(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6457858
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】醤油含有調味液
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20190110BHJP
【FI】
A23L27/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-65592(P2015-65592)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-182106(P2016-182106A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2017年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004477
【氏名又は名称】キッコーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086689
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100157772
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 武孝
(72)【発明者】
【氏名】川島 沙由梨
(72)【発明者】
【氏名】松屋 智美
【審査官】
金田 康平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−027343(JP,A)
【文献】
特開2002−142715(JP,A)
【文献】
特開平07−115932(JP,A)
【文献】
特開平05−091852(JP,A)
【文献】
特開平01−215252(JP,A)
【文献】
特開昭62−032853(JP,A)
【文献】
特開昭54−138198(JP,A)
【文献】
Mintel GNPD [online], ID# 1683808, Japanese Style Mustard & Spicy Cod Roe Sauce, DEC-2011, Retrieved on 22-MAY-2018
【文献】
Mintel GNPD [online], ID# 2019173, Tuna & Soy Pasta Sauce, MAR-2013, Retrieved on 22-MAY-2018
【文献】
Mintel GNPD [online], ID# 1546845, Raw Style Japanese Spicy Cod Roe Pasta Sauce, MAY-2011, Retrieved on 22-MAY-2018
【文献】
Mintel GNPD [online], ID# 2314101, Korean Style BBQ Sauce, FEB-2014, Retrieved on 22-MAY-2018
【文献】
Mintel GNPD [online], ID# 2341419, Beef Soup Soy Sauce, MAR-2014, Retrieved on 22-MAY-2018
【文献】
Mintel GNPD [online], ID# 2221872, Premium Anchovy Sauce for Soups, NOV-2013, Retrieved on 22-MAY-2018
【文献】
Mintel GNPD [online], ID# 2671125, Chopped Onion Dressing, SEP-2014, Retrieved on 22-MAY-2018
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 27/00−27/60
CAplus/FSTA/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
醤油と、粉末醤油と、糖類と、食塩と、具材とを含有し、前記粉末醤油の含有量が0.2〜16質量%であって、かつ、前記醤油及び前記粉末醤油由来の合計窒素含有量を100質量%としたとき、前記粉末醤油由来の窒素含有量が1〜85質量%であり、レトルト処理可能な耐熱性パウチ袋に封入され、加熱殺菌されており、炊飯米に混ぜて用いるためのものであることを特徴とする醤油含有調味液。
【請求項2】
前記加熱殺菌が、80〜130℃で、1〜60分間行われたものである請求項1記載の醤油含有調味液。
【請求項3】
畜肉エキス及び/又は魚介エキスを更に含有する請求項1又は2に記載の醤油含有調味液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性容器に封入され、加熱殺菌された醤油含有調味液に関し、特に米飯又は惣菜の味付けに好適な醤油含有調味液に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、炊飯米に混ぜるだけで、混ぜご飯となるようにした醤油含有調味液が市販されている。また、炊飯米以外の、例えば野菜や畜肉を用いた炒め物や焼き物、煮物などにふりかけて使用される惣菜用の醤油含有調味液も市販されている。このような醤油含有調味液は、一般に通常の醤油よりも塩分濃度が低く、具材等も含有することが多いため、耐熱性容器に封入され、比較的高温の加熱殺菌がなされて市販されている。
【0003】
一方、下記特許文献1には、粉末醤油、粉末アミノ酸、粉末味噌、粉末肉エキス、粉末野菜エキス、粉末魚介類エキスからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる易吸湿性食用微粉末に、80%以上の含水エタノールを添加して湿潤させた後これを調味液に混和溶解させることを特徴とする濃厚調味液の製造法が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、醤油に粉末醤油と増粘剤とを添加混合し、加熱、溶解、糊化したのち冷却均質化することを特徴とする濃厚ペースト醤油の製造法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−91852号公報
【特許文献2】特開昭54−138198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、混ぜご飯や惣菜に用いる醤油含有調味液は、前述したように、通常の醤油よりも塩分濃度が低く、具材等も含有することから、レトルト処理等に耐えうる耐熱性容器に封入されて、比較的高温の加熱殺菌がなされるので、開封して使用したときの醤油の香り立ちが物足りなくなり、高温加熱殺菌によるレトルト臭やムレ臭などの劣化臭が強くなり、良好な風味が得られないという問題があった。
【0007】
また、前記特許文献1に開示された濃厚調味液や、前記特許文献2に開示された濃厚ペースト醤油は、いずれも濃厚な醤油を含有するものであるため、混ぜご飯や総菜に対し適切な濃さの味付けが困難であると共に、同封した具材への過度な味の染み込みが発生してしまう。さらには口に入れた際に感じられる醤油の香り立ちが強すぎて、他の食材の味を打ち消してしまうため、混ぜご飯や、炒め物や焼き物、煮物等の惣菜に用いるには、適していなかった。また、濃厚な醤油を含有するため、耐熱性容器に封入して高温加熱殺菌する必要がなく、レトルト臭やムレ臭の発生という問題も生じにくいものであった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、耐熱性容器に封入され、加熱殺菌された醤油含有調味液において、醤油の香り立ちを良好にし、レトルト臭やムレ臭などの劣化臭を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、醤油と、粉末醤油と、糖類と、食塩とを含有し、前記粉末醤油の含有量が0.2〜16質量%であり、耐熱性容器に封入され、加熱殺菌されていることを特徴とする醤油含有調味液を提供するものである。
【0010】
本発明によれば、醤油、糖類、食塩の他に、粉末醤油を所定含有量で含有させることにより、耐熱性容器に封入されて加熱殺菌されていても、醤油の香りが高く維持され、レトルト臭やムレ臭などの劣化臭が少ない醤油含有調味液を提供することができる。
【0011】
本発明においては、前記醤油及び前記粉末醤油由来の合計窒素含有量を100質量%としたとき、前記粉末醤油由来の窒素含有量が1〜85質量%であることが好ましい。これによれば、醤油の香りを高めると共に、粉末醤油のこげ臭を抑制できる。
【0012】
また、前記加熱殺菌が、80〜130℃で、1〜60分間行われたものであることが好ましい。これによれば、レトルト臭やムレ臭を高めることなく、長期保存に適した加熱殺菌を行うことができる。
【0013】
更に、具材と、畜肉エキス及び/又は魚介エキスとを更に含有することが好ましい。これによれば、具材による食感、風味付けができると共に、畜肉エキス及び/又は魚介エキスによる風味付けをすることができる。
【0014】
更にまた、米飯又は惣菜の味付けに用いられることが好ましい。これによれば、混ぜご飯に用いられる具材(例えば、鶏ひき肉やニンジン、油揚げなど)を配合した本発明の調味液を炊飯米にまぜるだけで、美味しい混ぜご飯を作ることができ、各種の総菜に付与することによって、醤油の香り立ちが豊かな総菜の味付けをすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、醤油、糖類、食塩の他に、粉末醤油を所定含有量で含有させることにより、耐熱性容器に封入されて加熱殺菌されていても、醤油の香りが高く維持され、レトルト臭やムレ臭などの劣化臭が少ない醤油含有調味液を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の醤油含有調味液は、醤油と、粉末醤油と、糖類と、食塩とを含有し、前記粉末醤油の含有量が0.2〜16質量%であり、耐熱性容器に封入され、加熱殺菌されていることを特徴とする。
【0017】
ここで、醤油としては、通常の調味料に用いられる醤油類でよく、例えば、濃口醤油、淡口醤油、白醤油、溜り醤油、再仕込み醤油など、またそれらの処理物などが挙げられる。また、生又は火入れ醤油のいずれも使用できる。ただし、香味の良い醸造醤油を用いることが好ましい。
【0018】
また、粉末醤油としては、上記のような醤油を通常の方法、例えば噴霧乾燥法、ドラム乾燥法、低温真空乾燥法、凍結乾燥法等により乾燥粉末化して得られたものであればよく、特に限定されない。
【0019】
糖類としては、特に限定されないが、例えば、砂糖、ぶどう糖、果糖、水飴、異性化液糖などの糖類や、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール類が用いられる。また、みりん、酒精含有調味料などの甘味調味料や、サッカリン、ステビオサイド、アスパルテームなどの甘味料などを用いることもできる。
【0020】
また、本発明の醤油含有調味液は、必要により、ダシ汁類、エキス類、各種具材を含有していてもよい。
【0021】
ダシ汁類としては、例えば、鰹節、宗田節、鯖節、鮪節、鰯節などの魚節類の粉砕物や削り節類、あるいは、鰯、鯖、鯵、エビなどを干して乾燥した煮干し類の粉砕物などを、熱水やエタノールなどで抽出して得るダシ汁類が挙げられる。また、コンブ、ワカメなどの海藻類、しいたけなどのキノコ類のダシ汁も挙げられる。
【0022】
エキス類としては、例えば、鰹エキス、鰹節エキス、ホタテエキスなどの魚介類エキスや、鶏、豚、牛などの畜肉類から得られる畜肉エキス、ニンニクや生姜、椎茸などの野菜エキスなどが挙げられる。また、各種の蛋白加水分解物、酵母エキスなどを使用することもできる。
【0023】
具材としては、特に限定されないが、例えば、大根、玉ネギ、長ネギ、人参、牛蒡、れんこん、生姜、ニンニク、ピーマン、トマト、コーン、タケノコなどの野菜類や、シソ、パセリ、セロリ、ニラ、ミツバなどの香辛野菜類や、椎茸、マッシュルーム、エノキ、シメジなどのキノコ類や、リンゴ、ナシ、キウイ、パイナップル、梅などの果実類や、ゴマ、ナッツ、栗などの種実類や、ツナ、イカ、ホタテ、カニ、鮭などの魚介類や、ひじき、昆布、ワカメなどの海藻類や、豚、牛、鶏などの畜肉類や、ハム、ベーコン、ヤキブタなどの食肉加工品、豆腐、油揚げ、こんにゃく、粒状大豆たんぱくなどの加工食品などが好ましく用いられる。
【0024】
これらの具材は、必要により、すりおろしたり、ペースト状にしたり、粉砕したり、細切りしたり、ダイス状、短冊状などの形状にカットして、用いることができる。その場合、最大長さが1〜100mmとなるように調製することが好ましい。
【0025】
また、これらの具材は、醤油含有調味液を加熱殺菌する際に加熱されるので、生のものでもよいが、予め加熱調理したものでもよい。また、乾燥物であってもよい。
【0026】
本発明の醤油含有調味液は、その他、必要により、グルタミン酸ナトリウム、グリシンなどのアミノ酸系調味料、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどの核酸系調味料などの調味料類、でん粉、加工でん粉、多糖類、ガム類などの増粘剤、酸味調味料、有機酸類、食酢、果汁、清酒、ワイン、発酵調味料、味噌、大豆油、ナタネ油、ゴマ油、ラー油などの食用油脂類、小麦粉、カレー粉、オイスターソース、乳化剤、香料、着色料などを含有していてもよい。
【0027】
本発明の醤油含有調味液は、前記粉末醤油を、0.2〜16質量%、好ましくは3〜15質量%含有する。粉末醤油の含有量が0.2質量%よりも少ないと、醤油の香り立ちを充分に高めることができず、16質量%を超えると、こげ臭が強くなるので好ましくない。
【0028】
また、本発明の醤油含有調味液は、醤油及び粉末醤油由来の合計窒素含有量を100質量%としたとき、粉末醤油由来の窒素含有量が1〜85質量%であることが好ましく、16〜80質量%であることがより好ましい。粉末醤油由来の窒素含有量が、1質量%未満では、醤油の香り立ちが不十分となる傾向があり、85質量%を超えると、こげ臭が強くなる傾向がある。
【0029】
更に、本発明の醤油含有調味液に含まれる糖類の濃度は、特に限定されないが、0.5〜60質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましい。糖類の濃度が上記範囲であれば、混ぜご飯用の調味液や、各種惣菜用の調味液として、適度な味付けをすることができる。なお、糖類の種類および濃度は、それぞれの甘味度に応じて適宜調整することが好ましい。
【0030】
更に、本発明の醤油含有調味液に含まれる食塩の濃度は、特に限定されないが、0.5〜25質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。食塩の濃度が上記範囲であれば、混ぜご飯用の調味液や、各種惣菜用の調味液として、適度な味付けをすることができる。
【0031】
本発明の醤油含有調味液の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記の各種原料を、必要に応じて適量の水を加えて混合し、必要があれば加熱溶解して調製することができる。上記加熱溶解は、好ましくは40〜100℃、より好ましくは55〜95℃で加熱しながら、混合することによって行うことができる。
【0032】
こうして得られた醤油含有調味液を耐熱性の容器に封入し、加熱殺菌して、本発明の醤油含有調味液を得ることができる。
【0033】
耐熱性の容器としては、特に限定されないが、通常のレトルト殺菌用のパウチなどを用いることができる。例えば、食品側に、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂からなる熱溶着可能な樹脂層を設け、外側に、ポリエステル、ポリアミドなどのガスバリア性の高い樹脂や、アルミ箔などからなる層を設けて、積層加工(ラミネート加工)したフィルムでできた容器が好ましく用いられる。
【0034】
加熱殺菌は、長期保存が可能な状態に殺菌できる温度及び時間で行えばよく、特に限定されないが、好ましくは80〜130℃、より好ましくは90〜125℃で、好ましくは1〜60分間、より好ましくは1〜30分間行えばよい。
【0035】
こうして得られた本発明の醤油含有調味液は、耐熱性の容器に封入されて加熱殺菌されているので、常温で長期保存が可能であり、需要者は、必要なときに、耐熱性の容器から調味液を取り出して、手軽に使用することができる。
【0036】
本発明の醤油含有調味液は、例えば炊飯米に混ぜて混ぜご飯としたり、炒め物や焼き物、煮物等の各種惣菜にかけて用いることができる。この場合、醤油含有調味液が具材を含有するものであれば、醤油、粉末醤油、糖類、食塩等による味付けだけでなく、具材による食感、風味、彩りの付与もなされるので、調理の手間を省いて、美味しい料理を楽しむことができる。
【0037】
そして、本発明の醤油含有調味液によれば、醤油、糖類、食塩の他に、粉末醤油を所定含有量で含有させることにより、耐熱性容器に封入されて加熱殺菌されていても、醤油の香りが高く維持され、レトルト臭やムレ臭などの劣化臭が少ない醤油含有調味液を提供することができる。
【実施例】
【0038】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
<試験例1>
(醤油含有調味液の製造)
下記表1に示す配合で、醤油含有調味液を製造した。
【0040】
すなわち、1Lのステンレス製のビーカーを用いて、噴霧乾燥式の方法により製造された粉末醤油(キッコーマン食品社製)を配合又は配合しないで、濃口醤油(キッコーマン食品社製)、かつおエキス(商品名「Kエキス」、キッコーマン食品社製)、昆布エキス(真昆布エキス:キッコーマン食品社製)及び市販の砂糖と食塩を混合し、水の量を適宜調整して加えた。
【0041】
次いで、撹拌しながらガスコンロで湯煎にて加温した。90℃に達温後、50℃まで冷却してから80ml容量のレトルトパウチ袋(ONY/PET/AL/CPP、大成ラミック社製)に30g充填した。更に、レトルトパウチ袋をヒートシールで密封後、100℃、10分間加熱滅菌し、比較例及び実施例の調味液を製造した。
【0042】
なお、全窒素の測定は、ケルダール法を用いて行い、濃口醤油の全窒素は、1.47w/w%、粉末醤油の全窒素は3.1w/w%であった。
【0043】
【表1】
【0044】
(混ぜご飯の調製)
うるち精白米1合を研いで水を切り、所定量加水し電気炊飯器で炊飯して炊飯米を得た。比較例及び実施例の醤油含有調味液30gを、炊飯米340gに加え、しゃもじでよく混ぜ込んで、混ぜご飯を調製した。
【0045】
(官能評価)
醤油含有調味液の官能評価は、レトルトパウチを開封後、調味液1mlをスプーンで口中にとり、口に入れた直後の醤油の香り立ちを、比較例1の評価を3として、下記表2の通り5段階で評価した。
【0046】
また、醤油含有調味液で味付けした混ぜご飯について、官能評価を行った。評価項目は、口に入れた直後の醤油の香り立ち、だしの風味、味のバランス、全体的な味の好ましさの4項目について、比較例1の醤油含有調味液を用いて調製した混ぜご飯と同等の場合を評価点3とし、表2に示す評価基準に従って5段階の評価を行った。
【0047】
上記官能評価の結果を下記表3に示す。表3には、5段階評価の結果として、平均点を記載した。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
表3に示されるように、粉末醤油の配合量を、0.2〜16質量%とした実施例1〜4においては、口に入れた直後の醤油の香り立ちが良好で、だしの風味、混ぜご飯の味のバランス、混ぜご飯の全体的な味の好ましさも良好であり、総合評価も良好であった。
【0051】
これに対して、粉末醤油の配合量が、0質量%の比較例1、0.1質量%の比較例3では、口に入れた直後の醤油の香り立ちが悪く、総合評価も悪かった。
【0052】
また、粉末醤油の配合量が、17質量%の比較例4、100質量%の比較例2では、口に入れた直後の醤油の香り立ちは良好であるが、混ぜご飯の味のバランスや、混ぜご飯の全体的な味の好ましさが悪く、総合評価も悪かった。
【0053】
<試験例2>
粉末醤油を、ドラムドライで乾燥し、粉末化したもの(キッコーマン食品社製)に変えた他は、試験例1と同様にして、醤油含有調味液を製造した。
【0054】
そして、この粉末醤油を用いて、試験例1と同様にして、混ぜご飯を調製し、官能評価を行った。その結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
表4に示されるように、粉末醤油として、ドラムドライで乾燥したものを用いた実施例5においても、口に入れた直後の醤油の香り立ちが良好で、だしの風味、混ぜご飯の味のバランス、混ぜご飯の全体的な味の好ましさも良好であり、総合評価も良好な醤油含有調味液が得られた。
【0057】
これに対して、粉末醤油を配合しない比較例5は、官能評価のいずれにおいても、実施例5より劣っていた。