【実施例】
【0061】
以下、本発明の特徴を実施例に基づいて、さらに詳しく説明する。なお、以下の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、これに制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく変形、実施態様、他の例は、本発明に含まれるものである。
【0062】
<試験方法>
(1)蛍光強度(輝度、cd/m
2)及び残光強度(輝度、mcd/m
2)の測定
得られた試料の蛍光強度は、朝日分光(株)社製の光源(製品名「MAX−302」)を用いて460nmの波長で励起して、(株)トプコン社製の輝度計(製品名「SR−UA1」)で測定した。
残光強度の測定では、まず、暗所で1時間放置後、朝日分光(株)社製の光源(製品名「MAX-302」)を用いて460nmの波長で1分間励起した後、励起を停止した。そして、その5分後及び10分後の残光強度を(株)トプコン社製の輝度計(製品名「SR−UA1」)で測定した。
【0063】
<原料>
蓄光性蛍光体の合成に際して、以下の原料(試薬)を用いた。
(1)炭酸ストロンチウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(2)α−酸化アルミニウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(3)γ−酸化アルミニウム((株)レアメタリック社製、純度:99.99%)
(4)酸化マグネシウム((株)レアメタリック社製、純度:99.99%)
(5)酸化ユウロピウム((株)レアメタリック社製、純度:99.99%)
(6)酸化ジスプロシウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(7)酸化ホウ素((株)高純度化学研究所製、純度:99.9%)
【0064】
(8)酸化イットリウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(9)酸化ランタン((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(10)酸化セリウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(11)酸化プラセオジム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(12)酸化ネオジム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(13)酸化サマリウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(14)酸化ガドリニウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
【0065】
(15)酸化テルビウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(16)酸化ホルミウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(17)酸化エルビウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(18)酸化ツリウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(19)酸化イッテルビウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
(20)酸化ルテチウム((株)レアメタリック社製、純度:99.9%)
【0066】
(実施例1)
Sr
0.90Mg
0.03Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように上記各原料を秤量し、さらに、酸化ホウ素を全原料100質量%に対して1.25質量%になるように該原料に添加して、自動乳鉢を用いて2時間混合して混合物の粉末を得た。なお、酸化アルミニウムとしては、α−アルミナを用いた。また、上記各原料は、予め遊星ミルで均一に微細化した。得られた粉末をアルミナ製の焼成ボードに充填し、アルゴン−水素混合ガス(アルゴン量:3%)中、1400℃にて3時間焼成した。焼成後、乳鉢で粉砕し、均一混合することで粉末を得、さらにこの粉末を錠剤成形して、蛍光体の試料とした。
【0067】
該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表1に示す。なお、表1及び2中、「欠損」とはAB
2O
4のスピネル構造のAサイトが定比組成より少ないことを意味し、「定比」とはAB
2O
4のスピネル構造のAサイトが1.00、Bサイトが2.00の金属組成を持つことを意味し、「過剰」とはAB
2O
4のスピネル構造のAサイトが定比組成より多い金属組成を含むことを意味する。
【0068】
(実施例2)
Sr
0.90Mg
0.04Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0069】
(実施例3)
Sr
0.90Mg
0.05Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0070】
(実施例4)
Sr
0.90Mg
0.06Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0071】
(比較例1)
比較例1として、SrAl
2O
4;Eu
:Dyの組成を有する蓄光性蛍光体(ネモトルミマテリアル社製、製品名「GLL300FF」)を実施例1と同様に錠剤成形して、蛍光体の試料とした。その試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0072】
(比較例2)
比較例2として、SrAl
2O
4;Eu
:Dyの組成を有する蓄光性蛍光体(ネモトルミマテリアル社製、製品名「GLL300M」)を実施例1と同様に錠剤成形して、蛍光体の試料とした。その試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0073】
(実施例5)
焼成温度を1450℃とした以外は、実施例1と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0074】
(実施例6)
焼成温度を1450℃とした以外は、実施例2と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0075】
(実施例7)
焼成温度を1450℃とした以外は、実施例3と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0076】
(実施例8)
焼成温度を1450℃とした以外は、実施例4と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
表1及び2に示す結果から明らかなように、本発明の蓄光性蛍光体は、460nmの波長域の励起光によって発光し、励起停止後も発光することが分かる。
【0080】
特に、表1に示す結果から、定比組成を有する実施例2の蓄光性蛍光体の10分後の残光強度が118mcd/m
2であるのに対して、Mgの含有量が過剰である実施例3及び4の10分後の残光強度がそれぞれ271mcd/m
2と135mcd/m
2であることから、Mgの含有量が過剰であると残光特性が向上することが分かる。
【0081】
(実施例9)
酸化アルミニウムとして、γ−アルミナを用いた以外は、実施例6と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を実施例6の結果と共に表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
表3に示す結果から、α−アルミナを用いて得られた蓄光性蛍光体の10分後の残光強度が129mcd/m
2であるのに対して、γ−アルミナを用いて得られた蓄光性蛍光体の10分後の残光強度が、355mcd/m
2であることから、γ−アルミナを用いて焼成した場合、高い輝度を有しながら、顕著な残光特性を有することが分かる。
【0084】
(実施例10)
Sr
0.89Mg
0.04Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例9と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を実施例9の結果と共に表4に示す。
【0085】
(実施例11)
Sr
0.87Mg
0.04Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例9と同様にして、試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を実施例9の結果と共に表4に示す。
【0086】
【表4】
【0087】
表4に示す結果から、γ-アルミナを用いた場合でも、欠損を有する蓄光性蛍光体が、極めて高輝度の残光特性を有することが分かる。この輝度は、表1の比較例に示す結果との対比から、従来品と比べても極めて顕著な残光特性を有することが分かる。
【0088】
(実施例12)
Sr
0.905Mg
0.04Al
2O
4;Eu
0.01Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例9と同様にして、試料を調製し、1500℃、N
2:H
2=97:3の雰囲気で5時間焼成した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表5に示す。
【0089】
【表5】
【0090】
(実施例13)
Sr
0.90Mg
0.05Zn
0.05Al
2O
4;Eu
0.035Dy
0.025の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例12と同様にして試料を調製し、1500℃、N
2:H
2=97:3の雰囲気で5時間焼成した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表6に示す。
【0091】
(実施例14)
Sr
0.90Mg
0.05Al
2O
4;Eu
0.035Dy
0.025の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例13と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を実施例13の結果と共に表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】
表6に示す結果から、Zn(亜鉛)をドーピングすることにより、高い残光強度(輝度)を有する蓄光性蛍光体が得られることが分かる。
【0094】
(実施例15)
Sr
0.91Mg
0.03Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例14と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表7に示す。
【0095】
(実施例16)
Sr
0.88Mg
0.06Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例14と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表7に示す。
【0096】
(
参考例17)
Sr
0.85Mg
0.09Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例14と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表7に示す。
【0097】
(比較例3)
Sr
0.94Al
2O
4;Eu
0.04Dy
0.02の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例14と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表7に示す。
【0098】
【表7】
【0099】
表7に示す結果において、実施例15
及び16、参考例17の蛍光強度及び残光強度が、比較例3より優れていることから、Mgをドーピングすることにより、460nmの波長域の励起光に対して、優れた蛍光強度及び残光強度が得られることが分かる。また、
参考例17の残光強度は、比較例2の残光強度に対して劣るが、蛍光強度は、比較例2の蛍光強度に比して高いだけでなく、実施例15及び16に比しても高い。これらのことから、Mgの組成比であるbは、0.01≦b<0.1であるときに、優れた蛍光強度及び残光強度が得られることが分かる。
【0100】
(比較例4)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Y
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。なお、Yは、イットリウムを示す。
【0101】
(比較例5)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;La
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0102】
(比較例6)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Ce
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0103】
(比較例7)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Pr
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0104】
(比較例8)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Nd
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0105】
(比較例9)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Sm
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0106】
(比較例10)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Eu
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。なお、Euは、ユーロピウムを示す。
【0107】
(比較例11)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Gd
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0108】
(比較例12)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Tb
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0109】
(比較例13)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Dy
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0110】
(比較例14)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Ho
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0111】
(比較例15)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Er
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0112】
(比較例16)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Tm
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0113】
(比較例17)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Yb
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0114】
(比較例18)
Sr
0.94Mg
0.02Al
2O
4;Lu
0.04の組成比になるように各原料を秤量し、焼成温度を1300℃として焼成した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表8に示す。
【0115】
【表8】
【0116】
表8に示す結果から、希土類のみをドーピングしても、本発明の蓄光性蛍光体が有する優れた蛍光強度及び残光強度は得られないことが分かる。
【0117】
(実施例18)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.89Mg
0.03Zn
0.03Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表9に示す。
【0118】
(実施例19)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.88Mg
0.03Zn
0.03Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表9に示す。
【0119】
【表9】
【0120】
表9に示す結果から、Znをドーピングすることにより、高い残光強度を有する蓄光性蛍光体が得られることが分かる。
【0121】
(実施例20)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.89Mg
0.04Zn
0.01Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表10に示す。
【0122】
(実施例21)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.88Mg
0.04Zn
0.02Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表10に示す。
【0123】
(実施例22)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.87Mg
0.04Zn
0.03Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表10に示す。
【0124】
(実施例23)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.86Mg
0.04Zn
0.04Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表10に示す。
【0125】
(実施例24)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.845Mg
0.03Zn
0.06Al
2O
4;Eu
0.15Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表10に示す。
【0126】
(実施例25)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.855Mg
0.03Zn
0.07Al
2O
4;Eu
0.15Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表10に示す。
【0127】
【表10】
【0128】
表10に示す結果から、Znをドーピングすることにより、高い残光強度を有する蓄光性蛍光体が得られることが分かる。
【0129】
(実施例26)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.88Mg
0.03Zn
0.03Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表11に示す。
【0130】
(実施例27)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.87Mg
0.04Zn
0.03Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表11に示す。
【0131】
(実施例28)
酸化アルミニウムとしてγ−アルミナを用いて、Sr
0.86Mg
0.05Zn
0.03Al
2O
4;Eu
0.02Dy
0.03の組成比になるように各原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。該試料について、蛍光強度及び残光強度を測定した。その結果を表11に示す。
【0132】
【表11】
【0133】
比較例2、実施例10及び26〜28の試料について、下記の数式(3)により残光輝度の減衰率を求めた。その結果を表12に示す。
残光輝度の減衰率(%)=残光輝度(10分後)/残光輝度(5分後)×100・・・(3)
【0134】
【表12】
【0135】
表11及び12に示す結果から、Zn及びMgをドーピングすることにより、高い残光強度と同時に長残光を有する蓄光性蛍光体が得られることが分かる。