(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一、第二測定工程では、前記処理対象物と前記接地部材とを帯電して導電性を有するガスに接触させて前記処理対象物を接地電位に接続させる請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の真空処理方法。
【背景技術】
【0002】
図7Aの符号111は、従来技術の真空処理装置であり、真空槽120を有している。真空槽120の内部には、吸着板121が配置されており、吸着板121の上方には、カソード電極133に取り付けられたターゲット134が配置されている。
真空槽120に、真空排気装置131が設けられており、真空排気装置131を動作させると、真空槽120の内部が真空排気され、真空槽120の内部に真空雰囲気が形成される。
【0003】
また、真空槽120には、搬入口174aと搬出口174bとが設けられており、搬入口174aから真空槽120の内部に基板を搬入し、真空槽120の内部に搬入された基板を、搬出口174bから真空槽120の外部に搬出できるようにされている。
【0004】
吸着板121には、複数の貫通孔136が設けられており、各貫通孔136には、ピン140がそれぞれ挿通されている。
各ピン140は、昇降装置175に接続され、昇降移動できるようにされている。
【0005】
基板搬送ロボットのハンドに乗せ、搬入口174aから搬入した基板は、ピン140を上昇させてピン140に移載させ、ピン140を降下させて基板を吸着板121上に載置する。
【0006】
図7Bの符号123は、吸着板121上に載置された基板を示している。
ガス導入装置132からスパッタリングガスを真空槽120の内部に導入し、スパッタ電源135によってカソード電極133にスパッタ電圧を印加すると、ターゲット134の表面近傍にプラズマが形成され、ターゲット134がスパッタリングされ、基板123の表面に薄膜が成長する。
【0007】
このとき、プラズマによって、基板123は接地電位の真空槽120に電気的に接続されており、吸着電源124から、吸着板121の内部に配置された電極102に吸着電圧を印加して、基板123と電極102との間に形成されるコンデンサを充電すると、基板123は静電吸着力によって吸着板121上に静電吸着され、基板123と吸着板121との間の熱伝達率が向上する。
【0008】
吸着板121は、温度調整装置138上に配置されており、温度調整装置138によって、基板123の温度制御が容易になる。
薄膜が所定膜厚に成長すると、スパッタリングによる真空処理は終了し基板123は、真空槽120の外部に搬出され、別の未処理の基板が真空槽120内に搬入され、スパッタリングが開始される。
【0009】
上記のような、 吸着板121を使用した真空処理方法において、真空処理が終了した基板123を真空槽120の外部に搬出するために基板123を吸着板121から剥離させる際に、電極102に印加した吸着電圧を遮断しても、電極102と基板123とで形成されるコンデンサには残留電荷があり、基板123は吸着板121に吸着されたままである。
【0010】
図7Cは、ピン140を上昇させてピン140の上端を基板123の裏面に接触させた状態であり、残留電荷がある状態で、
図7Cのピン140を更に上昇させて、吸着板121上から基板123を持ち上げようとすると、残留吸着力によって、基板123が割れてしまったり、基板123を持ち上げたときに、ピン140上で位置がずれたり、また、ピン140上から基板123が脱落する等の問題が起こる(
図7D)。
【0011】
残留電荷を直接測定しようとしても、残留電荷によって形成される電気力線は、吸着板121と基板123との間の微少空間に形成されるため、直接測定することが困難である。基板搬送ロボットのアーム等にセンサを設け、吸着板121から持ち上げた基板123を真空槽120の外部に搬出するときに、基板123の帯電量を測定し、次の基板を持ち上げる際に、測定結果から求めた大きさの逆電圧を印加する技術がある。
【0012】
また、真空処理が終了した基板123を吸着板121上から剥離させて持ち上げたときに、電極102に流れる電流を測定し、測定結果から逆電圧の大きさを求め、次に真空処理をした基板に対し、直前に真空処理をした基板123の測定結果から求めた大きさの逆電圧を印加した後、持ち上げる技術がある。
【0013】
しかしながら、このような残留吸着力はプロセスの条件や被保持物体の種類、あるいは印加電圧や吸着時間により変動する。さらには、印加電圧の極性により残留吸着量は均一ではない為、完全に除電することができなかった。
【0014】
特許第4226101号の明細書には、同符号で絶対値が等しい値になる状況を最小値として、基板を脱離させることが示されている。しかしながら、近年のデバイス構造の変更や、基板の吸着面の材料による吸着状況の変化や基板厚みの薄膜化による機械的強度低下が進み、この方法においても基板割れや搬送トラブルを生じる場合が発生している。残留している電荷量を完全に除去し、基板搬送を確実に行うことが必要となっている。
図9のグラフに特許第4226101号で示した従来の逆バイアス印加方法による残留吸着力の低下方法を示す。
【0015】
双極式の静電チャックでは、二個の電極と吸着板上に配置された基板との間に形成される等価的なコンデンサは直列接続されているため、二個の電極に同時に逆電圧(逆バイアス)を印加する場合、二個の電極に異なる大きさの逆電圧を印加しても、二個の電極に実行的に印加される電圧は、大きさは等しく、極性が反対の電圧になる。
【0016】
このような条件では、二個の電極の残留電荷ゼロにするための逆電圧が異なる場合には、一方の電極の残留電荷がゼロにできたとしても、他方の電極の残留電荷はゼロにすることはできず、残留電荷を消去することができない。
【0017】
例えば、
図9のグラフのような、残留電荷と、その残留電荷をゼロにするための逆電圧を有する二個の電極の場合は、逆電圧の印加量150Vにおいて、残留電荷量が0.8μCとなる状態が最適条件となり、絶対量として両極の電荷量を均一にすることで、印加電極毎に偏った電荷を残すよりも基板振動や基板の位置ズレを最小にするようにしていた。
しかしながら、二個の電極にそれぞれ1μCの残留電荷量が残っており、残留電荷による吸着力は依然として発生することになる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1A、
図2A、
図3A、
図4A、
図5Aには、本発明の第一例〜第五例の真空処理装置11〜15がそれぞれ示されている。
各真空処理装置11〜15は、真空槽20と、吸着装置9と、加工装置18とを有しており、各吸着装置9は、吸着板22を有している。
【0025】
図1B、
図2B、
図3B、
図4B、
図5Bは、吸着板22上に処理対象物23が乗せられた状態を示している。
吸着板22は、絶縁体が板状に成形された絶縁板27を有している。
吸着板22は双極型であり、絶縁板27の内部に第一電極2aと第二電極2bとが配置されている。
【0026】
吸着板22に配置された処理対象物23は、絶縁板27と接触しており、第一電極2aは、絶縁板27の一部又は全部を間に挟んで、処理対象物23の片面と対面するように配置されており、また、第二電極2bも、絶縁板27の一部又は全部を間に挟んで、第一電極2aが対面する処理対象物23と同じ面に対面するようにされている。
【0027】
真空槽20の底面には、台73が配置されており、台73上には温度調整装置38が配置されている。吸着板22は、温度調整装置38上に温度調整装置38と接触して配置されている。
【0028】
第一電極2aには、被覆された金属配線である第一電源配線10aが接続され、その第一電源配線10aは、真空槽20の壁面(ここでは底壁面)に設けられた端子28aを介して、真空槽20の外部に導出されており、第一電源配線10aのうち、真空槽20の外部に導出された部分は、第一開閉装置7aを介して、吸着電源25に接続されている。
【0029】
同様に、第二電極2bには、被覆された金属配線である第二電源配線10bが接続され、その第二電源配線10bは、真空槽20の壁面(ここでは底壁面)に設けられた端子28bを介して、真空槽20の外部に導出されており、真空槽20の外部に導出された部分は、第二開閉装置7bを介して、吸着電源25に接続されている。
【0030】
第一、第二開閉装置7a、7bは、二端子のスイッチ装置であり、二端子間を電気的に遮断させる開状態と、二端子間を電気的に接続する閉状態とを切り替えられるようになっている。
【0031】
第一電源配線10aにより、第一開閉装置7aの一方の端子は第一電極2aに電気的に接続され、他方の端子は吸着電源25に電気的に接続されており、第一電極2aと吸着電源25とは、第一開閉装置7aが閉状態のときは電気的に接続され、開状態のときは電気的に遮断される。
【0032】
同様に、第二電源配線10bにより、第二開閉装置7bの一方の端子は第二電極2bに接続され、他方の端子は吸着電源25に接続されており、第二電極2bと吸着電源25とは、第二開閉装置7bが閉状態のときは電気的に接続され、開状態のときは電気的に遮断される。
【0033】
吸着電源25が出力した電圧は、第一開閉装置7aが閉状態のときに第一電極2aに印加される。また、吸着電源25が出力した電圧は、第二開閉装置7bが閉状態のときに、第二電極2bに印加される。
吸着電源25は、第一、第二開閉装置7a、7bが閉状態のときには、第一電極2aと第二電極2bのうち、いずれか一方又は両方に電圧を印加することができ、両方に印加するときには、同じ値の電圧や異なる値の電圧(異なる極性の電圧を含む)を印加できるようにされている。
【0034】
吸着板22に配置された処理対象物23と第一、第二電極2a、2bとはそれぞれ平板である。
処理対象物23と第一電極2aの間と、処理対象物23と第二電極2bとの間には、絶縁板27を構成する絶縁体が配置されており、従って、処理対象物23と第一電極2aの間には第一コンデンサが形成され、処理対象物23と第二電極2bの間には第二コンデンサがそれぞれ形成される。
【0035】
図6Aは、吸着装置9の回路図であり、符号29aは第一コンデンサを示し、符号29bは第二コンデンサを示している。符号24a,24bは、第一、第二コンデンサ29a,29bに対してそれぞれ並列接続され、漏れ電流が流れる成分である第一、第二の等価抵抗である。
【0036】
吸着板22に処理対象物23を配置して処理対象物23を吸着するときには第一コンデンサ29aと第一の等価抵抗24aの並列回路と、第二コンデンサ29bと第二の等価抵抗24bの並列回路とは直列接続される。
【0037】
<配置手順>
次に、処理対象物23を吸着板22に配置する手順を説明する。
真空槽20には、搬入口74aと搬出口74bとが設けられており、また、真空槽20には、真空排気装置31が設けられている。
【0038】
搬入口74aと搬出口74bとを閉じ、真空槽20の内部を、真空排気装置31によって真空排気することによって真空排気工程を行い、真空槽20の内部を真空雰囲気にする。真空排気装置31は、継続して真空槽20の内部を真空排気するものとする。
【0039】
真空槽20で行う真空処理の前処理側には前段槽30aが配置され、後処理側には後段槽30bが配置されており、前段槽30aと後段槽30bとは、それぞれ真空雰囲気にされている。
搬入口74aを開けると、真空槽20の内部は前段槽30aの内部と接続され、また、搬出口74bを開けると、真空槽20の内部は後段槽30bの内部と接続されるように構成されている。
【0040】
真空槽20の内部で真空処理を行う際には、先ず、配置工程を開始し、真空槽20の内部の真空雰囲気を維持しながら搬入口74aを開け、前段槽30aの内部に位置する処理対象物(ここでは半導体基板や、金属薄膜が形成されたガラス基板などの基板である。)を真空槽20の内部に搬入する。
【0041】
真空槽20の外部には、昇降装置75が配置されており、昇降装置75には、上端が真空槽20の内部に配置された昇降部材76が取り付けられている。
吸着板22と温度調整装置38とには、複数個の貫通孔36が設けられており、各貫通孔36には、下端が昇降部材76に固定されたピン40がそれぞれ挿通されている。
図1Cは、第一、第二電極2a、2bに形成された貫通孔36の位置を示している。
【0042】
昇降装置75が動作すると、昇降部材76が昇降移動し、それに伴って、ピン40も昇降移動する。符号72は、昇降部材76が昇降移動する台73内部の空間を示している。符号79はベロースであり、真空槽20の内部の雰囲気は、ベロースによって維持される。
昇降装置75によって、各ピン40を上昇させ、上端を吸着板22の表面より上方に位置させ、真空槽20の内部に搬入された処理対象物23をピン40上に乗せる。
【0043】
次いで、ピン40を降下させ、上端を吸着板22の表面より下方に位置させると、ピン40上の処理対象物23は吸着板22上に乗る。
図1B、
図2B、
図3B、
図4B、
図5Bは、その状態を示している。搬入口74aを閉じ、配置工程を終了させる。
【0044】
<吸着手順>
次に、処理対象物23の真空処理手順について説明する。
加工装置18は、加工ガス導入装置32を有しており、加工装置18により、真空槽20の真空雰囲気中に、プラズマ状の加工ガスや、イオン化した加工ガス等の、帯電した加工ガスを含有させることができるようにされている。加工ガス導入装置32から、帯電した加工ガスを真空槽20の真空雰囲気に導入してもよいし、加工装置18が、加工ガス導入装置32から真空槽20の真空雰囲気に導入した加工ガスを、帯電させるようにしてもよい。
【0045】
真空槽20は接地電位に接続されており、真空槽20の内部には、真空槽20の内部に位置し、真空槽20と同じ接地電位に接続された接地部材が露出されている。ここでは、真空槽20の内壁面が真空雰囲気に露出され、符号49の接地部材として用いられている。
【0046】
吸着板22上に処理対象物23が配置されたときに形成される第一、第二コンデンサ29a、29bは、一端が互いに接続されており、第一開閉装置7aと第二開閉装置7bとが閉状態にされると、第一、第二コンデンサ29a、29bの他端は、第一、第二の開閉装置7a,7bを介して吸着電源25に接続される。
従って、吸着電源25から、第一電極2aと第二電極2bとに異なる値の電圧を印加すると、第一、第二コンデンサ29a,29bは充電される。
【0047】
ここでは、第一電極2aと第二電極2bのうち、一方に負極性の電圧を出力し、他方に正極性の電圧を出力することで第一電極2aと第二電極2bの間に吸着電圧を印加する。
吸着電源25の中の符号70aは、吸着装置9に用いた吸着電源25の内部で、第一電極2aに電圧を印加する回路を示しており、符号70bは、吸着電源25の内部で第二電極2bに電圧を印加する回路を示している。
【0048】
吸着工程を開始し、吸着電源25から、第一電極2aと接地電位との間に第一吸着電圧を印加し、第二電極2bと接地電位の間に、第一吸着電圧とは異なる第二吸着電圧を印加し、第一、第二コンデンサ29a,29bを充電させ、処理対象物23を吸着板22に吸着させる。
【0049】
第一吸着電圧と第二吸着電圧とは、符号が異なる電圧であるのが普通で有り、一般的には、絶対値が同じで符号が異なる電圧の印加である。
【0050】
吸着された状態では、処理対象物23と絶縁板27との間の熱抵抗は、吸着されていない状態のときよりも小さくなっており、処理対象物23は、温度調整装置38によって温度制御されながら、加工装置18によって真空処理をすることができる。
【0051】
<真空処理>
加工装置18を用いて行う真空処理工程を説明すると、第一例の真空処理装置11の加工装置18は、真空槽20内に配置されたカソード電極33と、カソード電極33に設けられたターゲット34とを有しており、加工ガス導入装置32から、アルゴンガス等の希ガスから成るスパッタリングガスを真空槽20の内部に加工ガスとして供給し、加工ガスを真空槽20の内部の真空雰囲気への導入開始によって真空処理工程が開始される。
【0052】
次いで、第一、第二電極2a、2bの間に吸着電圧を印加し、処理対象物23を吸着板22に吸着すると共に、加工ガスを導入しながら、スパッタ電源35によって、カソード電極33に負電圧を印加し、加工ガスのプラズマを生成するとターゲット34がスパッタリングされ、処理対象物23の表面に薄膜が成長する。
薄膜が所定膜厚に形成されると、真空処理工程は終了する。
【0053】
図2Bの第二例の真空処理装置12と、
図4B、
図5Bの第四、第五例の真空処理装置14、15とに設けられた加工装置18は、シャワーヘッド43と、プラズマ電源45とを有しており、加工ガス導入装置32はシャワーヘッド43に接続され、真空処理工程は、薄膜の原料ガスである加工ガスを、加工ガス導入装置32からシャワーヘッド43を介して真空槽20の内部の真空雰囲気への導入を開始することで開始される。
【0054】
プラズマ電源45は、シャワーヘッド43に接続されており、プラズマ電源45を起動してシャワーヘッド43に電圧を印加すると、加工ガスのプラズマが生成され、処理対象物23の表面で化学反応が生じて、吸着板22に吸着された処理対象物23の表面に薄膜が形成され、所定膜厚に形成されることで真空処理工程が終了する。
【0055】
図3Bの第三例の真空処理装置13では、加工装置18は、ターゲット34と、イオンガン71とを有している。
イオンガン71は、イオン生成装置46と、イオン生成電源48と、加工ガス導入装置32とを有しており、先ず、加工ガス導入装置32から、アルゴンガス等の加工ガスをイオン生成装置46内に導入することで真空処理工程が開始され、次いで、イオン生成電源48から供給された電圧によって、導入された加工ガスのプラズマを形成し、加工ガスを電離させて帯電した加工ガスを生成する。生成された帯電した加工ガスは、加速されてターゲット34に照射され、ターゲット34がスパッタリングされて、吸着板22に吸着された処理対象物23の表面に薄膜を所定膜厚に形成し、真空処理工程を終了させる。
【0056】
本発明の真空処理装置11〜15は、制御装置39を有しており、加工装置18は、制御装置39によって動作が開始された後、真空処理工程が終了すると、制御装置39は、加工装置18の動作を停止させると共に、吸着電源25の出力電圧を接地電位に設定し、第一、第二電極2a、2bを接地電位に接続し、第一、第二電極2a、2bの残留電荷を少量放電させることができる。
【0057】
<接地電位接続手順>
次に、残留電荷を測定する手順を説明する。
本発明の第一例〜第五例の真空処理装置11〜15は、真空槽20の真空雰囲気中に、導電性を有する帯電ガスを含有させる帯電ガス生成装置19を有している。
【0058】
第一例〜第五例の真空処理装置11〜15のうち、第一例〜第三例、第五例の真空処理装置11〜13、15では、加工装置18が帯電ガス生成装置19として用いられており、加工ガス導入装置32から帯電ガス生成装置19(加工装置18)に希ガスや窒素ガス等の反応性が低い低反応性ガスが供給され、低反応性ガスは帯電ガス生成装置19内で帯電されて、真空槽20の内部に導電性を有する帯電ガスとして放出される。その結果、真空槽20の真空雰囲気中に、導電性を有する帯電ガスを含有させることができる。
【0059】
第四例の真空処理装置14では、第三例の真空処理装置13に設けられたイオンガン71と同じ構成のイオンガンが帯電ガス生成装置19として設けられている。
この帯電ガス生成装置19は、イオン生成装置46と、イオン生成電源48と、低反応性ガス導入装置42とを有しており、制御装置39の制御によって、低反応性ガス導入装置42から、アルゴンガス等の低反応性ガスをイオン生成装置46内に導入し、イオン生成電源48から供給された電圧によって、低反応性ガスのプラズマを形成し、低反応性ガスを電離させ、帯電した低反応性ガスを生成する。
【0060】
真空処理工程の終了後、第一例〜第五例の真空処理装置11〜15では、制御装置39によって、第一開閉装置7aと第二開閉装置7bとは開状態にされ、第一、第二電極2a、2bを吸着電源25から切り離し、第一、第二電極2a、2bを浮遊電位に置く。
【0061】
次いで、第一例〜第五例の真空処理装置11〜15では、制御装置39により、真空槽20の内部に帯電ガス生成装置19から帯電ガスが導入され、吸着板22上に配置された処理対象物23と接地部材49とが、帯電ガスに接触すると、処理対象物23は接地電位に接続される。
帯電した低反応性ガスは真空槽20の内部に導電性を有する帯電ガスとして放出し、真空雰囲気に含有させることができる。低反応性ガスには加工ガスと同種類のガスを用いてもよい。
【0062】
第一例〜第三例、第五例の真空処理装置11〜13、15では、加工装置18が帯電ガス生成装置19として用いられたが、第四例の真空処理装置14では、加工装置18を動作させずに、帯電ガス生成装置19を動作させて、真空雰囲気に導電性を有する帯電ガスを含有させることができる。
【0063】
第一例〜第五例の真空処理装置11〜15において、真空雰囲気に含有された導電性を有する帯電ガスは、吸着板22上の処理対象物23と接地部材49とに接触し、処理対象物23は接地電位に接続される。
【0064】
他方、第五例の真空処理装置15には、第一例〜第五例の真空処理装置11〜15の帯電ガス生成装置19とは別に、接地接続装置50が設けられている。
接地接続装置50は、装置本体51と、装置本体51に設けられ、接地電位に接続された触針52とを有しており、制御装置39は装置本体51を制御し、触針52を接地部材49として、吸着板22上に配置された処理対象物23の表面又は裏面に接触させることで処理対象物23が接地電位に接続される。
【0065】
触針52を接地部材49にして処理対象物23を接地電位に接続させる真空処理装置15が例えばイオン注入装置であれば、触針52を処理対象物23に接触させてイオン注入処理を行える点で都合がよい。他方、触針52は、プラズマに曝されると劣化するため、処理対象物23に行う真空処理が、処理対象物23をプラズマに曝さない処理であれば都合がよい。
【0066】
<測定手順>
次に、第一、第二測定工程を説明する。
制御装置39は、導電性を有する帯電ガスや、接地接続装置50によって処理対象物23を接地電位に接続した状態で、第一、第二開閉装置7a、7bを開状態にし、第一、第二電極2a、2bを吸着電源25から遮断させることで、第一、第二測定工程を開始する。
【0067】
真空処理工程が終了した後は、第一、第二コンデンサ29a、29bには、残留電荷が蓄積されており、処理対象物23が接地電位に接続され、第一、第二電極2a、2bが吸着電源25から遮断されていると、第一、第二電極2a、2bには、第一、第二コンデンサ29a、29bに蓄積された残留電荷の大きさに応じた大きさの電位が現れる。
【0068】
吸着装置9は、第一電極2aに接続された第一信号配線17aと、第二電極2bに接続された第二信号配線17bと、第一信号配線17aに接続された第一被測定部3aと、第二信号配線17bに接続された第二被測定部3bと、第一被測定部3aの電位を測定する第一電位測定装置4aと、第二被測定部3bの電位を測定する第二電位測定装置4bとを有している。
【0069】
ここでは、第一被測定部3aと第二被測定部3bとは露出された金属配線又は露出された金属片であり、第一被測定部3aは、第一電源配線10aの真空槽20の外部に位置する部分に接続され、第一電源配線10aのうち、第一電極2aと第一被測定部3aが接続された部分の間が第一信号配線17aにされており、同様に、第二被測定部3bは、第二電源配線10bの真空槽20の外部に位置する部分に接続されており、第二電源配線10bのうち、第二電極2bと第二被測定部3bが接続された部分の間が第二信号配線17bにされている。
【0070】
第一電位測定装置4aと第二電位測定装置4bとは表面電位計であり、第一電位測定装置4aは、第一電位検出部5aと、第一測定装置本体6aとを有しており、第二電位測定装置4bは、第二電位検出部5bと、第二測定装置本体6bとを有している。
符号44aは、第一電位検出部5aと第一測定装置本体6aとを接続する金属配線であり、符号44bは、第二電位検出部5bと第二測定装置本体6bとを接続する金属配線である。
【0071】
第一電位検出部5aは、第一被測定部3aとは非接触で、第一被測定部3aの近傍に配置されており、第二電位検出部5bは、第二被測定部3bとは非接触で、第二被測定部3bの近傍に配置されている。
【0072】
第一測定工程では、処理対象物23が接地電位に接続され、第一、第二電極2a,2bが吸着電源25から切り離された状態で、第一電位検出部5aは、第一被測定部3aの電位を検出し、検出結果を示す電位信号を生成し、第一測定装置本体6aに第一測定結果として出力する。
第一測定装置本体6aは、入力された電位信号に基づいて、第一電極2aの極性と接地電位を基準とした電位の値とを求め、求めた極性と電位の値とを制御装置39に出力すると、第一電位測定装置4aによる第一測定工程が終了される。
【0073】
第二測定工程では、処理対象物23が接地電位に接続され、第一、第二電極2a,2bが吸着電源25から切り離された状態で、第二電位検出部5bは、第二被測定部3bの電位を検出し、検出結果を示す電位信号を生成し、第二測定装置本体6bに第二測定結果として出力する。
第二測定装置本体6bは、入力された電位信号に基づいて、第二電極2bの極性と接地電位を基準とした電位の値とを求め、求めた極性と電位の値とを制御装置39に出力すると、第二電位測定装置4bによる第二測定工程が終了される。
【0074】
<除電の手順>
次に、残留電荷を消滅させるために第一、第二電極2a、2bに印加する電圧を求める手順について説明する。
第一コンデンサ29aに蓄積された残留電荷を第一残留電荷とし、第二コンデンサ29bに蓄積された残留電荷を第二残留電荷とすると、第一例〜第五例の真空処理装置11〜15を用いて、第一残留電荷と第一電極2aの電位との間の関係である第一対応関係が予め測定され、また、第二残留電荷と第二電極2bの電位との間の関係である第二対応関係とが予め測定されており、測定された第一、第二対応関係は、記憶装置41に記憶されている。
【0075】
また、第一例〜第五例の真空処理装置11〜15を用いて、第一コンデンサ29aの第一残留電荷の値と、その第一残留電荷を消滅させるために第一電極2aに印加する第一逆電圧の値との関係である第一逆対応関係と、第二コンデンサ29bの第二残留電荷の値と、その第二残留電荷を消滅させるために第二電極2bに印加する第二逆電圧の値との関係である第二逆対応関係とが測定され、記憶装置41には、第一、第二逆対応関係が記憶されている。
【0076】
第一対応関係と第一逆対応関係とを、第一電位関係とし、第二対応関係と第二逆対応関係とを、第二電位関係とすると、記憶装置41には、第一電位関係と第二電位関係とが記憶されており、制御装置39は、第一測定結果を、記憶装置41に記憶された第一電位関係に照合して第一求電圧工程を開始し、第一残留電荷を求め、求めた第一残留電荷から第一逆電圧を求めて第一求電圧工程を終了させ、次に、又は求電圧工程よりも前に、又は同時に、制御装置39が第二測定結果を照合して第二求電圧工程を開始し、第二残留電荷を求め、求めた第二残留電荷から第二逆電圧を求め第二求電圧工程を終了させる。
【0077】
第一測定結果の正負符号と第二測定結果の正負符号とが反対である場合は、第一逆電圧の極性は第一測定結果の極性とは逆極性であり、第二逆電圧の極性は第二測定結果とは逆極性である。
【0078】
次に、制御装置39は、帯電ガス生成装置19又は接地接続装置50を動作させ、導電性を有する帯電ガス又は触針52によって処理対象物23を接地電位に接続する。
図6Aの符号78は、制御装置39が帯電ガスを真空雰囲気に含有させ、又は、接地接続装置50を動作させて触針52を処理対象物に接触させて、処理対象物23を接地電位に接続し、その逆に、制御装置39が帯電ガスを真空雰囲気に含有させず、又は、接地接続装置50を動作させて触針52を処理対象物23から離間させて、処理対象物23を接地電位から切り離すことで、処理対象物23を接地電位に接続し、又は、接地電位から切り離すことを示す等価的な開閉部材である。
第一、第二コンデンサ29a、29bの処理対象物23側の端子は、この等価的な開閉部材78が閉状態になったときに、接地電位に接続される。
【0079】
次に、逆電圧を用いた除電手順について説明する。
ここでは、制御装置39は、導電性を有する帯電ガスや、接地接続装置50によって処理対象物23を接地電位に接続した状態にさせており、第一除電工程を開始し、第一開閉装置7aを閉状態、第二開閉装置7bを開状態にし、第一電極2aを吸着電源25に接続させ、第二電極2bを吸着電源25から切り離す。
【0080】
次いで、制御装置39は吸着電源25を動作させ、第一電極2aに第一逆電圧を印加して第一コンデンサ29aに蓄積された第一残留電荷を減少させ、第一除電工程を終了させる。
次に、処理対象物23が接地電位に接続された状態で、第二除電工程を開始し、第二開閉装置7bを閉状態、第一開閉装置7aを開状態にし、第二電極2bを吸着電源25に接続させ、第一電極2aを吸着電源25から切り離す。
次いで、制御装置39は吸着電源25を動作させ、第二電極2bに第二逆電圧を印加して第二コンデンサ29bに蓄積された第二残留電荷を減少させ、第二除電工程を終了させる。
【0081】
以上は、第一、第二測定工程と、第一、第二求電圧工程と、第一、第二除電工程とを有する主除電工程について説明したが、主除電工程には、第一測定結果に基づいて、第一逆電圧の印加と不印加を決定する第一比較工程と、第二測定結果に基づいて第二逆電圧の印加と不印加を決定する第二比較工程とを設け、第一測定工程を行った後、第一比較工程での決定が印加の場合は、第一除電工程によって第一電極2aに第一逆電圧を印加し、第一比較工程での決定が不印加の場合は、第一除電工程を行わず、第一電極2aには第一逆電圧を印加しない。
【0082】
また、第二測定工程を行った後、第二比較工程での決定が印加の場合は、第二除電工程によって第二電極2bに第二逆電圧を印加し、第二比較工程での決定が不印加の場合は、第二除電工程を行わず、第二電極2bには第二逆電圧を印加しない。
【0083】
具体的に第一、第二比較工程を説明すると、記憶装置41には、基準電位範囲が記憶されており、第一比較工程は、第一測定結果を基準電位範囲と比較し、第一測定結果の値が基準電位範囲内に位置していることを示す場合は不印加の決定をし、第一測定結果の値が基準電位範囲内に位置していないことを示す場合は印加の決定をする。
【0084】
第二比較工程は、第二測定結果を基準電位範囲と比較し、第二測定結果の値が基準電位範囲内に位置していることを示す場合は不印加の決定をし、第二測定結果の値が基準電位範囲内に位置していないことを示す場合は印加の決定をする。
【0085】
又は、記憶装置41には、基準逆電圧範囲を記憶させ、第一測定工程と第一求電圧工程の後で、第一比較工程を行い、また、第二測定工程と第二求電圧工程の後で、第二比較工程を行うようにし、第一比較工程は、第一逆電圧の値を基準逆電圧範囲と比較し、比較結果が、第一逆電圧の値が基準逆電圧範囲内に位置していたことを示す場合は不印加と決定し、第一逆電圧の値が基準逆電圧範囲内に位置していないことを示す場合は印加と決定する。
【0086】
また、第二比較工程は、第二逆電圧の値を基準逆電圧範囲と比較し、比較結果が、第二逆電圧の値が基準逆電圧範囲内に位置していたことを示す場合は不印加と決定し、第二逆電圧の値が基準逆電圧範囲内に位置していないことを示す場合は印加と決定する。
【0087】
以上は、第一、第二測定工程後、第一、第二求電圧工程を行ったが、第一測定工程、第一求電圧工程、第二測定工程、第二求電圧工程の順序でおこなってもよい。
また、第一測定工程、第一求電圧工程、第一除電工程をこの順序で行った後、第二測定工程、第二求電圧工程、第二除電工程をこの順序でおこなってもよい。
【0088】
上記第一例〜第五例の真空処理装置11〜15は、処理対象物23の表面に薄膜を形成する装置であったが、処理対象物23の表面をエッチングするエッチング装置など、種々の装置が含まれる。
【0089】
以上説明した真空処理装置11〜15では、第一、第二被測定部3a、3bは、真空槽20の外部に設けられており、第一、第二被測定部3a、3bの電位を測定し易く、また、第一,第二電位検出部5a、5bを真空槽20の外部に配置することができるため、第一,第二電位検出部5a、5bが真空処理の影響を受けることが無く、寿命が長くなる。但し、第一、第二被測定部3a、3bを、真空槽20の内部に設けた吸着装置や真空処理装置には、その利点が無いが、本発明に含まれる。
【0090】
また、以上説明した第一例〜第五例の真空処理装置11〜15では、導電性を有する帯電ガスを真空雰囲気に含有させて、残留電荷に応じた第一、第二電極2a、2bの電位を測定する際に、帯電ガス生成装置19は、直流電圧を用いて導電性を有する帯電ガスを生成することが望ましい。電位の測定中には、交流電圧を停止させなくても測定は可能である。
【0091】
なお、上記第一,第二測定装置本体6a、6bには、例えば振動容量方法等、種々の測定原理に基づいて動作する装置が含まれる。
なお、上記第一電極2aと第二電極2bは、それぞれ一枚の電極であったが、第一電極2aと第二電極2bとは、吸着電源25から同じ電圧が印加される複数の電極で構成することができる。
【0092】
以上は第一、第二電極2a、2bに、第一、第二逆電圧を印加することで、除電したが、第一、第二逆電圧を印加するのでは無く、プラズマや帯電ガスを処理対象物23と接地部材49とに接触させ、処理対象物23を接地部材49に接続させることで、除電を行っても良い。
【0093】
第五例の加工装置18も、帯電ガス生成装置19として動作させることができるので、第一例〜第五例の真空処理装置11〜15では、第一除電工程では、第一電極2aを接地電位に接続し、第二電極2bを電気的に浮遊させた状態で、第一測定結果の値に応じた電力で帯電ガスを発生させ、第一コンデンサ29aを放電させることで第一電極2aの除電を行い、次に、第二除電工程では、第二電極2bを接地電位に接続し、第一電極2aを電気的に浮遊させた状態で、第二測定結果の値に応じた電力で帯電ガスを発生させ、第二コンデンサ29bを放電させることで第二電極2bの除電をおこなってもよい。
【0094】
第一、第二電極2a、2bを接地電位に接続するためには、吸着電源25から接地電位の電圧を第一、第二電極2a、2bにそれぞれ印加してもよいが、吸着電源25から接地電位の電圧を印加するのでは無く、吸着電源25の内部又は外部に第一、第二補助開閉装置を設け、第一補助開閉装置を閉状態にすることによって、第一電極2aを接地電位に接続し、第二補助開閉装置を閉状態にすることで第二電極2bを接地電位に接続してもよい。
【0095】
以上説明した主除電工程は、繰り返し行うことで、第一、第二コンデンサ29a,29bの残留電荷をゼロに近づけることができるので、上限回数を設定しておき、主除電工程の繰り返し回数が上限回数に到達する前であっても、第一、第二の比較結果の両方が、不印加を決定した場合に、主除電工程を終了させることができるようにしておくと、少ない時間で、残留電荷をゼロに近づけることができる。
【0096】
以上は、スパッタ装置やCVD装置等の成膜装置を例にしたが、本発明は、成膜装置の他、エッチング装置やイオン注入装置等、成膜対象物を真空雰囲気中で処理する真空処理装置が広く含まれる。
【0097】
特に、イオン注入装置の場合は、処理対象物を真空雰囲気中に配置して処理対象物にイオンを注入するときには、上述の接地接続装置50によって、処理対象物を接地電位に接続しているから、プラズマを用いずに接地接続装置50によって処理対象物を接地電位に接続し、第一、第二電極2a、2bの電位を測定することができる。
【0098】
以上説明した各真空処理装置11〜15を構成する帯電ガス生成装置19等の部材は、制御装置39によって制御されているが、残留電荷の測定結果の値が異常であった場合には、制御装置39が警報を出力するようにしたり、又は、制御装置39が処理対象物23の種類を判別して、逆電圧等の除電の条件を変更する等、制御装置39に記憶された処理手順を追加、変更することで、真空処理装置11〜15の動作の追加や変更をすることができる。
【0099】
<逆電圧の例>
図8のグラフは、正電圧が印加されるプラス電極である第一電極2aと、負電圧が印加されるマイナス電極である第二電極2bの残留電荷の一例であり、第一電極2aには、−125Vの逆電圧が印加されて残留電荷がゼロになり、第二電極2bには、+180Vの逆電圧が印加されて残留電荷がゼロになっている。
【0100】
<吸着装置の他の例>
図6Bは、吸着装置9の別例の等価回路であり、第一電源配線10a,10bには、分岐のための第一、第二信号配線17a,17bが電気的に接続されており、その分岐のための第一,第二信号配線17a,17bに、第一、第二被測定部3a,3bが電気的にそれぞれ接続されている。
【0101】
分岐のための第一,第二信号配線17a,17bがそれぞれ接続された第一,第二電源配線10a,10bの位置と、第一,第二電極2a,2bとの間の第一,第二電源配線10a,10bは、第一,第二信号配線17a,17bとしても用いられている。
【0102】
この
図6Bの等価回路の吸着装置9でも、第一被測定部3aの電位を非接触の第一電位検出部5によって検出することで、第一電極2aの電位を測定し、測定結果から逆電圧を求めて印加することができる。又、双極型の吸着装置9の第一、第二電源配線10a,10bに、それぞれ分岐のための第一、第二信号配線17a,17bを接続し、その分岐のための第一、第二信号配線17a,17bに第一、第二被測定部3a、3bを電気的に接続して、第一、第二被測定部3a、3bの電位を第一、第二電位検出部5a,5bによって検出することで、第一、第二電極2a,2bの電位を測定し、測定結果から逆電圧を求めて、第一、第二電極2a,2bに印加することができる。
【0103】
図6Cは、吸着装置9の他の別例の等価回路であり、流れる電流を制限するための10
10Ω以上の高インピーダンスの第一電流制限装置37aによって、第一電位検出部5aを第一電源配線10aに接続し、第二電流制限装置37bによって、第二電位検出部5bを第二電源配線10bに接続することで、第一、第二電位検出部5a,5bを第一,第二電極2a,2bに電気的にそれぞれ接続したときの等価回路である。
【0104】
ここでも第一信号配線17aは一部が第一電源配線10aと共用にされ、第二信号配線17bは一部が第二電源配線10bと共用にされている。
第一、第二電位検出部5a,5bが第一、第二電流制限装置37a,37bを介して第一、第二信号配線17a,17bの電位を検出することで、第一、第二電極2a,2bの電位を測定する。