【実施例】
【0080】
実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。
【0081】
1.化合物(1)の実施例
化合物(1)は、実施例に示す手順により合成した。特に記載のないかぎり、反応は窒素雰囲気下で行った。化合物(1)は、実施例1などに示した手順により合成した。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物の物性は、下記に記載した方法により測定した。
【0082】
NMR分析
測定には、ブルカーバイオスピン社製のDRX−500を用いた。
1H−NMRの測定では、試料をCDCl
3などの重水素化溶媒に溶解させ、室温で、500MHz、積算回数16回の条件で測定した。テトラメチルシランを内部標準として用いた。
19F−NMRの測定では、CFCl
3を内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sexはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。
【0083】
GC分析
測定には、島津製作所製のGC−2010型ガスクロマトグラフを用いた。カラムは、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いた。キャリアーガスとしてはヘリウムを用い、流量は1ml/分に調整した。試料気化室の温度を300℃、検出器(FID)部分の温度を300℃に設定した。試料はアセトンに溶解して、1重量%の溶液となるように調製し、得られた溶液1μlを試料気化室に注入した。記録計には島津製作所製のGCSolutionシステムなどを用いた。
【0084】
HPLC分析
測定には、島津製作所製のProminence(LC−20AD;SPD−20A)を用いた。カラムはワイエムシー製のYMC−Pack ODS−A(長さ150mm、内径4.6mm、粒子径5μm)を用いた。溶出液はアセトニトリルと水を適宜混合して用いた。検出器としてはUV検出器、RI検出器、CORONA検出器などを適宜用いた。UV検出器を用いた場合、検出波長は254nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.1重量%の溶液となるように調製し、この溶液1μLを試料室に導入した。記録計としては島津製作所製のC−R7Aplusを用いた。
【0085】
紫外可視分光分析
測定には、島津製作所製のPharmaSpec UV−1700用いた。検出波長は190nmから700nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.01mmol/Lの溶液となるように調製し、石英セル(光路長1cm)に入れて測定した。
【0086】
測定試料
相構造および転移温度(透明点、融点、重合開始温度など)を測定するときには、化合物そのものを試料として用いた。ネマチック相の上限温度、粘度、光学異方性、誘電率異方性などの物性を測定するときには、化合物と母液晶との混合物を試料として用いた。
【0087】
測定方法
物性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA;Japan Electronics and Information Technology Industries Association)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。
【0088】
(1) 相構造
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート(メトラー社FP−52型ホットステージ)に試料を置き、3℃/分の速度で加熱しながら相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、相の種類を特定した。
【0089】
(2) 転移温度(℃)
測定には、パーキンエルマー社製の走査熱量計、Diamond DSCシステムまたはエスエスアイ・ナノテクノロジー社製の高感度示差走査熱量計、X−DSC7000を用いた。試料は、3℃/分の速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸熱ピークまたは発熱ピークの開始点を外挿により求め、転移温度を決定した。化合物の融点、重合開始温度もこの装置を使って測定した。化合物が固体からスメクチック相、ネマチック相などの液晶相に転移する温度を「液晶相の下限温度」と略すことがある。化合物が液晶相から液体に転移する温度を「透明点」と略すことがある。
【0090】
結晶はCと表した。結晶の種類の区別がつく場合は、それぞれをC
1、C
2のように表した。スメクチック相はS、ネマチック相はNと表した。スメクチック相の中で、スメクチックA相、スメクチックB相、スメクチックC相、またはスメクチックF相の区別がつく場合は、それぞれS
A、S
B、S
C、またはS
Fと表した。液体(アイソトロピック)はIと表した。転移温度は、例えば、「C 50.0 N 100.0 I」のように表記した。これは、結晶からネマチック相への転移温度が50.0℃であり、ネマチック相から液体への転移温度が100.0℃であることを示す。
【0091】
(3) ネマチック相の上限温度(T
NIまたはNI;℃)
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。試料が化合物(1)と母液晶との混合物であるときは、T
NIの記号で示した。試料が化合物(1)と成分B、C、Dのような化合物との混合物であるときは、NIの記号で示した。
【0092】
(4) ネマチック相の下限温度(T
C;℃)
ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、T
Cを≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
【0093】
(5) 粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s)
測定には、東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。
【0094】
(6) 光学異方性(屈折率異方性;25℃で測定;Δn)
測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性(Δn)の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
【0095】
(7) 比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm)
電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
【0096】
(8) 電圧保持率(VHR−1;25℃で測定;%)
測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。
【0097】
(9) 電圧保持率(VHR−2;80℃で測定;%)
25℃の代わりに、80℃で測定した以外は、上記と同じ手順で電圧保持率を測定した。得られた結果をVHR−2の記号で示した。
【0098】
誘電率異方性が正の試料と負の試料とでは、物性の測定法が異なることがある。誘電率異方性が正であるときの測定法を、項(10)〜(14)に記載した。
【0099】
(10) 粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
測定はM. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。ツイスト角が0度であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
【0100】
(11) 誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0101】
(12) 弾性定数(K;25℃で測定;pN)
測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブックク」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK
11およびK
33の値を得た。次に171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK
11およびK
33の値を用いてK
22を算出した。弾性定数Kは、このようにして求めたK
11、K
22およびK
33の平均値で表した。
【0102】
(13) しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。
【0103】
(14) 応答時間(τ;25℃で測定;ms)
測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。
【0104】
[実施例1]
1,4−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ベンゼン(No.1)の合成
【0105】
第一工程:
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン(2.00g,12.88mmol)、ブロモメチルベンゼン(2.64g,15,43mmol)および炭酸カリウム(3.56g,25.77mmol)の混合物をDMF中70℃で8時間加熱攪拌した。反応混合物を水に注ぎトルエンで抽出した。合わせた有機層を、1N−塩酸水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン(2.53g,収率80.1%)を得た。
【0106】
第二工程:
マグネシウム(0.15g,6.25mmol)のTHF懸濁液に、1,4−ジブロモベンゼン(1.34g,5.68mmol)のTHF溶液を50℃以下に液温を保ちながらゆっくり滴下した。得られたグリニャール試薬を氷浴で冷やし、第一工程で得られた1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン(2.53g,10.31mmol)のTHF溶液を10℃以下に液温を保ちながらゆっくり滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌したのち、塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、トルエンで抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4,4’−(1,4−フェニレン)ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール)(4.63g,7.89mmol)を得た。
【0107】
第三工程:
第二工程で得られた4,4’−(1,4−フェニレン)ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール)(4.63g,7.89mmol)、p−トルエンスルホン酸水和物(0.046g,0.24mmol)およびトルエンをDean−starkコンデンサーを装着した反応器に入れ、3時間還流した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、1,4−ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)ベンゼン(3.62g,収率86.1%)を得た。
【0108】
第四工程:
第三工程で得られた1,4−ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)ベンゼン(3.62g,6.79mmol)および5%水酸化パラジウム/炭素(0.11g,3wt%)の混合物をトルエン−イソプロピルアルコールの混合溶媒中、水素雰囲気下で18時間攪拌した。反応混合物をろ過し、ろ液の溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し、1,4−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ベンゼン(1.34g,収率56%)を得た。
【0109】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.17(s,4H)、3.00(tt,2H)、1.77(dd,4H)、1.71−1.59(br,1H)、1.31−1.23(m,16H)、1.15(s,12H)、0.78−0.67(br,1H).
【0110】
[実施例2]
4,4−(3−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)(No.23)の合成
【0111】
第一工程:
1−ブロモ−4−クロロベンゼン(10.0g,52.2mmol)のTHF溶液にn−ブチルリチウム(1.61mol/l,35.7ml,57.5mmol)を−60℃以下に液温を保ちながら滴下した。同温度で1時間攪拌した後、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン(14.1g,57.46mmol)のTHF溶液を滴下した。反応混合物を室温まで戻し、塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、トルエンで抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、1−ベンジル−4−(4−クロロフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール(15.5g,収率82.9%)を得た。
【0112】
第二工程:
第一工程で得られた1−ベンジル−4−(4−クロロフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール(15.5g,43.3mmol)、p−トルエンスルホン酸水和物(0.16g,0.84mmol)およびトルエンを、Dean−starkコンデンサーを装着した反応器に入れ、3時間還流した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、1−ベンジル−4−(4−クロロフェニル)−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(12.8g,収率86.9%)を得た。
【0113】
第三工程:
第二工程で得られた1−ベンジル−4−(4−クロロフェニル)−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(12.8g,37.7mmol)、(3−フルオロフェニル)ボロン酸(5.8g,41.5mmol)、ビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(PdCl
2(amphos)
2;53.3mg,75.4μmol)、炭酸カリウム(7.81g,56.5mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(2.43g,7.54mmol)の混合物を、トルエン−エタノール−水の混合溶媒中、3時間還流した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、1−ベンジル−4−(3’−フルオロ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(14.0g,収率93.0%)を得た。
【0114】
第四工程:
第三工程で得られた1−ベンジル−4−(3’−フルオロ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(14.0g,35.0mmol)のTHF溶液にsec−ブチルリチウム(1.01mol/l,38.1ml,38.5mmol)を−60℃以下に液温を保ちながら滴下した。同温度で1時間攪拌した後、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン(8.60g,35.1mmol)のTHF溶液を滴下した。反応混合物を室温まで戻し、塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、トルエンで抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、1−ベンジル−4−(4’−(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−3−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(13.6g,収率60.2%)を得た。
【0115】
第五工程:
第四工程で得られた1−ベンジル−4−(4’−(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−3−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(13.6g,21.1mmol)、p−トルエンスルホン酸水和物(0.14g,0.74mmol)、およびトルエンを、Dean−starkコンデンサーを装着した反応器に入れ、3時間還流した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4,4−(3−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)(9.5g,収率71.9%)を得た。
【0116】
第六工程:
第五工程で得られた4,4−(3−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)(5.0g,7.98mmol)および5%水酸化パラジウム/炭素(0.15g,3wt%)の混合物をトルエン−イソプロピルアルコールの混合溶媒中、水素雰囲気下で18時間攪拌した。反応混合物をろ過し、ろ液の溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し、4,4’−(3−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)(1.6g,収率44.9%)を得た。
【0117】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.56−7.52(m,2H)、7.37−7.25(m,5H)、3.47(tt,1H)、3.09(tt,1H)、1.86−1.78(m,4H)、1.40−1.30(m,17H)、1.20(s,12H)、0.83−0.68(br,1H).
【0118】
[実施例3]
4,4’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,1’−ビフェニル(No.22)の合成
【0119】
第一工程:
マグネシウム(1.64g,67.3mmol)のTHF懸濁液に、4,4’−ジブロモ−1,1’−ビフェニル(10.0g,32.0mmol)のTHF溶液を50℃以下に液温を保ちながらゆっくり滴下した。得られたグリニャール試薬を氷浴で冷やし、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン(16.5g,67.3mmol)のTHF溶液を滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌したのち、塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、トルエンで抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4,4’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール)(14.9g,収率72.6%)を得た。
【0120】
第二工程:
第一工程で得られた4,4’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール)(14.9g,23.1mmol)、p−トルエンスルホン酸水和物(0.044g,0.23mmol)およびトルエンをDean−starkコンデンサーを装着した反応器に入れ、3時間還流した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4,4’−ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−1,1’−ビフェニル(11.4g,収率81.0%)を得た。
【0121】
第三工程:
第二工程で得られた1,4−ビス(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)ベンゼン(11.4g,18.7mmol)および5%水酸化パラジウム/炭素(0.34g,3wt%)の混合物をトルエン−イソプロピルアルコールの混合溶媒中、水素雰囲気下で18時間攪拌した。反応混合物をろ過し、ろ液の溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し、4,4’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,1’−ビフェニル(4.5g,収率56%)を得た。
【0122】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):7.53(dd,4H)、7.29(dd,4H)、3.07(tt,2H)、1.81(dd,4H)、1.36−1.26(m,17H)、1.17(s,12H)、0.95−0.50(br,1H).
【0123】
[実施例4]
1,4−ビス((2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)メトキシ)ベンゼン(No.9)の合成
【0124】
第一工程:
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロライド(400g,1.17mol)のTHF懸濁液に、0℃でカリウムt−ブトキシド(142g,1.25mol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した後、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン(120g,0.77mol)のTHF溶液を0℃で滴下した。反応混合物を5℃で2時間攪拌したのち、水を加えクエンチした。メチルt−ブチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を濃縮した。得られた残渣をヘキサンで抽出した。ヘキサンを濃縮し、4−(メトキシメチレン)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(141g,収率99.9%)を得た。
【0125】
第二工程:
第一工程で得られた4−(メトキシメチレン)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(141g,0.77mol),30%塩酸(200ml)の混合物をジクロロメタン中、35℃で5時間攪拌した。水酸化ナトリウム水溶液を加えアルカリ性(PH=9−10)にし、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボアルデヒド(113g,86.7%)を得た。
【0126】
第三工程:
水素化ホウ素ナトリウム(27g,0.71mol)のエタノール溶液に、第二工程で得られた2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボアルデヒド(113g,0.67mol)のエタノール溶液を室温で加え、終夜攪拌した。反応液にアセトンおよび水を加えクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をヘキサンで洗浄し、(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)メタノール(90g,78.4%)を得た。
【0127】
第四工程:
トリフェニルホスフィン(276g,1.05mol)のジクロロメタン溶液に−20℃で臭素(168g,1.05mol)を滴下した。−10℃で30分攪拌後、第三工程で得られた(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)メタノール(90g,0.53mol)のジクロロメタン溶液を−10℃で滴下した。反応液を室温まで温め、1時間攪拌し、亜硫酸ナトリウムでクエンチした。水を加え、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をヘキサンで抽出した。抽出液を濃縮し、アルミナカラムで精製することで、4−(ブロモメチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(110g,収率88.6%)を得た。
【0128】
第五工程:
水酸化ナトリウム(5g,125mmol)、ヒドロキノン(6g,54.5mmol)の混合物をDMF中110℃で1時間攪拌した。反応混合物に、第四工程で得られた4−(ブロモメチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(32g,137mmol)のDMF溶液を加え、110℃で2時間攪拌した。水を加え、ヘキサンで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をアルミナカラムで精製し、1,4−ビス((2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)メトキシ)ベンゼン(16g,70.5%)を得た。
【0129】
1H−NMR(CDCl
3;δppm):6.83(s,4H)、3.72(d,4H)、2.29(ttt,2H)、1.76(dd,4H)、1.70−1.53(br,2H)、1.23(s,12H)、1.13(s,12H)、0.90(dd,4H).
【0130】
実施例1から4に記載した合成法に準じて、以下の化合物(No.1)〜(No.44)などを合成できる。
【0131】
【0132】
【0133】
2.液晶組成物の実施例
実施例により本発明の液晶組成物を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。本発明は、実施例5の組成物と実施例6の組成物との混合物を含む。本発明は、実施例の組成物の少なくとも2つを混合した混合物をも含む。実施例における化合物は、下記の表1の定義に基づいて記号により表した。表1において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。実施例において記号の後にあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の含有量(百分率)は、液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、液晶組成物の物性値をまとめた。物性は、先に記載した方法にしたがって測定し、測定値を(外挿することなく)そのまま記載した。
【0134】
【0135】
[実施例5]
下記の母液晶Mを調製した。
3−HH−V (2−1) 30%
3−HH−V1 (2−1) 5%
3−HB−O1 (2−5) 2%
3−HB−1 (2−5) 3%
4−GHB(F,F)−F (6−109) 6%
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 10%
2−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 7%
4−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 10%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 7%
4−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−57) 7%
【0136】
母液晶Mの特性は、次のとおりであった。NI=109.8℃;Δn=0.109;Δε=11.2;γ1=114.6mPa・s.
【0137】
光分解生成物の測定
母液晶M(3mg)に光安定剤を添加しないまま、80℃で10分間、紫外線(30mW/cm2)を照射した。光反応によって生成した不純物(分解生成物)の量をガスクロマトグラフィーで測定した。生成量は4.17%であった。次に、母液晶Mに本発明の化合物(No.1)を1000ppmの割合で添加し、組成物(X−1)を得た。この組成物(3mg)に、同一の条件で紫外線を照射した。不純物の生成量は3.29%であった。化合物(No.1)を添加することによって生成量が4.17%から3.29%に減少した。光安定剤を添加しなかったときの生成量を100とすると、化合物(No.1)を添加することによって、生成量の割合は79に減少したことになる。(表2を参照)。この結果から、化合物(No.1)は、紫外線による母液晶の光分解を防止する効果があることが分かった。
【0138】
〔比較実験1〕
比較の化合物として、ADEKA製のLA−77およびビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル) テレフタレ−トを選んだ。これらの化合物は、エステル結合を有する点で本発明の化合物とは異なる。まず、ADEKA製のLA−77(1000ppm)を母液晶Mに添加し、組成物(X−2)を得た。この組成物(3mg)に同一の条件で紫外線を照射した。不純物の生成量は3.58%であった。生成量の割合は、86(表2を参照)であるから、光分解を防止する効果があることが分かった。しかしながら、その効果の程度は、化合物(No.1)の79には及ばなかった。次に、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル) テレフタレ−ト(1000ppm)を母液晶Mに添加して組成物(X−3)を得た。この組成物(3mg)に同一の条件で紫外線を照射した。不純物の生成量は3.64%であった。不純物の生成量の割合は87であり、組成物(X−2)と同程度であった。
【0139】
以上の結果から、本発明の化合物は、液晶組成物の光分解を防ぐために、極めて有用であると結論できる。
【0140】
【0141】
表2.紫外線の照射によって生成した不純物
【0142】
[実施例6]
実施例5と同様にして、母液晶Mに本発明の化合物(No.9)を2000ppmの割合で添加し、組成物(Y−1)を得た。この組成物(3mg)に、同一の条件で紫外線を照射した。不純物の生成量は2.06%であった。母液晶Mに化合物(No.22)を2000ppmの割合で添加し、組成物(Y−2)を得た。この組成物(3mg)に、同一の条件で紫外線を照射した。不純物の生成量は2.79%であった。母液晶Mに化合物(No.23)を2000ppmの割合を添加し、組成物(Y−3)を得た。この組成物(3mg)に、同一の条件で紫外線を照射した。不純物の生成量は2.89%であった。
【0143】
〔比較実験2〕
比較の化合物として、LA−77(2000ppm)を母液晶Mに添加し、組成物(Y−4)を得た。この組成物(3mg)に、同一の条件で紫外線を照射した。不純物の生成量は3.11%であった。
【0144】
以上の結果から、本発明の化合物は、液晶組成物の光分解を防ぐために、極めて有用であると結論できる。
【0145】
表3.紫外線の照射によって生成した不純物
【0146】
[実施例7]
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 13%
2−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
4−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
4−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−57) 7%
3−BB(F)B(F,F)XB(F)−F
(7−46) 4%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 8%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 6%
3−HH−V (2−1) 30%
4−HH−V1 (2−1) 5%
7−HB−1 (2−5) 3%
3−HHB−O1 (3−1) 4%
上記の組成物に化合物(No.1)を0.1重量%の割合で添加した。
NI=107.2℃;Δn=0.113;Δε=11.0;η=16.0mPa・s.
【0147】
[実施例8]
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 9%
4−GHB(F,F)−F (6−109) 5%
2−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 6%
4−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
4−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−57) 7%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 9%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 7%
3−HHB−CL (6−1) 3%
3−HH−V (2−1) 29%
3−HH−VFF (2−1) 4%
3−HB−O2 (2−5) 3%
3−HHB−3 (3−1) 3%
5−HBB−2 (3−4) 3%
3−HBBH−1O1 (4−1) 3%
上記の組成物に化合物(No.23)を0.05重量%の割合で添加した。
NI=109.4℃;Δn=0.112;Δε=10.4;η=15.5mPa・s.
【0148】
[実施例9]
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 11%
3−HGB(F,F)−F (6−103) 3%
4−GHB(F,F)−F (6−109) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 9%
2−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
4−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 9%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 3%
3−HH−V (2−1) 20%
3−HH−V1 (2−1) 5%
3−HHB−1 (3−1) 8%
3−HBB−2 (3−4) 3%
上記の組成物に化合物(No.1)を0.05重量%の割合で添加した。
NI=106.8℃;Δn=0.109;Δε=11.3;η=20.1mPa・s.
【0149】
[実施例10]
3−HHB(F,F)−F (6−3) 3%
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 13%
3−HB(F)B(F,F)−F (6−50) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 16%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
4−GBB(F)B(F,F)−F (7−55) 3%
3−HBBXB(F,F)−F (7−31) 8%
3−HBB(F,F)XB(F,F)−F(7−34) 6%
3−HH−V (2−1) 24%
3−HH−V1 (2−1) 7%
V2−BB−1 (2−8) 3%
3−HHEH−3 (3−13) 3%
1−BB(F)B−2V (3−6) 3%
5−HBB(F)B−2 (4−5) 3%
上記の組成物に化合物(No.23)を0.1重量%の割合で添加した。
NI=85.0℃;Δn=0.109;Δε=8.5;η=17.0mPa・s.
【0150】
[実施例11]
3−HB−CL (5−2) 6%
5−HXB(F,F)−F (5−13) 5%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 10%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 9%
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 19%
2−HBEB(F,F)−F (6−39) 3%
3−HBEB(F,F)−F (6−39) 3%
3−BBXB(F,F)−F (6−91) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 7%
3−dhBB(F,F)XB(F,F)−F(7−50) 4%
3−BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)−F
(−) 3%
3−HH−V (2−1) 7%
3−HH−V1 (2−1) 10%
5−HH−V (2−1) 7%
3−HHEBH−3 (4−6) 4%
上記の組成物に化合物(No.1)を0.04重量%の割合で添加した。
NI=78.8℃;Δn=0.085;Δε=10.0;η=16.8mPa・s.
【0151】
[実施例12]
3−GB(F,F)XB(F,F)−F (6−113) 4%
3−BB(F)B(F,F)−CF3 (6−69) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 16%
3−HHB(F)B(F,F)−F (7−9) 4%
3−HBBXB(F,F)−F (7−31) 10%
4−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−57) 4%
5−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−57) 4%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 7%
3−HH−V (2−1) 25%
3−HH−O1 (2−1) 3%
1−BB−3 (2−8) 3%
V−HHB−1 (3−1) 11%
5−B(F)BB−2 (3−8) 3%
2−BB(F)B−3 (3−6) 3%
上記の組成物に化合物(No.23)を0.07重量%の割合で添加した。
NI=73.9℃;Δn=0.120;Δε=12.4;η=17.5mPa・s.
【0152】
[実施例13]
3−HBB(F,F)−F (6−24) 4%
3−GB(F)B(F,F)−F (6) 3%
3−BB(F)B(F,F)−F (6−69) 6%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 18%
3−HBBXB(F,F)−F (7−31) 3%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 7%
4−BB(F,F)XB(F)B(F,F)−F
(7−56) 3%
3−HH−V (2−1) 29%
V−HHB−1 (3−1) 11%
2−BB(F)B−2V (3−6) 4%
3−HB(F)HH−5 (4−7) 3%
5−HBBH−3 (4−1) 3%
3−HB(F)BH−3 (4−2) 3%
上記の組成物に化合物(No.1)を0.06重量%の割合で添加した。
NI=80.6℃;Δn=0.124;Δε=9.9;η=20.6mPa・s.
【0153】
[実施例14]
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 10%
4−GHB(F,F)−F (6−109) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 6%
2−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 6%
4−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
3−GBB(F)B(F,F)−F (7−55) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 8%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 3%
3−HH−V (2−1) 19%
2−HH−3 (2−1) 4%
3−HH−4 (2−1) 3%
V2−BB−1 (2−8) 6%
3−HHB−1 (3−1) 5%
5−HBB(F)B−3 (4−5) 3%
上記の組成物に化合物(No.23)を0.12重量%の割合で添加した。
NI=107.1℃;Δn=0.115;Δε=10.6;η=19.2mPa・s.
【0154】
[実施例15]
5−HB−CL (5−2) 3%
7−HB(F)−F (5−3) 7%
3−HH−4 (2−1) 12%
3−HH−EMe (2−2) 20%
3−HHEB−F (6−10) 8%
5−HHEB−F (6−10) 8%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 5%
4−HGB(F,F)−F (6−103) 5%
5−HGB(F,F)−F (6−103) 6%
2−H2GB(F,F)−F (6−106) 4%
3−H2GB(F,F)−F (6−106) 5%
5−GHB(F,F)−F (6−109) 7%
上記の組成物に化合物(No.22)を0.1重量%の割合で添加した。
NI=79.2℃;Δn=0.063;Δε=5.7;η=19.2mPa・s.
【0155】
[実施例16]
5−HB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−41) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 7%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 3%
3−HH−V (2−1) 38%
3−HH−V1 (2−1) 7%
3−HHEH−5 (3−13) 3%
3−HHB−1 (3−1) 4%
V−HHB−1 (3−1) 5%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB―F (5−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 14%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
上記の組成物に化合物(No.22)を0.08重量%の割合で添加した。
NI=80.3℃;Δn=0.107;Δε=7.2;η=14.0mPa・s.
【0156】
[実施例17]
5−HB−CL (5−2) 5%
7−HB(F)−F (5−3) 7%
3−HH−4 (2−1) 10%
3−HH−EMe (2−2) 20%
3−HHEB−F (6−10) 8%
5−HHEB−F (6−10) 8%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 5%
4−HGB(F,F)−F (6−103) 5%
5−HGB(F,F)−F (6−103) 6%
2−H2GB(F,F)−F (6−106) 4%
3−H2GB(F,F)−F (6−106) 5%
5−GHB(F,F)−F (6−109) 7%
上記の組成物に化合物(No.9)を0.1重量%の割合で添加した。
NI=77.8℃;Δn=0.064;Δε=5.8;η=19.3mPa・s.
【0157】
[実施例18]
5−HB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−41) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 7%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F
(7−47) 3%
3−HH−V (2−1) 39%
3−HH−V1 (2−1) 6%
3−HHEH−5 (3−13) 3%
3−HHB−1 (3−1) 5%
V−HHB−1 (3−1) 4%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB―F (5−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 14%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
上記の組成物に化合物(No.9)を0.06重量%の割合で添加した。
NI=80.0℃;Δn=0.106;Δε=7.2;η=14.1mPa・s.