(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
非重合性成分(B)が触媒、増感剤、安定剤、重合開始剤、阻害剤、連鎖移動剤、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤または顔料から選択された少なくとも1種の非重合性化合物からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複屈折RMレンズ。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、
− 1種または2種以上の重合性メソゲン化合物からなる、重合性液晶成分A、
− および1種または2種以上の非重合性化合物からなる、非重合性成分B
からなる重合性液晶媒体から得ることができる、RMレンズに関する。
【0018】
本発明はさらに、本明細書中に記載する複屈折RMレンズの製造方法に関する。
本発明はさらに、本明細書中に記載する複屈折RMレンズの、液晶ディスプレイ(LCD)または他の光学的もしくは電気光学デバイスにおける使用に関する。
本発明はさらに、本明細書中に記載する少なくとも1つの複屈折RMレンズを含む電気光学デバイス、例えばLCDに関する。
【0019】
用語および定義
本明細書中で使用する用語「ポリマー」は、1つまたは2つ以上の別個のタイプの繰り返し単位(分子の最小の構成単位)の骨格を包含する分子を意味するものと理解され、一般に既知の用語「オリゴマー」、「コポリマー」、「ホモポリマー」などを含む。さらに、用語ポリマーが、ポリマー自体に加えて、開始剤からの残留物、触媒、およびかかるポリマーの合成に付随する他の要素を含むことが理解され、ここでかかる残留物は、それに共有結合的には組み込まれないと理解される。さらに、かかる残留物および他の要素は、通常は重合後の精製プロセスの間に除去される一方、典型的には、それらが一般に、それが容器間で、または溶媒もしくは分散媒体間で移送される場合にポリマーと共に残留するように、ポリマーと混合される(mixed)かまたは混じり合う(co-mingled)。
【0020】
用語「重合」は、複数の重合性基またはかかる重合性基を含むポリマー前駆体(重合性化合物)を一緒に接合することによる、ポリマーを形成するための化学的プロセスを意味する。
用語「膜」および「層」は、機械的安定性を有し、剛性または柔軟性の、自己支持形または自立(freestanding)の膜、および支持基板上の、または2つの基板間のコーティングまたは層を含む。
【0021】
用語「液晶(LC)」は、ある温度範囲において(サーモトロピックLC)、または溶液中のある濃度範囲において(リオトロピックLC)、液晶中間相を有する材料に関する。それらは、必須的にメソゲン性化合物を含む。
【0022】
用語「メソゲン性化合物」および「液晶化合物」は、1つまたは2つ以上のカラミティック(棒状もしくは板状/木摺状)またはディスコティック(ディスク形状)のメソゲン性基を含む化合物を意味する。用語「メソゲン性基」は、液晶相(または中間相)挙動を誘発する能力を有する基を意味する。
【0023】
メソゲン性基を含む化合物は、必ずしもそれら自体液晶中間相を示す必要はない。また、それらが液晶中間相を、他の化合物との混合物においてのみ、あるいはメソゲン性化合物もしくは材料、またはその混合物を重合させる際に示すことが、可能である。これは、低分子量非反応性液晶化合物、反応性の、または重合性の液晶化合物および液晶ポリマーを含む。
【0024】
カラミティックメソゲン性基は、通常、互いに直接、または結合基を介して結合した1つまたは2つ以上の芳香族または非芳香族環状基からなり、任意にメソゲン性核の末端に付着した末端の基を含み、および任意にメソゲン性核の長い側に付着した1つまたは2つ以上の側方の基を含み、ここでこれらの末端および側方の基は、通常、例えばカルビルもしくはヒドロカルビル基、極性基、例えばハロゲン、ニトロ、水酸基など、または重合性基から選択される、メソゲン性核を含んでいる。
【0025】
用語「反応性メソゲン」は、重合性メソゲン性または液晶化合物、好ましくはモノマー化合物を意味する。これらの化合物を、純粋な化合物として、または反応性メソゲンの光開始剤、阻害剤、界面活性剤、安定剤、連鎖移動剤、非重合性化合物などとして機能する他の化合物との混合物として使用することができる。
【0026】
1つの重合性基を有する重合性化合物もまた、「単反応性」化合物と称され、2つの重合性基を有する化合物は、「二反応性」化合物と称され、2つより多い重合性基を有する化合物は、「多反応性」化合物と称される。重合性基を有しない化合物はまた、「非反応性または非重合性」化合物と称される。
【0027】
「光開始剤」は、的確な波長に露光された際に解離し、生成したラジカルは、モノマーの重合を開始するであろう。
可視光は、約400nm〜約800nmの範囲内の波長を有する電磁放射線である。紫外(UV)光は、約200nm〜400nmの範囲内の波長を有する電磁放射線である。
【0028】
放射照度(E
e)または放射力は、表面上に入射する単位面積(dA)あたりの電磁放射線の出力(dθ)として定義される:
E
e=dθ/dA
放射露光または放射線量(H
e)は、時間(t)あたりの放射照度または放射電力(E
e)としてである:
H
e=E
e・t
【0029】
すべての温度、例えば液晶の融点T(C,N)またはT(C,S)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)を、摂氏度で値を付ける。すべての温度差を、差異の度で値を付ける。
用語「透明点」は、最も高い温度範囲を有する中間相と、アイソトロピック相との間の転移が生じる温度を意味する。
【0030】
用語「配列」または「配向」は、材料の異方性単位、例えば小分子または大分子の断片の、「配列方向」と称される共通の方向における配列(配向的秩序)に関する。液晶またはRM材料の配列した層において、液晶ダイレクターは、配列方向が材料の異方性軸の方向に相当するように配列方向と一致する。
【0031】
液晶またはRM材料の「均一な配向」または「均一な配列」の用語は、例えば、材料の層において、液晶またはRM分子の長い分子軸(カラミティック化合物の場合における)または短い分子軸(ディスコティック化合物の場合における)が実質的に同一の方向に配向することを意味する。換言すると、液晶ダイレクターのラインは、平行である。
【0032】
本出願の全体にわたって、液晶またはRM層の配列は、他に述べない限り均一配列である。
【0033】
例えば液晶またはRM材料の層における、用語「平面状の配向/配列」は、液晶またはRM分子の長い分子軸(カラミティック化合物の場合における)または短い分子軸(ディスコティック化合物の場合における)が層の平面と実質的に平行に配向することを意味する。
【0034】
例えば液晶またはRM材料の層における用語「ティルトした配向/配列」は、液晶またはRM分子の長い分子軸(カラミティック化合物の場合における)または短い分子軸(ディスコティック化合物の場合における)が層の平面に対して0〜90°の角度θ(「ティルト角」)で配向することを意味する。
疑義の場合においては、C. Tschierske, G. PelzlおよびS. Diele, Angew. Chem. 2004, 116, 6340-6368に示されている定義が当てはまるものとする。
【0035】
詳細な説明
上に述べたように、重合性液晶成分Aは、専ら少なくとも1種の重合性メソゲン化合物からなり、したがって重合性液晶媒体中に存在する唯一の重合性化合物である。それゆえ他のもの、例えば非メソゲン化合物の存在は、除外され、それによって、他の好ましい効果に加えて、例えば複屈折の著しい増大がもたらされる。
【0036】
重合性液晶成分Aは、少なくとも1種の重合性メソゲン化合物、好ましくは2種または3種以上の重合性メソゲン化合物、例えば2〜30種の重合性メソゲン化合物の混合物からなる。
【0037】
重合性液晶成分Aの重合性メソゲン化合物は、好ましくはサーモトロピックまたはリオトロピック液晶性を実証するカラミティックもしくはディスコティック化合物、非常に好ましくはカラミティック化合物、またはある温度範囲において液晶中間相を有する1つもしくは2つ以上のタイプのこれらの化合物の混合物から選択される。これらの材料は、典型的には、良好な光学的特性、例えば低減された色度を有し、所望の配向に容易にかつ迅速に配列することができる。液晶は、小分子(つまりモノマー化合物)または液晶オリゴマーであり得る。
【0038】
一態様において、重合性液晶成分Aの重合性メソゲン化合物は、好ましくは、1種または2種以上の式Iで表される重合性の単反応性、二反応性または多反応性メソゲン化合物から選択される、
P−Sp−MG−R
0 I
【0039】
式中
Pは、重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシ、オキセタンまたはスチレン基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
MGは、棒状のメソゲン基であり、それは、好ましくは式M
−(A
21−Z
21)
k−A
22−(Z
22−A
23)
l− M
から選択され、
【0040】
A
21〜A
23は、各出現において互いに独立して、任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されているアリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基、好ましくは、任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されている1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレン、1,4−ピリジン、1,4−ピリミジン、2,5−チオフェン、2,6−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン、2,7−フッ素、2,6−ナフタレン、2,7−フェナントレンであり、
【0041】
Z
21およびZ
22は、各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合、好ましくは−COO−、−OCO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
【0042】
Lは、複数回出現の場合においては互いに独立して、H、ハロゲン、CNまたは1〜5個のC原子を有する任意にハロゲン化されたアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、好ましくはH、ハロゲンまたはCN、1〜5個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシであり、
【0043】
R
0は、H、1〜20個のC原子、より好ましくは1〜15個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであり、それは任意にフッ素化されており、あるいはY
0またはP−Sp−であり、
【0044】
Y
0は、F、Cl、CN、NO
2、OCH
3、OCN、SCN、1〜4個のC原子を有する任意にフッ素化されたアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化もしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシ、好ましくはF、Cl、CN、NO
2、OCH
3または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化もしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシであり、
【0045】
Y
01およびY
02は、各々、互いに独立してH、F、ClまたはCNを示す。
R
01およびR
02は、互いに独立してH、または1〜20個のC原子、好ましくは、1〜6個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルであり、ならびに
kおよびlは、各々独立して0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2、最も好ましくは1である。
【0046】
本明細書中で、「カルビル基」は、少なくとも1個の炭素原子を含み、さらなる原子を含まない(例えば−C≡C−)、または任意に1個もしくは2個以上のさらなる原子、例えばN、O、S、P、Si、Se、As、TeもしくはGeを含む(例えばカルボニルなど)、1価の、または多価の有機基を示す。
【0047】
「ヒドロカルビル基」は、さらに1個または2個以上のH原子および任意に1個または2個以上のヘテロ原子、例えばN、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeを含むカルビル基を示す。
「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを示す。
【0048】
カルビル基またはヒドロカルビル基は、飽和の、または不飽和の基であり得る。不飽和の基は、例えばアリール、アルケニルまたはアルキニル基である。3個より多いC原子を有するカルビル基またはヒドロカルビル基は、直鎖状、分枝状および/または環状であり得、スピロ結合または縮合環を含んでいてもよい。
【0049】
本明細書中で、用語「アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などはまた、多価の基、例えばアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレンなどを包含する。用語「アリール」は、芳香族炭素基またはそれから誘導された基を示す。用語「ヘテロアリール」は、1個または2個以上のヘテロ原子を含む上記の定義による「アリール」を示す。
【0050】
好ましいカルビル基およびヒドロカルビル基は、1〜40個、好ましくは1〜25個、特に好ましくは1〜18個のC原子を有する任意に置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有する任意に置換されているアリールもしくはアリールオキシ、または6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有する任意に置換されているアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである。
【0051】
さらに好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基は、C
1〜C
40アルキル、C
2〜C
40アルケニル、C
2〜C
40アルキニル、C
3〜C
40アリル、C
4〜C
40アルキルジエニル、C
4〜C
40ポリエニル、C
6〜C
40アリール、C
6〜C
40アルキルアリール、C
6〜C
40アリールアルキル、C
6〜C
40アルキルアリールオキシ、C
6〜C
40アリールアルキルオキシ、C
2〜C
40ヘテロアリール、C
4〜C
40シクロアルキル、C
4〜C
40シクロアルケニルなどである。特に好ましいのは、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22アリル、C
4〜C
22アルキルジエニル、C
6〜C
12アリール、C
6〜C
20アリールアルキルおよびC
2〜C
20ヘテロアリールである。
【0052】
さらに好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基は、1〜40個、好ましくは1〜25個のC原子を有する直鎖状、分枝状または環状アルキルラジカル、それは、非置換であるか、またはF、Cl、Br、IもしくはCNによって単置換もしくは多置換されており、かつここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH
2基は、各々、互いに独立して、−C(R
x)=C(R
x)−、−C≡C−、−N(R
x)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によって、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい、である。
【0053】
R
xは、好ましくは、H、ハロゲン、1〜25個のC原子を有する直鎖状、分枝状または環状アルキル鎖、ここでさらに1個または2個以上の隣接していないC原子が−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によって置き換えられていてもよく、かつここで1個または2個以上のH原子がフッ素、6〜40個のC原子を有する任意に置換されているアリールもしくはアリールオキシ基または2〜40個のC原子を有する任意に置換されているヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基によって置き換えられていてもよい、を示す。
【0054】
好ましいアルキル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、ドデカニル、トリフルオロメチル、パーフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロオクチル、パーフルオロヘキシルなどである。
【0055】
好ましいアルケニル基は、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルなどである。
好ましいアルキニル基は、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニルなどである。
【0056】
好ましいアルコキシ基は、例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシなどである。
好ましいアミノ基は、例えばジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノなどである。
【0057】
アリールおよびヘテロアリール基は、単環式または多環式であり得、つまりそれらは、1つの環(例えばフェニル)または2つもしくは3つ以上の環を有することができ、それはまた縮合しているか(例えばナフチル)、または共有結合しているか(例えばビフェニル)、または縮合し、かつ.結合した環の組み合わせを含んでいてもよい。ヘテロアリール基は、好ましくはO、N、SおよびSeから選択される1個または2個以上のヘテロ原子を含む。
【0058】
特に好ましいのは、6〜25個のC原子を有する単環式、二環式または三環式のアリール基および2〜25個のC原子を有し、単環式、二環式または三環式のヘテロアリール基、これは任意に縮合環を含み、任意に置換されている、である。好ましいのは、さらには、5、6または7員環のアリール基およびヘテロアリール基、ここでさらに1つまたは2つ以上のCH基は、N、SまたはOによって、O原子および/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい、である。
【0059】
好ましいアリール基は、例えばフェニル、ビフェニル、ターフェニル、[1,1’:3’,1’’]ターフェニル−2’−イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどである。
【0060】
好ましいヘテロアリール基は、例えば5員環、例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、6員環、例えばピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、または縮合基、例えばインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェン、またはこれらの基の組み合わせである。ヘテロアリール基はまた、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フッ素、フルオロアルキルまたはさらにアリールもしくはヘテロアリール基によって置換されていてもよい。
【0061】
(非芳香族)脂環式および複素環式基は、飽和環、つまり専ら単結合を含むもの、および部分的に不飽和の環、つまりまた多重結合を含んでいてもよいものの両方を包含する。複素環式環は、好ましくはSi、O、N、SおよびSeから選択される、1個または2個以上のヘテロ原子を含む。
【0062】
(非芳香族)脂環式および複素環式基は、単環式、つまり1つのみの環を含む(例えばシクロヘキサン)、かまたは多環式、つまり複数の環を含む(例えばデカヒドロナフタレンもしくはビシクロオクタン)、であり得る。特に好ましいのは、飽和基である。好ましいのは、さらに3〜25個のC原子を有し、任意に縮合環を含み、任意に置換されている単環式、二環式または三環式の基である。好ましいのは、さらには、5、6、7または8員環の炭素環式基、ここでさらに、1個もしくは2個以上のC原子は、Siによって置き換えられていてもよく、ならびに/または1つもしくは2つ以上のCH基は、Nによって置き換えられていてもよく、ならびに/または1つもしくは2つ以上の隣接していないCH
2基は、−O−および/もしくは−S−によって置き換えられていてもよい、である。
【0063】
好ましい脂環式および複素環式基は、例えば5員環の基、例えばシクロペンタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、ピロリジン、6員環の基、例えばシクロヘキサン、シリナン、シクロヘキセン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、ピペリジン、7員環の基、例えばシクロヘプタン、および縮合した基、例えばテトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、インダン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、オクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルである。
【0064】
アリール、ヘテロアリール、カルビルおよびヒドロカルビルラジカルは、任意に1つまたは2つ以上の置換基、それらは、好ましくはシリル、スルホ、スルホニル、ホルミル、アミン、イミン、ニトリル、メルカプト、ニトロ、ハロゲン、C
1〜12アルキル、C
6〜12アリール、C
1〜12アルコキシ、水酸基、またはこれらの基の組み合わせを含む群から選択される、を有する。
【0065】
好ましい置換基は、例えば溶解性促進基、例えばアルキルもしくはアルコキシ、電子求引基、例えばフッ素、ニトロもしくはニトリル、またはポリマーにおけるガラス転移温度(Tg)を増大させるための置換基、特に嵩高い基、例えばt−ブチルもしくは任意に置換されているアリール基である。
【0066】
また以下で「L」とも称する、好ましい置換基は、例えばF、Cl、Br、I、OH、−CN、−NO
2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(R
x)
2、−C(=O)Y
1、−C(=O)R
x、−C(=O)OR
x、−N(R
x)
2であり、ここでR
xは前述の意味を有し、Y
1はハロゲン、任意に置換されているシリル、4〜40個、好ましくは4〜20個の環原子を有する任意に置換されているアリールまたはヘテロアリール、および1〜25個のC原子を有し、ここで1個または2個以上のH原子が任意にFまたはClによって置き換えられていてもよい直鎖状または分枝状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを示す。
【0067】
「置換されたシリルまたはアリール」は、好ましくは、ハロゲン、−CN、R
0、−OR
0、−CO−R
0、−CO−O−R
0、−O−CO−R
0または−O−CO−O−R
0によって置換されている、ここでR
0は前述の意味を有する、ことを意味する。
特に好ましい置換基Lは、例えばF、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5、さらにフェニルである。
【0068】
本明細書中に示した式中、置換フェニレン環
【化1】
ここでLは、各出現において同一に、または異なって本明細書中に示した意味の1つを有し、好ましくはF、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、C(CH
3)
3、CH(CH
3)
2、CH
2CH(CH
3)C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5またはP−Sp−、非常に好ましくはF、Cl、CN、CH
3、C
2H
5、OCH
3、COCH
3、OCF
3またはP−Sp−、最も好ましくはF、Cl、CH
3、OCH
3、COCH
3またはOCF
3である。
【0069】
重合性基Pは、好ましくは、C=C二重結合またはC≡C三重結合、および開環を伴う重合に適している基、例えばオキセタンまたはエポキシド基を含む群から選択される。
【0070】
非常に好ましくは、重合性基Pは、
【化2】
【0071】
ここでW
1は、H、F、Cl、CN、CF
3、1〜5個のC原子を有するフェニルまたはアルキル、特にH、F、ClまたはCH
3を示し、W
2は、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にH、メチル、エチルまたはn−プロピルを示し、W
3およびW
4は、各々、互いに独立して、H、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルを示し、Pheは、1,4−フェニレンを示し、それは、任意に上に定義した1つまたは2つ以上のラジカルLによって置換されているが、P−Spとは異なっており、ならびにk
1、k
2およびk
3は、各々、互いに独立して0または1を示し、k
3は、好ましくは1を示し、k
4は、1〜10の整数である、からなる群から選択される。
【0072】
特に好ましい基Pは、
【化3】
特にビニルオキシ、アクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、クロロアクリレート、オキセタンおよびエポキシド、最も好ましくはアクリレートまたはメタクリレートである。
【0073】
本発明のさらなる好ましい態様において、すべての重合性化合物およびその従属式は、1つまたは2つ以上のラジカルP−Sp−の代わりに2つまたは3つ以上の重合性基P(多反応性重合性ラジカル)を含む1つまたは2つ以上の分枝状ラジカルを含む。このタイプの好適なラジカルおよびそれらを含む重合性化合物は、例えばUS 7,060,200 B1またはUS 2006/0172090 A1に記載されている。特に好ましいのは、以下の式から選択される多反応性重合性ラジカルである:
【化4】
【0074】
式中
alkylは、単結合、あるいは1〜12個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキレン、ここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH
2基が各々、互いに独立して、−C(R
x)=C(R
x)−、−C≡C−、−N(R
x)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によって、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、ならびにここでさらに、1個または2個以上のH原子がF、ClまたはCNによって置き換えられていてもよく、ここでR
xが前述の意味を有し、好ましくは上に定義したR
0を示す、を示し、
【0075】
aaおよびbbは、各々、互いに独立して0、1、2、3、4、5または6を示し、
Xは、X’について示した意味の1つを有し、ならびに
P
1〜5は、各々、互いに独立してPについて上に示した意味の1つを有する。
【0076】
好ましいスペーサー基Spは、式Sp’−X’から選択され、したがってラジカル「P−Sp−」は、式「P−Sp’−X’−」に適合し、ここで
Sp’は、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキレン、それは、任意にF、Cl、Br、IまたはCNによって単置換または多置換されており、およびここでさらに、1つまたは2つ以上の隣接していないCH
2基は、各々、互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR
01−、−SiR
01R
02−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−NR
01−CO−NR
01−、−CH=CH−または−C≡C−によって、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい、を示し、
【0077】
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合を示し、
【0078】
R
01およびR
02は、各々、互いに独立して、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルを示し、ならびに
Y
01およびY
02は、各々、互いに独立して、H、F、ClまたはCNを示す。
X’は、好ましくは−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR
0−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
01−または単結合である。
【0079】
典型的なスペーサー基Sp’は、例えば−(CH
2)
p1−、−(CH
2CH
2O)
q1−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−S−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−NH−CH
2CH
2−または−(SiR
01R
02−O)
p1−、ここでp1は1〜12の整数であり、q1は1〜3の整数であり、R
01およびR
02は前述の意味を有する、である。
特に好ましい基−X’−Sp’−は、−(CH
2)
p1−、−O−(CH
2)
p1−、−OCO−(CH
2)
p1−、−OCOO−(CH
2)
p1−である。
【0080】
特に好ましい基Sp’は、例えば、各場合において直鎖状エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0081】
別の態様において、重合性液晶成分Aは、式IIから選択された少なくとも1種の重合性単反応性、二反応性または多反応性メソゲン化合物、および式IIIから選択された少なくとも1種の重合性単反応性、二反応性または多反応性メソゲン化合物を含む。
【化5】
【0082】
式中
Pは、重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシ、オキセタンまたはスチレン基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
【0083】
A
21〜A
33は、各出現において互いに独立して、任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されている、アリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基、好ましくは、任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されている、1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレン、1,4−ピリジン、1,4−ピリミジン、2,5−チオフェン、2,6−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン、2,7−フッ素、2,6−ナフタレン、2,7−フェナントレンであり、
【0084】
Z
21およびZ
22は、各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−または単結合、好ましくは−COO−、−OCO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−または単結合であり、
【0085】
Z
31およびZ
32は、各出現において互いに独立して、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−であり、l>0である場合には、Z
31およびZ
32の一方はまた、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−または単結合を示すことができ、
【0086】
Lは、複数回出現の場合においては互いに独立して、H、ハロゲン、CNまたは1〜5個のC原子を有する任意にハロゲン化されたアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、好ましくはH、ハロゲンまたはCN、1〜5個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシであり、
【0087】
R
0は、H、1〜20個のC原子、より好ましくは1〜15個のC原子を有し、任意にフッ素化されている、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシであり、またはY
0もしくはP−Sp−であり、
【0088】
Y
0は、F、Cl、CN、NO
2、OCH
3、OCN、SCN、1〜4個のC原子を有し、任意にフッ素化されている、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化もしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシ、好ましくはF、Cl、CN、NO
2、OCH
3、または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化もしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシであり、
【0089】
Y
01およびY
02は、各々、互いに独立して、H、F、ClまたはCNを示す。
R
01およびR
02は、互いに独立して、H、または1〜20個のC原子、好ましくは1〜6個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルであり、ならびに
kおよびlは、各々、独立して、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2、最も好ましくは1である。
【0090】
好ましくは、重合性液晶成分Aは、式II−1〜II−27から選択された少なくとも1種の重合性の単反応性、二反応性または多反応性メソゲン化合物、
【化6】
【0094】
および式III−1〜III−12から選択された少なくとも1種の重合性の単反応性、二反応性または多反応性メソゲン化合物を含む、
【化10】
【0097】
式中
P
0は、複数回出現の場合においては互いに独立して、重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、オキセタン、エポキシ、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテルまたはスチレン基であり、
A
0は、複数回出現の場合においては互いに独立して、任意に1、2、3もしくは4つの基Lで置換されている、1,4−フェニレン、またはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、
【0098】
Z
0は、複数回出現の場合においては互いに独立して、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−または単結合であり、
Z
1は、各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−Y
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
【0099】
Z
2は、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−であり、少なくとも2回存在する場合には、Z
1の少なくとも1つはまた、−O−、−S−、−O−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−または単結合を示すことができ、
【0100】
rは、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2であり、
uおよびvは、互いに独立して0、1または2であり、
wは、0または1であり、
xおよびyは、互いに独立して0または1〜12の同一であるかもしくは異なる整数であり、
zは、0または1であり、zは、隣接するxまたはyが0である場合には0であり、ならびに
パラメーターR
0、Y
0、R
01、R
02およびLは、式Iにおいて上に示したのと同一の意味を有する。式中
【0101】
より好ましくは、重合性液晶成分Aは、式IIa〜IIc
【化13】
から選択された少なくとも1種の重合性の単反応性、二反応性または多反応性メソゲン化合物、および以下の式IIIa〜IIIh
【化14】
式中、パラメーターR
0は、式Iにおいて上に示したのと同一の意味を有し、xおよびyは、互いに独立して1〜12の整数である、
で表される少なくとも1種の重合性メソゲン化合物を含む。
【0102】
特に好ましくは、重合性液晶成分Aの重合性メソゲン化合物は、式IIa〜IIcで表される少なくとも1種の化合物ならびに式IIIa〜IIIeおよびIIIgから選択された少なくとも1種の化合物から選択される。
【0103】
好ましい態様において、非重合性成分Bは、例えば商業的に入手できるIrganox(登録商標)シリーズ(Ciba AG)、例えばIrganox 1076から選択された、所望されない自発的な重合を防止するための1種または2種以上の安定剤または阻害剤を、好ましくは全媒体の0〜0.1重量%、非常に好ましくは全媒体の0〜0.2重量%の量で含む。
【0104】
重合性液晶媒体の重合を、好ましくは重合開始剤の存在下で行う。この目的のために、非重合性成分(B)は、好ましくは1種または2種以上の開始剤を含む。例えば、UV光によって重合させる場合には、重合反応を開始するフリーラジカルまたはイオンを生成するためにUV照射の下で分解する光開始剤を、使用することができる。アクリレートまたはメタクリレート基を重合させるために、好ましくはラジカル光開始剤を、使用する。ビニル、エポキシドまたはオキセタン基を重合させるために、好ましくはカチオン性光開始剤を、使用する。
【0105】
また、加熱されると分解され、重合を開始するフリーラジカルまたはイオンを生成する、熱重合開始剤を使用することが、可能である。フリーラジカル重合に適しているのは、例えば商業的に入手できる光開始剤Irgacure651(登録商標)、Irgacure184(登録商標)、Irgacure907(登録商標)、Irgacure369(登録商標)またはDarocure1173(登録商標)(Ciba AG)である。開始剤を使用する場合には、その割合は、好ましくは、全媒体の0.001〜5重量%、特に好ましくは全媒体の0.001〜1重量%である。典型的なカチオン光開始剤は、例えばUVI 6974(Union Carbide)である。
【0106】
その代わりに、成分Bはまた、例えばEP 1 388 538 A1に開示されている二色性または液晶性光開始剤を含むことができる。
通常の光開始剤のように、「二色性光開始剤」は、的確な波長に露光した際に解離し、生成したラジカルは、モノマーの重合を開始するであろう。二色性光開始剤は、光吸収が分子の分子配向に依存するという特性を有する。二色性光開始剤は、入射光の電場ベクトルと並んだ際に選択的に解離する。
【0107】
成分Bの非常に好ましい二色性光開始剤は、以下の式からなる群から選択される:
【化15】
【0109】
式中、L’’は、HまたはFであり、Rは、1〜12個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシであり、ならびにR’およびR’’は、1〜6個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシから、非常に好ましくはメチル、エチルまたはプロピルから選択される。
【0110】
重合性液晶媒体中の重合開始剤の濃度は、好ましくは全媒体の0.01〜10重量%、非常に好ましくは全媒体の0.05〜6重量%である。
【0111】
液晶分子の特定の表面配列を促す、1種または2種以上の界面活性剤を含む成分Bが、さらに好ましい。好適な界面活性剤は、例えばJ. Cognard, Mol.Cryst.Liq.Cryst.
78, Supplement 1, 1-77 (1981)に記載されている。平面状配列のための好ましい配列化剤は、例えば非イオン性界面活性剤、好ましくはフルオロカーボン界面活性剤、例えば商業的に利用可能なFluorad FC-171(登録商標)(3M Co.から)またはZonyl FSN(登録商標)(DuPontから)、GB 2 383 040に記載されているマルチブロック界面活性剤またはEP 1 256 617 A1に記載されている重合性界面活性剤である。
【0112】
非重合性成分はまた、重合のために使用する放射線の波長へと調節された吸収極大を有する1種または2種以上の染料、特にUV染料、例えば4、4’’−アゾキシアニソールまたはTinuvin(登録商標)染料(Ciba AGから)を含んでもよい。
【0113】
前記非重合性成分Bはさらに、1種または2種以上の追加の成分、例えば触媒、増感剤、安定剤、阻害剤、連鎖移動剤、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤または顔料を含むことができる。
【0114】
上に述べたように、本発明の複屈折RMレンズに好適な重合性液晶媒体は、数種の化合物、好ましくは2〜30種、より好ましくは3〜20種および最も好ましくは4〜10種の化合物からなる。これらの化合物を、慣用の方法で混合する。原則として、より少量で使用する化合物の所要量を、より多量で使用する化合物に溶解する。より高濃度で使用する化合物の透明点よりも温度が高い場合において、溶解のプロセスの完了を観察するのは、特に容易である。しかしながら、媒体を他の慣用の方法によって、例えば、例えば化合物の相同な(homologous)もしくは共融混合物であり得るいわゆるプレ混合物を使用して、または構成成分が混合物自体を使用できる状態にあるいわゆるマルチボトル系を使用して製造することがまた、可能である。
【0115】
好ましくは、重合性液晶成分Aの媒体中の量は、全媒体の95重量%より多く、より好ましくは全媒体の97重量%より多く、およびなおより好ましくは全媒体の98重量%より多い。
好ましくは、非重合性成分Bの量は、全媒体の5重量%より少なく、より好ましくは全媒体の3重量%より少なく、およびなおより好ましくは全媒体の2重量%より少ない。
【0116】
重合性液晶成分Aは、好ましくは以下のものを含む。
− 全媒体の95重量%より高い、より好ましくは全媒体の97重量%より高い、およびなおより好ましくは全媒体の98重量%より高い合計濃度での、式Iで表される1種または2種以上の化合物、好ましくは、これらの化合物は、従属式II−1、II−6、II−7、II−27、III−1、III−2、III−3およびIII−11の群から選択される、ならびに
【0117】
非重合性成分Bは、好ましくは以下のものを含む。
− 全媒体の5重量%より低い、より好ましくは全媒体の3重量%より低い、およびなおより好ましくは全媒体の2重量%より低い合計濃度での、1種または2種以上の非重合性化合物、好ましくは、これらの化合物は、安定剤、配列性添加剤、界面活性剤および光開始剤から選択される。
【0118】
より好ましくは、重合性液晶成分Aは、好ましくは以下のものを含む。
− 好ましくは全媒体の5〜50重量%、より好ましくは全媒体の10〜40重量%、なおより好ましくは全媒体の15〜30重量%の範囲内の濃度での、好ましくは式II−1、II−6、II−7 III−1、III−2、III−3およびIII−1から選択される、好ましくは1種、2種、3種または4種以上の単反応性メソゲン化合物、ならびに
【0119】
− 好ましくは、全媒体の1〜90重量%、より好ましくは全媒体の5〜80重量%、なおより好ましくは全媒体の10〜70重量%の範囲内の濃度での、1種、2種、3種または4種以上の二反応性メソゲン化合物、ならびに
【0120】
− 任意に、好ましくは、全媒体の0〜25重量%、より好ましくは全媒体の0〜20重量%、なおより好ましくは全媒体の0〜10重量%の範囲内の濃度での、好ましくは式II−27から選択される1種、2種、3種または4種以上の多反応性メソゲン化合物、ならびに
【0121】
非重合性成分Bは、好ましくは以下のものを含む。
− 全媒体の5重量%より低い、より好ましくは全媒体の3重量%より低い、およびなおより好ましくは全媒体の2重量%より低い合計濃度での、1種または2種以上の非重合性化合物、好ましくは、これらの化合物は、安定剤、配列性添加剤、界面活性剤および光開始剤から選択される。
【0122】
なおより好ましくは、重合性液晶成分Aは、好ましくは以下のものを含む、
− 好ましくは全媒体の10〜60重量%、特に全媒体の15〜50重量%の範囲内の濃度での、式IIaで表される、特に式中R
0がアルコキシまたはCNを示し、xが6である、1種または2種以上の化合物、ならびに
【0123】
− 好ましくは、全媒体の5〜60重量%、特に全媒体の10〜50重量%の範囲内の濃度での、式IIcで表される、特に式中xおよびyが各々共に3または共に6を示す、1種または2種以上の化合物、ならびに
− 好ましくは、全媒体の1〜60重量%、特に全媒体の1〜30重量%の範囲内の濃度での、式IIIa〜IIIhで表される化合物の群から選択される少なくとも1種の化合物、ならびに
【0124】
非重合性成分Bは、好ましくは以下のものを含む。
− 好ましくは、全媒体の0〜0.1重量%、非常に好ましくは全媒体の0〜0.2重量%の量での、好ましくは商業的に入手できるIrganox(登録商標)シリーズ(Ciba AG)、例えばIrganox 1076から選択される、1種または2種以上の安定剤、ならびに
【0125】
− 好ましくは全媒体の0.001〜5重量%、特に好ましくは全媒体の0.001〜1重量%の量での、好ましくは商業的に入手できる光開始剤Irgacure651(登録商標)、Irgacure184(登録商標)、Irgacure907(登録商標)、Irgacure369(登録商標)またはDarocure1173(登録商標)(Ciba AG)から選択される1種または2種以上の光開始剤。
【0126】
本発明の複屈折RMレンズの製造のための一般的な方法は、通常の専門家に知られており、例えばJP2012-137616 A1に記載されているように行うことができる。
【0127】
好ましい態様において、製造方法は、以下のステップを含む。
− 重合性液晶媒体の溶解物を平凸レンズ型中に、高い温度で満たすこと、
− 型中の重合性液晶媒体を高い温度で焼きなますこと、
− 型を冷却すること、
− 重合性液晶媒体を硬化させること、および
− 任意に型を取り外すこと。
【0128】
別の好ましい態様において、方法は、以下のステップを含む。
− 重合性液晶媒体の溶解物の層を基板上に、室温または高い温度で提供すること、
− 逆のレンズ型を、コーティングした重合性液晶媒体の上に提供すること、
− 型中の重合性液晶媒体を高い温度で焼きなますこと、
− 型を冷却すること、
− 重合性液晶媒体を硬化させること、および
− 任意に型を取り外すこと。
【0129】
本発明の複屈折RMレンズのために使用する基板は、液晶デバイス、ディスプレイ、光学部品および光学膜のために通常使用される、任意の基板であり得る。それは、本発明の溶解した複屈折RMレンズ材料を被覆したあとの加熱または液晶デバイス製造の間の加熱に耐えるのに十分な耐熱性を有する限り、いかなる特定の基板にも限定されない。
【0130】
またレンズ型に対する最適な材料であり得るかかる基板の例は、ガラス基板、金属基板、セラミック基板およびプラスチック基板である。特に基板が有機材料である場合には、基板材料の例は、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロンおよびポリスチレンである。それらの中で、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレートおよびポリカーボネートが、好ましい。
【0131】
本発明の複屈折RMレンズを得るためのコーティング方法として、周知であり、一般に用いられている方法を、使用することができる。例は、アプリケータ法、バーコーティング法、スピンコーティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ダイコーティング方法、キャップコーティング法および浸漬法である。
【0132】
好ましいコーティング温度は、とりわけ、重合性液晶媒体の融点に依存する。
好ましくは、重合性液晶媒体の被覆した膜は、室温、少なくとも1時間、より好ましくは少なくとも3時間および最も好ましくは少なくとも16時間、結晶化に対する好適な安定性を示す。
【0133】
重合性液晶媒体の溶解物の被覆した層の厚さは、とりわけ、使用するレンズ型の厚さまたは、RMレンズの複屈折についての値の依存する好ましいレンズ厚さに、依存する。
【0134】
重合性液晶媒体の最初の配列(例えば平面状配列)を、重合前に重合性液晶媒体を焼きなますことにより、またはまた配列層の適用により、磁場もしくは電場を被覆した重合性液晶媒体に適用することにより、または表面活性化合物の重合性液晶媒体への添加により、達成することができる。配列手法のレビューは、例えばI. Sageによって、"Thermotropic Liquid Crystals", G. W. Gray編、John Wiley & Sons, 1987、75〜77頁中に;ならびにT. UchidaおよびH. Sekiによって、"Liquid Crystals - Applications and Uses Vol. 3", B. Bahadur編、World Scientific Publishing, Singapore 1992、1〜63頁中に示されている。配列材料および手法のレビューは、J. Cognard, Mol. Cryst. Liq. Cryst. 78, Supplement 1 (1981)、1〜77頁によって示されている。
【0135】
配列層を基板上に適用し、重合性液晶媒体をこの配列層上に提供することがまた、可能である。好適な配列層は、当該分野において知られており、例えばラビングしたポリイミドまたはUS 5,602,661、US 5,389,698もしくはUS 6,717,644に記載されているように光配向によって製造した配列層である。
【0136】
詳細には、好適な配列処理は、例えば伸張処理、ラビング処理、偏光UV−可視光照射処理およびイオンビーム処理である。配列膜を使用する場合において、周知であり、一般に使用されている配列膜を、使用することができる。
【0137】
かかる配列膜の詳細な例は、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ−フェニレンエーテル、ポリ−アリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、クマリン化合物、カルコン化合物、ケイ皮酸塩化合物、フルガイド(fulgide)化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、およびアリールエタン化合物である。ラビング処理に加えた方法によって配列処理する化合物に関し、光配列材料の使用が、望ましい。
【0138】
本発明の複屈折RMレンズの形成を、フォトマスクを使用することにより、重合性液晶媒体をレンズ形状に重合させることによって、行うことができる。フォトマスクを使用する場合、フォトマスクを、所望のレンズ形状が複屈折RMレンズ材料または重合性液晶媒体の重合の後に得られるように、設計する。
【0139】
しかしながら、重合性液晶媒体の被覆した膜は、好ましくはレンズ型で覆われている。型を使用する場合、複屈折RMレンズ材料または重合性液晶媒体の被覆膜を、好ましくは本発明の重合性液晶媒体の常光屈折率(n
o)と同一の屈折率を有する平凸レンズ型で覆い、重合を、覆いながら行う。
【0140】
重合を、例えば重合性液晶媒体を化学線に露光することにより達成する。化学線は、光、例えばUV光、IR光もしくは可視光での照射、X線もしくはガンマ線での照射、または高エネルギー粒子、例えばイオンもしくは電子での照射を意味する。好ましくは、重合によって行う。化学線のためのソースとして、例えば単一のUVランプまたはUVランプのセットを、使用することができる。高いランプ出力を使用する場合、硬化時間を短縮することができる。化学線のための別の可能な源は、レーザー、例えばUV、IRまたは可視レーザーである。
【0141】
重合をUV照射によって行う場合、それを最大390nmの波長を有するUV光線で、およびより好ましくは250〜370nmの波長を有する光で照射するのが、一般に望ましい。しかしながら、重合性液晶組成物の分解が最大390nmを有するUV光線によって引き起こされる場合においては、重合処理を少なくとも390nmを有するUV光線で行うのが好ましい場合がある。この光は、好ましくは散光であるが、二色性光開始剤が存在する場合においては、偏光を使用するのが好ましい。
【0142】
硬化時間は、とりわけ、重合性液晶媒体の反応性、被覆層の厚さ、重合開始剤のタイプおよびUVランプの出力に依存する。硬化時間は、好ましくは≦5分、非常に好ましくは≦3分、最も好ましくは≦1分である。
【0143】
好適なUV放射線出力は、好ましくは5〜200mWcm
−2の範囲内、より好ましくは10〜175mWcm
−2の範囲内および最も好ましくは20〜150mWcm
−2の範囲内である。
適用するUV放射線と関連して、および時間の関数として、好適なUV線量は、好ましくは25〜7200mJcm
−2の範囲内、より好ましくは500〜7200mJcm
−2の範囲内および最も好ましくは1000〜7200mJcm
−2の範囲内である。
【0144】
硬化温度は、望ましくは、重合性液晶組成物の液晶相からアイソトロピック相への転移温度に対する考慮に加えて、不均一な重合が熱によって引き起こされる温度より低い温度である。ここで、有機物質製の基板がガラス転移点を超過する場合、基板の熱変形は重大になる。
【0145】
好ましい硬化温度範囲は、10〜70℃、より好ましくは15〜50℃に、およびなおより好ましくは20〜30℃である。
重合性液晶媒体は、好ましくは、約50℃〜約150℃、特に約100℃またはさらに約80℃までの範囲内の透明点を有する。
【0146】
入射ビームの波長(λ)の関数としてのRMレンズの光学的リタデーション(δ(λ))は、以下の方程式によって示される:
δ(λ)=(2πΔn・d)/λ
式中、(Δn)は、RMレンズの複屈折であり、(d)は、RMレンズの厚さであり、λは、入射ビームの波長である。
【0147】
Snellius法則によれば、入射ビームの方向の関数としての複屈折は、以下のように定義される
Δn=sinΘ/sinΨ
式中、sinΘは、膜における光学的軸の入射角またはティルト角であり、sinΨは、対応する反射角である。
【0148】
これらの法則に基づいて、複屈折およびひいては光学的リタデーションは、RMレンズの厚さおよび膜における光軸のティルト角に依存する(Berekの補償器を参照)。したがって、熟達した専門家は、異なる光学的リタデーションまたは異なる複屈折が、RMレンズ中の液晶分子の配向を調整することにより、またはレンズ厚さを調整することにより引き起こされ得ることを認識している。
【0149】
好ましくは、本発明のRMレンズの複屈折(Δn)は、好ましくは0.10〜0.50の範囲内、より好ましくは0.15〜0.45の範囲内およびなおより好ましくは0.18〜0.40の範囲内である。
【0150】
複屈折(Δn)を、以下の式を使用して計算した、
δn=δ(λ)/d、
式中
δ(λ)は、上に説明したリタデーションであり、(d)は、上に述べたRMレンズの厚さである。本明細書中で、Δn値を、λ=550nmの波長で示す。
【0151】
本発明の方法によって得られたRMレンズの厚さは、好ましくは3〜200μmの範囲内、より好ましくは3〜100μmの範囲内およびなおより好ましくは3〜30μmの範囲内である。
RMレンズの厚さを、重合した膜において引っ掻きを作成し、Alphaステップ表面形状測定装置で引っ掻きの深さを測定することにより測定する。
【0152】
本発明の方法によって得られた軸上のリタデーションの百分率として表現した−40°〜+40°視野角のリタデーションおける差は、好ましくは5%より低く、より好ましくは1%より低く、なおより好ましくは0%である。
リタデーションを、分光エリプソメーターを使用して測定する。
【0153】
本発明の複屈折RMレンズを、広範囲の様々な電気光学デバイス、例えばオートステレオスコピック3Dディスプレイ、偏光導光板、光学式ドライブ(DVD、ブルーレイ、CD)などにおいて使用することができる。
550nmでの複屈折RMレンズの透過は、好ましくは85%より高く、より好ましくは90%より高く、なおより好ましくは93%より高い。複屈折RMレンズの透過を、日立3310 UV-vis分光計において測定することができる。
【0154】
複屈折RMレンズの黄色度指数(b値)は、好ましくは11より低く、より好ましくは9より低く、なおより好ましくは7より低い。
CIE LABカラースケールによる黄色度指数またはb値を、コニカミノルタCR300カラーカメラを反射モードで使用して測定する。この試験において、空のPIガラスセルを、参照として4.14の「b値」で測定する。
【0155】
したがって、好ましい態様において、複屈折RMレンズを、オートステレオスコピックディスプレイデバイスにおいて使用することができる。かかるデバイスはディスプレイパネルを含み、その上に少なくとも1つの複屈折RMレンズを含むレンズ配置が提供されている。
【0156】
本発明の好適なディスプレイパネルは、液晶(LCD)、プラズマ(PDP)、有機発光ダイオード(OLED)または陰極線管(CRT)ディスプレイパネル、好ましくは液晶ディスプレイである。しかしながら、代替のタイプのディスプレイパネルもまた使用してもよいことは、当業者に明らかであろう。
【0157】
ディスプレイパネルは、ディスプレイ画像を生成するためのディスプレイ画素のアレイを有し、ディスプレイ画素は、行および列において配置される。好ましい態様において、好ましいディスプレイ画素ピッチは、50μm〜1000μmの範囲内にある。
【0158】
本発明の好ましい態様において、透明なカップリング膜を、ディスプレイパネルの前側と前記レンズ配置との間に積層させ、それは、レンズ配置に対して斜角におけるディスプレイパネルの入射光を実質的に結合させる。好ましくは、この透明なカップリング膜は、プリズム格子構造を有する。
しかしながら、好ましい態様において、平坦な透明なスペーサーシートを、ディスプレイパネルの前側と前記レンズ配置との間に積層させる。
【0159】
レンズ配置によって、オートステレオスコピック画像を見ることが可能になる。したがって、各レンズ配置は、ディスプレイ画素の小さい群と、各行もしくは列または少なくとも1つのディスプレイ画素において重なる。レンズ配置は、各ディスプレイ画素またはディスプレイ画素の群を種々の方向に突出させて、いくつかの異なる視感を形成する。使用者の頭部が左から右に移動するに伴って、当該使用者の目は、いくつかの視感の異なるものを、順次受け取るであろう。
【0160】
本発明の好ましい態様において、レンズ配置、において、レンズ状スクリーン板である。レンズ状スクリーン板は、複数のレンズ、好ましくは互いに対して平行に伸びるレンズの行の一次元の周期的な配置によって規定される。この関連において、レンズ状スクリーン板は、円筒形レンズグリッドディスク、楕円形レンズグリッドディスクまたはプリズムレンズグリッドディスク、好ましくは円筒形レンズグリッドディスクであり得る。
【0161】
本発明を、好ましい態様を特に参照して、本明細書中に記載する。様々な変更および修正が本発明の精神および範囲から逸脱せずにそこにおいて行われ得ることを、理解しなければならない。
【0162】
本明細書中で述べた化合物またはその混合物の多くは、商業的に利用可能である。これらの化合物のすべては、知られているか、または文献(例えば標準的学術書、例えばHouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart)に記載されているように、正確には知られており、前記反応に適している反応条件の下で自体知られている方法によって製造することができる。自体知られているが、ここで述べない変法をまた、ここで活用してもよい。
文脈が他に明白に示さない限り、本明細書中で使用する用語の複数形は、ここで単数形を含むとして解釈するべきであり、逆もまた同様である。
【0163】
本出願をとおして、他に明示的に述べない限り、すべての濃度を重量%で示し、それぞれの完全な媒体に関し、すべての温度を摂氏(セルシウス)度で示し、すべての温度の差を摂氏度で示す。すべての物理的特性は、他に明示的に述べない限り"Merck Liquid Crystals, Physical Properties of Liquid Crystals", Status Nov. 1997, Merck KGaA, Germanyに従って決定され、されるものであり、20℃の温度について示す。
【0164】
本明細書の記載および特許請求の範囲の全体にわたって、語「含む(comprise)」および「含む(contain)」ならびに当該語の変化形、例えば「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むがそれらには限定されない」を意味し、他の成分を除外することを意図しない(かつ除外しない)。他方、語「含む(comprise)」はまた、用語「からなる(consisting of)」を包含するが、それには限定されない。
【0165】
本発明の前記の態様に対する変形を作ることができ、一方なお本発明の範囲内にあることが、認識されるであろう。同一の、均等の、または類似の役割をする代替の特徴は、他に述べない限り本明細書中に開示した各々の特徴を交換し得る。したがって、他に述べない限り、開示した各々の特徴は、総括的な一連の均等の、または類似の特徴のみの1つの例である。
【0166】
本明細書中に開示したすべての特徴を、かかる特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての観点に適用可能であり、あらゆる組み合わせにおいて使用され得る。同様に、必須でない組み合わせで記載した特徴を、別々に(組み合わせにおいてではなく)使用してもよい。
【0167】
上に記載した特徴の、特に好ましい態様の多くが、独立して進歩性を有し、本発明の態様の一部分にはすぎなくはないことが、認識されるであろう。独立した保護は、これらの特徴について、目下クレームされているあらゆる発明に加えて、またはそれに対して代替的に求められ得る。
【0168】
本発明をここで、以下の実施例を参照してより詳細に記載するが、それは例示的であるに過ぎず、本発明の範囲を限定しない。
本発明の好ましい特徴を、番号を付したリストの形態において概説する:
【0169】
1. − 1種または2種以上の重合性メソゲン化合物からなる重合性液晶成分(A)、および、
− 1種または2種以上の非重合性化合物からなる非重合性成分(B)
からなる重合性液晶媒体から得ることができる、複屈折RMレンズ。
【0170】
2. 重合性液晶成分(A)が式I
P−Sp−MG−R
0 I
式中
Pは、重合性基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
MGは、式M
−(A
21−Z
21)
k−A
22−(Z
22−A
23)
l− M
から選択された棒状のメソゲン基であり、
【0171】
A
21〜A
23は、各出現において互いに独立して、任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されているアリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基であり、
【0172】
Z
21およびZ
22は、各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
【0173】
Lは、複数回出現の場合においては互いに独立して、H、ハロゲン、CNまたは1〜5個のC原子を有する任意にハロゲン化されたアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシであり、
【0174】
R
0は、H、1〜20個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであり、それは任意にフッ素化されており、あるいはY
0またはP−Sp−であり、
【0175】
Y
0は、F、Cl、CN、NO
2、OCH
3、OCN、SCN、1〜4個のC原子を有する任意にフッ素化されたアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化もしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシであり、
【0176】
Y
01およびY
02は、各々、互いに独立してH、F、ClまたはCNを示す。
R
01およびR
02は、互いに独立してH、または1〜20個のC原子、好ましくは、1〜6個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルであり、ならびに
kおよびlは、各々独立して0、1、2、3または4である、
から選択された少なくとも1種の重合性メソゲン化合物を含むことを特徴とする、符号1に記載の複屈折RMレンズ。
【0177】
3. 重合性液晶成分(A)が、式IIから選択された少なくとも1種の重合性メソゲン化合物、および式IIIから選択された少なくとも1種の重合性メソゲン化合物
【化17】
【0178】
式中
Pは、重合性基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
A
21〜A
33は、各出現において互いに独立して、任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されている、アリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基であり、
【0179】
Z
21およびZ
22は、各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−または単結合であり、
【0180】
Z
31およびZ
32は、各出現において互いに独立して、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−であり、共に存在する場合には、Z
31およびZ
32の一方はまた、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−または単結合を示すことができ、
【0181】
Lは、複数回出現の場合においては互いに独立して、H、ハロゲン、CNまたは1〜5個のC原子を有する任意にハロゲン化されたアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシであり、
【0182】
R
0は、H、1〜20個のC原子を有する任意にフッ素化されているアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシであり、またはY
0もしくはP−Sp−であり、
【0183】
Y
0は、F、Cl、CN、NO
2、OCH
3、OCN、SCN、1〜4個のC原子を有し、任意にフッ素化されている、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル−オキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化もしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシ、好ましくはF、Cl、CN、NO
2、OCH
3、または1〜4個のC原子を有する一フッ素化、オリゴフッ素化もしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシであり、
【0184】
Y
01およびY
02は、各々、互いに独立して、H、F、ClまたはCNを示す。
R
01およびR
02は、互いに独立して、H、または1〜20個のC原子、好ましくは1〜6個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルであり、ならびに
kおよびlは、各々、独立して、0、1、2、3または4である、
を含むことを特徴とする、符号1または2に記載の複屈折RMレンズ。
【0185】
4.重合性液晶成分がA、式II−1〜II−27から選択された少なくとも1種の重合性メソゲン化合物および式III−1〜III−12から選択された少なくとも1種の重合性メソゲン化合物
【化18】
【0190】
式中
P
0は、複数回出現の場合においては互いに独立して、重合性基であり、
A
0は、複数回出現の場合においては互いに独立して、1、2、3もしくは4つの基Lで任意に置換されている1,4−フェニレン、またはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、
Z
0は、複数回出現の場合においては互いに独立して、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−または単結合であり、
【0191】
rは、0、1、2、3または4であり、
uおよびvは、互いに独立して0、1または2であり、
wは、0または1であり、
xおよびyは、互いに独立して0または1〜12の同一であるかもしくは異なる整数であり、
zは、0または1であり、zは、隣接するxまたはyが0である場合には0であり、
ベンゼンおよびナフタレン環はさらに、1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lで置換され得、ならびに
パラメーターR
0、Y
0、R
01、R
02およびLは、式Iにおいて上に示したのと同一の意味を有し、ならびに
を含むことを特徴とする、符号1〜3の1つまたは2つ以上に記載の複屈折RMレンズ。
【0192】
5. 重合性液晶成分Aが式IIa〜IIcから選択された少なくとも1種の重合性メソゲン化合物および式IIIa〜IIIhから選択された少なくとも1種の重合性メソゲン化合物
【化23】
【0194】
式中、パラメーターR
0は式Iにおいて上に示したのと同一の意味を有し、xおよびyは互いに独立して1〜12の整数である、
を含むことを特徴とする、符号1〜4の1つまたは2つ以上に記載の複屈折RMレンズ。
【0195】
6. 非重合性成分(B)が触媒、増感剤、安定剤、重合開始剤、阻害剤、連鎖移動剤、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤または顔料から選択された少なくとも1種の非重合性化合物からなることを特徴とする、符号1〜5の1つまたは2つ以上に記載の複屈折RMレンズ。
【0196】
7. 重合性液晶成分Aの液晶媒体中の量が全液晶媒体の95重量%より高いことを特徴とする、符号1〜6の1つまたは2つ以上に記載の複屈折RMレンズ。
8. 非重合性成分Bの液晶媒体中の量が全液晶媒体の5重量%より低いことを特徴とする、符号1〜7の1つまたは2つ以上に記載の複屈折RMレンズ。
【0197】
9. RMレンズの複屈折(Δn)が0.10〜0.50の範囲内にあることを特徴とする、符号1〜8の1つまたは2つ以上に記載の複屈折RMレンズ。
10. 符号1〜9の1つまたは2つ以上に記載の複屈折RMレンズの製造方法であって、以下のステップ
− 重合性液晶媒体の溶解物の層を基板上に、室温または高い温度で提供すること、
− 逆のレンズ型を、コーティングした重合性液晶媒体の上に提供すること、
− 型中の重合性液晶媒体を高い温度で焼きなますこと、
− 型を冷却すること、
− 重合性液晶媒体を硬化させること、および
− 任意に型を取り外すこと
を含む、前記方法。
【0198】
11. 符号1〜9の1つまたは2つ以上に記載の複屈折RMレンズの、電気光学デバイスにおける使用。
12. 符号1〜9の1つまたは2つ以上に記載の少なくとも1つの複屈折RMレンズを含む、電気光学デバイス。