【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。
【0030】
(実施例1)
e-Dips法により製造された単層カーボンナノチューブ(以下、eDips-CNTと記述する) 20mgとコール酸ナトリウム(SC) 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0031】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から5%塩化カルシウム水溶液中に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0032】
5%塩化カルシウム水溶液中にて1日間放置した後、水に置換し3日以上浸漬した。
【0033】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0034】
CNT糸の導電率は2003S/cmであった。
【0035】
上記と同様の作製方法で得られたeDips-CNT分散液を10%塩化カルシウム水溶液、20%塩化カルシウム水溶液、30%塩化カルシウム水溶液中に注入し、上記と同様の方法によりCNT糸を得た。得られたCNT糸の導電率はそれぞれ1928S/cm、2451S/cm、2907S/cmであった。
【0036】
(実施例2)
eDips-CNT 20mgとSC 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0037】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から25%塩化ナトリウム水溶液中に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0038】
25%塩化ナトリウム水溶液中にて1日間放置した後、イソプロピルアルコールに置換し1日放置した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0039】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0040】
CNT糸の導電率は4438S/cmであった。
【0041】
(実施例3)
eDips-CNT 20mgとSC 120mg、塩化ナトリウム2gを10gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0042】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から水に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0043】
水に1日間放置した後、さらにはイソプロピルアルコールに置換し1日浸漬した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0044】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0045】
導電率は2149S/cmであった。
【0046】
(実施例4)
eDips-CNT 20mgとSC 120mg、塩化ナトリウム1gを10gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0047】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から5%塩化カルシウム水溶液中に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0048】
5%塩化カルシウム水溶液中にて1日間放置した後、イソプロピルアルコールに置換し1日放置した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0049】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0050】
CNT糸の導電率は1801S/cmであった。
【0051】
(実施例5)
eDips-CNT 20mgとSC 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0052】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から5%塩化マグネシウム水溶液中に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0053】
5%塩化マグネシウム水溶液中にて1日間放置した後、イソプロピルアルコールに置換し1日放置した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0054】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0055】
CNT糸の導電率は2446S/cmであった。
【0056】
(実施例6)
eDips-CNT 20mgとSC 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0057】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から5%リン酸二水素ナトリウム水溶液に注入することによりCNT糸の形状にした。
【0058】
5%リン酸二水素ナトリウム水溶液にて1日間放置した後、イソプロピルアルコールに置換し1日放置した後、水に置換し1日以上浸漬した。
【0059】
水中から取り出したeDips-CNT糸を湿潤(wet)状態で一端を治具で固定し、荷重をかけて乾燥させながらCNT糸を得た。
【0060】
(比較例1)
eDips-CNT 20mgとSC 120mgを9.86gの水に加え、ソニックスターラーを用いて30分間35℃の条件で撹拌し、次いで超音波ホモジナイザーで処理し、eDips-CNT分散液を得た。
【0061】
得られた分散液を注入ノズル(内径1.25mm)から水に注入したが、糸の形状にはならなかった。