(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有機発光素子は、前記発光層と前記カソードとの間に電子注入層及び電子輸送層からなる群より1または2層以上をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
前記有機発光素子は、前記発光層と前記アノードとの間に正孔注入層、正孔輸送層及び電子遮断層からなる群より1または2層以上をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の有機発光素子。
Cy1及びCy2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して置換もしくは非置換のベンゼン環;または置換もしくは非置換のナフタレン環である、請求項1から6のいずれか一項に記載の有機発光素子。
L1は置換もしくは非置換のフェニレン基;置換もしくは非置換のビフェニレン基;置換もしくは非置換のターフェニレン基;または置換もしくは非置換のクォーターフェニレン基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の有機発光素子。
Ar1及びAr2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のテルフェニル基;置換もしくは非置換のナフチル基;置換もしくは非置換のトリフェニレニル基;置換もしくは非置換のフルオレニル基;または置換もしくは非置換のフェナントレニル基である、請求項1から9のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0014】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0015】
本明細書において、ある部材が他の部材「上に」位置しているという時、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0016】
本明細書の一実施態様による有機発光素子は、化学式1で表される化合物を含む有機物層及び化学式2で表される化合物を含む有機物層を同時に含む。
【0017】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物を含む有機物層は、電子輸送層、電子注入層、または電子輸送と電子注入を同時にする層である。
【0018】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物を含む有機物層は電子輸送層である。
【0019】
本明細書の他の実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物を含む有機物層は電子注入及び電子輸送層である。具体的には、本明細書の一実施態様による有機発光素子において、電子注入層が備えられていない場合には、化学式1で表される化合物を含む有機物層は電子注入と電子輸送層の役割を同時にすることができる。
【0020】
また、本明細書の他の実施態様によれば、前記有機発光素子は、カソードと発光層との間に前記化学式1で表される化合物を含む有機物層のみを含むことができる。他の実施態様において、前記有機発光素子は、カソードと化学式1で表される化合物を含む有機物層との間、または発光層と化学式1で表される化合物を含む有機物層との間に追加の有機物層をさらに含むことができる。
【0021】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式2で表される化合物を含む有機物層は電子遮断層である。
【0022】
従来、電子輸送物質としては、n−タイプ性質を有する有機物質、すなわち、還元し易く、還元時に電気化学的に安定した状態を有する有機物が主に用いられていた。しかし、酸化時に電気化学的に不安定であるということで新しい電子輸送物質の研究が持続してきた。
【0023】
本明細書の一実施態様による前記化学式1で表される化合物は、p−タイプの性質(Cy1及びCy2を含む環状基)とn−タイプの性質(X1〜X3を含む環状基)を同時に有するバイポーラ(bipolar)タイプを有するため、酸化と還元状態でいずれにも安定した状態を有する。よって、エキシトンが形成された時にそれを光に転換する発光効率が高いという効果がある。
【0024】
本明細書の一実施態様による有機発光素子のように、前記p−タイプ及びn−タイプの両性の性質を同時に有する前記化学式1で表される化合物を電子輸送層として用い、前記化学式2で表される化合物を含む有機物層が電子遮断層として用いられる場合には効率の上昇を極大化することができる。
【0025】
これは、前記化学式2で表される化合物を含む有機物層が電子遮断層として用いられる場合、生成されたエキシトンが発光層内に閉じ込められて発光漏れが防止されるため、優れた発光効率を有する有機発光素子を実現できるという効果がある。この時、発光層と隣接した電子輸送層が純粋なn−タイプである時よりp−タイプとn−タイプを全て含むバイポーラタイプである時、漏れる正孔だけでなく、生成されたエキシトンを効果的に発光層内に閉じ込めることができ、エキシトン、すなわち正孔−電子対の化学的攻撃から安定した形態を維持することができるため、効率だけでなく寿命を極大化できるという長所がある。
【0026】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記化学式2で表される化合物を含む有機物層は前記発光層と接して備えられる。この場合、化学式2で表される化合物を含む有機物層の電子遮断層としての効果を極大化することができる。
【0027】
本明細書の一実施態様によれば、前記有機発光素子は、前記発光層と前記カソードとの間に電子注入層及び電子輸送層からなる群より1または2層以上をさらに含む。
【0028】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物を含む有機物層は電子輸送層であり、前記電子輸送層と前記カソードとの間に備えられた電子注入層をさらに含む。
【0029】
本明細書の一実施態様によれば、前記有機発光素子は、前記発光層と前記アノードとの間に正孔注入層、正孔輸送層及び電子遮断層からなる群より1または2以上をさらに含む。
【0030】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記化学式2で表される化合物を含む有機物層は電子遮断層であり、前記電子遮断層とアノードとの間に備えられた正孔輸送層をさらに含む。
【0031】
本明細書において、置換基の例示は下記で説明するが、それらに限定されるものではない。
【0032】
前記「置換」という用語は化合物の炭素原子に結合された水素原子が他の置換基に換わることを意味し、置換される位置は水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば特に限定されず、2以上置換される場合、2以上の置換基は互いに同一であるかまたは異なってもよい。
【0033】
本明細書において、「置換もしくは非置換」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;イミド基;アミド基;ヒドロキシ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;及び置換もしくは非置換の複素環基からなる群より選択された1または2以上の置換基で置換されるか、前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、またはいかなる置換基も有しないことを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」はビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基はアリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換もしくは非置換されることを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」はビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基はアリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。
【0034】
本明細書において、
【化3】
は他の置換基または結合部に結合される部位を意味する。
【0035】
本明細書において、ハロゲン基はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。
【0036】
本明細書において、イミド基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜30であることが好ましい。具体的には下記のような構造の化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【化4】
【0037】
本明細書において、アミド基はアミド基の窒素が水素、炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖もしくは環状鎖のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基で1または2置換されてもよい。具体的には下記構造式の化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【化5】
【0038】
本明細書において、前記アルキル基は直鎖もしくは分岐鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1〜30であることが好ましい。具体的な例としてはメチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
本明細書において、シクロアルキル基は特に限定されないが、炭素数3〜30であることが好ましく、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本明細書において、前記アルコキシ基は直鎖、分岐鎖もしくは環状鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜30であることが好ましい。具体的にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、i−プロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、ベンジルオキシ、p−メチルベンジルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
本明細書において、前記アルケニル基は直鎖もしくは分岐鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2〜30であることが好ましい。具体的な例としてはビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,3−ブダジエニル、アリル、1−フェニルビニル−1−イル、2−フェニルビニル−1−イル、2,2−ジフェニルビニル−1−イル、2−フェニル−2−(ナフチル−1−イル)ビニル−1−イル、2,2−ビス(ジフェニル−1−イル)ビニル−1−イル、スチルベニル基、スチレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
本明細書において、アミン基は−NH
2;アルキルアミン基;アラルキルアミン基;アリールアミン基;及びヘテロアリールアミン基からなる群より選択され、炭素数は特に限定されないが、1〜30であることが好ましい。アミン基の具体的な例としてはメチルアミン基、ジメチルアミン基、エチルアミン基、ジエチルアミン基、フェニルアミン基、ナフチルアミン基、ビフェニルアミン基、アントラセニルアミン基、9−メチル−アントラセニルアミン基、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、トリフェニルアミン基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
前記アリール基が単環式アリール基である場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6〜25であることが好ましい。具体的には、単環式アリール基としてはフェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
前記アリール基が多環式アリール基である場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数10〜24であることが好ましい。具体的には、多環式アリール基としてはナフチル基、トリフェニレニル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
本明細書において、前記フルオレニル基は置換されてもよく、隣接した置換基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0046】
前記フルオレニル基が置換される場合、
【化6】
および
【化7】
等であってもよい。但し、これらに限定されるものではない。
【0047】
本明細書において、複素環基は炭素でない原子、ヘテロ原子を1以上含むものであり、具体的に、前記ヘテロ原子はO、N、Se及びS等からなる群より選択される原子を1以上含むことができる。炭素数は特に限定されないが、炭素数2〜60であることが好ましい。複素環基の例としてはチオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン(phenanthroline)基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェノチアジニル基及びジベンゾフラニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
前記複素環基は単環もしくは多環であってもよく、芳香族、脂肪族、または芳香族と脂肪族の縮合環であってもよい。
【0049】
本明細書において、前記ヘテロアリール基は前述した複素環基の例示の中から選択されることができる。
【0050】
本明細書において、アリーレン基はアリール基に結合位置が2個あるもの、すなわち、2価基を意味する。これらは各々2価基であることを除いては、前述したアリール基の説明が適用されることができる。
【0051】
本明細書において、芳香族環は単環もしくは多環であってもよく、1価ではないことを除いては、前記アリール基の例示の中から選択されることができる。
【0052】
本明細書において、複素環は脂肪族環または芳香族環であってもよく、前記脂肪族または芳香族環のうち少なくとも一つの炭素原子がN、O、またはS原子で置換されたものを意味し、単環もしくは多環であってもよく、1価ではないことを除いては、前記ヘテロアリール基の例示の中から選択されることができる。
【0053】
本明細書において、「隣接した」基は、該当置換基が置換された原子と直接連結された原子に置換された置換基、該当置換基と立体構造的に最も近く位置した置換基、または該当置換基が置換された原子に置換された他の置換基を意味することができる。例えば、ベンゼン環においてオルト(ortho)位置に置換された2個の置換基及び脂肪族環において同一炭素に置換された2個の置換基は互いに「隣接した」基として解釈されることができる。
【0054】
本明細書において、隣接する基が互いに結合して芳香族環を形成するということは、隣接する置換基が結合を形成して、5員〜8員の単環もしくは多環の芳香族環を形成することを意味し、前記芳香族環は、前記アリール基の例示の中から選択されることができる。具体的には、本明細書の一実施態様によれば、隣接する基が互いに結合して、ジヒドロアクリジン構造を形成することができる。本明細書において、隣接する基が互いに結合して形成された環は単環もしくは多環であってもよく、炭化水素環または複素環を形成してもよい。前記炭化水素環は脂肪族、芳香族、または脂肪族と芳香族の縮合環であってもよく、1価基ではないことを除いては、前記シクロアルキル基またはアリール基の例示の中から選択されることができる。前記複素環は脂肪族、芳香族、または脂肪族と芳香族の縮合環であってもよく、1価基ではないことを除いては、前記複素環基の例示の中から選択されることができる。
【0055】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1において、前記X1〜X3のうち少なくとも一つはNである。
【0056】
本明細書の一実施態様において、X1はNであり、X2及びX3はCHであってもよい。
【0057】
本明細書の一実施態様において、X2はNであり、X1及びX3はCHであってもよい。
【0058】
本明細書の一実施態様において、X3はNであり、X1及びX2はCHであってもよい。
【0059】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記X1〜X3のうち少なくとも二つはNである。
【0060】
本明細書の一実施態様において、X1及びX2はNであってもよい。この場合、X3はCHである。
【0061】
本明細書の一実施態様において、X1及びX3はNであってもよい。この場合、X2はCHである。
【0062】
本明細書の一実施態様において、X2及びX3はNであってもよい。この場合、X1はCHである。
【0063】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記X1〜X3はNである。
【0064】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1において、前記Cy1及びCy2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して置換もしくは非置換の炭素数6〜20の単環もしくは多環の芳香族環;または置換もしくは非置換の炭素数2〜20の単環もしくは多環の複素環である。
【0065】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Cy1及びCy2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して置換もしくは非置換の炭素数6〜10の単環もしくは多環の芳香族環;または置換もしくは非置換の炭素数2〜10の単環もしくは多環の複素環である。
【0066】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Cy1及びCy2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して置換もしくは非置換のベンゼン環;または置換もしくは非置換のナフタレン環である。
【0067】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Cy1及びCy2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立してベンゼン環;またはナフタレン環である。
【0068】
本明細書の一実施態様によれば、前記Cy1及びCy2のうち少なくとも一つは置換もしくは非置換のベンゼン環である。
【0069】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物は下記化学式1−1〜1−4のうちいずれか一つで表される。
[化学式1−1]
【化8】
[化学式1−2]
【化9】
[化学式1−3]
【化10】
[化学式1−4]
【化11】
前記化学式1−1〜1−4において、
X1〜X3、L1、m、Ar1及びAr2は化学式1で定義したものと同様であり、
Z1は重水素であり、
p'は0〜8の整数であり、
pは0〜10の整数である。
【0070】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1は下記化学式1−5で表される。
[化学式1−5]
【化12】
前記化学式1−5において、Cy1、Cy2、L1、m、Ar1及びAr2は前述した一実施態様による化学式1における定義と同様である。
【0071】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1において、前記L1は置換もしくは非置換の炭素数6〜30の単環もしくは多環のアリーレン基である。
【0072】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1において、前記L1は置換もしくは非置換の炭素数6〜30の単環のアリーレン基である。この場合、Cy1及びCy2を含む構造とX1〜X3を含む構造間の相互作用を助けることになって、バイポーラタイプを安定に助けることができる。
【0073】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記L1は置換もしくは非置換の炭素数6〜24の単環のアリーレン基である。
【0074】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記L1は置換もしくは非置換のフェニレン基;または置換もしくは非置換のビフェニレン基である。
【0075】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記L1は置換もしくは非置換のフェニレン基;置換もしくは非置換のビフェニレン基;置換もしくは非置換のターフェニレン基;または置換もしくは非置換のクォーターフェニレン基である。
【0076】
本明細書の一実施態様によれば、前記mは1である。
【0077】
他の実施態様によれば、前記mは2である。
【0078】
また一つの実施態様によれば、前記mは3である。
【0079】
また他の実施態様によれば、前記mは4である。
【0080】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記L1はフェニレン基;ビフェニレン基;ターフェニレン基;またはクォーターフェニレン基である。
【0081】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、L1はフェニレン基;またはビフェニレン基で、前記mは1または2であり、前記mが2である場合、L1は互いに同一であるかまたは異なる。
【0082】
本明細書の一実施態様において、前記(L1)
mは下記化学式3で表される。
[化学式3]
【化13】
化学式3において、
前記Rは置換基であり、
aは1〜4の整数であり、
aが2〜4の整数である場合、2〜4のRは互いに同一であるかまたは異なり、
mは1〜4の整数であり、
mが2〜4の整数である場合、2〜4の括弧内の構造は互いに同一であるかまたは異なる。
【0083】
前記置換基Rは前述した置換基の例示の中から選択されることができる。
【0084】
本明細書の一実施態様により、前記(L1)
mが前記化学式3である場合、Cy1及びCy2を含む環とX1〜X3を含む環を直線型(linear)に連結させ、p−タイプとnタイプを構造的に連結させて相互作用を高めて、バイポーラタイプとして安定に作用することができる。
【0085】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物は下記化学式1−6〜1−9のうちいずれか一つで表される。
[化学式1−6]
【化14】
[化学式1−7]
【化15】
[化学式1−8]
【化16】
[化学式1−9]
【化17】
前記化学式1−6〜1−9において、
X1〜X3は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立してNまたはCHであり、
X1〜X3のうち少なくとも一つはNであり、
Ar5及びAr6は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6〜30の単環もしくは多環のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2〜30の単環もしくは多環のヘテロアリール基であるか、フェニル基と結合して環を形成し、
Rは置換基であり、
aは1〜4の整数であり、
aが2〜4の整数である場合、2〜4のRは互いに同一であるかまたは異なり、
mは1〜4の整数であり、
mが2〜4の整数である場合、2〜4の括弧内の構造は互いに同一であるかまたは異なる。
【0086】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar5及びAr6は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6〜20の単環もしくは多環のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2〜20の単環もしくは多環のヘテロアリール基であるか、フェニル基と結合して環を形成する。
【0087】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar5及びAr6は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6〜10の単環もしくは多環のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2〜10の単環もしくは多環のヘテロアリール基であるか、フェニル基と結合して環を形成する。
【0088】
前記フェニル基と結合して環を形成するということはフェニル基とAr5またはAr6が互いに結合して縮合環を形成することを意味し、この場合、X1〜X3を含む構造は多環の環で置換されてもよい。本明細書において、前記環は脂肪族炭化水素環、芳香族炭化水素環、脂肪族複素環及び芳香族複素環等であってもよい。
【0089】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar5及びAr6は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して、水素;置換もしくは非置換のメチル基;置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;または置換もしくは非置換のナフチル基であるか、フェニル基と結合して、置換もしくは非置換のナフタレン環、置換もしくは非置換のトリフェニレン環、置換もしくは非置換のフルオレン環;または置換もしくは非置換のフェナントレン環を形成する。
【0090】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar5及びAr6は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立してメチル基;トリフェニルメチル基;フェニル基;ナフチル基;またはビフェニル基であるか、フェニル基と結合して、ナフタレン環;トリフェニレン環;フェニル基で置換されたフルオレン環;またはフェナントレン環を形成する。
【0091】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1において、前記Ar1及びAr2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して置換もしくは非置換の炭素数6〜20の単環もしくは多環のアリール基;及び置換もしくは非置換の炭素数2〜20の単環もしくは多環のヘテロアリール基からなる群より選択される。
【0092】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar1及びAr2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のテルフェニル基;置換もしくは非置換のナフチル基;置換もしくは非置換のトリフェニレニル基;置換もしくは非置換のフルオレニル基;または置換もしくは非置換のフェナントレニル基である。
【0093】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar1及びAr2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立してフェニル基;ビフェニル基;テルフェニル基;ナフチル基;トリフェニレニル基;フルオレニル基;またはフェナントレニル基であり、
前記フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基及びフェナントレニル基は、置換もしくは非置換のアルキル基及び置換もしくは非置換のアリール基からなる群より選択される1または2以上の置換基で置換もしくは非置換される。
【0094】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar1及びAr2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立してフェニル基;メチル基で置換されたフェニル基;トリフェニルメチル基で置換されたフェニル基;ナフチル基で置換されたフェニル基;フェニル基で置換されたフェニル基;テルフェニル基で置換されたフェニル基;ビフェニル基;フェニル基で置換されたビフェニル基;ナフチル基;トリフェニレニル基;フェニル基で置換されたフルオレニル基;及びフェナントレニル基からなる群より選択される。
【0095】
本明細書の一実施態様によれば、前記Ar1及びAr2は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して下記置換基のうちいずれか一つである。
【化18】
前記
【化3】
は化学式1中のX1〜X3を含む環と連結される部位である。
【0096】
本明細書の一実施態様によれば、前記p'は0である。
【0097】
一実施態様によれば、前記pは0である。
【0098】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物は下記化合物のうちいずれか一つで表される。
【0099】
一実施態様によれば、前記化学式1−1で表される化合物は、下記表1から表6に示される下記化学式1−1−1〜1−1−37のうちいずれか一つで表される。
【0100】
また一つの実施態様によれば、前記化学式1−2で表される化合物は、下記表7に示される下記化学式1−2−1〜1−2−8のうちいずれか一つで表される。
【0101】
また一つの実施態様によれば、前記化学式1−3で表される化合物は、下記表8に示される下記化学式1−3−1〜1−3−8のうちいずれか一つで表される。
【0102】
また他の実施態様によれば、前記化学式1−4で表される化合物は、下記表9に示される下記化学式1−4−1〜1−4−8のうちいずれか一つで表される。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0103】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式2において、Ar3及びAr4は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して、置換もしくは非置換の炭素数6〜25の単環もしくは多環のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2〜25の単環もしくは多環のヘテロアリール基であるか、互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成する。
【0104】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar3及びAr4は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立して置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のフルオレニル基;置換もしくは非置換のスピロビフルオレニル基;または置換もしくは非置換のジベンゾフラン基であるか、互いに結合して置換もしくは非置換のジヒドロアクリジン構造を形成する。
【0105】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar3及びAr4は互いに同一であるかまたは異なり、各々独立してフェニル基;ビフェニル基;スピロビフルオレニル基;フェニル基で置換されたフェニル基;メチル基で置換されたフルオレニル基;またはジベンゾフラン基であるか、互いに結合してフェニル基及びアルキル基からなる群より選択される置換基で置換されたジヒドロアクリジン構造を形成する。
【0106】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式2において、Ar3及びAr4は互いに結合して置換もしくは非置換の9,10−ジヒドロアクリジンを形成することができる。
【0107】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記Ar3及びAr4は互いに結合してメチル基で置換された9,10−ジヒドロアクリジン;またはフェニル基及びメチル基で置換された9,10−ジヒドロアクリジンを形成することができる。
【0108】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式2において、L2は置換もしくは非置換の炭素数6〜20の単環もしくは多環のアリーレン基である。
【0109】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記L2は置換もしくは非置換の炭素数6〜15の単環もしくは多環のアリーレン基である。
【0110】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記L2は置換もしくは非置換のフェニレン基である。
【0111】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記L2は置換もしくは非置換のフェニレン基であり、前記nは0または1である。
【0112】
本明細書の一実施態様によれば、L2は置換もしくは非置換のフェニレン基であるか、nが0である。
【0113】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記L2はフェニレン基である。
【0114】
本明細書の他の実施態様によれば、前記(L2)
nは直接結合;または置換もしくは非置換のフェニレン基である。また一つの実施態様によれば、(L2)
nは直接結合;またはフェニレン基である。
【0115】
本明細書の一実施態様によれば、化学式2中の
【化19】
は下記構造のうちいずれか一つである。
【化20】
本明細書において、前記
【化3】
は化学式2で(L2)
nと結合する部位を意味する。
【0116】
本明細書の一実施態様において、化学式2中の
【化21】
は化学式2中下記スピロビフルオレン構造のR4aに連結される。
また他の実施態様において、化学式2中の
【化21】
は化学式2中下記スピロビフルオレン構造のR4bに連結される。
また他の実施態様において、化学式2中の
【化21】
は化学式2中下記スピロビフルオレン構造のR4cに連結される。
また他の実施態様において、化学式2中の
【化21】
は化学式2中下記スピロビフルオレン構造のR4dに連結される。
【化22】
【0117】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式2で表される化合物は、下記表10から表14に示される下記化学式2−1〜2−45のいずれか一つで表される。
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【0118】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物を含む有機物層は電子輸送層であり、前記化学式1で表される化合物は前記化学式1−1−19で表され、前記化学式2で表される化合物を含む有機物層は電子遮断層である。
【0119】
一実施態様において、前記化学式2で表される化合物を含む有機物層は電子遮断層であり、前記化学式2で表される化合物は前記化学式2−16で表される。また他の実施態様において、前記化学式2で表される化合物を含む有機物層は電子遮断層であり、前記化学式2で表される化合物は前記化学式2−18で表される。
【0120】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物を含む有機物層はn型ドーパントをさらに含むことができる。
【0121】
本明細書の一実施態様において、前記n型ドーパントは、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、またはアルカリ土類金属化合物またはこれらの組み合わせを含む。
【0122】
また一つの実施態様において、前記n型ドーパントはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Nd、Sm、Eu、Tb、Yb、LiF、Li
2O、CsFまたは下記の化合物からなる群より1または2以上選択されることができるが、これらに限定されるものではない。
【化23】
【0123】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物とn型ドーパントは9:1〜1:9の重量比で有機発光素子に積層されることができる。
【0124】
一実施態様において、前記化学式1で表される化合物とn型ドーパントは1:1の重量比で有機発光素子に積層されることができる。
【0125】
本明細書の有機発光素子は、電子輸送層及び電子遮断層を含むことを除いては、当技術分野で周知の材料と方法により製造されることができる。
【0126】
例えば、本明細書の有機発光素子は、基板上にアノード、有機物層及びカソードを順次積層させることによって製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸着法(e−beam evaporation)のようなPVD(physical Vapor Deposition)方法を利用して、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着してアノードを形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含む有機物層を形成した後、その上にカソードとして使用できる物質を蒸着することによって製造されることができる。このような方法の他にも、基板上にカソード物質から有機物層、アノード物質を順に蒸着して有機発光素子を作ることができる。このような方法の他にも、基板上にアノード物質から有機物層、カソード物質を順に蒸着して有機発光素子を作ることができる。
【0127】
本明細書の有機発光素子の有機物層は1層以上の有機物層が積層された多層構造からなってもよい。
【0128】
本明細書の一実施態様において、前記有機発光素子は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電子遮断層及び正孔遮断層からなる群より選択される1層または2層以上をさらに含むことができる。
【0129】
例えば、本明細書の有機発光素子の構造は
図1または2に示すような構造を有することができるが、これらのみに限定されるのではない。
【0130】
図1には、基板101上にアノード201、正孔輸送層301、電子遮断層401、発光層501、電子輸送層601及びカソード701が順次積層された有機発光素子の構造が例示されている。
図1は本明細書の実施態様による例示的な構造であり、他の有機物層をさらに含むことができる。
図1において、前記電子遮断層401には化学式2で表される化合物が含まれ、前記電子輸送層601には前記化学式1で表される化合物が含まれる。
【0131】
図2には、基板101上にアノード201、正孔輸送層301、電子遮断層401、発光層501、電子輸送層601、電子注入層801及びカソード701が順次積層された有機発光素子の構造が例示されている。
図2において、前記電子遮断層401には前記化学式2で表される化合物が含まれ、前記電子輸送層601には前記化学式1で表される化合物が含まれてもよい。また、前記電子遮断層401には前記化学式2で表される化合物が含まれ、前記電子注入層801には前記化学式1で表される化合物が含まれてもよい。また、前記電子遮断層401には化学式2で表される化合物が含まれ、前記電子輸送層601及び前記電子注入層801には前記化学式1で表される化合物が含まれてもよい。
【0132】
図1及び
図2は本明細書の実施態様による例示的な構造であり、他の有機物層をさらに含むことができる。
【0133】
前記有機発光素子が複数の有機物層を含む場合、前記有機物層は同一の物質または異なる物質からなってもよい。
【0134】
前記アノード物質としては、通常、有機物層への正孔注入が円滑になるように仕事関数の大きい物質が好ましい。本発明で使用できる陽極物質の具体的な例としてはバナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSNO
2:Sbのような金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロール及びポリアニリンのような導電性高分子等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0135】
前記カソード物質としては、通常、有機物層への電子注入が容易とように仕事関数の小さい物質が好ましい。陰極物質の具体的な例としてはマグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ及び鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO
2/Alのような多層構造の物質等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0136】
前記正孔注入層は電極から正孔を注入する層であり、正孔注入物質としては、正孔を輸送する能力を有して陽極での正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層から生成された励起子の電子注入層または電子注入材料への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が陽極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノン及びポリアニリンとポリチオフェン系の導電性高分子等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0137】
前記正孔輸送層は正孔注入層から正孔を受け取って発光層にまで正孔を輸送する層であり、正孔輸送物質としては、陽極や正孔注入層から正孔の輸送を受けて発光層に移せる物質であって、正孔に対する移動性の大きい物質が好ましい。具体的な例としてはアリールアミン系の有機物、導電性高分子、及び共役部分と非共役部分が共に存在するブロック共重合体等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0138】
前記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子の輸送を各々受けて結合させることによって可視光線領域の光を出せる物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。具体的な例としては8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq
3);カルバゾール系化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾール及びベンズイミダゾール系の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレン等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0139】
前記発光層はホスト材料及びドーパント材料を含むことができる。ホスト材料は縮合芳香族環誘導体または複素環含有化合物等がある。具体的には、縮合芳香族環誘導体としてはアントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物等が挙げられ、複素環含有化合物としてはカルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ラダー型フラン化合物、ピリミジン誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0140】
ドーパント材料としては有機化合物、金属または金属化合物がある。
【0141】
ドーパント材料としての有機化合物としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物等が挙げられる。具体的には、芳香族アミン誘導体としては、置換もしくは非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体であって、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテン等が挙げられ、スチリルアミン化合物としては、置換もしくは非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物であって、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリールアミノ基からなる群より1または2以上選択される置換基が置換もしくは非置換される。具体的には、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、金属または金属化合物としては一般的な金属または金属化合物を用いることができ、具体的には金属錯体を用いることができる。前記金属錯体としてはイリジウム錯体、白金錯体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0142】
前記電子注入層は電極から電子を注入する層であり、電子を輸送する能力を有し、陰極からの電子注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層から生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フルオレニリデンメタン、アントロン等とそれらの誘導体、金属錯体化合物及び含窒素5員環誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0143】
前記金属錯体化合物としては8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0144】
前記正孔遮断層は正孔の陰極到達を阻止する層であり、一般に正孔注入層と同様の条件で形成されることができる。具体的には、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、BCP、アルミニウム錯体(aluminum complex)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0145】
本明細書に係る有機発光素子は、用いられる材料に応じて前面発光型、背面発光型または両面発光型であってもよい。
【0146】
また、本明細書に係る有機発光素子は、下部電極がアノードであり、上部電極がカソードであるノーマル構造(normal type)であってもよく、下部電極がカソードであり、上部電極がアノードである逆構造(inverted type)であってもよい。
【0147】
本明細書の一実施態様による構造は、有機太陽電池、有機感光体、有機トランジスタ等をはじめとする有機電子素子においても有機発光素子に適用されるものと類似した原理で作用することができる。
【実施例】
【0148】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明することにする。但し、本明細書による実施例は色々な他の形態に変形できるものであって、本明細書の範囲が下記に記述する実施例に限定されるものではない。本明細書の実施例は当業界で平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0149】
<実施例>
<実施例1>有機発光素子の製造
ITO(indium tin oxide)が1,000Å厚さで薄膜コーティングされたガラス基板(corning 7059 glass)を洗剤を溶かした蒸留水に入れて超音波で洗浄した。この時、洗剤としてはFischer社製のものを用い、蒸留水としてはMillipore社製のフィルタ(Filter)で2次濾過された蒸留水を用いた。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間行った。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノール等の溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後にプラズマ洗浄機に移送した。また、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間乾式洗浄した後に真空蒸着機に基板を移送した。
【0150】
上記のように準備したITO透明電極上に下記化学式の化合物であるヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrilehexaazatriphenylene:以下、HATという)を100Å厚さで熱真空蒸着して薄膜を形成した。この薄膜によって基板と正孔注入層間の界面特性を向上させることができる。次に、前記薄膜上に化学式HT−1の化合物を800Å厚さで蒸着して正孔輸送層を形成し、その上に前記化学式2−16の化合物を200Å厚さで蒸着して電子遮断層を形成した。
【0151】
次に、化学式PH−1の化合物に化学式PD−1の化合物を10重量%ドーピングして厚さ300Åの発光層を形成した。前記発光層上に前記化学式1−1−1の電子輸送層物質とリチウムキノレート(LiQ、Lithium Quinolate)を1:1の重量比で真空蒸着して300Å厚さで電子注入及び輸送層を形成した。前記電子輸送層上に12Å厚さのフッ化リチウム(LiF)と2,000Å厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成した。
【0152】
前記過程で有機物の蒸着速度は0.3〜0.8Å/secに維持した。また、陰極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは1.5〜2.5Å/secの蒸着速度を維持した。蒸着時の真空度は1〜3×10
−7に維持した。
[HAT]
【化24】
[LiQ]
【化25】
[HT−1]
【化26】
[PH−1]
【化27】
[PD−1]
【化28】
【0153】
<実施例2>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式2−16の代わりに化学式2−3を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0154】
<実施例3>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式2−16の代わりに化学式2−18を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0155】
<実施例4>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式2−16の代わりに化学式2−4を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0156】
<実施例5>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−26を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0157】
<実施例6>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−26を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0158】
<実施例7>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−26を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0159】
<実施例8>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−26を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0160】
<実施例9>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−27を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0161】
<実施例10>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−27を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0162】
<実施例11>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−27を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0163】
<実施例12>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−27を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0164】
<実施例13>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−14を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0165】
<実施例14>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−14を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0166】
<実施例15>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−14を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0167】
<実施例16>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−14を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0168】
<実施例17>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−19を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0169】
<実施例18>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−19を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0170】
<実施例19>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−19を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0171】
<実施例20>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−1−19を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0172】
<実施例21>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−4−4を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0173】
<実施例22>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−4−4を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0174】
<実施例23>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−4−4を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0175】
<実施例24>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに化学式1−4−4を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0176】
<比較例1>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−1]
【化29】
【0177】
<比較例2>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−1を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0178】
<比較例3>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−1を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0179】
<比較例4>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−1を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0180】
<比較例5>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−2を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−2]
【化30】
【0181】
<比較例6>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−2を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0182】
<比較例7>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−2を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0183】
<比較例8>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−2を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0184】
<比較例9>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−3を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−3]
【化31】
【0185】
<比較例10>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−3を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0186】
<比較例11>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−3を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0187】
<比較例12>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−3を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0188】
<比較例13>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−4を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−4]
【化32】
【0189】
<比較例14>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−4を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0190】
<比較例15>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−4を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0191】
<比較例16>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−4を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0192】
<比較例17>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−5を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−5]
【化33】
【0193】
<比較例18>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−5を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0194】
<比較例19>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−5を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0195】
<比較例20>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−5を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0196】
<比較例21>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−6を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−6]
【化34】
【0197】
<比較例22>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−6を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0198】
<比較例23>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−6を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0199】
<比較例24>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−6を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0200】
<比較例25>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式2−16の代わりに下記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[EB−1]
【化35】
【0201】
<比較例26>有機発光素子の製造
前記実施例5において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例5と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0202】
<比較例27>有機発光素子の製造
前記実施例9において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例9と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0203】
<比較例28>有機発光素子の製造
前記実施例13において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例13と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0204】
<比較例29>有機発光素子の製造
前記実施例17において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例17と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0205】
<比較例30>有機発光素子の製造
前記実施例21において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例21と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0206】
<比較例31>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式2−16の代わりに下記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[EB−2]
【化36】
【0207】
<比較例32>有機発光素子の製造
前記実施例5において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例5と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0208】
<比較例33>有機発光素子の製造
前記実施例9において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例9と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0209】
<比較例34>有機発光素子の製造
前記実施例13において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例13と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0210】
<比較例35>有機発光素子の製造
前記実施例17において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例17と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0211】
<比較例36>有機発光素子の製造
前記実施例21において前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例21と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0212】
<比較例37>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−1の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0213】
<比較例38>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−1の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0214】
<比較例39>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−2の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0215】
<比較例40>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−2の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0216】
<比較例41>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−3の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0217】
<比較例42>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−3の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0218】
<比較例43>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−4の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0219】
<比較例44>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−4の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0220】
<比較例45>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−5の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0221】
<比較例46>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−5の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0222】
<比較例47>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−6の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0223】
<比較例48>有機発光素子の製造
前記実施例1において、前記化学式1−1−1の代わりに前記ET−6の化合物を用い、前記化学式2−16の代わりに前記化学式EB−2を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0224】
<比較例49>有機発光素子の製造
前記実施例17において、化学式2−16を含む電子遮断層を形成せず、HT−1の化合物を1,400Å厚さで蒸着して正孔輸送層を形成したことを除いては、実施例17と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0225】
<比較例50>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−7を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−7]
【化37】
【0226】
<比較例51>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−7を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0227】
<比較例52>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−7を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0228】
<比較例53>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−7を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0229】
<比較例54>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−8を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−8]
【化38】
【0230】
<比較例55>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−8を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0231】
<比較例56>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−8を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0232】
<比較例57>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−8を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0233】
<比較例58>有機発光素子の製造
前記実施例1において前記化学式1−1−1の代わりに下記化学式ET−9を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を製作した。
[ET−9]
【化39】
【0234】
<比較例59>有機発光素子の製造
前記実施例2において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−9を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0235】
<比較例60>有機発光素子の製造
前記実施例3において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−9を用いたことを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0236】
<比較例61>有機発光素子の製造
前記実施例4において前記化学式1−1−1の代わりに前記化学式ET−9を用いたことを除いては、実施例4と同様の方法により有機発光素子を製作した。
【0237】
前述した方法により製造された有機発光素子を10mA/cm
2の電流密度において駆動電圧と発光効率を測定し、20mA/cm
2の電流密度において初期輝度に対して98%になる時間(LT98)を測定した。その結果を下記の表15から表18に示す。
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【0238】
前記表1から分かるように、本願明細書の一実施態様により化学式1で表される化合物を電子輸送物質として用いた有機発光素子の場合、従来の電子輸送物質を用いた場合より高効率、低駆動電圧及び長寿命を有することを確認することができる。
【0239】
これは、化学式1で表される化合物はp−タイプとn−タイプを全て有するバイポーラタイプであるため、正孔漏れを防止し、発光層内にエキシトンを効果的に閉じ込めることができるためである。