特許第6454467号(P6454467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テクトロニクス・インコーポレイテッドの特許一覧

特許6454467高帯域幅の半田なしリード及び測定システム
<>
  • 特許6454467-高帯域幅の半田なしリード及び測定システム 図000002
  • 特許6454467-高帯域幅の半田なしリード及び測定システム 図000003
  • 特許6454467-高帯域幅の半田なしリード及び測定システム 図000004
  • 特許6454467-高帯域幅の半田なしリード及び測定システム 図000005
  • 特許6454467-高帯域幅の半田なしリード及び測定システム 図000006
  • 特許6454467-高帯域幅の半田なしリード及び測定システム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6454467
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】高帯域幅の半田なしリード及び測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20190107BHJP
   G01R 1/067 20060101ALI20190107BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   G01R1/06 A
   G01R1/067 C
   G01R1/073 A
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-265870(P2013-265870)
(22)【出願日】2013年12月24日
(65)【公開番号】特開2014-122905(P2014-122905A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2016年12月2日
(31)【優先権主張番号】13/724,344
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エイチ・マクグラス・ジュニア
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−149790(JP,A)
【文献】 特開2007−171140(JP,A)
【文献】 特開2006−234639(JP,A)
【文献】 特開2010−078596(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0073018(US,A1)
【文献】 特開2000−292437(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0201388(US,A1)
【文献】 特開2007−205995(JP,A)
【文献】 特開2011−196821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06
G01R 1/067
G01R 1/073
G01R 31/26
G01R 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランド・パターンを有する電気装置が発生する信号を、試験プローブを介して試験装置に供給するために、上記電気装置に実装可能な高帯域幅の半田なしリードであって、
上記試験プローブが手動で結合される、上記ランド・パターンより広い領域を有するプローブ信号パッドと、
マイクロスプリング用ハウジングと、
上記マイクロスプリング用ハウジングの表面と同一平面上に形成され、上記電気装置に直接結合されると共に、上記リードを確実に上記電気装置に取り付けるように構成された取り付け機構と、
上記マイクロスプリング用ハウジング内に保持されるマイクロスプリングとを備え、
上記マイクロスプリングが跳ね返っていないときに、上記マイクロスプリングの一部が上記マイクロスプリング用ハウジングの上記表面を越えて延び、上記取り付け機構により上記リードが上記電気装置に取り付けられたときに、上記電気装置の上記ランド・パターンの1つと電気的に結合するように上記マイクロスプリングが構成されている高帯域幅の半田なしリード。
【請求項2】
上記マイクロスプリング用ハウジングに結合されたサブストレートと、
上記サブストレートに配置され、上記プローブ信号パッドと電気的に結合される信号パッドとを更に備え、
上記マイクロスプリングにより上記ランド・パターンと電気的に結合するように上記信号パッドが構成されている請求項1の高帯域幅の半田なしリード。
【請求項3】
上記サブストレートに配置された接地パッドを更に備え、第2マイクロスプリングにより他のランド・パターンと電気的に結合するように上記接地パッドが構成されている請求項2の高帯域幅の半田なしリード。
【請求項4】
上記マイクロスプリング用ハウジングにより保持され、上記電気装置の第2ランド・パターンと電気的に結合するように構成された第2マイクロスプリングを更に備える請求項1の高帯域幅の半田なしリード。
【請求項5】
上記取り付け機構は、接着部材であって、該接着部材の表面が、上記リードを上記電気装置に取り付ける場合に除去される保護皮膜に覆われている請求項1から4のいずれかに記載の高帯域幅の半田なしリード。
【請求項6】
ランド・パターンを有する電気装置が発生する信号を試験装置に供給するための測定システムであって、
半田なしリードと、上記半田なしリードに一時的に結合され、上記信号を上記試験装置に供給するように構成されたコネクタとを備え、
上記半田なしリードは、
支持ブラケットと、
上記コネクタが手動で結合される、上記ランド・パターンより広い領域を有するプローブ信号パッドと、
第1マイクロスプリング用ハウジングと、
上記第1マイクロスプリング用ハウジングの表面と同一平面上に形成され、上記電気装置に直接結合されると共に、上記リードを確実に上記電気装置に取り付けるように構成された取り付け機構と、
上記第1マイクロスプリング用ハウジング内に保持される第1マイクロスプリングとを含み、
上記第1マイクロスプリングが跳ね返っていないときに上記第1マイクロスプリングの一部が上記第1マイクロスプリング用ハウジングの上記表面を越えて延び、
上記第1マイクロスプリングは、上記取り付け機構により上記リードを上記電気装置に取り付けたときに一端で上記電気装置のランド・パターンの1つと電気的に結合し、第2端で上記プローブ信号パッドに結合するように構成され、
上記コネクタは、
上記リードの上記支持ブラケットと一時的に結合するように構成されたラッチと、
第2マイクロスプリング用ハウジングと、
上記第2マイクロスプリング用ハウジング内に保持される第2マイクロスプリングとを備え、
上記第2マイクロスプリングが跳ね返っていないときに上記第2マイクロスプリングの一部が上記第2マイクロスプリング用ハウジングの表面を越えて延び、
上記コネクタが上記リードに手動で結合されたときに上記第2マイクロスプリングが上記リードの上記プローブ信号パッドと電気的に結合するように構成されている測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リード・アセンブリ、特に、かかるリード・アセンブリを介して試験装置を被試験装置(電気装置)に結合する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気装置は、特に、開発、製造の期間、又は適切に動作しないときに、しばしば試験される。試験装置は、これら装置の動作に関する情報を提供する。試験装置には、例えば、メータ、プローブ、ロジック・アナライザ、オシロスコープの如きスコープを含むだろう。
【0003】
電気装置が発生する高周波数信号を正確に測定することは、時には困難である。その理由は、数ある理由の中でも、被試験装置を試験装置に確実に接続又は結合することの困難さである。最良の結果のためには、装置を試験装置と完全に電気的に接続しなければならない。例えば、6〜10GHzの間の周波数の試験信号を測定する好適な方法は、先ず、小さな半田付けリードを回路内の種々の試験点に取り付ける。次に、リードを高周波数試験装置のプローブに結合して、装置の信号を測定する。特に、プローブを多くの個別の半田付けリードに手動で結合できるので、試験点の信号を測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−099246号公報
【特許文献2】特開2006−329993号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「InfiniiMax III プロービング・システム:データ・シート」、アジレント・テクノロジーズ、[online]、[2013年12月24日検索]インターネット(http://cp.literature.agilent.com/litweb/pdf/5990-5653JAJP.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる接続は、現在利用可能な最良の方法であるが、問題がないわけではない。典型的な小形リードを半田付けすることによるかかる装置の据え付けには問題があり、リード、装置、又は両方のいずれかに損傷を与える。いずれかの損傷は、機器において、又は損傷の修理に費やす時間において痛手であろう。さらに、半田付けリードは、小さく、且つ容易に損傷を受けがちであり、典型的には同軸ケーブル・コネクタに結合される繊細なリードを破損しやすい。リードが高価であり、適切に据え付けるのに時間がかかるので、装置のコスト及び人件費の両方において、コストが他の問題である。
【0007】
本発明の実施例は、従来技術のこれら及び他の制限に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の概念は、ランド・パターンを有する電気装置に実装可能な高帯域幅の半田なし(半田付けでない)リードを含む。リードは、このリードを装置に取り付ける取り付け機構と、マイクロスプリング(微細ばね)用ハウジングと、このハウジング内に保持される少なくとも1つのマイクロスプリングとを含んでいる。マイクロスプリングの一部は、マイクロスプリング用ハウジングを越えて延び、電気装置のランド・パターンの1つと電気的に結合する。いくつかの実施例においては、装置から半田なしリードへの異なる信号に結合する多数のマイクロスプリングがあってもよい。これら信号は、接地信号を含んでもよい。ソケットを介するなどして試験装置に容易に取り付け可能な可撓性コンジットにリードを取り付けてもよい。
【0009】
他の概念では、電気装置に結合するために、ハウジング内に保持される少なくとも1つのマイクロスプリングを有する半田なしリードの組合せを含んでおり、ここでは、リードがコネクタに取り外し可能に又は一時的に結合される。コネクタは、更に、他のハウジング内に保持される他のマイクロスプリングを含む。半田なしリードを電気装置に永久的に取り付けてもよい。その一方、コネクタを第1リードに一時的に接続し、次に第2リードに接続して第2組の信号を測定してもよい。
【0010】
より限定的に本発明の概念1は、ランド・パターンを有する電気装置に実装可能な高帯域幅の半田なしリードであり、このリードは;装置にリードを確実に取り付けるように構成された取り付け機構と;マイクロスプリング用ハウジングと;このハウジング内に保持されるマイクロスプリングとを備え;マイクロスプリングが跳ね返っていないとき、マイクロスプリングの一部がマイクロスプリング用ハウジングの表面を越えて延び、取り付け機構によりリードが装置に取り付けられたとき、電気装置のランド・パターンの1つと電気的に結合するようにマイクロスプリングが構成されている。
【0011】
本発明の概念2は、概念1の高帯域幅の半田なしリードであり;マイクロスプリング用ハウジングに結合されたサブストレートと;このサブストレートに配置された信号パッドとを更に備え;マイクロスプリングによりランド・パターンと電気的に結合するように信号パッドが構成されている。
【0012】
本発明の概念3は、概念2の高帯域幅の半田なしリードであり、サブストレートに配置された接地パッドを更に備え、第2マイクロスプリングにより他のランド・パターンと電気的に結合するように接地パッドが構成されている。
【0013】
本発明の概念4は、概念1の高帯域幅の半田なしリードであり、マイクロスプリング用ハウジングにより保持され、電気装置の第2ランド・パターンと電気的に結合するように構成された第2マイクロスプリングを更に備えている。
【0014】
本発明の概念5は、概念3の高帯域幅の半田なしリードであり、信号パッド及び接地パッドに結合された可撓性コンジットを更に備えている。
【0015】
本発明の概念6は、概念5の高帯域幅の半田なしリードであり、リードからの反対端にて可撓性コンジットに配置された1組の端子を更に備え、これら1組の端子は、受けソケット内に挿入されるように構成されている。
【0016】
本発明の概念7は、概念1の高帯域幅の半田なしリードであり、位置決め可能な支持体を更に備え、取り付け構体が電気装置及び位置決め可能な支持体の間に配置されている。
【0017】
本発明の概念8は、概念1の高帯域幅の半田なしリードであり、信号パッドに結合されたプローブ信号パッドを更に備えている。
【0018】
本発明の概念9は、概念8の高帯域幅の半田なしリードであり、試験装置に結合された試験プローブにプローブ信号パッドが一時的に結合されるように構成されている。
【0019】
本発明の概念10は、電気装置からの信号を測定する測定システムであり、この測定システムは、半田なしリードと、この半田なしリードに一時的に結合されるように構成されたコネクタとを備え;半田なしリードは、支持ブラケットと、この支持ブラケットを装置に確実に取り付けるように構成された取り付け機構と、プローブ信号パッドと、マイクロスプリング用ハウジングと、このハウジング内に保持されるマイクロスプリングとを含み;マイクロスプリングが跳ね返っていないときにマイクロスプリングの一部が上記マイクロスプリング用ハウジングの表面を越えて延び;マイクロスプリングは、取り付け機構によりリードを装置に取り付けたときに一端で電気装置のランド・パターンの1つと電気的に結合し、第2端でプローブ信号パッドに結合するように構成され;コネクタは、リードの支持ブラケットと一時的に結合するように構成されたラッチと、マイクロスプリング用ハウジングと、このハウジング内で保持されるマイクロスプリングとを備え;マイクロスプリングが跳ね返っていないときにマイクロスプリングの一部がマイクロスプリング用ハウジングの表面を越えて延び;コネクタがリードに結合されたときにマイクロスプリングがリードのプローブ信号パッドと電気的に結合するように構成されている。
【0020】
本発明の概念11は、概念10の測定システムであり、支持ブラケットが位置決め可能である。
【0021】
本発明の概念12は、概念11の測定システムであり、支持ブラケットが第1位置のときにプローブ信号パッドと電気的に接続するように、支持ブラケットが第2位置のときにプローブ信号パッドと電気的に接続しないように、マイクロスプリングを位置決めする如くコネクタのマイクロスプリング用ハウジングが構成されている。
【0022】
本発明の概念13は、概念10の測定システムであり、支持ブラケットが受けを含み、ラッチが突起を含み、受けが突起を受けるように構成されている。
【0023】
本発明の概念14は、概念10の測定システムであり、取り付け機構は、接着パッドである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の実施例により被試験装置に取り付けるリード・アセンブリのヘッドの上面図である。
図2図2は、本発明の実施例により接続ブラケットに取り付けられた図1のリード・アセンブリの側面図である。
図3図3は、本発明の実施例によりケーブル・アセンブリのヘッド端に結合される際の一例のリード・アセンブリの側面図である。
図4】本発明の実施例によるケーブル・アセンブリのヘッド端の上面図である。
図5図5は、本発明の他の実施例により装置に取り付けられるリード・アセンブリの斜視図である。
図6図6は、本発明の実施例によるリード・アセンブリのヘッドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
さて、図1及び図2を参照することにより、本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の実施例により被試験装置に取り付けるリード・アセンブリのヘッドの上面図であり、図2は、同じ装置の側面図である。
【0026】
ヘッド・アセンブリ100は、一般的に、被試験装置(DUT)(図示せず)に物理的に取り付けられるように構成される。かかる装置は、基板上の高速RF信号を有する装置を含んでもよい。多くの実施例において、試験点にて終端するか又は特定のランド・パターンを含み露出した印刷回路(PC)基板を装置が有するであろう。ランド・パターンは、表面実装集積回路(IC)を特定の装置に接続する如き電気接続用領域である。ランド・パターンを用いて、試験装置に結合したり、又は、この試験装置に結合されたプローブ若しくは他のリードに結合したりすることができる。ランド・パターンを半田付け点としてしばしば用いて、DUTを半田付けリード・アセンブリに接続する。ランド・パターンは、例えば、金属の平坦なスポット又は半田で覆われた金属とすることができるし、又は、DUTのPC基板上の突起したバンプとすることができる。例えば、バンプは、ボール・グリッド・アレイ(BGA)のバンプとすることができる。もちろん、ここで説明した例は、単なる例であり、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の多くの方法にて本発明の実施例を用いることができる。
【0027】
図1の試験リード100は、支持ブラケット110を含んでおり、これが図2にて一層明らかになる。支持ブラケット110は、金属又は他の支持部材により形成できる。
【0028】
印刷回路(PC)基板120の如き支持基板を支持ブラケット110に結合する。PC基板120は、半田タブ111を介してブラケット110に半田付けしてもよいし、又は、別の方法で支持ブラケット110に取り付けてもよい。PC基板120は、そこに実装されたコンポーネントを有する。例えば、1組の抵抗器140又は他のコンポーネントを1組の信号パッド130と1組のプローブ信号パッド150との間に実装してもよい。1組の接地パッド132も含むことができる。後述のように、1組の信号パッド130をDUTの1組のランド・パターンに結合でき、1組のプローブ信号パッド150は、試験装置のプローブによる測定用の領域を提供する。プローブ信号パッド150は、典型的には、DUT上のランド・パターンよりも大きく、これにより試験プローブへの結合が容易になる。プローブ信号パッド150を異なるパッドと見なしてもよい。その理由は、これらパッドが典型的には対で配置され、この対の各パッドで1つの信号となるように対で異なる信号を受けるためである。
【0029】
後述の如く、接地パッドも同様にDUTの信号接地に結合できる。
【0030】
図2に示す如く、スプリング134は、PC基板120のビアを介して、信号パッド130及び接地パッド132の下側に接続できる。スプリング134は、信号パッド130と、接地パッド132と、DUTの夫々のランド・パターンとの間の電気的接続を行う。スプリング134は、比較的低い抵抗の金属でもよい。スプリング134は、マイクロスプリングの形状にでき、DUTのランド・パターンからの高帯域幅信号を信号パッド130及び接地パッド132に夫々伝えることができる。
【0031】
スプリング134は、絶縁スプリング用ハウジング136により支持される。スプリング用ハウジング136は、スプリング134を適切に支持するのに充分な長さと剛性のプラスチックでもよい。スプリング用ハウジング136は、SABIC又は他の任意適切な材料から得られたUltemプラスチックの如き熱可塑性ポリエーテルイミドから作ることができる。
【0032】
スプリング134は、DUTのランド・パターンの間隔に正確に一致するように間隔を開けることができる。いくつかの実施例において、多数の試験リード100を利用可能であり、各々のスプリング134の間の間隔が異なる。これら実施例において、試験技術者は、所望の間隔を有する適切な試験リード100を選択する。他の実施例において、装置の製造者は、スプリング134の間の幅に基づく1つ以上の標準間隔を展開してもよい。
【0033】
試験リード100は、接着発泡体、エポキシ又はクランプの如き取り付け機構160も含むので、試験リード100をDUTに取り付けることができる。いくつかの実施例において、試験リード100は、DUT上に永久的に取り付けてもよい。
【0034】
実際には、試験リード100をDUTに実装するために、保護被膜を除去して、接着発泡体160を露出させる。いくつかの実施例において、同じ又は別の保護被膜がスプリング134を覆って保護しており、1つ又は複数の被膜を除去するとスプリングの底部が露出する。接着発泡体160から被膜を取った後、試験リード100をDUTに向かって下げるので、露出したスプリング134がランド・パターンと一致状態で接触する。次に、試験リード100が面に押されて、DUTと接着発泡体160との接続が確実になり、同時に、DUTのランド・パターンとスプリング134とに確実な電気的接続ができる。上述の如く、スプリング134は、ランド・パターンと、試験リード100の信号パッド130及び接地パッド132の下側との間で確実な電気的接続を行う。さらに、信号パッド130及び接地パッド132の頂部側には表面があるので、DUTの他の部分にワイヤ又は他の電気的接続を行うことができる。または、いくつかの実施例において、所望のランド・パターンの近傍で接着発泡体160又は他の方法により試験リード100をDUTに取り付けることができ、スプリング134を介する必要がなければ、ワイヤの半田付けにより、ランド・パターンを信号パッド130及び接地パッド132の頂部に接続できる。
【0035】
図3及び図4を参照する。試験リード200に一致状態で取り外し可能に結合できるコネクタ・アセンブリ300を説明しているが、試験リード200は、図1のリード100の一例でもよい。すなわち、上述の方法を用いて試験リード200をDUTに取り付けた後、コネクタ・アセンブリ300を試験リード200に一時的に取り付けることができ、このコネクタ・アセンブリ300を用い、1対の同軸ケーブル310の如きケーブルを介して試験装置にコネクタ・アセンブリ300を接続するので、DUTの測定が行える。この方法において、DUT上に実装された多数の試験リード200に一連のやり方で単一のプローブを容易に取り付けることができる。すなわち、先ず、第1試験リードを試験し、次に、プローブを第1試験リードから外し、別の試験リードに取り付けるなどする。試験が完了後、試験リード200をDUTに取り付けたまま残してもよく、コネクタ・アセンブリ300を用いて他の装置を試験できる。
【0036】
図3の試験リード200は、ブラケット210の位置により図1の試験リード100と異なる。より限定的には、ブラケット210を試験リード200の本体から離れるように曲げる。上述の如く、ブラケット210は、軟質金属の如き曲げ可能な材料から作られており、これは、指圧による如く比較的簡単に移動できるが、一度移動した場所に留まる。コネクタ・アセンブリ300の取り付けを妨げる干渉構造が存在する場合があるかもしれないが、位置決め可能なブラケット210を有することの利点の1つは、コネクタ・アセンブリ300を試験リード200に取り付けることができる点である。DUTの試験位置の近傍にどのような障害があるかが前もって判らないため、位置決め可能なブラケット210を有することにより、ブラケットが位置決め可能でない場合よりもDUTの試験位置のより近くで、試験リード200を用いることができる。
【0037】
図3及び図4のコネクタ・アセンブリは、1対のスプリング370を含んでおり、これらスプリング370を用いてリード200のプローブ信号パッド250と電気的に接続する。上述から、プローブ信号パッド250がリード200を介してDUTのランド・パターンに接続されていることを想起されたい。1対のスプリング370は、次に、プローブ信号パッド250を1対の同軸ケーブル310に接続する。これら同軸ケーブル310は、DUTのランド・パターンからの信号を試験装置(図示せず)のプローブに伝送するので、DUTを測定できる。接地信号は、ブラケット210により伝搬されるか、又は、他の方法で接地パッド314に結合されてもよい。信号の良好な一貫性のために、同軸ケーブル310のスキューを合わせてもよい。
【0038】
同軸ケーブル310の正反対方向にコネクタ・アセンブリ300から突出するようにスプリング370が配置されることを除いて、スプリング370は、図2のスプリング134と同じか又は類似でよい。スプリング370は、スプリング用ハウジング360内に保持される。ハウジング360は、スプリング370を適切に支持するのに充分な長さと剛性のプラスチックでもよい。上述のスプリング用ハウジング136と同様に、スプリング用ハウジング360を熱可塑性ポリエーテルイミドから作ることができる。ブラケット210がどのような位置であっても、スプリング用ハウジング360は、スプリング370をプローブ信号パッド250に接続するのを容易にする形状を一端に有する。例えば、スプリング用ハウジング360は、図3に示すように角度をなす形状でもよいし、又は、スプリング用ハウジング360は丸まっていてもよい。他の形状でも、受容可能な結果が得られる他の態様ならば機能する。サブストレート又は構体380は、コネクタ300の多くを覆って、コネクタ300の張力緩和を行う。
【0039】
PC基板340は、信号処理回路350への物理的支持及び電気的接続を行う。DUTからの信号が同軸ケーブル310を介して試験装置に流れる前に、処理回路350は、これら信号を処理する。
【0040】
図4を参照する。DUTからの試験信号は、スプリング370から処理回路350を介して同軸ケーブル310の導体316に流れる。同様に、接地接続314を同軸ケーブル310の他の導体に結合する。図4のコネクタ300は、長手方向の軸に対して対称であり、この技術分野にて既知なように、第1信号が同軸ケーブル310の一方で伝わり、第2の異なる信号が他方で伝わる。他の実施例において、コネクタ300は、単一の信号経路を単に含み、単一の試験信号のみを伝達してもよい。
【0041】
図3に戻って参照する。コネクタ300を試験リード200に結合するために、ユーザは、コネクタをブラケット210の方に移動させて、突起308を含むスプリング・ラッチ304と合わせる。挿入されると、ブラケット210の窪み又は穴212の如き受けに突起308が受けられて捕捉され、コネクタ300及び試験リード200の間を物理的に確実な接続とする。確実な物理的な接続により、スプリング370及びプローブ信号パッド250の間の確実な電気的接続を確かなものにする。
【0042】
図5は、DUTと試験装置を結合する他の装置を示す。図5において、コネクタ500は、ヘッド端510及び後部端520を含む。ヘッド端510は、上述の試験リード100、200と類似の方法でDUTに取り付けるが、より詳細は後述する。ストラップ(可撓性コンジット)502は、ヘッド端510から後部端520に電気信号を伝え、1組の端子522にて終わる。この実施例の後部端520は、無挿入力(ZIF)ソケット526に挿入されるように構成され、端子522がZIFソケット526内の端子との電気的接続を行う。この実施例において、第1コネクタの後部端520を外して、他のコネクタの後部端を挿入することによって、ZIPソケット526に結合された試験装置を種々の異なるコネクタ500に簡単に接続することができる。実際には、試験が完了した後でさえ、コネクタ500がDUTに取り付けられたまま残るだろう。もちろん、後部端520は、実施の細部に応じて異なるだろう。
【0043】
図6は、コネクタ500のヘッド端510のより詳細を示す。コネクタ500のヘッド端510は、単一ユニットに組み合わされたコンポーネントを除いて、上述のコネクタ300及び試験リード200の内側と同じコンポーネントの多くを上述のように含む。
【0044】
より限定的には、コネクタ500は、ストラップ502を含んでおり、このストラップは、それを介して通過する導電経路を有する可撓性プラスチックでもよい。信号パッド530及び接地パッド532は、図1を参照して説明した対応物130、132と同様に動作する。さらに、上述のように、コネクタ500は、信号パッド530、532及び他の取り付け機構の下でマイクロスプリング(図示せず)を用いてDUTに接続される。
【0045】
PC基板504の如きサブストレートは、その上に実装されたコンポーネント540、542用の物理的支持及び電気的接続を行う。これらコンポーネントは、測定する特定信号に応じて変化するだろうが、例えば、抵抗器、コンデンサなどを含むことができる。集積回路546は、上述の処理回路350と同様に、測定する前に信号を変更する。さらに、特定のコネクタ500を試験装置に対して識別できるEPROM又はEEPROMのようのメモリ装置の如き識別装置550をコネクタ500が含んでもよい。オプションとして、プラスチック又は他の材料で作られたタブ506をコネクタ500に取り付けてもよい。コネクタをDUTに取り付けたりするとき、又はあまりやらないが取り外すとき、タブ506によりコネクタ500を一層容易に扱える。タブ506は、小さな接続ワイヤ547の如く、コネクタ500上に実装できる任意の繊細な機能に対する物理的保護もできる。
【0046】
本発明が試験測定の分野において顕著な進歩性を示していることが上述の説明から明らかであろう。説明目的のために本発明の特定実施例を図示し記述したが、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。よって、添付の特許請求の範囲を除いて、本発明は限定されない。
【符号の説明】
【0047】
100 ヘッド・アセンブリ(試験リード)
110 支持ブラケット
111 半田タブ
120 支持基盤(PCB)
130 信号パッド
132 接地パッド
134 スプリング
136 スプリング用ハウジング
140 抵抗器
150 プローブ信号パッド
160 取り付け機構
200 試験リード
210 位置決め可能なブラケット
212 受け(窪み又は穴)
250 プローブ信号パッド
300 コネクタ・アセンブリ
304 スプリング・ラッチ
310 同軸ケーブル
314 接地パッド
340 PC基板
350 処理回路
360 スプリング用ハウジング
370 スプリング
308 突起
500 コネクタ
502 ストラップ(可撓性コンジット)
504 サブストレート(PC基板)
506 タブ
510 ヘッド端
520 後部端
522 ターミナル
526 ZIFソケット
530 信号パッド
532 接地パッド
540 コンポーネント
542 コンポーネント
546 集積回路
547 接続ワイヤ
550 識別装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6