特許第6440963号(P6440963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440963
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】凝集紡糸構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   D01F 9/12 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   D01F9/12
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-83399(P2014-83399)
(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公開番号】特開2015-203168(P2015-203168A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2017年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向 健
(72)【発明者】
【氏名】安積 欣志
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】湯村 守雄
【審査官】 清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−126635(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/034672(WO,A1)
【文献】 特開2013−163884(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0251619(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0124507(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/185497(WO,A1)
【文献】 特開2012−127043(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0243124(US,A1)
【文献】 特開2010−168723(JP,A)
【文献】 特開2010−168724(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/100941(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/115670(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 1/00−13/04
D01D 1/00−13/02
D02G 3/02
C01B 32/158−32/178
JSTPlus/JMEDPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブと界面活性剤を含む分散液を凝固浴に吐出する、凝集紡糸構造体の製造方法であって、前記分散液及び凝固浴のpHはいずれも3〜11であり、前記分散液及び凝固浴の溶媒はいずれも水であり、前記分散液と凝固浴の少なくとも一方に塩類を含むことを特徴とする凝集紡糸構造体の製造方法。
【請求項2】
前記界面活性剤がアニオン界面活性剤である、請求項1に記載の凝集紡糸構造体の製造方法。
【請求項3】
上記塩類がアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む少なくとも1種の水溶性塩である請求項1又は2に記載の凝集紡糸構造体の製造方法。
【請求項4】
上記塩類が塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム又はリン酸二水素ナトリウムであることを特徴とする請求項3に記載の凝集紡糸構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝集紡糸構造体の製造方法に関し、詳しくはポリマーフリーの凝集紡糸構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)を含む凝集紡糸構造体は、優れた導電性と機械強度を得ることが期待されるため、様々な製造方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1はCNT分散液をポリマーを含む凝固浴に吐出して凝集紡糸構造体を得ているが、この方法では凝集液に含まれるポリマーが凝集紡糸構造体に残存するため、導電性が低下する。
【0004】
特許文献2は、CNT分散液を強酸又は強アルカリの凝固浴に吐出して凝集紡糸構造体を製造する方法を開示しているが、CNTは強酸又は強アルカリによってダメージを受けるため、得られる凝集紡糸構造体の性能が低下する。
【0005】
特許文献3〜5は、CNT分散液もしくは凝集液に有機溶媒を使用して凝集紡糸構造体を製造しているが、得られた凝集紡糸構造体は導電性のさらなる向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US2008/0124507A
【特許文献2】US2007/0243124A
【特許文献3】特開2012−126635
【特許文献4】特開2012−127043
【特許文献5】特開2013―067938
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、導電性に優れた凝集紡糸構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の凝集紡糸構造体の製造方法を提供するものである。
項1. カーボンナノチューブと界面活性剤を含む分散液を凝固浴に吐出する、凝集紡糸構造体の製造方法であって、前記分散液及び凝固浴のpHはいずれも3〜11であり、前記分散液及び凝固浴の溶媒はいずれも水であり、前記分散液と凝固浴のいずれかに塩類を含むことを特徴とする凝集紡糸構造体の製造方法。
項2. 前記界面活性剤がアニオン界面活性剤である、項1に記載の凝集紡糸構造体の製造方法。
項3. 上記塩類がアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む少なくとも1種の水溶性塩である項1又は2に記載の凝集紡糸構造体の製造方法。
項4. 上記塩類が塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム又はリン酸二水素ナトリウムであることを特徴とする項3に記載の凝集紡糸構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、導電性に優れたカーボンナノチューブの凝集紡糸構造体を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に用いられるカーボンナノチューブは、グラフェンシートが筒形に巻いた形状から成る炭素系材料であり、その周壁の構成数から単層カーボンナノチューブ(SWNT)と多層カーボンナノチューブ(MWNT)とに大別され、また、グラフェンシートの構造の違いからカイラル(らせん)型、ジグザグ型、およびアームチェア型に分けられるなど、各種のものが知られている。本発明には、このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば、いずれのタイプのカーボンナノチューブも用いることができる。一般的には、アスペクト比が大きく分子間力の大きな単層カーボンナノチューブがCNT糸が形成し易い。例えば、アスペクト比が10以上、好ましくは5×10以上のカーボンナノチューブが挙げられる。カーボンナノチューブの長さの上限は、特に限定されないが、例えば10μm程度である。好ましいカーボンナノチューブは、単層ナノチューブ(SWNT)であり、直噴熱分解合成法(DIPS法)、改良直噴熱分解合成法(eDIPS法)により製造されたカーボンナノチューブがより好ましく、eDIPS法により製造されたカーボンナノチューブが特に好ましい。
【0011】
カーボンナノチューブは、界面活性剤の水溶液に分散される。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれを使用してもよい。
【0012】
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられ、具体的にはポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル(例えば、Triton(登録商標)X−100)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(例えば、Tween(登録商標) 20)などが挙げられる。
【0013】
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルアルコール硫酸エステル塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム、(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン硫酸エステルナトリウム、アルキルアルコールリン酸エステル塩、胆汁酸塩(例えばコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムなど)が挙げられ、コール酸ナトリウムなどの胆汁酸塩が好ましく例示される。
【0014】
カチオン界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウムハライド、アルキルピリジニウムハライド、アルキルイミダゾリンハライドなどが挙げられる。
【0015】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、レシチンなどが挙げられる。
【0016】
好ましい界面活性剤はノニオン界面活性剤であり、より好ましくは胆汁酸塩である。
【0017】
分散液、凝固浴の溶媒はいずれも水である。有機溶媒は廃液処理の問題があり本来使用しない方が望ましいものであるが、溶媒として水を使用する本発明は導電性に優れた凝集紡糸構造体を得ることができる。本発明の特徴の1つは、分散液と凝固浴の両方の溶媒を水にしたことである。
【0018】
本発明では、分散液と凝固浴のいずれか一方もしくは両方に塩類を添加する。分散液と凝固浴の両方に塩類が含まれない場合、凝集紡糸構造体を得ることができない。塩類は無機塩及び有機塩のいずれでもよいが、無機塩類が好ましい。塩類は水溶性である。塩類は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩が挙げられ、さらに好ましくはナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。塩類のアニオンとしては、塩素イオン、フッ素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、クエン酸イオン、シュウ酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、酢酸イオンなどが挙げられる。
【0019】
好ましい塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸カリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一カリウムなどが挙げられる。
【0020】
塩類の濃度は、分散液中では0〜25質量%程度、好ましくは0〜20質量%程度であり、凝固浴中では0〜40質量%程度、好ましくは0〜35質量%程度である。塩類は単独で或いは2種以上の塩類を組み合わせて分散液及び/又は凝固浴に溶解される。凝固浴又は分散液中に塩類が含まれるので、分散液を吐出後の凝固浴には塩類が含まれる。分散液を吐出後の凝固浴中の塩類濃度は0.5〜40質量%程度、好ましくは1〜35質量%程度である。塩類は、分散液のみ或いは凝固液のみに含まれていてもよいので、分散液と凝固液の塩類濃度の下限は各々0質量%であるが、塩類を含む分散液/凝固液の塩類濃度の下限は、0.5質量%程度、好ましくは1質量%程度であり、上限は、40質量%程度、好ましくは35質量%程度である。
【0021】
分散液中のカーボンナノチューブの量は、溶媒100mlあたり5〜1500mg程度、好ましくは10〜1200mg程度である。
【0022】
分散液中の界面活性剤の量は、0.05〜5質量%程度、好ましくは0.1〜2質量%程度である。
【0023】
本発明の分散液は、シリンジ、紡糸口金などから凝固浴中に吐出され、CNT糸から構成される凝集紡糸構造体を形成する。凝集紡糸構造体は水に浸漬・洗浄して界面活性剤と塩類を十分に除去する。浸漬時間は2時間以上、好ましくは24時間以上である。この水中の浸漬工程により界面活性剤と塩類は除去される。
【0024】
得られた凝集紡糸構造体は、そのままもしくは張力をかけながら乾燥することもでき、必要に応じてさらに延伸して延伸糸とすることができる。乾燥時に、延伸工程に供することにより、延伸糸とすることができる。延伸率は、5〜70%程度、好ましくは10〜50%程度である。
【0025】
吐出する際のシリンジ、紡糸口金などの口径は、10〜2000μm程度、好ましくは20〜1500μm程度である。この口径を調節することにより凝集紡糸構造体の径を調節することができる。
【0026】
凝固浴の温度は特に限定されないが、通常5〜50℃程度、好ましくは室温程度の温度であればよい。吐出された凝集紡糸構造体は1分以上、例えば5分以上凝固浴中に維持してもよく、塩類、界面活性剤を除去するために水または有機溶剤に浸漬してもよい。
【0027】
延伸後は、必要に応じて乾燥することによりCNT延伸糸を得ることができる。
【0028】
凝集紡糸構造体の導電率は、1700〜1000000 S/cm程度、好ましくは1800〜600000 S/cm程度である。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。
【0030】
(実施例1)
e-Dips法により製造された単層カーボンナノチューブ(以下、eDips-CNTと記述する) 20mgとコール酸ナトリウム(SC) 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0031】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から5%塩化カルシウム水溶液中に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0032】
5%塩化カルシウム水溶液中にて1日間放置した後、水に置換し3日以上浸漬した。
【0033】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0034】
CNT糸の導電率は2003S/cmであった。
【0035】
上記と同様の作製方法で得られたeDips-CNT分散液を10%塩化カルシウム水溶液、20%塩化カルシウム水溶液、30%塩化カルシウム水溶液中に注入し、上記と同様の方法によりCNT糸を得た。得られたCNT糸の導電率はそれぞれ1928S/cm、2451S/cm、2907S/cmであった。
【0036】
(実施例2)
eDips-CNT 20mgとSC 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0037】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から25%塩化ナトリウム水溶液中に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0038】
25%塩化ナトリウム水溶液中にて1日間放置した後、イソプロピルアルコールに置換し1日放置した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0039】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0040】
CNT糸の導電率は4438S/cmであった。
【0041】
(実施例3)
eDips-CNT 20mgとSC 120mg、塩化ナトリウム2gを10gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0042】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から水に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0043】
水に1日間放置した後、さらにはイソプロピルアルコールに置換し1日浸漬した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0044】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0045】
導電率は2149S/cmであった。
【0046】
(実施例4)
eDips-CNT 20mgとSC 120mg、塩化ナトリウム1gを10gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0047】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から5%塩化カルシウム水溶液中に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0048】
5%塩化カルシウム水溶液中にて1日間放置した後、イソプロピルアルコールに置換し1日放置した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0049】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0050】
CNT糸の導電率は1801S/cmであった。
【0051】
(実施例5)
eDips-CNT 20mgとSC 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0052】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から5%塩化マグネシウム水溶液中に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0053】
5%塩化マグネシウム水溶液中にて1日間放置した後、イソプロピルアルコールに置換し1日放置した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0054】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0055】
CNT糸の導電率は2446S/cmであった。
【0056】
(実施例6)
eDips-CNT 20mgとSC 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0057】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から5%リン酸二水素ナトリウム水溶液に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0058】
5%リン酸二水素ナトリウム水溶液にて1日間放置した後、イソプロピルアルコールに置換し1日放置した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0059】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0060】
(比較例1)
eDips-CNT 20mgとSC 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0061】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から水に注入したが、糸の形状にはならなかった。