特許第6442008号(P6442008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442008
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】オランザピンに対する抗体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20181210BHJP
   C07K 16/44 20060101ALI20181210BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20181210BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   C12N15/13ZNA
   C07K16/44
   G01N33/53 G
   G01N33/543 521
【請求項の数】26
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2017-155035(P2017-155035)
(22)【出願日】2017年8月10日
(62)【分割の表示】特願2015-528597(P2015-528597)の分割
【原出願日】2013年8月20日
(65)【公開番号】特開2018-39787(P2018-39787A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2017年9月11日
(31)【優先権主張番号】61/691,645
(32)【優先日】2012年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100181168
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 智裕
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】リョホレンコ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】サンカラン,バヌマティ
(72)【発明者】
【氏名】デコリー,トーマス,アール.
(72)【発明者】
【氏名】タブス,テレサ
(72)【発明者】
【氏名】コルト,リンダ
(72)【発明者】
【氏名】レメリー,バート,エム.
(72)【発明者】
【氏名】サルター,ライズ
(72)【発明者】
【氏名】ドナエ,マシュー,ギャレット
(72)【発明者】
【氏名】ゴング,ヨン
【審査官】 飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−535301(JP,A)
【文献】 GENTAUR DATA SHEET [online],IDEL-F083 "Enzyme Immunoassay for the Detection of Olanzapine in Urine o,URL,http://gentaurpdf.com/pdf/Forensic%2001anzapine%20Elisa%20kit.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C07K 16/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離抗体又はその結合断片であって、オランザピンに結合し、
a)配列番号11のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号12のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号11のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号11のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号11のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号12のアミノ酸残基45〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号12のアミノ酸残基69〜85を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号12のアミノ酸残基118〜122を含むか、
b)配列番号15のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号16のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号15のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号15のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号15のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号16のアミノ酸残基45〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号16のアミノ酸残基69〜85を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号16のアミノ酸残基118〜122を含むか、
c)配列番号31のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号32のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号31のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号31のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号31のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号32のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号32のアミノ酸残基69〜84を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号32のアミノ酸残基119〜127を含むか、
d)配列番号35のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号36のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号35のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号35のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号35のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号36のアミノ酸残基45〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号36のアミノ酸残基69〜87を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号36のアミノ酸残基120〜127を含むか、または、
e)配列番号39のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号40のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号39のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号39のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号39のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号40のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号40のアミノ酸残基69〜84を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号40のアミノ酸残基120〜127を含む、
単離抗体又はその結合断片。
【請求項2】
前記抗体又はその結合断片が、
配列番号11のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号12のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号11のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号11のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号11のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号12のアミノ酸残基45〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号12のアミノ酸残基69〜85を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号12のアミノ酸残基118〜122を含む、
請求項1に記載の抗体又はその結合断片。
【請求項3】
前記抗体又はその結合断片が、
配列番号15のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号16のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号15のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号15のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号15のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号16のアミノ酸残基45〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号16のアミノ酸残基69〜85を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号16のアミノ酸残基118〜122を含む、
請求項1に記載の抗体又はその結合断片。
【請求項4】
前記抗体又はその結合断片が、
配列番号31のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号32のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号31のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号31のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号31のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号32のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号32のアミノ酸残基69〜84を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号32のアミノ酸残基119〜127を含む、
請求項1に記載の抗体又はその結合断片。
【請求項5】
前記抗体又はその結合断片が、
配列番号35のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号36のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号35のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号35のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号35のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号36のアミノ酸残基45〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号36のアミノ酸残基69〜87を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号36のアミノ酸残基120〜127を含む、
請求項1に記載の抗体又はその結合断片。
【請求項6】
前記抗体又はその結合断片が、
配列番号39のCDR1、CDR2及びCDR3を含む軽鎖可変領域並びに配列番号40のCDR1、CDR2及びCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
前記軽鎖CDR1配列が配列番号39のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記軽鎖CDR2配列が配列番号39のアミノ酸残基70〜76を含み、
前記軽鎖CDR3配列が配列番号39のアミノ酸残基109〜117を含み、
前記重鎖CDR1配列が配列番号40のアミノ酸残基44〜54を含み、
前記重鎖CDR2配列が配列番号40のアミノ酸残基69〜84を含み、
前記重鎖CDR3配列が配列番号40のアミノ酸残基120〜127を含む、
請求項1に記載の抗体又はその結合断片。
【請求項7】
前記抗体の結合断片が、Fv、F(ab')、F(ab')2、scFv、ミニボディ(minibody)、及びダイアボディ(diabody)断片からなる断片の群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単離抗体またはその結合断片。
【請求項8】
前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単離抗体またはその結合断片。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の単離抗体またはその結合断片を含む、アッセイキット。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の単離抗体またはその結合断片を含む、アッセイ装置。
【請求項11】
前記装置が、側方流動アッセイ装置である、請求項10に記載のアッセイ装置。
【請求項12】
試料中のオランザピンを検出する方法であって、前記方法が、
(i)試料を、検出可能なマーカーで標識された請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗体またはその結合断片と接触させる工程であって、前記標識された抗体またはその結合断片及び試料中に存在するオランザピンが、標識された複合体を形成する、工程と、
(ii)前記標識された複合体を検出し、それにより前記試料中のオランザピンを検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項13】
試料中のオランザピンを検出するための競合的イムノアッセイ方法であって、前記方法が、
(i)試料を、請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗体またはその結合断片と、及びオランザピン又はオランザピンの競合的結合パートナーと接触させる工程であって、前記抗体またはその結合断片及び前記オランザピン又はその競合的結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識され、試料オランザピンが、前記オランザピン又はその競合的結合パートナーと、前記抗体またはその結合断片に結合して複合体を形成することにおいて競合する、工程と、
(ii)試料オランザピンを検出するために、前記標識の量を検出する工程と、を含む、方法。
【請求項14】
前記オランザピン又はその競合的結合パートナーが、前記検出可能なマーカーで標識される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記抗体またはその結合断片が、検出可能なマーカーで標識される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記イムノアッセイが、側方流動アッセイ装置において行われ、前記試料が、前記装置に適用される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
オランザピンに加えて、1つ以上の検体の存在を検出することを更に含む、請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の検体が、オランザピン以外の抗精神病薬である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
オランザピン以外の前記抗精神病薬が、アリピプラゾール、リスペリドン、パリペリドン、クエチアピン、及びその代謝産物からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
オランザピンの検出が、処方されたオランザピン治療に対する患者の遵守の指標である、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
オランザピンの検出が、患者が経口オランザピンレジメンから注射用オランザピンレジメンへと変更されるべきかどうかの決定を補助するために使用される、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
オランザピンの検出が、有効又は安全な薬物レベルの実現又は維持を確保するために、経口又は注射用オランザピンの用量レベル又は投与間隔が増加又は減少されるべきかどうかの決定を補助するために使用される、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
オランザピンの検出が、最小pKレベルの達成の証拠を提供することによるオランザピン治療の開始の補助である、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
オランザピンの検出が、複数の製剤における又は複数の供給源からのオランザピンの生物学的同等性を決定するために使用される、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
オランザピンの検出が、多剤併用及び潜在的な薬物間相互作用の影響を評価するために使用される、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
オランザピンの検出が、患者が臨床治験から除外されるか又は臨床治験に含まれるべきであるかを示す指標であるか、あるいは臨床治験投薬の必要条件に対する遵守のその後のモニタリングにおける補助である、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年8月21日に出願された米国仮出願第61/691,645号の
利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、イムノアッセイの分野、特に、イムノアッセイにおいてオランザピンの検出
のために使用され得る、オランザピンに結合する抗体に関する。
【背景技術】
【0003】
統合失調症は、慢性かつ消耗性の精神障害であり、世界人口の約0.45〜1%が罹患
している(van Os,J.、Kapur,S.「Schizophrenia」La
ncet2009,374,635〜645)。治療の主要な目標は、精神病の症状から
持続的寛解を達成し、再発のリスク及び影響を低減し、患者の機能及び全体的な生活の質
を向上することである。統合失調症に罹患している多くの患者は、抗精神病薬の投薬によ
り症状の安定を得ることができるが、投薬の順守不足が、毎日投与される経口投薬での再
発の一般的な理由である。非順守の結果を調査するいくつかの研究(Abdel−Bak
i,A.、Ouellet−Plamondon,C.、Malla,A.「Pharm
acotherapy Challenges in Patients with F
irst−Episode Psychosis」Journal of Affect
ive Disorders 2012,138,S3−S14)は、処方されたように
薬物治療を行わない統合失調症に罹患している患者は再発、入院、及び自殺の割合がより
高く、死亡率が増加することを示している。統合失調症に罹患している患者の40〜75
%が、毎日の経口治療レジメンの順守に困難を有することが推定されている(Liebe
rman,J.A.、Stroup,T.S.、McEvoy,J.P.、Swartz
,M.S.、Rosenheck,R.A.、Perkins,D.O.、Keefe,
R.S.E.、Davis,S.M.、Davis,C.E.、Lebowitz,B.
D.、Severe,J.、Hsiao,J.K.「Effectiveness of
Antipyschotic Drugs in Patients with Ch
ronic Schizophrenia」New England Journal
of Medicine2005,353(12),1209〜1223)。
【0004】
治療薬物モニタリング(TDM)は、治療モニタリング及び治療最適化のための、抗精
神病薬を含む薬物の血清又は血漿濃度の定量である。そのようなモニタリングは、例えば
、薬物治療レジメンを順守していない、治療用量に達していない、治療用量で反応してい
ない、準最適な忍容性を有する、薬物動態学的な薬物間相互作用を有する、又は不適切な
血漿濃度をもたらす異常代謝を有する、患者の識別を可能にする。抗精神病薬を吸収、分
配、代謝、及び排出する患者の能力において、かなりの個人差がある。そのような差異は
、併発症、年齢、併用薬、又は遺伝的特徴により生じ得る。異なる薬物製剤もまた、抗精
神病薬の代謝に影響を及ぼし得る。TDMは、個々の患者に対する用量の最適化を可能に
し、治療的帰結及び機能的帰結を向上する。TDMは、処方医師が、処方した投与量の順
守及び有効な血清濃度の達成を確実にすることを更に可能にする。
【0005】
今日まで、抗精神病薬の血清又は血漿濃度のレベルを判定するための方法は、紫外線又
は質量分析法検出による液体クロマトグラフィー(LC)の使用、及びラジオイムノアッ
セイを伴う(例えば、Woestenborghs et al.,1990「On t
he selectivity of some recently develope
d RIA’s」in Methodological Surveys in Bio
chemistry and Analysis 20:241〜246.Analys
is of Drugs and Metabolites,Including An
ti−infective Agents、Heykants et al.,1994
「The Pharmacokinetics of Risperidone in
Humans:A Summary」,J Clin Psychiatry 55/5
,suppl:13〜17、Huang et al.,1993「Pharmacok
inetics of the novel anti−psychotic agen
t risperidone and the prolactin response
in healthy subjects」,Clin Pharmacol The
r 54:257〜268を参照されたい)。ラジオイムノアッセイは、リスペリドン及
びパリペリドンのうちの一方又は両方を検出する。米国特許第8,088,594号にお
いて、Salamoneらは、リスペリドン及びパリペリドンの両方を検出するが、薬理
学的に不活性な代謝産物を検出しない抗体を使用した、リスペリドンに対する競合的イム
ノアッセイを開示する。競合的イムノアッセイにおいて使用される抗体は、特定の免疫原
に対して開発される。ID Labs Inc.(London,Ontario,Ca
nada)は、別の抗精神病薬であるオランザピンのためのELISAを市販しており、
これもまた、競合形式を利用する。使用指示書は、アッセイがスクリーニング目的のため
に設計され、法医学又は研究での使用を意図するが、特に治療での使用を意図しないこと
を示す。この指示書は、全ての陽性試料がガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC−
MS)で確認されるべきであることを推奨し、使用される抗体がオランザピン及びクロザ
ピンを検出することを示す(ID Labs Inc.,「Instructions
For Use Data Sheet IDEL−F083」,Rev.Date A
ug.8,2011を参照されたい)。これらの方法のうちのいくつか、即ち、HPLC
及びGC/MSは、高価かつ労働集約的であり得、一般的に、適切な設備を有する大規模
又は専門研究所でのみ行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
抗精神病薬のレベルを判定するための他の方法、特に、処方医師の診療所で行うことが
でき(その結果、個々の患者に対する治療をより迅速に調整することができる)、及びL
C若しくはGC/MS設備を欠いているか又は迅速な試験結果を必要とする他の医療現場
において行うことができる方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、オランザピンに結合し、(i)a)配列番号11、配列番号15、配列番号
31、配列番号35、又は配列番号39のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離
抗体又はその断片と、b)配列番号12、配列番号16、配列番号32、配列番号36、
又は配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、
c)配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号12のアミノ酸配
列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、d)配列番号15のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号16のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含
む、単離抗体又はその断片と、e)配列番号31のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、
及び配列番号32のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と
、f)配列番号35のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号36のアミノ酸
配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、g)配列番号39のアミノ
酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を
含む、単離抗体又はその断片と、からなる群から選択される抗体であるか、あるいは、(
ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同じであるエピトープに対して競合
する、単離抗体又はその結合断片を目的とする。
【0008】
本発明の抗体は、アッセイキット及びアッセイ装置において提供され得、現在好ましい
装置は、ポイントオブケア分析を提供する側方流動アッセイ装置である。
【0009】
本発明は、試料中のオランザピンを検出する方法を更に提供する。本方法は、(i)試
料を、検出可能なマーカーで標識された、本発明に係る抗体と接触させる工程であって、
標識された抗体及び試料中に存在するオランザピンが、標識された複合体を形成する、工
程と、(ii)試料中のオランザピンを検出するために、標識された複合体を検出する工
程と、を含む。
【0010】
試料中のオランザピンを検出するための競合的イムノアッセイ方法が、更に提供される
。本方法は、(i)試料を、本発明に係る抗体と、及びオランザピン又はオランザピンの
競合的結合パートナーと接触させる工程であって、抗体、及びオランザピン又はその競合
的結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識され、試料オランザピンが
、オランザピン又はその競合的結合パートナーと、抗体への結合に対して競合する、工程
と、(ii)試料オランザピンを検出するために、標識を検出する工程と、を含む。
【0011】
本発明の更なる目的、特徴及び利点が、以下の好ましい実施形態の詳細な考察から、当
業者に明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】3つの異なるマウス融合11.1ハイブリドーマで生成された競合的ELISA結果を示す。
図2】3つの異なるマウス融合11.1ハイブリドーマで生成された競合的ELISA結果を示す。
図3】3つの異なるマウス融合11.1ハイブリドーマで生成された競合的ELISA結果を示す。
図4】側方流動アッセイ装置において使用される競合的イムノアッセイ形式を示す。
図5】オランザピン抗体クローン35で生成された典型的な用量反応曲線を示す。
図6】オランザピン抗体クローン61で生成された典型的な用量反応曲線を示す。
図7】オランザピン抗体3F11で生成された典型的な用量反応曲線を示す。
図8】本発明に係る側方流動アッセイ装置のチップ設計を示す。
図9】抗体5C7及び標識されたアリピプラゾール競合的結合パートナーで生成された、アリピプラゾール陽性対照の典型的な用量反応曲線示す。
図10】抗体4G9−1及び標識されたオランザピン競合的結合パートナーで生成された、オランザピン陽性対照の典型的な用量反応曲線を示す。
図11】抗体11及び標識されたクエチアピン競合的結合パートナーで生成された、クエチアピン陽性対照の典型的な用量反応曲線を示す。
図12】抗体5−9及び標識されたリスペリドン競合的結合パートナーで生成された、リスペリドン陽性対照の典型的な用量反応曲線を示す。
図13】標識されたアリピプラゾール競合的結合パートナーの存在下でアリピプラゾール抗体5C7で生成された、アリピプラゾールを含有する試料の典型的な用量反応曲線を示し、それぞれの標識された競合的結合パートナーの存在下でのオランザピン、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線はない。
図14】標識されたオランザピン競合的結合パートナーの存在下でオランザピン抗体4G9−1で生成された、オランザピンを含有する試料の典型的な用量反応曲線を示し、それぞれの標識された競合的結合パートナーの存在下でのアリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線はない。
図15】標識されたクエチアピン競合的結合パートナーの存在下でクエチアピン抗体11で生成された、クエチアピンを含有する試料の典型的な用量反応曲線を示し、それぞれの標識された競合的結合パートナーの存在下でのアリピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンの用量反応曲線はない。
図16】標識されたリスペリドン競合的結合パートナーの存在下でリスペリドン抗体5−9で生成された、リスペリドンを含有する試料の典型的な用量反応曲線を示し、それぞれの標識された競合的結合パートナーの存在下でのアリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンの用量反応曲線はない。
図17】標識されたアリピプラゾール競合的結合パートナーの存在下でアリピプラゾール抗体5C7で生成された、アリピプラゾールを含有する試料の典型的な用量反応曲線を示し、それぞれの抗体及び標識された競合的結合パートナーの存在下でのオランザピン、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線はない。
図18】標識されたオランザピン競合的結合パートナーの存在下でオランザピン抗体4G9−1で生成された、オランザピンを含有する試料の典型的な用量反応曲線を示し、それぞれの抗体及び標識された競合的結合パートナーの存在下でのアリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線はない。
図19】標識されたクエチアピン競合的結合パートナーの存在下でクエチアピン抗体11で生成された、クエチアピンを含有する試料の典型的な用量反応曲線を示し、それぞれの抗体及び標識された競合的結合パートナーの存在下でのアリピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンの用量反応曲線はない。
図20】標識されたリスペリドン競合的結合パートナーの存在下でリスペリドン抗体5−9で生成された、リスペリドンを含有する試料の典型的な用量反応曲線を示し、それぞれの抗体及び標識された競合的結合パートナーの存在下でのアリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンの用量反応曲線はない。
図21】陽性対照として生成されたアリピプラゾール用量反応曲線の、多重形式で生成されたアリピプラゾール用量反応曲線に対する比較を示す。
図22】陽性対照として生成されたオランザピン用量反応曲線の、多重形式で生成されたオランザピン用量反応曲線に対する比較を示す。
図23】陽性対照として生成されたクエチアピン用量反応曲線の、多重形式で生成されたクエチアピン用量反応曲線に対する比較を示す。
図24】陽性対照として生成されたリスペリドン用量反応曲線の、多重形式で生成されたリスペリドン用量反応曲線に対する比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の用語、「参照配列」、「比較ウィンドウ」、「配列同一性」、「配列同一性の割
合」、「実質的同一性」、「類似性」、及び「相同」は、2つ以上のポリヌクレオチド又
はアミノ酸配列の間の配列関係を説明するために使用される。「参照配列」は、配列比較
の基準として使用される画定された配列である。参照配列は、より大きい配列、例えば、
完全長cDNAのセグメント、若しくは配列表に提供される遺伝子配列のサブセットであ
ってもよく、又は完全なcDNA又は遺伝子配列を含んでもよい。参照配列は、配列表に
提供されるタンパク質をコードする完全なアミノ酸配列のセグメントを含んでもよく、又
はタンパク質をコードする完全なアミノ酸配列を含んでもよい。一般的に、参照配列は、
少なくとも18ヌクレオチド又は6アミノ酸長、しばしば少なくとも24ヌクレオチド又
は8アミノ酸長、及びしばしば少なくとも48ヌクレオチド又は16アミノ酸長である。
2つのポリヌクレオチド又はアミノ酸配列は、それぞれ(1)2つの分子間で類似する配
列(即ち、完全なヌクレオチド又はアミノ酸配列の一部分)を含み得、かつ(2)2つの
ポリヌクレオチド又はアミノ酸配列間で相違する配列を更に含み得るため、2つ(以上)
の分子間の配列比較は、配列類似性の局所領域を識別し、比較するために、2つの分子の
配列を「比較ウィンドウ」にわたって比較することによって典型的に行われる。本明細書
で使用される「比較ウィンドウ」は、少なくとも18個の隣接ヌクレオチド位置又は6個
のアミノ酸の概念的セグメントを指し、ここでポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列は
、少なくとも18個の隣接ヌクレオチド又は6個のアミノ酸の参照配列と比較されてもよ
く、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の一部分は、2つの配列
の最適な整列のために、(付加又は欠失を含まない)参照配列と比較して20パーセント
以下の付加、欠失、置換、及びその同等物(即ち、ギャップ)を含んでもよい。比較ウィ
ンドウを整列させるための配列の最適な整列は、Smith and Waterman
,Adv.Appl.Math 2:482(1981)の局所相同アルゴリズムによっ
て、Needlemen and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443
(1970)の相同整列アルゴリズムによって、Pearson and Lipman
,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似
性の探索方法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実装(Wiscon
sin Genetics Software Package Release 7.
0(Genetics Computer Group,575 Science Dr
.,Madison,WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFAS
TA)によって、又は検査によって行われてもよく、様々な方法によって生成される最良
の整列(即ち、比較ウィンドウにわたって最高の割合の同一性につながる)が選択される
【0014】
「配列同一性」という用語は、2つのポリヌクレオチド又はアミノ酸配列が比較ウィン
ドウにわたって同一である(即ち、ヌクレオチドごと、又はアミノ酸残基ごとに)ことを
意味する。「配列同一性の割合」という用語は、2つの最適に整列された配列を比較のウ
ィンドウにわたって比較し、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、又はU)又はア
ミノ酸残基が両方の配列内で生じる位置を決定して整合位置の数を得、この整合位置の数
を比較ウィンドウ内の位置の総数(即ち、ウィンドウサイズ)で除し、この結果に100
を乗じて配列同一性の割合を得ることによって、算出される。本明細書で使用される「実
質的同一性」という用語は、ポリヌクレオチド又はアミノ酸配列の特性を意味し、このポ
リヌクレオチド又はアミノ酸配列は、少なくとも18個のヌクレオチド(6個のアミノ酸
)位置の比較ウィンドウにわたる、しばしば少なくとも24〜48個のヌクレオチド(8
〜16個のアミノ酸)のウィンドウにわたる、参照配列と比較して、少なくとも85パー
セントの配列同一性、好ましくは少なくとも90〜95パーセントの配列同一性、より通
常には少なくとも99パーセントの配列同一性を有する配列を含み、この配列同一性の割
合は、参照配列を、比較ウィンドウにわたって参照配列の総計20パーセント以下となる
欠失又は付加を含み得る配列と比較することによって、算出される。参照配列は、より大
きい配列のサブセットであり得る。「類似性」という用語は、ポリペプチドを説明するた
めに使用される際、1つのポリペプチドのアミノ酸配列及びアミノ酸置換を、第2のポリ
ペプチドの配列と比較することによって決定される。「相同」という用語は、ポリヌクレ
オチドを説明するために使用される際、2つのポリヌクレオチド、又はその指定配列が、
最適に整列され、比較されるときに、適切なヌクレオチド挿入又は欠失を行って、少なく
とも70%のヌクレオチド、通常約75〜99%、及び好ましくは少なくとも約98〜9
9%のヌクレオチドにおいて同一であることを示す。
【0015】
本明細書で使用される「標識」、「検出器分子」、「リポーター」、又は「検出可能な
マーカー」は、検出可能な信号を生成する、又は生成するように誘導され得る、任意の分
子である。標識は、検体、免疫原、抗体に、又は受容体等の別の分子若しくはリガンド等
の受容体に結合し得る分子、特にハプテン又は抗体に、複合化され得る。標識は、直接的
に、又は連結部分若しくは架橋部分を用いて間接的に、結合され得る。標識の非限定的な
例は、放射性同位体(例えば、125I)、酵素(β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダー
ゼ)、酵素断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、触媒、蛍光色素分子、(例えば、ロー
ダミン、フルオレセインイソチオシアネート又はFITC、又はDylight 649
)、染料、化学発光物質及び発光物質(例えば、ジオキセタン、ルシフェリン)、又は増
感剤を含む。
【0016】
本発明は、オランザピンに結合する単離抗体を提供する。本発明は、抗体を含むアッセ
イキット及びアッセイ装置を更に提供する。競合的イムノアッセイ方法を含む、試料中の
オランザピンを検出する方法も更に提供される。
【0017】
一実施形態において、本発明は、オランザピンに結合し、(i)a)配列番号11、配
列番号15、配列番号31、配列番号35、又は配列番号39のアミノ酸配列を含む軽鎖
可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、b)配列番号12、配列番号16、配列番号
32、配列番号36、又は配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、単離
抗体又はその断片と、c)配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列
番号12のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、d)配
列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号16のアミノ酸配列を有
する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、e)配列番号31のアミノ酸配列を
有する軽鎖可変領域、及び配列番号32のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単
離抗体又はその断片と、f)配列番号35のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配
列番号36のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、g)
配列番号39のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号40のアミノ酸配列を
有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、からなる群から選択される抗体で
あるか、あるいは、(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同じであるエ
ピトープに対して競合する、単離抗体又はその結合断片を目的とする。
【0018】
更なる実施形態において、本発明は、オランザピンに結合し、配列番号11、配列番号
15、配列番号31、配列番号35、又は配列番号39との少なくとも80%の配列同一
性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離抗体又はその結合断片を目的と
する。
【0019】
更なる実施形態において、本発明は、オランザピンに結合し、配列番号12、配列番号
16、配列番号32、配列番号36、又は配列番号40との少なくとも80%の配列同一
性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその結合断片を目的と
する。
【0020】
本発明の抗体の現在好ましい実施形態は、アミノ酸配列配列番号11を有する軽鎖可変
領域及びアミノ酸配列配列番号12を有する重鎖可変領域を含む抗体と、アミノ酸配列配
列番号15を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号16を有する重鎖可変領域を
含む抗体と、アミノ酸配列配列番号31を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号
32を有する重鎖可変領域を含む抗体と、アミノ酸配列配列番号35を有する軽鎖可変領
域及びアミノ酸配列配列番号36を有する重鎖可変領域を含む抗体と、アミノ酸配列配列
番号39を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号40を有する重鎖可変領域を含
む抗体と、である。
【0021】
本発明の抗体の更なる現在好ましい実施形態は、1)配列番号11のアミノ酸残基44
〜54を含む軽鎖CDR1配列、配列番号11のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CD
R2配列、配列番号11のアミノ酸残基109〜117を含む軽鎖CDR3配列、配列番
号12のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列、配列番号12のアミノ酸残基
69〜85を含む重鎖CDR2配列、及び配列番号12のアミノ酸残基118〜122を
含む重鎖CDR3配列を含む抗体と、2)配列番号15のアミノ酸残基44〜54を含む
軽鎖CDR1配列、配列番号15のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列、配
列番号15のアミノ酸残基109〜117を含む軽鎖CDR3配列、配列番号16のアミ
ノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列、配列番号16のアミノ酸残基69〜85を
含む重鎖CDR2配列、及び配列番号16のアミノ酸残基118〜122を含む重鎖CD
R3配列を含む抗体と、3)配列番号31のアミノ酸残基44〜54を含む軽鎖CDR1
配列、配列番号31のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列、配列番号31の
アミノ酸残基109〜117を含む軽鎖CDR3配列、配列番号32のアミノ酸残基44
〜54を含む重鎖CDR1配列、配列番号32のアミノ酸残基69〜84を含む重鎖CD
R2配列、及び配列番号32のアミノ酸残基119〜127を含む重鎖CDR3配列を含
む抗体と、4)配列番号35のアミノ酸残基44〜54を含む軽鎖CDR1配列、配列番
号35のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列、配列番号35のアミノ酸残基
109〜117を含む軽鎖CDR3配列、配列番号36のアミノ酸残基45〜54を含む
重鎖CDR1配列、配列番号36のアミノ酸残基69〜87を含む重鎖CDR2配列、及
び配列番号36のアミノ酸残基120〜127を含む重鎖CDR3配列を含む抗体と、5
)配列番号39のアミノ酸残基44〜54を含む軽鎖CDR1配列、配列番号39のアミ
ノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列、配列番号39のアミノ酸残基109〜11
7を含む軽鎖CDR3配列、配列番号40のアミノ酸残基44〜54を含む重鎖CDR1
配列、配列番号40のアミノ酸残基69〜84を含む重鎖CDR2配列、及び配列番号4
0のアミノ酸残基120〜127を含む重鎖CDR3配列を含む抗体と、である。
【0022】
本発明の抗体についての更なる詳細は、「抗体」と題する以下の節に提供される。
【0023】
本発明は、抗体を含むアッセイキット、並びに抗体を含むアッセイ装置を更に提供する
。好ましくは、アッセイ装置は、側方流動アッセイ装置である。アッセイキット及びアッ
セイ装置についての更なる詳細は、「アッセイキット及び装置」と題する以下の節に提供
される。
【0024】
本発明は、試料中のオランザピンを検出する方法を更に提供する。本方法は、(i)試
料を、検出可能なマーカーで標識された、本発明に係る抗体と接触させる工程であって、
標識された抗体、及び試料中に存在するオランザピンが、標識された複合体を形成する、
工程と、(ii)試料中のオランザピンを検出するために、標識された複合体を検出する
工程と、を含む。本発明に係る、オランザピンを検出する方法についての更なる詳細が、
「イムノアッセイ」と題する以下の節に提供される。
【0025】
試料中のオランザピンを検出するための競合的イムノアッセイ方法が、更に提供される
。本方法は、(i)試料を、本発明に係る抗体と、及びオランザピン又はオランザピンの
競合的結合パートナーと接触させる工程であって、抗体、及びオランザピン又はその競合
的結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識され、試料オランザピンが
、オランザピン又はその競合的結合パートナーと、抗体への結合に対して競合する、工程
と、(ii)試料オランザピンを検出するために、標識を検出する工程と、を含む。本発
明に係る、オランザピン検出する競合的イムノアッセイ方法についての更なる詳細が、「
イムノアッセイ」と題する以下の節に提供される。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、オランザピンの検出には、オランザピンに加えて
1つ以上の検体の検出が伴う。好ましくは、1つ以上の検体は、オランザピン以外の抗精
神病薬であり、より好ましくは、オランザピン以外の抗精神病薬は、アリピプラゾール、
リスペリドン、パリペリドン、クエチアピン、及びその代謝産物からなる群から選択され
る。
【0027】
上述のように、本発明の抗体は、患者試料中の抗精神病薬の存在及び/又は量を検出す
るためにアッセイにおいて使用され得る。そのような検出は、治療薬物の全ての便益を有
効にする治療薬物モニタリングを可能にする。抗精神病薬のレベルの検出は、処方された
治療への患者の順守又は遵守の決定と、患者が経口抗精神病薬レジメンから持続性の注射
用抗精神病薬レジメンへと変更されるべきかどうかを決定するための決定ツールとしての
使用と、有効又は安全な薬物レベルの実現及び維持を確保するために、経口又は注射用抗
精神病剤の用量レベル又は投与間隔が増加又は減少されるべきかどうかを決定するための
決定ツールとしての使用と、最小pKレベルの達成の証拠を提供することによる、抗精神
病薬治療の開始における補助としての使用と、複数の製剤における又は複数の供給源から
の抗精神病薬の生物学的同等性を決定するための使用と、多剤併用及び潜在的な薬物間相
互作用の影響を評価するための使用と、患者が臨床治験から除外される又はそれに含まれ
るべきであるという指標として、及び臨床治験投薬の必要条件に対する順守のその後のモ
ニタリングにおける補助としての使用と、を含む、そのそれぞれが本発明の別の実施形態
を表す、多くの目的にとって有用であり得る。
【0028】
抗体
本発明は、オランザピンに結合する単離抗体を提供する。「抗体」という用語は、その
抗原又は部分に結合することが可能な(本発明においては、抗精神病薬又はその代謝産物
に結合することが可能な)特定のタンパク質を指す。抗体は、宿主、例えば、動物又はヒ
トに注射によって導入された可能性がある免疫原に反応して生成される。「抗体」という
総称は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、及び抗体断片を含む。
【0029】
「抗体」又は「抗原結合抗体断片」は、完全抗体、又は結合に対して完全抗体と競合す
るその断片を指す。一般的に言って、抗体又は抗原結合抗体断片は、解離定数が1μM以
下、好ましくは100nM以下、及び最も好ましくは10nM以下であるとき、抗原に特
異的に結合すると言われる。結合は、当業者に既知である方法によって測定され得、一例
はBIAcore(商標)器具の使用である。
【0030】
抗体は、2つの重鎖及び2つの軽鎖から構成される。各重鎖は、1つの可変ドメイン又
は領域(VH)、続いて定常ドメイン又は領域(CH1)、ヒンジ領域、及び更に2つの定
常ドメイン又は領域(CH2及びCH3)を有する。各軽鎖は、1つの可変ドメイン又は領
域(VL)及び1つの定常ドメイン又は領域(CL)を有する。重鎖及び軽鎖の可変ドメイ
ン又は領域は、抗体の抗原結合部位(錠に類似した構造)を形成し、この抗原結合部位は
、特定のエピトープ(同様に鍵に類似)に特異的であり、抗原結合部位及びエピトープが
正確に一緒に結合することを可能にする。可変ドメイン内で、軽鎖及び重鎖上にそれぞれ
3つあるβ−ストランドの可変ループが、抗原への結合に関与する。これらのループは、
相補性決定領域(CDR、即ち、CDR1、CDR2、及びCDR3)と称される。
【0031】
抗体断片は、完全抗体の部分、好ましくは、完全抗体の抗原結合可変領域を含む。結合
断片は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ(diabody);
ミニボディ(minibody);線状抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFV);並びに抗体断
片から形成された多特異的抗体を含む。「二重特異的」又は「二官能性」抗体以外の抗体
は、その結合部位のそれぞれを同一に有すると理解される。
【0032】
本明細書で使用される場合、「エピトープ」は、免疫グロブリン又はT細胞受容体に特
異的に結合することが可能な任意のタンパク質決定基を含む。エピトープ決定基は、通常
、アミノ酸又は糖側鎖等の化学的に活性な分子の表面基からなり、通常、特定の三次元構
造特性、並びに特定の電荷特性を有する。2つの抗体は、競合的結合アッセイにおいて、
当業者に周知の方法のいずれか(上述のBIAcore(商標)法等)によって、1つの
抗体が第2の抗体と競合することが示される場合、「同一のエピトープに結合する」(「
競合する」)と言われる。(オランザピン又は他の抗精神病薬等の)ハプテンに関して、
抗体は、ハプテンを免疫原性キャリアに複合化することによって、非抗原性ハプテン分子
に対して生成され得る。ハプテンによって画定された「エピトープ」を認識する抗体が、
その後生成される。
【0033】
抗体の文脈で使用される際、「単離され」は、任意の自然状態から「人の手によって」
変化させられること、即ち、それが自然に発生する場合、それはその原始環境から変更若
しくは除去されたか、又はその両方であることを意味する。例えば、生きている動物中に
その自然状態で自然に存在する自然発生抗体は、「単離され」ていないが、その自然状態
の共存する材料から分離された同一の抗体は、この用語が本明細書で利用されるとき、「
単離され」ている。抗体は、それが本明細書で利用される、その用語の意味内で、自然発
生組成物ではなく、その中に単離抗体が残るイムノアッセイ試薬等の組成物中に発生し得
る。
【0034】
「交差反応性」は、その抗体を誘発するために使用されなかった抗原との、抗体の反応
を指す。
【0035】
好ましくは、本発明の抗体は、薬物、及び任意の所望の薬理学的活性代謝産物に結合す
るであろう。薬物複合体中の免疫原性キャリアの結合の位置を変更することによって、選
択性及び代謝産物との交差反応性が、抗体中に操作され得る。オランザピンにおいて、関
連薬物クロザピンとの交差反応性は、望ましいこともあれば、そうでないこともあり、1
0−N−グルロニド又は4−N−デスメチルオランザピン等のオランザピン代謝産物との
交差反応性は、望ましいこともあれば、そうでないこともある。これらの薬物及び/又は
代謝産物のうちの複数のものを検出する抗体が生成されてもよく、又はそれぞれを別々に
検出する(従って抗体「特異的結合」特性を定める)抗体が生成されてもよい。抗体は、
1つ以上の化合物のその結合が等モルであるか又は実質的に等モルであるとき、1つ以上
の化合物に特異的に結合する。
【0036】
本明細書の抗体は、それらの可変ドメインのヌクレオチド及びアミノ酸配列によって説
明される。それぞれは、免疫原性キャリアに複合化された抗精神病薬を含む複合体を宿主
に接種することによって生成された。本抗体のヌクレオチド及びアミノ酸配列が今では提
供されたが、この抗体は、米国特許第4,166,452号に記載されるような組換え法
によって産生され得る。
【0037】
抗精神病薬のための特異的結合部位を含有する抗体断片もまた、生成され得る。そのよ
うな断片は、抗体分子のペプシン消化によって生成され得るF(ab’)2断片、及びF
(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成され得るFab断片を
含むが、これに限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーが、所望の特異性を有
するモノクローナルFab断片の迅速で容易な識別を可能にするように構築され得る(H
use et al.,Science 256:1270〜1281(1989))。
Fab、Fv、及びScFv抗体断片は全て、大腸菌中で発現し、そこから分泌され得、
これらの断片の大量の産生を可能にする。あるいは、Fab’−SH断片は、大腸菌から
直接回収され、化学的に連結されて、F(ab’)2断片を形成し得る(Carter
et al.,BioTechnology 10:163〜167(1992))。抗
体断片の生成のための他の技術が、当業者に既知である。単鎖Fv断片(scFv)もま
た、想定される(米国特許第5,761,894号及び同第5,587,458号を参照
されたい)。Fv及びsFv断片は、定常領域を欠いている完全結合部位を有する唯一の
種であり、したがって、それらは低減した非特異的結合を示す可能性が高い。抗体断片は
また、例えば、米国特許第5,642,870号に説明されるように、「線状抗体」でも
あり得る。そのような線状抗体断片は、単一特異的又は二重特異的であり得る。
【0038】
アッセイキット及び装置
上述の抗体を含む、アッセイキット(試薬キットとも称される)もまた提供され得る。
代表的な試薬キットは、抗精神病薬オランザピンに結合する抗体、標識部分に連結された
抗精神病薬の類似体又はその誘導体を含む複合体を含むことができ、任意選択で、既知の
量の抗精神病薬又は関連する標準物を含む1つ以上の検量用試料をもまた含むことができ
る。
【0039】
「アッセイキット」という語句は、アッセイを行うのに使用される材料及び試薬の組立
品を指す。試薬は、それらの交差反応及び安定性に応じて、同一又は別個の容器中のパッ
ケージ化された結合中に、及び液体又は凍結乾燥された形態で提供され得る。キット中に
提供される試薬の量及び割合は、特定の用途に最適な結果を提供するように選択され得る
。本発明の特徴を具体化するアッセイキットは、オランザピンを結合する抗体を含む。キ
ットは、オランザピンの競合的結合パートナー及び検量及び対照材料を更に含む。
【0040】
「検量及び対照材料」という語句は、既知の量の検体を含有する任意の基準又は参照材
料を指す。検体及び対応する検量材料を含有すると疑われる試料を、類似の状況下で分析
する。検体の濃度は、未知の標品について取得された結果を、標準物について取得された
結果と比較することによって算出される。これは、一般に検量曲線を構築することによっ
て行われる。
【0041】
本発明の特徴を具体化する抗体は、それらの利用についての指示書と共に、キット、容
器、パック、又は散布器中に含まれ得る。抗体がキット中に供給されるとき、イムノアッ
セイの異なる構成要素は、別個の容器中にパッケージ化され、使用前に混合され得る。構
成要素のそのような別々のパッケージングは、活性成分の機能を実質的に低下させずに、
長期的な貯蔵を可能にし得る。更に、試薬は、不活性環境下、例えば、窒素ガス、アルゴ
ンガス、又は同等物の陽圧下でパッケージ化されてもよく、これは空気及び/又は水分に
敏感な試薬にとって特に好ましい。
【0042】
本発明の特徴を具体化するキット中に含まれる試薬は、成分自体が容器の材料によって
実質的に吸収又は変更されない一方で、異なる成分の活性が実質的に保存されるように、
全ての様式の容器中で供給され得る。好適な容器は、アンプル、ボトル、試験管、バイア
ル瓶、フラスコ、注射器、例えば箔張薬袋、及び同等物を含むが、これに限定されない。
容器は、ガラス、有機ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレ
ン等、セラミック、金属、例えば、アルミニウム、金属合金、例えば、鋼、コルク、及び
同等物を含むが、これに限定されない、任意の好適な材料で構成され得る。更に、容器は
、例えば、隔壁によって提供され得るような、針を介したアクセスのための、1つ以上の
無菌アクセスポートを含み得る。隔壁の好ましい材料は、ゴム、及び商標名TEFLON
でDuPont(Wilmington,De)によって販売される種類のポリテトラフ
ルオロエチレンを含む。更に、容器は、成分の混合を可能にするために除去され得る仕切
又は膜によって分離された2つ以上のコンパートメントを含み得る。
【0043】
本発明の特徴を具体化する試薬キットにはまた、指示材料も供給され得る。指示は、例
えば、紙に印刷される、かつ/又は電子的可読媒体において供給されてもよい。あるいは
、指示は、例えば、キットの製造業者又は配給業者によって指定される、インターネット
ウェブサイトにユーザを方向付けることによって、及び/又は電子メールを介して、提供
され得る。
【0044】
抗体はまた、アッセイ装置の一部としても提供され得る。そのようなアッセイ装置は、
側方流動アッセイ装置を含む。一般的な種類の使い捨て側方流動アッセイ装置は、液体試
料を受容するための区画又は領域、複合体区画、及び反応区画を含む。これらのアッセイ
装置は一般に、側方流動試験ストリップとして既知である。これらは、毛管流を支持し得
る、流体流の経路を画定する多孔質材料、例えば、ニトロセルロースを利用する。例とし
ては、米国特許第5,559,041号、同第5,714,389号、同第5,120,
643号、及び同第6,228,660号に示されるものが挙げられ、これらは本明細書
において参照によりその全体が組み込まれる。
【0045】
アッセイ装置の別の種類は、毛管流を誘導するための突起部を有する非多孔質アッセイ
装置である。このようなアッセイ装置の例としては、PCT国際公開第2003/103
835号、同第2005/089082号、同第2005/118139号、及び同第2
006/137785号に開示される、開放型側方流動装置が挙げられ、これらは全て、
本明細書において参照によりその全体が組み込まれる。
【0046】
非多孔質アッセイ装置において、アッセイ装置は、一般的に、少なくとも1つの試料添
加区画、少なくとも1つの複合体区画、少なくとも1つの区画、及び少なくとも1つの吸
上区画を有する。区画は、試料添加区画から吸上区画まで試料が流れる流路を形成する。
また、検体に結合することが可能で、任意選択で装置上に堆積される(コーティングによ
って等)、反応区画中の抗体等の捕捉要素;及び検体の濃度の決定を可能にする反応に関
与することもまた可能で、装置上の複合体区画中に堆積される、反応区画中の検出のため
の標識を担持する標識された複合体材料も含まれる。試料が複合体区画を通って流れる際
に、複合体材料は、溶解して、反応区画へと下流に流れる、溶解した標識された複合体材
料及び試料の複合体プルームを形成する。複合体プルームが反応区画へと流れると、複合
化材料が、例えば、複合化材料及び検体の複合体を介して(「サンドイッチ」アッセイに
おいて)、又は直接的に(「競合的」アッセイにおいて)捕捉要素によって捕捉される。
非結合溶解した複合体材料は、反応区画を通過して少なくとも1つの吸上区画へと流され
る。そのような装置は、流路中に突起部又はマイクロピラーを含み得る。
【0047】
これらの全てが、本明細書において参照によりその全体が組み込まれる、米国特許公開
第US20060289787A1号及び同第US20070231883A1号、並び
に米国特許第7,416,700号及び同第6,139,800号に開示されるような器
具は、結合した複合化材料を反応区画中で検出することが可能である。一般的な標識とし
ては、蛍光染料を励起し、蛍光染料を感知することができる検出器を組み込む器具によっ
て検出され得る、蛍光染料が挙げられる。
【0048】
イムノアッセイ
のように産生された抗体は、抗精神病薬を認識する/抗精神病薬に結合するために、イ
ムノアッセイにおいて使用され得、これにより患者試料中の薬物の存在及び/又は量を検
出する。好ましくは、アッセイ形式は、競合的イムノアッセイ形式である。数ある中でも
、Hampton et al.(Serological Methods,A La
boratory Manual,APS Press,St.Paul,MN 199
0)、及びMaddox et al.(J.Exp.Med.158:12111,1
983)において、そのようなアッセイ形式及び他のアッセイが説明される。
【0049】
「検体」と言う用語は、その存在及び量が決定されるべき、任意の物質又は物質の群を
指す。代表的な抗精神病薬検体は、リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、アリピ
プラゾール、及びクエチアピンを含むが、これに限定されない。
【0050】
「競合的結合パートナー」という用語は、抗体に対する結合親和性に関して検体と同様
にふるまう、競合的イムノアッセイにおいて利用され得るもの等の物質又は物質の群を指
す。代表的な競合的結合パートナーは、抗精神病薬誘導体及び同等物を含むが、これに限
定されない。
【0051】
「検出」という用語は、検体と共に使用される際、任意の定量的、半定量的、又は定性
的方法、並びに一般的な検体、及び特に抗精神病薬を決定するための全ての他の方法を指
す。例えば、試料中の抗精神病薬の量又は濃度に関するデータを提供する方法が本発明の
範囲内にあるのと同様に、試料中の抗精神病薬の存在又は不在を単に検出するだけの方法
が、本発明の範囲内にある。「検出」、「決定」、「識別」という用語及び同等物は、本
明細書において同義に使用され、全てが本発明の範囲内にある。
【0052】
本発明の好ましい実施形態は、競合的イムノアッセイであり、このアッセイにおいて、
抗精神病薬に結合する抗体、又はこの薬物若しくは競合的結合パートナーが、(側方流動
アッセイ装置内の反応区画等の)固体支持体に結合され、標識された薬物若しくはその競
合的結合パートナー、又は標識された抗体のそれぞれ、及び宿主由来の試料が、固体支持
体を通過し、固体支持体に結合して検出された標識の量が、試料中のある量の薬物に相関
し得る。
【0053】
検体、例えば、抗精神病薬を含有することを疑われる任意の試料は、現在好ましい実施
形態の方法に従って分析され得る。試料は、所望される場合、前処理され得、アッセイに
干渉しない任意の好都合な媒体中に調製され得る。試料は、宿主からの体液、最も好まし
くは血漿又は血清等の、水性媒体を含む。
【0054】
抗体が固相に結合するアッセイ、及び抗体が液体媒体中にあるアッセイを含む、抗体を
利用するイムノアッセイの全ての方法が、現在好ましい実施形態に係る使用において想到
されることが理解されるべきである。発明の特徴を具体化する抗体を使用して、検体を検
出するために使用され得るイムノアッセイの方法は、標識された検体(検体類似体)と試
料中の検体とが抗体に対して競合する、競合的(試薬限定)アッセイ、及び抗体が標識さ
れる単一部位免疫測定アッセイ、並びに同等物を含むが、これに限定されない。
【0055】
全ての実施例は、別段詳細に説明される場合を除いて、当業者に周知かつ通例である標
準的技術を使用して行われた。以下の実施例の通例の分子生物学技術は、Sambroo
k et al.,Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,2nd Ed.,Cold Spring Habor Laborat
ory Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)等の標
準的研究所手引きに説明されるように行われ得る。
【0056】
「Haptens of Aripiprazole」(代理人整理番号PRD326
5USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,45
0号)、「Haptens of Olanzapine」(代理人整理番号PRD32
66USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,4
54号)、「Haptens of Paliperidone」(代理人整理番号PR
D3267USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/69
1,459号)、「Haptens of Quetiapine」(代理人整理番号P
RD3268USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/6
91,462号)、「Haptens of Risperidone and Pal
iperidone」(代理人整理番号PRD3269USPSP、2012年8月21
日に出願された米国仮特許出願第61/691,469号)、「Antibodies
to Aripiprazole Haptens and Use Thereof」
(代理人整理番号CDS5128USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮
特許出願第61/691,544号)、「Antibodies to Olanzap
ine Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5
132USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,
572号)、「Antibodies to Paliperidone Hapten
s and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5126USPSP、2
012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,634号)、「Ant
ibodies to Quetiapine Haptens and Use Th
ereof」(代理人整理番号CDS5134USPSP、2012年8月21日に出願
された米国仮特許出願第61/691,598号)、「Antibodies to R
isperidone Haptens and Use Thereof」(代理人整
理番号CDS5130USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第
61/691,615号)、「Antibodies to Aripiprazole
and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5129USPSP、20
12年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,522号)、「Anti
bodies to Paliperidone and Use Thereof」(
代理人整理番号CDS5127USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特
許出願第61/691,692号)、「Antibodies to Quetiapi
ne and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5135USPSP、
2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,659号)、「An
tibodies to Risperidone and Use Thereof」
(代理人整理番号CDS5131USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮
特許出願第61/691,675号)、及び「Antibodies to Rispe
ridone and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5145US
PSP、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/790,880号)
と題する同時係属中の出願は、全て本明細書に参照によってその全体が組み込まれる。
【実施例】
【0057】
(実施例1)
アリピプラゾールに対する抗体
抗体17.3クローン3D7
17.3クローン3D7を指定されたハイブリドーマは、アリピプラゾールに特異的な
モノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、17.3クローン3D7を指定する
。mAb 17.3クローン3D7の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列に配列番
号41を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番号42を指定する。mAb 17.3ク
ローン3D7のVL内で、配列番号41のヌクレオチド136〜165は第1の相補性決
定領域(CDR1)を表し、配列番号41のヌクレオチド211〜231は第2の相補性
決定領域(CDR2)を表し、配列番号41のヌクレオチド328〜354は第3の相補
性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン3D7のVH内で、配列番号
42のヌクレオチド133〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番
号42のヌクレオチド205〜255は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列
番号42のヌクレオチド352〜375は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0058】
mAb 17.3クローン3D7の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列もま
た決定し、配列番号43(軽鎖)及び配列番号44(重鎖)を指定する。mAb 17.
3クローン3D7のVL内で、配列番号43のアミノ酸残基46〜55は第1の相補性決
定領域(CDR1)を表し、配列番号43のアミノ酸残基71〜77は第2の相補性決定
領域(CDR2)を表し、配列番号43のアミノ酸残基110〜118は第3の相補性決
定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン3D7のVH内で、配列番号44
のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号44の
アミノ酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号44のア
ミノ酸残基118〜125は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0059】
抗体17.3クローン5C7(第1)
17.3クローン5C7(第1)を指定されたハイブリドーマは、アリピプラゾールに
特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、17.3クローン5C7(
第1)を指定する。mAb 17.3クローン5C7(第1)の軽鎖可変領域(VL)の
ヌクレオチド配列に配列番号45を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番号46を指定
する。mAb 17.3クローン5C7(第1)のVL内で、配列番号45のヌクレオチ
ド130〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号45のヌクレオ
チド208〜228は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号45のヌクレ
オチド325〜351は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3ク
ローン5C7(第1)のVH内で、配列番号46のヌクレオチド133〜162は第1の
相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号46のヌクレオチド205〜255は第2
の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号46のヌクレオチド352〜378は第
3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0060】
mAb 17.3クローン5C7(第1)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸
配列もまた決定し、配列番号47(軽鎖)及び配列番号48(重鎖)を指定する。mAb
17.3クローン5C7(第1)のVL内で、配列番号47のアミノ酸残基44〜54
は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号47のアミノ酸残基70〜76は
第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号47のアミノ酸残基109〜117
は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第1)
のVH内で、配列番号48のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1
)を表し、配列番号48のアミノ酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)
を表し、配列番号48のアミノ酸残基118〜126は第3の相補性決定領域(CDR3
)を表す。
【0061】
抗体17.3クローン5C7(第2)
17.3クローン5C7(第2)を指定されたハイブリドーマは、アリピプラゾールに
特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、17.3クローン5C7(
第2)を指定する。mAb 17.3クローン5C7(第2)の軽鎖可変領域(VL)の
ヌクレオチド配列に配列番号49を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番号50を指定
する。mAb 17.3クローン5C7(第2)のVL内で、配列番号49のヌクレオチ
ド130〜174は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号49のヌクレオ
チド220〜240は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号49のヌクレ
オチド337〜363は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3ク
ローン5C7(第2)のVH内で、配列番号50のヌクレオチド133〜162は第1の
相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号50のヌクレオチド205〜255は第2
の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号50のヌクレオチド352〜390は第
3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0062】
mAb 17.3クローン5C7(第2)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸
配列もまた決定し、配列番号51(軽鎖)及び配列番号52(重鎖)を指定する。mAb
17.3クローン5C7(第2)のVL内で、配列番号51のアミノ酸残基44〜58
は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号51のアミノ酸残基74〜80は
第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号51のアミノ酸残基113〜121
は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第2)
のVH内で、配列番号52のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1
)を表し、配列番号52のアミノ酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)
を表し、配列番号52のアミノ酸残基118〜130は第3の相補性決定領域(CDR3
)を表す。
【0063】
抗体17.3クローン5C7(第3)
17.3クローン5C7(第3)を指定されたハイブリドーマは、アリピプラゾールに
特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、17.3クローン5C7(
第3)を指定する。mAb 17.3クローン5C7(第3)の軽鎖可変領域(VL)の
ヌクレオチド配列に配列番号53を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番号54を指定
する。mAb 17.3クローン5C7(第3)のVL内で、配列番号53のヌクレオチ
ド130〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号53のヌクレオ
チド208〜228は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号53のヌクレ
オチド325〜351は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3ク
ローン5C7(第3)のVH内で、配列番号54のヌクレオチド133〜162は第1の
相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号54のヌクレオチド205〜255は第2
の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号54のヌクレオチド352〜366は第
3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0064】
mAb 17.3クローン5C7(第3)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸
配列もまた決定し、配列番号55(軽鎖)及び配列番号56(重鎖)を指定する。mAb
17.3クローン5C7(第3)のVL内で、配列番号55のアミノ酸残基44〜54
は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号55のアミノ酸残基70〜76は
第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号55のアミノ酸残基109〜117
は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第3)
のVH内で、配列番号56のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1
)を表し、配列番号56のアミノ酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)
を表し、配列番号56のアミノ酸残基118〜122は第3の相補性決定領域(CDR3
)を表す。
【0065】
(実施例2)
オランザピンに対する抗体
抗体11.1クローン35
11.1クローン35を指定されたハイブリドーマは、オランザピンに特異的なモノク
ローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、11.1クローン35を指定する。mAb
11.1クローン35の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列に配列番号9を、重
鎖可変領域(VH)のそれに配列番号10を指定する。mAb 11.1クローン35の
L内で、配列番号9のヌクレオチド130〜162は第1の相補性決定領域(CDR1
)を表し、配列番号9のヌクレオチド208〜228は第2の相補性決定領域(CDR2
)を表し、配列番号9のヌクレオチド325〜351は第3の相補性決定領域(CDR3
)を表す。mAb 11.1クローン35のVH内で、配列番号10のヌクレオチド13
3〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号10のヌクレオチド2
05〜255は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号10のヌクレオチド
352〜366は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0066】
mAb 11.1クローン35の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列もまた
決定し、配列番号11(軽鎖)及び配列番号12(重鎖)を指定する。mAb 11.1
クローン35のVL内で、配列番号11のアミノ酸残基44〜54は第1の相補性決定領
域(CDR1)を表し、配列番号11のアミノ酸残基70〜76は第2の相補性決定領域
(CDR2)を表し、配列番号11のアミノ酸残基109〜117は第3の相補性決定領
域(CDR3)を表す。mAb 11.1クローン35のVH内で、配列番号12のアミ
ノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号12のアミノ
酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号12のアミノ酸
残基118〜122は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0067】
抗体11.1クローン61
11.1クローン61を指定されたハイブリドーマは、オランザピンに特異的なモノク
ローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、11.1クローン61を指定する。mAb
11.1クローン61の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列に配列番号13を、
重鎖可変領域(VH)のそれに配列番号14を指定する。mAb 11.1クローン61
のVL内で、配列番号13のヌクレオチド130〜162は第1の相補性決定領域(CD
R1)を表し、配列番号13のヌクレオチド208〜228は第2の相補性決定領域(C
DR2)を表し、配列番号13のヌクレオチド325〜351は第3の相補性決定領域(
CDR3)を表す。mAb 11.1クローン61のVH内で、配列番号14のヌクレオ
チド133〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号14のヌクレ
オチド205〜255は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号14のヌク
レオチド352〜366は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0068】
mAb 11.1クローン61の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列もまた
決定し、配列番号15(軽鎖)及び配列番号16(重鎖)を指定する。mAb 11.1
クローン61のVL内で、配列番号15のアミノ酸残基44〜54は第1の相補性決定領
域(CDR1)を表し、配列番号15のアミノ酸残基70〜76は第2の相補性決定領域
(CDR2)を表し、配列番号15のアミノ酸残基109〜117は第3の相補性決定領
域(CDR3)を表す。mAb 11.1クローン61のVH内で、配列番号16のアミ
ノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号16のアミノ
酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号16のアミノ酸
残基118〜122は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0069】
抗体15.5クローン3F11(第1)
15.5クローン3F11(第1)を指定されたハイブリドーマは、オランザピンに特
異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、15.5クローン3F11(
第1)を指定する。mAb 15.5クローン3F11(第1)の軽鎖可変領域(VL
のヌクレオチド配列配列番号29を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番号30を指定
する。mAb 15.5クローン3F11(第1)のVL内で、配列番号29のヌクレオ
チド130〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号29のヌクレ
オチド208〜228は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号29のヌク
レオチド325〜351は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5
クローン3F11(第1)のVH内で、配列番号30のヌクレオチド130〜162は第
1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号30のヌクレオチド205〜252は
第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号30のヌクレオチド355〜381
は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0070】
mAb 15.5クローン3F11(第1)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ
酸配列もまた決定し、配列番号31(軽鎖)及び配列番号32(重鎖)を指定する。mA
b 15.5クローン3F11(第1)のVL内で、配列番号31のアミノ酸残基44〜
54は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号31のアミノ酸残基70〜7
6は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号31のアミノ酸残基109〜1
17は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5クローン3F11(
第1)のVH内で、配列番号32のアミノ酸残基44〜54は第1の相補性決定領域(C
DR1)を表し、配列番号32のアミノ酸残基69〜84は第2の相補性決定領域(CD
R2)を表し、配列番号32のアミノ酸残基119〜127は第3の相補性決定領域(C
DR3)を表す。
【0071】
抗体15.5クローン3F11(第2)
15.5クローン3F11(第2)を指定されたハイブリドーマは、オランザピンに特
異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体、15.5クローン3F11(第
2)を指定する。mAb 15.5クローン3F11(第2)の軽鎖可変領域(VL)の
ヌクレオチド配列に配列番号33を、重鎖可変領域(VH)に配列番号34を指定する。
mAb 15.5クローン3F11(第2)のVL内で、配列番号33のヌクレオチド1
30〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号33のヌクレオチド
208〜228は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号33のヌクレオチ
ド325〜351は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5クロー
ン3F11(第2)のVH内で、配列番号34のヌクレオチド133〜162は第1の相
補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号34のヌクレオチド205〜261は第2の
相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号34のヌクレオチド358〜381は第3
の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0072】
mAb 15.5クローン3F11(第2)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ
酸配列もまた決定し、配列番号35(軽鎖)及び配列番号36(重鎖)を指定する。mA
b 15.5クローン3F11(第2)のVL内で、配列番号35のアミノ酸残基44〜
54は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号35のアミノ酸残基70〜7
6は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号35のアミノ酸残基109〜1
17は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5クローン3F11(
第2)のVH内で、配列番号36のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(C
DR1)を表し、配列番号36のアミノ酸残基69〜87は第2の相補性決定領域(CD
R2)を表し、配列番号36のアミノ酸残基120〜127は第3の相補性決定領域(C
DR3)を表す。
【0073】
抗体15.5サブクローン4G9−1
15.5サブクローン4G9−1を指定されたハイブリドーマは、オランザピンに特異
的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、15.5サブクローン4G9−
1を指定する。mAb 15.5サブクローン4G9−1の軽鎖可変領域(VL)のヌク
レオチド配列に配列番号37を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番号38を指定する
。mAb 15.5サブクローン4G9−1のVL内で、配列番号37のヌクレオチド1
30〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号37のヌクレオチド
208〜228は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号37のヌクレオチ
ド325〜351は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5サブク
ローン4G9−1のVH内で、配列番号38のヌクレオチド130〜162は第1の相補
性決定領域(CDR1)を表し、配列番号38のヌクレオチド205〜252は第2の相
補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号38のヌクレオチド358〜381は第3の
相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0074】
mAb 15.5サブクローン4G9−1の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸
配列もまた決定し、配列番号39(軽鎖)及び配列番号40(重鎖)を指定する。mAb
15.5サブクローン4G9−1のVL内で、配列番号39のアミノ酸残基44〜54
は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号39のアミノ酸残基70〜76は
第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号39のアミノ酸残基109〜117
は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5サブクローン4G9−1
のVH内で、配列番号40のアミノ酸残基44〜54は第1の相補性決定領域(CDR1
)を表し、配列番号40のアミノ酸残基69〜84は第2の相補性決定領域(CDR2)
を表し、配列番号40のアミノ酸残基120〜127は第3の相補性決定領域(CDR3
)を表す。
【0075】
(実施例3)
クエチアピンに対する抗体
抗体13.2サブクローン89−3(第1)
13.2サブクローン89−3(第1)を指定されたハイブリドーマは、クエチアピン
に特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、13.2サブクローン8
9−3(第1)を指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第1)の軽鎖可変
領域(VL)のヌクレオチド配列に配列番号17を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番
号18を指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第1)のVL内で、配列番
号17のヌクレオチド127〜174は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列
番号17のヌクレオチド220〜240は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配
列番号17のヌクレオチド337〜363は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 13.2サブクローン89−3(第1)のVH内で、配列番号18のヌクレオチ
ド133〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号18のヌクレオ
チド205〜255は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号18のヌクレ
オチド352〜387は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0076】
mAb 13.2サブクローン89−3(第1)の可変鎖領域の対応する予測されたア
ミノ酸配列もまた決定し、配列番号19(軽鎖)及び配列番号20(重鎖)を指定する。
mAb 13.2サブクローン89−3(第1)のVL内で、配列番号19のアミノ酸残
基43〜58は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号19のアミノ酸残基
74〜80は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号19のアミノ酸残基1
13〜121は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクロー
ン89−3(第1)のVH内で、配列番号20のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性
決定領域(CDR1)を表し、配列番号20のアミノ酸残基69〜85は第2の相補性決
定領域(CDR2)を表し、配列番号20のアミノ酸残基118〜129は第3の相補性
決定領域(CDR3)を表す。
【0077】
抗体13.2サブクローン89−3(第2)
13.2サブクローン89−3(第2)を指定されたハイブリドーマは、クエチアピン
に特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、13.2サブクローン8
9−3(第2)を指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第2)の軽鎖可変
領域(VL)のヌクレオチド配列に配列番号21を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番
号22を指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第2)のVL内で、配列番
号21のヌクレオチド127〜174は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列
番号21のヌクレオチド220〜240は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配
列番号21のヌクレオチド337〜363は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 13.2サブクローン89−3(第2)のVH内で、配列番号22のヌクレオチ
ド133〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号22のヌクレオ
チド205〜255は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号22のヌクレ
オチド367〜387は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
【0078】
mAb 13.2サブクローン89−3(第2)の可変鎖領域の対応する予測されたア
ミノ酸配列もまた決定し、配列番号23(軽鎖)及び配列番号24(重鎖)を指定する。
mAb 13.2サブクローン89−3(第2)のVL内で、配列番号23のアミノ酸残
基43〜58は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号23のアミノ酸残基
74〜80は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号23のアミノ酸残基1
13〜121は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクロー
ン89−3(第2)のVH内で、配列番号24のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性
決定領域(CDR1)を表し、配列番号24のアミノ酸残基69〜85は第2の相補性決
定領域(CDR2)を表し、配列番号24のアミノ酸残基123〜129は第3の相補性
決定領域(CDR3)を表す。
【0079】
抗体13.2サブクローン89−5
13.2サブクローン89−5を指定されたハイブリドーマは、クエチアピンに特異的
なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、13.2サブクローン89−5を
指定する。mAb 13.2サブクローン89−5の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチ
ド配列に配列番号25を、重鎖可変領域(VH)のそれに配列番号26を指定する。mA
b 13.2サブクローン89−5のVL内で、配列番号25のヌクレオチド127〜1
74は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号25のヌクレオチド220〜
240は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号25のヌクレオチド337
〜363は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクローン8
9−5のVH内で、配列番号26のヌクレオチド133〜162は第1の相補性決定領域
(CDR1)を表し、配列番号26のヌクレオチド205〜255は第2の相補性決定領
域(CDR2)を表し、配列番号26のヌクレオチド367〜387は第3の相補性決定
領域(CDR3)を表す。
【0080】
mAb 13.2サブクローン89−5の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配
列もまた決定し、配列番号27(軽鎖)及び配列番号28(重鎖)を指定する。mAb
13.2サブクローン89−5のVL内で、配列番号27のアミノ酸残基43〜58は第
1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号27のアミノ酸残基74〜80は第2
の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号27のアミノ酸残基113〜121は第
3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクローン89−5のVH
内で、配列番号28のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1)を表
し、配列番号28のアミノ酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し
、配列番号28のアミノ酸残基123〜129は第3の相補性決定領域(CDR3)を表
す。
【0081】
(実施例4)
リスペリドン/パリペリドンに対する抗体
抗体5_9
5_9と指定されたハイブリドーマは、リスペリドン(及びその代謝産物パリペリドン
)に特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、5−9を指定する。m
Ab 5−9の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列に配列番号1、重鎖可変領域(
H)のそれに配列番号2を指定する。mAb 5−9のVL内で、配列番号1のヌクレオ
チド130〜180は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号1のヌクレオ
チド226〜246は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号1のヌクレオ
チド343〜369は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 5−9のVH
内で、配列番号2のヌクレオチド133〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)を
表し、配列番号2のヌクレオチド205〜255は第2の相補性決定領域(CDR2)を
表し、配列番号2のヌクレオチド352〜366は第3の相補性決定領域(CDR3)を
表す。
【0082】
mAb 5−9の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列もまた決定し、配列番
号3(軽鎖)及び配列番号4(重鎖)を指定する。mAb 5−9のVL内で、配列番号
3のアミノ酸残基44〜60は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号3の
アミノ酸残基76〜82は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号3のアミ
ノ酸残基115〜123は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 5−9の
H内で、配列番号4のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1)を
表し、配列番号4のアミノ酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し
、配列番号4のアミノ酸残基118〜122は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す
【0083】
抗体5_5
5_5と指定されたハイブリドーマは、リスペリドン(及びその代謝産物パリペリドン
)に特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。抗体に、5−5を指定する。m
Ab 5−5の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列に配列番号5を、重鎖可変領域
(VH)のそれに配列番号6を指定する。mAb 5−5のVL内で、配列番号5のヌクレ
オチド130〜180は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号5のヌクレ
オチド226〜246は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号5のヌクレ
オチド343〜369は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 5−9のV
H内で、配列番号6のヌクレオチド133〜162は第1の相補性決定領域(CDR1)
を表し、配列番号6のヌクレオチド205〜255は第2の相補性決定領域(CDR2)
を表し、配列番号6のヌクレオチド352〜366は第3の相補性決定領域(CDR3)
を表す。
【0084】
mAb 5−5の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列もまた決定し、配列番
号7(軽鎖)及び配列番号8(重鎖)を指定する。mAb 5−5のVL内で、配列番号
7のアミノ酸残基44〜60は第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号7の
アミノ酸残基76〜82は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号7のアミ
ノ酸残基115〜123は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 5−5の
H内で、配列番号8のアミノ酸残基45〜54は第1の相補性決定領域(CDR1)を
表し、配列番号8のアミノ酸残基69〜85は第2の相補性決定領域(CDR2)を表し
、配列番号8のアミノ酸残基118〜122は第3の相補性決定領域(CDR3)を表す
【0085】
(実施例5)
オランザピンのための競合的イムノアッセイ、並びにアリピプラゾール、オランザピン
、クエチアピン、及びリスペリドン/パリペリドンのための多重競合的イムノアッセイ
オランザピン免疫原での一連の免疫原化に続いて、マウスの尾からの採血を、ELIS
Aを使用して反応性について試験した。ハイブリドーマの上清もまた試験し、以下の表1
及び2に示されるELISAデータは、いくつかのハイブリドーマの反応性を示す(融合
パートナーはNSO細胞であった)。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
その後、上清を競合ELISAによって試験して、信号がオランザピンに特異的である
かどうかを決定した。図1〜3は、マウス融合11.1から生じる3つの代表的なハイブ
リドーマからの結果を示す。データは、クロザピンに対する様々な反応性と共に、オラン
ザピンに対する特異的な反応性を示す。
【0089】
図4は、捕捉抗体オランザピンクローンが、蛍光色素分子に複合化されたオランザピン
からなる検出複合体と共にチップ上に堆積された、側方流動アッセイ装置において使用さ
れる競合的イムノアッセイ形式を示す。図4に示されるようなこの競合的形式において、
低レベルの検体(オランザピン)は高信号につながる一方で、高レベルの検体(オランザ
ピン)は低信号につながる。試料中のオランザピンの量は、薬物が存在しない対照試料と
比較した蛍光性の損失から算出され得る。オランザピンクローン35により生成された典
型的な用量反応曲線が図5に、オランザピンクローン61によるものが図6に、オランザ
ピンクローン3F11によるものが図7に示される。
【0090】
図8は、本発明の一実施形態に係る側方流動アッセイ装置のチップ設計を示す。装置は
、試料を受容するための区画又は領域と、(標識された競合的結合パートナー(複数可)
を含有する)複合体区画と、反応区画(反応区画中の8つの領域が示され、各領域は別個
の所望の抗体を含有し得る)と、を含む。試料は、試料区画から複合体区画を通って反応
区画まで流れる。
【0091】
図9〜12は、反応区画2中に堆積した抗体5C7、及び複合体区画中のアリピプラゾ
ール競合的結合パートナーで生成された、アリピプラゾール陽性対照(アリピプラゾール
を含有する試料)(図9)、反応区画4中に堆積した抗体4G9−1、及び複合体区画中
のオランザピン競合的結合パートナーで生成された、オランザピン陽性対照(オランザピ
ンを含有する試料)(図10)、反応区画6中に堆積した抗体11、及び複合体区画中の
クエチアピン競合的結合パートナーで生成された、クエチアピン陽性対照(クエチアピン
を含有する試料)(図11)、並びに反応区画8中に堆積した抗体5−9、及び複合体区
画中のリスペリドン競合的結合パートナーで生成された、リスペリドン陽性対照(リスペ
リドンを含有する試料)(図12)の典型的な用量反応曲線を示す。複合体区画中の標識
された競合的結合パートナーは、抗体への結合に対して、試料中に存在する薬物と競合す
る。標識の量が検出され、それは試料中に存在する薬物の量の指標である(信号の量は、
試料中の薬物の量に反比例する−図4を参照されたい)。
【0092】
標識された競合的結合パートナーの複合体が、反応区画中に堆積される抗体に結合しな
いことを確認するために、薬物を含有しない試料を使用することによって陰性対照を行っ
た。表3を参照すると、アリピプラゾールを含有しない試料が、試料区画中に堆積され、
毛管現象によって(今回は、標識されたオランザピン、標識されたクエチアピン、及び標
識されたリスペリドンを含有するが、標識されたアリピプラゾールを含有しない)複合体
区画を通って、反応区画に移動する。反応区画は、再び、アリピプラゾール抗体(5C7
)を反応区画2中に含有する。以下の表3は、用量反応が存在しないこと、及び毛管現象
によって反応区画を通って移動するオランザピン、クエチアピン、及びリスペリドン複合
体がアリピプラゾール抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
【0093】
【表3】
【0094】
表4を参照すると、オランザピンを含有しない試料が、試料区画中に堆積され、毛管現
象によって(今回は、標識されたアリピプラゾール、標識されたクエチアピン、及び標識
されたリスペリドンを含有するが、標識されたオランザピンを含有しない)複合体区画を
通って、反応区画に移動する。反応区画は、再び、オランザピン抗体(4G9−1)を反
応区画4中に含有する。以下の表4は、用量反応が存在しないこと、及び毛管現象によっ
て反応区画を通って移動するアリピプラゾール、クエチアピン、及びリスペリドン複合体
がオランザピン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
【0095】
【表4】
【0096】
表5を参照すると、クエチアピンを含有しない試料が、試料区画中に堆積され、毛管現
象によって(今回は、標識されたアリピプラゾール、標識されたオランザピン、及び標識
されたリスペリドンを含有するが、標識されたクエチアピンを含有しない)複合体区画を
通って、反応区画に移動する。反応区画は、再び、クエチアピン抗体(11)を反応区画
6中に含有する。以下の表5は、用量反応が存在しないこと、及び毛管現象によって反応
区画を通って移動するアリピプラゾール、オランザピン、及びリスペリドン複合体がクエ
チアピン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
【0097】
【表5】
【0098】
表6を参照すると、リスペリドンを含有しない試料が、試料区画中に堆積され、毛管現
象によって(今回は、標識されたアリピプラゾール、標識されたオランザピン、及び標識
されたクエチアピンを含有するが、標識されたリスペリドンを含有しない)複合体区画を
通って、反応区画に移動する。反応区画は、再び、リスペリドン抗体(5−9)を反応区
画8中に含有する。以下の表6は、用量反応が存在しないこと、及び毛管現象によって反
応区画を通って移動するアリピプラゾール、オランザピン、及びクエチアピン複合体がリ
スペリドン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
【0099】
【表6】
【0100】
標識された競合的結合パートナーの複合体が、反応区画中に堆積されるそれらの対応す
る抗体のみと結合することを確認するために、薬物を含有しない試料を再び使用すること
によって追加の陰性対照を行った。表7を参照すると、アリピプラゾールを含有しない試
料が、試料区画中に堆積され、毛管現象によって(今回は、標識されたアリピプラゾール
を含有する)複合体区画を通って、反応区画に移動する。反応区画は、再び、アリピプラ
ゾール抗体(5C7)を反応区画2中に、並びにオランザピン抗体(4G9−1)を反応
区画4中に、クエチアピン抗体(11)を反応区画6中に、リスペリドン抗体(5−9)
を反応区画8中に、含有する。以下の表7は、(反応区画2中に)アリピプラゾール抗体
5C7に対するもの以外の用量反応が存在しないことを確認する結果を示す。
【0101】
【表7】
【0102】
表8を参照すると、オランザピンを含有しない試料が、試料区画中に堆積され、毛管現
象によって(今回は、標識されたオランザピンを含有する)複合体区画を通って、反応区
画に移動する。反応区画は、再び、アリピプラゾール抗体(5C7)を反応区画2中に、
並びにオランザピン抗体(4G9−1)を反応区画4中に、クエチアピン抗体(11)を
反応区画6中に、リスペリドン抗体(5−9)を反応区画8中に、含有する。以下の表8
は、(反応区画4中に)オランザピン抗体4G9−1に対するもの以外の用量反応が存在
しないことを確認する結果を示す。
【0103】
【表8】
【0104】
表9を参照すると、クエチアピンを含有しない試料が、試料区画中に堆積され、毛管現
象によって(今回は、標識されたクエチアピンを含有する)複合体区画を通って、反応区
画に移動する。反応区画は、再び、アリピプラゾール抗体(5C7)を反応区画2中に、
並びにオランザピン抗体(4G9−1)を反応区画4中に、クエチアピン抗体(11)を
反応区画6中に、リスペリドン抗体(5−9)を反応区画8中に、含有する。以下の表9
は、(反応区画6中に)クエチアピン抗体11に対するもの以外の用量反応が存在しない
ことを確認する結果を示す。
【0105】
【表9】
【0106】
表10を参照すると、リスペリドンを含有しない試料が、試料区画中に堆積され、毛管
現象によって(今回は、標識されたリスペリドンを含有する)複合体区画を通って、反応
区画に移動する。反応区画は、再び、アリピプラゾール抗体(5C7)を反応区画2中に
、並びにオランザピン抗体(4G9−1)を反応区画4中に、クエチアピン抗体(11)
を反応区画6中に、リスペリドン抗体(5−9)を反応区画8中に、含有する。以下の表
10は、(反応区画8中に)リスペリドン抗体5−9に対するもの以外の用量反応が存在
しないことを確認する結果を示す。
【0107】
【表10】
【0108】
以上に示される結果は、標識された競合的結合パートナーの複合体が、反応区画中のそ
れらの対応する抗体のみと結合することを確認する。
【0109】
図13〜16は、特異的な抗体反応区画中の典型的な用量反応曲線、及び他の複合体の
存在下における各特異的なアッセイの低/高濃度用量反応の証拠を示す。図13において
、アリピプラゾールを含有する試料が、試料区画中に堆積され、毛管現象によって(今回
は、標識されたアリピプラゾール、標識されたオランザピン、標識されたクエチアピン、
及び標識されたリスペリドンを含有する)複合体区画を通って、反応区画に移動する。反
応区画は、再び、アリピプラゾール抗体(5C7)を反応区画2中に含有する。図13
示されるように、アリピプラゾールに対してのみ典型的な用量反応曲線が生成され、オラ
ンザピン、クエチアピン、又はリスペリドンに対しては生成されなかった。
【0110】
図14において、オランザピンを含有する試料が、試料区画中に堆積され、毛管現象に
よって(今回は、標識されたアリピプラゾール、標識されたオランザピン、標識されたク
エチアピン、及び標識されたリスペリドンを含有する)複合体区画を通って、反応区画に
移動する。反応区画は、再び、オランザピン抗体(4G9−1)を反応区画4中に含有す
る。図14に示されるように、オランザピンに対してのみ典型的な用量反応曲線が生成さ
れ、アリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンに対しては生成されなかった。
【0111】
図15において、クエチアピンを含有する試料が、試料区画中に堆積され、毛管現象に
よって(今回は、標識されたアリピプラゾール、標識されたオランザピン、標識されたク
エチアピン、及び標識されたリスペリドンを含有する)複合体区画を通って、反応区画に
移動する。反応区画は、再び、クエチアピン抗体(11)を反応区画6中に含有する。図
15に示されるように、クエチアピンに対してのみ典型的な用量反応曲線が生成され、ア
リピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンに対しては生成されなかった。
【0112】
図16において、リスペリドンを含有する試料が、試料区画中に堆積され、毛管現象に
よって(今回は、標識されたアリピプラゾール、標識されたオランザピン、標識されたク
エチアピン、及び標識されたリスペリドンを含有する)複合体区画を通って、反応区画に
移動する。反応区画は、再び、リスペリドン抗体(5−9)を反応区画8中に含有する。
図16に示されるように、リスペリドンに対してのみ典型的な用量反応曲線が生成され、
アリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンに対しては生成されなかった。
【0113】
図17〜20は、他の複合体及び抗体の存在下における各アッセイの典型的な用量反応
曲線を示す。図17において、アリピプラゾールを含有する試料が、試料区画中に堆積さ
れ、毛管現象によって(再び、標識されたアリピプラゾール、標識されたオランザピン、
標識されたクエチアピン、及び標識されたリスペリドンを含有する)複合体区画を通って
、反応区画に移動する。反応区画は、再び、アリピプラゾール抗体(5C7)を反応区画
2中に、並びにオランザピン抗体(4G9−1)を反応区画4中に、クエチアピン抗体(
11)を反応区画6中に、リスペリドン抗体(5−9)を反応区画8中に、含有する。図
17に示されるように、アリピプラゾールに対して典型的な用量反応曲線が生成された。
図18に示されるように、オランザピンを含有する試料が、このチップの試料区画中に堆
積されるとき、オランザピンに対して典型的な用量反応曲線が生成された。図19に示さ
れるように、クエチアピンを含有する試料が、このチップの試料区画中に堆積されるとき
、クエチアピンに対して典型的な用量反応曲線が生成された。図20に示されるように、
リスペリドンを含有する試料が、このチップの試料区画中に堆積されるとき、リスペリド
ンに対して典型的な用量反応曲線が生成された。
【0114】
図21〜24は、陽性対照として生成された用量反応曲線(図9〜12)の、多重形式
において生成された用量反応曲線(図17〜20)に対する比較を示す。アリピプラゾー
ルについての比較が図21に、オランザピンついては図22に、クエチアピンついては図
23に、リスペリドンついては図24に示される。これらの図面は、陽性対照曲線が多重
曲線に類似することを示す。
【0115】
これらのデータは、本発明の側方流動アッセイ装置が、1つの携帯可能なポイントオブケア装置において、患者からの単一の試料を使用して、複数の抗精神病薬を検出するために使用され得ることを示す。
本発明は次の実施態様を含む。
(1)単離抗体又はその結合断片であって、オランザピンに結合し、
a)配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号12のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、
b)配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号16のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、
c)配列番号31のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号32のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、
d)配列番号35のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号36のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、
e)配列番号39のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、単離抗体又はその断片と、からなる群から選択される単離抗体又はその結合断片である、単離抗体又はその結合断片。
(2)前記抗体又はその結合断片が、配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号12のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(3)前記抗体又はその結合断片が、配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号16のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(4)前記抗体又はその結合断片が、配列番号31のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号32のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(5)前記抗体又はその結合断片が、配列番号35のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号36のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(6)前記抗体又はその結合断片が、配列番号39のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(7)前記抗体又はその結合断片が、
a)配列番号11のアミノ酸残基44〜54を含む軽鎖CDR1配列と、
b)配列番号11のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列と、
c)配列番号11のアミノ酸残基109〜117を含む軽鎖CDR3配列と、
d)配列番号12のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列と、
e)配列番号12のアミノ酸残基69〜85を含む重鎖CDR2配列と、
f)配列番号12のアミノ酸残基118〜122を含む重鎖CDR3配列と、を含む、
上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(8)前記抗体又はその結合断片が、
a)配列番号15のアミノ酸残基44〜54を含む軽鎖CDR1配列と、
b)配列番号15のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列と、
c)配列番号15のアミノ酸残基109〜117を含む軽鎖CDR3配列と、
d)配列番号16のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列と、
e)配列番号16のアミノ酸残基69〜85を含む重鎖CDR2配列と、
f)配列番号16のアミノ酸残基118〜122を含む重鎖CDR3配列と、を含む、
上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(9)前記抗体又はその結合断片が、
a)配列番号31のアミノ酸残基44〜54を含む軽鎖CDR1配列と、
b)配列番号31のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列と、
c)配列番号31のアミノ酸残基109〜117を含む軽鎖CDR3配列と、
d)配列番号32のアミノ酸残基44〜54を含む重鎖CDR1配列と、
e)配列番号32のアミノ酸残基69〜84を含む重鎖CDR2配列と、
f)配列番号32のアミノ酸残基119〜127を含む重鎖CDR3配列と、を含む、
上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(10)前記抗体又はその結合断片が、
a)配列番号35のアミノ酸残基44〜54を含む軽鎖CDR1配列と、
b)配列番号35のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列と、
c)配列番号35のアミノ酸残基109〜117を含む軽鎖CDR3配列と、
d)配列番号36のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列と、
e)配列番号36のアミノ酸残基69〜87を含む重鎖CDR2配列と、
f)配列番号36のアミノ酸残基120〜127を含む重鎖CDR3配列と、を含む、
上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(11)前記抗体又はその結合断片が、
a)配列番号39のアミノ酸残基44〜54を含む軽鎖CDR1配列と、
b)配列番号39のアミノ酸残基70〜76を含む軽鎖CDR2配列と、
c)配列番号39のアミノ酸残基109〜117を含む軽鎖CDR3配列と、
d)配列番号40のアミノ酸残基44〜54を含む重鎖CDR1配列と、
e)配列番号40のアミノ酸残基69〜84を含む重鎖CDR2配列と、
f)配列番号40のアミノ酸残基120〜127を含む重鎖CDR3配列と、を含む、
上記(1)に記載の抗体又はその結合断片。
(12)前記抗体の結合断片が、Fv、F(ab’)、F(ab’)2、scFv、ミニボディ(minibody)、及びダイアボディ(diabody)断片からなる断片の群から選択される、上記(1)に記載の抗体の結合断片。
(13)前記抗体が、モノクローナル抗体である、上記(1)に記載の抗体。
(14)上記(1)に記載の抗体又はその結合断片を含む、アッセイキット。
(15)上記(1)に記載の抗体又はその結合断片を含む、アッセイ装置。
(16)前記装置が、側方流動アッセイ装置である、上記(15)に記載のアッセイ装置。
(17)試料中のオランザピンを検出する方法であって、前記方法が、
(i)試料を、検出可能なマーカーで標識された上記(1)〜(13)のいずれかに記載の抗体又はその結合断片と接触させる工程であって、前記標識された抗体又はその結合断片及び試料中に存在するオランザピンが、標識された複合体を形成する、工程と、
(ii)前記試料中のオランザピンを検出するために、前記標識された複合体を検出する工程と、を含む、方法。
(18)試料中のオランザピンを検出するための競合的イムノアッセイ方法であって、前記方法が、
(i)試料を、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の抗体又はその結合断片と、及びオランザピン又はオランザピンの競合的結合パートナーと接触させる工程であって、前記抗体又はその結合断片、及び前記オランザピン又はその競合的結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識され、試料オランザピンが、前記オランザピン又はその競合的結合パートナーと、前記抗体又はその結合断片への結合に対して競合する、工程と、
(ii)試料オランザピンを検出するために、前記標識を検出する工程と、を含む、方法。
(19)前記オランザピン又はその競合的結合パートナーが、前記検出可能なマーカーで標識される、上記(18)に記載の方法。
(20)前記抗体又はその結合断片が、検出可能なマーカーで標識される、上記(18)に記載の方法。
(21)前記イムノアッセイが、側方流動アッセイ装置において行われ、前記試料が、前記装置に適用される、上記(18)に記載の方法。
(22)
オランザピンに加えて、1つ以上の検体の存在を検出することを更に含む、上記(17〜21のいずれかに記載の方法。
(23)前記1つ以上の検体が、オランザピン以外の抗精神病薬である、上記(22)に記載の方法。
(24)オランザピン以外の前記抗精神病薬が、リスペリドン、パリペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、及びその代謝産物からなる群から選択される、上記(23)に記載の方法。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]