(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
最外層にソルダーレジスト層を備えた第1の基板の前記ソルダーレジスト層上に電子部品を実装すると共に、前記ソルダーレジスト層上に前記電子部品の上面を露出し側面を被覆する第1の樹脂を前記電子部品の上面と前記第1の樹脂の上面が面一となるように形成する工程と、
前記電子部品の上面及び前記第1の樹脂の上面に、半硬化状態の第2の樹脂を貼り付ける工程と、
第2の基板に基板接続部材を搭載する工程と、
前記電子部品及び前記第1の樹脂と前記基板接続部材とを内側に向けて前記第1の基板上に前記第2の基板を積層し、加熱しながら前記第2の基板を前記第1の基板側に押圧して、前記第1の基板と前記第2の基板とを前記基板接続部材を介して電気的に接続すると共に、前記電子部品の上面及び前記第1の樹脂の上面と前記第2の基板の下面との間に前記第2の樹脂を充填する工程と
前記第1の基板と前記第2の基板との間に、前記基板接続部材、前記電子部品、前記第1の樹脂、及び前記第2の樹脂を封止する第3の樹脂を充填する工程と、を有し、
前記第2の樹脂を充填する工程では、前記第2の樹脂の外縁部が、前記第1の樹脂の上面から側方にはみ出して設けられ、
前記第2の樹脂により、前記電子部品の上面及び前記第1の樹脂の上面と前記第2の基板の下面とが接着される電子部品内蔵基板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0014】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板の構造]
まず、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板の構造について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板を例示する断面図である。
【0015】
図1を参照するに、電子部品内蔵基板1は、基板10と、基板接続部材20と、基板30と、接合部41と、アンダーフィル樹脂42と、半導体チップ50と、樹脂フィルム55と、モールド樹脂60とを有する。電子部品内蔵基板1において、基板10と基板30とが、基板10と基板30とを電気的に接続する基板接続部材20を介して積層されている。基板30は本発明に係る第1の基板の代表的な一例であり、基板10は本発明に係る第2の基板の代表的な一例である。
【0016】
なお、電子部品内蔵基板1において、便宜上、後述のソルダーレジスト層13側を一方の側(一方の面)、ソルダーレジスト層37側を他方の側(他方の面)と称する場合がある。
【0017】
基板10は、絶縁層11と、配線層12と、ソルダーレジスト層13と、配線層14と、ソルダーレジスト層15とを有する。
【0018】
基板10において、絶縁層11としては、例えば、ガラスクロスにエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させた所謂ガラスエポキシ基板等を用いることができる。絶縁層11として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の織布や不織布にエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させた基板等を用いてもよい。絶縁層11の厚さは、例えば、60〜200μm程度とすることができる。なお、各図において、ガラスクロス等の図示は省略されている。
【0019】
配線層12は、絶縁層11の一方の側に形成されている。配線層12は、絶縁層11を介して、配線層14と電気的に接続されている。配線層12は、絶縁層11を貫通し配線層14の一方の面を露出するビアホール11x内に充填されたビア配線、及び絶縁層11の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。
【0020】
ビアホール11xは、ソルダーレジスト層13側に開口されている開口部の径が配線層14の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大となる逆円錐台状の凹部とされている。ビアホール11xの開口部の径は、例えば50μm程度とすることができる。配線層12の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層12を構成する配線パターンの厚さは、例えば、10〜20μm程度とすることができる。
【0021】
ソルダーレジスト層13は、絶縁層11の一方の面に、配線層12を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層13は、例えば、感光性樹脂等から形成できる。ソルダーレジスト層13の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。ソルダーレジスト層13は、開口部13xを有し、開口部13x内には配線層12の一部が露出している。開口部13x内に露出する配線層12は、パッド12pを構成している。パッド12pは、半導体チップや半導体パッケージ等の電子部品(図示せず)と電気的に接続されるパッドとして機能する。
【0022】
ソルダーレジスト層13は、パッド12pを完全に露出するように設けてもよい。この場合、パッド12pの側面とソルダーレジスト層13の側面とが接するようにソルダーレジスト層13を設けてもよいし、パッド12pの側面とソルダーレジスト層13の側面との間に隙間ができるようにソルダーレジスト層13を設けてもよい。
【0023】
必要に応じ、パッド12pの一方の面に金属層を形成したり、OSP(Organic Solderability Preservative)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。又、パッド12pの一方の面に、はんだボール等の外部接続端子を形成してもよい。
【0024】
配線層14は、絶縁層11の他方の面に形成されている。配線層14の一方の面は、配線層12のビアホール11x内に充填されたビア配線の下端部と接して導通している。配線層14の材料や厚さは、例えば、配線層12を構成する配線パターンと同様とすることができる。なお、配線層14は、本発明に係る第1の配線層の代表的な一例である。
【0025】
ソルダーレジスト層15は、絶縁層11の他方の面に、配線層14を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層15の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層13と同様とすることができる。ソルダーレジスト層15は、開口部15xを有し、開口部15x内には配線層14の一部が露出している。開口部15x内に露出する配線層14は、パッド14pを構成している。パッド14pは、基板接続部材20と電気的に接続されるパッドとして機能する。
【0026】
ソルダーレジスト層15は、パッド14pを完全に露出するように設けてもよい。この場合、パッド14pの側面とソルダーレジスト層15の側面とが接するようにソルダーレジスト層15を設けてもよいし、パッド14pの側面とソルダーレジスト層15の側面との間に隙間ができるようにソルダーレジスト層15を設けてもよい。必要に応じ、パッド14pの他方の面に、前述の金属層を形成したり、OSP(Organic Solderability Preservative)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0027】
基板30は、絶縁層31と、配線層32と、絶縁層33と、配線層34と、ソルダーレジスト層35と、配線層36と、ソルダーレジスト層37とを有する。
【0028】
基板30において、絶縁層31の材料や厚さは、例えば、絶縁層11と同様とすることができる。配線層32は、絶縁層31の一方の面に形成されている。配線層32の材料や厚さは、例えば、配線層12を構成する配線パターンと同様とすることができる。
【0029】
絶縁層33は、絶縁層31の一方の面に配線層32を覆うように形成されている。絶縁層33の材料としては、例えば、熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層33は、シリカ(SiO
2)等のフィラーを含有しても構わない。絶縁層33の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0030】
配線層34は、絶縁層33の一方の側に形成されている。配線層34は、絶縁層33を貫通し配線層32の一方の面を露出するビアホール33x内に充填されたビア配線、及び絶縁層33の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。
【0031】
ビアホール33xは、ソルダーレジスト層35側に開口されていると共に、配線層32の一方の面によって底面が形成された、開口部の面積が底面の面積よりも大となる逆円錐台状の凹部である。配線層34の材料や配線層34を構成する配線パターンの厚さは、例えば、配線層12と同様とすることができる。なお、配線層34は、本発明に係る第2の配線層の代表的な一例である。
【0032】
ソルダーレジスト層35は、絶縁層33の一方の面に、配線層34を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層35の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層13と同様とすることができる。ソルダーレジスト層35は、開口部35xを有し、開口部35x内には配線層34の一部が露出している。開口部35x内に露出する配線層34は、パッド34pを構成している。
【0033】
パッド34pの一部は、基板接続部材20と電気的に接続されるパッドとして機能する。パッド34pの他部は、半導体チップ50と電気的に接続されるパッドとして機能する。なお、基板接続部材20と電気的に接続されるパッド34pと、半導体チップ50と電気的に接続されるパッド34pの開口径は、独立に設定できる。
【0034】
ソルダーレジスト層35は、パッド34pを完全に露出するように設けてもよい。この場合、パッド34pの側面とソルダーレジスト層35の側面とが接するようにソルダーレジスト層35を設けてもよいし、パッド34pの側面とソルダーレジスト層35の側面との間に隙間ができるようにソルダーレジスト層35を設けてもよい。必要に応じ、パッド34pの一方の面に、前述の金属層を形成したり、OSP(Organic Solderability Preservative)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0035】
配線層36は、絶縁層31の他方の側に形成されている。配線層36は、絶縁層31を貫通し配線層32の他方の面を露出するビアホール31x内に充填されたビア配線、及び絶縁層31の他方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。
【0036】
ビアホール31xは、ソルダーレジスト層37側に開口されていると共に、配線層32の他方の面によって底面が形成された、開口部の面積が底面の面積よりも大となる円錐台状の凹部である。配線層36のビアホール31x内に充填されたビア配線の上端部は、配線層32の他方の面と接して導通している。配線層36の材料や配線層36を構成する配線パターンの厚さは、例えば、配線層12と同様とすることができる。
【0037】
ソルダーレジスト層37は、絶縁層11の他方の面に、配線層36を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層37の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層13と同様とすることができる。ソルダーレジスト層37は、開口部37xを有し、開口部37x内には配線層36の一部が露出している。開口部37x内に露出する配線層36は、パッド36pを構成している。パッド36pは、マザーボード等の実装基板等(図示せず)と電気的に接続されるパッドとして機能する。パッド36pの他方の面に、はんだボール等の外部接続端子を形成してもよい。
【0038】
ソルダーレジスト層37は、パッド36pを完全に露出するように設けてもよい。この場合、パッド36pの側面とソルダーレジスト層37の側面とが接するようにソルダーレジスト層37を設けてもよいし、パッド36pの側面とソルダーレジスト層37の側面との間に隙間ができるようにソルダーレジスト層37を設けてもよい。必要に応じ、パッド36pの他方の面に、前述の金属層を形成したり、OSP(Organic Solderability Preservative)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0039】
基板30の一方の面には、半導体チップ50がフェイスダウン状態で(回路形成面を基板30の一方の面に向けて)フリップチップ実装されている。より詳しくは、半導体チップ50は、半導体集積回路を備えたチップ本体51と、接続端子である突起電極52とを有し、半導体チップ50の突起電極52が接合部41を介して基板30のパッド34pと電気的に接続されている。突起電極52としては、例えば、金バンプや銅ポスト等を用いることができる。接合部41としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとSbの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。
【0040】
但し、電子部品内蔵基板1に内蔵される電子部品は半導体チップには限定されず、半導体チップに代えて、キャパシタ、インダクタ、抵抗等の受動素子を内蔵してもよい。又、半導体チップに再配線を形成した所謂CSP(chip size package)を内蔵してもよい。或いは、これらが混在してもよい。なお、基板30の一方の面を、基板30の基板10との対向面、或いは、基板30の第2の面と称する場合がある。
【0041】
半導体チップ50の回路形成面(突起電極52側の面)と基板30の一方の面との間にはアンダーフィル樹脂42が充填されており、アンダーフィル樹脂42は半導体チップ50の各側面にも延在している。半導体チップ50の背面(回路形成面の反対側の面であり、基板10との対向面)は、アンダーフィル樹脂42から露出されている。
【0042】
換言すれば、半導体チップ50の回路形成面及び側面は、アンダーフィル樹脂42により連続的に被覆されている。アンダーフィル樹脂42の材料としては、例えば、熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。アンダーフィル樹脂42は、シリカ(SiO
2)等のフィラーを含有しても構わない。なお、アンダーフィル樹脂42は、本発明に係る第1の樹脂の代表的な一例である。
【0043】
半導体チップ50の背面と、半導体チップ50の側面を被覆するアンダーフィル樹脂42の端面(樹脂フィルム55と接する面であり、基板10との対向面)とは、略面一とされている。基板30の一方の面を基準とする半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面までの高さは、例えば、100〜150μm程度とすることができる。
【0044】
半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面と、基板10の他方の面との間には、樹脂フィルム55が充填されている。なお、基板10の他方の面を、基板10の基板30との対向面、或いは、基板10の第1の面と称する場合がある。
【0045】
樹脂フィルム55としては、例えば、熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂フィルム(例えば、NCF(Non Conductive Film))を用いることができる。樹脂フィルム55の厚さ(半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面と、基板10のソルダーレジスト層15との間隔)は、例えば、5〜25μm程度とすることができる。樹脂フィルム55は、シリカ(SiO
2)等のフィラーを含有しても構わない。
【0046】
樹脂フィルム55の材料は、アンダーフィル樹脂42の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。電子部品内蔵基板1に一定方向の反りが生じやすい傾向がある場合には、アンダーフィル樹脂42と樹脂フィルム55の材料を調整することにより、反りを低減できる。例えば、アンダーフィル樹脂42と樹脂フィルム55の各々に含有されているフィラーの材料や量を可変して各々の熱膨張係数を調整することにより、電子部品内蔵基板1の反りを低減できる。なお、樹脂フィルム55は、本発明に係る第2の樹脂の代表的な一例である。
【0047】
図1の例では、樹脂フィルム55の外縁部が、平面視においてアンダーフィル樹脂42からはみ出しているが、樹脂フィルム55は、平面視においてアンダーフィル樹脂42と完全に重複するように形成されてもよい。又、樹脂フィルム55は、平面視においてアンダーフィル樹脂42の端面の外縁部を露出するように小さめに形成されてもよい。この場合には、アンダーフィル樹脂42の端面の樹脂フィルム55に被覆されていない部分は、モールド樹脂60により被覆される。
【0048】
但し、半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面と基板10の他方の面との隙間は5〜25μm程度しかない。そのため、樹脂フィルム55に被覆されていない部分が大きいと、その部分にモールド樹脂60が充填されず、ボイドが発生するおそれが生じる。そこで、樹脂フィルム55に被覆されていない部分は、アンダーフィル樹脂42の側面から平面方向に50μm程度以下とすることが好ましい。
【0049】
基板接続部材20は、基板10のパッド14pと、基板30のパッド34pとの間に配置されている。基板接続部材20は、基板10と基板30とを電気的に接続すると共に、基板10と基板30との間に所定の間隔を確保する機能を有する。
【0050】
本実施の形態では、一例として、基板接続部材20としてコア付きのはんだボールを用いている。基板接続部材20は、略球状のコア21及びコア21の外周面を被覆する導電材料22を備えており、コア21がパッド14p(第2のパッド)及びパッド34p(第1のパッド)と接するように配置されている。
【0051】
コア21としては、例えば、銅等の金属からなる金属コアや樹脂からなる樹脂コア等を用いることができる。導電材料22としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとSbの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。コア21の直径は、半導体チップ50及び樹脂フィルム55の高さ(厚さ)を考慮して決定することができる。
【0052】
なお、基板接続部材20は、コア21及びコア21の外周面を被覆する導電材料22を備えたコア付きのはんだボールには限定されず、例えば、コアを有していない、はんだボール等を用いても構わない。又、銅ポスト等の金属ポストや金バンプ等の金属バンプを用いても構わない。コアを有していない、はんだボール等を用いた場合には、電子部品内蔵基板1の製造時に、所定の治具を用いて、基板10と基板30との間隔を制御できる。
【0053】
なお、
図1では、基板接続部材20は簡略化して図示されているが、実際には、複数列の基板接続部材20が、例えば、ペリフェラル状に配置されている。基板10と基板30とが平面視において矩形状である場合に、基板の周縁に基板接続部材20が、例えば、ペリフェラル状に設けられる。例えば、基板接続部材20の直径が150μm程度である場合、基板接続部材20のピッチは200μm程度とすることができる。
【0054】
モールド樹脂60は、基板接続部材20、半導体チップ50、アンダーフィル樹脂42、及び樹脂フィルム55を封止するように、基板10と基板30の夫々の対向する面の間に充填されている。モールド樹脂60としては、例えば、フィラーを含有した熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。なお、モールド樹脂60は、本発明に係る第3の樹脂の代表的な一例である。
【0055】
[第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板の製造方法]
次に、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板の製造方法について説明する。
図2〜
図4は、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板の製造工程を例示する図である。
【0056】
まず、
図2(a)に示す工程では、基板10を作製し、基板10のパッド14p上に基板接続部材20を搭載する。具体的には、前述のような所謂ガラスエポキシ基板等を用いた絶縁層11を準備し、絶縁層11の他方の面に配線層14を形成する。次に、絶縁層11に配線層14の一方の面を露出するビアホール11xを形成し、更に絶縁層11の一方の面に配線層12を形成する。配線層12と配線層14とは、絶縁層11を介して、電気的に接続される。
【0057】
ビアホール11xを形成後、デスミア処理を行い、ビアホール11xの底部に露出する配線層14の表面に付着した樹脂残渣を除去することが好ましい。ビアホール11xは、例えば、CO
2レーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。配線層12及び14は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。例えば、銅めっき等で配線層12及び14を形成できる。
【0058】
次に、絶縁層11の一方の面に配線層12を被覆するソルダーレジスト層13を、絶縁層11の他方の面に配線層14を被覆するソルダーレジスト層15を形成する。ソルダーレジスト層13は、例えば、液状又はペースト状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を、配線層12を被覆するように絶縁層11の一方の面にスクリーン印刷法、ロールコート法、又は、スピンコート法等で塗布することにより形成できる。
【0059】
同様に、ソルダーレジスト層15は、例えば、液状又はペースト状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を、配線層14を被覆するように絶縁層11の他方の面に同様の方法で塗布することにより形成できる。或いは、液状又はペースト状の樹脂の塗布に代えて、例えば、フィルム状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂をラミネートしてもよい。
【0060】
そして、塗布又はラミネートした絶縁性樹脂を露光及び現像することでソルダーレジスト層13及び15に開口部13x及び15xを形成し、パッド12p及び14pを形成する(フォトリソグラフィ法)。これにより、基板10が完成する。なお、開口部13x及び15xは、レーザ加工法やブラスト処理により形成してもよい。開口部13x及び15xの各々の平面形状は、例えば、円形状とすることができる。開口部13x及び15xの各々の直径は、接続対象に合わせて任意に設計できる。
【0061】
次に、基板10のソルダーレジスト層15の開口部15x内に露出するパッド14p上に基板接続部材20を載置する。そして、所定の温度に加熱し、基板接続部材20を構成する導電材料22を溶融させ、その後硬化させて、パッド14pと接合する。基板接続部材20を構成するコア21の一部は、パッド14pと接する。なお、基板接続部材20は、例えば、ペリフェラル状に配置される。
【0062】
次に、
図2(b)に示す工程では、基板30を作製する。具体的には、前述のような所謂ガラスエポキシ基板等を用いた絶縁層31を準備し、絶縁層31の一方の面に配線層32を形成する。次に、絶縁層31に配線層32の他方の面を露出するビアホール31xを形成し、更に絶縁層31の他方の面に配線層36を形成する。配線層32と配線層36とは、絶縁層31を介して、電気的に接続される。
【0063】
ビアホール31xを形成後、デスミア処理を行い、ビアホール31xの底部に露出する配線層32の表面に付着した樹脂残渣を除去することが好ましい。ビアホール31xは、例えば、CO
2レーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。配線層32及び36は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。
【0064】
次に、絶縁層31の一方の面に配線層32を覆うように熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂フィルムをラミネートし、絶縁層33を形成する。或いは、熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂フィルムのラミネートに代えて、液状又はペースト状の熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を塗布後、硬化させて絶縁層33を形成してもよい。
【0065】
次に、絶縁層33に、絶縁層33を貫通し配線層32の一方の面を露出させるビアホール33xを形成する。ビアホール33xは、例えば、CO
2レーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。ビアホール33xを形成後、デスミア処理を行い、ビアホール33xの底部に露出する配線層32の表面に付着した樹脂残渣を除去することが好ましい。
【0066】
次に、絶縁層33の一方の側に配線層34を形成する。配線層34は、ビアホール33x内に充填されたビア配線、及び絶縁層33の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成される。配線層34は、ビアホール33xの底部に露出した配線層32と電気的に接続される。配線層34は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。
【0067】
次に、基板10のソルダーレジスト層13等と同様にして、絶縁層33の一方の面に配線層34を被覆するソルダーレジスト層35を、絶縁層31の他方の面に配線層36を被覆するソルダーレジスト層37を形成する。そして、基板10の開口部13x等と同様にして、ソルダーレジスト層35及び37に開口部35x及び37xを形成し、パッド34p及び36pを形成する(フォトリソグラフィ法)。これにより、基板30が完成する。
【0068】
次に、
図2(c)に示す工程では、基板30のパッド34pのうち、半導体チップ50と接続される部分に接合部41を形成する。パッド34p上に、例えば、ペースト状のはんだ材料を塗布し、リフローして接合部41を形成できる。
【0069】
次に、
図2(d)に示す工程では、基板30の一方の面に、接合部41を被覆するように、アンダーフィル樹脂42を貼り付ける(ラミネートする)。アンダーフィル樹脂42としては、例えば、フィルム状の熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。この時点では、アンダーフィル樹脂42は、Bステージ状態(半硬化状態)である。なお、アンダーフィル樹脂42は、電子部品(半導体チップ50等)を搭載する領域以外の基板30の一方の面(ソルダーレジスト層35の表面)を露出して、基板30の一方の面(ソルダーレジスト層35の表面)に接着される。
【0070】
次に、
図3(a)に示す工程では、半導体集積回路を備えたチップ本体51の回路形成面側に突起電極52が形成された半導体チップ50を準備する。そして、この半導体チップ50の背面をピックアップ治具500の下面に装着する。そして、下面に半導体チップ50を装着したピックアップ治具500をアンダーフィル樹脂42の上部に移動させ、半導体チップ50の突起電極52側をアンダーフィル樹脂42の上面と対向させる。
【0071】
次に、
図3(b)に示す工程では、接合部41及びアンダーフィル樹脂42を所定の温度に加熱する。そして、加熱した状態で、下面に半導体チップ50を装着したピックアップ治具500を、アンダーフィル樹脂42上から、突起電極52の先端部が溶融した接合部41を介してパッド34pの一方の面に接するまで圧入する。ピックアップ治具500の表面がアンダーフィル樹脂42の表面を押圧するよう、半導体チップ50をアンダーフィル樹脂42中に圧入することで、半導体チップ50の背面とアンダーフィル樹脂42の端面が略面一になる。
【0072】
次に、
図3(c)に示す工程では、接合部41及びアンダーフィル樹脂42が硬化した後、ピックアップ治具500を半導体チップ50から取り外す。これにより、半導体チップ50の突起電極52は、接合部41を介して、基板30のパッド34pと電気的に接続される。
【0073】
又、半導体チップ50の回路形成面(突起電極52側の面)と基板30の一方の面との間にはアンダーフィル樹脂42が充填されて、アンダーフィル樹脂42が半導体チップ50の各側面にも延在する。換言すれば、半導体チップ50の背面を露出し、回路形成面及び側面を被覆するようにアンダーフィル樹脂42が成型される。
【0074】
半導体チップ50の背面と半導体チップ50の側面を被覆するアンダーフィル樹脂42の端面とは、略面一となる。基板30の一方の面を基準とする半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面までの高さは、例えば、100〜150μm程度とすることができる。
【0075】
次に、
図4(a)に示す工程では、半導体チップ50の背面上及びアンダーフィル樹脂42の端面上に、これらの面を連続的に被覆する樹脂フィルム55を貼り付ける(ラミネートする)。樹脂フィルム55としては、例えば、熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルム55の厚さは、例えば、15〜30μm程度とすることができる。この時点では、樹脂フィルム55は、Bステージ状態である。
【0076】
なお、樹脂フィルム55は後述の工程で押圧されて若干横方向に広がるので、その点を考慮し、半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面よりも平面形状の小さいものを貼り付けても構わない。
【0077】
次に、
図4(b)に示す工程では、
図2(a)に示す工程で作製した基板接続部材20を搭載した基板10を準備する。そして、基板10のソルダーレジスト層15が樹脂フィルム55と接すると共に、基板10に搭載された基板接続部材20の導電材料22がパッド34pの一方の面に接するように、基板30上に積層する。つまり、半導体チップ50及びアンダーフィル樹脂42と、基板接続部材20とを内側に向け基板30上に基板10を積層する。
【0078】
そして、導電材料22及び樹脂フィルム55を加熱しながら、基板10を基板30側に押圧する。これにより、基板接続部材20を構成するコア21の上側は基板10のパッド14pと接し、下側は基板30のパッド34pと接し、基板10と基板30とが基板接続部材20を介して電気的に接続される。又、基板接続部材20のコア21により、基板10と基板30との間に所定の間隔が確保される。
【0079】
又、押圧された樹脂フィルム55が薄型化され、樹脂フィルム55の一方の面が基板10のソルダーレジスト層15と密着し、他方の面が半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面と密着し、両者が接着される。つまり、半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面と、基板10の他方の面との間に樹脂フィルム55が充填される。押圧前に例えば15〜30μm程度であった樹脂フィルム55の厚さは、押圧後には例えば5〜25μm程度となる。
【0080】
なお、樹脂フィルム55は、電子部品(半導体チップ50等)を搭載する領域に対向する部分以外の基板10の他方の面(ソルダーレジスト層15の表面)を露出して、基板10の他方の面(ソルダーレジスト層15の表面)に接着される。
【0081】
次に、
図4(c)に示す工程では、導電材料22及び樹脂フィルム55が硬化後、基板接続部材20、半導体チップ50、アンダーフィル樹脂42、及び樹脂フィルム55を封止するように、基板10と基板30との間にモールド樹脂60を充填する。モールド樹脂60としては、例えば、フィラーを含有した熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。モールド樹脂60は、例えば、封止金型を用いたトランスファーモールド法により形成できる。
【0082】
なお、
図4(b)に示す工程の後、基板10や基板30の表面等にフラックスが付着している場合には、フラックス洗浄を実行後に
図4(c)に示す工程に移行することが好ましい。本実施の形態では、半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面と基板10の他方の面との間に樹脂フィルム55が充填されている。そのため、従来のように、半導体チップの背面とそれに対向する基板の他方の面との間の狭い領域をフラックス洗浄しなくてもよいため、フラックス洗浄を容易に実行できる。
【0083】
このように、第1の実施の形態では、半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面と基板10の他方の面との間に樹脂フィルム55を充填し、その後、モールド樹脂60で封止する。つまり、モールド樹脂60で封止する工程では、従来のように、半導体チップの背面とそれに対向する基板との間の空間が存在しないため、その空間にモールド樹脂を充填することを考慮する必要がない。
【0084】
すなわち、従来は半導体チップの高さを考慮すると共に、樹脂の充填性を考慮して半導体チップの背面とそれに対向する基板との間隔を十分に確保する必要があり、これらの点を加味して基板接続部材のサイズが決定されていた。一方、本実施の形態では、樹脂の充填性を考慮する必要はなく、半導体チップ50及び樹脂フィルム55の高さのみを考慮して基板接続部材20のサイズを決定できる。
【0085】
その際、樹脂フィルム55の厚さは、樹脂の充填性を考慮して十分に確保されていた従来の半導体チップの背面とそれに対向する基板との間隔(40μm以上)よりも薄く形成されているため(5〜25μm程度)、基板接続部材20を従来よりも小径化できる。その結果、電子部品内蔵基板1を薄型化できる。
【0086】
又、基板接続部材20を小径化することにより、基板接続部材20を狭ピッチ化することが可能となる。その結果、電子部品内蔵基板1の平面的なサイズも小型化できる。
【0087】
なお、本実施の形態では、半導体チップ50の側面をアンダーフィル樹脂42で被覆している。そのため、アンダーフィル樹脂42の端面と基板10の他方の面との間に狭い隙間ができることを防止すべく、アンダーフィル樹脂42の端面と基板10の他方の面との間にも樹脂フィルム55を充填している。
【0088】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、第1の実施の形態よりも更に薄型化が可能な電子部品内蔵基板の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0089】
図5は、第1の実施の形態の変形例1に係る電子部品内蔵基板を例示する断面図である。
図5を参照するに、第1の実施の形態の変形例1に係る電子部品内蔵基板1Aは、ソルダーレジスト層15に開口部15yが形成され、基板接続部材20が基板接続部材20Aに置換された点が、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板1(
図1参照)と相違する。
【0090】
図5に示すように、ソルダーレジスト層15には、樹脂フィルム55が配置されるキャビティとなる開口部15yが形成されている。開口部15yの平面形状は、例えば、矩形状とすることができる。
【0091】
基板接続部材20Aは、略球状のコア21A及びコア21Aの外周面を被覆する導電材料22Aを備えており、コア21Aがパッド14p及びパッド34pと接するように配置されている。基板接続部材20A(コア21A)は、基板接続部材20(コア21)よりも小径である。コア21A及び導電材料22Aの材料は、例えば、コア21及び導電材料22の材料と同様とすることができる。
【0092】
このように、ソルダーレジスト層15に開口部15yを設け、開口部15y内に樹脂フィルム55を配置することにより、基板10と基板30との接続すべき部分の間隔を狭くできる。これにより、基板接続部材20よりも小径の基板接続部材20A(コア21よりも小径のコア21A)を使用可能となる。その結果、電子部品内蔵基板1Aを電子部品内蔵基板1よりも薄型化できる。
【0093】
又、基板接続部材20A(コア21A)が基板接続部材20(コア21)よりも小径化されたことにより、電子部品内蔵基板1Aでは、電子部品内蔵基板1よりも更に基板接続部材20Aの狭ピッチ化が可能となる。その結果、電子部品内蔵基板1Aの平面的なサイズも電子部品内蔵基板1より小型化できる。
【0094】
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態の変形例2では、電子部品内蔵基板の厚さを変えずに第1の実施の形態よりも基板接続部材を小径化する例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0095】
図6は、第1の実施の形態の変形例2に係る電子部品内蔵基板を例示する断面図である。
図6を参照するに、第1の実施の形態の変形例2に係る電子部品内蔵基板1Bは、基板10が基板10Bに、基板接続部材20が基板接続部材20Bに置換された点が、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板1(
図1参照)と相違する。
【0096】
図6に示すように、基板10Bにおいて、配線層14には、基板30側に突起する導電性の嵩上げ部14Bが形成されている。嵩上げ部14Bは、基板接続部材20Bのコア21Bと接する部分となる。嵩上げ部14Bは、例えば、配線層14を形成後、配線層14上の所定領域をマスクして、マスクから露出する配線層14上に銅めっき等を行うことにより形成できる。
【0097】
又、ソルダーレジスト層15の開口部15xの周囲には、絶縁性の嵩上げ部15Bが、例えば、嵩上げ部14Bの外周側から突出するように形成されている。換言すれば、嵩上げ部14Bの表面は、嵩上げ部15Bの表面よりも窪んだ位置にある。この形状により、基板接続部材20Bの位置決めが容易となる。嵩上げ部15Bは、例えば、ソルダーレジスト層15を形成後、ソルダーレジスト層15上の所定領域をマスクして、マスクから露出するソルダーレジスト層15上に樹脂を塗布後硬化させること等により形成できる。
【0098】
基板接続部材20Bは、略球状のコア21B及びコア21Bの外周面を被覆する導電材料22Bを備えており、コア21Bが開口部15xから露出する嵩上げ部14Bのパッド14p及び開口部35xから露出するパッド34pと接するように配置されている。基板接続部材20B(コア21B)は、基板接続部材20(コア21)よりも小径である。コア21B及び導電材料22Bの材料は、例えば、コア21及び導電材料22の材料と同様とすることができる。なお、電子部品内蔵基板1Bの厚さは、電子部品内蔵基板1と同一である。
【0099】
このように、配線層14に嵩上げ部14Bを形成することにより、電子部品内蔵基板1Bの厚さが電子部品内蔵基板1の厚さと同一であっても、基板10Bと基板30との接続すべき部分の間隔を狭くできる。これにより、基板接続部材20よりも小径の基板接続部材20B(コア21よりも小径のコア21B)を使用可能となる。
【0100】
又、基板接続部材20B(コア21B)が基板接続部材20(コア21)よりも小径化されたことにより、電子部品内蔵基板1Bでは、電子部品内蔵基板1よりも更に基板接続部材20Bの狭ピッチ化が可能となる。その結果、電子部品内蔵基板1Bの平面的なサイズも電子部品内蔵基板1より小型化できる。
【0101】
〈第1の実施の形態の応用例〉
第1の実施の形態の応用例では、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板の一方の面に半導体パッケージを搭載する例を示す。なお、第1の実施の形態の応用例において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0102】
図7は、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板の応用例を示す断面図である。
図7を参照するに、第1の実施の形態に係る電子部品内蔵基板1の応用例に係る半導体パッケージ100は、電子部品内蔵基板1上に、外部接続端子200を介して、半導体パッケージ300が搭載された構造を有する。電子部品内蔵基板1のパッド36pには、外部接続端子160(例えば、はんだボール等)が設けられている。半導体パッケージ300は、大略すると、配線基板310と、半導体チップ410と、半導体チップ430と、封止樹脂450とを有する。
【0103】
配線基板310は、絶縁層320と、絶縁層320の一方の面に形成された配線層330と、絶縁層320の一方の面に配線層330を覆うように形成されたソルダーレジスト層340とを有する。又、配線基板310は、絶縁層320の他方の面に形成された配線層350と、絶縁層320の他方の面に配線層350を覆うように形成されたソルダーレジスト層360と、配線層330と配線層350とを接続する貫通電極370とを有する。貫通電極370は、絶縁層320を貫通するスルーホール内に設けられている。
【0104】
ソルダーレジスト層340は、開口部340x及び340yを有し、開口部340x及び340y内には配線層330の一部が露出している。開口部340x内に露出する配線層330はパッド330pを構成し、開口部340y内に露出する配線層330はパッド330qを構成している。ソルダーレジスト層360は、開口部360xを有し、開口部360x内には配線層350の一部が露出している。開口部360x内に露出する配線層350は、パッド350pを構成している。パッド350pは、外部接続端子200(例えば、はんだボール等)を介して、電子部品内蔵基板1のパッド12pと電気的に接続されている。
【0105】
配線基板310のソルダーレジスト層340上には、半導体チップ410がフェイスアップ状態で積層されている。半導体チップ410の電極パッド(図示せず)は、ボンディングワイヤ420を介して、配線基板310のパッド330pと電気的に接続されている。
【0106】
半導体チップ410上の電極パッドが形成されていない領域には、更に半導体チップ430がフェイスアップ状態で積層されている。半導体チップ430の電極パッド(図示せず)は、ボンディングワイヤ440を介して、配線基板310のパッド330qと電気的に接続されている。半導体チップ410、ボンディングワイヤ420、半導体チップ430、及びボンディングワイヤ440は、配線基板310のソルダーレジスト層340上に設けられた封止樹脂450により封止されている。
【0107】
このように、電子部品内蔵基板1上に半導体パッケージ300を搭載した半導体パッケージ100を実現することができる。半導体パッケージ100において、例えば、電子部品内蔵基板1にはロジック系の半導体チップ50を内蔵し、半導体パッケージ300にはメモリ系の半導体チップ410及び430を搭載することができる。なお、半導体パッケージ300に搭載する半導体チップは2個には限定されず、1個でも3個以上でもよい。
【0108】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0109】
例えば、第1の基板や第2の基板として、より多層の配線層や絶縁層が形成されたビルドアップ基板等を用いても構わない。その際、コアレスのビルドアップ基板等を用いても構わない。或いは、第1の基板や第2の基板として、シリコン基板やセラミック基板等を用いても構わない。
【0110】
又、電子部品内蔵基板の製造工程において、樹脂フィルム55を基板10の表面に貼り付けておき、基板10を基板30に積層する際に、半導体チップ50の背面及びアンダーフィル樹脂42の端面に樹脂フィルム55を接着してもよい。