特許第6453240号(P6453240)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6453240取り外し可能なガス分配プレートを有するシャワーヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453240
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】取り外し可能なガス分配プレートを有するシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190107BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20190107BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20190107BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20190107BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20190107BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   H01L21/302 101M
   H01L21/205
   H01L21/31 C
   C23C16/455
   C23C16/505
   H05H1/46 M
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-555189(P2015-555189)
(86)(22)【出願日】2014年1月16日
(65)【公表番号】特表2016-511935(P2016-511935A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】US2014011756
(87)【国際公開番号】WO2014116489
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2017年1月13日
(31)【優先権主張番号】61/756,545
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/833,257
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー ディミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ニャジク ウラディミル
(72)【発明者】
【氏名】ノーアバクシュ ハミド
(72)【発明者】
【氏名】デラ ローサ ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】イェー ツェン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サン ジェニファー ワイ
(72)【発明者】
【氏名】バンダ サマンス
【審査官】 高橋 宣博
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−500471(JP,A)
【文献】 特開2006−120872(JP,A)
【文献】 特表2010−541239(JP,A)
【文献】 特表2006−513323(JP,A)
【文献】 特開2005−033167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23C 16/455
C23C 16/505
H01L 21/205
H01L 21/31
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理チャンバ内で使用するためのシャワーヘッドであって、
第1面及び対向する第2面を有するベースと、
ベースの第2面に近接して配置されたガス分配プレートと、
ガス分配プレートをベースに取り外し可能に結合するためにガス分配プレートの周縁部の周りに配置されたクランプと、
ベースとガス分配プレートとの間に配置された熱ガスケットと
クランプとガス分配プレートとの間に配置された第2のRFガスケットを含むシャワーヘッド。
【請求項2】
熱ガスケットは、ベースとガス分配プレートとの間に配置された複数の同心円状リングを含む請求項1記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
熱ガスケットは、長方形の断面を有する請求項1記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
ベースの周縁部及びクランプの周りに配置され、ベースの少なくとも一部及びガス分配プレートの少なくとも一部を覆うようにクランプの部分に亘って延びるリングを含む請求項1記載のシャワーヘッド。
【請求項5】
クランプとベースとの間に配置された第1のRFガスケットを含む請求項1記載のシャワーヘッド。
【請求項6】
ベースは、ベースの第1面から第2面まで延びる複数の貫通孔を含む請求項1記載のシャワーヘッド。
【請求項7】
ベースは、ベースの第1面内に形成されたプレナムを含み、プレナムは、複数の貫通孔に流体結合されている請求項記載のシャワーヘッド。
【請求項8】
複数の貫通孔の各々の端部は、ベース内に皿穴が開けられている請求項記載のシャワーヘッド。
【請求項9】
ガス分配プレートは、単結晶シリコン(Si)から製造される請求項1記載のシャワーヘッド。
【請求項10】
チャンバ本体の内部容積内に配置された基板支持体を有するチャンバ本体と、
基板支持体の反対側のチャンバ本体の内部容積内に配置された請求項1〜9のいずれか1項に記載のシャワーヘッドを含み、ベースの第1面は、処理チャンバのコンポーネントに結合されている処理チャンバ。
【請求項11】
処理チャンバのコンポーネントは、チャンバ本体の天井に結合された冷却プレートである請求項10記載の処理チャンバ。
【請求項12】
シャワーヘッドは、ベースの周縁部の周りに配置されたリングを含み、リングは、チャンバ本体内に配置されたライナによって支持されている請求項10記載の処理チャンバ。
【請求項13】
チャンバ本体の内部容積内に配置された基板支持体を有するチャンバ本体と、
基板支持体の反対側のチャンバ本体の内部容積内に配置されたシャワーヘッドを含み、シャワーヘッドは、
第1面及び対向する第2面を有するベースと、
ベースの第2面に近接して配置されたガス分配プレートと、
ガス分配プレートをベースに取り外し可能に結合するためにガス分配プレートの周縁部の周りに配置されたクランプと、
ベースの周縁部及びクランプの周りに配置され、ベースの少なくとも一部及びガス分配プレートの少なくとも一部を覆うようにクランプの部分に亘って延びるリングと、
ベースとガス分配プレートとの間に配置された熱ガスケットを含み、
ベースの第1面は、処理チャンバのコンポーネントに結合されており、リングはチャンバ本体内に配置されたライナによって支持されている処理チャンバ。
【請求項14】
処理チャンバのコンポーネントは、チャンバ本体の天井に結合された冷却プレートである請求項13記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して、半導体処理装置に関する。
【背景】
【0002】
半導体処理チャンバ(例えば、堆積チャンバ、エッチングチャンバなど)内で利用される従来のシャワーヘッドは、典型的には、恒久的にベースに結合されたガス分配プレートを含む。ガス分配プレートは、プラズマ処理中にプラズマへの曝露によって引き起こる劣化により周期的な交換を必要とする。しかしながら、本発明者らは、ガス分配プレートが、恒久的にベースに結合されているので、ガス分配プレートを交換するためにシャワーヘッドアセンブリ全体を交換する必要があり、このように交換処理を高価にすることに気付いた。
【0003】
したがって、本発明者らは、取り外し可能なガス分配プレートを有する改良されたシャワーヘッドの実施形態を提供してきた。
【概要】
【0004】
取り外し可能なガス分配プレートを有するシャワーヘッドの実施形態が、本明細書内に提供される。いくつかの実施形態では、半導体処理チャンバ内で使用するためのシャワーヘッドは、第1面及び第2面を有するベースと、ベースの第2面に近接して配置されたガス分配プレートと、ガス分配プレートをベースに取り外し可能に結合するためにガス分配プレートの周縁部の周りに配置されたクランプと、ベースとガス分配プレートとの間に配置された熱ガスケットとを含むことができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、処理チャンバは、チャンバ本体の内部容積内に配置された基板支持体を有するチャンバ本体と、基板支持体の反対側のチャンバ本体の内部容積内に配置されたシャワーヘッドを含むことができる。シャワーヘッドは、第1面及び対向する第2面を有するベースであって、ベースの第1面は、処理チャンバのコンポーネントに結合されたベースと、ベースの第2面に近接して配置されたガス分配プレートと、ガス分配プレートをベースに取り外し可能に結合するためにガス分配プレートの周縁部の周りに配置されたクランプと、ベースとガス分配プレートとの間に配置された熱ガスケットとを含む。
【0006】
本発明の他の、及び更なる実施形態が、以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
上記に簡単に要約され、以下に詳細に議論される本発明の実施形態は、添付の図面に示される本発明の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
図1】本発明のいくつかの実施形態に係るガス分配プレートを有するシャワーヘッドを示す。
図2】本発明のいくつかの実施形態によるガス分配プレートを有するシャワーヘッドと共に使用するのに適した処理チャンバを示す。
【0008】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。図面は、比例して描かれているわけではなく、明確にするために簡素化されているかもしれない。一実施形態の要素及び構成を更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込んでもよいと理解される。
【詳細な説明】
【0009】
取り外し可能なガス分配プレートを有するシャワーヘッドの実施形態が、本明細書内に提供される。少なくともいくつかの実施形態では、本発明のシャワーヘッドは、有利なことに、ガス分配プレートの取り外し及び交換を可能にし、これによって恒久的に結合したガス分配プレートを有する従来のシャワーヘッドと比較して、より長い耐用年数を有し、ガス分配プレートの交換においてより費用効率の高いシャワーヘッドを提供することができる。
【0010】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係るガス分配プレートを有するシャワーヘッドを示す。シャワーヘッド100は、一般的に、本体102と、ガス分配プレート104と、ガス分配プレートを本体102に取り外し可能に結合するように構成したクランプ110を含む。
【0011】
本体102は、第1面150と、第2面140と、第1面150から第2面140まで延びる本体102内に形成された複数の貫通孔116を含む。複数の貫通孔116は、本体102を貫通してガス分配プレート104への処理ガスの通過を促進する。いくつかの実施形態では、貫通孔116は、皿穴(例えば、図示の皿穴118)を開け、これによって貫通孔116における残留電界を低減し、ガス分配プレート104へのより均一なガス流を促進することができる。いくつかの実施形態では、空洞114が、本体102の第1面150内に形成され、これによって複数の貫通孔116への処理ガスのより均一な分配を促進することができる。本体102は、任意の適したプロセス適合性のある材料(例えば、アルミニウムなど)から製造することができる。導電性材料(例えば、アルミニウム)から本体102を製造することによって、本体102は、電極として機能することができ、これによって例えば、シャワーヘッド100に提供された処理ガスからのプラズマの形成を促進する。
【0012】
いくつかの実施形態では、1以上のチャネルが、本体102の表面に形成され、これによって1以上のOリング及び/又はRFガスケット(図示のOリング130、132、134、及びRFガスケット108、126)を収容することができる。Oリング130、132、134は、存在する場合、本体102と、クランプ110又は処理チャンバの表面(図示せず)との間にシールを提供する。Oリング130、132、134は、例えば前述のシールを促進するのに適した任意の材料(例えば、ゴム)から製造することができる。RFガスケット108、126は、例えば、RF源から本体102及びクランプ110までのRF電力の導電性を促進する。例えば、RF電力は、RF電源(例えば、後述のRF電源248)から、本体102に結合され1以上のRFガスケット(例えば、RFガスケット126)に接触しているコンポーネントへと供給することができる。RFガスケット108、126は、任意の好適な導電性材料(例えば、ステンレス鋼)から製造することができる。
【0013】
ガス分配プレート104は、本体102から、例えば、ガス分配プレート104内に形成された複数のガス分配孔142を介して処理チャンバの処理容積へと提供される処理ガスの分配を促進する。ガス分配孔142は、処理ガスの所望の分布を提供するのに適した任意の方法で配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガス分配プレート104が、本体102に結合された場合、ガス分配孔142は、本体102の貫通孔116の周りに配置されたクラスタ内に配置することができる。
【0014】
ガス分配プレート104は、プラズマ(例えば、処理中に処理チャンバ内で形成されるプラズマ)への曝露の際に劣化に耐えるのに適した任意の材料から製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガス分配プレート104は、単結晶シリコン(Si)から製造することができる。単結晶シリコンは、典型的には、好ましい材料である炭化ケイ素と比較して、より速いエッチング速度を有するため、少なくとも部分的にガス分配プレート用の材料としては使用されない。しかしながら、本発明者らは、単結晶シリコンが、ガス分配プレートを製造するために使用される従来の材料(例えば、炭化ケイ素(SiC)など)と比較して、表面粗さの変化、アーク放電、マイクロマスキングの影響を受けにくく、更に(例えば、約150℃よりも高い)高温で、より優れた操作性を提供することを見出した。また、単結晶シリコンは、従来の材料に比べて低コストで、より容易に入手可能であり、得ることができる。また、シャワーヘッド100がケイ素含有ガスを含む基板処理で使用される実施形態において、ガス分配プレート104をシリコンから製造することは、ガス分配プレート104の劣化による汚染の過程を減少させる。
【0015】
ガス分配プレート104は、所望のガス分布及び適切な有用な機能的寿命を提供するのに十分な任意の適切な厚さを有することができる。また、いくつかの実施形態では、ガス分配プレート104が、本体102に結合される場合、ガス分配プレート104は、ガス分配プレート104と本体102との間に配置された1以上の熱ガスケット(3つの熱ガスケット120、122、124が図示される)との連続的な接触を確保するのに十分な適切な厚さを有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガス分配プレート104の厚さは、ガス分配プレート104の縁部においてクランプ110によって提供される力によって生じるガス分配プレート104の湾曲量が、圧縮時の熱ガスケット120、122、124の変形量よりも少なくなるように選択し、これによってクランプ時に、熱ガスケット120、122、124のそれぞれとの連続的な接触を確実にすることができる。代替的に、又はこれと組み合わせて、いくつかの実施形態では、ガス分配プレート104の厚さは、プラズマの侵入を低減し、ガス分配プレート104の有用な機能寿命を向上させるのに適したガス分配孔142のアスペクト比を提供するように選択することができる。例えば、ガス分配孔142が約0.5mmの直径を有する実施形態では、ガス分配プレート104は、約9mmの厚さを有することができる。
【0016】
クランプ110は、ガス分配プレート104を本体102に結合するのを促進する。いくつかの実施形態では、クランプ110は、クランプ内に形成されたねじ穴138に対応する本体102内に形成された貫通孔136に設けられた締結具106を介する結合を促進する。クランプ110は、任意のプロセス互換性のある導電性材料(例えば、アルミニウム)から製造することができる。いくつかの実施形態では、クランプ110は、プラズマ環境内でクランプ110の劣化を低減するために、スプレーコーティングで(例えば、イットリア(Y))をコーティングすることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、クランプ110は、1以上のOリング及びRFガスケット(Oリング128及びRFガスケット148が図示される)を収容するために、クランプ110の表面内に形成された1以上のチャネルを含むことができる。Oリング128は、存在する場合、本体102へのクランプ時に、ガス分配プレート104の破損を防止するために、ガス分配プレート104へクッション性を提供する。RFガスケット148は、存在する場合、本体102からクランプ110を介してガス分配プレート104へのRF電力の導電性を促進し、これによってガス分配プレート104がRF電極として機能するのを可能にする。ガス分配プレート104にRF電流路を提供することはまた、本体102とガス分配プレート104との間のギャップ146を遮蔽し、これは例えば、本体102の貫通孔116でのアーク放電を低減させる。Oリング128及びRFガスケット148は、任意の適切な材料(例えば、Oリング130、132、134、及びRFガスケット108、126に関して上述した材料など)から製造することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、熱ガスケット120、122、124を、本体102とガス分配プレート104との間に配置することができる。熱ガスケット120、122、124は、存在する場合、本体102とガス分配プレート104との間の熱交換を促進し、これによって例えば、ガス分配プレート104全域に亘るより均一な温度勾配を提供することができる。また、熱ガスケット120、122、124は、本体102とガス分配プレート104との間のギャップ146を提供し、貫通孔142と対応するガス分配孔142のグループ毎に個別のプレナム(例えば、ゾーン)を画定することができる。
【0019】
熱ガスケット120、122、124は、処理圧力及び温度(例えば、真空条件及び約150℃又はそれ以上の温度)で脱ガスの少ない任意の圧縮性のある熱伝導性材料から製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガスケットは、シリコン含有材料を含むことができる。熱ガスケット120、122、124は、本体102とガス分配プレート104との間の接触を維持するのに適した任意の形状を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、熱ガスケット120、122、124は、図1に示されるように、矩形断面を有する複数の同心リングとすることができる。いくつかの実施形態では、熱ガスケット120、122、124の形状は、ガス分配プレート104の縁部でクランプ110によって提供される力により、共にクランプされたときに、本体102とガス分配プレート104との間の距離の差(例えば、ガス分配プレート104の湾曲)を調整するように最適化することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、保護リング112をシャワーヘッドの周囲に配置し、これによって本体102、クランプ110及びガス分配プレート104の部分を遮蔽することができる。保護リング112は、任意の適切なプロセス適合性のある材料(例えば、石英(SiO))から製造することができる。
【0021】
図2は、本発明のいくつかの実施形態に係るシャワーヘッドと共に使用するのに適した例示的な処理チャンバ200の概略図を示す。例示的な処理チャンバは、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアル社(Applied Materials Inc.)から入手可能なENABLER(商標名)、ENABLER(商標名)E5、ADVANTEDGE(商標名)、又は他の処理チャンバを含むことができる。シャワーヘッドを有する、又は有するように改変されている他の適切な処理チャンバも同様に、本発明から利益を得ることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ200は、一般的に、チャンバ本体202を備えることができ、このチャンバ本体202は、チャンバ本体の内部容積205内に配置された、基板210を上で支持するための基板支持台208と、過剰な処理ガス、処理副生成物等をチャンバ本体202の内部容積205から取り除くための排気システム220を有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、上部ライナ264及び下部ライナ266は、チャンバ本体202の内部を覆い、これによって処理中にチャンバ本体202を保護することができる。いくつかの実施形態では、チャンバ本体202は、処理容積204を含むことができる内部容積205を有する。処理容積204は、例えば、基板支持台208とシャワーヘッド214(例えば、上述のシャワーヘッド100)及び/又は所望の位置に提供されたノズルとの間に画定することができる。いくつかの実施形態では、ガス供給源288は、チャンバ本体202の処理容積204に1以上の処理ガスを分配するためのシャワーヘッド214に1以上の処理ガスを提供することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、基板支持台208は、基板支持台208の表面上に基板210を保持又は支持する機構(例えば、静電チャック、真空チャック、又は基板保持クランプなど)を含むことができる。代替的に又はこれと組み合わせて、いくつかの実施形態では、基板支持台208は、基板の温度を制御するための機構(例えば、加熱及び/又は冷却装置、図示せず)及び/又は基板表面近傍で種のフラックス及び/又はイオンエネルギーを制御するための機構を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、基板支持台208は、電極240と、それぞれの整合回路網236、262を介して電極240に結合された1以上の電源(2つのバイアス電源238、244)を含むことができる。例えば、基板支持台208は、整合回路網262を介してバイアス電源244に結合されたカソードとして構成することができる。上述のバイアス電源(例えば、バイアス電源238、244)は、約2MHz又は約13.56MHz又は60MHzの周波数で、最大12,000Wを生成可能であるかもしれない。少なくとも1つのバイアス電源は、連続又はパルス電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、バイアス電源は、代替的にDC又はパルスDC源とすることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、基板支持台208は、基板支持台208上に配置され、処理中に基板210の少なくとも一部を支持するように構成された基板支持リング280を含むことができる。いくつかの実施形態では、1以上のリング(インサートリング278及びバリアリング242が図示される)を、基板支持台208の周りに配置することができる。1以上のリングは、任意の適切なプロセス適合性材料から製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、インサートリングは、シリコン(Si)から製造することができる。いくつかの実施形態では、バリアリング242は、石英(SiO)から製造することができる。いくつかの実施形態では、接地されたメッシュ260が、基板支持台208の周囲に配置され、チャンバ本体202に結合されることができる。
【0026】
基板210は、チャンバ本体202の壁内の開口部212を介してチャンバ本体202に入ることができる。開口部212は、スリットバルブ218を介して、又は開口部212を通ってチャンバの内部へのアクセスを選択的に提供するための他の機構を介して選択的にシールすることができる。基板支持台208は、開口部212を介してチャンバの内外へ基板を搬送するのに適した(図示されるような)下方位置と、処理に適した選択可能な上方位置との間で、基板支持台208の位置を制御することができるリフト機構234に結合することができる。処理位置は、特定の処理に対して処理の均一性を最大化するように選択することができる。基板支持台208は、上昇された処理位置のうちの少なくとも1つにある場合、対称的な処理領域を提供するために、開口212の上方に配置することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、保護リング206(例えば、上述の保護リング112)は、シャワーヘッド214の周りに配置され、シャワーヘッド214の少なくとも一部(例えば、シャワーヘッド214の本体294(例えば、上述の本体102)又はガス分配プレート296(例えば、上述のガス分配プレート104)など)を覆うことができる。いくつかの実施形態では、保護リング206は、上部ライナ264によって支持することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、シャワーヘッド214は、チラープレート284に結合される、及び/又はチラープレート284によって支持されることができる。チラープレート284は、存在する場合、処理中にシャワーヘッド214の温度の制御を促進する。いくつかの実施形態では、チラープレート284は、チラープレート284内に形成された複数のチャネル(図示せず)を含み、これによって温度制御流体供給源(チラー)290によって提供される温度制御流体が、チラープレート284を通って流れ、シャワーヘッド214の温度制御を促進することを可能にする。
【0029】
いくつかの実施形態では、1以上のコイル(内側コイル274及び外側コイル272が図示される)を、シャワーヘッド214の上方に、及び/又はシャワーヘッド214の周縁部に近接して配置することができる。1以上のコイルは、存在する場合、処理チャンバ200の処理容積204内に形成されるプラズマを整形するのを促進することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、RF電源286は、同軸スタブ292を介して、チラープレート270及び/又はシャワーヘッド214にRF電力を提供する。同軸スタブ292は、特性インピーダンス、共振周波数を有する固定インピーダンス整合回路網であり、シャワーヘッド214とRF電源286との間の近似のインピーダンス整合を提供する。いくつかの実施形態では、同軸スタブ292は、概して、内側円筒導体298と、外側円筒導体201と、内側筒状導体298と外側円筒導体201との間の空間を充填する絶縁体203とを含む。
【0031】
内側円筒導体298と外側円筒導体201は、特定の処理環境に耐えることができる任意の適切な導電性材料で作ることができる。例えば、いくつかの実施形態では、内側円筒導体298と外側円筒導体201は、ニッケルコーティングされたアルミニウムから製造することができる。1以上のタップ221は、RF電源286から同軸スタブ292へRF電力を印加するために、同軸スタブ292の軸方向長さに沿った特定の点に設けられる。RF電源286のRFパワー端子207及びRFリターン端子209は、同軸スタブ292上のタップ221で、内側円筒導体298及び外側円筒導体201にそれぞれ接続される。同軸スタブ292の遠端213における終端導体211は、同軸スタブ292がその遠端213で短絡されるように、内側円筒導体298と外側円筒導体201を共に短絡させる。同軸スタブ292の近端215では、外側円筒導体201が、環状導電性ハウジング又は支持体276を介してチャンバ本体202に接続され、一方、内側円筒導体298は、導電性シリンダー217を介してチラープレート270及び/又はシャワーヘッド214に接続される。いくつかの実施形態では、スタブ292、外側円筒導体201は、環状導電性ハウジング又は支持体276を介してチャンバ本体202に接続されている。実施形態は、誘電体リング219が、導電性シリンダー217とチラープレート270の間に配置され、導電性シリンダー217とチラープレート270を分離する。
【0032】
排気システム220は、概して、ポンピングプレナム224と、ポンピングプレナム224をチャンバ本体202の内部容積205(及び、一般的に、処理容積204)に、例えば、1以上の入口222を介して結合する1以上のコンジットとを含む。真空ポンプ228は、チャンバ本体202から排気ガスを外へポンピングするためのポンピングポート226を介してポンピングプレナム224に結合することができる。真空ポンプ228は、適切な排気処理装置に必要とされるような排気をルーティングするための排気出口232に流体結合することができる。バルブ230(例えば、ゲートバルブなど)を、ポンピングプレナム224内に配置し、真空ポンプ228の動作と組み合わせて、排気ガスの流量の制御を促進することができる。zモーションゲートバルブが図示されているが、排気の流れを制御するための任意の適切なプロセス互換バルブを利用することができる。
【0033】
上記のように処理チャンバ200の制御を促進するために、コントローラ250は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための、工業環境で使用可能な汎用コンピュータプロセッサの任意の形態のうちの1つとすることができる。CPU252のメモリ又はコンピュータ可読媒体256は、容易に入手可能なメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、又はローカル又はリモートのデジタル記憶装置の任意の他の形態)のうちの1以上とすることができる。サポート回路254は、従来の方法でプロセッサをサポートするためにCPU252に結合される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路及びサブシステム等を含む。
【0034】
1以上の方法及び/又はプロセスは、一般的に、CPU252によって実行されるとき、方法及び/又はプロセスを処理チャンバ200に実行させるソフトウェアルーチン258としてメモリ256内に格納することができる。ソフトウェアルーチン258はまた、CPU252によって制御されるハードウェアから離れて位置する第2のCPU(図示せず)によって格納及び/又は実行されることができる。本発明の方法のいくつか又は全ては、ハードウェア内で実行することもできる。このように、方法及び/又はプロセスは、ソフトウェア内に実装し、コンピュータシステムを用いて実行してもよいし、ハードウェア内に、例えば、特定用途向け集積回路として又は他のタイプのハードウェア実装でもよいし、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせとしてもよい。ソフトウェアルーチン258は、基板210を基板支持台208上に位置決めされた後に実行することができる。ソフトウェアルーチン258は、CPU252によって実行されると、本明細書に開示された方法が実行されるようにチャンバ動作を制御する特定の目的のコンピュータ(コントローラ)250に汎用コンピュータを変える。
【0035】
このように、取り外し可能なガス分配プレートを有するシャワーヘッドの実施形態が、本明細書内に提供された。本発明のシャワーヘッドの実施形態は、有利なことに、従来のシャワーヘッドと比較して、より長い耐用年数と、ガス分配プレートの交換においてより費用効率の高い方法を提供することができる。
【0036】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができる。
図1
図2