特許第6445672号(P6445672)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445672
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20181217BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20181217BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01L21/88 J
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-251681(P2017-251681)
(22)【出願日】2017年12月27日
(62)【分割の表示】特願2016-196192(P2016-196192)の分割
【原出願日】2012年5月25日
(65)【公開番号】特開2018-46315(P2018-46315A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2017年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】野村 昭彦
【審査官】 佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/111308(WO,A1)
【文献】 特開平06−349952(JP,A)
【文献】 特開2000−183160(JP,A)
【文献】 特開2001−085434(JP,A)
【文献】 特開2011−054805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/522
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一主面と前記一主面とは反対側の他の主面とを有する半導体基板と、
前記他の主面に第1絶縁層を介して設けられた導電層と、
前記半導体基板と前記第1絶縁層とを貫通する貫通孔の側面に形成された第2絶縁層と、
前記貫通孔から露出される前記導電層と、前記貫通孔内の前記第絶縁層とを被覆するシードメタル層と、
前記シードメタル層の表面と、前記貫通孔内において前記シードメタル層から露出される前記導電層とを被覆する第1の導電めっき層と、
前記第1の導電めっき層上に形成され、かつ、前記一主面上の前記第1の導電めっき層の端部に一致させた端部を有する第2の導電めっき層と、
を備え、
前記導電層は、前記導電層と前記シードメタル層と前記第2絶縁層とが接する部位の近傍に凹部を有する
半導体装置。
【請求項2】
前記他の主面上に形成された半導体素子を更に備え、
前記導電層は前記半導体素子に電気的に接続されている請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の導電めっき層の膜厚は、前記第2の導電めっき層の膜厚よりも薄い請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の導電めっき層は、前記貫通孔底部の角部において前記導電層を被覆している請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の導電めっき層は、前記凹部に侵入している請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記シードメタル層は、前記主面上において前記第2絶縁層を介して形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、シリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)を備える半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン基板等の半導体基板を貫通する貫通孔を介して電極を設ける構造を備える半導体装置やその製造方法が種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−294320号公報
【特許文献2】特開2010−114201号公報
【特許文献3】特開2008−53430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者がTSVを備える半導体装置およびその製造方法を鋭意研究した結果、シリコン基板に設けられた貫通孔に形成したメッキ用のシード層にピンホール等の欠陥が生じ、その欠陥からシリコン基板の表面に設けた電極層に侵食が生じてしまい、それが原因となって、半導体装置の信頼性が低くなってしまうことがあることを見出した。
【0005】
本発明の主な目的は、基板に設けられた貫通電極を備える半導体装置であって、信頼性の高い半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一主面と前記一主面とは反対側の他の主面とを有する半導体基板と、
前記他の主面に第1絶縁層を介して設けられた導電層と、
前記半導体基板と前記第1絶縁層とを貫通する貫通孔の側面に形成された第2絶縁層と、
前記貫通孔から露出される前記導電層と、前記貫通孔内の前記第絶縁層とを被覆するシードメタル層と、
前記シードメタル層の表面と、前記貫通孔内において前記シードメタル層から露出される前記導電層とを被覆する第1の導電めっき層と、
前記第1の導電めっき層上に形成され、かつ、前記一主面上の前記第1の導電めっき層の端部に一致させた端部を有する第2の導電めっき層と、
を備え、
前記導電層は、前記導電層と前記シードメタル層と前記第2絶縁層とが接する部位の近傍に凹部を有する
半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基板に設けられた貫通電極を備える半導体装置であって、信頼性の高い半導体装置およびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1-1】図1−1は、本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図1-2】図1−2は、本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図1-3】図1−3は、本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図1-4】図1−4は、本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図1-5】図1−5は、本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図2図2は、図1−3(F)のA部の部分拡大概略縦断面図である。
図3図3は、図1−3(G)のB部の部分拡大概略縦断面図である。
図4図4は、図3のC部の部分拡大概略縦断面図である。
図5図5は、図1−4(H)のD部の部分拡大概略縦断面図である。
図6-1】図6−1は、本発明の好ましい第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図6-2】図6−2は、本発明の好ましい第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図6-3】図6−3は、本発明の好ましい第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図6-4】図6−4は、本発明の好ましい第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図7図7は、図6−1(C)のE部の部分拡大概略縦断面図である。
図8図8は、図6−2(D)のF部の部分拡大概略縦断面図である。
図9図9は、図6−2(E)のG部の部分拡大概略縦断面図である。
図10図10は、図6−3(F)のH部の部分拡大概略縦断面図である。
図11図11は、図6−3(G)のI部の部分拡大概略縦断面図である。
図12図12は、比較のための半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図13図13は、図12のJ部の部分拡大概略縦断面図である。
図14図14は、比較のための半導体装置の製造方法を説明するための概略縦断面図である。
図15図15は、図14のK部の部分拡大概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1−5(J)を参照すれば、本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体装置1は、半導体シリコン基板10と、酸化シリコン膜12と、TiN膜14と、Al膜16と、貫通孔20と、CVD酸化膜22と、シードメタル層24と、Cuめっき層26と、Cuめっき層30と、ソルダーレジスト32とを備えている。
【0011】
酸化シリコン膜12は、シリコン基板10の主面11上に設けられている。TiN膜14は、酸化シリコン膜12上に設けられている。Al膜16は、TiN膜14上に設けられている。貫通孔20は、シリコン基板10の主面11とは反対側の主面13から主面11までシリコン基板10を貫通し、さらに酸化シリコン膜12およびTiN膜14を貫通し、底部にAl膜16を露出して設けられている。CVD酸化膜22は、貫通孔20の側面21およびシリコン基板10の主面13上に設けられている。シードメタル層24は、貫通孔20内のCVD酸化膜22上および主面13上のCVD酸化膜22上ならびに貫通孔20の底部に露出するAl膜16上に設けられている。Cuめっき層26は、貫通孔20内のシードメタル層24上および主面13上のシードメタル層24上ならびに貫通孔20の底部に設けられたシードメタル層24上に設けられている。Cuめっき層30は、貫通孔20内のCuめっき層26上および主面13上のCuめっき層26上ならびに貫通孔20の底部に設けられたCuめっき層26上に設けられている。ソルダーレジスト32は、シリコン基板10の主面13上のCVD酸化膜22上、主面13上のCuめっき層30上および貫通孔20内のCuめっき層30の開孔31内に設けられている。なお、MOSトランジスタ等の半導体素子等の回路素子(図示せず)は、シリコン基板10の主面11に形成され、酸化シリコン膜12によって覆われている。Al膜16は、半導体装置1を接続するデバイスパッド等として用いられる。
【0012】
次に、図1−1〜1−5、図2〜5を参照して本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体装置1の製造方法を説明する。
【0013】
MOSトランジスタ等の半導体素子等の回路素子(図示せず)を、シリコン基板10の主面11に形成する。
【0014】
図1―1(A)を参照すれば、次に、シリコン基板10の主面11上に酸化シリコン膜12を形成し、酸化シリコン膜12上にTiN膜14を形成し、TiN膜14上にAl膜16を形成する。なお、TiN膜14はAlのマイグレーションを防止するために設けている。
【0015】
図1―1(B)を参照すれば、次に、シリコン基板10の主面11とは反対側の主面13上にレジスト18を形成し、レジスト18に選択的に開孔19を形成する。その後、レジスト18をマスクとしてシリコン基板10をエッチングして、シリコン基板10の主面13から主面11までシリコン基板10を貫通する貫通孔20を形成する。
【0016】
図1―1(C)を参照すれば、次に、さらに酸化シリコン膜12およびTiN膜14をエッチングして、貫通孔20の底部にAl膜16を露出させる。
【0017】
図1―2(D)を参照すれば、次に、貫通孔20の側面21、底部およびシリコン基板10の主面13上に、CVD酸化膜22を形成する。
【0018】
図1―2(E)を参照すれば、次に、CVD酸化膜22をエッチバックして、貫通孔20の底部にAl膜16を露出させる。
【0019】
図1―3(F)を参照すれば、次に、スパッタ法により、貫通孔20内のCVD酸化膜22上および主面13上のCVD酸化膜22上ならびに貫通孔20の底部に露出するAl膜16上に、シードメタル層24を形成する。シードメタル層24は、最初にTiをスパッタし、その後、Cuをスパッタして形成する。
【0020】
図1―3(G)を参照すれば、次に、全面Cuめっきにより、貫通孔20内のシードメタル層24上および主面13上のシードメタル層24上ならびに貫通孔20の底部に設けられたシードメタル層24上に、Cuめっき層26を形成する。Cuめっき層26は無電解めっきまたはシードメタル層24を利用した電解めっきで行う。
【0021】
図1―4(H)を参照すれば、次に、ドライフィルム28を形成し、ドライフィルム28に選択的に開孔29を形成する。開孔29は、貫通孔20を露出し、貫通孔20周辺のCuめっき層26を露出するように形成する。
【0022】
図1―4(I)を参照すれば、次に、ドライフィルム28をマスクとして、貫通孔20内のCuめっき層26上、主面13上であってドライフィルム28の開孔29内のCuめっき層26上ならびに貫通孔20の底部に設けられたCuめっき層26上に、Cuめっき層30を形成する。Cuめっき層30はシードメタル層24およびCuめっき層26を利用した電解めっきで行う。
【0023】
図1―5(J)を参照すれば、次に、ドライフィルム28を除去し、その後、Cuめっき層30に覆われていないCuめっき層26およびシードメタル層24を除去する。その後、ソルダーレジスト32を、シリコン基板10の主面13上のCVD酸化膜22上、主面13上のCuめっき層30上および貫通孔20内のCuめっき層30の開孔31内に形成する。
【0024】
スパッタにより貫通孔20内にシードメタル層24を均一に形成するのは困難であり、貫通孔20の底部の角部では、図2に示すように、未スパッタ部分241が発生する場合がある。本実施の形態では、全面Cuめっきにより、シードメタル層24上に、Cuめっき層26を形成しているので、図3に示すように、全面Cuめっきにより、未スパッタ部分241に蓋をすることができる。Cuめっきは等方成長なので、図4に示すように、未スパッタ部分241は、全面Cuめっきにより埋め込まれる。従って、図5に示すように、ドライフィルム28の現像液34(炭酸ナトリウム混合液)が未スパッタ部分241を介してAl膜16に侵入して、Al膜16を侵食するのを防止できる。なお、埋め込むためのCuめっき層26の膜厚は1.0〜1.5μmが好ましい。
【0025】
これに対して、図12に示すように、全面Cuめっきにより、シードメタル層24上にCuめっき層26を形成せずに、シードメタル層24上にドライフィルム28を形成し、ドライフィルム28に選択的に開孔29を形成すると、図13に示すように、ドライフィルム28の現像液34が未スパッタ部分241を介してAl膜16に侵入して、Al膜16を侵食し、Al空洞部161を形成してしまう。そして、その後、図14に示すように、ドライフィルム28をマスクにしてシードメタル層24上にCuめっき層30を形成し、その後ソルダーレジスト32を形成する。その後の工程の半田ボール形成時のリフロ熱や半導体装置1の実装時の実装リフロ熱、外部応力、熱ストレス等が加わると、図15に示すように、Al空洞部161を起点としてCVD酸化膜22にクラック221が生じ、その結果、リーク不良の可能性が高くなり、信頼性を低下させてしまう。
【0026】
(第2の実施の形態)
図6−4(I)を参照すれば、本発明の好ましい第2の実施の形態の半導体装置2は、半導体シリコン基板10と、酸化シリコン膜12と、TiN膜14と、Al膜16と、貫通孔20と、CVD酸化膜22と、シードメタル層24と、Cuめっき層30と、ソルダーレジスト32とを備えている。
【0027】
第1の実施の形態では、全面Cuめっきにより、シードメタル層24上に、Cuめっき層26を形成して、シードメタル層24の未スパッタ部分241に蓋をすることにより、その後のドライフィルム28の現像液34(炭酸ナトリウム混合液)が未スパッタ部分241を介してAl膜16に侵入して、Al膜16を侵食するのを防止したのに対して、本実施の形態では、シードメタル層24上に、全面CuめっきによりCuめっき層26を形成しない。第1の実施の形態では、酸化シリコン膜12およびTiN膜14をエッチングして、貫通孔20の底部にAl膜16を露出させた(図1―1(C)参照)が、本実施の形態では、酸化シリコン膜12のみを除去し、TiN膜14は除去しない。従って、貫通孔20は、シリコン基板10の主面11とは反対側の主面13から主面11までシリコン基板10を貫通し、さらに酸化シリコン膜12を貫通し、底部にTiN膜14を露出して設けられている。CVD酸化膜22は、貫通孔20の側面21およびシリコン基板10の主面13上に設けられている。シードメタル層24は、貫通孔20内のCVD酸化膜22上および主面13上のCVD酸化膜22上ならびに貫通孔20の底部に露出するTiN膜14上に設けられている。Cuめっき層30は、貫通孔20内のシードメタル層24上および主面13上のシードメタル層24上ならびに貫通孔20の底部に設けられたシードメタル層24上に設けられている。ソルダーレジスト32は、シリコン基板10の主面13上のCVD酸化膜22上、主面13上のCuめっき層30上および貫通孔20内のCuめっき層30の開孔31内に設けられている。なお、酸化シリコン膜12は、シリコン基板10の主面11上に設けられ、TiN膜14は、酸化シリコン膜12上に設けられ、Al膜16は、TiN膜14上に設けられている。MOSトランジスタ等の半導体素子等の回路素子(図示せず)は、シリコン基板10の主面11に形成され、酸化シリコン膜12によって覆われている。
【0028】
次に、図6−1〜6−4、図7〜11を参照して本発明の好ましい第2の実施の形態の半導体装置2の製造方法を説明する。
【0029】
MOSトランジスタ等の半導体素子等の回路素子(図示せず)を、シリコン基板10の主面11に形成する。
【0030】
図6―1(A)を参照すれば、次に、シリコン基板10の主面11上に酸化シリコン膜12を形成し、酸化シリコン膜12上にTiN膜14を形成し、TiN膜14上にAl膜16を形成する。なお、TiN膜14はAlのマイグレーションを防止するために設けている。
【0031】
図6―1(B)を参照すれば、次に、シリコン基板10の主面11とは反対側の主面13上にレジスト18を形成し、レジスト18に選択的に開孔19を形成する。その後、レジスト18をマスクとしてシリコン基板10をエッチングして、シリコン基板10の主面13から主面11までシリコン基板10を貫通する貫通孔20を形成する。
【0032】
図6―1(C)、図7を参照すれば、次に、さらに酸化シリコン膜12をエッチングして、貫通孔20の底部にTiN膜14を露出させる。
【0033】
図6―2(D)、図8を参照すれば、次に、貫通孔20の側面21、底部およびシリコン基板10の主面13上に、CVD酸化膜22を形成する。
【0034】
図6―2(E)、図9を参照すれば、次に、CVD酸化膜22をエッチバックして、貫通孔20の底部にTiN膜14を露出させる。
【0035】
図6―3(F)、図10を参照すれば、次に、スパッタ法により、貫通孔20内のCVD酸化膜22上および主面13上のCVD酸化膜22上ならびに貫通孔20の底部に露出するTiN膜14上に、シードメタル層24を形成する。シードメタル層24は、最初にTiをスパッタし、その後、Cuをスパッタして形成する。
【0036】
図6―3(G)を参照すれば、次に、ドライフィルム28を形成し、ドライフィルム28に選択的に開孔29を形成する。開孔29は、貫通孔20を露出し、貫通孔20周辺のシードメタル層24を露出するように形成する。
【0037】
図6―4(H)を参照すれば、次に、ドライフィルム28をマスクとして、貫通孔20内のシードメタル層24上、主面13上であってドライフィルム28の開孔29内のシードメタル層24上ならびに貫通孔20の底部に設けられたシードメタル層24上に、Cuめっき層30を形成する。Cuめっき層30はシードメタル層24を利用した電解めっきで行う。
【0038】
図6―5(I)を参照すれば、次に、ドライフィルム28を除去し、その後、Cuめっき層30に覆われていないシードメタル層24を除去する。その後、ソルダーレジスト32を、シリコン基板10の主面13上のCVD酸化膜22上、主面13上のCuめっき層30上および貫通孔20内のCuめっき層30の開孔31内に形成する。
【0039】
スパッタにより貫通孔20内にシードメタル層24を均一に形成するのは困難であり、貫通孔20の底部の角部では、図11に示すように、未スパッタ部分242が発生する場合がある。本実施の形態では、TiN膜14を除去せずに残しているので、未スパッタ部分242が発生したとしても、TiN膜14がバリアとなり、ドライフィルム28の現像液34(炭酸ナトリウム混合液)が未スパッタ部分242を介してAl膜16に侵入して、Al膜16を侵食するのを防止できる。
【0040】
なお、本実施の形態のように、TiN膜14を除去せずに残す場合であっても、酸化シリコン膜12をエッチングするが、貫通孔20の底部にTiN膜14を残す際の面内のエッチング特性のばらつきにより、TiN膜14が一部除去されてしまい、ドライフィルム28の現像液34により、未スパッタ部分242とTiN膜14が一部除去されてしまった部分からAl膜16が侵食される可能性もあるので、第1の実施の形態のように、全面Cuめっきにより、シードメタル層24上に、Cuめっき層26を形成することがより好ましい。
【0041】
以上、本発明の種々の典型的な実施の形態を説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態に限定されない。従って、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0042】
10 半導体シリコン基板
12 酸化シリコン膜
14 TiN膜
16 Al膜
20 貫通孔
22 CVD酸化膜
24 シードメタル層
26 Cuめっき層
28 ドライフィルム
30 Cuめっき層
32 ソルダーレジスト
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図1-5】
図2
図3
図4
図5
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図6-4】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15