交折曲げ線L2に沿った折曲げの際に径大化された径大変形部23が折曲げに支障することなく、正確に折曲げ線Lに沿って折曲げることができる。
【0051】
このように、折曲げ線L(L1,L2)に沿うとともに、平角導体11間に形成した貫通孔14に固定治具20の固定凸部22を貫通させることによって、固定治具20に折曲げ線L(L1,L2)近傍のFFC10の端部10aを固定しながら、固定凸部22が貫通された貫通孔14を起点として容易に折曲げることができる。
【0052】
また、貫通孔14を貫通した固定凸部22の先端に径大変形部23を設けることにより、さらに容易に折曲げできるとともに、折曲げ線L(L1,L2)近傍を固定治具20に確実に固定することができる。
【0053】
詳述すると、貫通孔14に挿入された固定凸部22の径大変形部23によって、貫通孔14は固定治具20に確実に固定されているため、FFC10の端部10aに折曲げ方向の負荷を作用させるだけで、容易に、且つ正確に折曲げ線L(L1,L2)に沿ってFFC10の端部10aを折曲げることができる。
【0054】
この発明の構成と、実施形態との対応において、この発明の導体は平角導体11,幅狭導体11a,幅広導体11bに対応し、
以下同様に、
線状の折曲げ箇所は折曲げ線L,直交折曲げ線L1,斜交折曲げ線L2に対応し、
折曲げ補助部は端部切り欠き13,13a,貫通孔14,折曲げ溝15に対応し、
フラットケーブルはFFC10に対応し、
切り欠き部は端部切り欠き13に対応し、
脆弱部は折曲げ溝15に対応し、
固定手段は固定治具20に対応し、
抜出し防止部は径大変形部23に対応し、
回転コネクタ装置はSRC1に対応し、
電気的接続部はコネクタ接続治具6に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。例えば、上述の説明では固定凸部22の先端を溶融変形させて径大変形部23を形成したが、固定凸部22の先端に別部材を装着して抜出し防止部として機能させてもよい。また、上述の説明では溝状の折曲げ溝15を形成したが、該当部分のみを低強度材料で構成して折曲げ補助部として機能させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…SRC
2…ステータ
3…ロテータ
5…ロテータ側コネクタ
6…コネクタ接続治具
10…FFC
11…平角導体
11a…幅狭導体
11b…幅広導体
12…絶縁被覆
13,13a…端部切り欠き
14…貫通孔
15…折曲げ溝
20…固定治具
22…固定凸部
23…径大変形部
L…折曲げ線
L1…直交折曲げ線
L2…斜交折曲げ線
S…収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9