(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6464732
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】2液型非乾燥型接着剤用ポリイソシアネート組成物、2液型非乾燥型接着剤用ポリオール組成物、非乾燥型接着剤、及び積層フィルム
(51)【国際特許分類】
C09J 175/08 20060101AFI20190128BHJP
C09J 175/06 20060101ALI20190128BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20190128BHJP
C08G 18/76 20060101ALI20190128BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
C09J175/08
C09J175/06
C09J11/06
C08G18/76 014
B32B27/00 D
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-261953(P2014-261953)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-121270(P2016-121270A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100159293
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 真
(72)【発明者】
【氏名】新居 正光
(72)【発明者】
【氏名】島村 健一
(72)【発明者】
【氏名】木村 竜二
(72)【発明者】
【氏名】大原 伸一
【審査官】
小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第103351459(CN,A)
【文献】
特開昭62−135583(JP,A)
【文献】
特開2011−102387(JP,A)
【文献】
特開平06−271642(JP,A)
【文献】
特開2010−138291(JP,A)
【文献】
特開2006−182795(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/120688(WO,A1)
【文献】
特開2000−186267(JP,A)
【文献】
特開2005−126595(JP,A)
【文献】
特開2007−182515(JP,A)
【文献】
特開2014−019711(JP,A)
【文献】
特開2007−126580(JP,A)
【文献】
特開平02−086404(JP,A)
【文献】
特開平08−295866(JP,A)
【文献】
特表平10−511727(JP,A)
【文献】
特開平04−300988(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第103173131(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第103031067(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第102965033(CN,A)
【文献】
国際公開第1991/017196(WO,A1)
【文献】
特開2006−008856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネート組成物とポリオールとを含む2液型接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布し、次いで有機溶剤を揮発させるための乾燥工程を経ることなく第二のプラスチックフィルムを貼り合せる方法に用いられる前記ポリイソシアネート組成物であって、ポリイソシアネート(A)と、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)とを必須成分とし、前記ポリイソシアネート(A)が芳香族ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートとウレタン結合含有ポリエーテルポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネートから選ばれる少なくとも一種を含み、前記非プロトン性溶剤(B)がトリアセチンであることを特徴とする2液型接着剤用ポリイソシアネート組成物。
【請求項2】
前記ポリイソシアネート(A)100質量部あたり、前記沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)を1〜30質量部の範囲で含有する請求項1記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項3】
前記ポリイソシアネート(A)のイソシアネート含有率が5〜20質量%である請求項1または2のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項4】
ポリイソシアネートとポリオール組成物とを含む2液型接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布し、次いで有機溶剤を揮発させるための乾燥工程を経ることなく第二のプラスチックフィルムを貼り合せる方法に用いられる前記ポリオール組成物であって、ポリオール(C)と、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)とを必須成分とし、前記非プロトン性溶剤(B)がトリアセチンであり、前記ポリオール(C)がポリエーテルポリオール、ウレタン結合含有ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ウレタン結合含有ポリエステルポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする2液型接着剤用ポリオール組成物。
【請求項5】
前記ポリオール(C)100質量部あたり、前記沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)を1〜50質量部の範囲で含有する請求項4記載のポリオール組成物。
【請求項6】
60℃における前記ポリオール(C)の粘度が550〜1100m・Pa・sである請求項4または5のいずれか一項に記載のポリオール組成物。
【請求項7】
ポリイソシアネート組成物とポリオール(C)とを含む2液型接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布し、次いで有機溶剤を揮発させるための乾燥工程を経ることなく第二のプラスチックフィルムを貼り合せる方法に用いられる接着剤であって、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物(X)を必須成分とすることを特徴とする2液型接着剤。
【請求項8】
前記ポリイソシアネート組成物(X)と、前記ポリオール(C)との使用割合が前記ポリイソシアネート組成物(X)中のイソシアネート基と、前記ポリオール(C)中の水酸基との当量比[イソシアネート基/水酸基]が1.0〜5.0となる割合である請求項7記載の2液型接着剤。
【請求項9】
ポリイソシアネート(A)とポリオール組成物とを含む2液型接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布し、次いで有機溶剤を揮発させるための乾燥工程を経ることなく第二のプラスチックフィルムを貼り合せる方法に用いられる接着剤であって、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のポリオール組成物(Y)を必須成分とすることを特徴とする2液型接着剤。
【請求項10】
前記ポリオール組成物(Y)と、前記ポリイソシアネート(A)との使用割合が、前記ポリイソシアネート(A)中のイソシアネート基と、前記ポリオール組成物(Y)中の水酸基との当量比[イソシアネート基/水酸基]が1.0〜5.0となる割合である請求項9記載の2液型接着剤。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか一項に記載の2液型接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布、次いで塗布面に有機溶剤を揮発させるための乾燥工程を経ることなく第二のプラスチックフィルムを積層し、前記接着剤を硬化させてなる積層フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非乾燥型接着剤、これに用いるポリイソシアネート組成物若しくはポリオール組成物、及び該接着剤を用いて各種フィルムをラミネートしてなる積層フィルムに関する。更に詳しくは、各種プラスチックフィルム、金属蒸着フィルム、アルミニウム箔等をラミネートして、主として食品、医薬品、洗剤等の包装材料に使用する複合フィルムを製造する際に用いるラミネート用接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン樹脂は、基材との密着性や柔軟性に優れる点から軟包装材用ラミネート接着剤として広く使用されており、このウレタン樹脂系接着剤により貼合されたラミネートフィルムは、食品、医薬品、洗剤等の包装材料として用いられている。
【0003】
従来、有機溶剤に溶解した接着剤をフィルムに塗工し、オーブンを通過する過程で有機溶剤を揮発させ、別のフィルムを貼り合わせるドライラミネーション方式が主流であったが、近年、環境負荷の低減および作業環境の改善の観点から、有機溶剤を含有しない2液タイプの無溶剤型ラミネート接着剤の需要が高まりつつある(下記特許文献1参照)。
【0004】
斯かる無溶剤型ラミネート接着剤は、これらの環境負荷軽減、作業環境の改善を図ることができる一方で、有機溶剤を希釈剤として使用できないため、その代わりとして、過剰の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を反応性希釈剤として使用する必要があった。
【0005】
しかしながら、MDIの使用は、その誘導体である芳香族アミン(以下「PAA」と略記する。)の有毒の問題が指摘されており、例えば、欧州では食品包装材規制において、包装材から食品内容物へのPAA溶出量が10μg/kg−foodという非常に厳しい許容上限値が設定されている。このように過剰なMDIの使用は食品安全性上の問題を有していた。
【0006】
このPAA溶出量の低減は、一般的にラミネート後のエージング時間を延長することにより対応することもできるが、MDIに代表される芳香族系接着剤の長所の1つはエージング時間が短いことであり、エージングに長時間要する製品は市場には受け入れがたい。また、希釈剤としてジエチレングリコール等の低分子量のグリコールを含有する試みもなされているが、イソシアネートと反応するため、ポットライフが短くなる他、硬化後のウレタン樹脂の分子量分布が低分子量域へシフトする結果、接着強度の低下、フィルムの耐ボイル性の低下を招くものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−96428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明が解決しようとする課題は、硬化性や接着強度の低下を招くことなく低粘度化を図ることができ、更に、ポットライフの長時間化を実現できる接着剤、該接着剤のポリイソシアネート成分又はポリオール成分、及び該接着剤を用いてなる積層フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリイソシアネート/ポリオール硬化型の接着剤において、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤をどちらか一方の成分に混合するか、或いは、第3成分として塗工時に配合することにより、2液型非乾燥型接着剤の粘度を効果的に低減でき、また、ポットライフの長時間化を図ることができる共に、該接着剤を用いたラミネートフィルムの性能が良好なものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、ポリイソシアネート(A)と、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)とを必須成分とすることを特徴とする2液型非乾燥型接着剤用ポリイソシアネート組成物に関する。
【0011】
本発明は、更に、ポリオール(C)と、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)とを必須成分とすることを特徴とする2液型非乾燥型接着剤用ポリオール組成物に関する。
【0012】
本発明は、更に、ポリイソシアネート(A)と、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)と、前記ポリオール(C)とを必須成分とすることを特徴とする接着剤に関する。
【0013】
本発明は、更に、前記接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布、次いで塗布面に第二のプラスチックフィルムを積層し、該接着剤層を硬化させてなる積層フィルムに関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、硬化性や接着強度の低下を招くことなく低粘度化を図ることができ、更に、ポットライフの長時間化を実現できる接着剤、該接着剤のポリイソシアネート成分又はポリオール成分、及び該接着剤を用いてなる積層フィルムを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の接着剤は、前記した通り、ポリイソシアネート(A)、及び前記ポリオール(C)を主たる成分とする2液型接着剤に、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)を配合することにより、接着性能を低下させることなく粘度低減させることができるものである。
【0016】
ここで、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)の使用態様としては、接着剤使用時にポリイソシアネート(A)及び前記ポリオール(C)と共に、その場で沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)を配合してもよいが、接着剤塗工時の作業性に優れる点から、ポリイソシアネート(A)と沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)とを予め混合して得られるポリイソシアネート組成物とするか、或いは、ポリオール(C)と沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)とを予め混合して得られるポリオール組成物として用いることが好ましい。
【0017】
ここで用いるポリイソシアネート(A)は、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の脂肪族ポリイソシアネート;これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートと、後述するポリオール(C)との反応生成物であるポリイソシアネート、これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートのビウレット体、または、これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体などのポリイソシアネートの誘導体(変性物)、これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートをトリメチロールプロパン変性したアダクト体などが挙げられる。
【0018】
これらの中でも、軟包装用としては芳香族ポリイソシアネートとポリエーテルポリオール又はウレタン結合含有ポリエーテルポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネートが硬化物に適度な柔軟性を付与できる点から好ましく、具体的には、滴定法(ジ−n−ブチルアミン使用)によるイソシアネート含有率が5〜20質量%のものが適正な樹脂粘度となって塗工性に優れる点から好ましい。
【0019】
一方、無溶剤型接着剤の硬質基材用では芳香族ポリイソシアネートとポリエステルポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネート;芳香族ポリイソシアネートと、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールの混合物とを反応させて得られるポリイソシアネートが接着強度に優れる点から好ましく、具体的には、滴定法(ジ−n−ブチルアミン使用)によるイソシアネート含有率が5〜20質量%のものが、やはり適正な樹脂粘度となって塗工性に優れる点から好ましい。
【0020】
ここで、芳香族ポリイソシアネートとポリオール(C)との反応割合は、芳香族ポリイソシアネート中のイソシアネートとポリオール(C)中の水酸基との当量比[イソシアネート/水酸基]が1.5〜5.0の範囲であることが、接着剤の粘度が適正範囲となって塗工性が良好となる点から好ましい。
【0021】
また、本発明では沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)の配合により接着剤自体の粘度が低減化され、加工温度を低くできることから、ポリオール(C)は比較的高粘度のものを使用することでき、具体的にはE型粘度計(60℃)550〜1100m・Pa・sの範囲のものを使用することができる。
【0022】
次に、本発明で使用するポリオール(C)は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール等のグリコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;前記グリコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;該ポリエーテルポリオールを更に前記芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化したウレタン結合含有ポリエーテルポリオール;プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、σ−バレロラクトン、β−メチル−σ−バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと前記グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール;前記グリコール、ダイマージオール、又は前記ビスフェノール等の2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール:前記ポリエステルポリオールと前記ポリエーテルポリオールと芳香族若しくは脂肪族ポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタン結合含有ポリエステルポリエーテルポリオール;前記ポリエステルポリオールを芳香族若しくは脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化して得られるポリエステルポリウレタンポリオール;ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールとの混合物等が挙げられる。
【0023】
ここで、多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
【0024】
また、2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールには、アルコール成分として、更にグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコールを併用してもよい。
【0025】
本発明では、これらの中でも特に無溶剤型接着剤としては、軟包装用ではポリエーテルポリオール、ウレタン結合含有ポリエーテルポリオール、又はこれらとポリエステルポリオールとの混合物が硬化物に適度な柔軟性を付与できる点から好ましく、硬質基材用ではポリエステルポリオール、ウレタン結合含有ポリエステルポリエーテルポリオールが接着強度に優れる点から好ましい。
【0026】
ここで、軟包装用途又は硬質基材用の無溶剤型接着剤の場合に用いられるポリエーテルポリオール、ウレタン結合含有ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ウレタン結合含有ポリエステルポリエーテルポリオール、は、その水酸基価が50〜300mgKOH/gの範囲であることが塗工時の濡れ性に優れる点から好ましい。
また、本発明では沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)の配合により接着剤自体の粘度が低減化され、加工温度を低くできることから、ポリオール(C)は比較的高粘度のものを使用することでき、具体的にはE型粘度計(60℃)450〜800m・Pa・sの範囲のものを使用することができる。
【0027】
次に、本発明で用いる沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)は、トルエン(沸点111℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153℃)、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(沸点231℃)、トリアセチン(沸点259℃)、プロピレンカーボネート(沸点240℃)等が挙げられる。これらの中でも特に該非プロトン性溶剤(B)を配合したポリイソシアネート組成物若しくはポリオール組成物、又は接着剤の安定性に優れ、かつ、ラミネートフィルムの接着強度や耐熱性が良好となる点から沸点240℃以上のものが好ましく、とりわけトリアセチン(沸点259℃)、プロピレンカーボネート(沸点240℃)がこれらの性能が顕著なものとなる点から好ましい。
【0028】
これらの沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)の使用割合は、接着剤全量に対して1〜20質量%となる範囲、または、前記ポリイソシアネート(A)100質量部あたり、前記沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)を1〜30質量部となる範囲、若しくは、前記ポリオール(C)100質量部あたり、前記沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)を1〜50質量部となる範囲であることが、粘度低減効果が顕著なものとなる点から好ましい。
【0029】
本発明では、前記した通り、前記沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)は、ポリイソシアネート(A)と脂肪族環状アミド化合物(B)とを予め混合してなるポリイソシアネート組成物(X)として用いるか、或いは、ポリオール(C)と沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)とを必須成分とするポリオール組成物(Y)として用いることが好ましい。
【0030】
また、本発明の接着剤は、ポリイソシアネート(A)中のイソシアネート基とポリオール(C)中の水酸基の当量比〔イソシアネート基/水酸基〕が1.0〜5.0であることが接着強度やヒートシール時の耐熱性に優れる点から好ましく、特に1.5〜3.5の範囲であることがこれらの性能が顕著なものとなる点から好ましい。
【0031】
従って、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール(C)との使用割合は、ポリイソシアネート組成物(X)中のイソシアネート基と、前記ポリオール(C)中の水酸基との当量比[イソシアネート基/水酸基]が1.0〜5.0となる割合、特に1.5〜3.5となる割合であることが好ましい。
【0032】
一方、ポリオール組成物(Y)と前記ポリイソシアネート(A)との使用割合は、前記ポリオール組成物(Y)中の水酸基と、前記ポリイソシアネート(A)中のイソシアネート基との当量比[イソシアネート基/水酸基]が1.0〜5.0となる割合であること、特に1.5〜3.5となる割合であることが好ましい。
【0033】
本発明の接着剤は、詳述した通り、ポリイソシアネート(A)と、沸点100℃以上の非プロトン性溶剤(B)と、前記ポリオール(C)とを必須成分とするものであるが、更に、肪族環状アミド化合物を、ポリイソシアネート組成物(X)又はポリオール組成物(Y)のどちらか一方の成分に混合させるか、或いは、第3成分として塗工時に配合することにより、ラミネート包装体において芳香族アミンに代表される有害な低分子化学物質の内容物への溶出が効果的に抑制できる。
【0034】
ここで用いる脂肪族環状アミド化合物は、例えば、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−エナントールラクタム、η−カプリルラクタム、β−プロピオラクタム等が挙げられる。これらの中でも低分子化学物質の溶出量低減の効果に優れる点からε−カプロラクタムが好ましい。また、その配合量は、ポリオール(C)100質量部あたり、脂肪族環状アミド化合物を0.1〜5質量部の範囲で混合させることが好ましい。
【0035】
本発明の接着剤は、必要に応じて、顔料を併用してもよい。この場合使用可能な顔料としては、特に限定されるものではなく、例えば、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。これら着色剤の具体例としては種々のものが掲げられ、有機顔料としては、例えば、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
【0036】
無機顔料としては、例えば、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
【0037】
体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
【0038】
さらに、プラスチック顔料としては、例えば、DIC(株)製「グランドールPP−1000」、「PP−2000S」等が挙げられる。
【0039】
本発明で用いる顔料としては、耐久性、耐侯性、意匠性に優れることから、白色顔料としての酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物、黒色顔料としてのカーボンブラックがより好ましい。
【0040】
本発明で用いる顔料の質量割合は、ポリイソシアネート(A)及びポリオール(C)の合計100質量部に対して、1〜400質量部、中でも10〜300質量部とすることが、接着性、耐ブロッキング性などに優れることからより好ましい。
【0041】
また本発明の接着剤には接着促進剤を用いることもできる。接着促進剤にはシランカップリング剤、チタネート系カップチング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂が挙げられる。
【0042】
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることが出来る。
【0043】
チタネート系カップリング剤としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、テトラオクチレングリコールチタネート、チタンラクテート、テトラステアロキシチタン等を挙げることが出来る。
【0044】
また、アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げることが出来る。
【0045】
エポキシ樹脂としては、一般的に市販されているエピービス型、ノボラック型、βーメチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、ポリグリコールエーテル型、グリコールエーテル型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、レゾルシン型等の各種エポキシ樹脂が挙げられる。
【0046】
本発明の接着剤組成物には、必要であれば、前記以外のその他の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、レベリング剤;コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子;ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子;消泡剤;タレ性防止剤;湿潤分散剤;粘性調整剤;紫外線吸収剤;金属不活性化剤;過酸化物分解剤;難燃剤;補強剤;可塑剤;潤滑剤;防錆剤;蛍光性増白剤;無機系熱線吸収剤;防炎剤;帯電防止剤;脱水剤などが挙げられる。
【0047】
これらの顔料、接着促進剤、添加剤は、ポリイソシアネート組成物(X)又はポリオール組成物(Y)のどちらか一方の成分に混合させるか、或いは、第3成分として塗工時に配合して使用することができる。
【0048】
本発明の積層フィルムは、以上詳述した本発明の2液型非乾燥型接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布、次いで塗布面に第二のプラスチックフィルムを積層し、該接着剤層を硬化させて得られるものである。
【0049】
具体的には、本発明の2液型非乾燥型接着剤を、例えば、ロールコーター塗工方式で第一のプラスチックフィルムに塗布し、次いで、乾燥工程を経ることなく、他の基材を貼り合わせる方法が挙げられる。塗工条件は、通常のロールコーターでは、25℃〜120℃程度まで加熱した状態で、500〜2500mPa・s程度が好ましい。また塗布量は、0.5〜5g/m
2が好ましく、より好ましくは、0.5〜3g/m
2程度で使用するのがよい。
【0050】
本発明の接着剤組成物を用いた場合、ラミネートした後、常温または加温下で、6〜24時間で接着剤が硬化し、実用物性を発現する。
【0051】
ここで用いる、第一のプラスチックフィルムとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ナイロンフィルム、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)フィルム、各種蒸着フィルム等のベースフィルムやアルミ箔等が挙げられ、また、前記他の基材としては、CPP(無延伸ポリプロピレン)フィルム、LLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)フィルム等のシーラントフィルムが挙げられる。
【0052】
この様にして得られる積層フィルムは、主に洗剤、薬剤を充填する包装材料として工業的に使用することができる。具体的な用途としては、洗剤、薬剤として、洗濯用液体洗剤、台所用液体洗剤、浴用液体洗剤、浴用液体石鹸、液体シャンプー、液体コンディショナー等が挙げられる。
【0053】
本発明の2液型非乾燥型接着剤を用いて製造された包装材料は、洗剤や薬剤などの内容物の充填時はもとより、充填後の時間経過後も、デラミネーション等のラミネート構成体の剥離を発生させず、優れた接着性、内容物耐性を有する。
【実施例】
【0054】
以下に、本発明の内容および効果を実施例により更に詳細に説明する。尚、例中「部」とあるのは「質量部」を示す。また、各実施例及び比較例で原料として用いた原料ポリオールを以下に示す。
【0055】
〔使用ポリイソシアネート、及び使用ポリオール〕
・ポリイソシアネートA:ポリエーテルポリエステルポリウレタン型ポリイソシアネート(原料モノマー組成:エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/トリメチロールプロパン/アジピン酸/イソフタル酸/PPG/MDI)、粘度3,600mPa・s(E型粘度計(40℃))
・ポリオールC:ポリエステル(原料モノマー組成:エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/トリメチロールプロパン/アジピン酸/イソフタル酸)の70質量部と、ポリプロピレングリコール(開始剤:グリセリン、分子量430)の30質量部との混合物、粘度2,330mPa・s(E型粘度計(40℃))
【0056】
実施例1[ポリイソシアネート組成物(X−1)の製造]
前記ポリイソシアネートA100質量部に対し、トリアセチン10質量部を配合し、ポリイソシアネート組成物(X−1)を調整した(粘度1,640mPa・s(E型粘度計(40℃))。
【0057】
実施例2[ポリイソシアネート組成物(X−2)の製造]
前記ポリイソシアネートA100質量部に対し、トリアセチン20質量部を配合し、ポリイソシアネート組成物(X−2)を調整した。(粘度910mPa・s(E型粘度計(40℃))
【0058】
実施例3[ポリオール組成物(Y−1)の製造]
ポリオール(C)100質量部に対し、トリアセチン10質量部を配合し、ポリオール組成物(Y−1)を調整した。
【0059】
実施例4[ポリオール組成物(Y−2)の製造]
ポリオール(C)100質量部に対し、トリアセチン20質量部を配合し、ポリオール組成物(Y−2)を調整した。
【0060】
[ポットライフ]
表1の配合に従い、接着剤を配合した直後、レオメーターの測定部位に約0.8g程度乗せて、配合直後の粘度が1,000mPa・s程度となる温度で30分間測定した。スタート時と30分後の粘度値から、以下の評価を行った。
評価◎:30分後の粘度がスタート時の配合液の粘度が1以上2倍未満
評価○:30分後の粘度がスタート時の配合液の粘度が2以上3倍未満
評価△:30分後の粘度がスタート時の配合液の粘度が3以上4倍未満
評価×:30分後の粘度がスタート時の配合液の粘度が4倍以上
【0061】
[硬化速度]
表1の配合に従い、接着剤を配合した後、この配合液をナイロンフィルムに塗布量が固形分2.0g/m
2程度となるように塗布し、ラミネーターでこのフィルムの塗布面とLLDPEフィルムと塗布面と貼合し、ラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムを40℃の恒温槽に入れ、経時ごとに以下に述べるヒートシール強度測定法に従って測定した。
経時後のラミネートフィルムをLLDPEが内側になるように折り曲げ、折り曲げ部位を1atm、180℃、1秒間でヒートシールした。これを幅15mmになるように短冊状に切り、剥離試験機を用いて剥離速度300mm/分でヒートシール部位の強度を測定し、以下の評価を行った。
評価◎:6時間後にフィルム破断が生じる
評価○:24時間後にフィルム破断が生じる
評価△:48時間後にフィルム破断が生じる
評価×:72時間後にフィルム破断が生じる
【0062】
[接着強度]
表1の配合に従い、接着剤を配合した後、印刷インキユニビアNT(DIC製)で図柄をグラビア印刷したPETフィルムに、塗布量が固形分2.0g/m
2程度となるように塗布し、ラミネーターでこのフィルムの塗布面とLLDPEフィルムと貼合し、ラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムを40℃の恒温槽に3日間保存した。
ラミネートフィルムから15mm幅で切り取り、引張り試験機を使用して、180度剥離及びT型剥離により剥離速度300mm/minで接着強度(N/15mm)を測定し、以下の評価を行った。
評価◎:インキ部で接着強度が10N以上
評価○:インキ部で接着強度が8N以上10N未満
評価△:インキ部で接着強度が5N以上8N未満
評価×:インキ部で接着強度が5N未満
【0063】
[耐熱性(耐ボイル性)]
接着剤を配合した後、印刷インキ(DIC(株)製「ユニビアNT」)で図柄をグラビア印刷したPETフィルムに、塗布量が固形分2.0g/m
2程度となるように塗布し、ラミネーターでこのフィルムの塗布面とLLDPEフィルムと貼合し、ラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムを40℃の恒温槽に3日間保存した。
このラミネートフィルムを150mm×300mmで切り取り、LLDPEが内側になるように折り曲げ、1atm、180℃、1秒間でヒートシールしてパウチを作製した。内容物として1/1/1ソース(ミートソース : 植物油 : 食酢=1 : 1 : 1)を加えた。
このパウチをボイル試験機で、98℃、1時間ボイルした。パウチを取り出し、それぞれの外観を観察し、デラミの発生の有無により、以下の評価を行った。
【0064】
評価○:デラミなし
評価△:デラミ箇所が5点以下
評価×:デラミ箇所が6点以上
【0065】
【表1】