特許第6444207号(P6444207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6444207六方晶単結晶基板の検査方法及び検査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444207
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】六方晶単結晶基板の検査方法及び検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20181217BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G01B11/26 Z
   H01L21/66 L
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-28509(P2015-28509)
(22)【出願日】2015年2月17日
(65)【公開番号】特開2016-151457(P2016-151457A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(72)【発明者】
【氏名】平田 和也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 邦充
(72)【発明者】
【氏名】西野 曜子
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−194352(JP,A)
【文献】 特開2003−307406(JP,A)
【文献】 特開平07−066253(JP,A)
【文献】 特開2000−009663(JP,A)
【文献】 特開2011−203245(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0243326(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
H01L 21/64−21/66
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と該第1の面と反対側の第2の面と、該第1の面から該第2の面に至るc軸と、該c軸に直交するc面とを有し、該第1の面の垂線に対してc軸が傾く方を検出する六方晶単結晶基板の検査方法であって、
六方晶単結晶基板を透過する波長と、所定方向の偏光面を有する直線偏光のレーザービームを発生するレーザービーム発生手段を準備する準備工程と、
六方晶単結晶基板の第1の面をレーザービームの光路に対して垂直に位置付けると共にレーザービームが六方晶単結晶基板を透過するように保持する保持工程と、
該レーザービーム発生手段が発生したレーザービームの偏光面に対してレーザービームの中心を回転中心として六方晶単結晶基板を相対的に回転させる回転工程と、
六方晶単結晶基板を透過したレーザービームを偏光ビームスプリッタによってP偏光とS偏光とに分岐する分岐工程と、
該偏光ビームスプリッタで分岐したP偏光の光量を計測する第1受光素子とS偏光の光量を計測する第2受光素子とを用いて、該第1受光素子と該第2受光素子とが計測した光量の光量比を算出する算出工程と、
該レーザービームの偏光面に対する六方晶単結晶基板の相対的な回転角度と該算出工程によって算出された光量比とを対比して表示し、該第1の面の垂線に対してc軸が傾く方向を検出する傾き検出工程と、
を備えたことを特徴とする六方晶単結晶基板の検査方法。
【請求項2】
該回転工程における六方晶単結晶基板のオリエンテーションフラットを検出するオリエンテーションフラット検出工程を更に備え、
該オリエンテーションフラット検出工程において、オリエンテーションフラットが検出された回転角度と近似する回転角度に表れる光量比のピークの回転角度を持ってc軸が傾く方向とする請求項1記載の六方晶単結晶基板の検査方法。
【請求項3】
第1の面と該第1の面と反対側の第2の面と、該第1の面から該第2の面に至るc軸と、該c軸に直交するc面とを有し、該第1の面の垂線に対してc軸が傾く方向を検出する六方晶単結晶基板の検査装置であって、
六方晶単結晶基板を透過する波長と、所定方向の偏光面を有する直線偏光のレーザービームを発生するレーザービーム発生手段と、
該レーザービーム発生手段が発生したレーザービームの光路に対して六方晶単結晶基板の第1の面を垂直に位置付けると共にレーザービームが六方晶単結晶基板を透過するように保持する保持手段と、
該レーザービーム発生手段が発生したレーザービームの偏光面に対してレーザービームの中心を回転中心として六方晶単結晶基板を相対的に回転させる回転手段と、
六方晶単結晶基板を透過したレーザービームをP偏光とS偏光に分岐する偏光ビームスプリッタと、
該偏光ビームスプリッタで分岐したP偏光の光量を計測する第1受光素子と、
該偏光ビームスプリッタで分岐したS偏光の光量を計測する第2受光素子と、
該第1受光素子と該第2受光素子とが計測した光量の光量比を算出する算出手段と、
該回転手段の作動によってレーザービームの偏光面に対する六方晶単結晶の相対的な回転角度と、該算出手段によって算出された光量比とを対比して表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする六方晶単結晶基板の検査装置。
【請求項4】
六方晶単結晶基板のオリエンテーションフラットを検出する検出手段を更に備え、
該表示手段は、オリエンテーションフラットが検出された回転角度と近似する回転角度に表れる光量比のピークの回転角度を持ってc軸が傾く方向として表示する請求項3記載の六方晶単結晶基板の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiC基板、GaN基板等の六方晶単結晶基板の検査方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーデバイス又はLED、LD等の光デバイスは、SiC、GaN等の六方晶単結晶を素材としたウエーハの表面に機能層が積層され、積層された機能層に格子状に形成された複数の分割予定ラインによって区画されて形成される。
【0003】
デバイスが形成されるウエーハは、一般的にインゴットをワイヤーソーでスライスして生成され、スライスされたウエーハの表裏面を研磨して鏡面に仕上げられる(例えば、特開2000−94221号公報参照)。
【0004】
六方晶単結晶基板は、第1のオリエンテーションフラットと、第1のオリエンテーションフラットに直交する第2のオリエンテーションフラットを有している。例えば、第1のオリエンテーションフラットの長さは第2のオリエンテーションフラットの長さより短く形成されている。
【0005】
六方晶単結晶基板は、上面の垂線に対して第1のオリエンテーションフラット方向にオフ角α傾斜したc軸と、c軸に直交するc面を有している。c面は基板の上面に対してオフ角α傾斜している。一般的に、六方晶単結晶基板では、短い第1のオリエンテーションフラットの伸長方向に直交する方向がc軸の傾斜方向である。
【0006】
c面は六方晶単結晶基板中に基板の分子レベルで無数に設定される。オフ角αは、例えば1°〜6°の範囲で自由に設定して基板が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−94221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、六方晶単結晶基板では、短い第1のオリエンテーションフラットの伸長方向に直交する方向がc軸の傾斜方向となるように基板が製造される。しかし、製造誤差等により、c軸方向の傾斜方向に直交する方向に対してオリエンテーションフラットが±5°程度の誤差を持って製造されることがある。従って、オリエンテーションフラットを基準として加工を行うと所望の加工が施せない場合があるという問題がある。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オフ角が形成された方向、即ちc軸が傾く方向を高精度に検出可能な六方晶単結晶基板の検査方法及び検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明によると、第1の面と該第1の面と反対側の第2の面と、該第1の面から該第2の面に至るc軸と、該c軸に直交するc面とを有し、該第1の面の垂線に対してc軸が傾く方を検出する六方晶単結晶基板の検査方法であって、六方晶単結晶基板を透過する波長と、所定方向の偏光面を有する直線偏光のレーザービームを発生するレーザービーム発生手段を準備する準備工程と、六方晶単結晶基板の第1の面をレーザービームの光路に対して垂直に位置付けると共にレーザービームが六方晶単結晶基板を透過するように保持する保持工程と、該レーザービーム発生手段が発生したレーザービームの偏光面に対してレーザービームの中心を回転中心として六方晶単結晶基板を相対的に回転させる回転工程と、六方晶単結晶基板を透過したレーザービームを偏光ビームスプリッタによってP偏光とS偏光とに分岐する分岐工程と、該偏光ビームスプリッタで分岐したP偏光の光量を計測する第1受光素子とS偏光の光量を計測する第2受光素子とを用いて、該第1受光素子と該第2受光素子とが計測した光量の光量比を算出する算出工程と、該レーザービームの偏光面に対する六方晶単結晶基板の相対的な回転角度と該算出工程によって算出された光量比とを対比して表示し、該第1の面の垂線に対してc軸が傾く方向を検出する傾き検出工程と、を備えたことを特徴とする六方晶単結晶基板の検査方法が提供される。
【0011】
好ましくは、該回転工程における六方晶単結晶基板のオリエンテーションフラットを検出するオリエンテーションフラット検出工程を更に備え、該オリエンテーションフラット検出工程において、オリエンテーションフラットが検出された回転角度と近似する回転角度に表れる光量比のピークの回転角度を持ってc軸が傾く方向とする。
【0012】
請求項3記載の発明によると、第1の面と該第1の面と反対側の第2の面と、該第1の面から該第2の面に至るc軸と、該c軸に直交するc面とを有し、該第1の面の垂線に対してc軸が傾く方向を検出する六方晶単結晶基板の検査装置であって、六方晶単結晶基板を透過する波長と、所定方向の偏光面を有する直線偏光のレーザービームを発生するレーザービーム発生手段と、該レーザービーム発生手段が発生したレーザービームの光路に対して六方晶単結晶基板の第1の面を垂直に位置付けると共にレーザービームが六方晶単結晶基板を透過するように保持する保持手段と、該レーザービーム発生手段が発生したレーザービームの偏光面に対してレーザービームの中心を回転中心として六方晶単結晶基板を相対的に回転させる回転手段と、六方晶単結晶基板を透過したレーザービームをP偏光とS偏光に分岐する偏光ビームスプリッタと、該偏光ビームスプリッタで分岐したP偏光の光量を計測する第1受光素子と、該偏光ビームスプリッタで分岐したS偏光の光量を計測する第2受光素子と、該第1受光素子と該第2受光素子とが計測した光量の光量比を算出する算出手段と、該回転手段の作動によってレーザービームの偏光面に対する六方晶単結晶の相対的な回転角度と該算出手段によって算出された光量比とを対比して表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする六方晶単結晶基板の検査装置が提供される。
【0013】
好ましくは、六方晶単結晶基板のオリエンテーションフラットを検出する検出手段を更に備え、該表示手段は、オリエンテーションフラットが検出された回転角度と近似する回転角度に表れる光量比のピークの回転角度を持ってc軸が傾く方向として表示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、レーザービームに対して垂直に位置付けられた第1の面に対してオフ角を持って傾斜した六方晶単結晶基板のc面がレーザービームの偏光面を屈折させ、相対的な六方晶単結晶基板の回転によって屈折方向が変化することによって、偏光ビームスプリッタによって分岐したP偏光とS偏光との光量比が回転角度に応じてサインカーブのごとく変化し、オリエンテーションフラットの角度位置に1番近いサインカーブの山又は谷の角度位置が第1の面の垂線に対するc軸の傾く方向として検出される。
【0015】
従って、オリエンテーションフラットの角度位置とサインカーブの山又は谷の角度位置とが一致すればオリエンテーションフラットを信じて加工を施すことができ、一致しない場合は、オリエンテーションフラットの角度位置とサインカーブの山又は谷の角度位置との角度差をオリエンテーションフラットの補正値として加工を行なえば、所望の加工を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明実施形態に係る六方晶単結晶基板の検査装置の斜視図である。
図2】六方晶単結晶基板の第1面の垂線とc軸との関係を示す図である。
図3図1に示した検査装置による検査方法を説明する斜視図である。
図4】オリエンテーションフラットの検出方法を説明する平面図である。
図5】回転角度に対するP偏光とS偏光の光量比を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係る六方晶単結晶基板の検査装置10の斜視図が示されている。検査装置10は、ベース12を備えている。
【0018】
ベース12には、保持テーブル14が回転可能に取り付けられている。保持テーブル14は、中央開口部16と環状吸引溝18を有しており、環状吸引溝18には複数の吸引孔20が開口している。吸引孔20は電磁切替弁を介して図示しない吸引源に選択的に接続されている。
【0019】
ベース12にはモータ22が取り付けられており、モータ22の出力軸に固定されたピニオン24が保持テーブル14の下端部に形成されたギア26に噛み合っている。保持テーブル14の外周には回転角度を検出するための目盛28が配設されている。
【0020】
ベース12上に搭載されたロータリーエンコーダ30によって目盛28を読み取ることにより、保持テーブル14の回転角度を検出する。ここで、採用したロータリーエンコーダ30の角度分解能は0.5°であるが、異なる分解能を有するロータリーエンコーダを採用するようにしてもよい。
【0021】
44はオリエンテーションフラット検出器であり、例えば、レーザービームを出射して保持テーブル14に吸引保持された図2に示すような六方晶単結晶基板11のオリエンテーションフラット13又は15からの反射光を検出するレーザー検出器、或いは発生した超音波の反射波を検出する超音波検出器等を採用することができる。
【0022】
32はHe−Neレーザー発振器であり、波長632nmのレーザービームを発振する。本実施形態のHe−Neレーザー発振器は平均出力0.1Wのレーザービームを発振するが、出力はこれに限定されるものではなく、他の出力のレーザービームを発振するHe−Neレーザー発振器を採用するようにしてもよく、He−Neレーザー発振器32に代わって、異なる波長のレーザービームを発振する他のタイプのレーザー発振器を採用するようにしてもよい。
【0023】
He−Neレーザー発振器32と保持テーブル14に保持された六方晶単結晶基板11との間には1/2波長板34が介装されている。本実施形態では、He−Neレーザー発振器32と1/2波長板34とで所定方向の偏光面を有するレーザービームを発生するレーザービーム発生手段を構成する。
【0024】
38は、偏光分離膜36を有する偏光ビームスプリッタであり、偏光分離膜36を透過したP偏光のレーザービームを検出するフォトダイオード等の第1受光素子40と、偏光分離膜36で反射したS偏光のレーザービームを検出するフォトダイオード等の第2受光素子42が配設されている。第1受光素子40及び第2受光素子42の出力は図3に示す演算手段46に入力される。
【0025】
次に、図2を参照して、六方晶単結晶基板11のc軸とオリエンテーションフラット13との関係について説明する。六方晶単結晶基板11は、SiC基板、又はGaN基板から選択されるが、以下の説明はSiC基板11を採用したものとして説明する。
【0026】
SiC基板11は、第1の面(上面)11aと第1の面と反対側の第2の面(裏面)11bを有している。基板11の上面11aは、レーザービームの照射面となるため鏡面に研磨されている。
【0027】
SiC基板11は、第1のオリエンテーションフラット13と、第1のオリエンテーションフラット13に直交する第2のオリエンテーションフラット15を有している。第1のオリエンテーションフラット13の長さは第2のオリエンテーションフラット15の長さより短く形成されている。
【0028】
SiC基板11は、上面11aの垂線17に対して第1のオリエンテーションフラット13方向にオフ角α傾斜したc軸19と、c軸19に直交する図示しないc面を有している。c面はSiC基板11の上面11aに対してオフ角α傾斜している。一般的に、SiC基板11では、短い第1のオリエンテーションフラット13の伸長方向に直交する方向がc軸19の傾斜方向である。
【0029】
c面は基板11中に基板11の分子レベルで無数に設定される。本実施形態では、オフ角αは4°に設定されている。然し、オフ角αは4°に限定されるものではなく、例えば1°〜6°の範囲で自由に設定してSiC基板11を製造することができる。
【0030】
上述したように、c軸19の傾斜方向が第1のオリエンテーションフラット13の伸長方向に直交するように第1のオリエンテーションフラット13及び第2のオリエンテーションフラット15が形成されるが、基板11の製造誤差により、c軸の傾斜方向が第1のオリエンテーションフラット13の伸長方向に厳密に直交するとは限られず、非常に小さな角度、例えば1°〜2°程度直交方向からずれている場合がある。
【0031】
このような場合、第1のオリエンテーションフラット13の伸長方向を基準にして加工を実施すると、所望の加工を施せない場合があるという問題がある。本発明は、第1のオリエンテーションフラット13の伸長方向に対してc軸19が傾くオフ角αの方向を厳密に検査してこの問題を解決しようとするものである。
【0032】
次に、図3を参照して、本発明実施形態に係る検査方法について詳細に説明する。尚、以下の説明では、六方晶単結晶基板11としてSiC基板を採用し、オフ角αがSiC基板11の上面11aの垂線17に対して4°であるものとして説明する。
【0033】
保持テーブル14の吸引孔20を吸引源に接続して、保持テーブル14上に載置したSiC基板11を保持テーブル14で吸引保持する。そして、He−Neレーザー発振器32を作動して、He−Neレーザー発振器32から波長632nm、平均出力0.1Wのレーザービームを発振し、1/2波長板34でその偏光面を回転して、レーザービームをP偏光のレーザービームに変換し、保持テーブル14に保持されているSiC基板11の第1の面(上面)11aに垂直に照射する。
【0034】
レーザービームの照射と同時に、モータ22を駆動して、SiC基板11を保持した保持テーブル14を矢印R1方向に回転する。SiC基板11を透過したレーザービームは偏光ビームスプリッタ(PBS)38で、偏光分離膜36を透過するP偏光レーザービームと、偏光分離膜36で反射されるS偏光レーザービームに分岐される。
【0035】
P偏光レーザービームは第1受光素子40で検出され、S偏光レーザービームは第2受光素子42で検出される。第1受光素子40で検出したP偏光レーザービームの光量は、例えば電圧値に変換されて、演算手段46に入力され、第2受光素子42で検出されたS偏光レーザービームの光量は例えば電圧値に変換されて、演算手段46に入力される。
【0036】
演算手段46では、第2受光素子42で検出したS偏光の光量に対する第1受光素子40で検出したP偏光の光量の割合、即ち(P偏光の光量)/(S偏光の光量)を計算する。そして、計算結果を、図5に示すような、モニター(表示手段)50に表示する。
【0037】
表示手段50に表示された光量比は、c軸19方向の屈折率とc面方向の屈折率が異なるため、サインカーブとなり、SiC基板11を1回転する間に4方向にピークが表れる。即ち、図5に示すように、360°の範囲に4個の山のピークP1〜P4が表れる。
【0038】
一方、SiC基板11を回転している間にオリエンテーションフラット検出器44で第1のオリエンテーションフラット13を検出した際の、回転角度は図5に示すように42.5°であったとする。
【0039】
第1のオリエンテーションフラット13はオフ角αが形成される方向、即ち基板11の上面11aの垂線17に対してc軸19が傾斜する方向に、直交するようにSiC基板11は製造されているため、第1のオリエンテーションフラット13を検出した回転角度42.5°と近似する回転角度に表れる光量比のピークP1の回転角度、本実施形態では44°の回転角度を持ってc軸19が傾く方向と決定する。
【0040】
従って、図4に示すように、第1のオリエンテーションフラット13の垂線21に対するオフ角の方向、即ちc軸19が傾く方向βは42.5°−44°=−1.5°と算出される。よって、第1のオリエンテーションフラット13の垂線21に対して−1.5°を補正値として加工を行なえば、所望の加工を施すことができる。
【0041】
尚、SiC基板11に対してS偏光のレーザービームを照射すると、(P偏光の光量)/(S偏光の光量)はサインカーブの谷に表れる。従って、この場合には、演算手段46で(P偏光の光量)/(S偏光の光量)を演算し、サインカーブの谷の底近傍にc軸の方向が表れるようにする。
【0042】
オフ角αが0の場合には、即ちSiC基板11の上面11aの垂線17とc軸19が一致する場合には、SiC基板11にP偏光のレーザービームを照射した場合、回転角度によらず、(P偏光の光量)/(S偏光の光量)は一定となり、約2となる。
【0043】
上述した実施形態では、SiC基板11を保持した保持テーブル14を回転させながらP偏光のレーザービームを照射する構成としたが、保持テーブル14は回転させずに固定して、1/2波長板34を回転させながらレーザービームを保持テーブル20に保持されたSiC基板11に照射するようにしてもよい。この場合にも、P偏光とS偏光の光量比はサインカーブとなり、サインカーブのピークの回転角度にc軸が表れる。
【符号の説明】
【0044】
10 六方晶単結晶基板の検査装置
11 六方晶単結晶基板(SiC基板)
11a 第1の面(上面)
11b 第2の面(裏面)
13 第1のオリエンテーションフラット
14 保持テーブル
15 第2のオリエンテーションフラット
22 モータ
30 ロータリーエンコーダ
32 He−Neレーザー発振器
34 1/2波長板
38 偏光ビームスプリッタ
40 第1受光素子
42 第2受光素子
44 オリエンテーションフラット検出器
46 演算手段
50 モニター(表示手段)
図1
図2
図3
図4
図5