(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
信号受信部と、画像表示信号に基づき表示画像を表示する画像メモリ型表示媒体と、識別情報および前記画像表示信号が記憶される第1の記憶領域と前記第1の記憶領域における前記画像表示信号の記憶状態を示す記録情報を記憶する第2の記憶領域とを有する記憶部とを備えるタグと、
前記信号受信部と接触される接触電極部と、前記識別情報および前記記録情報を読み取る情報認識部と、前記識別情報に対応する画像表示情報および識別情報が記憶されたメモリと、前記画像表示情報に基づく画像表示信号、および前記記録情報を前記画像表示信号が記憶された状態にする書込み信号を前記接触電極部を介して送信する書込み部とを備えるリーダーライタとを有し、
前記タグの前記記憶部の前記第1の記憶領域は、前記表示画像のための前記画像表示信号を1度だけ記憶させることができ、
前記リーダーライタでは、前記タグの前記信号受信部と前記リーダーライタの前記接触電極部とが接触した場合、前記識別情報および前記記録情報のうち、少なくとも前記記録情報を読み取り、前記画像表示信号が記憶されていないとき、前記情報認識部で読み取られた前記識別情報と前記メモリに記憶された識別情報とを比較し、前記メモリに記憶された前記識別情報と一致する場合、前記書込み部が前記メモリに記憶された前記識別情報に対応する前記画像表示情報に基づく前記画像表示信号を前記接触電極部を介して送信し、前記画像メモリ型表示媒体に前記表示画像を表示させ、前記書込み信号を送信することを特徴とする情報表示システム。
前記画像メモリ型表示媒体は前記リーダーライタからの給電により前記表示画像を表示するものであり、前記リーダーライタは、前記画像メモリ型表示媒体に給電するための電力供給部を有する請求項1または2に記載の情報表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の情報表示システムを詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の情報表示システムを示す模式図であり、
図2は本発明の実施形態の情報表示システムのタグを示す模式図である。
図3はタグの使用形態の第1例を示す模式的斜視図であり、
図4はタグの使用形態の第2例を示す模式的斜視図であり、
図5はタグの使用形態を示す第3例を示す模式的平面図である。
【0012】
図1に示すように情報表示システム10は、タグ12と、リーダーライタ14とを有する。
タグ12は、取り付けられる対象物の情報を示すものであり、対象物に取り付けて使用される。タグ12には識別情報が記憶されている。
タグ12は、例えば、
図3に示すように、容器16aに貼り付けられて使用される。容器16aは、内部に、気体、液体、固体またはこられのうち、少なくとも2種の混合物が充填されたものである。例えば、容器16aは輸液バッグである。
また、タグ12は、
図4に示すように、円筒容器16bに貼り付けられて使用される。円筒容器16bは、内部に、気体、液体、固体またはこられのうち、少なくとも2種の混合物が充填されたものである。例えば、円筒容器16bはプレフィルドシリンジである。
また、タグ12は、
図5に示すように、フィルム状または平板状のシート16cに貼り付けられて、値札、商品タグとして使用される。タグ12は、値札、商品タグ以外に、入場券、回数券等にも利用することができる。
【0013】
図1および
図2に示すタグ12は、信号受信部20と画像メモリ型表示媒体24とを有し、これらはシート体26に設けられている。
信号受信部20は、画像メモリ型表示媒体24への画像表示信号の供給に利用されるものである。信号受信部20は、例えば、2つの電極21で構成される。
リーダーライタ14で画像メモリ型表示媒体24に記憶された識別情報が読み取られる。識別情報がタグ12の対象物と対応付けられて記憶されていれば、タグ12が取り付けられた対象物が特定される。すなわち、タグ12が何に取り付けているかが特定される。
【0014】
図6は本発明の実施形態の情報表示システムのタグの構成を示すブロック図である。
画像メモリ型表示媒体24は画像表示信号に基づき表示画像28(
図2参照)を表示するものであり、一旦表示された表示画像28が保持されるメモリ性を有する。
画像メモリ型表示媒体24は、
図6に示すように、表示制御部24aと表示部24bと記憶部24cとを有する。表示部24bは、表示画像28を表示するためのものである。
画像メモリ型表示媒体24は、例えば、電子ペーパである。表示制御部24aは、表示部24bに画像表示信号に基づき表示画像28を表示させるための、図示はしないが、薄膜トランジスタ等で構成される駆動回路等を有する。
表示制御部24aが信号受信部20に接続されており、信号受信部20を介して画像表示信号が供給される。
【0015】
記憶部24cは第1の記憶領域25aと第2の記憶領域25bを有する。記憶部24cでは、第1の記憶領域25aにタグ12の識別情報、表示画像28を表示させるための画像表示信号が記憶される。タグ12の識別情報は、タグ12毎に付され、個々のタグ12を特定するための
個体識別情報である。識別情報は、タグ12を特定することができれば、データ構成は特に限定されるものではない。
記憶部24cでは、第1の記憶領域25aと第2の記憶領域25bを分けた構成としたが、これに限定されるものではなく、記憶領域が1つの構成でもよい。
また、第1の記憶領域25aおよび第2の記憶領域25bは、いずれも電源の供給がない場合でも情報を記憶保持できるものであることが好ましい。このため、第1の記憶領域25aおよび第2の記憶領域25bは不揮発性であることが好ましい。ここで、不揮発性とは、電源等の供給がない場合でも記憶された情報を記憶保持されることをいう。不揮発性であれば、表示画像28を電源等の供給がなくとも表示し続けることができる。
【0016】
第2の記憶領域25bには、第1の記憶領域25aに画像表示信号が記憶されているか否かの記憶状態を示す記録情報等が記憶される。上述の第1の記憶領域25aにおける画像表示信号の記憶状態を示す記録情報のことを、単に記録情報ともいう。
ここで、表示制御部24aは記憶部24cへの情報の記憶を制御するものである。表示制御部24aにより記憶部24cの第1の記憶領域25aおよび第2の記憶領域25bに上述の情報を記憶させることができる。
【0017】
第1の記憶領域25aに記憶される識別情報は、予め記憶されていてもよく、後から記憶させてもよい。予め記憶されている場合、記憶部24cを形成する際に、マスクパターンを用いて第1の記憶領域25aにハードウェアとして識別情報を固定して設定する。
識別情報を後から記憶させる場合には、例えば、リーダーライタ14を用いて、第1の記憶領域25aに識別情報を表す信号を送信して記憶させる。
画像表示信号については、例えば、リーダーライタ14を用いて第1の記憶領域25aに画像表示信号を送信して記憶させる。
【0018】
第2の記憶領域25bには、上述のように記録情報が記憶される。記録情報については、具体的には、第1の記憶領域25aに画像表示信号が記憶されていれば、第2の記憶領域25bにフラグが立てられる。ここで、フラグを立てるとは、例えば、第2の記憶領域25bに画像表示信号用の「フラグフィールド」を設定しておき、「フラグフィールド」の値を「1」に設定することである。なお、「フラグフィールド」の値が「0」の値の場合、第1の記憶領域25aに画像表示信号が記憶されていないことを表す。このように画像表示信号が記憶されているか否かを示す記録情報は、「0」または「1」の1ビットで表すことができる。
【0019】
画像表示信号用の「フラグフィールド」の値は、画像表示信号が送信されて第1の記憶領域25aに記憶させた際に、画像表示信号の送信後に、記録情報を画像表示信号が記憶された状態にする書込み信号が、リーダーライタ14の書込み部34から接触電極部30、信号受信部20を経てタグ12の表示制御部24aに送信される。書込み信号を表示制御部24aが受信すると、第2の記憶領域25bの画像表示信号用の「フラグフィールド」の値を「1」にする。これにより、タグ12では画像表示信号が記憶された状態となる。
リーダーライタ14がタグ12の第2の記憶領域25bの画像表示信号用の「フラグフィールド」の値を読み取り、その値が「1」であれば、リーダーライタ14では、タグ12が画像表示信号が記憶されている状態であることを検出することができる。
なお、画像表示信号用の「フラグフィールド」の値は画像表示信号が記憶されている状態を「1」としたが、画像表示信号が記憶されたことを検出できれば、これに限定されるものではなく、画像表示信号が記憶されている状態を示す画像表示信号用の「フラグフィールド」の値は「0」でもよい。
【0020】
画像メモリ型表示媒体24は、表示制御部24aに画像表示信号が入力されて、画像表示信号に基づいて、表示部24bに表示画像28が表示される。表示画像28は、画像表示信号に基づいて表示されるものであり、表示画像28には画像のみならず、文字および記号も含まれる。表示画像28としては、使用者、所有者、商品名および値段等である。
画像メモリ型表示媒体24が電池等の電源部を備えていない場合、信号受信部20を介して表示制御部24aを駆動させるための予め定められた電圧の直流信号または交流信号が供給される。
【0021】
タグ12は、上述のように取り付けられる対象物の情報を示すものであり、画像メモリ型表示媒体24は、誤表示を防止するために、表示画像28の書き換えが不可能であることが好ましい。第1の記憶領域25aは画像表示信号が2度書きできない構成であることが好ましい。また、時間の経過または静電気等より電子ペーパに表示された画像が消えてしまう可能性があり、この場合も誤表示されることになる。
このことから、画像メモリ型表示媒体24としては、書き込みが1度しかできない電子ペーパ、いわゆる、ライトワンスの電子ペーパが好ましい。ライトワンスの電子ペーパは、例えば、画像メモリ型表示媒体24の記憶部24cの第2の記憶領域25bにフラグを立てて、第1の記憶領域25aに、表示画像28のための画像表示信号を1度だけ書き込む、すなわち、画像表示信号を1度だけ記憶させることができる構成としたものである。これにより、リーダーライタ14から画像表示信号を送信できなくすることができる。
【0022】
なお、リーダーライタ14が、第2の記憶領域25bのフラグを検知しない場合には、画像表示信号を送信する可能性があり、画像表示信号が書き換えられたり、2つの画像表示信号が混在する可能性が生じる。このことからも、記憶部24cのうち、画像表示信号が記憶される、少なくとも第1の記憶領域25aは、画像表示信号を1度だけ記憶でき、書き換えが不可能なこと、すなわち、非可逆であることが好ましい。1度だけ記憶ができ、書き換えが不可能な方式としては、画像表示信号の書き換え可能型をシステムとして、画像表示信号を書き換え不可能としてもよいし、画像表示信号について物理的に書き換え不可能な表示媒体を用いてもよい。
なお、電子ペーパには、例えば、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、液晶方式、電子粉流体、エレクトロウェッティング方式、化学変化方式、感熱材料方式を用いたもの等を利用することができる。画像メモリ型表示媒体24には、液晶表示装置を用いることもできる。
【0023】
図7は本発明の実施形態の情報表示システムのリーダーライタの構成を示すブロック図である。リーダーライタ14は、筐体18(
図1参照)内に、
図7に示す構成が収納されている。
リーダーライタ14は、接触電極部30、情報認識部32、書込み部34、画像表示信号作成部36、メモリ38および制御部40と操作部42を有する。リーダーライタ14では制御部40により、接触電極部30、情報認識部32、書込み部34、画像表示信号作成部36、およびメモリ38の動作、ならびにこれらの間でのデータの送受信が制御される。
【0024】
操作部42は、リーダーライタ14を使用する使用者がリーダーライタ14に指示入力するためのものである。操作部42の指示入力が制御部40に入力されて、リーダーライタ14では指示入力に応じた動作がなされる。操作部42は、指示入力することができれば、その構成は特に限定されるものではなく、表示部、操作ボタン、または指示入力に利用されるタッチセンサ等が適宜利用可能である。また、操作部42では、音声を発生できるようにしてもよい。これにより、音声にて警告を発生させることができる。
【0025】
接触電極部30は、信号受信部20と接触されるものであり、タグ12との接点となる。接触電極部30は、信号受信部20と同じ構成であり、例えば、図示はしないが信号受信部20(
図2参照)の電極21(
図2参照)と同じ構成の電極を有する。
接触電極部30の導通は制御部40で監視されており、接触電極部30が信号受信部20と接触して導通された場合、情報認識部32によるタグ12の識別情報の読み取り、タグ12の記憶部24cの第2の記憶領域25bの「フラグフィールド」の値の読み取りがなされる。接触電極部30が信号受信部20との接触が、リーダーライタ14の動作のトリガである。なお、導通は、例えば、接触電極部30の抵抗値の変化により検知することができる。
【0026】
情報認識部32は、タグ12の識別情報を読み取り、かつタグ12の記憶部24cの第2の記憶領域25bの「フラグフィールド」の値を読み取るものであり、これらのことができる構成であれば、特に限定されるものではない。例えば、情報認識部32は、処理部52と、確認部54とを有する。
【0027】
処理部52は、接触電極部30に接続されている。処理部52では、接触電極部30を介して得られた、識別情報の読取信号を処理し、例えば、読取信号をデジタル信号に変換して読取データを得る。読取データに対してデコード処理を施し、読み取った識別情報を、メモリ38に記憶された識別情報と比較できるようにする。識別情報に関するデコード処理が施された読取データは、確認部54に出力される。これにより、後述のように確認部54でタグ12の識別情報が、メモリ38に記憶された識別情報と比較され、記憶されている識別情報と一致するか否かを確認することができる。
また、処理部52は、接触電極部30を介して得られた、タグ12の記憶部24cの第2の記憶領域25bの「フラグフィールド」の値の情報についても、識別情報の読取信号を処理し、例えば、読取信号をデジタル信号に変換して読取データを得るものである。このデジタル信号の読取データは、確認部54に出力される。これにより、後述のように確認部54で第2の記憶領域25bの「フラグフィールド」の値に基づく処理が可能となる。処理部52で得られた上述のいずれの読取データはメモリ38に出力し記憶させてもよい。
【0028】
確認部54は、情報認識部32で得られた識別情報とメモリ38に記憶された識別情報を比較し、情報認識部32で得られた識別情報とメモリ38に記憶された識別情報との一致不一致を判定するものである。これにより、タグ12への誤表示を防止することができる。
【0029】
具体的には、読み取られたタグ12の識別情報がメモリ38に記憶された識別情報ではない場合、すなわち、違うタグを読み取った場合、制御部40により、リーダーライタ14による処理を停止する。これにより、複数のタグに、違ったタグが紛れ込んでいても、その違ったタグに表示画像を書き込むことを防止することができる。この場合、操作部42に警告が、画像または音声等で発せられるようにしてもよい。これにより、使用者にも違うタグであることを知らせることができる。
読み取られたタグ12の識別情報がメモリ38に記憶された識別情報である場合には、リーダーライタ14による処理が継続される。
【0030】
確認部54は、タグ12の記憶部24cの第2の記憶領域25bの「フラグフィールド」の値の情報を得るものである。「フラグフィールド」の値が「1」の場合、画像表示信号が既に記憶されているため、制御部40により、リーダーライタ14による処理を停止する。この場合、操作部42に警告が、画像または音声等で発せられるようにしてもよい。
一方、「フラグフィールド」の値が「0」の場合、画像表示信号が送信されていないため、リーダーライタ14による処理が継続される。
リーダーライタ14では、「フラグフィールド」の値の処理を、識別情報の処理よりも先に行う。識別情報の処理を先にした場合、識別情報が一致しても「フラグフィールド」の値が「1」、すなわち、画像表示信号が既に記憶されていた場合には、処理が停止される。このため、停止する場合の工程を簡素化するためには「フラグフィールド」の値の処理を先に行うことが好ましい。
【0031】
書込み部34は、画像メモリ型表示媒体24に表示画像28を表示させるための画像表示信号を接触電極部30からタグ12に送信させるためのものである。また、書込み部34は、書込み信号を接触電極部30からタグ12に送信させるためのものである。
画像表示信号作成部36は、画像表示信号を作成するものであり、例えば、メモリ38に記憶された識別情報に対応する画像表示情報に基づき作成される。画像表示信号としては、対象物の所有者、対象物の使用者、対象物の名前、対象物の価格、対象物の期限等を示す表示画像を形成するためのものである。
画像表示信号は、画像表示信号作成部36で、メモリ38に記憶された識別情報に対応する画像表示情報から作成されるものであり、後述のタイミングで書込み部34から送信される。
【0032】
また、画像表示信号作成部36は、記録情報を画像表示信号が記憶された状態にする書込み信号を作成するものである。書込み信号は、例えば、第2の記憶領域25bに設けた画像表示信号用の「フラグフィールド」の値を「1」させる信号である。
なお、書込み信号は、予めメモリ38に記憶させておいてもよい。この場合、画像表示信号作成部36がメモリ38から書込み信号を読み出し、画像表示信号の送信後に書込み部34によりタグ12に送信する。これにより、表示制御部24aが上述の第2の記憶領域25bの画像表示信号用の「フラグフィールド」の値を「1」にする。
【0033】
画像メモリ型表示媒体24が電池等の電源部がなくリーダーライタ14からの給電により、表示部24bに表示画像28を表示するものである場合、リーダーライタ14は、画像メモリ型表示媒体24に給電するための電力供給部を有する。電力供給部は、例えば、画像表示信号作成部36と書込み部34で構成される。この場合、画像表示信号作成部36は、画像表示信号を作成することなく、表示制御部24aを駆動させるための予め定められた電圧の直流信号または交流信号を作成し、書込み部34から、画像表示信号に代えて直流信号または交流信号を送信する。
【0034】
メモリ38には、各種の情報が記憶されている。識別情報に対応する画像表示情報が記憶されている。画像表示情報は、例えば、所有者、使用者、商品名、値段、期限、原産地等の情報である。
また、メモリ38には、情報認識部32で得られた識別情報との比較のための識別情報が記憶されている。上述のように、情報認識部32で得られた識別情報がメモリ38に記憶されたものでなければ、表示画像の書込みはなされず、誤記入が防止される。
なお、メモリ38に記憶される識別情報等の各種の情報は、用途等に応じて書き換え可能であってもよい。書き換えは、メモリ38の記録媒体を変える方法でも、有線または無線の通信回線を通じて書き換える方法でもよい。
【0035】
図8は本発明の実施形態の情報表示システムによる表示画像の書込みの一例を工程順に示すフローチャートである。
例えば、
図3に示すように容器16aにタグ12が取り付けられており、このタグ12の識別情報に基づいて、容器16aの使用者の情報、例えば、名前の表示画像28を表示させることを例にして説明する。これにより、例えば、タグ12への患者名の誤記入が防止され、患者に薬液を投薬する際の誤投薬を防止することができる。
【0036】
タグ12の信号受信部20にリーダーライタ14の接触電極部30を接触させる(ステップS10)。このとき、制御部40で接触電極部30の導通が検知され、これをトリガにして情報認識部32により、記録情報、すなわち、タグ12の記憶部24cの第2の記憶領域25bの「フラグフィールド」の値が読み取られる。また、第1の記憶領域25aの識別情報も読み取られる(ステップS12)。情報認識部32の処理部52および確認部54により、「フラグフィールド」の値、および識別情報を得る。
ステップS12において、「フラグフィールド」の値および識別情報が読み取れられているが、画像表示信号が記憶された場合には、処理が停止されるため、余計な工程の実行を防ぐためにも「フラグフィールド」の値および識別情報のうち、少なくとも「フラグフィールド」の値が読み取られればよい。
【0037】
次に、「フラグフィールド」の値に基づき、第1の記憶領域25aに画像表示信号が記憶されているか否かが判定される(ステップS14)。
ステップS14において、「フラグフィールド」の値が「1」の場合、第1の記憶領域25aに画像表示信号が既に記憶されている。このとき、制御部40により、リーダーライタ14による処理を停止し、タグ12への表示画像28の書込みが行われない。この場合、例えば、警告を発し、リーダーライタ14の使用者に、タグには画像表示信号が記憶されていることを知らせるようにしてもよい。
【0038】
一方、ステップS14において、「フラグフィールド」の値が「0」の場合、第1の記憶領域25aに画像表示信号が記憶されていない。このとき、情報認識部32の確認部54で、読み取られたタグ12の識別情報と、メモリ38に記憶された識別情報とが一致するか否かが確認される(ステップS16)。
【0039】
ステップS16において、読み取られたタグ12の識別情報が不一致の場合には、リーダーライタ14による処理を停止し、タグ12への表示画像28の書込みが行われない。この場合、例えば、警告を発し、リーダーライタ14の使用者に間違ったタグであることを知らせるようにしてもよい。
一方、ステップS16において、読み取られたタグ12の識別情報が一致している場合には、画像表示信号が画像表示信号作成部36にて作成され、画像表示信号が書込み部34から接触電極部30を介してタグ12の信号受信部20を経て、画像メモリ型表示媒体24の表示制御部24aに送信され、第1の記憶領域25aに記憶される(ステップS18)。これにより、送信された画像表示信号に基づいて、表示部24bに表示画像28が表示される。
【0040】
次に、ステップS18において画像表示信号を送信した後、画像表示信号が第1の記憶領域25aに記憶される。画像表示信号を送信した後、画像表示信号が送信したことを示す書込み信号を送信する(ステップS20)。この場合、接触電極部30を介してタグ12の表示制御部24aに書込み信号を送信し、表示制御部24aにより記憶部24cの第2の記憶領域25bの「フラグフィールド」の値が「1」にされる。これにより、タグ12では記録情報が、画像表示信号が記憶された状態になり、リーダーライタ14では画像表示信号の送信が抑制され、2度書き等が防止される。
【0041】
以上のようなことから、タグ12に画像表示信号が記憶されているか否かが
記録情報に基づき、識別情報の一致不一致の処理の前に判定されるため、余計な工程を実行することなく、画像表示信号の記録の有無の判定を速やかにでき、かつ2度書きを確実に防止することができるため、短時間で画像表示の対象でないタグを外すことができる。
さらには、リーダーライタ14のメモリ38に、例えば、タグ12の識別情報に対応して、薬剤の使用者名が記憶されている場合、識別情報が一致する、患者に投薬する薬剤のタグ12に患者名が表示される。一方、患者に投薬しない薬剤については、識別情報が一致しないため、患者名はタグ12に表示されない。このようにして、薬剤への誤書込みを防止することができる。
【0042】
上述の例では、ステップS16において、読み取られたタグ12の識別情報とメモリ38に記憶された識別情報を比較したが、これに限定されるものではない。例えば、予め一致不一致を確認する対象を決めておいてもよい。具体的には、上述のステップS10の前に、対象識別情報を取得し、メモリ38に記憶させておく。対象識別情報の取得は、例えば、バーコードをリーダーライタ14で読み取る等して、対象識別情報をメモリ38に記憶させる。この状態で、上述のステップS10からの処理を行う。これにより、比較する識別情報を減らすことができる。
【0043】
情報表示システム10では、タグ12とリーダーライタ14とを接触させる接触方式にて表示画像28を得る構成としているため、無線方式とは異なり、接触させていない他のタグに表示画像が書き込まれることが防止される。また、タグ12についても接触させていない他のタグの情報を読み取ることが防止される。これにより、タグ12への表示画像28の誤書込みを防止することができ、例えば、投薬に利用された場合には、薬剤名と患者を一致させることができ、誤投薬を防止することができる。
上述のように接触方式とすることで、受信回路等が必要な無線方式に比してタグ12の構成を簡素化でき、しかもバーコード等も設けておらずタグ12を安くできる。このため、タグ12を使い捨てにすることもできる。
【0044】
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の情報表示システムについて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。