(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入射光の光軸に直交する仮想平面上の互いに直交する第1の方向及び第2の方向に曲率を有する曲面を有し、前記光軸方向から見た平面形状が、前記第1の方向に略平行な2つの辺及び前記第2の方向に略平行な2つの辺で囲まれた略長方形のレンズ面を少なくとも1つ備え、
前記レンズ面の前記第1の方向の一方の端部から他方の端部へ向かって、前記第2の方向における曲率が連続的に大きくなり、
前記第1の方向における曲率でスプライン曲線またはベジエ曲線が形成され、前記一方の端部において前記第2の方向における曲率で楕円形の曲線の一部が形成され、前記他方の端部において前記第2の方向における曲率で円形の曲線の一部が形成されることを特徴とする光学部材。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(本発明の1つの実施形態に係る光学部材)
はじめに、
図1及び
図2を参照ながら、本発明の1つの実施形態に係る光学部材の説明を行う。ここでは、光学部材として、複数のレンズ面がマトリックス状に配置されたフライアイレンズの場合を例にとって説明する。
図1は、本発明の1つの実施形態に係るフライアイレンズ10及びフライアイレンズ10を構成するレンズ面2を示す平面図である。
図2は、
図1に示すレンズ面2の詳細を示す斜視図である。
【0012】
本実施形態に係るフライアイレンズ10では、
図1の左側の図に示すように、複数のレンズ面2がマトリックス状に配置されている。各レンズ面2は、同じ向きに揃えられている。
図1に示す場合には、全てのレンズ面2が図面手前側に凸となるように揃えられている。
図1の右側の図では、フライアイレンズ10を構成する1つのレンズ面2を拡大して示す。
図2の斜視図では、フライアイレンズ10から1つのレンズ面2を有する部分を切り出した形で示している。
【0013】
全ての図面において、光源から入射する光軸の方向をZ軸方向とする。入射光の光軸(Z軸方向)に直交する仮想平面上の互いに直交する方向のうち、第1の方向をX軸方向、第2の方向をY軸方向とする。また、光源やフライアイレンズから出射された光を、点線の矢印で模式的に示す。
図1に示すように、レンズ面2は、光軸方向から見た平面形状が、第1の方向(X軸方向)に略平行な2つの辺及び第2の方向(Y軸方向)に略平行な2つの辺で囲まれた略長方形を有する。なお、ここで示す長方形には正方形も含まれる。
【0014】
図2から明らかなように、レンズ面2は、第1の方向(X軸方向)及び第2の方向(Y軸方向)に曲率を有する。レンズ面の第1の方向(X軸方向)の一方の端部4から他方の端部6へ向かって、第2の方向(Y軸方向)における曲率が連続的に大きくなっている。別の言い方をすれば、レンズ面の第1の方向(X軸方向)の一方の端部4から他方の端部6へ向かって、第2の方向(Y軸方向)における曲率半径Ryzが連続的に小さくなっている。
【0015】
つまり、一方の端部4における曲率半径をRyz1とし、他方の端部6における曲率半径をRyz2とし、X軸方向における両端部4、6の間の任意の位置の曲率半径をRyzとすると、
Ryz1 > Ryz > Ryz2
の関係を有する。
【0016】
本実施形態では、曲率半径Ryzは、一方の端部4からの距離に比例して小さくなるようになっている。つまり、一方の端部4及び他方の端部6の間の距離をLとした場合、一方の端部4からの距離をxとすると、
Ryz=(Ryz1−Ryz2)/L×x
となる。
【0017】
ただし、これに限られるものではなく、曲率半径Ryzの値は、連続的に変化するものであれば、一方の端部4からの距離xを変数とする任意の関数を用いることができる。その場合、
Ryz=f(x)と表すことができる。
また、第1の方向(X軸方向)の任意の位置での第2の方向(Y軸方向)における曲率半径Ryz(=f(x))が定まると、第2の方向(Y軸方向)の任意の位置での第1の方向(X軸方向)における曲率半径Rxzが一意的に定まる。
【0018】
本実施形態では、一方の端部4において、第2の方向(Y軸方向)における曲率(曲率半径Ryz1)で楕円形の曲線の一部が形成され、他方の端部6において、第2の方向(Y軸方向)における曲率(曲率半径Ryz2)で円形の曲線の一部が形成される。これに応じて、第1の方向(X軸方向)における曲率(曲率半径Rxz)でスプライン曲線またはベジエ曲線が形成される。
【0019】
このとき、第2の方向(Y軸方向)の任意の位置における第1の方向(X軸方向)の曲率半径を、Rxzとすると、
Ryz1 > Rxz> Ryz2
の関係を有するようにすることもできる。
【0020】
図1に示すフライアイレンズ10では、
図2に示すレンズ面2を有する部分がマトリック状に配置されて一体成形されているので、例えば、X軸方向において、一方の端部4が、隣接するレンズ面2を有する部分の他方の端部6と接するように一体成形されている。
本実施形態では、複数のレンズ面2がマトリックス状に配置されたフライアイレンズ10を例にとって説明したが、それに限られるものではなく、
図2に示すような1つのレンズ面2だけを有する光学部材を用いる場合もあり得る。
【0021】
(本発明の1つの実施形態に係る光源装置)
次に、
図3、
図4A及び
図4Bを参照ながら、本発明の1つの実施形態に係る光源装置の説明を行う。
図3は、
図1に示すフライアイレンズ10を備えた光源装置40が被照射面32A、32Bに照射する場合を模式的に示す図である。
図4Aは、
図1に示すフライアイレンズ10を備えた光源装置40において、出射光の光軸に対して垂直に配置された被照射面32Aに照射する場合の照射領域34Aの形状を模式的に示す斜視図であり、
図4Bは、出射光の光軸に対して斜めに配置された被照射面32Bに照射する場合の照射領域34Bの形状を模式的に示す斜視図である。なお
図4A及び
図4Bには、光源装置40に備えられたフライアイレンズ10、及び被照射面32A、Bだけが示されている。
【0022】
本実施形態に係る光源装置40は、フライアイレンズ10と、フライアイレンズ10に平行光を入射する光源20とを備える。光源20として、例えば発光ダイオード(LED)を例示することができる。また、フライアイレンズ10に平行光を入射するため、発光ダイオード(LED)の出射側にコリメートレンズを備えた光源装置を用いることが好ましい。
【0023】
後述するように、フライアイレンズ10のレンズ面から、ある程度の照射半角度を有する光を出射する場合、光が広がって出射される発光ダイオード(LED)を用いることが好ましいが、用途によっては、光の指向性の強いレーザダイオード(LD)を用いることもできる。更に、レーザダイオード(LD)に光を広げるための反射面や光学部材を組み合わせた光源を用いることもできる。
【0024】
図3において、光源20からフライアイレンズ10に平行光が入射され、フライアイレンズ10のレンズ面から広がりのある光が出射され、被照射面に照射される。フライアイレンズ10のレンズ面は、光源20側に配置される場合も、その反対側の出射側に配置される場合もあり得る。レンズ面と反対側に配置される面は、平面であることが好ましいが、これに限るものではない。また、フライアイレンズ10の取り付け面をレンズ面を有さない面にする場合、特に平面とする場合には、光学的に優れた効率的な光源装置40の配置が実現できる。
【0025】
図3には、出射光の光軸と垂直に配置された被照射面32Aを有する壁部30Aと、出射光の光軸と垂直な面に対して角度θだけ傾いて配置された被照射面32Bを有する壁部30Bとが示されている。壁部30Bについて言い換えれば、出射光の光軸に対して、法線が角度θだけ傾いて配置された被照射面32Bを有する壁部30Bが示されている。
出射光の光軸に対して、垂直に配置された被照射面32Aに光が照射された場合の照射領域34Aの形状が
図4Aに示され、角度θだけ傾いて配置された被照射面32Bに光が照射された場合の照射領域34Bの形状が
図4Aに示されている。
【0026】
ここで
図8Aは、従来の正面照射式の光源装置140において、出射光の光軸に対して垂直に配置された被照射面132Aに照射する場合の照射領域134Aの形状を模式的に示す斜視図であり、
図8Bは、出射光の光軸に対して斜めに配置された被照射面132Bに照射する場合の照射領域134Bの形状を模式的に示す斜視図である。なお
図8A及び
図8Bには、光源装置に備えられたフライアイレンズ110、及び被照射面132A、Bのみが示されている。
【0027】
図8A及び
図8Bに示す従来の光源装置は正面照射式なので、出射光の光軸に対して垂直に配置された被照射面132Aに照射する場合には、照射領域134Aは長方形の形状を有し、照射領域134Aにおける照度は均一になっている。
しかし、出射光の光軸に対して斜めに配置された被照射面32Bに照射する場合には、フライアイレンズ110から光が広がる方向に進むので、フライアイレンズ110から近い側の照射領域134Bの辺の長さが短く、フライアイレンズ110から遠い側の照射領域134Bの辺の長さが長くなり、
図8Bに示すような台形の形状になる。
【0028】
図8Bに示すような台形の形状にした場合、辺の長さが長くなった側は面積が大きくなるので、単位面積当たりの光強度である照度は低くなり、長さが短くなった側は面積が小さくなるので、照度は高くなる。よって、フライアイレンズ110から近い側の照射領域が明るく、遠くなるにつれて暗くなり、均一な照射はできなくなる。例えば、看板を斜めから照明するような場合に、この光源装置を用いた場合、照明したい領域と照射領域が一致せず、照射領域の照度も不均一になるので、適用は困難である。
【0029】
一方、本実施形態においては、出射光の光軸に対して垂直に配置された被照射面32Aに光が照射された場合には、
図4Aに示すように、フライアイレンズ10のレンズ面の、曲率が小さい(曲率半径Ryz1が大きい)一方の端部4側の辺が短く、曲率が大きい(曲率半径Ryz2が小さい)他方の端部6側の辺が長くなっている。上記のように、第1の方向(X軸方向)における一方の端部4からの距離xに比例して曲率(曲率半径Ryz)が変化するので、照射領域34Aは、長辺と短辺を直線で繋いだ台形の形状を有する。
【0030】
被照射面32Aに照射された光の照度は、一方の端部4で最も高く、他方の端部6側に進むにつれて照度が低くなり、他方の端部6で最も低くなっている。つまり、グラデーションを形成している。
ただし、第1の方向(X軸方向)における一方の端部4からの距離xを変数とする任意の関数を用いて、曲率(曲率半径Ryz)変化させることができるので、長辺と短辺を関数に応じた曲線で繋いだ形状の場合もあり得る。照度もそれに応じて変化するので、それに応じたグラデーションが形成される。
【0031】
一方、出射光の光軸と垂直な面に対して角度θだけ傾いて(出射光の光軸に対して法線が角度θだけ傾いて)配置された被照射面32Bに光が照射された場合には、
図4Bに示すように、照射領域34Bは、一方の端部4側の辺及び他方の端部6側の辺の長さが一致した長方形の形状を有する。なお、この長方形の形状には正方形も含まれる。また、照射領域34Bにおける光の照度は均一になっている。
つまり、一方の端部4及び他方の端部6において、傾斜角度θに対応した適切な曲率を有するように、フライアイレンズ10のレンズ面を形成することにより、角度θだけ傾いた場合に、最適な照射領域34Bの形状を得ることができる。
【0032】
これにより、例えば、看板を斜めから照明するときに光源装置40を用いた場合、照明したい領域と照射領域34Bを一致させることができ、照射領域34Bにおいて均一な照度で照明できるので、看板への優れた照射システムを提供できる。
【0033】
次に、
図5を参照しながら、出射光の光軸と垂直な面に対して角度θだけ傾いて配置された被照射面32Bに照射を行うフライアイレンズ10のレンズ面の曲率の定め方について説明する。
図5は、フライアイレンズ10から照射半角度αの光で被照射面に光を照射する場合を、X−Z平面上に示す模式図である。照射半角度αは照射開き角度の1/2の角度であり、ここでは、フライアイレンズ10の中心点Pから照射半角度αの光が出射されたものとして示す。図面に対して垂直方向のY軸方向にも、フライアイレンズ10の中心点Pから照射半角度αで光が広がって進む。
【0034】
フライアイレンズ10のレンズ面の曲率の定め方は以下のようになる。まず、被照射面32Aの幅寸法Wと、フライアイレンズ10から被照射面32Aへの距離Dとにより、照射半角度αの値が定まる。つまり、
W=2×D×sinα
となるようにαを定める。
【0035】
続いて、フライアイレンズ10から照射半角度αの光が出射されるように、レンズ面の第1の方向(X軸方向)の曲率(
図2の曲率半径Rxz参照)を定め、次に、第1の方向(X軸方向)の曲率(半径Rxz)が所定の値なるようにしながら、レンズ面の第2の方向(Y軸方向)の曲率(
図2の曲率半径Ryz参照)を定める。
【0036】
ここで、フライアイレンズ10の中心点Pから照射半角度αで進む光を示す線と、出射光の光軸に対して垂直に配置された被照射面32Aを表す線との交点をA0及びB0とする。つまり、交点A0及びB0が、出射光の光軸に対して垂直に配置された被照射面32Aに光を照射する場合の照射領域34Aの両端部に該当する。
同様に、フライアイレンズ10の中心点Pからの照射半角度αで進む光を示す線と、出射光の光軸と垂直な面に対して角度θだけ斜めに配置された被照射面32Bを示す線との交点をAθ及びBθとする。つまり、交点Aθ及びBθが、出射光の光軸に対して斜めに配置された被照射面32Bに光を照射する場合の照射領域34Bの両端部に該当する。
【0037】
以上により、辺P−A0の長さD
PA0、辺P−B0の長さD
PB0、辺P−Aθの長さD
PAθ、及び辺P−Bθの長さD
PBθが定まる。よって、照射領域34Aの両端点A0及びB0におけるY軸方向の辺の長さが定まり、照射領域34Bの両端部Aθ及びBθにおけるY軸方向の辺の長さが定まる。
【0038】
例えば、点AθにおけるY軸方向の辺の長さは、点A0におけるY軸方向の辺の長さに比べて、
2×(D
PA0−D
PAθ)×tanα
だけ短くなる。
点BθにおけるY軸方向の辺の長さは、点B0におけるY軸方向の辺の長さに比べて、
2×(D
PBθ−D
PB0)×tanα
だけ長くなる。
【0039】
よって、出射光の光軸に対して斜めに配置された被照射面32Bの照射領域34Bの両端部Aθ及びBθにおけるY軸方向の辺の長さが同じになるようにするため(つまり長方形の照射領域にするため)、出射光の光軸と垂直な被照射面32Aの照射領域34Aの両端部A0及びB0におけるY軸方向の辺の長さ(つまり台形の照射領域の形状)を定めることができる。
【0040】
次に、上記の照射領域の形状が定まるように、レンズ面の第2の方向(Y軸方向)の曲率(曲率半径Ryz参照)を定める。更に詳細には、第1の方向(X軸方向)の一方の端部4における曲率半径Ryz1及び他方の端部6における曲率半径Ryz2を定める。そして、一方の端部4に及び他方の端部6の間の曲率半径Ryzを連続的に変化させて定める(
図2参照)。
このとき、照射半角度αの光が出射されるような第1の方向(X軸方向)の曲率半径Rxzが得られるように、必要に応じて、曲率半径Ryzを調整する。
【0041】
次に、フライアイレンズ10から照射半角度αの光が照射された場合において、出射光の光軸に対して斜めに配置された被照射面32Bの照射領域34Bの両端部Aθ及びBθにおける照度TAθ及びTBθを算出し、両端部での照度の比であるTAθ/TBθを下表に示す。ここでは、照射半角度αが14度(照射開き角度28度)の場合及び26.5度(照射開き角度53度)の場合を示す。
【0043】
照度は単位面積当たりの光の強さなので、照射領域の面積に反比例する。照射半角度αの光は、X軸方向だけでなくY軸方向にも広がるので、照度は辺の長さの二乗に反比例する。実際にフライアイレンズ10のレンズ面2の曲率を定める当たり、照射領域の両端の辺の長さの比が2倍を超える場合、一方の端部4及び他方の端部6での曲率の差が非常に大きくなる。よって、照射領域の両端部での辺の長さの比が2倍以内、つまり両端部での照度の比TAθ/TBθが4倍以内に収まるのが好ましい。
【0044】
上記の表1に示す場合であれば、照射半角度αが14度の場合には、傾斜角度θが50度であっても適用可能であるが、照射半角度αが26.5度の場合には、傾斜角度θが30度を少し上回る程度以内で適用するのが好ましい。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る光学部材では、
図2に示すように、入射光の光軸に直交する仮想平面上の互いに直交する第1の方向(X軸方向)及び第2の方向(Y軸方向)に曲率を有する曲面を有し、光軸方向から見た平面形状が、第1の方向(X軸方向)に略平行な2つの辺及び第2の方向(Y軸方向)に略平行な2つの辺で囲まれた略長方形のレンズ面2を少なくとも1つ備える。そして、レンズ面2の第1の方向(X軸方向)の一方の端部4から他方の端部6へ向かって、第2の方向(Y軸方向)における曲率が連続的に大きくなっている。
【0046】
1つのレンズ面2を有する光学部材もあり得るし、同じ向きに揃えられた複数のレンズ面2がマトリックス状に配置されたフライアイレンズ10の場合もあり得る。
【0047】
何れの場合も、
図4Bに示すように、出射光の光軸に対して斜めに配置された被照射面32Bに光を照射する場合に、被照射面32Bに長方形の均一な照度の照射領域34Bを得ることができる。
【0048】
更に、
図2に示すように、第1の方向(X軸方向)における曲率でスプライン曲線またはベジエ曲線が形成され、一方の端部4において第2の方向(Y軸方向)における曲率で楕円形の曲線の一部が形成され、他方の端部6において第2の方向(Y軸方向)における曲率で円形の曲線の一部が形成されることができる。
【0049】
この場合には、出射光の光軸に対して斜めに配置された被照射面32Bに照射する場合に、被照射面32Bを均一な照度で長方形に照射可能なレンズ面2をシンプルな構成で効率的に形成することができる。
【0050】
図3に示すように、このような光学部材10と、光学部材10へ平行光を入射する光源20と、を備えたる光源装置40においても、被照射面32Bに長方形の均一な照度の照射領域34Bを得ることができる。
【0051】
(本発明の1つの実施形態に係る照射システム)
次に、
図6A及び
図6Bを参照ながら、本発明の1つの実施形態に係る照射システムの説明を行う。
図6Aは、
図3に示す光源装置40を備えた1つの実施形態に係る照射システム50を模式的に示す斜視図である。
図6Bは、
図6Aの矢視C−Cの側面図である。
【0052】
本実施形態に係る照射システム50は、上記の光源装置40と、光源装置40により照射される被照射面32Bを有する壁部である看板30を備えている。光源装置40は、看板30の上側に取り付けられ、斜め上方から看板30の被照射面32Bを照らすようになっている。
【0053】
更に詳細に述べれば、
図6Bに示すように、看板30の被照射面32Bが、光源装置40の出射光と直交する平面に対して角度θだけ傾斜して配置されている。光源装置40に備えられたフライアイレンズのレンズ面において、
図2に示すような第1の方向(X軸方向)における一方の端部4及び他方の端部6を考えると、一方の端部4側の被照射面32Bが光源装置40に近く、他方の端部6側が光源装置40から遠くなるように、光源装置40が看板30に取り付けられている。
これにより、
図6Aに示すように、看板30の被照射面32Bに長方形の均一な照度の照射領域34Bを得ることができる。
【0054】
(本発明のその他の実施形態に係る照射システム)
次に、
図7A及び
図7Bを参照ながら、本発明のその他の実施形態に係る照射システムの説明を行う。
図7Aは、
図3に示す光源装置40を備えたその他の実施形態に係る照射システム50を模式的に示す斜視図である。
図7Bは、
図7Aの矢視E−Eの側面図である。
【0055】
本実施形態に係る照射システム50では、上記の光源装置40が道路の側部に設置されたポール60の上部に取り付けられ、斜め上方から道路を照らしている。つまり、本システムは、光源装置40により照射される道路上の被照射面32Bを含む。
【0056】
更に詳細に述べれば、
図7Bに示すように、道路上の被照射面32Bが、光源装置40の出射光と直交する平面に対して、角度θだけ傾斜して配置されている。光源装置40に備えられたフライアイレンズのレンズ面において、
図2に示すような第1の方向(X軸方向)における一方の端部4及び他方の端部6を考えると、一方の端部4側の被照射面32Bが光源装置40に近く、他方の端部6側が光源装置40から遠くなるように、光源装置40がポール60に取り付けられている。
これにより、
図7Aに示すように、道路上の被照射面32Bに長方形の均一な照度の照射領域34Bを得ることができる。
【0057】
本発明の1つの実施形態及びその他の実施形態に係る照射システム何れにおいても、光源装置40の出射光と直交する平面に対して角度θだけ傾斜して配置された被照射面32Bに、長方形の均一な照度の照射領域34Bを得ることができる。
【0058】
ここでは、一例として、看板に斜めから光を当てる照射システムや、道路を斜めから照明する照射システムを示したが、これに限られるものではなく、投影型の表示装置に用いる場合を含め、斜めから被照射面に照射するその他の任意の照射システムが本発明に含まれる。
【0059】
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。