特許第6465877号(P6465877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6465877浸漬管アセンブリのカプラ部及び同カプラ部を含む分配システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465877
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】浸漬管アセンブリのカプラ部及び同カプラ部を含む分配システム
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/70 20060101AFI20190128BHJP
【FI】
   B65D83/70
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-524492(P2016-524492)
(86)(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公表番号】特表2016-534947(P2016-534947A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】US2014061148
(87)【国際公開番号】WO2015058090
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2017年9月22日
(31)【優先権主張番号】61/892,529
(32)【優先日】2013年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コランド、エイミー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン、リック
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−204101(JP,A)
【文献】 特開平06−218267(JP,A)
【文献】 実開昭56−091294(JP,U)
【文献】 実開昭52−159414(JP,U)
【文献】 実開昭58−029996(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学薬品流体の室を画定するライナを有する容器のための浸漬管アセンブリのカプラ部であって:前記カプラ部は、
圧力を前記容器に供給するコネクタアセンブリと接続する方向にある第1の端と、
筒状部と接続する方向にある第2の端と、
その間に或る厚さを有する外側面及び内側面であって、該内側面は、化学薬品流体を前記筒状部から前記コネクタアセンブリまで搬送するルーメンを画定する、外側面及び内側面と、
を備え、
該カプラ部は少なくとも1つの圧力逃がし特徴部を画定し、
前記少なくとも1つの圧力逃がし特徴部は前記厚さを貫通する貫通孔を画定する圧力逃がしポートを備える、カプラ部。
【請求項2】
前記カプラ部は、前記第2の端と前記第1の端との間に円錐台部分を含む、請求項1に記載のカプラ部。
【請求項3】
分配システムであって、前記分配システムは、
オーバパックと、
前記オーバパック内に配置されるライナと、
前記ライナの口に動作可能に結合される取り付け部と、
カプラ部であって、
筒状部と接続する方向にある下側端と
コネクタアセンブリと接続する方向にある上側端であって、前記コネクタアセンブリは容器に圧力を提供する、上側端と、
その間に或る厚さを有する外側面及び内側面であって、該内側面は、化学薬品流体を前記筒状部から前記コネクタアセンブリに搬送するルーメンを画定する、外側面及び内側面と、を含むカプラ部と、
を備え、
該カプラ部は少なくとも1つの圧力逃がし特徴部を画定し、
前記少なくとも1つの圧力逃がし特徴部は、前記厚さを貫通する貫通孔を画定する圧力逃がしポートを備える、分配システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの圧力逃がし特徴部は、複数の軸方向に延びるリブによって画定される複数の軸方向チャネルを含む、請求項に記載の分配システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの圧力逃がし特徴部は、前記カプラ部の前記上側端にリップ部を含み、該リップ部は前記取り付け部と密封可能に嵌合するように構成されている、請求項に記載の分配システム。
【請求項6】
前記カプラ部の前記下側端に結合される筒状部を更に含む、請求項に記載の分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改良された浸漬管アセンブリ及びこれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器システムは、任意の粘度の材料を貯蔵、輸送及び/又は分配するために多くの産業において使用することができる。例えば、多くの製造プロセスは、酸、溶媒、塩基、フォトレジスト、スラリ、洗浄配合物、ドーパント、無機溶液、有機溶液、金属有機溶液及び生物学的溶液、医薬品並びに放射性化学薬品等の超高純度液体の使用を必要とする。さらに、例えば、食品産業、製薬産業、化粧品産業等の多くの他の産業は、種々の用途で容器システムを使用する。通常、輸送及び分配システムは、何らかの種類の容器、及び/又は、ライナ、内容物が分配されないときに貯蔵システムの内容物を密封及び保護するために使用することができるキャップ、並びに、容器から内容物を分配するために使用することができるコネクタを含む。ライナ及び/又は容器は、キャップ、コネクタ又は他の結合装置を容器システムに結合することを可能にする取り付け部を含むことができる。幾つかのシステムは、容器の内容物を分配することを補助することができる浸漬管又は浸漬管アセンブリを更に含む。
【0003】
従来の浸漬管アセンブリは、多くの場合に使用目的に応じて、所与の直径及び所与の長さを有する概ね円筒形の形状であり得る、比較的長く細い筒状部を含むことができる。筒状部は、ライナ又は他の容器の内部キャビティ内に延びるように配置されるよう構成することができる。筒状部の適切な配置を補助するために、筒状部は、筒状部とライナ又は他の容器とを概ね固定して結合又は接続するように、ライナ又は他の容器の取り付け部内に嵌めること、又は、取り付け部に隣接して、又は、取り付け部と結合すること等によって、ライナ又は他の容器の口に実質的に嵌まるか又は隣接するような形状及び構成であるカプラ部と協働するように構成することができる。筒状部及びカプラ部は、別個の独立型部品であるものとすることができ、多くの場合に別個の独立型部品である。例えば、筒状部は多くの場合に、標準的な管であるものとすることができ、カプラ部は、標準的な管とカスタム分配容器との結合を可能にするように設計されている特定のカスタム部品であるものとすることができる。これに関して、カプラ部は多くの場合に、筒状部の液密な挿入を受容して対応するように設計されている筒状の受容キャビティ、及び、特定のモデルの容器若しくは他のカスタム容器の口又は取り付け部に実質的に嵌まるか又は隣接するように設計されている外部を有して構成することができる。
【0004】
1つのそのような既知の浸漬管アセンブリは、受容キャビティを有するカプラ部を含み、受容キャビティは、概ね円形の開口、及び、円錐形の切頭体を形成するように、受容キャビティ内にその入口から離れるように更に進むにつれて僅かにテーパ状になるか又は狭まる直径断面を有する。浸漬管アセンブリの筒状部は、カプラの円錐形の切頭体形状の受容キャビティの開口に摩擦嵌め又は圧入式に挿入することができ、それによって、筒状部を密封性のためにカプラ部と概ね固定取り付けしてぴったりと保持する。
【0005】
別の既知の浸漬管アセンブリは、前述した実施形態とは幾分逆に、筒状部の上端に挿入されるように一端が構成されているカプラ部を含む。カプラ部の端を筒状部の上端に挿入するために、筒状部の上端は、開口を広げるために最初にマンドレル上で加熱され、それによって、カプラ端の挿入を可能にする。カプラ及び筒状部はそれによって、冷却されると、締まり嵌めによって結合される。浸漬管アセンブリの他の実施形態が、2013年6月5日に出願された、「Dip Tube Assemblies and Methods of Manufacturing the Same」と題する、同一出願人によって所有される米国仮特許出願第61/831,202号において説明されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
浸漬管アセンブリの種々の実施形態では、浸漬管アセンブリが取り付け部に着座するときに時々、容器内に貯蔵される化学薬品からの圧力又はガスを隔離するためにシールが形成される。しかしながら、ユーザが容器内の化学薬品の全てを放出させない場合、圧力が増大する可能性があり、化学薬品が浸漬管アセンブリを通して不所望に押し出される可能性がある。したがって、従来の浸漬管アセンブリの不都合点を1つ以上の方法で解決する浸漬管アセンブリが必要とされている。すなわち、化学薬品が浸漬管アセンブリを通して意図せず押し出されることを防止するために圧力を軽減することが可能な、改良された浸漬管カプラが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、1つの実施形態では、筒状部及びカプラ部を有する浸漬管(dip tube)アセンブリであって、カプラは、内部に内容物を貯蔵する容器の口と取り外し可能に結合するように構成されている、浸漬管アセンブリに関する。カプラ部は、筒状部と接続する第1の端;コネクタアセンブリと接続する第2の端であって、コネクタアセンブリは容器に圧力を提供する、第2の端;その間に或る厚さを有する外側面及び内側面であって、内側面は、化学薬品流体を室から筒状部を通してコネクタアセンブリまで搬送することを可能にするルーメンを画定する、外側面及び内側面;並びに、外側面に少なくとも1つの圧力逃がし特徴部(pressure relief feature)を備える。1つの実施形態では、圧力逃がし特徴部は少なくとも1つの圧力逃がしポートを含む。1つの実施形態では、圧力逃がしポートは、カプラ部の厚さを通って延びる別個の貫通孔である。別の実施形態では、少なくとも1つの圧力逃がしポートは、外側面の少なくとも1つの開口及び内側面の少なくとも1つの開口を含み、チャネルが、外側面の開口を内側面の開口に接続する。別の実施形態では、圧力逃がし特徴部は、外側面に配置される複数のチャネル及びノッチを含む。別の実施形態では、圧力逃がし特徴部は、カプラ部の第1の端のリップ部を含む。容器から流体を意図せず放出することなく過剰な圧力を容器から逃がすことを可能にするために、カプラ部が、これらの圧力逃がし特徴部のうちの1つ又は複数を単独で又は組み合わせて含むことができることが意図される。
【0008】
複数の実施形態が開示されるが、当業者には、本開示の更に他の実施形態が、本開示の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。理解されるように、本開示の種々の実施形態は、全て本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、種々の自明の態様で変更が可能である。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないものとしてみなされるべきである。
【0009】
本明細書は、本開示の種々の実施形態を形成するものとみなされる主題を特に示しかつ明確に特許請求する特許請求の範囲により完結するが、本開示は、添付の図面と併せて読まれる以下の説明からより良く理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の1つの実施形態による浸漬管アセンブリの正面図である。
図2】本開示の1つの実施形態による、浸漬管アセンブリを含む容器及び/又は分配システムの断面図である。
図3】本開示の1つの実施形態によるカプラの斜視図である。
図4】容器の動作位置にあり、図3のカプラを有する、浸漬管アセンブリの断面図である。
図5】本開示の1つの実施形態によるカプラの斜視図である。
図6図5のカプラを有する、容器の動作位置にある浸漬管アセンブリの断面図である。
図7】本開示の1つの実施形態によるカプラの斜視図である。
図8図7のカプラを有する、容器の動作位置にある浸漬管アセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、本明細書において記載されるような、ライナ系の貯蔵及び分配システム等であるがこれに限定されない容器システムとともに使用される新規かつ有利な浸漬管システム又はアセンブリに関する。
【0012】
概して、図1に示されているように、本開示による浸漬管アセンブリ100は、筒状部102及びカプラ部104を含むことができる。筒状部102は、当業者には理解されるように、概ね一端から他端へ延びる内部通路を有する概ね円筒形の形状又はストロー状であるものとすることができる。筒状部102は実質的に長く細いものとすることができるが、筒状部102が、任意の好適な又は所望の長さ、並びに、任意の好適な又は所望の外径及び内部通路の直径を有することができることが理解される。多くの場合に、筒状部の長さ及び直径は、意図される用途及び所望の分配特徴に依存し得る。幾つかの実施形態では、下端、すなわち、カプラ部104の位置とは反対の端は、1つ以上の側壁開口106を含むことができる。側壁開口は、筒状部102を介した浸漬管からの液体又は他の材料の改善された分配を提供することができる。
【0013】
本明細書における種々の実施形態において更に詳細に記載するようなカプラ部104は、筒状部102に結合するか又は筒状部102と一体的であるものとすることができる。カプラ部104は種々の形態をとることができるが、概して、一端が、筒状部102の上端と流体連通して協働し、他端が、ライナ又は容器の取り付け部内に嵌めること、又は、取り付け部に隣接して、又は、取り付け部と別様に結合すること等によって、特定のライナ又は他の容器の口に実質的に嵌まるか又は隣接するように構成されている。これに関して、カプラ部104は、任意の好適なライナ又は容器と協働するか又は嵌まるように構成することができ、したがって、任意の特定のモデルの容器又は他のカスタム容器との筒状部102の柔軟な使用を可能にする。カプラ部104は、筒状部102の適切な配置を概ね補助することができ、内部の内容物の分配中に、筒状部をライナ又は容器と固定された関係に概ね維持する。カプラ部104は、一端から他端に概ね延びる内部通路も含み、内部通路は、当業者には理解されるように、流体又は他の材料が、筒状部の下端から、筒状部及びカプラを通って流れることができ、カプラの上端において出て、多くの場合に分配コネクタ及び後続の下流のプロセスに送達されるように、筒状部の内部通路と流体連通する。
【0014】
カプラ部104は、種々の方法、例えば摩擦嵌め又は圧入式に筒状部102に結合することができ、それによって、筒状部102を、密封性のためにカプラ部104と概ね固定取り付けしてぴったりと保持する。他の選択肢としてはねじ係合又は溶接若しくは接着係合が挙げられる。1つの実施形態では、カプラ部104は筒状部102にオーバーモールド成形されることができ、又は代替的には、筒状部102がカプラ部104にオーバーモールド成形される。
【0015】
本開示の浸漬管アセンブリ100は、任意の好適な容器及び/又は分配システムとともに使用することができる。幾つかの実施形態では、本開示の浸漬管アセンブリ100は、既存の容器及び/又は分配システムとともに使用することができるが、他の実施形態では、浸漬管アセンブリは、特に、カスタム容器及び分配システムと適合可能であるように構成することができる。本開示の浸漬管アセンブリ100とともに使用することができる典型的な容器及び/又は分配システムが図2に示されているが、本開示の浸漬管アセンブリは、任意の好適な容器又は貯蔵及び分配システムとともに使用することができ、したがって、例えば図2に示されている以外の、より少ない、より多い又は異なる構成要素を含むことが理解されるであろう。
【0016】
図2に示されているように、容器及び/又は分配システム200は、本開示の種々の実施形態による、オーバパック202、ライナ204、1つ又は複数のクロージャ及び/又はコネクタ206並びに浸漬管アセンブリ100を含むことができる。オーバパック202は、オーバパック壁208、内部キャビティ210及び口212を含むことができる。オーバパック202は、任意の好適な材料又は材料の組み合わせ、例えば、限定はされないが、金属材料、又は、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリエステル、ポリオレフィン又は他の天然若しくは合成ポリマーを含む1つ以上のポリマーから構成することができる。更なる実施形態では、オーバパック202は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ(ブチレン2,6−ナフタレート)(PBN)、ポリエチレン(PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、及び/又は、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)及びペルフルオロアルコキシ(PFA)等であるがこれらに限定されないフルオロポリマーを使用して製造することができる。オーバパック202は、ボトル、缶、ドラム等であるがこれらに限定されない任意の好適な形状又は構成であるものとすることができる。
【0017】
オーバパック202内に配置することができるライナ204は、使用者の興味を引く、及び/又は、ライナの折り畳みを補助する任意の所望の形状を含むように構成することができる。幾つかの実施形態では、ライナ204は、オーバパック202の内側に実質的に合うような寸法及び形状にすることができる。更なる実施形態では、ライナ204は、膨張又は充填された場合、オーバパック202の形状と異なるが、相補的である形状を有することができる。ライナ204は、ライナ壁214、内部キャビティ216及び口218を含むことができる。ライナ204の口218は取り付け部220を含むことができる。取り付け部220は、ライナ204の残りの部分とは異なる材料で作製してもよいがこれは必須ではなく、ライナの残りの部分よりも硬質であっても弾性があっても及び/又は可撓性が低くてもよい。取り付け部220は、クロージャ及び/又はコネクタ206の1つ以上の構成要素と結合することができ、これは、当業者には理解されるように、相補的なねじ切り、スナップ嵌め若しくは摩擦嵌め手段、差込み手段、又は、結合用の任意の他の好適な機構若しくは機構の組み合わせ等であるが、これらに限定されない任意の好適な手段によって達成することができる。幾つかの実施形態では、クロージャ及び/又はコネクタ206の1つ又は複数は、オーバパック202の口212に結合することができ、又は、オーバパック202の口212にも結合してもよい。
【0018】
幾つかの実施形態では、ライナ204は実質的に可撓性の折り畳み可能なライナであるものとすることができるが、他の実施形態では、ライナは幾分剛性であるが依然として折り畳み可能であり、例えば、剛性又は実質的に剛性の折り畳み可能なライナであるものとすることができる。本明細書において使用される場合、「剛性の」又は「実質的に剛性の」という用語は、任意の標準的な辞書の定義に加えて、第1の圧力の環境にある場合はその形状及び/又は体積を実質的に維持するが、上昇又は低下した圧力の環境では形状及び/又は体積を変えることができる物体又は材料の特徴も含むことを意味する。物体又は材料の形状及び/又は体積を変えるのに必要な上昇又は低下した圧力の量は、材料又は物体に求められる用途に依存してもよく、用途毎に変わってもよい。加えて、「実質的に剛性の」という用語は、その形状及び/又は体積を実質的に維持するが、そのような上昇又は低下した圧力を印加すると、限定はされないが、破断するのではなく撓み、屈曲等を行う傾向がある物体又は材料の特徴を含むことを意味する。
【0019】
ライナ204は、非金属材料又はオーバパック202に関して上記で列挙した材料の組み合わせのいずれか等であるが、これらに限定されない任意の好適な材料又は材料の組み合わせを使用して製造することができる。しかしながら、オーバパック202及びライナ204を同じ材料から製造する必要はない。ライナ204は1つ以上の層を有することができ、任意の所望の厚みを有することができる。1つの実施形態では、例えば、ライナ204は約0.05mm〜約3mmの厚みを有することができる。
【0020】
オーバパック202及びライナ204はそれぞれ、射出ブロー成形、射出延伸ブロー成形、押出加工、溶接等であるがこれらに限定されない任意の好適な製造法を使用して製造することができ、それぞれ、単一の構成要素として製造することができるか、又は、複数の構成要素の組み合わせであるものとすることができる。幾つかの実施形態では、オーバパック202及びライナ204は、入れ子状にブロー成形することができ、これは、本明細書では共ブロー成形(co−blow molded)とも呼ばれる。ライナ系システム及び共ブロー成形技術を使用する方法の例については、2011年10月10日に出願された「Nested Blow Molded Liner and Overpack and Methods of Making Same」と題する国際出願PCT/US11/55560号に更に詳細に記載されており、この出願はその全体が参照により本明細書に援用される。幾つかの実施形態では、ライナは既に形成済みのオーバパック内にブロー成形することができ、これにより、オーバパックはライナの型として機能することができ、これは、本明細書では「デュアルブロー成形(dual blow molding)」と呼ばれる場合があり、以下で更に詳細に記載する。そのような実施形態では、オーバパックは任意の好適な方法によって製造することができる。
【0021】
例示的なコネクタ206は、ライナ204をオーバパック202に対して適切な配置に維持するためのライナ保持リング222、ライナ204内の内容物を密封するための開封シール226も含むことができるキャップ224又は他のクロージャ、及び、本開示の種々の実施形態による浸漬管アセンブリ100のカプラ部104の内部通路232と流体連通する分配コネクタを動作可能に結合するためのプローブ230を有する分配コネクタ228を含むことができるが、これらに限定されない。
【0022】
使用することができるライナ、浸漬管アセンブリ、浸漬管、カプラ、オーバパック及びコネクタの種類の更なる実施例及び実施形態は2013年6月5日に出願された「Dip Tube Assemblies and Methods of Manufacturing the Same」と題する米国仮出願第61/831,202号;2011年10月10日に出願された「Substantially Rigid Collapsible Liner, Container and/or Liner for Replacing Glass Bottles, and Enhanced Flexible Liners」と題する国際出願PCT/US11/55558号;2011年10月10日に出願された「Nested Blow Molded Liner and Overpack and Methods of Making Same」と題する国際出願PCT/US11/55560号;2011年12月9日に出願された「Generally Cylindrically−Shaped Liner for Use in Pressure Dispense Systems and Methods of Manufacturing the Same」と題する国際出願PCT/US11/64141号;2012年9月21日に出願された「Liner−Based Shipping and Dispensing Systems」と題する米国仮特許出願第61/703,996号;2011年3月29日に出願された「Liner−Based Dispenser」と題する米国仮特許出願第61/468,832号、及び、2011年11月22日に出願された関連の国際出願PCT/US2011/061764号;2011年8月19日に出願された「Liner−Based Dispensing Systems」と題する米国仮特許出願第61/525,540号、及び、2011年11月22日に出願された関連の国際出願PCT/US2011/061771号;2000年5月31日に出願された「Fluid Storage and Dispensing Systems and Processes」と題する米国特許出願第13/149,844号;2006年6月5日に出願された「Fluid Storage and Dispensing Systems and Processes」と題する米国特許出願第11/915,996号;2010年10月7日に出願された「Material Storage and Dispensing System and Method With Degassing Assembly」と題する国際出願PCT/US10/51786号;国際出願PCT/US10/41629号;米国特許第7,335,721号;米国特許出願第11/912,629号;米国特許出願第12/302,287号;国際出願PCT/US08/85264号;2011年2月15日に出願された米国特許出願第12/745,605号;2012年2月29日に出願された「Liner−Based Shipping and Dispensing System」と題する米国仮特許出願第61/605,011号;並びに、2011年11月18日に出願された「Closure/Connectors for Liner−Based Shipping and Dispensing Containers」と題する米国仮特許出願第61/561,493号においてより詳細に開示されており、これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に援用される。オーバパック202及びライナ204は、可撓性、剛性で折り畳み可能な、2次元の、3次元の、溶接された、成形された、ガセットを付加した及び/若しくはガセットを付加しないライナ、及び/又は、折り目を含むライナ、及び/又は、詰まりを制限若しくは排除するための方法を含むライナ、並びに、例えば、ATMI,Inc.によりブランド名BRIGHTPak(登録商標)及びNOWPak(登録商標)下で販売されているライナを含むが、これらに限定されない、上記出願のいずれかにおいて開示されている実施形態、特徴及び/又は拡張機能のいずれかを含むことができる。本明細書において記載される実施形態において開示される分配システムの種々の特徴は、他の実施形態に関して記載される1つ以上の他の特徴と併用してもよい。
【0023】
本明細書において記載される容器及び/又は分配システムとともに使用される浸漬管アセンブリの種々の実施形態は、任意の好適な分配プロセスとともに用いることができる。例えば、本明細書において記載される浸漬管アセンブリの種々の実施形態は、「Apparatus for Supplying Fluid」と題する韓国登録特許第10−0973707号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に開示されている逆分配方法の種々の実施形態を含む、直接及び間接圧力分配、ポンプ分配、並びに、圧力アシスト式ポンプ分配を含む圧力分配プロセスにおいて用いることができる。
【0024】
重要なことには、これらの上述した圧力分配プロセスのいずれかの間に、浸漬管と周囲の容器との間に不所望の圧力差が生じる可能性があり、内部に貯蔵されている化学薬品の意図しない漏出を生じるかもしれない。本明細書において開示される実施形態は、少なくとも1つの圧力逃がし特徴部を浸漬管アセンブリのカプラ部内に組み込むことによって、システム内の圧力の幾らかを解放することを目的とする。
【0025】
図3及び図4は、本開示による容器200の浸漬管アセンブリ100のカプラ部304の1つの実施形態を示している。図3はカプラ部304を示しており、図4は、カプラ部304を備える浸漬管アセンブリ100及び容器200の断面を示している。カプラ部304は、下側端306が、筒状部102と接続し、上側端308が、プローブ230を有するコネクタ206と接続するように構成されてもよい。カプラ部304は、図4に示されているように、ライナ204の口218内に配置することができる。カプラ部304は、その間に或る厚さを有する外側面310及び内側面312を有する。内側面312は、流体が筒状部からプローブ230を通って搬送されることを可能にするルーメン314を画定する。
【0026】
カプラ部304は少なくとも1つの圧力逃がしポート320を有する。図3及び図4に示されている実施形態では、カプラ部304は複数の圧力逃がしポート320を有する。図3及び図4に示されている実施形態等の幾つかの実施形態では、圧力逃がしポート320は、外側面310から内側面312を通ってカプラ部の厚さにわたって延びる別個の貫通孔を含む。他の実施形態では、少なくとも1つの圧力逃がしポート320は、カプラ部304の外側面310の少なくとも1つの開口及び内側面312の少なくとも1つの開口を画定し、チャネルが外側面310の開口を内側面312の開口に接続する。圧力逃がしポート320の他の構成が本発明によって意図される。図4に示されている少なくとも1つの実施形態では、コネクタ206がカプラ部304と係合すると、コネクタ206(及び幾つかの実施形態では、より詳細にはプローブ230)は、圧力逃がしポート320を覆うか又は閉じる。
【0027】
いかなる過剰な加圧ガス又は圧力差も、コネクタ206が取り外されるときに少なくとも1つの圧力逃がしポート320を通して逃がされ、容器200内に貯蔵されている液状化学薬品の不所望の漏出を防止することができる。幾つかの実施形態では、液状化学薬品の幾らかがカプラ部304まで流れる場合、少なくとも1つの圧力逃がしポート320は、液状化学薬品が通って次にライナ内に戻るための通路も提供する。
【0028】
図3及び図4に示されているように、少なくとも1つの実施形態では、外側面310は、概ね円形の断面を有することができ、上側端308付近の第1の外径は、下側端306付近の第2の外径よりも大きい。幾つかの実施形態では、カプラ部304は、第1の外径を有する部分と第2の外径を有する部分との間に延びる、上側端308と下側端306との間の円錐台部分330を有することができる。図3に示されているような幾つかの実施形態では、圧力逃がしポート320は、カプラ部304の円錐台部分330と上側端308との間に位置決めされる。
【0029】
図3に示されているような幾つかの実施形態では、円錐台部分330は、リブ334によって画定される複数のチャネル状特徴部332を有し、リブは軸方向に延びる。
図3及び図4に示されているような幾つかの実施形態では、カプラ部304は、Oリング等の密封機構342の保持特徴部340を含むことができる。密封機構342は、内側ライナと浸漬管アセンブリとの間の容器からガス及び流体が逃げることを更に防止する。図3に示されているような少なくとも1つの実施形態では、圧力逃がしポート320は、密封特徴部340及び/又は密封機構342と下側端306との間に位置決めされる。
【0030】
図5及び図6は、本開示による容器200の浸漬管アセンブリ100のカプラ部504の別の実施形態を示している。図5はカプラ部504を示しており、図6はカプラ部504を備える浸漬管アセンブリ100の断面を示している。カプラ部504は、下側端506が、筒状部102と接続し、上側端508が、プローブ230を有するコネクタ206と接続するように構成されていてもよい。カプラ部504は、その間に或る厚さを有する外側面510及び内側面512を有する。内側面512は、流体が筒状部102からプローブ230を通って又はその逆に搬送されることを可能にし、圧力源から容器へのガスを、又は、陰圧を、コネクタ206を通して、次に筒状部102を通して提供する、ルーメン514を画定する。
【0031】
図5及び図6に示されているように、少なくとも1つの実施形態では、外側面510は、概ね円形の断面を有することができ、上側端508付近の第1の外径は、下側端506付近の第2の外径よりも大きい。幾つかの実施形態では、カプラ部504は、第1の外径を有する部分と第2の外径を有する部分との間に延びる、上側端508と下側端506との間の円錐台部分530を有することができる。
【0032】
図5に示されているような幾つかの実施形態では、外側面510は、軸方向に延びるリブ534によって画定される1つ以上の長手方向チャネル特徴部532を有する。少なくとも1つの実施形態では、チャネル特徴部532及びリブ534は円錐台部分530に画定される。容器の圧力逃がしを提供するために、カプラ部504は、カプラ部の外側面510の複数の表面特徴部によって画定される通気経路を含む。1つ又は複数のノッチ536が、円錐台部分530と上側端508との間でカプラ部504の周りに径方向に位置決めされる。図5に示されているような少なくとも1つの実施形態では、ノッチ536は1つのチャネル特徴部532とそれぞれ位置合わせされ、通気ガス540が容器を出る経路を形成する。幾つかの実施形態では、上側端508付近の複数の上側ノッチ536a及び下側端506付近の下側ノッチ536bがあり、少なくとも1つの実施形態では、上側ノッチ536a及び下側ノッチ536bは軸方向に位置合わせされる。幾つかの実施形態では、環状のチャネル538も円錐台部分530と上側端508との間に配置され、ガスの流体の流れの所望の経路のために、チャネル532とノッチ536とを接続することができる。この実施形態では、経路は、カプラ部304を容器の口218から外すことなく、容器を出るように通気されることを可能にすることができる。
【0033】
図3及び図4に示されている実施形態とは異なり、図5及び図6の実施形態では、Oリング等の密封機構はカプラ部の外側面に設けられない。しかしながら、幾つかの実施形態では、チャネル536を閉じるために、Oリング等のシールを、環状チャネル538内に位置決めすることができる。
【0034】
図7及び図8は、本開示による容器200の浸漬管アセンブリ100のカプラ部704の別の実施形態を示している。図7はカプラ部704を示しており、図8はカプラ部704を備える浸漬管アセンブリ100の断面を示している。カプラ部704は、下側端706が、筒状部102と接続し、上側端708がプローブ230を有するコネクタ206と接続するように構成されていてもよい。カプラ部704は、その間に或る厚さを有する外側面710及び内側面712を有する。内側面712は、流体が筒状部からプローブ230を通って搬送されることを可能にするルーメン714を画定する。
【0035】
上記で説明した他の実施形態と同様に、Oリング等の密封機構を設けても設けなくてもよい。その代わりに、カプラ部704は、カプラ部704の上側端708に近接するリップ部720を有する。リップ部720は、図示のような円錐台形状、又は、リップ部720が口218の内側面、特に取り付け部220と密封可能に嵌合することを可能にする他の形状を有することができる。コネクタ206が取り付けられない場合、容器204内の内圧は、ある場合には、カプラ部704を持ち上げ、過剰な内圧がカプラ部204とライナ204の口218との間で容器から逃げることを可能にすることができる。
【0036】
図7及び図8に示されているように、少なくとも1つの実施形態では、カプラ部504は、上側端708と下側端706との間の第2の円錐台部分730を有することができる。
【0037】
本開示の浸漬管アセンブリのうちのいずれか等の、浸漬管アセンブリの幾つかの実施形態では、浸漬管アセンブリの内側通路の直径は、筒状部の端から、筒状部の長さを通して、筒状部がカプラ部に接合するところまで、及び/又は、カプラ部の内側通路を通して、一定で一様であるものとすることができる。直径は、そのような場合、アセンブリを所望のライナ及び/又はオーバパック内にしっかりと位置決めし、ライナの内容物を効果的かつ/又は効率的に分配することができるように、任意の所望の直径であるものとすることができる。しかしながら、他の実施形態では、内側通路の直径は変更することができる。例えば、本明細書において開示される実施形態のいずれかに関して、筒状部の内側通路は、カプラの幾つか又は全ての部分における内側通路の直径よりも小さいか、大きいか又は等しい直径を有することができる。より包括的には、本明細書において開示される実施形態のうちのいずれかは、直径が変わる筒状部及び/又はカプラ部に沿うものを含め、その長さに沿う1つ以上の内径を含むことができ、全てのそのような実施形態は本開示の範囲内にあるものと考えられる。
【0038】
浸漬管アセンブリ100の各特徴は全ての実施形態を特に関連して記載されていない可能性があるが、本願の範囲内で、図3図8に示されている実施形態のうちのいずれか1つに関して記載した特徴のいずれか又は特徴の組み合わせを、浸漬管アセンブリ100の他の実施形態のいずれかに適用可能であり、他の実施形態のいずれかに組み込むことができると認識され、考えられる。専ら例示として、実施形態のいずれかは、カプラ部の受容キャビティの内部におけるテーパ化を使用し、筒状部とカプラ部との接合面における把持量を増大させることができる。さらに、実施形態のいずれかは、本明細書において開示される種々の保持特徴部のいずれかを用いることができる。
【0039】
本開示の浸漬管アセンブリ、又は、筒状部、カプラ部若しくは任意の他の付加的な構成要素等のその種々の構成要素のいずれかは、射出成形、射出ブロー成形、射出延伸ブロー成形、押出加工等であるがこれらに限定されない任意の好適な製造法を使用して製造することができる。幾つかの実施形態では、筒状部及びカプラ部は、別個の構成要素として別個に製造することができるが、他の実施形態では、単一の一体的な構成要素として製造することができる。同様に、筒状部及び/又はカプラ部は、単一の一体的な要素から別個にそれぞれ構成することができるか、又は、複数の要素の組み合わせからそれぞれ構成することができる。
【0040】
本開示の浸漬管アセンブリ又はその種々の構成要素のいずれかは、任意の好適な材料又は材料の組み合わせ、例えば、限定はされないが、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリエステル、ポリオレフィン又は他の天然若しくは合成ポリマーを含む1つ以上のポリマーから構成することができる。更なる実施形態では、本開示の浸漬管アセンブリ又はその種々の構成要素のいずれかは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ(ブチレン2,6−ナフタレート)(PBN)、ポリエチレン(PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、及び/又は、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)及びペルフルオロアルコキシ(PFA)等であるがこれらに限定されないフルオロポリマーを使用して製造することができる。浸漬管アセンブリの任意の部分は、浸漬管アセンブリの1つ又は複数の他の部分と同じか又は異なる材料(複数の場合もあり)から構成することができる。
【0041】
本明細書において記載される容器及び/又は分配システムとともに使用される浸漬管アセンブリの種々の実施形態は、任意の好適な分配プロセスとともに用いることができる。例えば、本明細書において記載される浸漬管アセンブリの種々の実施形態は、「Apparatus for Supplying Fluid」と題する韓国登録特許第10−0973707号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に開示されている逆分配方法の種々の実施形態を含む、直接及び間接圧力分配、ポンプ分配、並びに、圧力アシスト式ポンプ分配を含む圧力分配プロセスにおいて用いることができる。
【0042】
本開示の実施形態を使用して貯蔵、輸送及び/又は分配することができる材料の種類の幾つかの例としては:酸、溶媒、塩基、フォトレジスト、スラリ、洗剤、洗浄配合物、ドーパント、無機溶液、有機溶液、金属有機溶液、TEOS溶液及び生物学的溶液、DNA及びRNA溶媒並びに試薬、医薬品、プリント可能な電子機器無機及び有機材料、リチウムイオン又は他のバッテリ型電解質、ナノ材料(例えば、フラーレン、無機ナノ粒子、ゾルゲル及び他のセラミックスを含む)、並びに、放射性化学物質等の超高純度液体;殺虫剤/肥料;塗料/光沢剤/溶剤/コーティング材料等;接着剤;高圧洗浄用流体;例えば自動車又は航空業界で使用される潤滑剤;例えば調味料、食用油及び清涼飲料等であるがこれらに限定されない食品製品;バイオメディカル又は研究業界で使用される試薬又は他の材料;例えば軍により使用される危険物;ポリウレタン;農薬;工業化学物質;化粧品化学物質;石油及び潤滑剤;シーラント;健康及び口腔衛生製品並びにトイレタリー製品;又は、例えば圧力分配によって分配することができる任意の他の材料が挙げられるがこれらに限定されない。本開示の実施形態とともに使用することができる材料は高粘性流体及び低粘性流体を含む任意の粘性を有することができる。当業者であれば、開示される実施形態の利点を認識し、したがって、開示される実施形態の種々の業界並びに種々の製品の運搬及び分配への適合性を認識するであろう。幾つかの実施形態では、開示される実施形態は、半導体、フラットパネルディスプレイ、LED及び太陽電池パネル製造関連の業界;接着剤及びポリアミドの適用関連の業界;フォトリソグラフィ技術を利用する業界;又は、任意の他の重要材料送達用途において特に有用であり得る。しかしながら、本明細書において開示される種々の実施形態は任意の好適な業界又は用途において使用することができる。
【0043】
分配が完了又は実質的に完了し、ライナが空にされるか又は実質的に空にされた後、エンドユーザは、浸漬管アセンブリを廃棄しても、及び/又は、浸漬管アセンブリの幾つか若しくは全体の構成要素を再利用してもよい。本明細書において記載される浸漬管アセンブリをより持続可能にすることを補助するために、浸漬管アセンブリ又はその1つ以上の構成要素は、幾つかの実施形態では、ポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)及びポリヒドロキシヘキサノエート(PHH)のようなポリヒドロキシアルカノエート(PHA);ポリ乳酸(PLA);ポリブチレンスクシナート(PBS);ポリカプロラクトン(PCL);ポリ酸無水物;ポリビニルアルコール;澱粉誘導体;セルロースアセテート及びニトロセルロース並びにそれらの誘導体(セルロイド)のようなセルロースエステル等を含むが、これらに限定されない生分解性材料又は生分解性高分子から製造することができる。同様に、幾つかの実施形態では、産業用途に好適であれば、浸漬管アセンブリ又はその1つ以上の構成要素は再利用又は回収され得る材料から製造することができ、幾つかの実施形態では、同じ又は異なるエンドユーザが別のプロセスにおいて使用することができ、それによって、そのようなエンドユーザ(複数の場合もあり)による環境への影響を減らすこと又は総排出量を減らすことを可能にする。例えば、1つの実施形態では、浸漬管アセンブリ又はその1つ以上の構成要素は、材料の焼却から発生した熱を同じ又は異なるエンドユーザが別のプロセスに取り込みかつ組み込むか又は使用することができるように、焼却され得る材料から製造することができる。概して、浸漬管アセンブリ又はその1つ以上の構成要素は、再利用することができるか、又は、再度使用することができる原料に変換することができる材料から製造することができる。
【0044】
上記の記載では、例示及び説明目的で本発明の種々の実施形態が提示されている。それらは、網羅的であるか又は本発明を開示される厳密な形態に限定することを意図するものではない。上記教示を踏まえて明らかな変更又は変形が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実際的な適用の最良の説明を提供し、かつ、当業者が本発明を種々の実施形態及び考えられる特定の用途に適した種々の変更形態とともに使用することができるように選択及び記載した。そのような変更形態及び変形形態はいずれも、公正に、法的に及び公平に付与される範囲に従って解釈される場合に添付の特許請求の範囲によって決まる本発明の範囲内にある。
【0045】
特許請求の範囲を解釈するために、米国特許法第112条(f)項の条項は、「〜する手段」又は「〜するステップ」という特定の文言がそれぞれの請求項に記載されない限り行使されない。
図1
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図8