特許第6441737号(P6441737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441737
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】切削装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20181210BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20181210BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20181210BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20181210BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   H01L21/78 F
   B24B41/06 A
   B24B27/06 M
   H01L21/68 A
   H01L21/304 643A
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-92101(P2015-92101)
(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公開番号】特開2016-207988(P2016-207988A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100186897
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 さやか
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【弁理士】
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(72)【発明者】
【氏名】大河原 聡
(72)【発明者】
【氏名】八木原 惇
(72)【発明者】
【氏名】寺師 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】赤瀬 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】松岡 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 万平
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−299288(JP,A)
【文献】 特開2001−053034(JP,A)
【文献】 特開平11−162887(JP,A)
【文献】 特開2002−329683(JP,A)
【文献】 特開平11−162890(JP,A)
【文献】 特開平11−204461(JP,A)
【文献】 特開平05−338728(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0162438(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
B24B 27/06
B24B 41/06
H01L 21/304
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被加工物を収容したカセットが載置されるカセット載置機構と、該カセット載置機構に載置されたカセットから被加工物を搬出および搬入する搬出・搬入機構と、該搬出・搬入機構によって搬出された被加工物を仮置きする仮置き機構と、該仮置き機構に仮置きされた被加工物を保持する保持テーブルと、該保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削機構と、該保持テーブルを加工送り方向(X軸方向)に加工送りする加工送り機構と、を具備する切削装置であって、
該加工送り機構は、該保持テーブルを該仮置き機構が配設された被加工物着脱領域と、該切削機構が配設された加工領域との間を加工送り方向(X軸方向)に移動可能に支持するX軸ガイドレールと、該X軸ガイドレールに沿って該保持テーブルを移動せしめる加工送り手段を備え、
該仮置き機構と該カセット載置機構はX軸方向と直交するY軸方向に隣接して配設されており、
該搬出・搬入機構は、支持基台と、該支持基台に配設されカセットに収容された被加工物を把持する把持部材と、被加工物を所定の位置に規制する一対の規制ピンと、該支持基台をY軸方向に移動する搬送移動手段とを備え、
該仮置き機構は、Y軸方向に延在し被加工物の両側部を支持する底部と側部とを有し該底部が開閉可能に構成された一対の支持レールと、該一対の支持レールの該底部を開閉する開閉手段と、該一対の支持レールを上下方向に移動せしめる昇降手段と、を備えており、
該保持テーブルが該被加工物着脱領域に位置付けられている際に、該搬出・搬入機構によってカセットに収容された被加工物を搬出して該仮置き機構を構成する該一対の支持レールに仮置きし、該昇降手段によって該一対の支持レールを下降して被加工物を該保持テーブルに載置し、該開閉手段によって該底部を開くことにより被加工物を該保持テーブルに保持する、
ことを特徴とする切削装置。
【請求項2】
該仮置き機構に隣接し該カセット載置機構に対してY軸方向反対側に被加工物を洗浄するためのスピンナーテーブルを備えた洗浄機構が配設されるとともに、該洗浄機構の直上に該仮置き機構と連通するように構成され被加工物を仮置きする補助仮置き機構が配設されており、
該補助仮置き機構は、Y軸方向に延在し被加工物の両側部を支持する底部と側部とを有し該底部が開閉可能に構成された一対の補助支持レールと、該一対の補助支持レールの該底部を開閉する開閉手段と、該一対の補助支持レールを上下方向に移動せしめる補助昇降手段とを備えている、請求項1記載の切削装置。
【請求項3】
該搬出・搬入機構は、該支持基台に配設され該一対の補助支持レールに支持された被加工物における該把持部材によって把持される領域と反対側の領域を把持する補助把持部材と、該一対の補助支持レールに支持された被加工物を所定の位置に規制する一対の補助規制ピンとを備え、
切削済みの被加工物を保持した該保持テーブルが該被加工物着脱領域に位置付けられている際に、該仮置き機構を構成する該一対の支持レールの該底部を開にした状態で該一対の支持レールを下降して該底部を切削済みの被加工物の下部に位置付けた後に該底部を閉にして切削済みの被加工物を支持した状態で該一対の支持レールを上昇させ、
次に、該搬出・搬入機構の該把持部材によってカセットに収容された被加工物を把持するとともに該支持基台に設けられた該一対の補助規制ピンを切削済みの該被加工物における該把持部材によって把持された領域と反対側の領域の端面に位置付け、該支持基台を該補助仮置き機構側に移動することにより、カセットに収容された被加工物を該仮置き機構に位置付けるとともに切削済みの被加工物を該補助仮置き機構に位置付け、
該補助仮置き機構を構成する該補助昇降手段によって該一対の補助支持レールに仮置きし、該昇降手段によって該一対の補助支持レールを下降して被加工物を該洗浄機構の該スピンナーテーブルに載置し、該開閉手段によって該底部を開くことにより切削済みの被加工物を該スピンナーテーブルに保持する、請求項2記載の切削装置。
【請求項4】
該洗浄機構は、該スピンナーテーブルの上方に配設された洗浄水を噴射する噴射ノズルを備えており、該噴射ノズルは該搬出・搬入機構を構成する該支持基台に配設され選択的に係合する係合手段によって該支持基台の移動に伴いY軸方向に移動し、少なくとも被加工物の外周から中心までの領域に洗浄水を噴射する、請求項2又は3に記載の切削装置。
【請求項5】
該洗浄機構の該噴射ノズルには、一端に錘が連結されたワイヤーの他端がプーリーを介して連結され、該錘の重力によってY軸方向に移動するように構成されており、
該係合手段は、該支持基台に進退可能に配設された係合ロッドを備え、該係合ロッドを進出した状態で該噴射ノズルにおける該錘の重力によって移動する方向から接触せしめる、請求項4記載の切削装置。
【請求項6】
該切削機構は、第1の切削ブレードを回転可能に備えた第1の切削手段と、該第1の切削手段の第1の切削ブレードと対向して配設された第2の切削ブレードを回転可能に備えた第2の切削手段と、該第1の切削手段と該第2の切削手段をX軸方向と直交するY軸方向に移動可能に支持するY軸ガイドレールと、該Y軸ガイドレールに沿って該第1の切削手段を移動せしめる第1の割り出し送り手段および該Y軸ガイドレールに沿って該第2の切削手段を移動せしめる第2の割り出し送り手段とを具備している、請求項1記載の切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物を切削するための切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体デバイスを製造している。
【0003】
半導体ウエーハ等の被加工物を分割予定ラインに沿って切断する切削装置は、複数の被加工物を収容したカセットが載置されるカセット載置手段と、該カセット載置手段に載置されたカセットから被加工物を搬出および搬入する搬出・搬入手段と、該搬出・搬入手段によって搬出された被加工物を仮置きする仮置き手段と、該仮置き手段に仮置きされた被加工物を保持する保持テーブルと、該保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削手段と、該保持テーブルを加工送り方向(X軸方向)に加工送りする加工送り手段と、を具備している。そして、切削手段として第1の切削ブレードを回転可能に備えた第1の切削手段と、該第1の切削手段の第1の切削ブレードと対向して配設された第2の切削ブレードを回転可能に備えた第2の切削手段を具備することにより、半導体ウエーハ等の被加工物を分割予定ラインに沿って効率よく切断して個々のデバイスに分割することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−26402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上述した切削装置は、特に被加工物を搬送するための機構が複数必要で装置全体の構成が複雑で大型化するとともに、部品点数が多く製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、装置全体の構成を単純にして小型化するとともに、部品点数を少なくして製造コストを低減することができる切削装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、複数の被加工物を収容したカセットが載置されるカセット載置機構と、該カセット載置機構に載置されたカセットから被加工物を搬出および搬入する搬出・搬入機構と、該搬出・搬入機構によって搬出された被加工物を仮置きする仮置き機構と、該仮置き機構に仮置きされた被加工物を保持する保持テーブルと、該保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削機構と、該保持テーブルを加工送り方向(X軸方向)に加工送りする加工送り機構と、を具備する切削装置であって、
該加工送り機構は、該保持テーブルを該仮置き機構が配設された被加工物着脱領域と、該切削機構が配設された加工領域との間を加工送り方向(X軸方向)に移動可能に支持するX軸ガイドレールと、該X軸ガイドレールに沿って該保持テーブルを移動せしめる加工送り手段を備え、
該仮置き機構と該カセット載置機構はX軸方向と直交するY軸方向に隣接して配設されており、
該搬出・搬入機構は、支持基台と、該支持基台に配設されカセットに収容された被加工物を把持する把持部材と、被加工物を所定の位置に規制する一対の規制ピンと、該支持基台をY軸方向に移動する搬送移動手段とを備え、
該仮置き機構は、Y軸方向に延在し被加工物の両側部を支持する底部と側部とを有し該底部が開閉可能に構成された一対の支持レールと、該一対の支持レールの該底部を開閉する開閉手段と、該一対の支持レールを上下方向に移動せしめる昇降手段と、を備えており、
該保持テーブルが該被加工物着脱領域に位置付けられている際に、該搬出・搬入機構によってカセットに収容された被加工物を搬出して該仮置き機構を構成する該一対の支持レールに仮置きし、該昇降手段によって該一対の支持レールを下降して被加工物を該保持テーブルに載置し、該開閉手段によって該底部を開くことにより被加工物を該保持テーブルに保持する、
ことを特徴とする切削装置が提供される。
【0008】
上記仮置き機構に隣接しカセット載置機構に対してY軸方向反対側に被加工物を洗浄するためのスピンナーテーブルを備えた洗浄機構が配設されるとともに、該洗浄機構の直上に仮置き機構と連通するように構成され被加工物を仮置きする補助仮置き機構が配設されており、該補助仮置き機構は、Y軸方向に延在し被加工物の両側部を支持する底部と側部とを有し該底部が開閉可能に構成された一対の補助支持レールと、該一対の補助支持レールの底部を開閉する開閉手段と、一対の補助支持レールを上下方向に移動せしめる補助昇降手段とを備えている。
【0009】
上記搬出・搬入機構は、支持基台に配設され一対の補助支持レールに支持された被加工物における把持部材によって把持される領域と反対側の領域を把持する補助把持部材と、一対の補助支持レールに支持された被加工物を所定の位置に規制する一対の補助規制ピンとを備え、
切削済みの被加工物を保持した保持テーブルが被加工物着脱領域に位置付けられている際に、仮置き機構を構成する一対の支持レールの底部を開にした状態で該一対の支持レールを下降して底部を切削済みの被加工物の下部に位置付けた後に該底部を閉にして切削済みの被加工物を支持した状態で該一対の支持レールを上昇させ、
次に、搬出・搬入機構の把持部材によってカセットに収容された被加工物を把持するとともに支持基台に設けられた一対の補助規制ピンを切削済みの被加工物における把持部材によって把持された領域と反対側の領域の端面に位置付け、該支持基台を該補助仮置き機構側に移動することにより、カセットに収容された被加工物を仮置き機構に位置付けるとともに切削済みの被加工物を補助仮置き機構に位置付け、
補助仮置き機構を構成する補助昇降手段によって一対の補助支持レールに仮置きし、昇降手段によって一対の補助支持レールを下降して被加工物を洗浄機構のスピンナーテーブルに載置し、開閉手段によって底部を開くことにより切削済みの被加工物をスピンナーテーブルに保持する。
【0010】
上記洗浄機構は、スピンナーテーブルの上方に配設された洗浄水を噴射する噴射ノズルを備えており、噴射ノズルは搬出・搬入機構を構成する支持基台に配設され選択的に係合する係合手段によって該支持基台の移動に伴いY軸方向に移動し、少なくとも被加工物の外周から中心までの領域に洗浄水を噴射する。
【0011】
上記洗浄機構の噴射ノズルには、一端に錘が連結されたワイヤーの他端がプーリーを介して連結され、錘の重力によってY軸方向に移動するように構成されており、
係合手段は、支持基台に進退可能に配設された係合ロッドを備え、係合ロッドを進出した状態で噴射ノズルにおける錘の重力によって移動する方向から接触せしめる。
【0012】
上記切削機構は、第1の切削ブレードを回転可能に備えた第1の切削手段と、該第1の切削手段の第1の切削ブレードと対向して配設された第2の切削ブレードを回転可能に備えた第2の切削手段と、該第1の切削手段と該第2の切削手段をX軸方向と直交するY軸方向に移動可能に支持するY軸ガイドレールと、該Y軸ガイドレールに沿って第1の切削手段を移動せしめる第1の割り出し送り手段およびY軸ガイドレールに沿って第2の切削手段を移動せしめる第2の割り出し送り手段とを具備している。
【発明の効果】
【0013】
本発明による切削装置は、上述したように構成され、被加工物を保持する保持テーブルが被加工物着脱領域に位置付けられている際に、搬出・搬入機構によってカセットに収容された被加工物を搬出して仮置き機構を構成する一対の支持レールに仮置きし、昇降手段によって一対の支持レールを下降して被加工物を保持テーブルに載置し、開閉手段によって底部を開くことにより被加工物を保持テーブルに保持するので、被加工物を搬送する搬送手段は実質的に搬出・搬入機構のみであるため、部品点数が低減してコストが低減が低減するとともに、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に従って構成された切削装置の斜視図。
図2図1に示す切削装置の要部斜視図。
図3図1に示す切削装置に装備される切削機構を示す斜視図。
図4図1におけるA―A断面図。
図5図1に示す切削装置を構成する搬出・搬入機構の斜視図。
図6図5に示す搬出・搬入機構7の要部正面図
図7図1に示す切削装置を構成する仮置き機構および補助仮置き機構の斜視図。
図8図7に示す仮置き機構の側面図。
図9図1に示す切削装置を構成する洗浄機構の斜視図。
図10】搬出・搬入機構の把持部材および一対の規制ピンを待機位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図11】搬出・搬入機構の把持部材によってカセット載置機構に載置されたカセットに収容されている被加工物を支持した環状のフレームを把持する状態を示す斜視図。
図12】搬出・搬入機構によって環状のフレームに支持された被加工物を仮置き機構の一対の支持レールに搬送する状態を示す斜視図。
図13】保持テーブルの上面に環状のフレームにダイシングテープを介して支持された被加工物を載置した状態を示す斜視図。
図14】仮置き機構の一対の支持レールを上昇して上部位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図15】被加工物を吸引保持した保持テーブルを切削機構が配設された加工領域に移動した状態を示す斜視図。
図16】切削済みの被加工物を吸引保持した保持テーブル被加工物着脱位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図17図15に示す状態から仮置き機構の一対の支持レールを下部位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図18図16に示す状態から仮置き機構の一対の支持レールを上部位置より僅かに下方の中間位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図19】搬出・搬入機構の把持部によってカセット載置機構に載置されたカセットに収容された被加工物を把持した状態を示す斜視図。
図20】搬出・搬入機構の把持部によって新たな被加工物を仮置き機構の一対の支持レールに位置付けるとともに、切削済み被加工物を補助仮置き機構の一対の補助支持レールに位置付けた状態を示す斜視図。
図21図19の状態から補助仮置き機構の一対の補助支持レール下部位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図22図20の状態から仮置き機構の一対の支持レールと補助仮置き機構の一対の補助支持レール上部位置に位置付けた状態を示す斜視図および洗浄機構の噴射ノズルを移動する状態を示す斜視図。
図23図21に示す状態から搬出・搬入機構7を待機位置に位置付けるとともに、補助仮置き機構を構成する一対の補助支持レールを下部位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図24】環状のフレームに支持された洗浄済みの被加工物を支持した補助仮置き機構の一対の補助支持レールを上部位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図25図23の状態から環状のフレームに支持された洗浄済みの被加工物を補助仮置き機構の一対の補助支持レールから仮置き機構の一対の支持レールに移動した状態を示す斜視図。
図26図24の状態から仮置き機構の一対の支持レールを中間位置に位置付けるとともに、搬出・搬入機構の把持部材および一対の規制ピンを待機位置に位置付けた状態を示す斜視図。
図27図25の状態から搬出・搬入機構を作動して環状のフレームに支持された洗浄済みの被加工物をカセットに収容する状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に従って構成された切削装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1には、本発明に従って構成された切削装置の一実施形態の斜視図が示されている。
図示の実施形態における切削装置は、静止基台2と、該静止基台2上に配設され被加工物を保持する保持テーブル機構3と、該保持テーブル機構3に保持された被加工物を切削する切削機構4とを具備している。
【0017】
保持テーブル機構3は、図2に示すように静止基台2上に矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に沿って配設された2本のX軸ガイドレール31、31と、該2本のX軸ガイドレール31、31上に摺動可能に配設された移動基台32と、該移動基台32上に配設された円筒状の支持部材33に回転可能に支持された被加工物を保持する保持テーブル34と、該保持テーブル34が配設された移動基台32を2本のX軸ガイドレール31、31に沿って加工送り方向(X軸方向)に移動させるための加工送り手段35とを具備している。保持テーブル34は、円筒状の支持部材33に回転可能に支持されたテーブル本体341と、該テーブル本体341の上面に配設された吸着チャック342とを具備している。テーブル本体341は、外径が後述する被加工物としてのウエーハの外径より大きくウエーハをダイシングテープを介して支持する環状のフレームの内径より小さく形成されている。吸着チャック342は、ポーラスセラミックスによって形成され図示しない吸引手段に接続されており、適宜負圧が作用せしめられるようになっている。従って、吸着チャック342上に載置された被加工物は、図示しない吸引手段を作動することにより吸着チャック342上に吸引保持される。また、保持テーブル34は、円筒状の支持部材33内に配設された図示しないパルスモータによって回動せしめられるようになっている。
【0018】
上記加工送り手段35は、2本のX軸ガイドレール31と31の間に配設されX軸方向に延在するX軸リニアレール351と、該X軸リニアレール351に移動可能に嵌挿され保持テーブル34が配設された移動基台32に装着されたX軸コイル可動子352とからなっている。X軸リニアレール351は、例えば複数の円柱状の永久磁石のN極とS極とを交互に接合して軸状に構成し、この軸状に構成された複数の円柱状の永久磁石をステンレス鋼等の非磁性材からなる円筒状のケースに配設して構成されている。このように構成されたX軸リニアレール351は、その両端部に図2に示すように支持部材353、353が装着されており、この支持部材353、353を介して上記支静止基台2に取付けられる。X軸リニアレール351とX軸コイル可動子352とからなる加工送り手段35は、所謂リニアシャフトモータを構成しており、X軸コイル可動子352に電流が流れると磁力による吸引力、反発力を繰り返して推力が発生する。従って、X軸コイル可動子352に印加する電流の方向を変えることにより、X軸コイル可動子352がX軸リニアレール351に沿って移動する方向を変更することができる。このように構成された加工送り手段35は、保持テーブル34が配設された移動基台32を図2に示す被加工物着脱領域と切削機構4が配設された加工領域との間を移動せしめる。なお、図示の実施形態における加工送り手段35は所謂リニアシャフトモータによって構成した例を示したが、ボールねじ機構によって構成してもよい。
【0019】
次に、上記切削機構4について説明する。
切削機構4は、上記静止基台2上に固定された門型の支持フレーム41を具備している。この門型の支持フレーム41は、間隔を置いて配設された第1の柱部411および第2の柱部412と、該第1の柱部411と第2の柱部412の上端を連結し矢印Xで示す加工送り方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に沿って配設された支持部413とからなり、上記2本のX軸ガイドレール31を跨ぐように配設されている。
【0020】
上記門型の支持フレーム41を構成する支持部413の図1および図2において背面側には、第1の切削手段5aと第2の切削手段5bが配設されている。第1の切削手段5aおよび第2の切削手段5bについて、図3および図4を参照して説明する。第1の切削手段5aおよび第2の切削手段5bは、それぞれ割り出し移動基台51と切り込み移動基台52およびスピンドルユニット53を具備している。第1の切削手段5aの割り出し移動基台51および第2の切削手段5bの割り出し移動基台51は、それぞれ上記支持部413の図4において左方の側面に設けられた2本のY軸ガイドレール413a、413aと嵌合する被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を2本のY軸ガイドレール413a、413aに嵌合することにより、割り出し移動基台51は2本のY軸ガイドレール413a、413aに沿って移動可能に構成される。なお、第1の切削手段5aの割り出し移動基台51および第2の切削手段5bの割り出し移動基台51の一方の面には、それぞれ後述する割り出し送り手段が配設される凹部513が形成されている。また、第1の切削手段5aの割り出し移動基台51および第2の切削手段5bの割り出し移動基台51の他方の面には、それぞれ図4に示すように矢印Zで示す切り込み送り方向に沿って一対の案内レール512、512(図4には一方の案内レールのみが示されている)が設けられている。
【0021】
上記第1の切削手段5aの切り込み移動基台52および第2の切削手段5bの切り込み移動基台52は、それぞれ上下方向に延びる被支持部521と、該被支持部521の下端から直角に水平に延びる装着部522とからなっている。図4に示すように被支持部521における装着部522側の面には上記割り出し移動基台51の他方の面に設けられた一対のZ軸ガイドレール512、512と嵌合する被案内溝523、523(図4には一方の被案内溝のみが示されている)が設けられており、この被案内溝523、523を2本のZ軸ガイドレール512、512に嵌合することにより、切り込み移動基台52は2本のZ軸ガイドレール512、512に沿って矢印Zで示す切り込み送り方向に移動可能に構成される。このようにして割り出し移動基台51に装着された切り込み移動基台52は、図1および図2に示すように装着部522が門型の支持フレーム41を構成する支持部413の下側に突出して配置される。
【0022】
上記スピンドルユニット53は、第1の切削手段5aと第2の切削手段5bの切り込み移動基台52を形成する装着部522の下面にそれぞれ装着されている。この第1の切削手段5aのスピンドルユニット53および第2の切削手段5bのスピンドルユニット53は、それぞれ図3および図4に示すようにスピンドルハウジング531と、該スピンドルハウジング531に回転可能に支持された回転スピンドル532と、該回転スピンドル532の一端に装着された切削ブレード533と、切削水を供給する切削水供給管534および回転スピンドル532を回転駆動する図示しないサーボモータを具備しており、回転スピンドル532の軸線方向が矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って配設されている。そして、第1の切削手段5aのスピンドルユニット53を構成する切削ブレード533と第2の切削手段5bのスピンドルユニット53を構成する切削ブレード533は、互いに対向して配設されている。
【0023】
図示の実施形態における第1の切削手段5aと第2の切削手段5bは、図3に示すように上記割り出し移動基台51、51を2本のY軸ガイドレール413a、413aに沿って矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動するための割り出し送り手段54を具備している。割り出し送り手段54は、上記2本のY軸ガイドレール413a、413aに沿って配設された共通のY軸リニアレール540と、該共通のY軸リニアレール540に移動可能に嵌挿され第1の切削手段5aの割り出し移動基台51に装着された第1のY軸コイル可動子544aと、共通のY軸リニアレール540に移動可能に嵌挿され第2の切削手段5bの割り出し移動基台51に装着された第2のY軸コイル可動子544bとからなっている。共通のY軸リニアレール540は、例えば複数の円柱状の永久磁石のN極とS極とを交互に接合して軸状に構成し、この軸状に構成された複数の円柱状の永久磁石をステンレス鋼等の非磁性材からなる円筒状のケースに配設して構成されている。このように構成された共通のY軸リニアレール540は、その両端部に図3に示すように支持部材543、543が装着されており、この支持部材543、543を介して上記支持フレーム41の支持部413に取付けられる。この共通のY軸リニアレール540に移動可能に嵌挿された第1のコイル可動子544aおよび第2のコイル可動子544bは、それぞれ第1の切削手段5aの割り出し移動基台51および第2の切削手段5bの割り出し移動基台51に設けられた凹部513に配設され、それぞれ割り出し移動基台51の一方の面に装着される。
【0024】
上記のように共通のY軸リニアレール540と第1のコイル可動子544aおよび第2のコイル可動子544bとからなる割り出し送り手段54は、上記X軸リニアレール361とX軸コイル可動子362とからなる加工送り手段35と同様に所謂シャフトモータを構成しており、第1のコイル可動子544aおよび第2のコイル可動子544bに電流が流れると磁力による吸引力、反発力を繰り返して推力が発生する。従って、第1のコイル可動子544aおよび第2のコイル可動子544bに印加する電流の方向を変えることにより、第1のコイル可動子544aおよび第2のコイル可動子544bが共通のY軸リニアレール540に沿って移動する方向を変更することができる。なお、図示の実施形態における割り出し送り手段54は所謂リニアシャフトモータによって構成した例を示したが、ボールねじ機構によって構成してもよい。
【0025】
また、図示の実施形態における第1の切削手段5aと第2の切削手段5bは、図3および図4に示すように上記切り込み移動基台52、52を2本のZ軸ガイドレール512、512に沿って矢印Zで示す切り込み送り方向(Z軸方向)に移動するための切り込み送り手段55、55を具備している。切り込み送り手段55、55は、それぞれ2本のZ軸ガイドレール512、512と平行に配設された雄ネジロッド551と、雄ネジロッド551の一端部を回転可能に支持する軸受552と、雄ネジロッド551の他端に連結され該雄ネジロッド551を正転または逆転駆動するパルスモータ553とからなっている。このように構成された切り込み送り手段55、55は、それぞれ雄ネジロッド551が上記切り込み移動基台52の被支持部521に形成された雌ネジ521aに螺合される。従って、切り込み送り手段55、55は、それぞれパルスモータ553を駆動して雄ネジロッド551を正転または逆転駆動することにより、切り込み移動基台52を2本のZ軸ガイドレール512、512に沿って図3において矢印Zで示す切り込み送り方向(Z軸方向)に移動することができる。
【0026】
図1を参照して説明を続けると、上記静止基台2には、半導体ウエーハ等の複数の被加工物を収容するカセット60が載置されるカセット載置機構6と、該カセット載置機構6に載置されたカセット60から被加工物を搬出するとともに切削済の被加工物をカセット60に搬入する搬出・搬入機構7と、該搬出・搬入機構7によって搬出された被加工物を仮置きする仮置き機構8と、該仮置き機構8と隣接して配設された補助仮置き機構9と、切削後の被加工物を洗浄する洗浄機構10とを具備している。カセット載置機構6は、図示しない昇降手段によって昇降せしめられるカセットテーブル61上にカセット60が載置されるようになっている。カセット60には環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に貼着された半導体ウエーハWが収容されている。なお、環状のフレームFの外周には、後述する規制ピンが係合するノッチF-1およびフラット面F-2が設けられている。
【0027】
搬出・搬入機構7は、図1に示すように上記門型の支持フレーム41を構成する支持部413の表面側に配設された搬送移動手段71と、該搬送移動手段71によってY軸方向移動せしめられる支持基台72と、該支持基台72と搬送移動手段71とを連結する連結部材73とからなっている。搬送移動手段71は支持基台72が連結された連結部材73をY軸方向に移動せしめるベルト機構からなっている。図5および図6を参照して説明を続けると、搬出・搬入機構7を構成する支持基台72には、下側に配設されカセット載置機構6に載置されたカセット60に収容された半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFを把持するための把持部材74(図6参照)と、該把持部材74を上下方向に移動するエアーシリンダー740と、把持部材74の両側に配設され上記環状のフレームFに設けられたノッチF-1およびフラット面F-2と係合して環状のフレームFを所定の位置に規制する一対の規制ピン75が取り付けられている。このように構成された搬出・搬入機構7は、支持基台72をカセット載置機構6に載置されたカセット60に向けて移動し、一対の規制ピン75をカセット60に収容された半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFに設けられたノッチF-1およびフラット面F-2と係合することにより、半導体ウエーハWを所定の位置に位置規制する。そして、エアーシリンダー740によって把持部材74を上方に移動することにより、環状のフレームFを支持基台72と把持部材74との間に把持する。
【0028】
また、搬出・搬入機構7を構成する支持基台72には、下側に配設され後述する切削済の半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFを把持するための補助把持部材76(図6参照)と、該補助把持部材76を上下方向に移動するエアーシリンダー760と、補助把持部材76の両側に配設され上記環状のフレームFと係合して環状のフレームFを所定の位置に規制する一対の補助規制ピン77が取り付けられている。更に、搬出・搬入機構7を構成する支持基台72には、後述する洗浄機構の噴射ノズルと選択的に係合する係合手段78が配設されている。この係合手段78は、支持基台72の下面より下方に進退可能に配設された係合ロッド781と、該係合ロッド781を進退せしめるエアーシリンダー782とからなっている。
【0029】
上記仮置き機構8について、図1図7および図8を参照して説明する。仮置き機構8は、上記カセット載置機構6とY軸方向に隣接して上記保持テーブル34の被加工物着脱領域の直上に配設されている。この仮置き機構8は、Y軸方向に延在し環状のフレームFの両側部を支持する底部81a、81bと側部82a、82bとを有し底部81a、81bが開閉可能に構成された一対の支持レール80と、該一対の支持レール80の底部81a、81bを開閉する開閉手段85a、85bと、該一対の支持レール80を上下方向に移動せしめる昇降手段86とを備えている。なお、一対の支持レール80を構成する側部82a、82bの上端には互いに内側に突出するフランジ部83a、83bが設けられており、該フランジ部83aと83bの互いに一端部が連結部84によって連結されている。上記開閉手段85a、85bは、図示の実施形態においてはエアーモーターからなっており、一対の支持レール80の底部81a、81bを図8において実線で示す水平位置である閉位置と2点鎖線で示す垂直位置である開位置にそれぞれ作動せしめる。上記昇降手段86は、図示しない固定部材に取り付けられたエアーシリンダー861からなっており、該エアーシリンダー861のピストンロッド862が上記一対の支持レール80の連結部84に連結されている。
【0030】
上記補助仮置き機構9は、上記仮置き機構8とY軸方向に隣接し上記カセット載置機構6に対してY軸方向反対側において後述する洗浄機構10の直上に配設されている。この補助仮置き機構9は、上記仮置き機構8と同様の構成であり、図7に示すようにY軸方向に延在し環状のフレームFの両側部を支持する底部91a、91bと側部92a、92bとを有し底部91a、91bが開閉可能に構成された一対の補助支持レール90と、該一対の補助支持レール90の底部91a、91bを開閉する開閉手段95a、95bと、該一対の補助支持レール90を上下方向に移動せしめる昇降手段96とを備えている。なお、一対の補助支持レール90を構成する側部92a、92bの上端には互いに内側に突出するフランジ部93a、93bが設けられており、該フランジ部93aと93bの互いに一端部が連結部94によって連結されている。上記開閉手段95a、95bは、図示の実施形態においてはエアーモーターからなっており、一対の補助支持レール90の底部91a、91bを水平位置である閉位置と垂直位置である開位置にそれぞれ作動せしめる。上記昇降手段96は、図示しない固定部材に取り付けられたエアーシリンダー961からなっており、該エアーシリンダー961のピストンロッド962が上記一対の補助支持レール90の連結部94に連結されている。
【0031】
次に、上記洗浄機構10について、図1および図9を参照して説明する。
図示の実施形態における洗浄機構10は、上記仮置き機構8に隣接しカセット載置機構6に対してY軸方向反対側に配設される。この洗浄機構10は、洗浄ハウジング11を具備している。この洗浄ハウジング11は、前壁111と後壁112と側壁113および114と底壁(図示せず)とからなっており、上方が解放されている。このように構成された洗浄ハウジング11内には、スピンナーテーブル12が配設されている。スピンナーテーブル12は、テーブル本体121と、該テーブル本体121の上面に配設された吸着チャック122と、テーブル本体121を回転駆動するサーボモータ123とからなっている。テーブル本体121は、外径が上記ウエーハWの外径より大きくウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFの内径より小さく形成されている。吸着チャック122は、ポーラスセラミックスによって形成され図示しない吸引手段に接続されており、適宜負圧が作用せしめられるようになっている。従って、吸着チャック122上に載置された被加工物は、図示しない吸引手段を作動することにより吸着チャック122上に吸引保持される。
【0032】
図1および図9を参照して説明を続けると、洗浄ハウジング11の前壁111にはY軸方向に沿って形成された案内穴111aが設けられているおり、この案内穴111aに上記スピンナーテーブル12に保持された被加工物に洗浄水を噴射する噴射ノズル13がY軸方向に移動可能に配設されている。この噴射ノズル13には一端に錘14が連結されたワイヤー15の他端がプーリー16を介して連結され、錘14の重力によって矢印Y1で示す方向に移動するように構成されている。そして、噴射ノズル13には、上記搬出・搬入機構7を構成する支持基台72に配設された係合手段78は、支持基台72の下面より下方に進退可能に配設された係合ロッド781が進出した状態で噴射ノズル13における錘14の重力によって移動する矢印Y1で示す方向から接触せしめられる。なお、噴射ノズル13は、図示しない洗浄水供給手段に接続されている。
【0033】
図示の実施形態における切削装置は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
先ず、図10に示すように仮置き機構8のエアーシリンダー861を作動して一対の支持レール80を上部位置に位置付けるとともに、搬出・搬入機構7の把持部材74(図6参照)および一対の規制ピン75(図5および図6参照)が配設された支持基台72を図示の待機位置に位置付ける。
【0034】
次に、搬出・搬入機構7の搬送移動手段71(図1および図5参照)を作動して、図11に示すように把持部材74および一対の規制ピン75が配設された支持基台72をカセット載置機構6側に移動し、一対の規制ピン75(図5および図6参照)をカセット60に収容された半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFに設けられたノッチF-1およびフラット面F-2(図1参照)と係合することにより、半導体ウエーハWを所定の位置に位置規制する。そして、エアーシリンダー740を作動することにより、環状のフレームFを支持基台72と把持部材74(図6参照)との間に把持する。
【0035】
環状のフレームFを支持基台72と把持部材74によって把持したならば、搬出・搬入機構7の搬送移動手段71を作動して支持基台72をカセット載置機構6と反対側に移動し、図12に示すように環状のフレームFを仮置き機構8の一対の支持レール80に搬送し、仮置きする。
【0036】
環状のフレームFを仮置き機構8の一対の支持レール80に搬送したならば、図13に示すようにエアーシリンダー861を作動して一対の支持レール80を下降して下部位置に位置付ける。この結果、環状のフレームFに装着され半導体ウエーハWが貼着されているダイシングテープTが、保持テーブル機構3における被加工物着脱位置に位置付けられている保持テーブル34の上面に載置される。そして、上記開閉手段85a、85b(図6および図8参照)を作動して一対の支持レール80の底部81a、81bを図8において実線で示す閉位置から2点鎖線で示す開位置に位置付ける。
【0037】
次に、図示しない吸引手段を作動することにより、図14に示すように保持テーブル34の上面にダイシングテープTを介して半導体ウエーハWを吸引保持する。そして、仮置き機構8のエアーシリンダー851を作動して一対の支持レール80を上昇して上部位置に位置付ける。
【0038】
図14に示すように保持テーブル34の上面にダイシングテープTを介して半導体ウエーハWを吸引保持したならば、保持テーブル機構3を構成する加工送り手段35を作動して半導体ウエーハWを吸引保持した保持テーブル34を図15に示すように切削機構4が配設された加工領域に移動する。そして、第1の切削手段5aと第2の切削手段5bとによって保持テーブル34に保持された半導体ウエーハWに所定の切削加工が施される。なお、保持テーブル34は上述したように外径が半導体ウエーハWの外径より大きく環状のフレームFの内径より小さく形成されているので、環状のフレームFが自重によって僅かに垂れ下がり、切削加工において第1の切削手段5aと第2の切削手段5bの切削ブレード533と干渉することがないとともに、フレーム押え機構が不要となりコスト低減になる。
【0039】
上述したように保持テーブル34に保持された半導体ウエーハWに所定の切削加工を施したならば、加工送り手段35を作動して切削済みの半導体ウエーハWを吸引保持した保持テーブル34を図16に示す被加工物着脱位置に位置付ける。この状態で、保持テーブル34に保持された切削済みの半導体ウエーハWは、仮置き機構8の直下に位置付けられる。
【0040】
保持テーブル34に保持された切削済みの半導体ウエーハWを仮置き機構8の直下に位置付けたならば、仮置き機構8の一対の支持レール80の底部81a、81bを開位置に位置付けた状態でエアーシリンダー861を作動して、図17に示すように一対の支持レール80を下降して下部位置に位置付ける。そして、一対の支持レール80の底部81a、81bを閉位置に位置付けて環状のフレームFを支持するとともに、保持テーブル34による半導体ウエーハWの吸引保持を解除する。
【0041】
次に、仮置き機構8のエアーシリンダー861を作動して環状のフレームFを支持した一対の支持レール80を上昇させ、図18に示すように上部位置より僅かに下方で搬出・搬入機構7の把持部材74および一対の規制ピン75が一対の支持レール80に支持された切削済み半導体ウエーハWの上方を移動できる中間位置に一対の支持レール80を位置付ける。
【0042】
そして、搬出・搬入機構7の搬送移動手段71を作動して、図19に示すように支持基台72をカセット載置機構6側に移動し、一対の規制ピン75(図5および図6参照)をカセット60に収容された半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFに設けられたノッチF-1およびフラット面F-2(図1参照)と係合することにより、半導体ウエーハWを所定の位置に位置規制する。そして、エアーシリンダー740を作動することにより、新たな半導体ウエーハWを支持した環状のフレームFを支持基台72と把持部材74(図6参照)との間に把持する。このとき、把持部材74と一対の規制ピン75は、切削済み半導体ウエーハWの上方を移動する。
【0043】
次に、仮置き機構8のエアーシリンダー851を作動して切削済み半導体ウエーハWを支持した一対の支持レール80を上部位置に位置付けるとともに、切削済み半導体ウエーハWを支持する環状のフレームFにおけるカセット載置機構6側の端面を一対の補助規制ピン77と対向する位置に位置付ける。その後、搬出・搬入機構7の搬送移動手段71を作動して、図20に示すように支持基台72をカセット載置機構6と反対側に移動することにより、支持基台72と把持部材74によって把持された新たな半導体ウエーハWを支持した環状のフレームFを仮置き機構8の一対の支持レール80に搬送するとともに、一対の補助規制ピン77が当接される切削済み半導体ウエーハWを支持した環状のフレームFを補助仮置き機構9の一対の補助支持レール90に搬送する。
【0044】
切削済み半導体ウエーハWを支持した環状のフレームFを補助仮置き機構9の一対の補助支持レール90に搬送したならば、図21に示すようにエアーシリンダー961を作動して一対の補助支持レール90を下降して下部位置に位置付ける。この状態で、環状のフレームFに装着され半導体ウエーハWが貼着されているダイシングテープTが、洗浄-機構10のスピンナーテーブル12の上面に接触する。そして、一対の補助支持レール90の底部91a、91bを閉位置から開位置に位置付けることにより、切削済みの半導体ウエーハWをダイシングテープTを介してスピンナーテーブル12の上面に載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、スピンナーテーブル12の上面にダイシングテープTを介して切削済みの半導体ウエーハWを吸引保持する。
【0045】
次に、仮置き機構8の一対の支持レール80と補助仮置き機構9の一対の補助支持レール90を図22の(a)に示すように上部位置に位置付け、スピンナーテーブル12を回転するとともに、図22の(b)に示すように図示しない洗浄水供給手段を作動することにより噴射ノズル13から洗浄水130を噴射する。このとき、搬出・搬入機構7の支持基台72に配設された係合手段78の係合ロッド781を進出して噴射ノズル13と係合する位置に位置付け、搬送移動手段71を作動して係合ロッド781をY軸方向に往復動させる。従って、噴射ノズル13に連結されたワイヤー15の一端に連結された錘14の重力と協働して噴射ノズル13はY軸方向に往復動せしめられる。なお、噴射ノズル13の往復動範囲は、少なくとも切削済みの半導体ウエーハWの外周から中心までの範囲でよい。この結果、スピンナーテーブル12にダイシングテープTを介して吸引保持された切削済みの半導体ウエーハWはスピンナー洗浄される。なお、上記噴射ノズル13のY軸方向への往復動においては、搬出・搬入機構7が駆動源となっているので、小型化が可能となるとともに、コストの低減を図ることができる。また、スピンナーテーブル12は上述したように外径が半導体ウエーハWの外径より大きく環状のフレームFの内径より小さく形成されているので、環状のフレームFが自重によって僅かに垂れ下がり、半導体ウエーハWに供給された洗浄水が円滑に外周に排出されるとともに、フレーム押え機構が不要となりコスト低減になる。
【0046】
上述したように切削済みの半導体ウエーハWを洗浄したならば、図23に示すように搬出・搬入機構7を上記待機位置に位置付けるとともに、補助仮置き機構9を構成する一対の補助支持レール90の底部91a、91bを開位置に位置付けた状態で下部位置に位置付け、底部91a、91bを閉位置にして洗浄済みの半導体ウエーハWを支持する環状のフレームFを支持する。そして、スピンナーテーブル12による半導体ウエーハWの吸引保持を解除する。
【0047】
次に、図24に示すように洗浄済みの半導体ウエーハWを支持する環状のフレームFを支持した補助仮置き機構9を構成する一対の補助支持レール90を上部位置に位置付ける。そして、搬出・搬入機構7の支持基台72に配設された補助把持部材76を作動して環状のフレームFを把持する。
【0048】
そして、搬出・搬入機構7の搬送移動手段71を作動して、図25に示すように洗浄済みの半導体ウエーハWを支持する環状のフレームFを補助仮置き機構9の一対の補助支持レール90から仮置き機構8の一対の支持レール80まで移動する。
【0049】
次に、図26に示すように仮置き機構8の一対の支持レール80を中間位置に位置付けるとともに、搬出・搬入機構7の支持基台72に配設された把持部材74および一対の規制ピン75を待機位置に位置付ける。
【0050】
そして、搬出・搬入機構7の搬送移動手段71を作動して、図27に示すように支持基台72をカセット載置機構6側に移動して把持部材74および一対の規制ピン75を待機位置からカセット載置機構6に載置されたカセット60まで移動することにより、洗浄済みの半導体ウエーハWを支持する環状のフレームFをカセット60に収容する。
【0051】
なお、上述したように洗浄済みの半導体ウエーハWを洗浄するとともにカセット60に収容する作業を実施している際に、カセット60から仮置き機構8の一対の支持レール80に搬出された新たな半導体ウエーハWは、上述したように保持テーブル機構3を構成する保持テーブル34に搬送され吸引保持される。そして、保持テーブル34に吸引保持された新たな半導体ウエーハWは、加工送り手段35によって切削機構4が配設された加工領域に移動せしめられ、第1の切削手段5aと第2の切削手段5bによって所定の切削加工が施される。
【0052】
以上のように、図示の実施形態における切削装置は、被加工物を保持する保持テーブル34が被加工物着脱領域に位置付けられている際に、搬出・搬入機構7によってカセット60に収容された半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFを搬出して仮置き機構8を構成する一対の支持レール80に仮置きし、昇降手段86によって一対の支持レール80を下降して環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持された半導体ウエーハWを保持テーブル34に載置し、開閉手段85a、85bによって底部81a、81bを開くことによりダイシングテープTを介して半導体ウエーハWを保持テーブル34に保持するので、被加工物としての半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFを搬送する搬送手段は実質的に搬出・搬入機構7のみであるため、部品点数が低減してコストが低減が低減するとともに、装置の小型化を図ることができる。また、搬出・搬入機構7は、洗浄機構10のスピンナーテーブル12の直上に配設された補助仮置き機構9にも切削済の半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFを搬送する機能を有しているので、更に装置の小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0053】
2:静止基台
3:保持テーブル機構
32:移動基台
34:保持テーブル
35:加工送り手段
351:X軸リニアレール
352:X軸コイル可動子
4:切削機構
5a:第1の切削手段
5b:第2の切削手段
54:割り出し送り手段
540:共通のY軸リニアレール
544a:第1のY軸コイル可動子
544b:第2のコイル可動子
6:カセット載置機構
60:カセット
7:搬出・搬入機構
71:搬送移動手段
72:支持基台
74:把持部材
75:一対の規制ピン
76:補助把持部材
77:一対の補助規制ピン
8:仮置き機構
80:一対の支持レール
9:補助仮置き機構
90:一対の補助支持レール
10:洗浄機構
11:洗浄ハウジング
12:スピンナーテーブル
13:噴射ノズル
14:錘
15:ワイヤー
16:プーリー
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ
W:半導体ウエーハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27