特許第6473569号(P6473569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473569
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】LED駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20190207BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   H01L33/00 J
   H05B37/02 J
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-41819(P2014-41819)
(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公開番号】特開2015-167213(P2015-167213A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2017年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】新日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083194
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 常明
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宗
(72)【発明者】
【氏名】武渕 堅次
(72)【発明者】
【氏名】境 要典
【審査官】 大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02519080(EP,A2)
【文献】 特開2009−272190(JP,A)
【文献】 特開平08−078731(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0271041(US,A1)
【文献】 特開2004−119422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
n個(nは1以上の整数)のLEDの直列回路からなり高電圧側が電圧入力端子に接続される第1のLED群と、第1の駆動電流を供給する第1の駆動部と、前記第1のLED群の低電圧側と前記第1の駆動部を接続する第1のスイッチ回路と、n個のLEDの直列回路からなる第2のLED群と、前記第2のLED群の高電圧側と前記電圧入力端子を接続する第2のスイッチ回路と、前記第1の駆動電流と同じ駆動電流を供給する第2の駆動部と、前記第2のLED群の低電圧側と前記第2の駆動部を接続する第3のスイッチ回路と、前記第1のLED群の低電圧側と前記第2のLEDの高電圧側を接続する第4のスイッチ回路と、前記電圧入力端子の電圧に応じて前記第1、第2、第3および第4のスイッチ回路をオン/オフする第1の制御回路とを備え、
前記第1の制御回路は、前記電圧入力端子の電圧が低いときは、前記第1、第2および第3のスイッチ回路をオンし前記第4のスイッチ回路をオフして、前記第1のLED群と前記第1の駆動部の直列接続回路と前記第2のLED群と前記第2の駆動部の直列接続回路を前記電圧入力端子に対して並列接続し、前記電圧入力端子の電圧が高いときは、前記第1および第2のスイッチ回路をオフし前記第3および第4のスイッチ回路をオンして、前記第1および第2のLED群と前記第2の駆動部とを直列接続した回路を前記電圧入力端子に接続するよう動作し、
前記第1のスイッチ回路は、コレクタが前記第1のLED群の低電圧側に接続され、エミッタが前記第1の駆動部に接続され、オンのときにベースに定電圧が印加される第1のNPNトランジスタで構成され、
前記第3のスイッチ回路は、コレクタが前記第2のLED群の低電圧側に接続され、エミッタが前記第2の駆動部に接続され、オンのときにベースに定電圧が印加される第2のNPNトランジスタで構成されている、
ことを特徴とするLED駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載のLED駆動回路において、
前記電圧入力端子の電圧を安定化する電圧安定化回路を備え、
該電圧安定化回路は前記第1および第2の駆動部に安定化電圧を供給し、且つ前記第3のスイッチ回路がオンのときに前記第2のNPNトランジスタのベースに前記安定化電圧を分圧した電圧を供給することを特徴とするLED駆動回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のLED駆動回路において、
前記第4のスイッチ回路は、前記第1のLED群の前記低電圧側にエミッタが接続され前記第2のLED群の前記高電圧側にコレクタが接続されたPNPトランジスタで構成され、
前記第1のLED群と前記第2のLED群を直列接続する際に、前記PNPトランジスタのベースに前記電圧入力端子の電圧を分圧した電圧が印加されることを特徴とするLED駆動回路。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のLED駆動回路において、
外部制御端子に接続される第2の制御回路を備え、
該第2の制御回路は、前記外部制御端子から入力する制御信号に応じて、前記第1、第2、第3および第4のスイッチ回路のオン/オフ切り替えおよび前記第1および第2の駆動部の前記第1の駆動電流の値を制御することを特徴とするLED駆動回路。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載のLED駆動回路において、
前記第1および第2のLED群の前記並列接続と前記直列接続のいずれか一方以外の接続を回避する時間調整回路を前記第1の制御回路の出力側に設けたことを特徴とするLED駆動回路。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5に記載のLED駆動回路において、
前記電圧入力端子に逆接続防止回路を接続したことを特徴とするLED駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図9に従来のLED駆動回路を示す。51は電圧入力端子、52,53は複数個のLEDを直列接続したLED群、54はPWM信号が入力するPWM端子、55は駆動回路である。
【0003】
電圧入力端子51の電圧VINが低電圧のときは、LED群52,53を並列接続した図9(a)に示す回路が使用され、電圧入力端子51の電圧VINが高電圧のときは、LED群52,53を直列接続した図9(b)に示す回路が使用されている。
【0004】
しかし、この手法では2種類の回路が必要となる。あるいは配線が別になり、同一基板上で構成する場合にLED群が4個必要になるなど高価な部品の増大や基板面積の増大を招く。
【0005】
一方、特許文献1には、図10に示すように、LED群63,64のLEDの順方向電圧Vfが小さいときは、端子65を抵抗により接続して、端子61、62の間において、LED群63,64を直列接続し、LED群63,64のLEDの順方向電圧Vfが大きいときは、端子66,67をそれぞれ抵抗により接続して、LED群63,64を並列接続する構成が記載されている。
【0006】
しかし、これは使用するLEDの順方向電圧Vfの大きさに応じて、LED群63,64の直列接続と並列接続の一方を選択するものであり、ここには入力する電圧の変動に対してどのように接続するかについては明確でない。また、直列接続時のLED群63,64の各LEDの順方向電圧Vfを端子61の側から決めるのか端子62の側から決めるのかが明らかでない。さらに、端子65をトランジスタで接続する場合には、そのバイアス設定をどのようにして決めるのかが明らかでない。よって、輝度設計ができないなどの問題がある。
【0007】
また、特許文献2には、電圧入力端子と内部の電圧生成部との間に照明部を設けたビデオカメラ装置において、照明部を複数のLEDで構成し、電圧入力端子の電圧に応じてそのLEDの直列/並列接続を切り替えて、電圧生成部に入力する電圧が所定の範囲内となるようにする構成が記載されている。
【0008】
しかし、この照明部は、照明の機能と同時にLEDの直列/並列切替による電圧調整を実現するものであり、LEDの輝度設定などについては特別の記載がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−059636号公報
【特許文献2】特開2012−053144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、入力電圧に応じて2個のLED群の直列/並列の切り替えを自動化でき、また直列/並列のいずれであっても同じ輝度を設定できるようにしたLED駆動回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、n個(nは1以上の整数)のLEDの直列回路からなり高電圧側が電圧入力端子に接続される第1のLED群と、第1の駆動電流を供給する第1の駆動部と、前記第1のLED群の低電圧側と前記第1の駆動部を接続する第1のスイッチ回路と、n個のLEDの直列回路からなる第2のLED群と、前記第2のLED群の高電圧側と前記電圧入力端子を接続する第2のスイッチ回路と、前記第1の駆動電流と同じ駆動電流を供給する第2の駆動部と、前記第2のLED群の低電圧側と前記第2の駆動部を接続する第3のスイッチ回路と、前記第1のLED群の低電圧側と前記第2のLEDの高電圧側を接続する第4のスイッチ回路と、前記電圧入力端子の電圧に応じて前記第1、第2、第3および第4のスイッチ回路をオン/オフする第1の制御回路とを備え、前記第1の制御回路は、前記電圧入力端子の電圧が低いときは、前記第1、第2および第3のスイッチ回路をオンし前記第4のスイッチ回路をオフして、前記第1のLED群と前記第1の駆動部の直列接続回路と前記第2のLED群と前記第2の駆動部の直列接続回路を前記電圧入力端子に対して並列接続し、前記電圧入力端子の電圧が高いときは、前記第1および第2のスイッチ回路をオフし前記第3および第4のスイッチ回路をオンして、前記第1および第2のLED群と前記第2の駆動部とを直列接続した回路を前記電圧入力端子に接続するよう動作し、前記第1のスイッチ回路は、コレクタが前記第1のLED群の低電圧側に接続され、エミッタが前記第1の駆動部に接続され、オンのときにベースに定電圧が印加される第1のNPNトランジスタで構成され、前記第3のスイッチ回路は、コレクタが前記第2のLED群の低電圧側に接続され、エミッタが前記第2の駆動部に接続され、オンのときにベースに定電圧が印加される第2のNPNトランジスタで構成されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のLED駆動回路において、前記電圧入力端子の電圧を安定化する電圧安定化回路を備え、該電圧安定化回路は前記第1および第2の駆動部に安定化電圧を供給し、且つ前記第3のスイッチ回路がオンのときに前記第2のNPNトランジスタのベースに前記安定化電圧を分圧した電圧を供給することを特徴とする。
【0013】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載のLED駆動回路において、前記第4のスイッチ回路は、前記第1のLED群の前記低電圧側にエミッタが接続され前記第2のLED群の前記高電圧側にコレクタが接続されたPNPトランジスタで構成され、前記第1のLED群と前記第2のLED群を直列接続する際に、前記PNPトランジスタのベースに前記電圧入力端子の電圧を分圧した電圧が印加されることを特徴とする。
【0014】
請求項4にかかる発明は、請求項1、2又は3に記載のLED駆動回路において、外部制御端子に接続される第2の制御回路を備え、該第2の制御回路は、前記外部制御端子から入力する制御信号に応じて、前記第1、第2、第3および第4のスイッチ回路のオン/オフ切り替えおよび前記第1および第2の駆動部の前記第1の駆動電流の値を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項5にかかる発明は、請求項1、2、3又は4に記載のLED駆動回路において、前記第1および第2のLED群の前記並列接続と前記直列接続のいずれか一方以外の接続を回避する時間調整回路を前記第1の制御回路の出力側に設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項6にかかる発明は、請求項1、2、3、4又は5に記載のLED駆動回路において、前記電圧入力端子に逆接続防止回路を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1にかかる発明によれば、電圧入力端子の電圧に応じて第1、第2のLED群の直列/並列が第1の制御回路によって自動的に切り替えられ、直列接続の場合も並列接続の場合も、第1および第2のLED群に同じ電流を供給することができ、同じ輝度を実現できる。
【0018】
請求項2にかかる発明によれば、電圧入力端子の電圧が変動しても安定した電圧を第1の制御回路や駆動回路に供給することができ、各LED群の輝度のばらつきを防ぐことができる。
【0019】
請求項3にかかる発明によれば、第1のスイッチ回路の起動時の不安定化や逆流阻止が可能となる。
【0020】
請求項4にかかる発明によれば、電圧入力端子の電圧に関係なく、外部から第1、第2のLED群の直列/並列の切り替えが可能になり、そのときの電流も外部から設定することができるようになる。
【0021】
請求項5にかかる発明によれば、第1、第2のLED群の直列/並列以外の接続状態を回避することができる。
【0022】
請求項6にかかる発明によれば、電源ラインに対して電圧入力端子を逆極性で接続したとしても、内部回路を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図2】本発明の第2の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図3】本発明の第3の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図4】本発明の第4の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図5】本発明の第5の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図6】本発明の第6の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図7】本発明の第7の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図8】本発明の第8の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図9】従来のLED駆動回路のの回路図である。
図10】従来の別のLED駆動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明について図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する部材・配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。図面において、同一番号は同等あるいは同一部分を示している。
【0025】
<第1の実施例>
図1に第1の実施例のLED駆動回路を示す。1は電圧入力端子、2はn個(nは1以上の整数)のLEDが直列接続された第1のLED群、3もn個のLEDが直列接続された第2のLED群、4はPWM端子である。5は第1の制御回路であり、電圧入力端子1に入力する電圧VINの高低を検出する電圧検知回路51と、その電圧検知回路51の検出結果に応じた制御信号を出力するスイッチ制御回路52を含む。6は駆動回路であり、LED群2を駆動する第1の駆動部61と、LED群3又はLED群2,3の直列回路を駆動する第2の駆動部62を含み、それらは所定の電流値を設定するとともに、PWM端子4に入力するPWM信号によって、電流のオン/オフを行う。7〜10はスイッチ制御回路52でオン/オフが個別的に制御されるスイッチ回路である。
【0026】
さて、電圧入力端子1には、高い電圧あるいは低い電圧VINが入力する。このとき、入力電圧VINが、制御回路5の電源検知回路51において低い所望の電圧であると検知されたときは、スイッチ制御回路52によって、スイッチ回路7,8,10がオンに制御され、スイッチ回路9がオフに制御される。これにより、LED群2,3が電圧入力端子1に対して並列接続される。そして、駆動回路6の駆動部61,62が互いに同じ電流値に設定され且つ同じPWM信号で制御されることで、LED群2,3の各LEDがそのPWM制御に応じた同じ輝度で発光する。
【0027】
以上のように、入力電圧VINが低いときは、LED群2,3が並列接続される。このときは、電圧入力端子1に直列接続されるLEDの数が少なくなるので、回路のダイナミックレンジを大きくすることができて、大きな順方向電圧VfのLEDも使用できる。
【0028】
一方、入力電圧VINが、制御回路5の電源検知回路51において高い所望の電圧であると検知されたときは、スイッチ制御回路52によって、スイッチ回路8,9がオンに制御され、スイッチ回路7,10がオフに制御される。これにより、LED群2,3が電圧入力端子1に対して直列接続される。このとき、駆動回路6の駆動部62がPWM制御されることで、LED群2,3がそのPWM制御に応じた輝度で発光する。
【0029】
以上のように、入力電圧VINが高いときは、LED群2,3が直列接続される。このとき、駆動部62の電流値を、スイッチ制御回路52によって、並列接続されていた際にLED群3に流れた電流値と同じ電流値に制御することで、LED群2,3が並列接続されていた際に入力したPWM信号と同じPWM信号が入力する際に、直列接続されたLED群2,3の各LEDの輝度レベルを並列接続時の輝度レベルと同程度にすることができる。
【0030】
<第2の実施例>
図2に第2の実施例のLED駆動回路を示す。本実施例は、図1のLED駆動回路において、新たに安定化電源回路11を設けるとともに、電圧入力端子1と安定化電源回路11との間に第1の電圧減衰回路12を挿入接続し、電圧入力端子1とLED群2,3との間に第2の電圧減衰回路13を挿入接続している。
【0031】
入力電圧VINの値が安定しないとき、制御回路5や駆動回路6がその入力電圧VINの変動の影響を受け、LED群2,3で所定の輝度を実現することができなくなる。そこで本実施例では、安定化電源回路11を設け、ここで安定化された電圧VDDを生成して供給することにより、制御回路5や駆動回路6がその入力電圧VINの変動の影響を受けないようにする。また、電圧減衰回路12を挿入接続することにより、安定化電源回路11に印加する電圧を低下させ、その安定化電源回路11を構成する素子に耐圧不足が生じないようにする。さらに、電圧減衰回路13を挿入接続することにより、スイッチ回路7,8の両端間に印加する電圧を低下させ、それらスイッチ回路7,8を構成する素子に耐圧不足が生じないようにする。
【0032】
例えば、LED群2,3を並列接続した際に、スイッチ回路7,8にかかる電圧は、入力電圧がVINで、安定化電源回路11の出力電圧がVDDであるとすると、
スイッチ回路7の高圧側電圧=VIN−n・Vf
スイッチ回路7の低圧側電圧=VDDより低く、第1の駆動部61が動作できる所望の電圧
スイッチ回路8の高電圧側電圧=VIN−n・Vf
スイッチ回路8の低圧側電圧=VDDより低く、第2の駆動部62が動作できる所望の電圧
となる。
【0033】
一方、LED群2,3を直列接続した際に、スイッチ回路8にかかる電圧は、
スイッチ回路8の高電圧側電圧=VIN−2n・Vf
スイッチ回路8の低圧側電圧=VDDより低く、第2の駆動部62が動作できる所望の電圧
となる。
【0034】
したがって、入力電圧VINが高い場合、あるいはLEDの順方向電圧Vfが小さいときには、特にスイッチ回路7,8に大きな耐圧が要求されることになるが、上記のように電圧減衰回路13を挿入することにより、スイッチ回路7,8に要求される耐圧を低下させることができる。
【0035】
<第3の実施例>
図3に第3の実施例のLED駆動回路を示す。本実施例は、図1のLED駆動回路において、起動回路14と電圧印加回路15を追加したものである。
【0036】
LED群2,3を直列接続して使用するときは、スイッチ回路9がオンに制御されるが、入力電圧VINの立上り時(起動時)には、スイッチ回路9やLED群3に印加する電圧が不定となる。この不定時にスイッチ回路9がある状態に固定され動作不能状態に陥ることがある。また、LED群2の低圧側の電圧がLED群3の高圧側電圧として供給されるとき、スイッチ回路9の両端間には大きな電圧が印加されることになる。
【0037】
そこで、起動時にスイッチ回路9に所望の電圧を供給することで、LED群3の高圧側をLED群2の低圧側に接続するとともに、スイッチ回路9からLED群3の高圧側電圧として所望の電圧を供給することで電圧の不定や固着を防ぐ。また、スイッチ回路9からLED群3への供給電圧をLED群2,3の順方向電圧Vfとダイナミックレンジを考慮した電圧とする。
【0038】
<第4の実施例>
図4に第4の実施例のLED駆動回路を示す。本実施例は、第1の実施例において、スイッチ回路9に直列に逆電流防止回路16を挿入したものである。
【0039】
LED群2,3を直列接続したときは、スイッチ回路9はLED群2の側の電圧が高く、LED群3の側の電圧が低くなり逆電圧とはならない。しかし並列接続したときには、スイッチ回路9について、LED群3の側の電圧が高く、LED群2の側の電圧が低くなり、スイッチ回路9に逆電圧が印加して、電流が逆方向に流れ回路素子の劣化が発生することがあり得る。
【0040】
そこで、これを防ぐために、逆電流防止回路16を挿入している。なお、逆電流防止回路16は、スイッチ回路9とLED群3との間に挿入しても同様の効果が得られる。
【0041】
<第5の実施例>
図5に第5の実施例のLED駆動回路を示す。本実施例は、図1の実施例において、外部制御端子17に接続され、制御回路5と駆動回路6を制御する第2の制御回路18を追加したものである。
【0042】
本実施例では、外部制御端子17に外部から入力する制御信号を制御回路18が受信することで、その制御回路18によって、制御回路5のスイッチ制御回路52を電圧検知回路51の検知結果に関係なく制御して、LED群2,3の直列接続や並列接続を切り替えたり、駆動回路6の駆動部61、62の電流値を切り替えたりすることができる。
【0043】
<第6の実施例>
図6に第6の実施例のLED駆動回路を示す。本実施例は、図1の実施例において、制御回路5のスイッチ制御回路52の出力側に、時間調整回路19を挿入したものである。
【0044】
スイッチ制御回路52によってスイッチ回路7〜10を切替制御するとき、LED群2,3が直列/並列のいずれでもない時間領域、あるいは直列/並列が同時に発生する時間領域が存在し得る。そこで、スイッチ制御回路52によって、LED群2,3が直列/並列の切り替えを行う際に、時間調整回路19によってスイッチ回路7〜10を切替制御する際に切り替えに時間差を設けて、前記した直列/並列のいずれでもない時間領域および直列/並列が同時に発生する時間領域が発生することを回避する。この時間調整回路19によって、例えば、スイッチ回路7,10は必ず同時にオン/オフさせ、スイッチ回路9のオフ/オン、つまり逆動作と同期させる。なお、スイッチ8は常時オンにしておいてもよい。
【0045】
<第7の実施例>
図7に第7の実施例のLED駆動回路を示す。本実施例は、図1の実施例において、電圧入力端子1に逆接続防止回路20を挿入接続したものである。
【0046】
LED群2,3の直列接続や並列接続を実現するLED駆動回路は、少ない素子で実現が可能であり、回路を構築するプリント基板などの基板サイズも小さくなり、ボードの向きの視認が難しくなる。こうした場合、組み立て作業中に電源ラインの逆接続が発生し易く、この逆接続が発生すると動作時に回路破壊に至る可能性がある。そこで、電圧入力端子1に逆接続防止回路20を挿入接続することで、電源ラインの逆接続が発生した場合であっても、回路破壊を防止する。
【0047】
<第8の実施例>
図8に第8の実施例のLED駆動回路を示す。本実施例は、図1図4および図7で説明した構成のすべてを備えた具体的な回路である。D1はダイオード、R1〜R19は抵抗、CP1,CP2はコンパレータ、Q1〜Q6はトランジスタ、C1はキャパシタである。
【0048】
前記した逆接続防止回路10はダイオードD1で、電圧減衰回路12は抵抗R1で、電圧減衰回路13は抵抗R2で、それぞれ構成されている。
【0049】
制御回路5の電圧検知回路51は、抵抗R3,R4で安定化電源回路11の出力電圧VDDを分圧して得た基準電圧Vrefと入力電圧VINを抵抗R5,R6で分圧して得た電圧VaとをコンパレータCP1で比較するよう構成されている。Va≧Vrefのとき、コンパレータCP1の出力電圧V1は“H”、Va<Vrefのとき、コンパレータCP1の出力電圧V1は“L”となる。
【0050】
スイッチ制御回路52は、前記した基準電圧VrefとコンパレータCP1の出力電圧V1とをコンパレータCP2により比較するよう構成されている。V1=“H”のとき、コンパレータCP2の出力電圧V2はV2=“L”となり、V1=“L”のときV2=“H”となる。
【0051】
スイッチ回路7はトランジスタQ1で、スイッチ回路8はトランジスタQ2で、スイッチ回路9はトランジスタQ3で、スイッチ回路10はトランジスタQ4で、それぞれ構成されている。
【0052】
そして、入力電圧VINが低く、電圧V1=“L”のとき(電圧V2=“H”のとき)は、トランジスタQ1がオンし、またトランジスタQ6がオンすることでトランジスタQ4がオンする。トランジスタQ3はトランジスタQ5がオフすることでオフする。なお、トランジスタQ2は安定化電圧VDDを抵抗R18,R19で分圧したベース電圧によってオンしている。以上からこのときは、LED群2,3が並列接続される。
【0053】
一方、入力電圧VINが高く、電圧V1=“H”のとき(電圧V2=“L”のとき)は、トランジスタQ1がオフし、またトランジスタQ6がオフすることでトランジスタQ4がオフする。トランジスタQ3はトランジスタQ5がオンすることでオンする。なお、トランジスタQ2は安定化電圧VDDを抵抗R18,R19で分圧したベース電圧によってオンしている。以上からこのときは、LED群2,3が直列接続される。
【0054】
図3で説明した起動回路14と電圧印加回路15および図4で説明した逆流防止回路16は、トランジスタQ3と抵抗R15,R16により構成されている。起動時に入力電圧VINが高く、コンパレータCP1の出力電圧V1が“H”であるとき、トランジスタQ5がオンして、トランジスタQ3のベースに、抵抗R15,R16で入力電圧VINを分圧した電圧を印加させる。このため、そのトランジスタQ3が起動時であっても確実にオンする。トランジスタQ3はエミッタがLED群2の低電圧側に、コレクタがLED群3の高電圧側に接続されたPNP型であるため、LED群2,3の並列接続時であっても、LED群3の高圧側からLED群2の低圧側への逆流が発生することはない。
【0055】
<その他の実施例>
なお、上記した図8では図5の制御回路18や図6の時間調整回路19を含めなかったが、当然ながら含めることもできることはもちろんである。つまり、第1〜第7の実施例に記載の構成をすべて含めたLED駆動回路を構成することもできる。
【符号の説明】
【0056】
1:電圧入力端子、2,3:LED群、4:PWM端子、5:第1の制御回路、51:電圧検知回路、52:スイッチ制御回路、6:駆動回路、61:第1の駆動部、62:第2の駆動部、7〜10:スイッチ回路、11:安定化電源回路、12,13:電圧減衰回路、14:起動回路、15:電圧印加回路、16:逆流防止回路、17:外部制御端子、18:第2の制御回路、19:時間調整回路、20:逆接続防止回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10