(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二の層が前記第一の層及び前記第三の層とは異なる素材からなり、前記第一の層及び前記第三の層の膜厚が15μm以上60μm未満である請求項4に記載のハードコートフィルム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタ)アクリル基」は、「アクリル基及びメタアクリル基のいずれか一方又は双方」の意味で使用される。(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイル基なども同様である。
【0010】
[ハードコートフィルム]
本発明のハードコートフィルムは、少なくとも、第一の硬化層、支持体、及び第二の硬化層をこの順に有するハードコートフィルムであって、
上記第一の硬化層がエポキシ基含有硬化性化合物の硬化物を含有し、
上記第二の硬化層が(メタ)アクリロイル基含有硬化性化合物の硬化物を含有し、
上記第二の硬化層におけるエポキシ基含有硬化性化合物の硬化物の含有率は、上記第一の硬化層におけるエポキシ基含有硬化性化合物の硬化物の含有率よりも小さく、
下記式(1)を満たす。
式(1): 7>(第一の硬化層の膜厚/第二の硬化層の膜厚)>1
以下、本発明のハードコートフィルムの好ましい態様について説明する。
【0011】
〔支持体〕
支持体は、単層の樹脂層からなる単層フィルムであってもよく、二層以上の樹脂層からなる積層フィルムであってもよい。なお、「樹脂」とは、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーを包含する意味を表す。
支持体は、市販品として入手可能であり、又は公知の製膜方法により製造可能である。市販の支持体としては、例えば、テクノロイC101、テクノロイC001(いずれもエスカーボシート(株)製)、AW−10(Wavelock(株)社製)などを用いることができる。
支持体として使用され得る樹脂フィルムとしては、例えば、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタラート(PET)系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体フィルム等を挙げることができる。
好ましい一態様では、支持体として使用され得る樹脂フィルムは、アクリル系樹脂フィルム、トリアセチルセルロース系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタラート及びポリカーボネート系樹脂フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィルムである。
また好ましい一態様では、支持体に含まれる樹脂フィルムは、二層以上の樹脂フィルムの積層フィルムであり、少なくとも1層のアクリル系樹脂フィルム及び少なくとも1層のポリカーボネート系樹脂フィルムを有する積層フィルムであることが好ましい。ここで積層数は、例えば二層又は三層であることが好ましいが、本発明では、支持体が、少なくとも第一の層、第二の層、及び第三の層をこの順に有するものであることが好ましい。本発明のハードコートフィルムにおける支持体は、第二の層が上記第一の層及び上記第三の層とは異なる素材からなることが好ましい。
また、上記第一の層及び上記第三の層は同じ素材からなるものであることが好ましい。
より好ましい支持体(積層フィルム)の一例としては、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム及びアクリル系樹脂フィルムをこの順に有する積層フィルムを挙げることができる。なお、アクリル系樹脂フィルムとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される一種以上のモノマーを含む重合体又は共重合体の樹脂フィルムであって、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)フィルムが特に好ましい。
【0012】
(支持体の任意成分)
支持体は、樹脂に加えて、公知の添加剤等の他の成分の一種以上を任意に含むこともできる。そのような任意に含まれ得る成分の一例としては、紫外線吸収剤を挙げることができる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物を挙げることができる。ここでベンゾトリアゾール化合物とは、ベンゾトリアゾール環を有する化合物であり、具体例としては、例えば特開2013−111835号公報段落0033に記載されている各種ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。トリアジン化合物とは、トリアジン環を有する化合物であり、具体例としては、例えば特開2013−111835号公報段落0033に記載されている各種トリアジン系紫外線吸収剤を挙げることができる。樹脂フィルム中の紫外線吸収剤の含有量は、例えばフィルムに含まれる樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部程度であるが、特に限定されるものではない。また、紫外線吸収剤については、特開2013−111835号公報段落0032も参照できる。なお本発明及び本明細書における紫外線とは200〜380nmの波長帯域に発光中心波長を有する光をいうものとする。
【0013】
(支持体の膜厚)
本発明のハードコートフィルムは、鉛筆硬度を高める観点から、支持体の膜厚が80〜400μmであることが好ましく、100〜300μmがより好ましく、100〜200μmが特に好ましい。
また、支持体が少なくとも第一の層、第二の層、及び第三の層をこの順に有するものである場合、上記第一の層及び上記第三の層の膜厚は15μm以上60μm未満であることが好ましい。
【0014】
〔硬化層〕
本発明のハードコートフィルムは、少なくとも、第一の硬化層、支持体、及び第二の硬化層をこの順に有する。
本発明において硬化層とは、この層の表面において測定される鉛筆硬度が2H以上である層をいうものとする。
【0015】
<第一の硬化層>
本発明のハードコートフィルムにおける第一の硬化層はエポキシ基含有硬化性化合物(エポキシ系化合物)の硬化物を含有する。
エポキシ系化合物が有するエポキシ基は1個以上であれば、特に限定されない。なお、エポキシ系化合物は脂環式であることが好ましく、分子量は、300以下であることが好ましく、210以下がより好ましく、200以下が更に好ましい。
分子量を300以下にする事によって、エポキシ基やエチレン性不飽和二重結合基以外の部位が少なくなり、鉛筆硬度を高めることができる。
また、硬化層形成時の揮発を抑制する観点から、エポキシ系化合物の分子量は100以上であることが好ましく、150以上であることがより好ましい。
【0016】
エポキシ系化合物としては、分子内に1個の脂環式エポキシ基と1個のエチレン性不飽和二重結合性基とを有することが好ましく、分子量が300以下であることがより好ましく、下記一般式(1)で表される化合物であることが更に好ましい。
【0018】
一般式(1)中、Rは単環式炭化水素、又は架橋炭化水素を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、Qはエチレン性不飽和二重結合性基を表す。
【0019】
一般式(1)中のRが単環式炭化水素の場合、脂環式炭化水素であることが好ましく、中でも炭素数4〜10の脂環基がより好ましく、炭素数5〜7個の脂環基が更に好ましく、炭素数6個の脂環基が特に好ましい。具体的にはシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が好ましく、シクロヘキシル基が特に好ましい。
一般式(1)中のRが架橋炭化水素の場合、2環系架橋(bicyclo環)、3環系架橋(tricyclo環)が好ましく、炭素数5〜20個の架橋炭化水素が挙げられ、ノルボルニル基、ボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデシル基、ジシクロペンテニル基、ジシクロペンタニル基、トリシクロペンテニル基、及びトリシクロペンタニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基等が挙げられる。
Lが2価の連結基を表す場合、2価の脂肪族炭化水素基が好ましい。2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1が更に好ましい。2価の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基が好ましく、直鎖状又は分岐状のアルキレン基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基が更に好ましい。
Qとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CH
2が好ましく、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
なお、本発明では、エポキシ系化合物が(メタ)アクリロイル基を有している場合、その化合物を「エポキシ系化合物」として扱い、「(メタ)アクリロイル系化合物」としては扱わないものとする。
【0020】
エポキシ系化合物の具体的な例としては、エポキシ基を有する硬化性化合物であれば、特に限定されず、特開平10−17614の段落[0015]や、下記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン等を用いる事ができる。
中でも、下記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物がより好ましく、分子量が低い下記一般式(1A)で表される化合物が更に好ましい。なお、下記一般式(1A)で表される化合物はその異性体も好ましい。下記一般式(1A)の式中L
2は炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表し、炭素数1〜3がより好ましく、炭素数1(すなわち、下記一般式(1A)で表される化合物がエポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートであること)が、平滑性を改善する観点から更に好ましい。
これらの化合物を用いる事によって、高い鉛筆硬度と優れた平滑性をより高いレベルで両立する事ができる。
【0022】
一般式(1A)中、R
1は水素原子又はメチル基を表し、L
2は炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
【0024】
一般式(1B)中、R
1は水素原子又はメチル基を表し、L
2は炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
【0025】
一般式(1A)及び(1B)中のL
2の2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6であり、炭素数1〜3がより好ましく、炭素数1が更に好ましい。2価の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基が好ましく、直鎖状又は分岐状のアルキレン基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基が更に好ましい。
【0026】
エポキシ系化合物の硬化物は、第一の硬化層の全固形分を100質量%とした場合に10〜70質量%含有されることが好ましい。エポキシ系化合物は、第一の硬化層形成用樹脂組成物の全固形分を100質量%とした場合に、15〜70質量%含有されることが好ましい。第一の硬化層に対する、エポキシ系化合物の硬化物の含有量が10質量%以上だと表面の平滑性の改善効果を十分に得られることができる。一方、第一の硬化層に対する、エポキシ系化合物の硬化物の含有量が70質量%以下の場合には、表面硬度を十分に高めることができる。
【0027】
上記エポキシ系化合物に含まれる環状構造の他の一例としては、含窒素複素環を挙げることができる。含窒素複素環含有化合物は、ハードコートフィルムにおいて支持体との密着性に優れる硬化層を形成する観点から好ましいカチオン重合性化合物である。含窒素複素環含有化合物としては、イソシアヌレート環(後述の例示化合物B−1〜B−3に含まれる含窒素複素環)及びグリコールウリル環(後述の例示化合物B−10に含まれる含窒素複素環)からなる群から選ばれる含窒素複素環を1分子中に1つ以上有する化合物が好ましい。中でも、イソシアヌレート環を含む化合物(イソシアヌレート環含有化合物)は、ハードコートフィルムにおいて支持体との密着性に優れる硬化層を形成する観点から、より好ましいカチオン重合性化合物である。これは、イソシアヌレート環が支持体を構成する樹脂との親和性に優れるためと、本発明者らは推察している。この点からは、アクリル系樹脂フィルムを含む支持体がより好ましく、硬化層と直接接する表面がアクリル系樹脂フィルム表面であることが更に好ましい。
【0028】
また、上記環状構造含有化合物に含まれる環状構造の他の一例としては、脂環構造を挙げることができる。脂環構造としては、例えば、シクロ環、ジシクロ環、トリシクロ環構造を挙げることができ、具体例としては、ジシクロペンタニル環、シクロヘキサン環等を挙げることができる。
【0029】
以上説明したカチオン重合性化合物は、公知の方法で合成することができる。また、市販品として入手することも可能である。などを好ましく用いることができる。
【0030】
エポキシ系化合物の具体例としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(株式会社ダイセル製サイクロマーM100等の市販品)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(例えば、ユニオンカーバイト社製UVR6105、UVR6110及びダイセル化学社製CELLOXIDE2021等の市販品)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(例えば、ユニオンカーバイト社製UVR6128)、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド(例えば、ダイセル化学社製CELOXIDE2000)、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(例えば、ダイセル化学会社製CELOXIDE2081)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテック製デナコールEX−314)等を挙げることができる。
【0031】
以下に、エポキシ系化合物の具体例として例示化合物B−1〜B−10を示すが、本発明は下記具体例に限定されるものではない。
【0035】
(第一の硬化層の構成)
本発明のハードコートフィルムは、硬化層の膜厚が10μmより大きく、鉛筆硬度を高める観点から硬化層の膜厚が大きい方が好ましい。一方、表面粗さを大きくする観点からは、硬化層の膜厚はある程度小さくすることが好ましい。硬化層の膜厚は10μmより大きく60μm以下であることが好ましく、15〜50μmであることが好ましく、15〜40μmであることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
【0036】
<第二の硬化層>
本発明のハードコートフィルムにおける第二の硬化層は(メタ)アクリロイル基含有硬化性化合物((メタ)アクリロイル系化合物)の硬化物を含有し、第二の硬化層におけるエポキシ基含有硬化性化合物の硬化物の含有率は、上記第一の硬化層におけるエポキシ基含有硬化性化合物の硬化物の含有率よりも小さい。
(メタ)アクリロイル系化合物1分子中の(メタ)アクリロイル基の数は限定されないが、カット性の観点から、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましく、6個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が特に好ましく、本業界で広範に用いられる高硬度の硬化物を形成する(メタ)アクリレート系化合物が挙げられる。
【0037】
このような(メタ)アクリレート系化合物としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル{例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0038】
上記(メタ)アクリレート系化合物としては、分子量が200以上3000未満であることが好ましい。なお本発明において分子量とは、多量体については、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)によりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量を言うものとする。重量平均分子量の具体的な測定条件の一例としては、以下の測定条件を挙げることができる。
GPC装置:HLC−8120(東ソー製)
カラム:TSK gel Multipore HXL−M(東ソー製、7.8mm(内径)×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン
【0039】
また、上記(メタ)アクリレート系化合物としては、上記アクリロイル基と共にウレタン結合を1分子中に1つ以上含む化合物(ウレタン(メタ)アクリレート)であることも好ましい。
【0040】
ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、下記のものに限定されるものではないが、例えば、共栄社化学社製UA−306H、UA−306I、UA−306T、UA−510H、UF−8001G、UA−101I、UA−101T、AT−600、AH−600、AI−600、新中村化学社製U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−32P、U−15HA、UA−1100H、日本合成化学工業社製紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EAを挙げることができる。また、日本合成化学工業社製紫光UV−2750B、共栄社化学社製UL−503LN、大日本インキ化学工業社製ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA、ダイセルUCB社製EB−1290K、トクシキ製ハイコープAU−2010、同AU−2020等も挙げられる。
【0041】
以下に、ウレタン(メタ)アクリレートの具体例として例示化合物A−1〜A−8を示すが、本発明は下記具体例に限定されるものではない。
【0044】
本発明における上記第二の硬化層が有する(メタ)アクリレート系化合物としては、ウレタン結合を有さない化合物であってもよい。
ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば以下のものを例示できる。ただし本発明は、下記例示化合物に限定されるものではない。
【0045】
例えば、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール300ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール600ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート(市販品として、例えば長瀬産業製デナコールDA−811等)、ポリプロピレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール700ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(EO;Ethylene Oxide)・プロピレンオキシド(PO;Propylene Oxide)ブロックポリエーテルジ(メタ)アクリレート(市販品として、例えば日本油脂製ブレンマーPETシリーズ等)、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO 付加型ジ(メタ)アクリレート(市販品として、例えば東亞合成製M−210、新中村化学工業製NKエステルA−BPE−20等)、水添ビスフェノールA EO付加型ジ(メタ)アクリレート(新中村化学工業製NKエステルA−HPE−4等)、ビスフェノールA PO付加型ジ(メタ)アクリレート(市販品として、例えば共栄社化学製ライトアクリレートBP−4PA等)、ビスフェノールA エピクロルヒドリン付加型ジ(メタ)アクリレート(市販品として、例えばダイセルUCB製エピクリル150等)、ビスフェノールA EO・PO付加型ジ(メタ)アクリレート(市販品として、例えば東邦化学工業製BP−023−PE等)、ビスフェノールF EO付加型ジ(メタ)アクリレート(市販品として、例えば東亞合成製アロニックスM−208等)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及びそのエピクロルヒドリン変性品、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びそのカプロラクトン変性品、1,4− ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、トリメチロールプロパンアクリル酸・安息香酸エステル、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート(市販品として、例えば東亞合成製アロニックスM−215 等)等の2官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
【0046】
また、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート(市販品として、例えば東亞合成製アロニックスM−315等)、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、フタル酸水素−(2,2,2−トリ−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品等の3官能(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル変性品等の5官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル変性品、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル変性品等の6官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
第二のラジカル重合性化合物は2種以上併用してもよい。この場合、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”(日本化薬(株)製)などを好ましく用いることができる。
【0047】
また、(メタ)アクリレート系化合物として、重量平均分子量が200以上1000未満のポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートも好ましい。市販品では、ポリエステル(メタ)アクリレートとして、荒川化学工業製の商品名ビームセット700シリーズ、すなわちビームセット700(6官能)、ビームセット710(4官能)、ビームセット720(3官能)等が挙げられる。また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、昭和高分子製の商品名SPシリーズ、例えばSP−1506、500、SP−1507、480、VRシリーズ、例えばVR−77、新中村化学工業製商品名EA−1010/ECA、EA−11020、EA−1025、EA−6310/ECA等が挙げられる。
【0048】
また、(メタ)アクリレート系化合物の具体例としては、下記例示化合物A−9〜A−11を挙げることもできる。
【0050】
分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート系化合物の具体例としては、特開2007−256844号公報段落0096に示されている例示化合物等を挙げることができる。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート系化合物の具体化合物としては、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA、同DPHA−2C、同PET−30、同TMPTA、同TPA−320、同TPA−330、同RP−1040、同T−1420、同D−310、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同GPO−303、大阪有機化学工業(株)製V#400、V#36095D等のポリオールと(メタ)アクリル酸のエステル化物を挙げることができる。また紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EA、同UV−2750B(日本合成化学(株)製)、UL−503LN(共栄社化学(株)製)、ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA(大日本インキ化学工業(株)製)、EB−1290K、EB−220、EB−5129、EB−1830,EB−4358(ダイセルUCB(株)製)、ハイコープAU−2010、同AU−2020((株)トクシキ製)、アロニックスM−1960(東亜合成(株)製)、アートレジンUN−3320HA,UN−3320HC,UN−3320HS、UN−904,HDP−4Tなどの3官能以上のウレタンアクリレート化合物、アロニックスM−8100,M−8030,M−9050(東亞合成(株)製、KBM−8307(ダイセルサイテック(株)製)の3官能以上のポリエステル化合物なども好適に使用することができる。
また、本発明における第二の硬化層に含まれる(メタ)アクリレート系化合物は、単一の化合物から構成しても良いし、複数の化合物を組み合わせて用いる事もできる。
【0051】
上記第二の硬化層全質量に対する上記(メタ)アクリレート系化合物の硬化物の含有量は、好ましくは30〜99質量%であり、より好ましくは60〜99質量%であり、更に好ましくは90〜99質量%である。
【0052】
(無機粒子)
本発明のハードコートフィルムの硬化層には、無機粒子を含有していてもよい。無機粒子としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタン等からなる微粒子を用いることができる。
本発明のハードコートフィルムは、第二の硬化層における無機粒子の含有量が10質量%以下であることが好ましい。第二の硬化層における無機粒子の含有量は5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
一般に、無機粒子は有機成分との親和性が低いため、硬化層が無機粒子を含有することにより、硬化後の硬化層がひび割れしやすくなったりする場合がある。第二の硬化層における無機粒子の含有量が10質量%以下であると、打ち抜き加工時に第一の硬化層に割れが発生することを防止することができる。
【0053】
(他の材料)
その他、第一及び第二の硬化層は、それぞれ必要に応じて、防汚剤、表面調整剤、レベリング剤等を含むことができ、これらの含有量は適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。
【0054】
<第一及び第二の硬化層におけるエポキシ系化合物の硬化物の含有率>
上記第二の硬化層は、エポキシ系化合物の硬化物を含んでいても含んでいなくてもよいが、第二の硬化層全質量に対する、第二の硬化層中のエポキシ系化合物の硬化物の含有量(含有率(W2))は、上記第一の硬化層全質量に対する、第一の硬化層中のエポキシ系化合物の硬化物の含有量(含有率(W1))よりも小さいものとする。
本発明において、含有率(W1)は、10〜70質量%であることが好ましく、25〜70質量%がより好ましい。
また、含有率(W2)は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
【0055】
<第一及び第二の硬化層の膜厚>
上記第二の硬化層の膜厚(T2)に対する第一の硬化層の膜厚(T1)の比は下記式(1)を満たす。
式(1):
7>(第一の硬化層の膜厚(T1)/第二の硬化層の膜厚(T2))>1
本発明において、上記式(1)は、カット性を高める観点から、下記式(1−1)を満たすことが好ましく、下記式(1−2)を満たすことがより好ましく、下記式(1−3)を満たすことが更に好ましい。
式(1−1):6>(T1/T2)>1.5
式(1−2):4>(T1/T2)>2
式(1−3):3>(T1/T2)>2
また、それぞれの膜厚としては、第一の硬化層の膜厚(T1)は10〜60μmであることが好ましく、15〜40μmがより好ましく、15〜30μmが更に好ましい。
第二の硬化層の膜厚(T2)は5〜30μmであることが好ましく、5〜20μmがより好ましく、10〜15μmが更に好ましい。
【0056】
上述の通り、第二の硬化層中のエポキシ系化合物の硬化物の含有率を、第一の硬化層中のエポキシ系化合物の硬化物の含有率よりも小さくすることにより、第二の硬化層の膜厚を第一の硬化層の膜厚よりも小さくすることができる。その結果、フィルム全体の膜厚を小さくすることができ、更に得られるフィルムにひずみが発生することを防止することができるので、カット性が優れたハードコートフィルムを得ることができる。
【0057】
本発明のハードコートフィルムは、上記第一の硬化層及び第二の硬化層の他に、それぞれ他の硬化層を有していてもよい。本発明のハードコートフィルムが優れたカット性を有するものとするためには、複数の硬化層のうち、上記第一の硬化層及び第二の硬化層が支持体の両面側において主な層となるように形成されていることが好ましい。
また、本発明のハードコートフィルムをタッチパネルに用いる場合、上記第一の硬化層がタッチ面側となるようにハードコートフィルムを配置することが好ましいが、フィルム表面の平滑性を優れたものにするためには、上記条件を満たす第一の硬化層がフィルムの最表面側に配置されることが好ましい。
【0058】
(硬化層の形成方法)
上記第一及び第二の硬化層は、各硬化層を構成する各種成分を同時に、又は任意の順序で順次混合することにより調製することができる。調製方法は特に限定されるものではなく、調製には公知の攪拌機等を用いることができる。
上記のようにして調製した硬化層形成用組成物を、基材フィルム上に直接、又は接着剤層や粘着剤層等の他の層を介して、塗布し、光照射することにより、硬化層を形成することができる。塗布は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法等の公知の塗布方法により行うことができる。塗布量は、所望の膜厚の硬化層を形成可能な量に調整すればよい。なお硬化層は、二種以上の異なる組成の組成物を同時又は逐次塗布することにより二層以上(例えば二層〜五層程度)の積層構造の硬化層として形成することもできる。
【0059】
光照射の前及び後の一方又は両方において、必要に応じて乾燥処理を行ってもよい。乾燥処理は、温風の吹き付け、加熱炉内への配置、加熱炉内での搬送等により行うことができる。加熱温度は、溶媒を乾燥除去できる温度に設定すればよく、特に限定されるものではない。ここで加熱温度とは、温風の温度又は加熱炉内の雰囲気温度をいうものとする。
【0060】
(他の材料)
その他、硬化層又は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物、光重合開始剤、防汚剤、溶媒などを含むことができる。上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、更に必要に応じて、公知の添加剤の一種以上を任意に含むことができる。そのような添加剤としては。表面調整剤、レベリング剤、重合禁止剤等を挙げることができる。それらの詳細については、例えば特開2012−229412号公報の段落0032〜0034を参照できる。ただしこれらに限らず、光重合性組成物に一般に使用され得る各種添加剤を用いることができる。また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物への添加剤の添加量は適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。
【0061】
《防汚剤》
硬化層又は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、防汚剤を含有することが、指紋や汚れの付着が低減され、また、付着した汚れの拭き取りが簡単になり好ましい。また、表面のすべり性を向上させる事により耐擦傷性を向上させる観点からも、好ましい。防汚剤をg)成分とも称する。
防汚剤が含フッ素化合物を含有し、この含フッ素化合物が、パーフルオロポリエーテル基及び重合性不飽和基を有し、かつ重合性不飽和基を一分子中に複数有することが好ましい。
本発明に用いることができる防汚剤については、特開2012−088699号公開の[0012]〜[0101]に記載の材料を用いることができ、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
以上説明した防汚剤としては、公知の方法で合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品としては、DIC社製のRS−90、RS−78、TF1682などを好ましく用いることができ、耐擦性の観点からDIC社製のRS−90をより好ましく用いることができる。
【0062】
(任意の層)
本発明のハードコートフィルムは、支持体と第一及び第二の硬化層に加え、任意に一層以上の他の層を含んでいてもよい。そのような任意の層としては、これらに限定されるものではないが、例えば、易接着剤層、反射防止層(一層以上の高屈折率層と一層以上の低屈折率層の積層フィルム)等を挙げることができる。それらについては、例えば特許第5048304号段落0069〜0091等を参照できる。またタッチセンサーフィルム、偏光子、加飾層を設けてもよい。
【0063】
(低屈折率層)
本発明のハードコートフィルムが反射防止フィルムとして用いられる場合、硬化層の表面に一層又は複数の反射防止層を積層することも好ましい態様である。以下に本発明に好ましく用いることができる反射防止層の構成を示す。
【0064】
イ:支持体/硬化層/低屈折率層
ロ:支持体/硬化層/高屈折率層/低屈折率層
ハ:支持体/硬化層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
【0065】
本発明のハードコートフィルムは、硬化層の上に、直接又は他の層を介して低屈折率層を有することが好ましい。
低屈折率層の好ましい態様については、特開2009−204725号公報の0077〜0102段落に記載があり、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
本発明のハードコートフィルムには、低屈折率層と硬化層の間に屈折率の高い層(高屈折率層、中屈折率層)を設け、反射防止性を高めることができる。高屈折率層と中屈折率層を高屈折率層と総称して呼ぶことがある。なお、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の「高」、「中」、「低」とは層相互の相対的な屈折率の大小関係を表す。また、支持体との関係で言えば屈性率は、支持体>低屈折率層、高屈折率層>支持体の関係を満たすことが好ましい。
また、本明細書では高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層を総称して反射防止層と総称して呼ぶことがある。高屈折率層の好ましい態様については、特開2009−204725号公報の0103〜0112段落に記載があり、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
【0066】
(タッチセンサーフィルム)
本発明のハードコートフィルムは、一方の面、好ましくは第二の硬化層が配置された側の面にタッチセンサーフィルムが貼り合わされてなることが好ましい。
タッチセンサーフィルムとしては特に制限はないが、導電層が形成された導電性フィルムであることが好ましい。
導電性フィルムは、任意の支持体の上に導電層が形成された導電性フィルムであることが好ましい。
【0067】
導電層の材料としては特に制限されるものではなく、例えば、インジュウム・スズ複合酸化物(Indium Tin Oxide;ITO)、スズ酸化物、ATO(Antimony Tin Oxide);、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロムやこれらの合金などがあげられる。
導電層は、電極パターンであることが好ましい。また、透明電極パターンであることも好ましい。電極パターンは透明導電材料層をパターニングしたものでもよく、不透明な導電材料の層をパターン形成したものでもよい。
【0068】
透明導電材料としてはITOやATOなどの酸化物、銀ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、導電性高分子等を用いることができる。
【0069】
不透明な導電材料の層としては例えば金属層が挙げられる。金属層としては導電性を持った金属であれば使用可能であり、銀、銅、金、アルミニウム等が好適に用いられる。金属層は単体の金属や合金であってもよく、金属粒子が結着材により結着されたものでもよい。又、必要に応じて、金属表面に対し黒化処理や防錆処理が適用される。金属を用いる場合は、実質透明なセンサー部と周辺の配線部を一括形成することが可能である。
【0070】
導電層が、複数の金属細線を含むことが好ましい。
金属細線が銀又は銀を含む合金からなることが好ましい。金属細線が銀又は銀を含む合金からなる導電層としては特に制限は無く、公知の導電層を用いることができる。例えば、特開2014−168886号公報の[0040]〜[0041]に記載の導電層を用いることが好ましく、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
金属細線が銅又は銅を含む合金からなることも好ましい。金属細線が銅又は銅を含む合金からなるとしては特に制限は無く、公知の導電層を用いることができる。例えば、特開2015−49852号公報の[0038]〜[0059]段落に記載の導電層を用いることが好ましく、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
【0071】
導電層が酸化物からなることも好ましい。導電層が酸化物からなる場合、酸化物が酸化スズを含有する酸化インジウム又はアンチモンを含有する酸化スズからなることがより好ましい。導電層が酸化物からなる導電層としては特に制限は無く、公知の導電層を用いることができる。例えば、特開2010−27293号公報の[0017]〜[0037]段落に記載の導電層を用いることが好ましく、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
【0072】
これらの構成の導電層の中でも、導電層が、複数の金属細線を含み、金属配線がメッシュ状若しくはランダム状に配置されていることが好ましく、金属配線がメッシュ状に配置されていることがより好ましい。その中でも、金属配線がメッシュ状に配置されており、金属細線が銀又は銀を含む合金からなることが特に好ましい。
タッチセンサーフィルムは、両面に導電層を有することも好ましい。
【0073】
タッチセンサーフィルムの好ましい態様については、特開2012−206307号公報の[0016]〜[0042]段落に記載があり、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
【0074】
(偏光子)
本発明のハードコートフィルムは、一方の面に偏光子が貼り合わされてなることも好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、偏光子とその両側に配置された保護フィルムとからなる偏光板の、その保護フィルムの一方又は両方に使用して、ハードコート性を有する偏光板とすることができる。
本発明のハードコートフィルムを有し、脆性が改良されハンドリング性に優れ、表面平滑性やシワによる表示品位を損なう事が無く、湿熱試験時の光漏れを低減する事ができる偏光板を提供できることが好ましい。
【0075】
一方の保護フィルムとして本発明のハードコートフィルムを用い、他方の保護フィルムには、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、その他方の保護フィルムには、溶液製膜法で製造され、かつ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における幅方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。
【0076】
また、偏光子の2枚の保護フィルムのうち、本発明のハードコートフィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい態様である。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
【0077】
偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子及び染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
【0078】
また偏光子としては、公知の偏光子や、偏光子の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光子から切り出された偏光子を用いてもよい。偏光子の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光子は以下の方法により作製される。
すなわち、連続的に供給されるポリビニルアルコール系フィルムなどのポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸して、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内で、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルム進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するように、フィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
【0079】
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落番号0020〜0030に詳しい記載がある。
【0080】
<ハードコートフィルムを含む物品>
本発明のハードコートフィルムを含む物品としては、家電業界、電気電子業界、自動車業界、住宅業界をはじめとする様々な産業界において耐傷性を向上することが求められる各種物品を挙げることができる。具体例としては、タッチセンサ、タッチパネル、液晶表示装置等の画像表示装置、自動車の窓ガラス、住居の窓ガラス、等を挙げることができる。これら物品に、好ましくは表面保護フィルムとして本発明のハードコートフィルムを設けることにより、耐傷性に優れた物品を提供することが可能となる。本発明のハードコートフィルムは、タッチパネル前面板用ハードコートフィルムであることが好ましい。
【0081】
[画像表示素子の前面板]
本発明の画像表示素子の前面板は、本発明のハードコートフィルムを含む画像表示素子の前面板である。上述のとおり、画像表示装置の表面保護フィルムとして本発明のハードコートフィルムを設ける場合、画像表示素子の前面板としての使用となる。また、タッチパネルの前面板として従来用いられているカバーガラスを代替できるカバープラスチックとして、ハードコートフィルムを設ける場合も、画像表示素子の前面板としての使用となる。
本発明の画像表示素子の前面板を用いることができるタッチパネルは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量式タッチパネル、投影型静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。詳細については、本発明の抵抗膜式タッチパネル及び本発明の静電容量式タッチパネルとして後述する。
なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。タッチパネルにおけるタッチパネルセンサー電極部の層構成が、2枚の透明電極を貼合する貼合方式、1枚の基板の両面に透明電極を具備する方式、片面ジャンパーあるいはスルーホール方式あるいは片面積層方式のいずれでもよい。また投影型静電容量式タッチパネルは、DC(direct current)駆動よりAC(alternating current)駆動が好ましく、電極への電圧印加時間が少ない駆動方式がより好ましい。
【0082】
[抵抗膜式タッチパネル]
本発明の抵抗膜式タッチパネルは、本発明の画像表示素子の前面板を含む、抵抗膜式タッチパネルである。
抵抗膜式タッチパネルは、導電性膜を有する上下一対の基板の導電性膜同士が対向するようにスペーサーを介して配置された基本構成からなるものである。なお抵抗膜式タッチパネルの構成は公知であり、本発明では公知技術を何ら制限なく適用することができる。
【0083】
[静電容量式タッチパネル]
本発明の静電容量式タッチパネルは、本発明の画像表示素子の前面板を含む、静電容量式タッチパネルである。
静電容量式タッチパネルの方式としては、表面型静電容量式、投影型静電容量式等が挙げられる。投影型の静電容量式タッチパネルは、X軸電極と、X電極と直交するY軸電極とを絶縁体を介して配置した基本構成からなる。具体的態様としては、X電極及びY電極が、1枚の基板上の別々の面に形成される態様、1枚の基板上にX電極、絶縁体層、Y電極をこの順で形成する態様、1枚の基板上にX電極を形成し、別の基板上にY電極を形成する態様(この態様では、2枚の基板を貼り合わせた構成が上記基本構成となる)等が挙げられる。なお静電容量式タッチパネルの構成は公知であり、本発明では公知技術を何ら制限なく適用することができる。
【0084】
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の画像表示素子の前面板と、画像表示素子とを有する画像表示装置である。
本発明の画像表示素子の前面板は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイや陰極管表示装置のような画像表示装置に用いることができる。液晶表示装置としては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super−Twisted Nematic)型、TSTN(Triple Super Twisted Nematic)型、マルチドメイン型、VA(Vertical Alignment)型、IPS(In Plane Switching)型、OCB(Optically CompensatedBend)型等が挙げられる。
本発明によれば、本発明の画像表示素子の前面板を有し、脆性が改良されハンドリング性に優れ、表面平滑性やシワによる表示品位を損なう事が無く、湿熱試験時の光漏れを低減する事ができる画像表示装置を提供できることが好ましい。
画像表示装置は、特に、液晶セルと、液晶セルの少なくとも一方の面に配置された本発明の偏光板とを含み、本発明のハードコートフィルムが最表面に配置された液晶表示装置であることが好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置は、画像表示素子が液晶表示素子であることが好ましい。
【0085】
本発明の画像表示装置は、画像表示素子が有機エレクトロルミネッセンス表示素子であることも好ましい。
【0086】
本発明の画像表示装置は、画像表示素子がインセル(In−Cell)タッチパネル表示素子であることが好ましい。インセルタッチパネル表示素子とは、タッチパネル機能を画像表示素子セル内に内蔵したものである。
インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報等の公知技術を、何ら制限なく適用することができる。
【0087】
また、本発明の画像表示装置は、画像表示素子がオンセル(On−Cell)タッチパネル表示素子であることも好ましい。オンセルタッチパネル表示素子とは、タッチパネル機能を画像表示素子セル外に配置したものである。
オンセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2012−88683号公報等の公知技術を、何ら制限なく適用することができる。
【実施例】
【0088】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。以下において、「%」とは、特記しない限り、「質量%」を意味し、混合比については、特記しない限り質量比を意味する。また、以下に記載の工程は、特記しない限り、室温下で行った。ここで室温とは、20〜25℃の範囲の温度である。
【0089】
[支持体の作製]
〔実施例1〜16、19、比較例1〜4〕
<樹脂フィルムの作製>
住友化学製のアクリル系樹脂(PMMA)(商品名スミペックスEX)のペレットを押出径65mmφの一軸押出機に、住化スタイロンポリカーボネート製のポリカーボネート系樹脂(PC)(商品名カリバー301−10)を押出径45mmφの一軸押出機に、それぞれ投入して溶融し、マルチマニホールド方式にて溶融積層一体化させ、各層が下記表2の膜厚となるよう制御して、設定温度260℃のT型ダイスを介して押出した。得られるフィルム状物を一対の金属製ロールの間に挟み込んで成形することにより、アクリル系樹脂フィルム/ポリカーボネート樹脂フィルム/アクリル系樹脂フィルムの三層構成からなる樹脂フィルムを作製した。
【0090】
〔実施例17〕
<樹脂フィルムの作製>
三層構成(外層/コア層/外層)のセルロースアシレート(タック)フィルム(積層フィルム)を以下の方法により作製した。
((1)コア層セルロースアシレートドープの調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し攪拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープを調製した。
(コア層セルロースアシレートドープ)
・アセチル置換度2.88、重量平均分子量260000のセルロースアセテート 100質量部
・下記構造のフタル酸エステルオリゴマーA 10質量部
・下記式Iで表される化合物 4質量部
・紫外線吸収剤(下記式IIで表される化合物、BASF社製)
2.7質量部
・光安定剤(BASF社製TINUVIN123) 0.18質量部
・N−アルケニルプロピレンジアミン三酢酸(ナガセケムテックス製テークランDO) 0.02質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
・メタノール(第2溶媒) 64質量部
【0091】
使用した化合物を以下に示す。
フタル酸エステルオリゴマーA(重量平均分子量:750)
【0092】
【化10】
【0093】
式Iで表される化合物
式I:
【0094】
【化11】
【0095】
式IIで表される化合物(紫外線吸収剤)
式II:
【0096】
【化12】
【0097】
((2)外層セルロースアシレートドープの調製)
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記の無機粒子含有組成物を10質量部加え、外層セルロースアシレートドープ溶液を調製した。
(無機粒子含有組成物)
平均一次粒径20nmのシリカ粒子 2質量部
(日本アエロジル製AEROSIL R972)
メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
メタノール(第2溶剤) 11質量部
コア層セルロースアシレートドープ 1質量部
【0098】
((3)樹脂フィルムの作製)
上記コア層セルロースアシレートドープとその両側に流延される外層セルロースアシレートドープとを三層同時に流延口から表面温度20℃のドラム上に流延した。溶媒含有率が約20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、残留溶媒が3〜15質量%の状態で、横方向に1.18倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、厚さが200μmである樹脂フィルムを作製した。
【0099】
〔実施例18〕
<樹脂フィルムの作製>
((1)易接着層形成用組成物の調製)
下記組成の重合性化合物を共重合したポリエステル系樹脂のスルホン酸系水分散体を得た。
(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=44/46/10//84/16(モル比)
次に、下記手順で、架橋剤(イソシアネート系化合物A)を調製した。
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ(反応器)内を窒素雰囲気にし、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート):1000質量部、3価アルコールであるトリメチロールプロパン(分子量134)22質量部を仕込み、攪拌下反応器内の反応液温度を90℃1時間保持しウレタン化を行った。その後反応液温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒トリメチルベンジルアンモニウム・ハイドロオキサイドを加え、転化率が48%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去した。
得られたイソシアネート系化合物aの25℃における粘度は25,000mPa・s、イソシアネート基含有量は19.9質量%、数平均分子量は1080、イソシアネート基平均数は5.1であった。上記及び下記の数平均分子量とは、GPCにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量である。その後、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)測定により、ウレタン結合、アロファネート結合、イソシアヌレート結合の存在を確認した。
【0100】
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ(反応器)内を窒素雰囲気にし、上記で得られたイソシアネート系化合物a 100質量部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3質量部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル76.6質量部を仕込み、反応液温度80℃で6時間保持した。その後反応液温度を60℃に冷却し、マロン酸ジエチル72質量部、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液0.88質量部を添加し、4時間保持した後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86質量部を添加した。引き続き、ジイソプロピルアミン43.3質量部を添加し、反応液温度70℃で5時間保持した。この反応液をガスクロマトグラフで分析し、ジイソプロピルアミンの反応率が70%であることを確認し、イソシアネート系化合物Aを得た(固形分濃度70質量%、有効NCO基質量5.3%)。
ケン化度が77%で重合度600のカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂(クラレ社製)57.6質量部、上記で作製したポリエステル系樹脂28.8質量部(固形分)、上記で作製したイソシアネート系化物A 4.0質量部、有機スズ系化合物(第一工業製薬製エラストロンCat・21)0.7質量部、平均一次粒径80nmのシリカゾル8.1質量部を混合し、固形分が8.9質量部になるよう水で希釈し、易接着層形成組成物を調製した。
【0101】
((2)樹脂フィルムの作製)
<原料ポリエステルの合成>
(原料ポリエステル1)
以下に示すように、テレフタル酸及びエチレングリコールを直接反応させて水を留去し、エステル化した後、減圧下で重縮合を行う直接エステル化法を用いて、連続重合装置により原料ポリエステル1(Sb触媒系PET)を得た。
【0102】
(1)エステル化反応
第一エステル化反応槽に、高純度テレフタル酸4.7トンとエチレングリコール1.8トンを90分かけて混合してスラリー形成させ、3800kg/hの流量で連続的に第一エステル化反応槽に供給した。更に三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液を連続的に供給し、反応槽内温度250℃、攪拌下、平均滞留時間約4.3時間で反応を行なった。このとき、三酸化アンチモンはSb添加量が元素換算値で150ppmとなるように連続的に添加した。
【0103】
この反応物を第二エステル化反応槽に移送し、攪拌下、反応槽内温度250℃で、平均滞留時間で1.2時間反応させた。第二エステル化反応槽には、酢酸マグネシウムのエチレングリコール溶液と、リン酸トリメチルのエチレングリコール溶液を、Mg添加量及びP添加量が元素換算値でそれぞれ65ppm、35ppmになるように連続的に供給した。
【0104】
(2)重縮合反応
上記で得られたエステル化反応生成物を連続的に第一重縮合反応槽に供給し、攪拌下、反応温度270℃、反応槽内圧力20torr(2.67×10
−4MPa)で、平均滞留時間約1.8時間で重縮合させた。
【0105】
更に、第二重縮合反応槽に移送し、この反応槽において攪拌下、反応槽内温度276℃、反応槽内圧力5torr(6.67×10
-4MPa)で滞留時間約1.2時間の条件で反応(重縮合)させた。
【0106】
次いで、更に第三重縮合反応槽に移送し、この反応槽では、反応槽内温度278℃、反応槽内圧力1.5torr(2.0×10
-4MPa)で、滞留時間1.5時間の条件で反応(重縮合)させ、反応物(ポリエチレンテレフタレート(PET))を得た。
【0107】
次に、得られた反応物を、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリエステルのペレット<断面:長径約4mm、短径約2mm、長さ:約3mm>を作製した。
【0108】
得られたポリマーは、IV=0.63であった。このポリマーを原料ポリエステル1とした。
【0109】
(原料ポリエステル2)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)10質量部、原料ポリエステル1(IV=0.63)90質量部を混合し、混練押出機を用い、原料ポリエステル1の作製と同様にしてペレット化して、紫外線吸収剤を含有する原料ポリエステル2を得た。
三層構成(第I層/第II層/第III層)のポリエステル系樹脂フィルム(積層フィルム)を、以下の方法で作製した。
以下に示す第II層用組成物を、含水率が20ppm(質量基準)以下となるまで乾燥させた後、直径50mmの一軸混練押出機のホッパーに投入し、押出機で300℃に溶融することにより、第I層と第III層との間に位置する第II層を形成するための樹脂溶融物を調製した。
(第II層用組成物)
原料ポリエステル1 90質量部
紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)10質量部を含有した原料ポリエステル2
10質量部
【0110】
上記原料ポリエステル1を、含水率が20ppm(質量基準)以下となるまで乾燥させた後、直径30mmの一軸混練押出機2のホッパーに投入し、押出機で300℃に溶融することにより、第I層及び第III層を形成するための樹脂溶融物を調製した。
これらの2種の樹脂溶融物を、それぞれギアポンプ、濾過器(孔径20μm)に通した後、二種三層合流ブロックにて、第II層用押出機から押出された樹脂溶融物が内部の層に、第I層用及び第III層用押出機から押出された樹脂溶融物が外層になるように積層し、幅120mmのダイよりシート状に押し出した。
ダイから押出した溶融樹脂シートを、表面温度25℃に設定された冷却キャストドラム上に押出し、静電印加法を用い冷却キャストドラムに密着させた。冷却キャストドラムに対向配置された剥ぎ取りロールを用いて剥離し、未延伸フィルムを得た。このとき、第I層、第II層、第III層の厚みの比は10:80:10となるように各押出機の吐出量を調整した。
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて、フィルム表面温度が95℃になるように加熱し、その後周速差のあるロール群でフィルム走行方向から垂直方向に4.0倍延伸して、厚さが200μmである樹脂フィルム(積層フィルム)を得た。
【0111】
((3)易接着層付樹脂フィルムの作製)
上記で作製した樹脂フィルムの片面に、500J/m
2の処理量でコロナ放電処理を実施した。その後、リバースロール法にて、コロナ放電処理面に上記で作製した易接着層形成用組成物を乾燥後の厚さが0.1μmになるように調整しながら塗布し、易接着層付樹脂フィルムを作製した。
【0112】
[ハードコートフィルムの作製]
<硬化層形成用組成物の調製>
以下の表1に示す組成で各成分を添加し、孔径10μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して硬化層形成用組成物HC1〜HC7を調製した。溶媒以外の成分に関して、表1に示す数値は、各成分の「硬化層形成用組成物中の固形分全量に占める割合(質量%)」を表す。即ち、無機粒子(日揮触媒化成製ELECOM V−8802)のように溶媒で希釈された材料についても、固形分比率が表1に記載の量になるように調整して添加した。溶媒については、溶媒比が表1に記載された比率になるように調整し、固形分比率が60質量%である硬化層形成用組成物を調製した。
【0113】
【表1】
【0114】
使用した化合物を以下に示す。
(重合性化合物)
日本化薬製DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物
日本合成化学製UV−1700B:10官能ウレタンアクリレートモノマー
ナガセケムテックス製デナコールEX−314:グリセロールポリグリシジルエーテル
ダイセル製サイクロマーM100:3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
(無機粒子)
日揮触媒化成製ELECOM V−8802
(光重合開始剤)
Irg184(IRGACURE184、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、α−ヒドロキシアルキルフェノン系のラジカル光重合開始剤、BASF製)
PAG−1(以下に示すヨードニウム塩化合物(カチオン光重合開始剤))
【0115】
【化13】
【0116】
(防汚剤)
DIC製RS−90
DIC製TF1682
【0117】
<ハードコートフィルムの形成>
下記表2に示す硬化層形成用組成物HC1〜HC7のいずれかを使用し、以下に示す方法で第一の硬化層及び第二の硬化層を形成し、実施例1〜19、及び比較例1〜4のハードコートフィルムを形成した。
【0118】
≪第一の硬化層の形成≫
硬化層形成用組成物の硬化後の厚さ(総厚)が下記表2に示す厚さになるように調整し、下記表2に示した支持体の一方の表面上に各硬化層形成用組成物を塗布し、硬化させて第一の硬化層を形成した。易接着層を有する樹脂フィルムには、易接着層表面に硬化層形成用組成物を塗布した。
塗布及び硬化の方法は、具体的には、次の通りとした。特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で各活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、雰囲気温度60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1体積%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス製)を用いて、照度400mW/cm
2、照射量500mJ/cm
2の紫外線を照射して上記組成物を硬化させて第一の硬化層を形成した後、巻き取りを行った。
【0119】
≪第二の硬化層の形成≫
上記第一の硬化層を形成した支持体における、第一の硬化層とは反対側の表面上に硬化層形成用組成物を塗布し、第一の硬化層の形成時と同様に硬化して第二の硬化層を形成し、実施例及び比較例のハードコートフィルムを形成した。
【0120】
[ハードコートフィルムの評価]
<平滑性>
実施例及び比較例のフィルムの第一硬化層形成側の表面について、平面性を評価した。詳しくは、第一硬化層が形成された表面上の蛍光灯の反射像を観察し、以下の通り評価した。
A:蛍光灯の反射像にゆがみがない。
B:蛍光灯の反射像にゆがみがあり、実用上問題があった。
【0121】
<カット性>
実施例及び比較例のフィルムを、温度25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、打ち抜き刃が第一硬化層側から入るように、型抜き機(アマダ社製手動プレス機トルクパックプレスTPシリーズ)を用いて型抜きした。打ち抜き後のフィルムの第一硬化層側及び、第二硬化層側の端部を光学顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。
A:端部に割れは認められない
B:端部に割れが認められるが、割れの長さが50μm未満であり実用上問題なかった。
C:端部に割れが認められるが、割れの長さが50μm以上200μm未満であり、実用上問題がなかった。
D:端部に割れが認められ、割れの長さが200μm以上あり、実用上問題があった。
【0122】
<鉛筆硬度>
JIS K 5400に従い鉛筆硬度評価を行った。
実施例及び比較例のフィルムの第一硬化層側の表面を温度25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、評価対象表面の異なる5箇所について、JIS S 6006に規定するH〜9Hの試験用鉛筆を用いて4.9Nの荷重にて引っ掻いた。その後、目視で傷が認められる箇所が0〜2箇所であった鉛筆の硬度のうち、最も硬度の高い鉛筆硬度を評価結果とした。
各評価結果を下記表3に示す。
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
上記表1〜3より、本実施例のハードコートフィルムは、表面の平滑性が優れていると共に、良好なカット性を有するものとなった。