特許第6469690号(P6469690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6469690
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】スチリルスルフィド染料
(51)【国際特許分類】
   C09B 23/14 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   C09B23/14CSP
【請求項の数】1
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2016-537290(P2016-537290)
(86)(22)【出願日】2014年8月28日
(65)【公表番号】特表2016-531987(P2016-531987A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】EP2014068242
(87)【国際公開番号】WO2015028543
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年8月22日
(31)【優先権主張番号】13182635.6
(32)【優先日】2013年9月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】100176197
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 千春
(72)【発明者】
【氏名】バッハマン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】クノープロッホ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】フレーリング,ベアテ
(72)【発明者】
【氏名】スペッカー,ヴェルナー
【審査官】 高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−535296(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/113722(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/113723(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/093014(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/113720(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/113724(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/113725(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/109457(WO,A1)
【文献】 特表2009−534473(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/110540(WO,A1)
【文献】 特表2009−511531(JP,A)
【文献】 特表2009−501139(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/059368(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 23/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(110):
【化1】
スチリルスルフィド染料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規スチリルスルフィド染料及びこれらの化合物の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、WO 95/01772から、カチオン染料が、有機材料、例えば、ケラチン、絹、セルロース又はセルロース誘導体、及びまた合成繊維、例えば、ポリアミドを染色するために使用できることが知られている。カチオン染料は、非常に鮮明な色調を表す。不都合は、その不満足な洗濯堅牢度である。
【0003】
R. S. Asquith、P. Carthew、及びT. T. Francisは、JSDCの1973年5月号、168〜172頁に、オルト-アゾジスルフィド染料が、羊毛のケラチン繊維との共有結合を引き起こさないこと、及びパラ-アゾジスルフィド染料が、羊毛とのいくつかの共有結合を、高濃度でのみ起こしたことを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO 95/01772
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】JSDC、1973年5月号、168〜172頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
技術上の課題は、洗濯、光、シャンプー、及び摩擦に関して良好な堅牢度特性を有する、濃い染色によって区別される染料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は式(1):
【化1】
【0008】
[式中、
R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3は、互いに独立して水素、-NH(CO)-C1〜C5アルキル、-N(C1〜C5アルキル)(C1〜C5アルキル-CN)、C1〜C6アルコキシ、複素環基であるか、又はR1及びR2、若しくはR'1及びR'2は、一緒になって5〜10員の単環式の炭素環又は複素環を形成し、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3の少なくとも1つは水素とは異なり;
Q及びQ'は、互いに独立して*-C(O)-**-C(O)O-**-OCO-**-N(R4)-*
【化2】
【0009】
*-C(O)N(R6)-*又は*-(R6)NC(O)-*であり;
R4、R5及びR6は、互いに独立して水素、C1〜C14アルキル、C2〜C14アルケニル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリール-C1〜C10アルキル又はC1〜C10アルキル(C5〜C12アリール)であり;
X及びX'は、*-(CH2)m-*であり;
Y1及びY2は、互いに独立してC1〜C10アルキレン、C5〜C10シクロアルキレン、C5〜C12アリーレン又はC5〜C12アリーレン-(C1〜C10アルキレン)であり;
An-はアニオンであり;
mは1〜8の数であり;
nは0又は1であり;
pは0又は1である。]
のスチリルジスルフィド染料に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
C1〜C10アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec.ブチル、tert.ブチル、アミル、イソアミルもしくはtert.アミル、ヘキシル、2-エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル又はデシル等の直鎖又は分岐のアルキル基である。
【0011】
C1〜C6アルコキシは、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec.ブトキシ、tert.ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、tert.アミルオキシ又はヘキシルオキシである。
【0012】
C5〜C12アリールは、例えばナフチル、好ましくはフェニルである。
【0013】
C1〜C10アルキレンは、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、sec-ブチレン、tert-ブチレン、n-ペンチレン、2-ペンチレン、3-ペンチレン、2,2'-ジメチルプロピレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、1,1',3,3'-テトラメチルブチレン、2-エチルヘキシレン、ノニレン又はデシレンである。
【0014】
C5〜C10シクロアルキレンは、例えばシクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレン、シクロノニレン又はシクロデシレンであり、好ましくはシクロヘキシレンである。
【0015】
C5〜C12アリーレンは、例えばナフチレンであり、好ましくはフェニレンである。
【0016】
「アニオン」は、例えば有機又は無機アニオン、例えばハライド、好ましくはクロリド及びフルオリド、サルフェート、ハイドロジェンサルフェート、ホスフェート、ボロンテトラフルオリド、カーボネート、ビカーボネート、オキサレート又はC1〜C8アルキルサルフェート、特にメチルサルフェート又はエチルサルフェートを意味し、アニオンはまた、ラクテート、ホルメート、アセテート、プロピオネート又は塩化亜鉛複塩などの錯アニオンも意味する。
【0017】
アニオンは、特にハライド、好ましくはクロリド又はフルオリド、サルフェート、ハイドロジェンサルフェート、メチルサルフェート、エチルサルフェート、ホスフェート、ホルメート、アセテート又はラクテートである。
【0018】
アニオンは、より特別には、フルオリド、クロリド、メチルサルフェート、エチルサルフェート、ホルメート又はアセテートである。
【0019】
好ましい式(1)のスチリルスルフィド染料は、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3が、互いに独立して水素又はC1〜C6アルコキシであり、R1、R2、R3、R'1、R'2又はR'3の少なくとも1つがC1〜C6アルコキシである化合物である。
【0020】
より好ましい式(1)のスチリルスルフィド染料は、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3が水素又はメトキシであり、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3の少なくとも1つがメトキシである化合物である。
【0021】
別の好ましい式(1)のスチリルスルフィド染料は、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3が、互いに独立して水素、-NH(CO)-C1〜C5アルキル又は-N(C1〜C5アルキル)(C1〜C5アルキル-CN)であり、R1、R2、R3、R'1、R'2又はR'3の少なくとも1つが-N(C1〜C5アルキル)(C1〜C5アルキル-CN)及び-NH(CO)-C1〜C5アルキルから選択される化合物である。
【0022】
より好ましい式(1)のスチリルスルフィド染料は、R1、R2、R3、R'1、R'2又はR'3の少なくとも1つが-N(CO)-CH3又は-N(CH3)(CH2)2-CNである化合物である。
【0023】
最も好ましいスチリルスルフィド染料は、Y1及びY2が、互いに独立してC1〜C10アルキレンである式(1)の化合物である。
【0024】
本発明の最も好ましいスチリルスルフィド染料は、
R1がR1'と同一であり;
R2がR2'と同一であり;
R3がR3'と同一であり;
XがX'と同一であり;
QがQ'と同一であり;
Y1がY2と同一である、
式(1)の化合物である。
【0025】
本発明の最も好ましいスチリルスルフィド染料は、式(2):
【化3】
【0026】
[式中、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3は式(1)と同様に定義される。]
に相当する。
【0027】
最も好ましい式(2)のスチリルスルフィド染料は、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3が水素又はメトキシであり、R1、R2、R3、R'1、R'2又はR'3の少なくとも1つがメトキシである化合物である。
【0028】
また好ましい式(2)のスチリルスルフィド染料は、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3が、互いに独立して水素、-NH(CO)-C1〜C5アルキル又は-N(C1〜C5アルキル)(C1〜C5アルキル-CN)であり、R1、R2、R3、R'1、R'2又はR'3の少なくとも1つが-NH(CO)-C1〜C5アルキルである化合物である。
【0029】
本発明の別の好ましいスチリルスルフィド染料は、式(3):
【化4】
[式中、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3並びにAn-は式(1)と同様に定義される。]
に相当する。
【0030】
最も好ましい式(3)のスチリルスルフィド染料は、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3が水素又はメトキシであり、R1、R2、R3、R'1、R'2又はR'3の少なくとも1つがメトキシである化合物である。
【0031】
別の好ましい式(3)のスチリルスルフィド染料は、R1、R2、R3、R'1、R'2及びR'3が、互いに独立して水素又は-NH(CO)-C1〜C5アルキルであり、R1、R2、R3、R'1、R'2又はR'3の少なくとも1つが-NH(CO)-C1〜C5アルキルである化合物である。
【0032】
別の好ましいスチリルスルフィド染料は、式(4):
【化5】
[式中、R1、R2、R3、R'1、R'2又はR'3は式(1)と同様に定義される。]
に相当する。
【0033】
式(1)の化合物は、そのE/E、E/Z又はZ/Z幾何異性体の形態で存在してもよい。
【0034】
本発明のスチリルスルフィド染料の例を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
本発明の別の実施形態は、式(1)の染料の調製方法に関する。
【0037】
新規ピリジニウムスチリルジスルフィドの標準の合成手順は、3つの合成ステップを含む。ジスルフィド出発原料として、シスタミン又はジチオエタノールを用いる。
【0038】
I:シスタミンを用いる合成経路(スキーム1)
ステップ1では、シスタミンのアミノ基を反応性脂肪酸誘導体により官能基化してアルキル化剤を調製する。反応性脂肪酸誘導体の例は、クロロブチリルクロリドである。ハロゲン化中間体Iへのシスタミン及びクロロブチリルクロリドの縮合は、文献の手順にしたがってアルカリ性条件下で行う。
【0039】
ステップ2は、ステップ1で調製したアルキル化剤による、反応性2-ピコリン又は4-ピコリンのアルキル化である。エタノールを溶媒として用い、反応は還流下で行う。四級化荷電ピコリン誘導体(中間体II)を得る。
【0040】
ステップ3は、適切な置換芳香族アルデヒドを用いるクネーフェナーゲル縮合である。この反応は、アルコール溶液中、第二級アミンの存在下で行う。溶媒としては、エタノール又はメタノールが好ましく、第二級アミンとしてはピロリジンが好ましい。
【0041】
全ての合成ステップを高収率で行うことができ、精製は沈殿により達成することができ、カラムクロマトグラフィーは必要ない。
【0042】
スキーム1
【化6】
【0043】
ジスチリルピリジニウムジスルフィド染料は、同様に、以下の非常に類似する反応経路(スキーム2)によりジチオエタノールから調製できる。ジチオエタノールは反応性ビス-メシレートに変換できる(ステップ1)。そのアルキル化剤を用いてピコリン誘導体を反応させる(ステップ2)。対応する荷電中間体を適切な修飾ベンズアルデヒドで処理してジスチリルピリジニウムジスルフィド染料を得る。
【0044】
スキーム2
【化7】
【0045】
本発明による式(1)の染料は、ケラチン含有繊維、羊毛、皮革、絹、セルロース又はポリアミド、綿又はナイロン、及び好ましくはヒトの毛髪などの有機材料を染色するのに適切である。得られた染色は、その色調の濃さ、並びに例えば光、シャンプー、及び摩擦に対する堅牢度などの、洗濯に対するその良好な堅牢度特性によって区別される。本発明による染料の安定性、特に貯蔵安定性は優秀である。
【0046】
一般に、合成ベースの毛髪染色剤は3つのグループ:
- 一時的染色剤、
- 半恒久的染色剤、及び
- 恒久的染色剤
に分類することができる。
【0047】
染料の色調の多様性を、その他の染料と組み合わせることによって増すことができる。
【0048】
したがって、本発明の式(1)の染料は、同じ又は他の部類の染料、特に直接染料、酸化染料、カプラー化合物並びにジアゾ化化合物又はキャップされたジアゾ化化合物の染料前駆体組み合わせ、及び/又はカチオン性反応染料、と組み合わせることができる。
【0049】
直接染料は、天然由来のものであるか、合成により調製されたものであってもよい。これらは非荷電性、カチオン性又はアニオン性、例えば酸性染料である。
【0050】
式(1)の染料は、式(1)の染料と異なる少なくとも1種の単一の直接染料と組み合わせて使用することができる。
【0051】
直接染料は、その染色効果を発揮するために酸化剤の添加を必要としない。したがって、染色結果は、恒久的染色組成物で得られたものより恒久性が劣る。したがって直接染料は好ましくは半恒久的毛髪染色用に使用される。
【0052】
直接染料の例は、「Dermatology」、Ch. Culnan、H. Maibach編、Verlag Marcel Dekker Inc.、New York、Basle、1986年、第7巻、Ch. Zviak、The Science of Hair Care、第7章、248〜250頁、及び「Europaisches Inventar der Kosmetikrohstoffe」、1996年(The European Commission発行、Bundesverband der deutschen Industrie- und Handelsunternehmen fur Arzneimittel、Reformwaren und Korperpflegemittel e.V.、Mannheimよりディスク形態で入手可能)に記載されている。
【0053】
少なくとも1種の単一の式(1)の染料との組み合わせに、特に半恒久的染色に有用であるより好ましい直接染料は、2-アミノ-3-ニトロフェノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソールサルフェート、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、2-クロロ-5-ニトロ-N-ヒドロキシエチレン-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、2,6-ジアミノ-3-((ピリジン-3イル)-アゾ)ピリジン、2-ニトロ-5-グリセリル-メチルアニリン、3-メチルアミノ-4-ニトロ-フェノキシエタノール、4-アミノ-2-ニトロジフェニレンアミン-2'-カルボキシル酸、6-ニトロ-1,2,3,4,-テトラヒドロキノキサリン、4-N-エチル-1,4-ビス(2'-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロベンゼンヒドロクロリド、1-メチル-3-ニトロ-4-(2'-ヒドロキシエチル)-アミノベンゼン、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチル-アミノフェノール、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミン-3-ニトロフェノール、ヒドロキシアントリルアミノプロピルメチル モルフリノメトサルフェート、4-ニトロフェニル-アミノエチル尿素、6-ニトロ-p-トルイジン、アシッドブルー62、アシッドブルー9、アシッドレッド35、アシッドレッド87(エオシン)、アシッドバイオレット43、アシッドイエロー1、ベーシックブルー3、ベーシックブルー6、ベーシックブルー7、ベーシックブルー9、ベーシックブルー12、ベーシックブルー26、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックレッド2、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックバイオレット14、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー9、ディスパーズブルー3、ディスパーズオレンジ3、ディスパーズレッド17、ディスパーズバイオレット1、ディスパーズバイオレット4、ディスパーズブラック9、ファーストグリーンFCF、HC ブルー2、HC ブルー7、HC ブルー8、HC ブルー12、HC オレンジ1、HC オレンジ2、HC レッド1、HC レッド10-11、HC レッド13、HC レッド16、HC レッド3、HC レッドBN、HC レッド7、HC バイオレット1、HC バイオレット2、HC イエロー2、HC イエロー5、HC イエロー5、HC イエロー6、HC イエロー7、HC イエロー9、HC イエロー12、HC レッド8、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、HC バイオレットBS、ピクラミン酸、ソルベントグリーン7である。
【0054】
さらに、式(1)の染料を、少なくとも1種のカチオン性アゾ染料、例えばGB-A-2 319 776に開示されている化合物並びにDE-A-299 12 327に記載されているオキサジン染料及びそこに挙げられている他の直接染料とのその混合物と組み合わせることができ、さらに好ましくは、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31若しくはベーシックレッド51などのカチオン染料、又はWO 01/66646、特に実施例4に記載されているカチオン染料、又はWO 02/31056に記載されているカチオン染料、特に実施例6(式106の化合物);又はEP-A-714,954に記載されている式(3)のカチオン染料、又は式(DD1):
【化8】
[式中、
R1及びR2は、互いに独立してC1〜C8アルキル又は非置換若しくは置換ベンジルであり;
R3は水素、C1〜C8アルキル、C1-C8アルコキシ、シアニド又はハライド、好ましくは水素であり、
X-はアニオンである。]
のイエローカチオン染料、好ましくは、
R1がメチルであり、R2がベンジルであり、R3が水素であり、X-がアニオンであるか、又は
R1 がベンジルであり、R2ベンジルであり、R3が水素であり、X-がアニオンであるか、又は
R1がベンジルであり、R2がメチルであり、R3が水素であり、X-がアニオンである、
式(DD1)の化合物と組み合わせることができる。
【0055】
さらに、カチオン性ニトロアニリン及びアントラキノン染料が式(1)の染料との組み合わせに有用であり、例えば、下記特許明細書:US 5 298 029、特に2欄、33行〜5欄、38行;US 5 360 930、特に2欄、38行〜5欄、49行;US 5 169 403、特に2欄、30行〜5欄、38行;US 5 256 823、特に4欄、23行〜5欄、15行;US 5 135 543、特に4欄、24行〜5欄、16行; EP-A-818 193、特に2頁、40行〜3頁、26行; US 5 486 629、特に2欄、34行〜5欄、29行;及びEP-A-758 547、特に7頁、48行〜8頁、19行に記載される染料である。
【0056】
式(1)の染料は、酸性染料、例えば国際的名称(カラーインデックス)又は商標名から公知である染料と組み合わせることもできる。
【0057】
式(1)の染料との組み合わせに有用な好ましい酸性染料は、US 6,248,314に記載されている。それらは、赤色No.120、黄色No.4、黄色No.5、赤色No.201、赤色No.227、橙色No.205、褐色No.201、赤色No.502、赤色No.503、赤色No.504、赤色No.506、橙色No.402、黄色No.402、黄色No.406、黄色No.407、赤色No.213、赤色No.214、赤色No. 3、赤色No.104、赤色No.105(1)、赤色No.106、緑色No.2、緑色No.3、橙色No.207、黄色No.202(1)、黄色No.202(2)、青色No.202、青色No.203、青色No.205、青色No.2、黄色No.203、青色No.201、緑色No.201、青色NO.1、赤色No.230(1)、赤色No.231、赤色No.232、緑色No.204、緑色No.205、赤色No.401、黄色No.403(1)、緑色No.401、緑色No.402、黒色No.401及び紫色No.401、特に黒色No.401、紫色No.401、橙色No.205を含む。
【0058】
これらの酸性染料は、単一成分として、又はそれらの組み合わせにおいて使用され得る。
【0059】
酸性染料を含む毛髪染色組成物は既知である。それらは、例えば「Dermatology」、Ch. Culnan、H. Maibach編、Verlag Marcel Dekker Inc.、New York、Basle、1986年、第7巻、Ch. Zviak、The Science of Hair Care、第7章、248〜250頁、特に253頁及び254頁に記載されている。
【0060】
酸性染料を含む毛髪染色組成物は、2〜6、好ましくは2〜5、より好ましくは2.5〜4.0のpHを有する。
【0061】
本発明による式(1)の染料はまた、酸性染料及び/又は補助剤、例えば、
-US 6,248,314、特に実施例1及び2に記載されるような酸性染料及びアルキレンカーボネート、
-特開昭61-210023号公報及び特開平7-101841号公報に記載されるような、毛髪へ良好な浸透性を有する浸透溶媒としてベンジルアルコールに代表される様々な有機溶媒類を含む酸性毛髪染色組成物、
-例えば、特開平10-87450号公報、特開平9-255540号公報及び特開平8-245348号公報に記載されたような、水溶性ポリマー等を有して毛髪染色組成物がたれるのを防止する酸性毛髪染色組成物、
-特開平10-53970号公報、特開昭48-23911号公報に記載されたような、芳香族アルコール、低級アルキレンカーボネート等の水溶性ポリマーを有する酸性毛髪染色組成物、
との組み合わせにおいても容易に使用され得る。
【0062】
式(1)の染料はまた、例えば、ニトロアニリン、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アントラキノン、インドフェノール、フェナジン、フェノチアジン、ビスピラゾロン、ビスピラゾールアザ誘導体及びメチンの群から選択される非荷電染料とも組み合わせられ得る。
【0063】
さらに、式(1)の染料はまた、酸化染料系との組み合わせで使用されてよい。
【0064】
初期状態で染料ではないが染料前駆体である酸化染料は、その化学特性によって、顕色剤及びカプラー化合物に分類される。
【0065】
適切な酸化染料は、例えば、
DE 19 959 479、特に、2欄、6行〜3欄、11行、
「Dermatology」、Ch. Culnan、H. Maibach編、Verlag Marcel Dekker Inc.、New York、Basle、1986、第7巻、Ch. Zviak、「The Science of Hair Care」、第8章、264〜267頁(oxidation dyes)
に記載されている。
【0066】
好ましい顕色剤化合物は、例えば、置換若しくは非置換ヒドロキシ若しくはアミノ残基で、パラ又はオルト位で置換されている第一級芳香族アミンであるか、又はジアミノピリジン誘導体、複素環式ヒドラゾン、4-アミノピラゾール誘導体若しくは2,4,5,6-テトラアミノピリミジン誘導体、又はDE 19 717 224、特に2頁、50〜66行及び3頁、8〜12行に記載されるような不飽和アルデヒド、又はWO 00/43367、特に2頁、27行〜8頁、24行、特に9頁、22行〜11頁、6行に記載されるようなカチオン性顕色剤化合物である。
【0067】
さらに、塩酸塩又は硫酸塩など、生理学的に適合性の酸付加塩形態の顕色剤化合物が使用できる。芳香族のOH基を有する顕色剤化合物は、アルカリ金属フェノラートなど、塩基と一緒のその塩形態でまた適切である。
【0068】
好ましい顕色剤化合物は、DE 19959479、2頁、8〜29行に記載されている。
【0069】
より好ましい顕色剤化合物は、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、p-、m-、o-アミノフェノール、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン硫酸塩、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール硫酸塩、ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリン、1-(2'-ヒドロキシエチル)-2,5-ジアミノベンゼン、2,6-ジメトキシ-3,5-ジアミノ-ピリジン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)塩酸塩、ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-メチルアミノフェノール硫酸塩、2-アミノメチル-4-アミノフェノール、4,5-ジアミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-アミノ-6-クロロ-クレゾール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン又は4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン硫酸塩である。
【0070】
好ましいカプラー化合物は、m-フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシン及びレゾルシン誘導体、ピラゾロン及びm-アミノフェノール誘導体であり、最も好ましくは、DE 19959479、1頁、33行〜3頁、11行に開示されているカプラー化合物である。
【0071】
式(1)の染料は、直接染料として使用できるDE 19 717 224(2頁、50〜66行及び3頁、8〜12行)に開示されている不飽和アルデヒドと一緒に使用することも、或いは酸化染料前駆体と一緒に使用することもできる。
【0072】
式(1)の染料と組み合わせるのにさらに好ましいものは、以下の酸化染料前駆体である:
- 赤色の色調の評価(assess)のための顕色剤/-カプラーの組み合わせ、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン及び2-メチルレゾルシン;
- 青紫色の色調の評価のためのp-トルエンジアミン及び4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン;
- 青色の色調の評価のためのp-トルエンジアミン及び2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール;
- 青色の色調の評価のためのp-トルエンジアミン及び2,4-ジアミノ-フェノキシエチノール;
- オレンジ色の色調の評価のためのメチル-4-アミノフェノール及び4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン;
- 緑褐色の色調の評価のためのp-トルエンジアミン及びレゾルシン;
- 青紫色の色調の評価のためのp-トルエンジアミン及び1-ナフトール、又は
- 茶金色の色調の評価のためのp-トルエンジアミン及び2-メチルレゾルシン。
【0073】
さらに、自動酸化性化合物を、式(1)の染料と組み合わせて使用することができる。
【0074】
自動酸化性化合物は、芳香族環中に2つを超える置換基を有する芳香族化合物であり、非常に低い酸化還元電位を有し、したがって空気に曝露されると酸化される。これらの化合物によって得られる染色は、非常に安定的で、シャンプーに対して耐性がある。
【0075】
自動酸化性化合物は、例えばベンゼン、インドール又はインドリン、特にWO 99/202345(特に26頁、10行〜28頁、15行)又はWO 00/28957、2頁、3段落に記載されるような5,6-ジヒドロキシインドール又は5,6-ジヒドロキシインドリン誘導体である。
【0076】
好ましい自動酸化性ベンゼン誘導体は、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、1-メチル-2,4,5-トリヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-4-メチルアミノフェノール、2,5-ジアミノ-4-メチル-フェノール、2,6-ジアミノ-4-ジエチルアミノフェノール、2,6-ジアミノ-1,4-ジヒドロキシベンゼン及び酸を用いて得られ得るこれらの化合物の塩である。
【0077】
好ましい自動酸化性インドール誘導体は、5,6-ジヒドロキシインドール、2-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、3-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、1-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、2,3-ジメチル-5,6-ジヒドロキシインドール、5-メトキシ-6-ジヒドロキシインドール、5-アセトキシ-6-ヒドロキシインドール、5,6-ジアセトキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸及び酸を用いて得られ得るこれらの化合物の塩である。
【0078】
式(1)の染料はまた、へナレッド(henna red)、ヘナニュートラル(henna neutral)、ヘナブラック(henna black)、カモミールブラッサム(camomile blossom)、サンダルウッド(sandalwood)、ブラックティー(black tea)、ラムヌスフラングラバーク(Rhamnus frangula bark)、セージ(sage)、カンペチェウッド(campeche wood)、マッダールート(madder root)、カテキュー(catechu)、セドレ(sedre)及びアルカネットルート(alkanet root)などの天然に存在する染料と組み合わせて使用してもよい。かかる染色は、例えばEP-A-404 868、特に3頁、55行〜4頁、9行に記載されている。
【0079】
さらに、式(1)の染料はまた、キャップされたジアゾ化化合物との組み合わせで使用されてよい。
【0080】
適切なジアゾ化化合物は、例えば、WO 2004/019897(架橋ゲージ(bridging gages)1及び2)における式(1)〜(4)の化合物、及び同参考文献に開示されている、相当する水溶性のカップリング成分(I)〜(IV)である。
【0081】
本発明による式(1)の染料との組み合わせにとって有用である、さらに好ましい染料又は染料の組み合わせは、
(DC-01):WO 95/01772、少なくとも2種のカチオン染料の混合物が、特に2頁、7行〜4頁、1行、好ましくは4頁、35行〜8頁、21行に、配合物が、11頁、最終セクション〜28頁、19行に、記載されている。
【0082】
(DC-02):US 6,843,256、カチオン染料が、特に式(1)、(2)、(3)、及び(4)の化合物(1欄、27行〜3欄、20行に、及び好ましくは実施例1〜4において調製される化合物(10欄、42行〜13欄、37行に、配合物が、13欄、38行〜15欄、8行に開示されている。
【0083】
(DC-03):EP 970 685、直接染料が、特に2頁、44行〜9頁、56行、好ましくは9頁、58行〜48頁、12行に、ケラチン含有繊維の染色のための方法が、特に50頁、15行〜43行に、配合物が、50頁、46行〜51頁、40行に記載されている。
【0084】
(DC-04):DE-A-19 713 698、直接染料が、特に2頁、61行〜3頁、43行に、配合物が、5頁、26行〜60行に記載されている。
【0085】
(DC-05):US 6,368,360、直接染料(4欄、1行〜6欄、31行)及び酸化剤(6欄、37行〜39行)が開示され、配合物が、7欄、47行〜9欄、4行に開示されている。
【0086】
(DC-06):EP 1 166 752、カチオン染料(3頁、22行〜4頁、15行)及びアニオン性UV吸収剤(4頁、27行〜30行)が、開示され、配合物が、7頁、50行〜9頁、56行に開示されている。
【0087】
(DC-07):EP 998,908、カチオン性直接染料及びピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジンを含む、酸化染色(2頁、48行〜4頁、1行)が、開示され、染色配合物が、47頁、25行〜50頁、29行に開示されている。
【0088】
(DC-08):FR-2788432、カチオン染料のArianorとの組み合わせが、特に53頁、1行〜63頁、23行、さらに特に51〜52頁に、最も特にベーシックブラウン17、ベーシックブラウン16、ベーシックレッド76及びベーシックレッド118、並びに/若しくは少なくとも1種のベーシックイエロー57、並びに/若しくは少なくとも1種のベーシックブルー99;又はarianor及び/若しくは酸化性染料の組み合わせが、特に2頁、16行〜3頁、16行に、染色配合物が、53頁、1行〜63頁、23行に開示されている。
【0089】
(DC-09):DE-A-19 713 698、直接染料と、酸化剤、酸化染料、及び直接染料を含むパーマネントウェーブ定着剤との組み合わせが、特に4頁、65行〜5頁、59行に開示されている。
【0090】
(DC-10):EP 850 638、顕色剤化合物及び酸化剤が、特に2頁、27行〜7頁、46行、好ましくは7頁、20行〜9頁、26行に、染色配合物が、2頁、3行〜12行、及び30行から14頁、並びに28頁、35行〜30頁、20行、好ましくは30頁、25行〜32頁、30行に開示されている。
【0091】
(DC-11):US 6,190,421、1種以上の酸化染料前駆体及び場合によって1種以上のカプラーを含有する組成物(A)の即時調合物、有機粉状賦形剤及び/又は無機粉状賦形剤中に、場合によって分散される、1種以上の直接染料を含有する、粉末形態の組成物(B)の即時調合物(5欄、40行〜7欄、14行)、並びに1種以上の酸化剤を含有する組成物(C)が開示され、配合物が、8欄、60行〜9欄、56行に開示されている。
【0092】
(DC-12):US 6,228,129、少なくとも1種の酸化塩基、少なくとも1種のカチオン性直接染料、及び2電子の酸化還元酵素型の少なくとも1種の酵素を、前記酵素のための少なくとも1種の供与体の存在下で含む、使用準備済み組成物が、特に、8欄、17行〜13欄、65行に、染色配合物が、2欄、16行〜25欄、55行に、多区画染色デバイスが、26欄、13行〜24行に記載されている。
【0093】
(DC-13):WO 99/20235、カチオン性直接染料及びニトロベンゼン直接染料を有する、少なくとも1種のカチオン染料及び少なくとも1種のニトロ化ベンゼン染料の組成物が、2頁、1行〜7頁、9行、及び39頁、1行〜40頁、11行、好ましくは8頁、12行〜25頁、6行、26頁、7行〜30頁、15行;1頁、25行〜8頁、5行、30頁、17行〜34頁、25行、8頁、12行〜25頁、6行、35頁、21行〜27行、特に、36頁、1行〜37頁に記載されている。
【0094】
(DC-14):WO 99/20234、少なくとも1種の直接カチオン染料及び少なくとも1種の自己酸化性染料、特にベンゼン、インドール、及びインドール誘導体を含む組成物が、記載され、好ましくは直接染料が、2頁、19行〜26頁、4行に記載され、自己酸化性染料が、特に、26頁、10行、28頁、15行に開示され、染色配合物が、特に、34頁、5行〜35頁、18行に記載されている。
【0095】
(DC-15):EP 850 636、少なくとも1種の直接染料及びカプラー成分として少なくとも1種のメタ-アミノフェノール誘導体及び少なくとも1種の顕色剤化合物及び酸化剤を含む、酸化染色組成物が、特に、5頁、41行〜7頁、52行に、染色配合物が、19頁、50行〜22頁、12行に開示されている。
【0096】
(DC-16):EP-A-850 637号、パラ-フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミン、及びそれらの酸付加塩から選択される少なくとも1種の酸化塩基、メタ-ジフェノール及びその酸付加塩から選択される少なくとも1種のカプラー、少なくとも1種のカチオン性直接染料、並びに少なくとも1種の酸化剤を含む、酸化染色組成物が、特に、6頁、50行〜8頁、44行に、染色配合物が、21頁、30行〜22頁、57行に開示されている。
【0097】
(DC-17):WO 99/48856、カチオン性カプラーを含む、酸化染色組成物が、特に、9頁、16行〜13頁、8行及び11頁、20行〜12頁、13行に、染色配合物が、36頁、7行〜39頁、24行に開示されている。
【0098】
(DC-18):DE 197 172 24、不飽和アルデヒド並びにカプラー化合物並びに一級及びニ級アミノ基化合物、窒素含有複素環式化合物、アミノ酸、オリゴペプチド、芳香族ヒドロキシ化合物、並びに/又は少なくとも1種のCH-活性化合物を含む、染色剤が、3頁、42行〜5頁、25行に、染色配合物が、8頁、25行〜9頁、61行に開示されている。
【0099】
上の参考文献(DC-01〜DC-18)中で開示されている染料の組み合わせにおいて、本発明による式(1)の染料は、染料の組み合わせ若しくは染色配合物に加えられてよいか、又は式(1)の少なくとも1種の染料で置き換えられてよい。
【0100】
毛髪染色配合物は、少なくとも
(a)0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜4重量%、より特別には0.2〜3重量%の少なくとも1種の式(1)の染料;
(b)1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の溶媒;
(c)0.01〜20重量%の補助剤
を含む。
【0101】
配合物は、様々な技術的形態でケラチン含有繊維、好ましくはヒトの毛髪に適用することができる。
【0102】
配合物の技術的形態は、例えば溶液、特に濃厚化した水溶液若しくは水性アルコール溶液、クリーム、フォーム、シャンプー、粉末、ゲル又は乳液である。
【0103】
慣行的に、染色組成物は、50〜100gの量でケラチン含有繊維に適用する。
【0104】
本発明の染色組成物は、25〜200℃、好ましくは18〜80℃、最も好ましくは20〜40℃の温度範囲で毛髪に適用する。
【0105】
好ましい配合物の形態は、レディーツーユース(ready-to-use)組成物又はマルチコンパートメント型染色デバイス若しくは「キット」、或いは例えばUS 6,190,421、2欄、16〜31行に記載されているようなコンパートメントを備えたマルチコンパートメント型パッケージシステムのいずれかである。
【0106】
式(1)の染料を含む配合物をケラチン含有繊維、好ましくは毛髪に適用する1つの好ましい方法は、例えばWO 97/20545の4頁、19〜27行に記載されているようなマルチコンパートメント型染色デバイス若しくは「キット」又は他の任意のマルチコンパートメント型パッケージシステムの使用によるものである。
【0107】
第1のコンパートメントは、例えば少なくとも1種の式(1)の染料、場合によってさらなる直接染料及び塩基性化剤を含み、第2のコンパートメントには酸化剤を含む;又は第1のコンパートメントに少なくとも1種の式(1)の染料及び場合によってさらなる直接染料を含み、第2のコンパートメントに塩基性化剤を含み、第3のコンパートメントには酸化剤を含む。
【0108】
レディーツーユース染色組成物のpH値は通常2〜11、好ましくは5〜10である。
【0109】
好ましくは、還元に対して安定でない染色組成物は、染色プロセスの直前に、酸化剤を含有しない組成物を用いて調製される。
【0110】
染料の適切な配合物は、式(1)の染料が粉末形態であるものである。
【0111】
例えばDE 197 13 698、2頁、26〜54行及び3頁、51行〜4頁、25行及び4頁、41行〜5頁、59行に記載されているような安定性及び/又は溶解性の問題が起こる場合、粉末配合物を使用することが好ましい。
【0112】
適切な化粧用ヘアケア配合物は、ヘアトリートメント調製物、例えばシャンプー及びコンディショナーの形態の洗髪用調製物、ヘアケア調製物、例えばプレトリートメント調製物又はリーブオン製品(leave-on product)、例えばスプレー、クリーム、ゲル、ローション、ムース及び油、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、インテンシブヘアトリートメント、ヘアストラクチャリング調製物、例えばパーマネントウェーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)用ヘアウェービング調製物、ヘアストレートニング調製物、リキッドヘアセッティング調製物、ヘアフォーム、ヘアスプレー、脱色用調製物、例えば過酸化水素液、ライトニングシャンプー、脱色用クリーム、脱色用粉末、脱色用ペースト又は油、一時的、半恒久的若しくは恒久的毛髪着色剤、自己酸化性染料を含む調製物、或いはヘナ又はカモミールなどの天然毛髪着色剤である。
【0113】
ヒトの毛髪に使用するために、染色組成物は通常、水性の化粧用担体に混ぜ込むことができる。適切な水性化粧用担体には、例えばW/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPIT型乳剤及びあらゆる種類のマイクロエマルション、クリーム、スプレー、乳液、ゲル、粉末が含まれ、また、界面活性剤含有発泡性溶液、例えばシャンプー又はケラチン含有繊維に使用するのに適した他の調製物も含まれる。そうした使用形態は、Research Disclosure 42448(1999年8月)に詳細に記載されている。必要なら、染色組成物を、例えばUS 3,369,970、特に1欄、70行〜3欄、55行に記載されているような無水担体中に混ぜ込むことも可能である。染色組成物は、DE-A-3 829 870に記載されている染色用のくし又は染色用ブラシを用いた染色法にも非常に適している。
【0114】
水性担体の構成物質は、慣行的な量で染色組成物中に存在する。例えば、乳化剤は、染色組成物中に、染色組成物全体の0.5〜30重量%の濃度で、増粘剤は0.1〜25重量%の濃度で存在することができる。
【0115】
染色組成物用のさらなる担体は、例えば「Dermatology」、Ch. Culnan、H. Maibach編、Verlag Marcel Dekker Inc.、New York、Basle、1986年、第7巻、Ch. Zviak、The Science of Hair Care、第7章、248〜250頁、特に243頁、1行〜244頁、12行に記載されている。
【0116】
シャンプーは、例えば以下の組成:
0.01〜5重量%の式(1)の染料;
8重量%のPEG-5ラウリルクエン酸スルホコハク酸二ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム;
20重量%のココアンホ酢酸ナトリウム;
0.5重量%のメトキシPEG/PPG-7/3アミノプロピルジメチコン;
0.3重量%のヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;
2.5重量%のPEG-200水素化グリセリルパルメート、PEG-7グリセリルココエート;
0.5重量%のPEG-150ジステアレート;
2.2重量%のクエン酸;
香料、防腐剤;及び、
100重量%までの水
を有する。
【0117】
式(1)の染料は、液体〜ペースト様の調製物(水性又は非水性)で、又は乾燥粉末の形態で貯蔵することができる。
【0118】
染料及び補助剤が液体調製物中に一緒に貯蔵される場合、化合物の反応を減らすために、該調製物は実質的に無水であるべきである。
【0119】
染色組成物は、界面活性剤、溶媒、塩基、酸、香料、ポリマー助剤、増粘剤及び光安定剤のようなそうした調製物に公知の任意の活性成分、添加剤又は補助剤を含むことができる。
【0120】
以下の補助剤が、好ましくは、本発明の毛髪染色組成物に使用される:
-非イオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー及びポリシロキサン;
-カチオン性ポリマー、例えば、四級化セルロースエーテル、四級基を有するポリシロキサン、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドポリマー、Merquat(登録商標)280の名で市販されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸のコポリマー、毛髪染色におけるその使用は、例えば、DE-A-4 421 031、特に2頁、20〜49行又はEP-A-953 334に記載されている;
-アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチル-サルフェート-四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー;
-四級化ポリビニルアルコール;
-双性イオン性及び両親媒性ポリマー、例えば、アクリルアミド-プロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー及びオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー;
-アニオン性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/エチルアクリレート/N-tert-ブチルアクリルアミドターポリマー;
-増粘剤、例えば、寒天、グアーガム、アルギネート、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーン粉、アマニゴム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、デンプン断片及び誘導体、例えば、アミロース、アミロペクチン及びデキストリン、クレー、例えば、ベントナイト又は完全合成ヒドロコロイド、例えば、ポリビニルアルコール;
-構造化剤、例えば、グルコース及びマレイン酸;
-毛髪コンディショニング化合物、例えば、リン脂質、例えば、大豆レシチン、卵レシチン及びセファリン、シリコーンオイル、及びまたコンディショニング化合物、例えば、DE-A-19 729 080、特に2頁、20〜49行、EP-A-834 303、特に2頁、18行〜3頁、2行、又はEP-A-312 343、特に2頁、59行〜3頁、11行に記載されているもの;
-タンパク質水解物、特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質及び小麦タンパク質水解物、脂肪酸とのそれらの縮合生成物並びに四級化タンパク質水解物;
-香油、ジメチルイソソルビトール及びシクロデキストリン;
-可溶化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びジエチレングリコール;
-ふけ止め有効成分、例えば、ピロクトン、オラミン及びジンクオマジン(zinc Omadine)、
-pH値を調節するための物質、
-パンテノール、パントテン酸、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、植物抽出物及びビタミン、
-コレステロール、
-下記表に列挙する光安定剤及びUV吸収剤
【表2】
【0121】
さらに、以下の組み合わせが染色組成物に使用され得る:
- 例えば、WO 01/36396、特に1頁、20行〜2頁、24行、好ましくは3〜5頁、26〜37頁に記載されるようなカチオン性ベンゾトリアゾールUV吸収剤、
- WO 01/36396、特に11頁、14行〜18頁に記載されるような抗酸化剤との組み合わせのカチオン性ベンゾトリアゾールUV吸収剤;
- US 5 922 310、特に2欄、1〜3行に記載されるような抗酸化剤との組み合わせのUV吸収剤;
- US 4 786 493、特に1欄、42行〜2欄、7行、好ましくは3欄、43行〜5欄、20行に記載されるような抗酸化剤との組み合わせのUV吸収剤;
- US 5 830 441、特に4欄、53〜56行に記載されるようなUV吸収剤の組み合わせ;
- WO 01/36396、特に11頁、9〜13行に記載されるようなUV吸収剤の組み合わせ;
- WO 98/22447、特に1頁、23行〜2頁、4行、好ましくは2頁、11行〜3頁、15行、最も好ましくは6〜7頁及び12〜16頁に記載されるようなトリアジン誘導体。
【0122】
適切な化粧品調製物は、通常、組成物の全重量に対して0.05〜40重量%、好ましくは0.1〜20重量%の1種以上のUV吸収剤を含有し得る。
【0123】
- 稠度調節剤、例えば糖エステル、ポリオールエステル又はポリオールアルキルエーテル;
- 脂肪及びワックス、例えば鯨ワックス、蜜ワックス、モンタンワックス、パラフィン、脂肪アルコール及び脂肪酸エステル;
- 脂肪族アルカノールアミド;
- 150〜50000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、EP-A-801 942、特に3頁、44〜55行に記載されているもの;
- 錯化剤、例えばEDTA、NTA及びホスホン酸;
- 膨潤及び浸透物質、例えばEP-A-962 219、特に27頁、18〜38行で広く挙げられているポリオール及びポリオールエーテル、例えばグリセロール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチルグリコール、ベンジルアルコール、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、尿素及びまた、第一級、第二級及び第三級ホスフェート、イミダゾール、タンニン、ピロール;
- 不透明化剤、例えばラテックス;
- 真珠光沢剤、例えばエチレングリコールモノ及びジステアレート;
- 推進剤、例えば、プロパン−ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2及び空気;
- 抗酸化剤;好ましくは、ip.comに開示されるようなフェノール系抗酸化剤及び障害性ニトロキシル化合物(IPCOM # 000033153D);
- EP-A-970 687に記載されるような糖含有ポリマー;
- WO 00/10517に記載されるような四級アンモニウム塩;
- グラム陽性菌に対して特定の作用を有する防腐剤等の抗菌剤、例えば、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4'-トリクロロカルバニリド)。多数の芳香族物質及びエーテルオイルがまた、抗菌特性を有する。典型例は、チョウジ油、ミント油及びタイム油中の活性成分、オイゲノール、メントール及びチモールである。興味深い天然消臭剤は、ライム花のオイル中に存在するテルペンアルコールファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエノ-1-オール)である。グリセロールモノラウレートもまた、静菌剤であることが分かっている。更なる抗菌剤の存在量は、通常、調製物の固形分に対して0.1〜2重量%である。
【0124】
染色組成物は、一般に少なくとも1種の界面活性剤を含む。適切な界面活性剤は、双性イオン若しくは両性、又はより好ましくはアニオン性、非イオン性及び/又はカチオン性の界面活性剤である。
【0125】
染色組成物において適切なアニオン性界面活性剤には、人体上で使用するのに適したすべてのアニオン性表面活性物質が含まれる。そうした物質は、水溶性を付与するアニオン基、例えばカルボキシレート、サルフェート、スルホネート又はホスフェート基及び約10〜22個の炭素原子を有する親油性アルキル基を特徴とする。さらに、グリコール若しくはポリグリコールエーテル基、エステル、エーテル及びアミド基、またヒドロキシ基も分子中に存在することができる。以下は、それぞれ、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウム塩又はアルカノール基中に2若しくは3個の炭素原子を有するモノ-、ジ-若しくはトリ-アルカノールアンモニウム塩の形態である適切なアニオン性界面活性剤の例である:
- 10〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪酸(せっけん)、
- 式R-O-(CH2-CH2-O)x-CH2-COOH(Rは10〜22個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、x=0又は1〜16である)のエーテルカルボン酸、
- アシル基中に10〜18個の炭素原子を有するアシルサルコシド、
- アシル基中に10〜18個の炭素原子を有するアシルタウリド、
- アシル基中に10〜18個の炭素原子を有するアシルイソチオネート、
- アルキル基中に8〜18個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノ-及びジ-アルキルエステル、並びにアルキル基中に8〜18個の炭素原子を有し、1〜6個のオキシエチル基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
- 12〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカンスルホネート、
- 12〜18個の炭素原子を有する直鎖α-オレフィンスルホネート、
- 12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のα-スルホ脂肪酸メチルエステル、
- 式R'-O(CH2-CH2-O)x'-SO3H(R'は好ましくは10〜18個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、x'=0又は1〜12である)のアルキルサルフェート及びアルキルポリグリコールエーテルサルフェート、
- DE-A-3 725 030による表面活性ヒドロキシスルホネートの混合物、
- DE-A-3 723 354、特に4頁、42〜62行による硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレン及び/又はヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル、
- DE-A-3 926 344、特に2頁、36〜54行による12〜24個の炭素原子及び1〜6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート、
- 約2〜15個の分子のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと8〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールの付加生成物であるアルコールと、酒石酸及びクエン酸とのエステル、又は
- WO 00/10518、特に45頁、11行〜48頁、3行に記載されているアニオン性界面活性剤。
【0126】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル基中に10〜18個の炭素原子を有し、分子中に最大で12個のグリコールエーテル基を有するアルキルサルフェート、アルキルポリグリコールエーテルサルフェート及びエーテルカルボン酸であり、また特に、飽和及び特に不飽和のC8〜C22カルボン酸、例えばオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びパルミチン酸の塩である。
【0127】
その分子中に少なくとも1つの四級アンモニウム基及び少なくとも1つの-COO-又は-SO3-基を担持する表面活性化合物は、末端双性イオン界面活性剤である。好ましいのは、いわゆるベタイン、例えばN-アルキルN,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(アルキル又はアシル基中に8〜18個の炭素原子を有する)であり、また、ココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン界面活性剤は、CTFA名称ココアミドプロピルベタインで公知の脂肪酸アミド誘導体である。
【0128】
両性界面活性剤は、C8〜C18-アルキル又は-アシル基に加えて、その分子中に少なくとも1個の遊離アミノ基及び少なくとも1個の-COOH又は-SO3H基を含み、内部塩を形成できる表面活性化合物である。適切な両性界面活性剤の例には、それぞれアルキル基中に約8〜18個の炭素原子を有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸が含まれる。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びC12〜C18アシルサルコシンである。
【0129】
適切な非イオン性界面活性剤は、WO 00/10519、特に45頁、11行〜50頁、12行に記載されている。非イオン性界面活性剤は親水基として、例えばポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基又はポリオール基とポリグリコールエーテル基の組み合わせを含む。そうした化合物は、例えば:
- 2〜30molのエチレンオキシド及び/又は0〜5molのプロピレンオキシドと、8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪族アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸及びアルキル基中に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、
- 1〜30molのエチレンオキシドとグリセロールの付加生成物のC12〜C22脂肪酸モノ-及びジ-エステル、
- C8〜C22アルキル-モノ-及び-オリゴ-グリコシド並びにそのエトキシ化類似体、
- 5〜60molのエチレンオキシドとヒマシ油及び水素化ヒマシ油の付加生成物、
- エチレンオキシドとソルビタン脂肪酸エステルの付加生成物、
- エチレンオキシドと脂肪酸アルカノールアミドの付加生成物
である。
【0130】
エチレン及び/もしくはプロピレンオキシドと脂肪族アルコールの付加生成物又はそうした付加生成物の誘導体である界面活性剤は、「正常な」同族体分布を有する生成物又は制限された同族体分布を有する生成物のいずれかであってよい。「正常な」同族体分布は、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属アルコレートを用いた脂肪族アルコールとアルキレンオキシドの反応で得られる同族体の混合物である。他方、制限された同族体分布は、例えばハイドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ金属の酸化物、水酸化物又はアルコレートを触媒として使用した場合に得られる。
【0131】
制限された同族体分布を有する生成物の使用が好ましい場合がある。
【0132】
染色組成物に使用できるカチオン性界面活性剤の例は、特に四級アンモニウム化合物である。好ましいものは、アンモニウムハライド、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。使用できるさらなるカチオン性界面活性剤は四級化タンパク質加水分解物である。
【0133】
やはり適切なものは、カチオン性シリコーン油、例えば市販されている製品Q2-7224(製造メーカー:Dow Corning;安定化されたトリメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning 929エマルション(アモジメチコンとも称されるヒドロキシルアミノ改質シリコーンを含む)、SM-2059(製造メーカー:General Electric)、SLM-55067(製造メーカー:Wacker)であり、またAbil(登録商標)-Quat 3270及び3272(製造メーカー:Th. Goldschmidt;ジ四級(diquaternary)ポリジメチルシロキサン、クオタニウム-80)、又はWO00/12057、特にp.45、l.9〜p.55、l.2に記載されているシリコーンである。
【0134】
アルキルアミドアミン、特に脂肪酸アミドアミン、例えばTego Amid(登録商標)18という名称で得られるステアリルアミドプロピルジメチルアミンもやはり、本発明の染色組成物における界面活性剤として好ましい。これらは、良好な調整作用だけでなく、また特にその良好な生分解性において優れている。
【0135】
四級エステル化合物、いわゆる「エステルクワット(esterquat)」、例えば商標名ステップantex(登録商標)で市販されているメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトサルフェートもやはり非常に簡単に生分解されるものである。
【0136】
カチオン性界面活性剤として使用できる四級糖誘導体の例は、CTFA名「ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジアンモニウムクロリド」による市販製品Glucquat(登録商標)100である。
【0137】
界面活性剤として使用されるアルキル基含有化合物は単一の物質であってよいが、植物又は動物由来の天然原材料の使用は一般にそうした物質の調製において好ましく、それによって、得られる物質の混合物は、使用する具体的な出発原料によって異なるアルキル鎖長をもつ結果となる。
【0138】
ケラチン含有繊維は、好ましくは、還元剤の存在下で、式(1)のスチリルスルフィド染料で処理される。
【0139】
好ましい還元剤は、例えばチオグリコール酸又はその塩、グリセリンモノチオグリコレート、システイン、ホモシステイン、2-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトエチルアミン、チオ乳酸及びその塩、チオグリセリン、亜硫酸ナトリウム、ジチオナイト、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ヒドロキノン又はホスファイトである。
【0140】
好ましい方法は、
a. ケラチン含有繊維を式(1)の化合物で処理するステップと、
b. 染色した毛髪を所望の期間身につけるステップと、
c. その毛髪を、染料分子と毛髪繊維表面の間の-S-S-結合を切断して染料分子をその毛髪繊維から解離させることができる還元剤を含む水性ベースの脱色組成物と接触させることによって、ステップa.で施された色を毛髪から除去するステップと
である。
【0141】
別の好ましい方法は、
a. 還元剤、
b. 少なくとも1種の単一の上記式(1)のスチリルスルフィド染料、及び場合によって
c. 酸化剤
で毛髪を処理することである。
【0142】
反応ステップの順番は一般に重要ではなく、還元剤は最初又は最後のステップで適用できる。
【0143】
a1) 少なくとも1種の単一の式(1)の染料で、
b1) その後、還元剤で
毛髪を処理するステップを含む方法か、又は
a2) 還元剤で、
b2) その後、少なくとも1種の単一の上記式(1)のスルフィド染料で
毛髪を処理するステップを含む方法が好ましい。
【0144】
a) 還元剤で、
b) その後、少なくとも1種の単一の式(1)の染料で、
c) その後、酸化剤で
毛髪を処理するステップを含む別の方法も好ましい。
【0145】
別の方法は、
a) 少なくとも1種の単一の式(1)の染料と、
b) その後、還元剤と、
c) その後、酸化剤と
毛髪を接触させるステップを含む。
【0146】
通常、酸化剤は酸又は塩基と一緒に適用する。
【0147】
酸は、例えばクエン酸、リン酸又は酒石酸である。
【0148】
塩基は、例えば水酸化ナトリウム、アンモニア又はモノエタノールアミンである。
【0149】
式(1)の染料は、毛髪の全体を染色する、すなわち、毛髪を最初に染色するのにも、また続いて再染色するか又は毛髪の房(lock)若しくは一部を染色するのにも適している。
【0150】
式(1)の染料は、例えば、手によるもみほぐし、くし、ブラシ若しくは瓶、又はくし若しくはノズルと組み合わせた瓶で毛髪に適用される。
【0151】
染色方法において、染色を別の染料の存在下で行うかどうかは得られる色合いによって決まる。
【0152】
さらに好ましいのは、ケラチン含有繊維を、少なくとも1種の式(1)の染料、塩基及び酸化剤で処理することを含むケラチン含有繊維を染色するための方法である。
【0153】
酸化染色法は通常ライトニング、すなわち、ケラチン含有繊維に塩基性のpHで塩基と水性過酸化水素溶液の混合物を適用し、適用された混合物を毛髪上で静置し、次いで毛髪をすすぐことを含む。これは、特に毛髪染色の場合、メラニンの色を薄くし(ライトニング)、毛髪が染色されるようにする。
【0154】
メラニンのライトニングは、白髪の場合にまとまった染色をもたらし、また、天然着色毛髪の場合に色を引き出す、すなわちよりはっきり見えるようにするのに有利な効果を有する。
【0155】
一般に、酸化剤含有組成物は通常30〜200gの量で、15〜45℃で0〜15分間、特に0〜5分間繊維上に置いた状態にする。
【0156】
酸化剤は、例えば過硫酸塩又は希釈された過酸化水素溶液、過酸化水素エマルション又は過酸化水素ゲル、アルカリ土類金属過酸化物、有機過酸化物、例えば尿素過酸化物、メラミン過酸化物であるか、又は半恒久的な直接毛髪染料をベースとしたシェーディングパウダーを使用する場合、アルカリ金属ブロメート固着液も適切である。
【0157】
さらなる好ましい酸化剤は、
- WO 97/20545、特に9頁、5〜9行に記載されるような、ライトニング着色を得るための酸化剤、
- DE 19 713 698、特に4頁、52〜55行並びに60及び61行又はEP-A-1062940、特に6頁、41〜47行(及び対応するWO 99/40895)に記載されるような、パーマネントウェーブ固着液の形態の酸化剤
である。
【0158】
最も好ましい酸化剤は過酸化水素であり、好ましくは、対応する組成物に対して約2〜30重量%、より好ましくは約3〜20重量%、最も好ましくは6〜12重量%の濃度で使用する。
【0159】
酸化剤は、染色組成物全体に対して、好ましくは0.01%〜6%、特に0.01%〜1%の量で本発明による染色組成物中に存在してよい。
【0160】
一般に、酸化剤を用いた染色は塩基、例えばアンモニア、アルカリ金属炭酸塩、土類金属(カリウム又はリチウム)炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-若しくはトリエタノールアミン、アルカリ金属(ナトリウム)水酸化物、土類金属水酸化物又は次式
【化9】
【0161】
[式中、
Rは、OH又はC1〜C4アルキルで置換されていてよいプロピレン残基であり、
R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して又は依存して、水素、C1〜C4アルキル又はヒドロキシ-(C1〜C4)アルキルである。]
の化合物の存在下で実施される。
【0162】
酸化剤含有組成物のpH値は通常約2〜7、特に約2〜5である。
【0163】
式(1)の染料を含む配合物をケラチン含有繊維、好ましくは毛髪に適用する1つの好ましい方法は、例えばWO 97/20545の4頁、19〜27行に記載されるようなマルチコンパートメント型染色デバイス若しくは「キット」又は他の任意のマルチコンパートメント型パッケージシステムの使用によるものである。
【0164】
第1のコンパートメントは、例えば少なくとも1種の式(1)の染料、場合によってさらなる直接染料及び塩基性化剤を含み、第2のコンパートメントには酸化剤を含む;又は第1のコンパートメントに少なくとも1種の式(1)の染料及び場合によってさらなる直接染料を含み、第2のコンパートメントに塩基性化剤を含み、第3のコンパートメントには酸化剤を含む。
【0165】
一般に、毛髪は染色溶液及び/又はパーマネントウェーブ液による処理後にすすぐ。
【0166】
酸化染料で毛髪を染色するさらなる好ましい方法は、
a. 少なくとも1種の式(1)の染料、場合によって少なくとも1種のカプラー化合物、少なくとも1種の顕色剤化合物及び酸化剤(場合によって少なくとも1種のさらなる染料を含む)を混合するステップと、
b. ケラチン含有繊維をステップa.で調製した混合物と接触させるステップと
を含む。
【0167】
酸化剤を含まない組成物のpH値は通常3〜11、特に5〜10、最も特別には約9〜10である。
【0168】
好ましくは、レディーツーユース組成物は、第1の好ましい実施形態にしたがって、一方で、染色するのに適した媒体中に特にパラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン及びその酸付加塩から選択される少なくとも1種の顕色剤化合物、特にメタ-フェニレンジアミン及びその酸付加塩から選択される少なくとも1種のカプラー、並びに、少なくとも1種の式(1)の染料を含む組成物(A)と、他方で、染色するのに適した媒体中に少なくとも1種の酸化剤を含む組成物(B)を別個に貯蔵するステップと、この混合物をケラチン含有繊維に適用する直前に(A)と(B)を一緒に混合するステップとを含む予備的ステップを含む方法によって、調製する。
【0169】
レディーツーユース染色組成物の調製のための第2の好ましい実施形態によれば、その方法は、一方で、染色するのに適した媒体中に特にパラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン及びその酸付加塩から選択される少なくとも1種の顕色剤化合物、特にメタ-フェニレンジアミン及びその酸付加塩から選択される少なくとも1種のカプラー化合物を含む組成物(A);他方で、染色するのに適した媒体中に少なくとも1種の式(1)の染料を含む組成物(A')、最後に、染色するのに適した媒体中に上記で定義した少なくとも1種の酸化剤を含む組成物(B)を別個に貯蔵するステップと、これらを使用時に、この混合物をケラチン含有繊維に適用する直前に一緒に混合するステップとを含む予備的ステップを含む。
【0170】
この第2の実施形態にしたがって用いられる組成物(A')は、場合によって粉末形態であってよく、この場合、式(1)の染料(それら自体)が、組成物(A')のすべてを構成しているか又は場合によって有機及び/又は無機性の微粉状賦形剤中に分散されている。
【0171】
組成物A'中に存在する場合、有機賦形剤は合成のものであっても天然由来であってもよく、特に架橋型及び非架橋型合成ポリマー、多糖類、例えばセルロース及び加工又は非加工デンプン、並びに天然産物、例えばおがくず(sawdust)及び植物性ゴム(グアーガム、イナゴマメガム、キサンタンガム等)から選択される。
【0172】
組成物(A')中に存在する場合、無機賦形剤は、金属酸化物、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、カオリン、タルク、ケイ酸塩、雲母及びシリカを含むことができる。
【0173】
本発明による染色組成物において非常に適切な賦形剤はおがくずである。
【0174】
粉末組成物(A')は、組成物(A')の全重量に対して好ましくは約3重量%を超えない量で、結合剤又はコーティング産物を含むこともできる。これらの結合剤は好ましくは、無機、合成、動物又は植物由来の油及び液体脂肪性物質から選択される。
【0175】
さらに、ケラチン含有繊維を、式(1)の染料で、自動酸化性化合物及び場合によってさらなる染料と一緒に染色する方法が好ましい。
【0176】
さらに、ケラチン含有繊維を、式(1)の染料及びキャップされたジアゾ化化合物で染色する方法であって、
a. ケラチン含有繊維を、アルカリ性条件下、少なくとも1種のキャップされたジアゾ化化合物及びカプラー化合物、場合によって顕色剤化合物及び場合によって酸化剤で、場合によってさらなる染料の存在下、場合によって少なくとも1種の式(1)の染料で処理するステップと;
b. 場合によってさらなる染料及び場合によって少なくとも1種の式(1)の染料の存在下、酸で処理してpHを6〜2の範囲に調節するステップと
を含み、但し、ステップa.又はb.の少なくとも1つにおいて、少なくとも1種の式(1)の染料が存在するという前提である方法が好ましい。
【0177】
キャップされたジアゾ化化合物及びカプラー化合物及び場合による酸化剤及び顕色剤化合物は、所望する任意の順番で連続的に適用するか、又は同時に適用することができる。
【0178】
キャップされたジアゾ化化合物とカプラー化合物は、単一の組成物で同時に適用することが好ましい。
【0179】
「アルカリ性条件」は8〜10、好ましくは9〜10、特に9.5〜10の範囲のpHを意味し、これは塩基、例えば炭酸ナトリウム、アンモニア又は水酸化ナトリウムを加えて得られる。
【0180】
塩基は毛髪、染料前駆体、キャップされたジアゾ化化合物及び/又は水溶性カップリング成分又は染料前駆体を含む染色組成物に加えることができる。
【0181】
酸は、例えば酒石酸又はクエン酸、クエン酸ゲル、場合によって酸性染料を含む適切な緩衝溶液である。
【0182】
第1段階で適用されるアルカリ性染色組成物と第2段階で適用される酸性染色組成物の量の比は、好ましくは約1:3〜3:1、特に約1:1である。
【0183】
以下の実施例は本発明を例示するためのものである。特記しない限り、部及びパーセントは重量に関する。特定の染料の量は着色される材料に対するものである。
【実施例】
【0184】
A. 調製例
ジスチリルピリジニウムジスルフィド染料の調製の一般的手順
1モル当量の中間体
【化10】
又は
【化11】
【0185】
をエタノール10mlに溶解する。20℃で撹拌下、アルデヒド2.1モル当量を添加する。混合物の温度を0〜5℃に保持しながらピロリジン5モル当量及び酢酸5.1モル当量を混合する。反応溶液を0℃に冷却する。溶液の温度を0〜5℃に保持して、ピロリジンアセテート溶液を滴下する。反応混合物を0〜5℃で30分間、さらに20℃で20時間撹拌する。沈殿が形成したら、混合物を少量のエタノールで希釈し、濾別し、アセトンで洗浄し、乾燥する。さらなる精製は2-プロパノール/アセトン/酢酸エチル(体積比1:1:1)の混合物中の粗製材料の懸濁液により達成できる。沈殿物が形成されない場合、反応混合物を酢酸エチル200mlに注ぐ。沈殿物を濾別し、冷酢酸エチルで洗浄し、高真空で乾燥する。
【0186】
1H NMRスペクトルをBruker Avance III/3000; Topspin 3.0で記録する。
【0187】
実施例A1
a) N,N-ビス(4-クロロブチリル)シスタミンの合成
【化12】
【0188】
N,N-ビス(4-クロロブチリル)シスタミンは文献[J. Org. Chem. 64 (8)(1999) 2903)]にしたがって調製した。
【0189】
b)4-(4-メチルピリジン-1-イウム-1-イル)-N-[2-[2-[4-(4-メチルピリジン-1-イウム-1-イル)ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド(中間体2b)
【化13】
【0190】
反応は窒素雰囲気下で行う。N,N-ビス(4-クロロブチリル)シスタミン10.0g(0.0277mol)をtert.アミルアルコール50ml中に懸濁させる。撹拌下、4-ピコリン5.7g(0.061mol)を添加する。反応懸濁液を105℃に加熱し、その温度で12時間保持する。反応混合物を20℃に冷却する。10分以内に、氷冷酢酸エチル50 mlを添加する。反応混合物を30分間攪拌し、氷冷酢酸エチル400mlに注ぐ。形成した懸濁液を10分間攪拌する。溶媒をデカントし、再度、氷冷酢酸エチル200mlを添加する。懸濁液を10分間攪拌する。沈殿物を濾別し、真空で乾燥する。収量:13g(87%)。
【0191】
c) 4-[4-[(E)-2-(4-アセトアミドフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(4-アセトアミドフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化14】
【0192】
中間体2b 1.5g(0.0027mol)及び4-アセトアミドベンズアルデヒド0.9 g(0.002553 mol)をエタノール10mlに溶解する。反応混合物を攪拌し、0〜5℃に冷却する。ピロリジン1.6ml(0.0189mol)及び酢酸1.1ml(0.0189mol)の混合物を滴下する。滴下中、反応混合物の温度は0〜5℃に保持する。反応混合物を0〜5℃で30分間、20℃で20時間攪拌する。得られた反応混合物を2-プロパノール190mlに注ぐ。黄色の懸濁液を0〜5℃で3時間攪拌する。形成した沈殿物を濾別し、2-プロパノールで洗浄し、酢酸エチル100 mlで2回洗浄し、高真空で40℃で乾燥する。収量:470mg、オレンジ色の固体。
UVvis最大 =370nm
1H NMR(MeOD):d=1.2(s;CH3CO), 2.2-2.4(m;br, 重複シグナル, CH2), 2.83(m;CH2), 3.45(m;CH2), 4.55(t;NCH2), 7.4及び7.9(それぞれdd;CH=CH), 8.15及び8.8(それぞれm;アリール-H)ppm
MS(ESI) C42H50N6O4S22+ (767.01), m/z測定値=383。
【0193】
実施例A2
(4-[4-[(E)-2-[4-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]フェニル]ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-[4-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]フェニル]ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化15】
【0194】
中間体2b 1.5g(0.0027mol)及び4-シアノエチルメチルアミノベンズアルデヒド1.04g(0.00553mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。収量:860mg、オレンジ色の固体。
UVvis最大 =460nm
1H NMR(MeOD):d=2.0, 2.2-2.4, 2.7-2.9, 3.2(m;重複シグナル, CH2), 3.80(m;NCH3), 4.50(t;NCH2), 6.8-6.9(m;アリール-H), 7.1及び7.8(それぞれd;CH=CH), 7.6, 8.0及び8.6(それぞれm;アリール-H)ppm
MS(ESI) C46H56N8O2S22+ (816.4), m/z測定値=408。
【0195】
実施例A3
4-[4-[(E)-2-(4-ピラゾール-1-イルフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(4-ピラゾール-1-イルフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化16】
【0196】
中間体2b 1.5g(0.0027mol)及び4-(1H-ピラゾール-1イル)ベンズアルデヒド1.00(0.00553mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:1.28g、黄色の固体
UVvis最大 =370nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.19-2.22(m;CH2), 2.77(t;CH2), 3.29(m;CH2), 4.55(t;NCH2), 6.60(m;アリール-H);7.81, 7.90, 7.98(m;アリール-H), 7.60及び8.1(それぞれd;CH=CH), 8.25(d;アリール-H), 8.31(m;CONH), 8.62及び8.98(m;アリール-H)ppm。
【0197】
実施例A4
4-[4-[(E)-2-(4-メトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(4-メトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化17】
【0198】
中間体(2b) 3.0g(0.0055mol)及び4-メトキシ-ベンズアルデヒド1.53g(0.0113mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:1.1g、黄色がかった固体
UVvis最大 =369及び385nm
1H NMR(DMSO-d6):d=1.3-1.4(m;CH3CH2), 2.17(m;CH2), 2.77(t,CH2), 3.22(m;CH2), 4.1(m;CH3CH2), 4.52(t;NCH2), 7.11(d;アリール-H); 7.37及び8.00(それぞれd;CH=CH), 7.70(m;アリール-H), 8.18(d;アリール-H), 8.37(t;CONH), 8.93(d;アリール-H)ppm。
【0199】
実施例A5
4-[4-[(E)-2-(2-メトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(2-メトキシ-1-イルフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化18】
【0200】
中間体2b 3.0g(0.0055mol)及び2-メトキシ-ベンズアルデヒド1.53g(0.0113mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:500mg、黄色がかった固体
UVvis最大 =370及び385nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.1-2.2(m;CH2), 2.76(m;CH2), 3.30(m;CH2), 3.90(s;OCH3), 4.54(t;NCH2), 7.05(t;アリール-H), 7.16(d;アリール-H), 7.40(t;アリール-H), 7.54及び8.08(それぞれd;CH=CH), 7.76(d;アリール-H), 8.24(d;アリール-H), 8.33(m; CONH), 8.93(d,アリール-H)ppm。
【0201】
実施例A6
4-[4-[(E)-2-(4-エトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(4-エトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化19】
【0202】
中間体2b 3.0g(0.0027mol)及び4-エトキシ-ベンズアルデヒド1.7g(0.0113mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:1.1g、黄色の固体
UVvis最大 =372及び385nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.15, 2.76(それぞれm;CH2), 3.20(m;重複シグナル,CH2), 3.83(s;OCH3), 4.51(t;NCH2), 7.05(t;アリール-H), 7.36及び8.02(それぞれd;CH=CH), 7.72(d;アリール-H), 8.18(d;アリール-H), 8.23(m;CONH), 8.90(d;アリール-H)ppm。
【0203】
実施例A7
4-[4-[(E)-2-(4-イソプロポキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(4-イソプロポキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化20】
【0204】
中間体2b 1.5g(0.0027mol)及び4-イソプロポキシ-ベンズアルデヒド0.91g(0.00553mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:1.3g、黄色の粉末
1H NMR(DMSO-d6):d=1.0-1.4(それぞれt;CH3), 2.0-2.2(m;CH2), 2.7-2.9(m;CH2), 3.34(m;CH2), 4.09及び4.11(それぞれq;CH3CH2), 4.50(t;NCH2), 7.05(d;Aryl-H); 7.36及び8.00(それぞれd;CH=CH), 8.18(m;アリール-H), 8.3(m; CONH), 8.90(d;アリール-H)ppm。
【0205】
実施例A8
4-[4-[(E)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化21】
【0206】
中間体(2b) 3.0g(0.0055mol)及び3,4,5-トリメトキシ-ベンズアルデヒド2.21g(0.0113mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:660mg、黄色の固体
UVvis最大 =363及び385nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.18, 2.77及び3.30(m;CH2), 3.73及び3.87(それぞれs; OCH3), 4.53(t;NCH2), 7.11(s;アリール-H); 7.54及び8.00(それぞれd;CH=CH), 8.2(d;アリール-H), 8.32(t; CONH), 8.96(d;アリール-H)ppm。
【0207】
実施例A9
4-[4-[(E)-2-(2,4,6-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(2,4,6-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化22】
【0208】
中間体2b 6g(0.011mol)及び2,4,6-トリメトキシベンズアルデヒド4.5g(0.0285mol)の混合物をエタノール20mlに溶解し、撹拌する。25分以内に、ピロリジン6.3ml(0.077mol)及び酢酸4.6ml(0.080mol)の冷(T = 0〜-5℃)溶液を少しずつ添加する。反応混合物を20℃で20時間撹拌する。2-プロパノール40mlと、その後、エタノールHCl(1.25 M)12mlを添加する。沈殿物を濾別し、2-プロパノールで洗浄し、真空で40℃で乾燥する。粗生成物を水中で再結晶する。収量:6.5g(65%)、黄色の固体。
UVvis最大 =410nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.11及び2.15(m;CH2), 2.76(t;CH2), 3.30(m;CH2), 3.87及び3.92(それぞれs;OCH3), 4.48(t;NCH2), 6.33(s;アリール-H); 7.54及び7.97(それぞれd;CH=CH), 8.08(d;アリール-H) 8.31(t; CONH), 8.86(d;アリール-H)ppm
MS(ESI) C44H56N40O8S22+ (832.35), m/z測定値=416。
【0209】
実施例A10
4-[4-[(E)-2-(2,4,5-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(2,4,5-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化23】
【0210】
エタノール10ml中の中間体2b 2.7g(0.0049mol)及び2,4,5-トリメトキシベンズアルデヒド1.9g(0.01mol)の混合物を、実施例9に記載されるようにピロリジン1.8g(0.025mol)及び酢酸1.5g(0.0255mol)で処理する。反応混合物を20℃で20時間撹拌し、エタノール5ml及び酢酸エチル10mlで希釈する。ビーカー中で反応混合物を冷却する(10℃)。酢酸エチル100mlを滴下する。沈殿物を濾別し、酢酸エチル30mlで洗浄し、高真空で20℃で乾燥する。
収量:39.1g(87%)、赤色の固体。
UVvis最大=427nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.15(m;CH2), 2.20(m;CH2), 2.77(t,CH2), 3.29(m;CH2), 3.80(s;OCH3), 3.89及び3.92(それぞれs;OCH3), 4.52(t;NCH2), 6.77(s;アリール-H); 7.37(s;アリール-H), 7.45及び8.04(それぞれd;CH=CH), 8.13(d;アリール-H), 8.41(t; CONH), 8.89(d;アリール-H)ppm
MS(ESI) C44H56N40O8S22+ (832.35), m/z測定値=416.16。
【0211】
実施例A11
4-[4-[(E)-2-(2,4-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(2,4-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化24】
【0212】
エタノール7ml中の中間体2b 1.5g(0.0027mol)の溶液を20℃で撹拌する。この溶液に、2,4-ジメトキシベンズアルデヒド0.92g(0.0055mol)を添加する。5分以内に、ピロリジン1.6ml及び酢酸1.1mlの冷却した溶液(T=5℃)を添加する。反応混合物を20℃で20時間撹拌し、その後、酢酸エチル7mlで希釈する。この反応溶液を酢酸エチル300mlに注ぐ。形成した粘着性の沈殿物を上澄み溶媒のデカンテーションにより単離する。粗沈殿物をアセトン100mlで処理し、40℃で2時間撹拌する。得られた黄色の沈殿物を濾別し、アセトンで洗浄し、高真空で50℃で乾燥する。
収量:400mg、黄色の固体
UVvis最大 =401nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.18及び2.23(それぞれm;CH2), 2.78(t;CH2), 3.29(m;CH2), 3.79及び3.87(s;OCH3), 4.58(t;NCH2), 6.77(s;アリール-H); 7.03(dd;アリール-H), 7.08(d;アリール-H), 7.38(d;アリール-H), 7.63及び8.05(それぞれd;CH=CH), 8.25(d,アリール-H), 8.46(t;CONH), 9.01(d;アリール-H)ppm
MS(ESI) C42H52N4O6S22+ (772.3), m/z測定値=386.3。
【0213】
実施例A12
4-[4-[(E)-2-(2,3-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(2,3-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【0214】
中間体2b 3.0g(0.0027mol)及び2,3-ジメトキシ-ベンズアルデヒド1.87g(0.0113mol)を実施例11に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:400mg、黄色の粉末。
【化25】
【0215】
1H NMR(DMSO-d6):d=2.19, 2.76, 2.95, 3.36(それぞれm;CH2), 4.56(t;NCH2), 7.17(d;アリール-H); 7.41(d;アリール-H), 7.54及び8.05(それぞれd;CH=CH), 8.3-8.4(m;重複シグナル,アリール-H及びCONH), 8.98(d;アリール-H)ppm。
【0216】
実施例A13
4-[4-[(E)-2-(2,5-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(2,5-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化26】
【0217】
中間体2b 2.9g(0.0053mol)及び2,5-ジメトキシ-ベンズアルデヒド1.8g(0.0011mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:2.1g、黄色の固体
UVvis最大 =332及び401nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.1-2.2(m;重複シグナル,CH2), 2.77(t;CH2), 3.37(m;CH2), 3.87及び3.92(s;OCH3), 4.48(t;NCH2), 6.34(s;アリール-H); 7.54及び8.00(それぞれd;CH=CH), 8.1(d;アリール-H), 8.33(t;CONH), 8.80(d;アリール-H)ppm。
【0218】
実施例A14
4-[4-[(E)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化27】
【0219】
中間体2b 3.0g(0.0055mol)及び3,4-ジメトキシベンズアルデヒド2.19g(0.0113mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:1.6g、黄色の固体
UVvis最大 =385nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.18, 2.75(それぞれm;CH2), 3.30(m;重複シグナル,CH2), 3.83及び3.86(それぞれs;OCH3), 4.50(t;NCH2), 7.07及び7.30(それぞれm;アリール-H), 7.40及び8.00(それぞれd;CH=CH), 7.35(m;アリール-H), 8.1-8.3(br m;重複,アリール-H及びCONH), 8.89(d;アリール-H)ppm
MS(ESI) C42H52N4O6S22+ (773.0), m/z測定値=386。
【0220】
実施例A15
4-[4-[(E)-2-(2,4-ジエトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(2,4-ジエトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化28】
【0221】
中間体(2b) 1.5g(0.0027mol)及び2,4-ジエトキシベンズアルデヒド1.07g(0.00553mol)を一般的手順に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:750mg、黄色の固体
λ最大=403nm
1H NMR(DMSO-d6):d=1.3-1.4(m;それぞれH,CH3CH2), 2.0-2.2(br m;CH2), 2.75(m;CH2), 3.20(m;CH2,重複), 4.00及び4.2(それぞれm;CH3CH2), 4.50(t;NCH2), 6.6(d;アリール-H), 7.7-7.8(m;重複シグナル,アリール-H), 7.4及び8.00(それぞれdd; CH=CH), 8.30-8.50(br m;重複シグナル,アリール-H及びCONH), 8.9-9.0(d;アリール-H)ppm。
【0222】
実施例A16
4-[4-[(E)-2-(3,4-ジエトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(3,4-ジエトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化29】
【0223】
エタノール15ml中の中間体2b 3g(0.0055mol)及び3,4-ジエトキシベンズアルデヒド2.19g(0.0113mol)の溶液を20℃で15分間撹拌する。反応物を0〜5℃に冷却し、新たに調製したピロリジン2.67g(2.3ml、0.0375mol)及び酢酸2.25g(2.2ml、0.0375mol)の溶液を、混合物の温度を0〜5℃に保持しながら滴下する。反応混合物を20℃で22時間撹拌する。得られた懸濁液を0℃に冷却し、沈殿物を濾別し、洗浄し、乾燥する。
収量:1.6g、黄色の固体
UVvis最大 =395nm
1H NMR(DMSO-d6):d=1.35及び1.37(それぞれt;CH3CH2), 2.17(m;CH2), 2.22(m;CH2), 2.77(t;CH2), 3.29(m;CH2), 4.09及び4.11(それぞれq;CH3CH2), 4.54(t;NCH2), 7.05(d;アリール-H); 7.28(dd,アリール-H), 7.41(d;アリール-H), 7.45及び8.00(それぞれd;CH=CH), 8.19(d;アリール-H), 8.47(t;CONH), 8.89(d;アリール-H)ppm
MS(ESI) C46H60N4O6S22+ (828.4), m/z測定値=414.19。
【0224】
実施例17
4-[4-[(E)-2-(9-エチルカルバゾール-3-イル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[4-[(E)-2-(9-エチルカルバゾール-3-イル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化30】
【0225】
中間体2b 3g及び9-エチル-3-カルバゾールカルボキシアルデヒド2.53g(0.01134mol)の撹拌溶液を0〜5℃に冷却する。5分以内に、新たに調製したピロリジン3.2ml及び酢酸2.2mlの溶液を滴下する。反応混合物を40℃に加熱し、この温度で4時間撹拌する。反応物を20℃でさらに12時間撹拌する。オレンジ色の懸濁液を濾別し、2-プロパノールで洗浄する。粗生成物を冷アセトン30ml中に懸濁し、30分間撹拌し、濾別し、高真空で40℃で乾燥する。
収量1.66g、オレンジ色の固体
UVvis最大 =430nm
1H NMR(DMSO-d6):d=1.3(m;CH3), 1.6, 2.1-2.2, 2.7-2.9, 3.3(それぞれm;CH2), 4.49(m;NCH2), 7.3(t;アリール-H); 7.55(d;アリール-H), 7.56及び8.20(それぞれm;重複シグナル,CH=CH), 7.8(d;アリール-H), 8.2(m;重複,アリール-H), 8.3(m;CONH), 8.6(m;アリール-H), 8.92(d;アリール-H)ppm
MS(ESI) C54H58N6O2S22+ (887.2), m/z測定値=443。
【0226】
実施例A18
4-[2-[(E)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[2-[(E)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化31】
【0227】
a) 4-(2-メチルピリジン-1-イウム-1-イル)-N-[2-[2-[4-(2-メチルピリジン-1-イウム-1-イル)ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド(中間体2a)
【化32】
【0228】
反応は窒素雰囲気下で行う。N,N-ビス(4-クロロブチリル)シスタミン(実施例A1のaに記載の調製物)5グラム(0.0138mol)を2-ピコリン25ml(0.238mol)中に懸濁する。反応混合物を90℃に加熱し、この温度で20時間保持する。反応混合物を60℃に冷却し、アセトン70mlを10分以内に滴下する。その後、反応混合物を20℃に冷却し、酢酸エチル250mlに注ぐ。形成した沈殿物を濾別する。粗生成物をアセトン150ml中に懸濁し、酢酸エチル150mlに注ぐ。形成した沈殿物を濾別し、真空で乾燥する。
収量:6.2g、黄色の油。
【0229】
b) 4-[2-[(E)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[2-[(E)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
中間体2a 2.0g(0.0027mol)及び3,4-ジメトキシベンズアルデヒド1.25g(0.0075mol)の反応混合物を0〜5℃に冷却する。5分以内に、新たに調製したピロリジン2.1ml及び酢酸1.5mlの混合物を添加する。添加中、反応混合物の温度は0〜5℃に保持する。反応混合物を0〜5℃でさらに30分間、その後、20℃で20時間撹拌する。反応混合物を2-プロパノール15mlで希釈する。形成した沈殿物を濾別し、2-プロパノール30mlで洗浄し、高真空で50℃で乾燥する。
収量:1.2g、黄色の固体
UVvis最大 =380nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.1, 2.36, 2.79(それぞれm;CH2), 3.82及び3.92(それぞれq;CH3CH2), 4.67(m;NCH2), 7.05(d;アリール-H); 7.39(d;アリール-H), 7.6及び8.00(それぞれd;CH=CH), 7.6-7.9(m;重複シグナル,アリール-H), 8.35-8.55(m;重複シグナル,アリール-H及びCONH), 8.92(d;アリール-H)ppm。
【0230】
実施例A19
4-[2-[(E)-2-(2,3,4-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[2-[(E)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化33】
【0231】
エタノール12ml中の中間体2a 1.6g(0.00292mol)及び3,4,5-トリメトキシベンズアルデヒド1.20g(0.0075mol)の反応混合物を実施例A18のbに記載されるように反応させ、後処理する。
収量:800mg、黄色の固体
UVvis最大=362nm
1H NMR(MeOD):d=2.22, 2.53, 2.82, 3.5(それぞれm;CH2), 3.78及び3.97(それぞれs;OCH3), 4.66(t;NCH2), 7.25(s;アリール-H); 7.7及び8.5(それぞれd;CH=CH), 7.7-7.9(m;重複シグナル,アリール-H), 8.46及び8.80(d;アリール-H)ppm
【0232】
実施例A20
4-[2-[(E)-2-[4-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]フェニル]ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[2-[(E)-2-[4-[2-シアノエチル(メチル)アミノ]フェニル]ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化34】
【0233】
エタノール12ml中の中間体2a 1.6g(0.00292mol)及び4-シアノエチル-メチルアミノベンズアルデヒド1.12g(0.00598mol)の反応混合物を実施例A18のbに記載されるように反応させ、後処理する。
収量:730mg、黄色〜オレンジ色の固体
UVvis最大=433nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.0, 2.3-2.4, 2.7-2.9, 3.3(m;ブロードシグナル、重複、CH2), 3.80(m;NCH3), 4.70(t;NCH2), 6.9(m;アリール-H), 7.45及び7.95(それぞれd;CH=CH), 8.4(m;CONH), 8.5及び8.80(それぞれm;アリール-H)ppm。
【0234】
実施例A21
4-[2-[(E)-2-(4-アセトアミドフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[2-[(E)-2-(4-アセトアミドフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化35】
【0235】
エタノール12ml中の中間体2a 3.0g(0.0055mol)及び4-アセトアミドベンズアルデヒド1.84g(0.0113mol)の反応混合物を実施例A18のbに記載されるように反応させ、後処理する。
収量:600mg、黄色の固体
1H NMR(DMSO-d6):d=2.05, 2.28(m;CH2), 2.78(m;CH2), 3.45(m;CH2), 4.70(m;NCH2), 7.06(m;アリール-H), 7.6及び8.0(それぞれdd;CH=CH), 8.3-8.5(それぞれm;重複シグナル;アリール-H及びCONH), 8.92(d,アリール-H)ppm。
【0236】
実施例A22
4-[2-[(E)-2-(4-メトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[2-[(E)-2-(4-メトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化36】
【0237】
エタノール12ml中の中間体2a 3.0g(0.0055mol)及び4-メトキシベンズアルデヒド1.53g(0.0113mol)の反応混合物を実施例A18のbに記載されるように反応させ、後処理する。
収量:900mg、薄い黄色の固体
UVvis最大=370nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.05, 2.35, 2.75(m;CH2), 3.3-3.4(m;重複シグナル,CH2), 3.83(s;OCH3), 4.72(t;NCH2), 7.05(d;アリール-H); 7.62及び7.95(それぞれd;CH=CH), 7.8-8.0(m;重複シグナル,アリール-H), 8.40(t;CONH), 8.4-8.6(それぞれm;アリール-H), 8.92(d;アリール-H)ppm。
【0238】
実施例A23
4-[2-[(E)-2-(2-メトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]-N-[2-[2-[4-[2-[(E)-2-(2-メトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]ブタノイルアミノ]エチルジスルファニル]エチル]ブタンアミドジクロリド
【化37】
【0239】
エタノール12ml中の中間体2a 3.0g(0.0055mol)及び2-メトキシベンズアルデヒド1.53g(0.0113mol)の反応混合物を実施例A18のbに記載されるように反応させ、後処理する。
収量:900mg、薄い黄色の固体
UVvis最大=363nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.0-2.1, 2.33, 2.76(それぞれm;CH2), 3.26(m;CH2), 3.92(s;OCH3), 4.75(t;NCH2), 7.05(t;アリール-H), 7.15(d;アリール-H); 7.45(t;アリール-H), 7.75及び8.1(それぞれd;CH=CH), 7.9-8.1(m;重複シグナル,アリール-H), 8.46(m;CONH), 8.4-8.6(それぞれm,重複シグナル,アリール-H), 9.00(d;アリール-H)ppm。
【0240】
実施例A24
4-[(E)-2-(3,4-ジエトキシフェニル)ビニル]-1-[2-[2-[4-[(E)-2-(3,4-ジエトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]エチルジスルファニル]エチル]ピリジン-1-イウム;メタンスルホネート
【化38】
【0241】
a)
【化39】
【0242】
ジチオエタノール57.2g(454mmol)及びメシルクロリド105.3ml(1361mmol)をWO 2007/003506に記載されるように処理し、後処理する。
収量:115g、無色の固体。
【0243】
b)中間体3b
【化40】
【0244】
メチルイミダゾール10ml中のステップa)で調製した粗ジメシレート中間体0.93g(3.0mmol)の溶液を20℃で撹拌する。この溶液に、4-ピコリン9.7ml(100mmol)を添加する。反応混合物を70℃に加熱し、16時間撹拌する。その後、反応溶液を20℃に冷却し、酢酸エチル50mlを添加する。反応溶液を1時間置く。形成した油性沈殿物をデカンテーションにより上澄み溶液から分離する。沈殿物をメタノール5ml中に懸濁し、さらにアセテート50mlを添加する。形成した沈殿物をデカンテーションにより分離する。粗生成物を高真空で20℃で乾燥し、次のステップに直接使用する。
【0245】
c) メタノール50ml中の実施例24のb)で調製した4-ピコリン中間体1.5g(3.0mmol)の反応混合物を0℃で撹拌する。その後、ピロリジン1.7ml(21mmol)、氷酢酸1.3ml(22.4mmol)及び3,4-ジエトキシベンズアルデヒド1.75g(9.0mmol)を添加する。反応溶液を0℃で2時間撹拌する。その後、溶液を22℃にし、この温度でさらに16時間撹拌する。酢酸エチル/tert.ブチルメチルエーテル(1:1 v/v)混合物30mlを添加する。反応混合物を-10℃に冷却し、15時間保持する。形成した沈殿物を濾別し、アセトン40mlで洗浄し、高真空で20℃で乾燥する。
収量:700mg、黄色の固体
UVvis最大=402nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.4(s;CH3S), 3.4(m;CH2), 4.15(m;OCH2), 4.75(m;NCH2), 7.1(d;アリール-H); 7.30(dd;アリール-H), 7.4及び8.00(それぞれd;CH=CH), 8.25及び8.9(m;重複シグナル,アリール-H), 8.35-8.55(m;重複シグナル,アリール-H及びCONH), 8.92(それぞれd;アリール-H)ppm
MS(ESI)C38H46N2O4S22+ (658.9), m/z測定値=329。
【0246】
実施例A25
4-[(E)-2-(2,4,6-トリメトキシフェニル)ビニル]-1-[2-[2-[4-[(E)-2-(2,4,6-トリメトキシフェニル)ビニル]ピリジン-1-イウム-1-イル]エチルジスルファニル]エチル]ピリジン-1-イウム-; メタンスルホネート
【化41】
【0247】
メタノール50ml中の実施例24のbで調製した中間体3b 1.5g(3.0mmol)の反応混合物を0℃で撹拌する。その後、ピロリジン1.7ml(21mmol)、氷酢酸1.3ml(22.4mmol)及び2,4,6-トリメトキシベンズアルデヒド1.76g(9.0mmol)を添加する。反応混合物を実施例A24に記載されるように反応させ、後処理する。
収量:510mg、オレンジ色〜黄色の固体
UVvis最大=418nm
1H NMR(DMSO-d6):d=2.4(m;CH3S), 3.0及び3.4(m;CH2), 3.8及び3.9(それぞれs;OCH3), 4.75(m;NCH2), 6.3(s;アリール-H); 7.5及び8.00(それぞれd;CH=CH), 8.1及び8.75(それぞれd;アリール-H)ppm
MS(ESI)C36H42N2O6S22+ (662.86), m/z測定値=331。
【0248】
B. 応用例
以下の応用例において、以下に示す定義の範囲内の組成物を使用する:
溶液1(パーマネントローション、pH8.2)
水、チオグリコール酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、エトキシジグリコール、ヘキシレングリコール、チオグリコール酸;チオ乳酸、PEG-60水素化ヒマシ油、グリシン、エチドロン酸、イソセテス-20、ポリシリコーン-9、スチレン/PVPコポリマー、トリデセス-12、アモジメチコン、セトリモニウムクロリド、水酸化アンモニウム、ポリクオタニウム-6、イソプロピルアルコール、変性アルコール、シメチコン、香料
溶液2(パーマネント固着液、pH3.9)
以下のものをもとにする:
水、過酸化水素、プロピレングリコール、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、PEG-5コカミド、ココアンホ酢酸ナトリウム、ポリクオタニウム-35、ココベタイン、アセトアミノフェン、リン酸、塩化ナトリウム、香料。
【0249】
染色した毛髪の洗濯堅牢度は、「Industrial organic pigments by Herbst&Hunger, 2nd ed. engl. S. 61) Nr 10: DIN 54 001-8-1982, "Herstellung und Bewertung der Aenderung der Farbe", ISO 105-A02-1993」にしたがってグレースケール(Grey scale)により分析する。
【0250】
実施例B1
a) 0.5%(abs.)の実施例A10の染料を、水酸化ナトリウムを用いてpH9.5に調節した水に溶解する。
この黄色〜オレンジ色の染色溶液を乾燥した毛髪(2つのブロンドの毛髪ストランド)に適用し、20分間静置する。次いでストランドを水道水ですすぎ、12時間乾燥する。
b) 溶液1(パーマネントローション)をシャンプーした毛髪(2つのブロンドの毛髪ストランド)に適用し、10分間静置する。次いで、ストランドを水道水ですすぎ、タオルで乾かしたストランドを実施例21a)の0.5重量%着色物質溶液で処理し、20分間静置し、次いですすぐ。次いで、タオルで乾かしたストランドを溶液2(パーマネント固着液)で処理し、10分間静置する。次いで、ストランドを水道水ですすぎ、12時間乾燥する。
【0251】
実施例B2
a) 0.5%(abs.)の実施例A9の染料を、モノエタノールアミンを用いてpH9.5に調節した水に溶解する。
b) 溶液1(パーマネントローション)を、シャンプーした毛髪(2つのブロンドの毛髪ストランド)に適用し、10分間静置する。次いで、ストランドを水道水ですすぎ、タオルで乾かしたストランドを実施例22aの0.5重量%着色物質溶液で処理し、20分間静置し、次いですすぐ。次いで、タオルで乾かしたストランドを溶液2(パーマネント固着液)で処理し、10分間静置する。次いでストランドを水道水ですすぎ、20℃で12時間乾燥する。
【0252】
【表3】
【0253】
一般的な染色手順:
溶液1(パーマネントローション)をシャンプーした毛髪に適用し、10分間静置する。次いで、ストランドを水道水ですすぎ、タオルで乾かしたストランドを0.5重量%(abs.)着色物質溶液(水酸化ナトリウム又はモノエタノールアミンを用いてpH9.5に調節した)で処理し、20分間静置した後、すすぐ。次いで、タオルで乾かしたストランドを溶液2(パーマネント固着液)で処理し、10分間静置する。次いで、ストランドを水道水ですすぎ、20℃で12時間乾燥する。
染色後、毛髪トレスを市販のカラーシャンプー(ゴールドウェル(Goldwell))で10回洗浄し、すすぎ、20℃で12時間乾燥する。
【0254】
一般的な手順にしたがった、合成した化合物の適用結果を下記表に示す。
【表4】