(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つ又は複数の支持アームを更に備え、前記支持アームがそれぞれ前記支持アームに連結されている前記1つ又は複数の研磨パッドのうちの1つを有する、請求項1に記載のモジュール。
第1の面において配置される外周領域及び第2の面において前記外周領域の内側径方向に配置される基板受容面を有するチャックであって、前記第1の面が前記第2の面と異なる、チャック、
前記基板受容面上の基板を研磨するための1つ又は複数の研磨パッドであって、前記研磨パッドは、前記チャックの前記外周領域に対して移動可能である、1つ又は複数の研磨パッド、並びに
前記チャックの前記外周領域の上に配置される、前記研磨パッドを調整するための調整リングを備え、
前記1つ又は複数の研磨パッドは、それぞれ、前記チャックの前記基板受容面に隣接して所定のスイープパターンで可動であり、アーク形状をしており、且つ前記チャックの前記外周から測定された前記チャックの半径の約半分未満の径方向移動に限定される、研磨モジュール。
1つ又は複数の支持アームを更に備え、前記支持アームがそれぞれ前記支持アームに連結されている前記1つ又は複数の研磨パッドのうちの1つを有する、請求項13に記載のモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0024]本開示の実施形態は、研磨システム、及び研磨システムに連動して基板の周縁を研磨するために利用される研磨モジュールを提供する。本明細書に記載されている研磨モジュールの実施形態は、径方向での高い分解能(例えば、約3ミリメートル(mm)未満)及びシータ(θ)方向の流量制御を提供する。本開示の態様は、局所領域でディッシング及び/又は浸食が制限された、改善された局所的研磨制御を含む。
【0012】
[0025]
図1Aは、化学機械研磨(CMP)処理又は電気化学機械研磨(ECMP)処理などの研磨処理を実行するように構成される処理ステーション100の一実施形態の部分的断面図である。
図1Bは、研磨モジュール101の一実施形態の概略断面図であり、研磨モジュール101は、処理ステーション100と連動して使用されたとき、研磨システムの一実施形態を含む。処理ステーション100は、基板102の主面を研磨するためにグローバルCMP処理(global CMP process)を実行するように使用されてもよい。処理ステーション100を使用して基板102の周縁が十分に研磨されない場合、研磨モジュール101を用いて周縁を研磨してもよい。研磨モジュール101は、処理ステーション100によって実行されるグローバルCMP処理の前か後、縁を研磨するように用いてもよい。処理ステーション100及び研磨モジュール101は、それぞれ、独立型ユニット又はより大きな処理システムの一部であってもよい。処理ステーション100及び研磨モジュール101のうちの1つ或いはその両方を利用するように適合され得るより大きな処理システムの例としては、数ある研磨システムの中でも、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能なREFLEXION(登録商標)、REFLEXION(登録商標) LK、REFLEXION(登録商標) GT(商標)、MIRRA MESA(登録商標)研磨システム、並びに他の製造業者の研磨システムが含まれる。
【0013】
[0026]処理ステーション100は、ベース110上で回転可能に支持されるプラテン105を含む。プラテン105は、回転軸Aの周りでプラテン105を回転させるように適合される駆動モータ115に動作可能に連結される。プラテン105は、研磨材料122から作られた研磨パッド120を支持する。一実施形態では、研磨パッド120の研磨材料122は、CMP処理で一般に利用されるポリマーに基づいたパッド材料のような市販のパッド材料である。ポリマー材料は、ポリウレタン、ポリカーボネート、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、又はそれらの組み合わせであってもよい。研磨材料122は、処理化学物質に対して適合性のある、連続気泡又は独立気泡のポリマー、エラストマー、フェルト、含浸フェルト、プラスチック、及び類似材料を更に含んでもよい。別の実施形態では、研磨材料122は、多孔性被覆を含浸させたフェルト材料である。他の実施形態では、研磨材料122は、少なくとも部分的に導電性の材料を含む。
【0014】
[0027]キャリアヘッド130は、研磨パッド120の処理面125の上に配置される。キャリアヘッド130は、処理中に、基板102を保持し、且つ基板102を研磨パッド120の処理面125に向けて(Z軸に沿って)制御可能に付勢する。キャリアヘッド130は、外側区域圧力アプリケータ138A及び内側区域圧力アプリケータ138B(両方とも破線で図示)として示される区域に分けられた圧力制御装置を含む。外側区域圧力アプリケータ138A及び内側区域圧力アプリケータ138Bは、研磨中に基板102の裏側に可変圧力を適用する。外側区域圧力アプリケータ138A及び内側区域圧力アプリケータ138Bは、基板102の中央領域よりも端部領域に対してより多くの圧力を供給するように調整されてもよく、その逆の操作も可能である。したがって、外側区域圧力アプリケータ138A及び内側区域圧力アプリケータ138Bは、研磨処理を調整するために使用される。
【0015】
[0028]キャリアヘッド130は、キャリアヘッド130を支持する支持部材140に装着され、研磨パッド120に対するキャリアヘッド130の運動を促進する。支持部材140は、キャリアヘッド130を研磨パッド120の上で吊るすように、ベース110に連結されてもよく、或いは、処理ステーション100の上に装着されてもよい。一実施形態では、支持部材140は、処理ステーション100の上に装着される直線状トラック又は環状トラックである。キャリアヘッド130は、回転軸Bの周りのキャリアヘッド130の回転運動を少なくとももたらす駆動システム145に連結される。駆動システム145は、キャリアヘッド130を、研磨パッド120に対して横方向(X及び/又はY軸)に、支持部材140に沿って移動させるように更に構成されてもよい。一実施形態では、駆動システム145は、横方向の運動に加えて、研磨パッド120に対してキャリアヘッド130を縦方向(Z軸)に移動させる。例えば、駆動システム145は、研磨パッド120に対する基板102の回転運動及び/又は横方向運動を提供することに加えて、研磨パッド120に向けて基板102を移動させるために利用されてもよい。キャリアヘッド130の横方向運動は、線形運動、弧を描く運動、又はスィープ運動であってもよい。
【0016】
[0029]調節装置150及び流体塗布器155は、研磨パッド120の処理面125の上に位置決めされているように示される。調節装置150は、ベース110に連結され、且つ、調節装置150を回転させるように、或いは、研磨パッド120及び/又はベース110に対する1つ又は複数の直線方向で調節装置150を移動させるように適合され得るアクチュエータ185を含む。流体塗布器155は、研磨パッド120の一部に研磨流体を供給するように適合される1つ又は複数のノズル160を含む。流体塗布器155は、ベース110に回転可能に連結される。一実施形態では、流体塗布器155は、回転軸Cの周りで回転するように適合され、且つ処理面125に向けて方向付けられる研磨流体を供給する。研磨流体は、化学溶液、水、研磨剤、洗浄液、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
[0030]
図1Bは、研磨モジュール101の一実施形態の概略断面図である。研磨モジュール101は、チャック167を支持するベース165を含み、このベースは、基板102をその上で回転可能に支持する。一実施形態では、チャック167は、真空チャックであってもよい。チャック167は、モータ又はアクチュエータであり得る駆動装置168に連結され、それにより、軸Eの周りのチャック167の回転運動を少なくとももたらす。基板102は、基板102のフィーチャ面が1つ又は複数の研磨パッド170に面するように、「上向き」配向でチャック167の上に配置される。1つ又は複数の研磨パッド170は、それぞれ、
図1Aの処理ステーション100内で基板102を研磨した前か後に、基板102の周縁を研磨するために利用される。1つ又は複数の研磨パッド170は、CMP処理で一般に利用されるポリマーに基づいたパッド材料のような市販のパッド材料を含む。1つ又は複数の研磨パッド170は、それぞれ、基板102に対してパッドを移動させる支持アーム172に連結される。支持アーム172は、それぞれ、支持アーム172(及びその上に装着される研磨パッド170)を、チャック167上に装着される基板102に対して縦方向(Z方向)並びに横方向(X及び/又はY方向)に移動させるアクチュエータ174に連結されてもよい。アクチュエータ174は、更に、基板102に対する軌道運動又は円運動によって支持アーム172(及びその上に装着される研磨パッド170)を移動させるように利用されてもよい。
【0018】
[0031]1つ又は複数の研磨パッド170は、基板102の直径に実質的に適合するように寸法形成された直径を含む、研磨材料から作られたリング形状の研磨パッドとして形成される単一パッドを含んでもよい。例えば、基板102の直径が300mmである場合、リング形状の研磨パッドは、約290mmから約295mmの内径を有してもよく、約300mmから約310mmの外径を有してもよい。
図1Bで示されている実施形態では、1つ又は複数の研磨パッド170は、上述の直径を有する個別のアークセグメントを含んでもよい。他の実施形態では、1つ又は複数の研磨パッド170は、各支持アーム172上に配置されるパッド材料の三日月形状及び/又は複数の個別形状などのアーク形状のセグメントを含んでもよい。一実施形態では、源178からの研磨流体は、研磨パッド170を通して適用されてもよい。
【0019】
[0032]研磨モジュール101は、基板102の表面に研磨流体を供給するための流体塗布器176を更に含む。流体塗布器176は、ノズル(図示せず)を含んでもよく、
図1Aに記載されている流体塗布器155に類似するように構成されてもよい。流体塗布器176は、F軸の周りを回転するように適合され、流体塗布器155と同じ研磨流体を供給し得る。ベース165は、流体塗布器176からの研磨流体を集める鉢として利用されてもよい。
【0020】
[0033]
図2Aは、単独で、或いは
図1Aの処理ステーション100と連動して使用され得る研磨モジュール200の別の実施形態の側断面図である。
図2Bは、
図2Aで示された研磨モジュール200の等角上面図である。研磨モジュール200は、この実施形態では真空源に連結されているチャック167を含む。チャック167は、真空源と連通している複数の開口部(図示せず)を含む基板受容面205を含み、それにより、基板受容面205上に配置された基板(
図1Bに図示)がその上で固定され得る。チャック167は、チャック167を回転させる駆動装置168を更に含む。チャック167に研磨流体を供給するノズル210を含む流体塗布器176も更に示されている。更に、メトロロジー装置215(
図2Bに図示)をベース165に連結してもよい。メトロロジー装置215は、研磨中に基板(図示せず)上の金属又は誘電体膜の厚みを測定することによって、研磨進捗のインシトゥ(その場の)測定基準(in−situ metric)を提供するために利用されてもよい。メトロロジー装置215は、渦電流センサ、光センサ、或いは金属又は誘電体膜の厚みを判定するために使用され得るその他のセンサ装置であってもよい。エクスシトゥ(その場以外の)計測(ex−situ metrology)のフィードバックのためのその他の方法は、ウエハ上の堆積の厚みのある領域/薄い領域の位置、チャック167及び/又は研磨パッド170のための移動レシピ(motion recipe)、研磨時間、並びに使用されるべきダウンフォースのような予め定められたパラメータを含む。エクスシトゥフィードバックは、研磨された膜の最終的な形状を決定するためにも使用することができる。インシトゥ計測は、エクスシトゥ計測で決定されたパラメータの進捗を監視することによって、研磨を最適化するために使用され得る。
【0021】
[0034]各支持アーム172は、アクチュエータアセンブリ220によって、ベース165の上に移動可能に装着される。アクチュエータアセンブリ220は、第1のアクチュエータ225A及び第2のアクチュエータ225Bを含む。第1のアクチュエータ225Aは、各支持アーム172を縦方向に移動(Z方向)させるために使用してもよく、第2のアクチュエータ225Bは、各支持アーム172を横方向に移動(X方向、Y方向、又はそれらの組み合わせ)させるために使用してもよい。第1のアクチュエータ225Aは、更に、基板(図示せず)に向けて研磨パッド170を付勢する制御可能なダウンフォースをもたらすために使用してもよい。
図2A及び
図2Bでは、上部に研磨パッド170を有する支持アーム172が2つしか示されていないが、研磨モジュール200は、2つの支持アーム172に限定されるわけではない。研磨モジュール200は、チャック167の外周、流体塗布器176及びメトロロジー装置215の十分な空間許容度、並びに、支持アーム172(及びその上に装着される研磨パッド170)のスウィーピング運動のための空間に応じて、任意の数の支持アーム172を含んでもよい。
【0022】
[0035]アクチュエータアセンブリ220は、第2のアクチュエータ225Bに連結される摺動機構又はボールねじであり得る直線移動機構227を含んでもよい。同様に、第1のアクチュエータ225Aは、それぞれ、支持アーム172を縦方向に移動させる直線摺動機構、ボールねじ、又は円筒状摺動機構を含んでもよい。アクチュエータアセンブリ220は、第1のアクチュエータ225Aと直線移動機構227の間に連結される支持アーム235A、235Bを更に含む。支持アーム235A、235Bは、それぞれ、第2のアクチュエータ225Bによって同時に又は個別に作動してもよい。したがって、支持アーム172(及びその上に装着される研磨パッド170)の横方向の運動は、同期されて又は同期されずに基板(図示せず)上で径方向にスィープすることができる。動的シール240は、第1のアクチュエータ225Aの一部であり得る支持シャフト242の周りに配置されてもよい。動的シール240は、支持シャフト242とベース165の間に連結されるラビリンスシールであってもよい。
【0023】
[0036]支持シャフト242は、アクチュエータアセンブリ220によってもたらされる運動に基づいて、支持アーム172の縦方向の運動を可能にするベース165内に形成されている開口部244の中に配置される。開口部244は、支持シャフト242の縦方向の運動を十分に可能にするように寸法形成され、それにより、支持アーム172(及びその上に装着される研磨パッド170)が、基板受容面205の外周246からその中央に向かって、基板受容面205の半径の約半分のところまで移動し得る。一実施形態では、基板受容面205は、処理中にその上に装着される基板の直径とほぼ同じ直径を有する。例えば、基板受容面205の半径が150mmであれば、支持アーム172、具体的にはその上に装着される研磨パッド170は、中央に向かって内向きに約150mmのところ(例えば、外周246)から約75mmのところまで径方向に移動し、それから外周246に戻ってもよい。「約」という用語は、0.00mm(ゼロmm)から、以上の例では約75mmである基板受容面205の半径の半分を5mm越えたところまでと規定し得る。
【0024】
[0037]更に、開口部244は、支持シャフト242の横方向の運動を十分に可能にするように寸法形成され、それにより、支持アーム172の端部248は、チャック167の外周250を越えて移動し得る。したがって、流体塗布器176がF軸の周りを回転し、且つ支持アーム172の端部248が外側に移動して外周250を越えるとき、基板を、基板受容面205の上に移送してもよく、或いは基板受容面205から取り除いてもよい。基板は、グローバルCMPプロセスの前又は後に、ロボットアーム又はエンドエフェクタによって、
図1Aに示される処理ステーション100へ/から移送されてもよい。一実施形態では、キャリアヘッド130(
図1Aに図示)を使用して、基板を処理ステーション100へ/から移送してもよい。
【0025】
[0038]チャック167は、基板受容面205から径方向外側に位置する周縁領域252を更に含んでもよい。周縁領域252は、基板受容面205の面からオフセットされた(すなわち、下方に凹む)面にあってもよい。周縁領域252は、研磨パッド170を調整するために使用される調整リング255を更に含んでもよい。調整リング255の高さは、更に、基板受容面205の面からオフセットされた(すなわち、下方に凹む)面にあってもよい。調整リング255は、研磨粒子又は研磨材料から作られた又はそれらを含む矩形部材及び/又はアーチ状部材を含む1つ又は複数の個別の研磨要素260であってもよい。一実施形態では、調整リング255は、アークセグメントとしてそれぞれ形成される複数の個別の研磨要素260を含む。個別の研磨要素260は、それぞれ、研磨プロセスの間に研磨パッド170を調整するために使用されるダイアモンド粒子を含んでもよい。例えば、基板をチャック167の基板受容面205の上に配置する前か後に、研磨パッド170を個別の研磨要素260に接触させるため、支持アーム172を、調整リング255に隣接するように移動させ、且つ調整リング255に向けて作動させてもよい。チャック167は、研磨パッド170を調整するため、この接触状態の間に回転してもよい。一実施形態では、すべての研磨パッド170を調整する時間は、約2秒未満であり、これにより、研磨モジュール200のスループットが増加し得る。一実施形態では、研磨パッド170の調整は、基板をチャック167の基板受容面205へ/から移送させる間に実行されてもよい。
【0026】
[0039]
図3Aは、単独で、或いは
図1Aの処理ステーション100と連動して使用され得る研磨モジュール300の別の実施形態の側断面図である。研磨モジュール300は、
図2A及び
図2Bで示されている研磨モジュール200の実施形態に実質的に似ているが、以下の例外がある。この実施形態では、研磨モジュール300は、
図2A及び
図2Bで説明された複数の支持アーム172を交換するために利用され得る研磨パッドたわみ装置(polishing pad flexure device)305を含む。研磨パッドたわみ装置305の利用により支持アーム172の数を減らすことによって、支持アーム172を駆動させるアクチュエータの数が減るため、研磨モジュール300のコストを削減することができる。
図3Bは、
図3Aに示される研磨パッドたわみ装置305の等角上面図である。
【0027】
[0040]研磨パッドたわみ装置305は、フレックスリング装置315を収容するハウジング310を含む。フレックスリング装置315は、ハウジング310内に形成される開口部325の内部に可動に配置される複数の研磨部材320を含む。ハウジング310は、研磨モジュール300の上側を覆うように構成される。流体塗布器176及びメトロロジー装置215を収容するためにハウジング310内に切欠き314が形成される。各研磨部材320は、中心ハブ335に連結される1つ又は複数の屈曲部材330に連結される。中心ハブ335は、アクチュエータ340に連結されてもよい。アクチュエータ340は、中心ハブ335の運動、最終的には、研磨部材320の運動を制御するために使用されてもよい。各開口部325は、基板102の研磨中、その中での研磨部材320のスィープパターンの横方向運動を可能にするように寸法形成される。更に、各開口部325は、調整リング255と接触する位置への研磨部材320の運動を可能にするように寸法形成される。アクチュエータ340は、更に、各研磨部材320に制御可能なダウンフォースもたらすために利用されてもよい。
【0028】
[0041]各研磨部材320は、研磨部材に配置された研磨パッド170を含んでもよい。代替的に、研磨部材320は、研磨パッド材料から作られてもよい。各研磨部材320は、研磨及び/又は調節の間にハウジング310に対して移動するように構成される。一実施形態では、ハウジング310は、基板受容面205の上で縦方向(Z方向)に実質的に「浮遊」するように適合される。この実施形態では、基板受容面205上に位置する基板102の端部の周りに研磨部材320を位置合わせすることによって、ハウジング310が横方向に固定され得る。アクチュエータ340は、研磨部材320を基板102の表面に向けて下方(Z方向)に動かすために使用されてもよい。屈曲部材330の位置を変えるため、アクチュエータ340は、更に、中心ハブ335を動かして研磨部材320を径方向に移動させてもよい。1つの態様では、研磨部材320が基板102上で移動する間、研磨パッドたわみ装置305の重量によって部分的にダウンフォースがもたらされる。追加的に又は代替的に、別のアクチュエータ(図示せず)をハウジング310に連結して、ハウジング310に対して制御可能なダウンフォースをもたらすことができる。別の実施形態では、ハウジング310は、操作中にチャック167を囲む支持リング313で少なくとも部分的に支持されている下面312を含んでもよい。この実施形態では、アクチュエータ340がもたらす研磨部材320の運動によって、ハウジング310がチャック167に対して固定される。
【0029】
[0042]
図4Aは、
図3Aのフレックスリング装置315の一実施形態の等角図である。フレックスリング装置315は、本明細書で第1のハブ部材400A及び第2のハブ部材400Bとして示されている中心ハブ335を含む。第1のハブ部材400A及び第2のハブ部材400Bは、それぞれ、第1のアクチュエータ410のシャフト405によって共に連結される。第1のアクチュエータ410は、第1のハブ部材400Aを、第2のハブ部材400Bから離れるように且つ第2のハブ部材400Bに向けて移動させるために使用され、それにより、中心ハブ335と研磨部材320との間の距離が変化する。したがって、第1のアクチュエータ410の作動によって、研磨中に研磨部材320の径方向運動がもたらされる。第1の屈曲部材415A及び第2の屈曲部材415Bとして示されている屈曲部材330は、屈曲部材330の横方向の安定性(X及び/又はY方向)をもたらす。したがって、基板(
図3Aに図示)が回転するとき、研磨部材320は、基板と実質的に直交したままの長手方向軸を有することになる。第2のアクチュエータ420は、研磨部材320に対して制御可能なダウンフォースをもたらすためにフレックスリング装置315に連結されてもよい。
【0030】
[0043]
図4Bから
図4Dは、
図4Aのフレックスリング装置315の運動の様々なモードを示す。
図4Bから
図4Dでは、ハウジング310が、チャック167及びベース165に対してハウジング310を安定化させる支持部材430に連結される。モータ440が、チャック167及びベース165に対してハウジング310を上昇又は下降させ得る支持部材430に更に連結されてもよい。モータ440は、更に、研磨又は調節処理の間、各研磨部材320に伝達されるダウンフォースをハウジング310にもたらし得る。
【0031】
[0044]
図4Bは、基板102を研磨する前又は後のいずれかの位置におけるフレックスリング装置315を示す。この位置では、研磨部材320が基板102の表面から離間される。この離間関係は、第1のアクチュエータ410(すなわち、第1のハブ部材400Aと第2のハブ部材400Bを離間するように移動させる)及び第2のアクチュエータ420(すなわち、第1のハブ部材400Aと第2のハブ部材400Bを同時に移動させる)によってもたらされる運動のうちの1つ又は組み合わせによって生じ得る。
【0032】
[0045]
図4Cは、フレックスリング装置315の研磨部材320が基板102の表面と接触するところを示す。研磨部材320の位置は、基板102上におけるスィープパターンの第1の位置であってもよい。例えば、第1の位置において研磨部材320は、基板102の端部にわたって、内側径方向のスィープ中であり得る。
図4Dは、フレックスリング装置315の研磨部材320が、基板102の端部付近の第2の位置において基板102の表面と接触するところを示す。第1の位置と第2の位置の間の運動は、第1のアクチュエータ410による第1のハブ部材400Aと第2のハブ部材400Bの運動によって生じ得る。第1の位置及び第2の位置は、中心ハブ335の周りの研磨部材320によって画定された直径(すなわち、2つの対向する研磨部材320の外面の間の距離)の変化に対応し得る。一例では、第2のハブ部材400Bから離れる第1のハブ部材400Aの運動(又はその逆の運動)によって、研磨部材320が直径を減少させる。同様に、第2のハブ部材400Bに向かう第1のハブ部材400Aの運動(又はその逆の運動)によって、研磨部材320が直径を増加させる。一実施形態では、径方向の変位は、約42mmであってもよい。したがって、第2のハブ部材400Bに向かう/から離れる第1のハブ部材400Aの定常運動(又はその逆の運動)によって、基板102の端部にわたって径方向のスィープパターンがもたらされる。
【0033】
[0046]
図5Aは、単独で、或いは
図1Aの処理ステーション100と連動して使用され得る研磨モジュール500の別の実施形態の側断面図である。研磨モジュール500は、
図2A及び
図2Bで示されている研磨モジュール200の実施形態に実質的に似ているが、以下の例外がある。この実施形態では、研磨モジュール500は、支持アーム172に連結されているたわみ装置505を含む。更に、支持アーム172は、(
図2Aに示される動的シール240の下に対応して)動的シール240の外側に位置する横方向作動装置510を含む。更に、アクチュエータアセンブリ220は、支持アーム235A、235Bのそれぞれに連結されるアクチュエータ装置515を含む。
【0034】
[0047]アクチュエータ装置515は、支持アーム172(及びそれに連結される研磨パッド170)の直交運動をもたらす偏心軸520に連結される。この実施形態では、それぞれの支持アーム235A、235Bと、研磨パッド170が装着されているそれぞれの支持アーム172との間で連結されるシャフト525の軌道(すなわち、円形状又は楕円形状)運動を可能にするように開口部244が寸法形成される。
【0035】
[0048]支持アーム172の横方向作動装置510は、シャフト535及び支持部材540を縦方向(Z方向)に移動させるアクチュエータ530を含む。たわみ装置505は、支持部材540に連結され、アクチュエータ530が起動したときに基板102及び/又はチャック167に対して移動する。研磨パッド170は、たわみ装置505の下面に連結される。これは、
図5Bでより明瞭に示されている。横方向作動装置510及び支持アーム235A、235Bに連結されている偏心軸520の組み合わせが、縦方向(Z方向)及び横方向面(X及びY方向)の運動をもたらし、それにより、基板102上で環状スィープパターン(orbital sweep pattern)が実現する。ダウンフォースは、横方向作動装置510によって制御され得る。
【0036】
[0049]
図5Bは、
図5Aのたわみ装置505の拡大側断面等角図である。たわみ装置505は、剛性体545を含み、剛性体545は、その片側から延在するスパイン550を含み得る。たわみ装置505は、剛性体545の端部560によって支持される可撓性部材555を更に含む。可撓性部材555は、U字形状であってもよく、剛性体545の端部560によって剛性体545の内部で吊るされる。研磨パッド170は、可撓性部材555の下方部565に連結される。可撓性部材555は、研磨及び/又は調節の間、研磨パッド170の幾つかの運動を可能にするように構成される。一態様では、可撓性部材555は、チャック167の製造欠陥によって生じる位置ずれを補う。下方部565は、可撓性部材555の可撓性を調整するためのハンプ570(厚みが増した領域)を含んでもよい。
【0037】
[0050]
図6Aから6Cは、本明細書に記載されている研磨モジュール101、200、300、及び500の支持アーム172に連結され得る研磨パッドの様々な実施形態の底面図である。
図6Aは、三日月形状の本体600を有する研磨パッド170を示す。本体600は、約10mm以下から約1mmの幅Wを含んでもよい。本体600の長さは、幅Wによって決定されてもよい。更に、本体600は、基板受容面205(
図2Aで図示)又はその上に装着される基板102(
図3A又は
図5Aに図示)の半径に実質的に等しい外半径605を含んでもよい。一例では、約150mmの半径を有する基板受容面205に対して、外半径は約150mmであってもよい。内半径610は、外半径605と等しいか、外半径605より短いか、又は外半径605より長くてもよい。
【0038】
[0051]
図6Bは、アークセグメントとして形成された本体615を有する研磨パッド170を示す。本体615は、
図6Aで示されている実施形態に類似する幅を有してもよい。更に、本体615は、
図6Aで示されている実施形態に実質的に類似する内側半径及び外側半径を含んでもよい。
【0039】
[0052]
図6Cは、支持基板625上で形成された、或いは支持基板625に接合された複数の突出構造体620を有する研磨パッド170を示す。
図6Dは、
図6Cで示された研磨パッド170の側断面図である。複数の突出構造体620は、それぞれ、図示されているように、平面視で円形形状を有する柱状構造、或いは、平面視で矩形又は他の多角形の形状を有する柱状構造であってもよい。各突出構造体620は、本明細書に記載されている研磨材料から作られてもよい。
【0040】
[0053]
図7Aは、基板102上に配置される研磨パッド700の一実施形態の側断面図である。研磨パッド700は、
図6A及び
図6Bで示され且つ説明された研磨パッド170であってもよい。この実施形態では、研磨パッド700は、軸Eの周りで回転し得る基板102と接触している(これは、本明細書に記載されている研磨モジュール101、200、300、及び500のいずれかでの研磨処理中のことである)。この軸Eは、反時計周りに示されているが、軸Eは時計回りであってもよい。研磨中、研磨パッド700の本体615は、前縁702及び後縁705を含む。回転する基板と研磨パッド700の接触面との間の摩擦力によって、前縁702が可塑的又は弾性的に変形(本体615がその上に曲げるか又は折り畳むなど)し得る。一例では、前縁702が後縁705に向かって折り曲がる場合があり、望ましくない研磨結果、並びに研磨パッド700の損傷が生じる結果となる。変形の可能性に対応するため、前縁702は凹部715を含む。凹部715は、斜面、小さな溝、又は角部であってもよい。凹部715は、前縁702全体、又は図示されているようにその一部を含んでもよい。
【0041】
[0054]
図7Bは、研磨パッド722の別の実施形態の側断面図である。研磨パッド722は、
図7Aに示されている実施形態に実質的に類似し得る。
図7Bで示されている研磨パッド722は、本体615の下面に形成されるチャネル又は溝720を更に含んでもよい。溝720は、本体615の中央部付近に形成されてもよく、研磨処理中の研磨流体の移送を改善し得る。溝720の後縁725は、
図7Aで説明された凹部715に類似する凹部730を更に含んでもよい。
【0042】
[0055]
図8は、本明細書に記載されている研磨モジュール101、200、300、及び500のうちのいずれか1つであり得る研磨モジュール800の別の実施形態の部分的側断面図である。周縁805を有する基板102がチャック167上で示されている。周縁805は、基板102の外半径に沿った環状帯を含む。基板102は、堆積された部分が周縁805の他の部分よりも厚みがある領域810を有してもよい。周縁805の他の部分に相対してこの領域810を効果的に取り除くためには、周縁805の他の部分(堆積の厚みが領域810の厚みより少ない)におけるダウンフォースに比べて、より大きなダウンフォースを領域810に適用することが望ましい場合がある。
【0043】
[0056]一実施形態では、支持アーム172を制御するアクチュエータ(
図1B、2A、2B、及び5Aで示されている)は、領域810が研磨パッド170に近いときにより大きなダウンフォースを提供し、領域810が研磨パッド170から離れるように回転するときにより少ないダウンフォースを提供するように作動し得る。しかしながら、チャック167及び基板102が、支持アーム172(
図1B、2A、2B、及び5Aに図示)を制御するアクチュエータの反応速度を越え得る速度で回転するとき、チャック167の基板受容面205と基板102の下面との間にシム815が配置されてもよい。シム815は、薄いストリップ又は楔として形成され得る剛性材料又は高密度材料の1つ又は複数の一片であってもよい。シム815は、領域810を周縁805の他の部分の面の上に上昇させるため、1つ又は複数の領域810の位置に応じて、チャック167の基板受容面205と基板102の下面との間に位置決めされてもよい。したがって、領域810が研磨パッド170の下を通過するとき、基板と基板102との間の力が増し、領域810の材料の除去が強化される。周縁805の他の領域は、材料を除去するために適切なダウンフォースを受けるが、この力は、領域810における力よりも小さい場合がある。シム815は、
図3Aに示されている研磨モジュール300と更に使用されてもよい。追加的又は代替的に、基板上の任意の領域810が周縁805の残りの部分に対してより大きな高さを維持するように、チャック167が傾くように適合されてもよい。この実施形態では、シム815は、使用されても使用されなくてもよい。チャック167を角度αで傾かせてもよく、それにより、領域810が位置するチャック167の基板受容面205の一部が持ち上がる。角度αの傾きは、軸Eの周りでチャック167が回転する間に維持されてもよく、それにより、(領域810に対応する)チャック167の基板受容面205の一部が、研磨パッド170の下で回転ごとに持ち上がる。
【0044】
[0057]以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱しなければ、本開示の他の実施形態及び追加の実施形態を考案してもよい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。