(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
縦方向と、前記縦方向と交差する横方向と、を有し、
排泄物を吸収する吸収体を備えた吸収性本体と、
前記吸収性本体の一端側に位置する背側胴回り部と、
前記吸収性本体の他端側に位置する腹側胴回り部と、を備える使い捨ておむつであって、
前記吸収体の前記横方向における両側部には、前記吸収体の肌側からのエンボス加工により形成された一対のエンボスラインが設けられており、
前記エンボスラインは、
前記使い捨ておむつの中央部の、前記縦方向における前記使い捨ておむつの真ん中又は該真ん中よりも背側胴回り部側に位置し、前記横方向における内側へ突出した凸頂部と、
前記凸頂部を始点として前記横方向における外側かつ前記縦方向における前記背側胴回り部側へ延びる直線状又は外側へ湾曲した曲線状の背側ラインと、
を備えることを特徴とする使い捨ておむつ。
【0013】
このような使い捨ておむつによれば、股下部に対応する吸収体をすっきりしたカップ形状に形成することを維持しつつ、吸収体で臀部を広く覆うことが可能となる。
【0014】
かかる使い捨ておむつであって、
前記吸収体の前記横方向における側縁であって、前記縦方向において前記凸頂部の位置に対応する位置には、切り欠きが設けられていることが望ましい。
【0015】
このような使い捨ておむつによれば、排泄物を収容する空間をより適切に形成することが可能となる。また、股下部に対応する吸収体を、より適切にすっきりしたカップ形状に形成することが可能となる。
【0016】
かかる使い捨ておむつであって、
前記縦方向において前記凸頂部の位置に対応する位置には、前記横方向に沿った折り目が形成されていることが望ましい。
【0017】
このような使い捨ておむつによれば、排泄物を収容する空間をより適切に形成することが可能となる。
【0018】
かかる使い捨ておむつであって、
前記吸収性本体には、前記縦方向に沿った弾性部材が設けられていることが望ましい。
【0019】
このような使い捨ておむつによれば、排泄物を収容する空間をより一層適切に形成することが可能となる。
【0020】
かかる使い捨ておむつであって、
前記弾性部材は、レッグサイドギャザーに設けられた糸ゴムであり、
前記糸ゴムは、前記凸頂部よりも前記横方向において外側に位置することが望ましい。
【0021】
このような使い捨ておむつによれば、股下部に対応する吸収体を、より適切にすっきりしたカップ形状に形成することが可能となる。
【0022】
かかる使い捨ておむつであって、
前記背側ラインは、前記外側へ湾曲した曲線状のラインであることが望ましい。
【0023】
このような使い捨ておむつによれば、吸収体で臀部をより一層広く覆うことが可能となり、さらには、背側ラインをお尻の形状に沿わせることが可能となる。また、吸収体の臀部への食い込みをより適切に抑えることができ、肌触りの悪化をより確実に防止することが可能となる。
【0024】
かかる使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、パルプと吸収性ポリマーとを有し、
前記吸収体には、第一領域と、該第一領域よりも吸収性ポリマー/パルプ比が小さい第二領域と、が備えられており、
前記第二領域に前記エンボスラインが設けられていることが望ましい。
【0025】
このような使い捨ておむつによれば、股下部に対応する吸収体を、より適切にすっきりしたカップ形状に形成することが可能となる。
【0026】
かかる使い捨ておむつであって、
前記エンボスラインの前記横方向における両側部には、隆起部が設けられていることが望ましい。
【0027】
このような使い捨ておむつによれば、エンボスラインに沿った吸収体の過度な折り曲がりを回避することが可能となる。
【0028】
かかる使い捨ておむつであって、
前記背側ラインの終点は、前記吸収体の前記横方向における側縁に達していることが望ましい。
【0029】
このような使い捨ておむつによれば、吸収体で臀部を広く覆うことが可能となる。
【0030】
かかる使い捨ておむつであって、
前記側縁として、
前記吸収体の前記背側胴回り部と重なった重なり部の側縁と、前記吸収体の前記背側胴回り部と重ならない非重なり部の側縁とが設けられており、
前記終点は、該非重なり部の側縁に達していることが望ましい。
【0031】
このような使い捨ておむつによれば、吸収体で臀部をより広く覆うことが可能となる。
【0032】
かかる使い捨ておむつであって、
前記縦方向において、前記背側胴回り部の前記真ん中に近い側の下端と前記凸頂部との中間部に前記終点が位置していることが望ましい。
【0033】
このような使い捨ておむつによれば、吸収体で臀部をより広く覆いつつ、カップ形状をより適切に形成することが可能となる。
【0034】
かかる使い捨ておむつであって、
前記エンボスラインは、
前記真ん中よりも腹側胴回り部側に、前記凸頂部とは異なる第二凸頂部と、
前記第二凸頂部を始点として前記横方向における外側かつ前記縦方向における前記腹側胴回り部側へ延びる腹側ラインと、を備え、
前記腹側ラインの終点は、前記吸収体の前記横方向における側縁に達しており、
前記側縁として、
前記吸収体の前記腹側胴回り部と重なった重なり部の側縁と、前記吸収体の前記腹側胴回り部と重ならない非重なり部の側縁とが設けられており、
前記終点は、該重なり部の側縁に達していることが望ましい。
【0035】
このような使い捨ておむつによれば、腹部に対応する吸収体をすっきりしたカップ形状に形成することが可能となる。
【0036】
かかる使い捨ておむつであって、
前記エンボスラインは、
前記真ん中よりも腹側胴回り部側に、前記凸頂部とは異なる第二凸頂部と、
前記第二凸頂部を始点として前記横方向における外側かつ前記縦方向における前記腹側胴回り部側へ延びる腹側ラインと、を備え、
前記腹側ラインは、内側へ湾曲した曲線状のラインであることが望ましい。
【0037】
このような使い捨ておむつによれば、吸収体の形状を、脚が動きやすくなる形状に形成することが可能となる。
【0038】
かかる使い捨ておむつであって、
前記エンボスラインは、前記凸頂部と前記第二凸頂部との間に第三凸頂部を備え、
前記吸収体の前記横方向における側縁であって、前記縦方向において前記第二凸頂部の位置に対応する位置と、前記第三凸頂部の位置に対応する位置には、それぞれ切り欠きが設けられていることが望ましい。
【0039】
このような使い捨ておむつによれば、股下部全体に亘って、排泄部を収容する空間をより適切に形成することが可能となる。
【0040】
===本実施の形態に係る使い捨ておむつについて===
図1は、本実施の形態に係る使い捨ておむつ(以下、単に、おむつ1と呼ぶ)の斜視イメージ図である。
図2は、展開状態のおむつ1の平面図である。
図3は、展開状態のおむつ1の概略横断面図である。
【0041】
本実施の形態に係る使い捨ておむつ(以下、単におむつ1とも呼ぶ)は、主に赤ちゃん等の子供を着用対象とした使い捨ておむつである。
【0042】
以下の説明では、おむつ1の縦方向、横方向、厚さ方向のことを、それぞれ単に「縦方向」、「横方向」、「厚さ方向」と言う。なお、厚さ方向に関しては、着用者に接触する側のことを「肌側」と言い、その逆側のことを「非肌側」と言う。また、以下の説明では「横方向」のことを「幅方向」とも呼ぶ。
【0043】
本実施の形態に係るおむつ1は、互いに交差(直交)する三方向として縦方向と横方向と厚さ方向とを有している。また、おむつ1は、所謂3ピースタイプであり、3つの部品を有している。すなわち、このおむつ1は、第1部品として、着用者の股間部にあてがわれ尿等の排泄物を吸収する吸収性本体10を有し、第2部品として、同着用者の背側部を覆う背側胴回り部30を有し、第3部品として、同着用者の腹側部を覆う腹側胴回り部40を有している。
【0044】
図2の展開状態では、背側胴回り部30と腹側胴回り部40とが互いに縦方向に間隔をあけて平行に並んだ状態で、これらの間に吸収性本体10が掛け渡されている。そして、吸収性本体10の一端部10aに背側胴回り部30が、他端部10bに腹側胴回り部40が固定されており、その外観形状は平面視略H形状をなしている。換言すれば、吸収性本体10の一端側に背側胴回り部30が位置し、吸収性本体10の他端側に腹側胴回り部40が位置している。
【0045】
そして、この状態から、吸収性本体10が、その長手方向(つまり、縦方向)におけるおむつ1の真ん中(展開状態のおむつ1の縦方向における一端と他端の真ん中)の位置を折り位置として二つ折りされる(そのため、当該折り位置には、横方向に沿った折り目Fが形成される)。この二つ折りの状態において互いに対向する背側胴回り部30と腹側胴回り部40とが、接合・連結されると、これら胴回り部同士が環状に成形される。つまり、おむつ1は、背側胴回り部30の横方向における両縁部30aと腹側胴回り部40の横方向における両縁部40aが接合されて形成されている。これにより、
図1に示すような胴周り開口1a及び一対の脚周り開口1bが形成された着用状態のおむつ1となる。
【0046】
背側胴回り部30は、着用者の背部に対応するシート状部材である。この背側胴回り部30は、平面視長方形状を有しており、長手方向(長辺方向)が横方向に沿うように設けられている。この背側胴回り部30は、不織布により形成されている。なお、本実施の形態においては、花柄等の不図示のイラストが形成されたイラストシート32が設けられている。背側胴回り部30は、吸収性本体10の一端部10aに重ねられ、接合固定されている。
【0047】
また、背側胴回り部30には、横方向に沿って伸縮する弾性部材(具体的には、糸ゴム。便宜上、背側糸ゴム33と呼ぶ)が複数配置されている。この背側糸ゴム33は、不織布に接合固定されている。そして、このことにより、背側胴回り部30には、横方向の伸縮性が付与され、おむつ1の胴周り開口1aに伸縮性を与えている。
【0048】
腹側胴回り部40は、着用者の腹部に対応するシート状部材である。この腹側胴回り部40は、平面視長方形状を有しており、長手方向(長辺方向)が横方向に沿うように設けられている。この腹側胴回り部40は、不織布により形成されている。なお、本実施の形態においては、花柄等の不図示のイラストが形成されたイラストシート42が設けられている。腹側胴回り部40は、吸収性本体10の他端部10bに重ねられ、接合固定されている。
【0049】
また、腹側胴回り部40には、横方向に沿って伸縮する弾性部材(具体的には、糸ゴム。便宜上、腹側糸ゴム43と呼ぶ)が複数配置されている。この腹側糸ゴム43は、不織布に接合固定されている。そして、このことにより、腹側胴回り部40には、横方向の伸縮性が付与され、おむつ1の胴周り開口1aに伸縮性を与えている。
【0050】
<<<吸収性本体10の構成について>>>
吸収性本体10は、着用者の股間(股下)に対応し、尿等の排泄物を吸収するためのものである。この吸収性本体10は、
図2に示すように、平面視長方形状を有しており、長手方向(長辺方向)が縦方向に沿うように設けられている。
【0051】
吸収性本体10は、吸収体11(以下、吸収性コアとも呼ぶ)と、上層コアラップ22と、下層コアラップ23と、トップシート部材24と、バックシート部材25と、を備えている。
【0052】
吸収体11は、液体吸収性素材を積層してなる部材(吸収性コア)であり、尿等の排泄物を吸収することができる。吸収体11は、パルプ(パルプ繊維)と吸収性ポリマー(SAP)とを有している。本実施の形態に係る吸収体11は、平面視略砂時計形状を備えている。
【0053】
上層コアラップ22と下層コアラップ23は、
図3に示すように、吸収体11を厚み方向における上側(肌側)と下側(非肌側)から挟んで被覆した液透過性シート(不織布)である。上層コアラップ22及び下層コアラップ23は、
図2に示すように、平面視矩形状を有し、吸収体11より一回り大きい平面サイズを備えて、吸収体11を覆っている。
【0054】
トップシート部材24は、
図3に示すように、上層コアラップ22と下層コアラップ23により挟まれた吸収体11を上側(肌側)から覆うシート状の液透過性の不織布である。このトップシート部材24も、平面視矩形状を有し、吸収体11より一回り大きい平面サイズ(上層コアラップ22や下層コアラップ23と略同様の平面サイズ)を備えている。
【0055】
バックシート部材25は、
図3に示すように、上層コアラップ22と下層コアラップ23により挟まれた吸収体11を下側(非肌側)から覆うシート状の部材である。このバックシート部材25も、平面視矩形状を有し、吸収体11よりも一回り大きい平面サイズを備えている。本実施の形態に係るバックシート部材25は、ポリエチレン又はポリプロピレン等の液不透過性の防漏シート25aと、不織布等の外装シート25bとからなる二層構造のシートである。
【0056】
また、吸収性本体10の幅方向における両側部に位置する部位、つまり、一対のサイドフラップ26には、
図3に示すように、縦方向に沿って伸縮するレッグギャザーLG(脚周り伸縮部)がそれぞれ設けられている。レッグギャザーLGは、防漏シート25aと外装シート25bとの間に位置する不織布により形成され、縦方向に沿って伸縮する弾性部材(具体的には、糸ゴム。便宜上、LG糸ゴム26aと呼ぶ)と、サイドフィルム26bと、を備えている。そして、当該LG糸ゴム26aがサイドフラップ26に伸縮性を付与することによって、レッグギャザーLGが構成される。
【0057】
また、吸収性本体10の幅方向において、レッグギャザーLG(サイドフラップ26)よりも内側には、
図2に示すように、一対のレッグサイドギャザーLSG(立体ギャザー)が設けられている。レッグサイドギャザーLSGは、吸収性本体10の肌側に備えられ、脚繰りの隙間からの液漏れを防止する役割を果たす。レッグサイドギャザーLSGは、不織布により形成されている。レッグサイドギャザーLSGは、吸収性本体10の幅方向におけるレッグサイドギャザーLSGの内側端部に頂点28を備え、頂点28及び頂点28よりも外側の不織布が立ち上がるようになっている。また、レッグサイドギャザーLSGの頂点28には、縦方向に沿って伸縮する弾性部材(具体的には、糸ゴム。便宜上、LSG糸ゴム29と呼ぶ)が設けられている。
【0058】
<エンボスライン50について>
本実施の形態に係る吸収体11には、エンボス加工により形成された一対のエンボスライン50(エンボス線)が設けられている。以下、当該エンボスライン50について、
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は、エンボスライン50の形状を説明するための説明図である。
図5は、エンボスライン50の断面を示したイメージ断面図である。
【0059】
エンボスライン50は、股下部に対応する吸収体11をカップ形状に形成して(当該エンボスライン50に沿って吸収体11が折り曲げられることにより形成される)、排泄物を収容する空間を作るためのものである(詳しくは、後述する)。この一対のエンボスライン50は、吸収体11の横方向における両側部に設けられている。各々のエンボスライン50は、吸収体11の横方向における中央線を対称軸として線対称となっている。このように、双方のエンボスライン50の構成は同様であるので、以下では、片方のエンボスライン50に関して説明を行う。
【0060】
エンボスライン50は、第一凸頂部52(凸頂部に相当)と、第二凸頂部53と、第三凸頂部54と、背側ライン56と、腹側ライン57と、中央ライン58と、を備えている。なお、
第一凸頂部52は、横方向における内側に突出した頂点部分である。この第一凸頂部52は、おむつ1の中央部の縦方向におけるおむつ1の真ん中(展開状態のおむつ1の縦方向における一端と他端の真ん中。
図2において、二点鎖線で示す)又は当該真ん中よりも背側胴回り部30側に位置している。換言すれば、第一凸頂部52は、股下部の中央よりも背側(背側胴回り部30に近い側)に対応する位置に設けられている。具体的には、第一凸頂部52は、前記真ん中と背側胴回り部30の前記真ん中に近い側の下端30bとの中間よりも前記真ん中側に設けられ、本実施の形態においては、略当該真ん中に位置している。そのため、縦方向において第一凸頂部52の位置に対応する位置には、前述した折り目Fが形成されていることとなる。
【0061】
また、第一凸頂部52は、前述したLSG糸ゴム29よりも横方向における内側において、内側に突出している。つまり、LSG糸ゴム29は、第一凸頂部52よりも横方向において外側に位置している。
【0062】
背側ライン56は、当該第一凸頂部52を始点として横方向における外側かつ縦方向における背側胴回り部30側へ延びる直線状又は外側へ湾曲した曲線状(本実施の形態においては、外側へ湾曲した曲線状)のラインである。
【0063】
また、背側ライン56は吸収体11の横方向における側縁12へ向かい、背側ライン56の終点が当該側縁12に達している。より具体的には、当該側縁12としては、吸収体11の背側胴回り部30と重なった背側重なり部11aの側縁(便宜上、背側重なり部側縁12aと呼ぶ)と、吸収体11の背側胴回り部30と重ならない非重なり部11bの側縁(便宜上、非重なり部側縁12bと呼ぶ)が存在するが、前記終点は、非重なり部側縁12bに達している。つまり、背側ライン56の終点は、縦方向において背側胴回り部30の前記下端30bよりも手前側(前記真ん中側)で側縁12に達している。なお、本実施の形態においては、前記縦方向において、前記下端30bと第一凸頂部52との中間部に前記終点が位置している。
【0064】
このように、本実施の形態に係る背側ライン56は、始点(第一凸頂部52)から終点(非重なり部側縁12b)まで、外側へ湾曲した曲線となっている。
【0065】
第二凸頂部53は、第一凸頂部52と同様、横方向における内側に突出した頂点部分である。この第二凸頂部53は、前記真ん中よりも腹側胴回り部40側に位置している。換言すれば、第二凸頂部53は、股下部の中央よりも腹側(腹側胴回り部40に近い側)に対応する位置に設けられている。本実施の形態において、第二凸頂部53は、腹側胴回り部40の前記真ん中に近い側の下端40bの近傍に位置している。
【0066】
また、第二凸頂部53は、第一凸頂部52と同様、前述したLSG糸ゴム29よりも横方向における内側において、内側に突出している。つまり、LSG糸ゴム29は、第二凸頂部53よりも横方向において外側に位置している。
【0067】
腹側ライン57は、当該第二凸頂部53を始点として横方向における外側かつ縦方向における腹側胴回り部40側へ延びる内側へ湾曲した曲線状のラインである。
【0068】
また、腹側ライン57は吸収体11の横方向における側縁12へ向かい、腹側ライン57の終点が当該側縁12に達している。より具体的には、当該側縁12としては、吸収体11の腹側胴回り部40と重なった腹側重なり部11cの側縁(便宜上、腹側重なり部側縁12cと呼ぶ)と、吸収体11の腹側胴回り部40と(また、背側胴回り部30とも)重ならない前述した非重なり部側縁12bが存在するが、前記終点は、腹側重なり部側縁12cに達している。つまり、腹側ライン57の終点は、縦方向において腹側胴回り部40の前記下端40bを超えて側縁12に達している。
【0069】
このように、本実施の形態に係る腹側ライン57は、始点(第二凸頂部53)から終点(腹側重なり部側縁12c)まで、内側へ湾曲した曲線となっている。
【0070】
第三凸頂部54は、第一凸頂部52及び第二凸頂部53と同様、横方向における内側に突出した頂点部分であり、エンボスライン50において第一凸頂部52と第二凸頂部53との間(本実施の形態においては、略中間部)に備えられている。この第三凸頂部54は、前記真ん中よりも腹側胴回り部40側に位置している。換言すれば、第三凸頂部54は、股下部の中央に対応する位置に設けられている。
【0071】
また、第三凸頂部54は、第一凸頂部52及び第二凸頂部53と同様、前述したLSG糸ゴム29よりも横方向における内側において、内側に突出している。つまり、LSG糸ゴム29は、第三凸頂部54よりも横方向において外側に位置している。
【0072】
中央ライン58は、背側ライン56と腹側ライン57を繋げるラインであり、第一中央ライン58aと第二中央ライン58bを備える。
【0073】
第一中央ライン58aは、第一凸頂部52から第三凸頂部54までのラインであり、第二中央ライン58bは、第二凸頂部53から第三凸頂部54までのラインであり、いずれも外側へ湾曲した曲線状のラインである。
【0074】
なお、第一凸頂部52は、横方向において第二凸頂部53や第三凸頂部54よりも内側に位置している。そのため、縦方向において第一凸頂部52が位置する位置において、吸収体11の幅が最も狭くなっている(幅最狭部となっている)。
【0075】
また、吸収体11の前記側縁12であって、縦方向において第一凸頂部52の位置に対応する位置には、第一切り欠き13が設けられている。また、当該側縁12であって、縦方向において第二凸頂部53及び第三凸頂部54の位置に対応する位置には、それぞれ第二切り欠き14及び第三切り欠き15が設けられている。つまり、第一切り欠き13(第二切り欠き14、第三切り欠き15)は、エンボスライン50よりも横方向における外側に位置する吸収体11の部分(以下、便宜上、吸収体外側部16と呼ぶ)に設けられ、第一切り欠き13(第二切り欠き14、第三切り欠き15)の縦方向における位置と第一凸頂部52(第二凸頂部53、第三凸頂部54)の縦方向における位置は略一致している。
【0076】
また、エンボスライン50は、吸収体11の肌側からのエンボス加工により形成されたラインとなっている。そのため、
図5に示すように、エンボスライン50においては、吸収体11の肌側に大きな窪み50aが形成され、窪み50aよりも非肌側に圧搾部50bができることとなる。なお、肌側からのエンボス加工は、吸収性コアに対して行ってもよいし、コアラップに覆われた吸収性コアに対して行ってもよいし、トップシート部材24の上から行ってもよい。
【0077】
また、本実施の形態に係る吸収体11には、第一領域R1(
図2における斑点部以外の領域)と、該第一領域R1よりも吸収性ポリマー/パルプ比(吸収性ポリマーのパルプに対する比率)が小さい第二領域R2(
図2における斑点部)が備えられており、当該第二領域R2にエンボスライン50が形成されている。つまり、通常よりも吸収性ポリマー/パルプ比が小さい領域を設け、この領域にエンボスライン50を形成することとしている。換言すれば、
図2に示すように、エンボスライン50に沿うようにして第二領域R2が形成されている。
【0078】
また、本実施の形態においては、吸収性ポリマーがパルプに対して少ない第二領域R2にエンボスライン50を形成するが、第二領域R2は吸収性ポリマーが少ないことに起因して圧縮され難いため、エンボスライン50の横方向における両側部がエンボスライン50の形成により抵抗して僅かに隆起する事象が生じる。すなわち、エンボスライン50の横方向における両側部には、隆起部11dが設けられている。
【0079】
===本実施の形態に係るおむつ1の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係るおむつ1は、縦方向と、前記縦方向と交差する横方向と、を有し、排泄物を吸収する吸収体11を備えた吸収性本体10と、吸収性本体10の一端側に位置する背側胴回り部30と、吸収性本体10の他端側に位置する腹側胴回り部40と、を備えるおむつ1であった。また、吸収体11の横方向における両側部には、吸収体11の肌側からのエンボス加工により形成された一対のエンボスライン50が設けられており、エンボスライン50は、おむつ1の中央部の、前記縦方向におけるおむつ1の真ん中又は該真ん中よりも背側胴回り部30側に位置し、前記横方向における内側へ突出した第一凸頂部52と、前記第一凸頂部52を始点として前記横方向における外側かつ前記縦方向における背側胴回り部30側へ延びる直線状又は外側へ湾曲した曲線状の背側ライン56と、を備えることとした。そのため、股下部に対応する吸収体11をすっきりしたカップ形状に形成することを維持しつつ、吸収体11で臀部を広く覆うことが可能なおむつ1を実現することができる。
【0080】
従来、排泄物を吸収する吸収体11を備えた吸収性本体10と、吸収性本体10の一端側に位置する背側胴回り部30と、吸収性本体10の他端側に位置する腹側胴回り部40と、を備えるおむつ1が広く用いられている。このようなおむつ1の中には、エンボス加工により形成された一対のエンボスライン50が、吸収体11の横方向における両側部に設けられているものがある。そして、このようなエンボスライン50が設けられることにより、股下部に対応する吸収体11をすっきりしたカップ形状に形成することができ(エンボスライン50に沿って吸収体11が折り曲げられて、エンボスライン50よりも外側に位置する吸収体外側部16が起立することにより形成される)、排泄物を収容する空間を作ることができる。
【0081】
しかしながら、従来例に係るおむつ1においては、吸収体11を股下部にてカップ形状に形成するためにエンボスライン50を設けたことで、股下部よりも背側、すなわち、臀部に対応する吸収体11が当該エンボスライン50の影響を受け、臀部においても吸収体外側部16が起立し(内側に入り込み)、吸収体11で臀部を広く覆うことができなくなる問題が生じていた。かかる場合には、臀部を覆う吸収体11の面積が減少して排泄物が漏れる事態が発生する場合もあった。
【0082】
これに対し、本実施の形態においては、エンボスライン50の形状を工夫することにより、股下部に対応する吸収体11をすっきりしたカップ形状に形成し、排泄物を収容する空間を作る優位性を維持しつつ、吸収体11で臀部を広く覆うことが可能となる。
【0083】
先ず、前者の優位性について説明する。本実施の形態においては、横方向における内側へ突出した第一凸頂部52が、おむつ1の中央部の真ん中又は該真ん中よりも背側胴回り部30側に位置している。そして、当該第一凸頂部52よりも腹側胴回り部40側のエンボスライン50、つまり、前記中央ライン58が、吸収体11を股下部にてカップ形状に形成する役割を果たす。すなわち、中央ライン58に沿って吸収体11が折り曲げられて、中央ライン58よりも外側に位置する吸収体外側部16が起立することにより、吸収体11が股下部でカップ形状となる。
【0084】
図6は、股下部にて吸収体11がカップ形状に形成される様子を示したイメージ図である。
図7は、カップ形状と屋根形状とを示した模式図である。
図6では、股下部に対応する吸収体11が、
図7のカップ形状よりも側部が若干内側に倒れて屋根状になった状態(便宜上、屋根形状と呼ぶ)となっている。
図7のカップ形状となるか屋根形状となるかは、人体のサイズに対しおむつ1のサイズが大きいか(小さいか)や内腿による圧力の程度などにより変わってくるが、本実施の形態においては、カップ形状と屋根形状を広義のカップ形状として説明している。
【0085】
そして、股下部において吸収体11がカップ形状となると、カップの底部に排泄物を収容する空間が形成される。したがって、排泄物をなるべく肌に触れさせないようにすることが可能となる。
【0086】
さらには、吸収体11にエンボスライン50(中央ラインが58)が形成されていることにより、股下部における吸収体11の形状がすっきりしたものとなる。仮に、エンボスライン50(中央ラインが58)が形成されていない場合には、しわがランダムに出現し、出っ張ったところ(もこもこと隆起した部分)と凹んだところが雑然と形成される。すなわち、エンボスライン50(中央ラインが58)がないので、吸収体11の形状が決まった形状には収まらず、場合によっては(人体のサイズに対しおむつ1のサイズが大きいか(小さいか)や内腿による圧力の程度などにより変わってくる)、見た目的にも機能的にも良好とは言えない形状(一例を挙げると、出っ張ったところが一方的に片側によったりする状況)になる可能性が生ずる。これに対し、本実施の形態においては、エンボスライン50(中央ラインが58)が形成されているため、吸収体11の形状が、すっきりした形状であるカップ形状に高確率で収まってくれる。
【0087】
さらに、本実施の形態においては、肌側からエンボス加工を行うため、
図5に示したように、肌側に窪み50aが形成される。そのため、中央ライン58に沿って吸収体11が所望の方向に折り曲げられ易くなる。つまり、吸収体11を肌側から見たときに山折りではなく谷折りとなるように折り曲げられ易くなる。
【0088】
次に、後者の優位性について説明すると、本実施の形態においては、第一凸頂部52を始点として横方向における外側かつ縦方向における背側胴回り部30側へ延びる直線状又は外側へ湾曲した曲線状の背側ライン56が設けられることとした。そのため、吸収体11で臀部を広く覆うことが可能となる。すなわち、仮に背側ライン56が内側へ湾曲した曲線状のラインである場合には、臀部において吸収体外側部16が起立した際に、臀部を覆う吸収体11の面積が顕著に減少してしまい、排泄物が漏れる事態が発生しやすくなる。さらには、吸収体外側部16が内側に入り込むことにより、吸収体11が臀部に食い込んでしまう所謂半尻と呼ばれる状態が生じ、肌触りが悪くなるという問題も生じ得る。
【0089】
これに対し、本実施の形態においては、背側ライン56を直線状又は外側へ湾曲した曲線状のラインとしたため、吸収体11で臀部を広く覆うことができ、排泄物が漏れる事態を発生しにくくすることができる。さらには、半尻状態の発生を抑えることにより、肌触りの悪化を防止することが可能となる。
【0090】
さらに、本実施の形態においては、背側ライン56を外側へ湾曲した曲線状のラインとした。そのため、吸収体11で臀部をより一層広く覆うことが可能となり、さらには、背側ライン56をお尻の形状に沿わせることが可能となる(これにより、吸収体11がお尻全体を包むような態様となる)。
【0091】
また、以下に説明するように、背側ライン56を外側へ湾曲した曲線状のラインとする場合には、内側へ湾曲した曲線状のラインとする場合に比べて、背側ライン56に沿って吸収体11が折り曲げられにくくなり、背側ライン56よりも外側に位置する吸収体外側部16が起立しにくくなる。
【0092】
すなわち、背側ライン56の近傍の吸収体11には、
図8において矢印で示すような方向の力が内腿の股下に近い側の上部が押すこと等により発生するが、かかる際に、背側ライン56が内側へ湾曲している場合には、
図8の下図に示すように、当該力が一極集中するのに対し、背側ライン56が外側へ湾曲している場合には、
図8の上図に示すように、当該力が背側ライン56に沿って分散する。そのため、背側ライン56を外側へ湾曲した曲線状のラインとした場合には、吸収体外側部16の起立度合いが緩和される。したがって、吸収体11の臀部への食い込みをより適切に抑えることができ、肌触りの悪化をより確実に防止することが可能となる。なお、
図8は、背側ライン56を外側へ湾曲した曲線状のラインとすることによる作用効果を説明するための説明イメージ図である。
【0093】
また、本実施の形態においては、吸収体11の横方向における側縁12であって、縦方向において第一凸頂部52の位置に対応する位置には、切り欠き(第一切り欠き13)が設けられていることとした。
【0094】
第一凸頂部52の位置に対応する位置に第一切り欠き13が設けられている場合には、当該第一凸頂部52の位置で吸収体11が長手方向に曲がりやすくなる。すなわち、一対の第一凸頂部52を結ぶ仮想線(換言すれば、一対の第一切り欠き13を結ぶ仮想線)に沿って、吸収体11が曲がりやすくなる。そのため、排泄物を収容する空間をより適切に形成することが可能となる。特に、本実施の形態においては、当該仮想線(第一凸頂部52、第一切り欠き13)の縦方向における位置が、肛門に対応する場合が多いため、当該仮想線で吸収体11が曲がることにより便収容空間を確保することができる。
【0095】
また、当該第一切り欠き13は、中央ライン58に沿った吸収体11の折り曲げ(中央ライン58よりも外側に位置する吸収体外側部16の起立)にも寄与する。
図9の左図に示すように、第一切り欠き13が存在することよって、記号Aで示した第一切り欠き13に隣接する吸収体外側部16の部分が折曲し易くなる(仮に、第一切り欠き13がない場合には、
図9の右図に示すように、第一切り欠き13があるべき部分に外側(矢印参照)へ向く力がかかり記号Aで示した部分が折曲しにくくなる)。そのため、股下部に対応する吸収体11をより適切にすっきりしたカップ形状に形成することが可能となる。なお、
図9は、第一切り欠き13を設けたことによる作用効果を説明するための説明イメージ図である。
【0096】
また、本実施の形態においては、縦方向において第一凸頂部52の位置に対応する位置に、横方向に沿った折り目Fが形成されていることとしたので、当該第一凸頂部52の位置で吸収体11が長手方向に曲がりやすくなる。すなわち、一対の第一凸頂部52を結ぶ仮想線に沿って、吸収体11が曲がりやすくなる。そのため、排泄物を収容する空間をより適切に形成することが可能となる。
【0097】
また、本実施の形態においては、吸収性本体10に、縦方向に沿った弾性部材(すなわち、LG糸ゴム26aやLSG糸ゴム29)が設けられていることとしたので、弾性部材の伸縮力により当該第一凸頂部52の位置で吸収体11がより一層長手方向に曲がりやすくなる。すなわち、一対の第一凸頂部52を結ぶ仮想線に沿って、吸収体11がより一層曲がりやすくなる。そのため、排泄物を収容する空間をより一層適切に形成することが可能となる。
【0098】
また、本実施の形態においては、LSG糸ゴム29が、第一凸頂部52よりも横方向において外側に位置することとした。そのため、LSG糸ゴム29が、第一凸頂部52よりも外側で縮むことにより、吸収体外側部16が股下部において起立しやすくなる。そのため、股下部に対応する吸収体11を、より適切にすっきりしたカップ形状に形成することが可能となる。
【0099】
また、本実施の形態に係る吸収体11には、第一領域R1(
図2における斑点部以外の領域)と、該第一領域R1よりも吸収性ポリマー/パルプ比が小さい第二領域R2(
図2における斑点部)が備えられており、当該第二領域R2にエンボスライン50が形成されていることとした。
【0100】
そのため、エンボスライン50が形成される部分の剛軟度を落とすことが可能となり、吸収体外側部16が股下部において起立しやすくなる(中央ライン58に沿って吸収体11が折り曲げられ易くなる)。そのため、股下部に対応する吸収体11を、より適切にすっきりしたカップ形状に形成することが可能となる。
【0101】
また、吸収体11が液体(排泄物)を吸収した際には、第一領域R1が第二領域R2よりも大きく盛り上がるため、エンボスライン50(第一領域R1)が窪みとなる。そのため、かかる場合においても、中央ライン58に沿って吸収体11が折り曲げられた状態が適切に維持されることとなる。
【0102】
また、本実施の形態においては、
図5に示したように、エンボスライン50の横方向における両側部に、隆起部11dが設けられていることとした。
【0103】
そのため、エンボスライン50(中央ライン58)に沿った吸収体11の過度な折れ曲がりを回避することが可能となる。つまり、両側部にそれぞれ隆起部11dが存在するため、吸収体11の折れ曲がりが徐々に大きくなると、やがて双方の隆起部11dが物理的に干渉する。そのため、当該干渉がこれ以上の折れ曲がりを止める機能を発揮し、したがって、吸収体11の過度な折れ曲がりが回避されることとなる。
【0104】
また、本実施の形態においては、背側ライン56の終点が、吸収体11の横方向における側縁12に達していることとした。仮に、背側ライン56の終点が、吸収体11の縦方向における後端17に達している場合には、臀部を覆う吸収体11の面積が顕著に減少してしまう。これに対し、本実施の形態のように、背側ライン56の終点が側縁12に達していると、吸収体11で臀部を広く覆うことが可能となる。
【0105】
さらに、本実施の形態においては、当該終点が、側縁12のうち、背側重なり部側縁12aではなく非重なり部側縁12bに達していることとした。そのため、吸収体11で臀部をより広く覆うことが可能となる。
【0106】
さらに、本実施の形態においては、縦方向において、背側胴回り部30の前記真ん中に近い側の下端30bと第一凸頂部52との中間部に終点が位置していることとした。
【0107】
中間部よりも下端30b側に設けられている場合には、中間部に設けられている場合よりも、臀部を覆う吸収体11の面積が減少してしまい、中間部よりも第一凸頂部52側に設けられている場合には、背側ライン56が、吸収体外側部16の股下部における適切な起立に影響を与えてしまう可能性(カップ形状がしっかりと形成されない可能性)が生じ得る。そのため、本実施の形態においては、終点が当該中間部に位置することにより、吸収体11で臀部をより広く覆いつつ、カップ形状をより適切に形成することが可能となる。
【0108】
また、本実施の形態においては、背側ライン56の終点が、重なり部の側縁(背側重なり部側縁12a)ではなく非重なり部側縁12bに達している一方で、腹側ライン57の終点は、重なり部の側縁(腹側重なり部側縁12c)に達していることとした。
【0109】
腹側ライン57については、臀部側ではないので臀部を広く覆うための形状とする必要がない。そのため、股下部におけるカップ形状と同様のカップ形状を腹部においてなるべく上方まで継続させるべく、当該腹側ライン57の終点を、非重なり部側縁12bではなく腹側重なり部側縁12cに位置させている。したがって、本実施の形態によれば、腹部に対応する吸収体11をすっきりしたカップ形状に形成することが可能となる。
【0110】
また、本実施の形態においては、背側ライン56が、外側へ湾曲した曲線状のラインである一方で、腹側ライン57は、内側へ湾曲した曲線状のラインであることとした。
【0111】
腹側ライン57については、臀部側ではないので臀部を広く覆うための形状とする必要がない。そのため、脚を動きやすくする観点から吸収体11の幅を狭めるべく、当該腹側ライン57を、内側へ湾曲した曲線としている。したがって、本実施の形態によれば、吸収体11の形状を、脚が動きやすくなる形状に形成することが可能となる。
【0112】
また、本実施の形態においては、縦方向において第一凸頂部52の位置に対応する側縁位置に、切り欠き(第一切り欠き13)が設けられているだけでなく、縦方向において第二凸頂部53の位置に対応する側縁位置と、第三凸頂部54の位置に対応する側縁位置に、それぞれ切り欠き(第二切り欠き14、第三切り欠き15)が設けられていることとした。
【0113】
そのため、第一凸頂部52の位置だけでなく、第二凸頂部53や第三凸頂部54の位置でも、吸収体11が長手方向に曲がりやすくなる。したがって、股下部全体に亘って、排泄部を収容する空間をより適切に形成することが可能となる。
【0114】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【0115】
上記実施の形態においては、パルプと吸収性ポリマーを有する吸収体11(吸収性コア)に切り欠き(第一切り欠き13、第二切り欠き14、第三切り欠き15)が設けられていることとしたが、当該切り欠きに対応する位置のコアラップ(上層コアラップ22及び下層コアラップ23)には、切り欠きが設けられていなかった。しかしながら、これに限定されるものではなく、吸収体11だけでなくコアラップにも切り欠きが設けられている(吸収体11とコアラップが一体的に切り欠かれている)こととしてもよい。
【0116】
また、上記実施の形態においては、おむつ1は、所謂3ピースタイプであり、3つの部品に分かれていることとした。すなわち、吸収性本体10、背側胴回り部30、腹側胴回り部40は、各々一部品であることとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、おむつ1は、2つの部品からなるものとしてもよいし、三つの部分が一体的に設けられていることとしてもよい。