特許第6466955号(P6466955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6466955側面数増強対応移送チャンバ、半導体デバイスの製造処理ツール及び処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6466955
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】側面数増強対応移送チャンバ、半導体デバイスの製造処理ツール及び処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20190128BHJP
   B65G 49/00 20060101ALI20190128BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G49/00 A
   H01L21/02 Z
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-552438(P2016-552438)
(86)(22)【出願日】2014年11月3日
(65)【公表番号】特表2017-500755(P2017-500755A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】US2014063708
(87)【国際公開番号】WO2015066624
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2017年10月3日
(31)【優先権主張番号】61/899,862
(32)【優先日】2013年11月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ライス, マイケル ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マゾッコー, ジョン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】フルゼク, ディーン シー.
(72)【発明者】
【氏名】クーチャー, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コシティー, スシャント エス.
(72)【発明者】
【氏名】カンクナラ, ペンチャラ エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】エングルハート, エリック エー.
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/120054(WO,A1)
【文献】 特表2011−503837(JP,A)
【文献】 特開2010−074073(JP,A)
【文献】 特開平10−135301(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0226429(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/00
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の幅を持つ複数の第1の側面と、
1または複数の処理チャンバに連結するように構成され、前記第1の幅とは異なる第2の幅を持つ少なくとも1組の第2の側面と、
前記複数の第1の側面に連結されたインターフェースユニットであって、複数のロードロックチャンバと、各々が上側のスリット開口部と下側のスリット開口部を備える複数のインターフェース面を有する前部領域を含み、前記複数のインターフェース面の各面が前記複数の第1の側面の対応する側面とそれぞれ連結している、インターフェースユニットと、
を備える移送チャンバであって、
前記移送チャンバの側面の総数が少なくとも7であり、前記移送チャンバ内の移送が単一の2本アームロボットによって対応可能である、
移送チャンバ。
【請求項2】
前記第2の幅が前記第1の幅よりも大きい、請求項1に記載の移送チャンバ。
【請求項3】
前記第2の幅が前記第1の幅よりも小さい、請求項1に記載の移送チャンバ。
【請求項4】
前記第2の側面はそれぞれ、異なる奥行きを有するチャンバインターフェースを含む、請求項1に記載の移送チャンバ。
【請求項5】
前記インターフェースユニットが3つのロードロックチャンバを含む、請求項に記載の移送チャンバ。
【請求項6】
前記インターフェースユニットに連結されたファクトリインターフェースを備える、請求項に記載の移送チャンバ。
【請求項7】
前記ファクトリインターフェースが前記移送チャンバの幾何学的中心から横にオフセットしている、請求項に記載の移送チャンバ。
【請求項8】
パススルーユニットに連結するように構成された長尺側面を備える、請求項1に記載の移送チャンバ。
【請求項9】
数の処理チャンバと、
1の幅を持つ複数の第1の側面と、前記複数の処理チャンバに連結されるように構成された、前記第1の幅とは異なる第2の幅を持つ少なくとも1組の第2の側面と、前記複数の第1の側面に連結されたインターフェースユニットであって、複数のロードロックチャンバと、各々が上側のスリット開口部と下側のスリット開口部を備える複数のインターフェース面を有する前部領域を含み、前記複数のインターフェース面の各面が前記複数の第1の側面の対応する側面とそれぞれ連結している、インターフェースユニットと、を含む1つの移送チャンバであって、前記移送チャンバの側面の総数が少なくとも7であり、前記移送チャンバ内における移送は、単一の2本アームロボットによって対応可能である移送チャンバと
を備える、処理ツール。
【請求項10】
前記インターフェースユニットが3つのロードロックチャンバを含む、請求項に記載の処理ツール。
【請求項11】
前記インターフェースユニットに連結されたファクトリインターフェースを備える、請求項に記載の処理ツール。
【請求項12】
数のロードロックと、
パススルーユニットと、
前記複数のロードロックと前記パススルーユニットとの間に連結された第1の移送チャンバと、
前記パススルーユニットに連結された第2の移送チャンバと、
前記第1の移送チャンバの複数の第1の側面に連結されたインターフェースユニットであって、前記複数のロードロックと、各々が上側のスリット開口部と下側のスリット開口部を備える複数のインターフェース面を有する前部領域を含み、前記複数のインターフェース面の各面が前記複数の第1の側面の対応する側面とそれぞれ連結している、インターフェースユニットと、を備え、
前記第1の移送チャンバと前記第2の移送チャンバとの間で処理チャンバを受容するように構成された側面の総数は少なくとも10であり、前記第1の移送チャンバ及び前記第2の移送チャンバのそれぞれの中における移送は、単一の2本アームロボットによって対応可能である、
処理ツール。
【請求項13】
インターフェースユニットに連結され、第1の幅を持つ複数の第1の側面及び、複数の処理チャンバに連結された、前記第1の幅とは異なる第2の幅を持つ少なくとも1組の第2の側面を有する1つの移送チャンバを提供することであって、前記移送チャンバの側面の総数が少なくとも7である、移送チャンバを提供することと、
前記インターフェースユニットと前記複数の処理チャンバのうちの少なくとも1つの間で、前記移送チャンバ内の単一の2本アームロボットを用いて基板を移送することと
を含み、
前記移送チャンバが、前記複数の第1の側面に連結された前記インターフェースユニットであって、複数のロードロックチャンバと、各々が上側のスリット開口部と下側のスリット開口部を備える複数のインターフェース面を有する前部領域を含み、前記複数のインターフェース面の各面が前記複数の第1の側面の対応する側面とそれぞれ連結している、前記インターフェースユニットを含む、半導体デバイス処理の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に援用される、2013年11月4日出願の「SEMICONDUCTOR DEVICE MANUFACTURING PLATFORM WITH AN INCREASED NUMBER OF SIDES」(代理人整理番号第21233/USA/L号)と題する米国特許仮出願第61/899,862号に基づいて、優先権を主張する。
【0002】
本発明は、半導体デバイスの製造に関する。具体的には、半導体デバイスの製造プラットフォームの構成に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの製造では、通常、シリコン基板、ガラスプレートなどの基板や「ウエハ」に対して一連の処理が実施される。この種の処理として、研磨、堆積、エッチング、フォトリソグラフィ、熱処理、などがある。通常、多様な処理ステップを、単一の処理システム内で、あるいは、複数の処理チャンバを含む「ツール」内で実施することができる。しかし、別の処理は製造施設内の別の処理場所におい一般に実施される。その場合、製造施設内のある処理場所から別の処理場所へと基板を移送することが必要になる。製造される半導体デバイスの種類によっては、処理所要ステップ数が著しく増加して、製造施設内の様々な処理場所で実施することが必要となる。
【0004】
基板は、通常、密閉ポッド、カセット、コンテナなどの基板キャリアの内部に収納された状態で、1つの処理場所から別の処理場所へと移される。基板キャリアを製造施設内の別の場所に移すのに、または、基板キャリアを基板キャリア移送装置から移すのに、もしくは基板キャリア移送装置に移すのに、自動基板キャリア移送装置、例えば、無人搬送車、天井搬送システム、基板キャリア搬送ロボットなどを用いることも通例である。
【0005】
こうした基板の移送は、一般に、基板を室内気に、または少なくとも真空ではない状態に曝すことになる。どちらの場合も、基板は好ましくない環境(例えば、酸化種)や他の汚染物質に曝されるリスクがある。
【発明の概要】
【0006】
一態様において、半導体デバイスの製造の際に使用される移送チャンバが提供される。移送チャンバには、1または複数の基板移送ユニット(例えば、1または複数のロードロック及び/またはパススルーユニット)に連結される、第1の幅を持つ少なくとも1つの第1組の側面(side)、及び、1または複数の処理チャンバに連結される、第1の幅よりも大きい第2の幅を持つ少なくとも1つの第2組の側面が含まれる。移送チャンバの側面の総数は少なくとも7であり、移送チャンバ内における移送は、単一のロボットによって対応可能である。
【0007】
別の態様では、処理ツールが提供される。処理ツールには、1または複数のロードロック、複数の処理チャンバ、並びに、1または複数の基板移送ユニットに連結するように構成され、第1の幅を持つ少なくとも1つの第1の側面及び、1または複数の処理チャンバに連結するように構成された、第1の幅とは異なる第2の幅を持つ少なくとも1つの第2組の側面を含む、1つの移送チャンバが含まれる。移送チャンバの側面の総数は少なくとも7であり、移送チャンバ内における移送は、単一のロボットによって対応可能である。
【0008】
別の態様では、処理ツールが提供される。処理ツールには、1または複数のロードロック、パススルーユニット、1または複数のロードロックとパススルーユニットとの間に連結された第1の移送チャンバ、及び、パススルーユニットに連結された第2の移送チャンバが含まれる。第1の移送チャンバと第2の移送チャンバとの間で処理チャンバを受容するように構成された側面の総数は少なくとも10であり、第1の移送チャンバ及び第2の移送チャンバのそれぞれの中における移送は、単一のロボットによって対応可能である。
【0009】
別の態様では、インターフェースユニットが提供される。インターフェースユニットには、複数のインターフェース面を含む前部領域を含む、インターフェース本体が含まれる。当該前部領域は移送チャンバに連結するように構成され、後部領域はファクトリインターフェースに連結するように構成され、3つのロードロックが、インターフェース本体内で形成されている。
【0010】
方法としては、半導体デバイスの製造方法が提供される。方法には、1または複数の基板移送ユニットに連結され、第1の幅を持つ少なくとも1つの第1の側面及び、複数の処理チャンバに連結された、第1の幅とは異なる第2の幅を持つ少なくとも1つの第2組の側面を有する1つの移送チャンバを提供することが含まれる。移送チャンバの側面の総数は少なくとも7であり、1または複数の基板移送ユニットと複数の処理チャンバのうちの少なくとも1つの間の基板の移送は、移送チャンバ内の単一のロボットによって対応可能である。
【0011】
多数の他の態様が、本発明の上記の及びその他の実施形態によって提供される。本発明の実施形態の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明、付随する特許請求の範囲、及び添付の図面から、より完全に明らかになるだろう。
【0012】
以下に記載される図面は、例示のためだけであり、必ずしも縮尺どおりには描かれていない。図面は、いかなる態様においても、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】実施形態にしたがって提供された、例示的な処理ツールの上面概略図である。
図1B】実施形態にしたがって提供された、例示的な処理ツールの上面概略図である。
図2A】実施形態による、図1A〜1Bの移送チャンバの例示的実施形態の等角図である。
図2B】実施形態による、図1A〜1Bの移送チャンバの例示的実施形態の上面図である。
図2C】実施形態による、内部にロボットが配置された図1A〜1Bの移送チャンバの等角図である。
図2D】実施形態による、内部にロボットが配置された図1A〜1Bの移送チャンバの上面図である。
図3A】実施形態による、移送チャンバに連結されたインターフェースユニットを有する図1A〜1Bの移送チャンバの等角図である。
図3B】実施形態による、移送チャンバに連結されたインターフェースユニットを有する図1A〜1Bの移送チャンバの上面図である。
図3C】実施形態による、図3A〜3Bのインターフェースユニットの上面の等角図である。
図3D】実施形態による、図3A〜3Bのインターフェースユニットの底面の等角図である。
図4A】実施形態による、移送チャンバの第1組の側面に直接連結された3つのロードロックチャンバを有する、図1A〜1Bの移送チャンバの等角図である。
図4B】実施形態による、移送チャンバの第1組の側面に直接連結された3つのロードロックチャンバを有する、図1A〜1Bの移送チャンバの上面図である。
図5A】実施形態による、代替的な移送チャンバの等角図である。
図5B】実施形態による、代替的な移送チャンバの等角図である。
図5C】実施形態による、移送チャンバに連結されたインターフェースユニットを有する図5A〜5Bの移送チャンバの等角図である。
図5D】実施形態による、移送チャンバに連結されたインターフェースユニットを有する図5A〜5Bの移送チャンバの上面図である。
図5E】実施形態による、図5C〜5Dのインターフェースユニットの上面の等角図である。
図5F】実施形態による、図5C〜5Dのインターフェースユニットの底面の等角図である。
図6A】実施形態による、処理チャンバにさらなる側面を提供するために2つの移送チャンバが共に連結され得る、例示的な処理ツールの上面図である。
図6B】実施形態による、処理チャンバにさらなる側面を提供するために2つの移送チャンバが共に連結されている、処理ツールのさらなる例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、添付の図面に示される、本開示の例示的実施形態を詳細に参照する。本明細書に記載される様々な実施形態の特徴は、別様の明示的な注記がない限り、互いに組み合わせられ得る。
【0015】
本発明の実施形態によると、処理チャンバ及び基板移送ユニット(例えば、1または複数のロードロック及び、おそらくは1または複数のパススルーユニット)を取り付けるかまたはそうでなければ連結するための場所(例えば側面)の数を増やした移送チャンバを含む、ツール及び/またはメインフレーム(本明細書では「処理ツール」または「ツール」と称する)といった、半導体デバイスの製造プラットフォームが提供される。例えば、幾つかの実施形態においては、単一のツール内の移送チャンバに、少なくとも7、少なくとも8、または9やそれ以上もの取り付け場所が提供され得る。さらなる取り付け場所を提供することによって、単一ツールにおいて実施され得る処理ステップの数は増大し、チャンバの冗長性を可能にすることによって(例えば複数の同じ処理チャンバを並行して利用できるようにすることによって)スループットを増大させ得、より大規模の製造プロセスの間にも基板が真空状態に保たれることが可能になる。
【0016】
これらの及び他の実施形態は、図1A〜6Bを参照して以下に記載される。
【0017】
図1A〜1Bは、本発明の実施形態にしたがって提供された、例示的な処理ツール100の上面概略図を示す。図1Aを参照すると、処理ツール100には、九角形の形状を有する移送チャンバ102を形成する複数の側面(またはファセット)104a〜104iを有する、移送チャンバ102が含まれる。他の形状及び/または数の側面もまた、用いられ得る(例えば、閉じた多角形を形成する側面)。
【0018】
図1A〜1Bの実施形態においては、第1組の側面104a、104b及び104cは、残る第2組の側面104d〜104iよりも幅が狭い。第1組の側面104a、104b及び104cは、移送チャンバ102を、ファクトリインターフェース106に連結された、例えばロードロック108(例えば、1、2、または3つのロードロック)といった1または複数の基板移送ユニットに連結するために用いられる。残りの第2組の側面104d〜104iは、処理チャンバ110a〜110fと連結し得る。幾つかの実施形態においては、第1組の側面104a、104b及び104cは、それぞれ約450mmから550mmの幅を有し得、及び/または第2組の側面104d〜104iは、それぞれ約650mm〜950mmの幅を有し得る。しかし、幾つかの実施形態においては、第1組の側面104a、104b、104c及び/または第2組の側面104d〜104iは、約450mm〜950mmの範囲であり得、及び/または同じサイズであり得る。種々の側面に種々の幅が用いられ得るように、第1組の側面104a〜104c及び/または第2組の側面104d〜104iについて、他の幅が用いられ得る。
【0019】
図1Aの実施形態において、同様の処理チャンバ(複数)が移送チャンバ102の第2組の側面(104d〜104i)に連結されている(例えば、各処理チャンバは同様の設置面積を占有し得る)。しかし、例えば図1Bの実施形態のような幾つかの実施形態においては、処理チャンバ110a、110c、110e及び110fは、例えばエピタキシャル堆積チャンバといった同様の処理チャンバであり得、一方、処理チャンバ110b及び110dは、例えばエッチングチャンバといった異なる型の処理チャンバであり得る。異なる型とは、処理チャンバ110a、110c、110e及び110fが占める設置面積が、処理チャンバ110b及び110dが占める設置面積とは異なることによって示される。他の構成、数及び/または型の処理チャンバが、用いられ得る。
【0020】
図1Bに示すように、処理チャンバ110a〜110fは、それぞれチャンバインターフェース112a〜112fを介して、移送チャンバ102に連結され得る。こうしたチャンバインターフェース112a〜112fは、例えばパススルー、スリットまたはゲートバルブなど(個別に図示せず)を含み得る。大型の処理チャンバが移送チャンバ102に連結されている実施形態においては、当該大型処理チャンバが移動され、移送チャンバ102からより遠くに配置されることを可能にする、より奥行きのあるチャンバインターフェースを提供することが望ましくあり得る。これは、例えばより大きな設置面積を受け入れる、より良いサービスアクセスを提供する、などのために行われ得る。図1Bの実施形態においては、チャンバインターフェース112b及び112dは、チャンバインターフェース112a、112c、112e及び112fよりもより奥行きがあるとして示されている。例えば、チャンバインターフェース112b及び112dは、約260mm〜約320mmの奥行きを有し得、及び/またはチャンバインターフェース112a、112c、112e及び112fは、約160mm〜約260mmの奥行きを有し得る。このように、第2組の側面104a〜104fのそれぞれは、異なる奥行きを有するチャンバインターフェース112a〜112fを有し得る。チャンバインターフェース112a〜112fの、他の奥行きが用いられ得る。
【0021】
ファクトリインターフェース106は、処理チャンバ110a〜fに基板を供給するための、1または複数の基板キャリア114a〜114dを受容するように構成される。図1A〜1Bには4つの基板キャリアが示されているが、ファクトリインターフェース106は、より多数またはより少数の基板キャリアを受容し得る及び/または受容するように構成され得ることは理解されよう。図1A〜1Bの実施形態において、ファクトリインターフェース106の幾何学的中心は、移送チャンバ102へのさらなるアクセスを提供するため、移送チャンバ102の幾何学的中心から「O」の距離だけ横にずれている。しかし他の実施形態においては、他のずれでもよく、ずれがなくてもよい。
【0022】
図2A〜2Bはそれぞれ、本明細書の実施形態による、移送チャンバ102の例示的実施形態の等角図及び上面図である。図2A〜2Bを参照すると、移送チャンバ102には、ロードロック(例えばシングル、バッチ、または積層ロードロック、個別に図示せず)といった3以下の基板移送ユニットとのインターフェースとして、第1の側面104b内にスリット開口部202a〜202bが含まれ、第1組の側面のうちの他の側面104a及び104cを通る開口部204a〜204bが含まれる。スリット開口部202a〜202bは、移送チャンバ102から、スリット開口部202a〜202bの前に配置されたロードロックの中へと、エンドエフェクタが通過できるような大きさであり得る。以下でさらに記載されるように、開口部204a〜204bは、ロボットの手首または他の部分が、移送チャンバ102からより遠くに配置された、上部または下部の(例えば積層の)ロードロックに届くように移送チャンバ102を通って延伸することができるために、スリット開口部202a〜202bよりも大きいサイズであり得る。スリット開口部202a〜202bの例示的な寸法は、約45mm×400mmから約65mm×600mmである。開口部204a〜204bの例示的な寸法は、約280mm×400mmから約430mm×600mmである。スリット開口部202a〜202b及び/または開口部204a〜204bのうちの任意のものに関して、他の寸法が用いられ得る。
【0023】
図2Aに示すように、第2組の側面104d〜104iには、第2の開口部206a〜206fがそれぞれ含まれ、それによってロボットが、移送チャンバ102と、移送チャンバ102に連結されている処理チャンバ(例えば110a〜110f)との間で基板を移送することが可能になる。幾つかの実施形態においては、第2の開口部206a〜206fは、こうした移送の間にロボットの一部(例えば手首または他の部分)が移送チャンバ102を通って延伸することを可能にするため、拡大され得る。第2の開口部206a〜206fの例示的な寸法は、約180mm×400mmから約270mm×600mmである。第2の開口部206a〜206fに関して、他の寸法が用いられ得る。
【0024】
幾つかの実施形態においては、移送チャンバ102にさらなる強度を提供するため、移送チャンバ102の上蓋208には、第2の開口部206a〜206fの間の領域に、追加の素材が提供され得る。例えば、各開口部206a〜fの間の部分にリブ210が提供され得、及び/または各第2の開口部206a〜206fの前の領域212の素材が取り去られ得る。例えば、各リブ210は、領域212よりも約20〜30mm深く、移送チャンバの領域内へとさらに延伸していてよい。リブの、他の大きさ及び/または構成もまた、用いられ得る。
【0025】
図2C〜2Dはそれぞれ、本明細書の実施形態による、内部に配置されたロボット214を有する、移送チャンバ102の例示的実施形態の等角図及び上面図である。図2Cから分かるように、幾つかの実施形態においては、第2の開口部206a〜206fは、基板移送作業の間、ロボット214が移送チャンバ102の第2組の側面104d〜104iを通ってさらに延伸し得るように、ロボット214の手首216を受容できる大きさであり得る。図2Dに示すように、移送チャンバ102には、さらなる真空ポンプ(例えば低温ポンプまたは同様の装置)用の1または複数のポンプ開口部218が含まれ得る。幾つかの実施形態では、ロボット214は2本アーム及び/またはオフセット軸のロボットであり得る。他のロボットもまた、用いられ得る。
【0026】
図3A〜3Bはそれぞれ、本明細書の実施形態による、移送チャンバ102に連結されたインターフェースユニット302を含む、移送チャンバ102の例示的実施形態の等角図及び上面図である。インターフェースユニット302は、移送チャンバ102が3以下のロードロック(例えばシングルまたは、バッチ、積層ロードロック、その他)とのインターフェースとなることを可能にするように構成される。3以下のロードロックの一部または全部は、幾つかの実施形態においては、インターフェースユニット302によって形成され得る。さらに、幾つかの実施形態においては、ガス抜きまたは他の処理チャンバ(図示せず)は、例えばロードロックチャンバ304a及び/または304bの上方(または内部)のように、インターフェースユニット302の上方(または内部)に配置され得る。後部開口部305a〜305cによって、ファクトリインターフェース106とインターフェースユニット302との間の基板の移送が可能になる。インターフェースユニット302は、ファスナ(例えばボルト、スクリューなど)といった任意の好適な手段によって、第1組の側面104a〜104c及びファクトリインターフェース106に連結され得る。
【0027】
図3C〜3Dはそれぞれ、本明細書の実施形態による、インターフェースユニット302の例示的実施形態の上面及び底面の等角図である。インターフェースユニット302の前部領域には、移送チャンバ102(図1A)の第1組の側面104a〜104cとそれぞれ連結し得る前部インターフェース面306a〜306cが含まれる。幾つかの実施形態においては、移送チャンバ102と、インターフェースユニット302の一部である(またはインターフェースユニット302に連結されている)ロードロック(及び/またはガス抜き/処理チャンバ)との間で基板の移送を行うため、第1の前部インターフェース面306aは第1のスリット開口部308a、308bを含み得、第2の前部インターフェース面306bは第2のスリット開口部310a、310bを含み得、第3の前部インターフェース面306cは第3のスリット開口部312a、312bを含み得る。図3Dに示すように、ロードロックチャンバ314a〜314cは、移送チャンバ102に連結された3以下のロードロック(例えば、シングルロードロック、バッチロードロック、積層ロードロック、など)を提供する。
【0028】
図4A〜4Bはそれぞれ、本明細書の実施形態による、移送チャンバ102の第1組の側面104a、140b及び104cに直接連結された3つのロードロック402a、402b及び402cを有する、移送チャンバ102の例示的実施形態の等角図及び上面図である。ロードロック402a〜402cは、シングルもしくはバッチロードロック、及び/もしくは積層ロードロックであり得、並びに/またはガス抜きもしくは他の処理チャンバを含み得る。3つよりも少ないロードロックが用いられ得る。
【0029】
図5A〜5Bはそれぞれ、本明細書の実施形態による、移送チャンバ102の代替的実施形態の等角図及び上面図である。図5A〜5Bを参照すると、より細い第1組の側面104a、104b及び104c(図1A)が、相対的に長い幅の単一の側面504によって置き換えられている。単一の側面504は、第2組の側面104d〜104iのいずれの長さよりも長くてよい、長さLsを有し得る。以下で図5C〜5Fを参照して記載されるように、こうした設計によって、移送チャンバ102と、1または複数のロードロック及び/またはガス抜き/処理チャンバとの間のインターフェースが簡潔化される。
【0030】
図5C〜5Dはそれぞれ、本明細書の実施形態による、移送チャンバ102に連結されたインターフェースユニット506を有する、図5A〜5Bの移送チャンバ102の例示的実施形態の等角図及び上面図である。インターフェースユニット506は、移送チャンバ102が3以下のロードロック(例えばシングルまたは、バッチ、積層ロードロック、その他)とのインターフェースとなることを可能にする。幾つかの実施形態においては、3以下のロードロックの一部または全部は、インターフェースユニット506によって形成され得る。さらに、幾つかの実施形態においては、ガス抜きまたは他の処理チャンバ(図示せず)は、例えばインターフェースユニット開口部508a及び/またはインターフェースユニット開口部508bの上方または内部のように、インターフェースユニット506の上方または内部に配置され得る。後部開口部509a〜509cによって、ファクトリインターフェース106とインターフェースユニット506との間の基板の移送が可能になる。
【0031】
図5E〜5Fはそれぞれ、本明細書の実施形態による、インターフェースユニット506の例示的実施形態の上面及び底面の等角図である。インターフェースユニット506の前部領域510は、移送チャンバ102(図5A)の単一の側面504と連結し得る。幾つかの実施形態においては、複数のインターフェース面(例えばインターフェース面512a、512b及び512c)には、インターフェースユニット506が設けられている。移送チャンバ102と、インターフェースユニット506の一部である(またはインターフェースユニット506に連結されている)ロードロック(及び/またはガス抜き/処理チャンバ)との間で基板の移送を行うため、インターフェース面512aはスリット開口部514a、514bを含み得、インターフェース面512bはスリット開口部516a(図5F)、516bを含み得、インターフェース面512cはスリット開口部518a、518bを含み得る。図5Fに示すように、インターフェース開口部520a〜520cは、移送チャンバ102に連結された3以下のロードロック(例えば、シングルロードロック、バッチロードロック、積層ロードロック、など)を提供する。しかし、他の数のロードロックも、他の数のインターフェース面と同様、提供され得る。
【0032】
図6Aは、本明細書の実施形態による、処理チャンバを連結するためのさらなる側面を提供するために、その中の第1の及び第2の移送チャンバ102a、102bが共に連結され得る、例示的な処理ツール600aの上面図を示す。図6Aを参照すると、処理ツール600aには、第1の処理チャンバ102をファクトリインターフェース604に連結しているインターフェースユニット602が含まれる。パススルーユニット606といった基板移送装置によって、第2の移送チャンバ102bは第1の移送チャンバ102aに連結される。
【0033】
図6Aの実施形態においては、インターフェースユニット602は、3以下またはそれ以上のロードロック608a〜608c(及び/またはガス抜き/処理チャンバ)といった、3以下またはそれ以上の基板移送装置が、第1の移送チャンバ102aに基板を供給することを可能にする。パススルーユニット606には、第1及び第2の移送チャンバ102a、102bの間の基板移送のための受け渡し場所として機能し得る、3つのパススルー場所610a〜610cが含まれる。幾つかの実施形態においては、より少数のパススルー場所が用いられ得る。さらに、幾つかの実施形態においては、パススルー場所610a〜610cは、ガス抜き、アニール、冷却、その他といった基板処理を実施することが可能であり得る。他の処理が、パススルー場所610a〜610cにおいて行われ得る。
【0034】
処理ツール600aは、処理チャンバが連結され得る側面(ファセット)を、612a〜612jの10個まで備える。他の実施形態においては、任意の数の連結された処理チャンバを提供するため、さらなる移送チャンバが、さらなる他のパススルーユニットに連結され得る。
【0035】
図6Aの実施形態においては、第1の移送チャンバ102aには、インターフェースユニット602と連結するように構成された第1の長尺側面614a及び、パススルーユニット606と連結するように構成された、第1の長尺側面614aとは反対側の第2の長尺側面614bが含まれる。第2の移送チャンバ102bには、パススルーユニット606と連結するための、単一の長尺側面614cが含まれる。幾つかの実施形態においては、第2の移送チャンバ102bは、さらなるパススルーユニット(例えば、1または複数のさらなる移送チャンバが用いられる場合)と連結するように構成された、1または複数のさらなる長尺側面を含み得る。記載された実施形態においては、面612a、612b、612i、612jの長さは、第1の長尺側面614a及び第2の長尺側面614bのそれぞれよりも短くてよい。同様に、記載された実施形態においては、面612c〜612gの長さは、単一の長尺側面614cよりも短くてよい。
【0036】
図6Bは、本明細書の実施形態による、図6Aの処理ツール600aと同様だが、第1または第2の移送チャンバ102a、102bのどちらに沿っても長尺側面を用いていない、処理ツール600bの別の例の上面図を示す。図6Bを参照すると、第1及び第2の移送チャンバ102a、102bのそれぞれが(8つの側面を有する)八角形の形状として、合計16の辺612a〜612pで示されているが、各辺の長さは等しくてよい。第1の移送チャンバ102aは、ロードロック608a、608bを介してファクトリインターフェース604に連結され、1または複数のパススルーユニット610a、610bを介して第2の移送チャンバ102bに連結される。処理チャンバ616a〜616jは、処理ツール600bの各側面612c、612d、612h、612g、612k、612l、612m、612n、612o、612pに連結されて示される。他の実施形態においては、任意の数の連結された処理チャンバを提供するため、さらなる移送チャンバが、さらなるパススルーユニットに連結され得る。
【0037】
図6A及び6Bのそれぞれの実施形態において、処理ツール600a、600bには、1または複数のロードロック(例えばロードロック608a〜608c)、パススルーユニット(例えばパススルーユニット606、610a、610b)、1または複数のロードロック(例えばロードロック608a〜608c)とパススルーユニット(例えばパススルーユニット606、610a、610b)との間に連結された第1の移送チャンバ(例えば第1の移送チャンバ102a)、及びパススルーユニット(例えばパススルーユニット606、610a、610b)に連結された第2の移送チャンバ(例えば第2の移送チャンバ102b)が含まれる。第1の移送チャンバ102aと第2の移送チャンバ102bとの間で処理チャンバを受容するように構成された各処理ツール600a、600bの側面の総数は、合計で、少なくとも10である。第1の移送チャンバ102a及び第2の移送チャンバ102bのそれぞれの中での移送は、単一のロボット(点線の円によって示される214a、214b)によって対応可能である。
【0038】
別の態様では、半導体デバイスの処理方法が提供される。方法には、1または複数の基板移送ユニット(例えば、1もしくは複数のロードロックまたは1もしくは複数のパススルーユニット606)に連結され、第1の幅を持つ少なくとも1つの第1の側面(例えば単一の側面504または第1組の側面104a〜104c)、及び、複数の処理チャンバに連結され、第1の幅とは異なる第2の幅を持つ少なくとも1つの第2の側面を有する移送チャンバ(例えば移送チャンバ102、102a)を提供することが含まれる。移送チャンバの側面の総数は少なくとも7であるが、8、9またはそれ以上であり得る。方法には、1または複数の基板移送ユニット(例えばロードロックまたはパススルーユニット606)と、複数の処理チャンバのうちの少なくとも1つとの間で、(例えば単一のロボット(例えば移送チャンバ内のロボット214)を用いて))基板を移送することがさらに含まれる。
【0039】
主として7、8または9個の側面に関して記載してきたが、移送チャンバ102が、10側面、11側面、12側面など、または7未満の側面といった、任意の好適な数の側面を含み得ることは、理解されるであろう。
【0040】
前述の説明は、本発明の単なる例示的な実施形態を開示している。本発明の範囲内に該当する、上記で開示された装置、システム及び方法の変形例は、当業者には容易に明らかになるだろう。そのため、本発明は例示的な実施形態に関連して開示されているが、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内に該当しうると理解されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B