(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記結合出力ミラー(22;24;30;33;37)のミラー面が、前記照射光ビームの前記残りの部分(15)とは反対を向くことを特徴とする、請求項1または2に記載の光学アセンブリ。
前記導波路本体(3)が、連続的な導波路キャビティ(6)を有する管状本体を有する中空光導波路として作られることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の光学アセンブリ。
前記結合出力デバイス(32;35;36)が、前記本体出口領域(5)に対するプリズムアタッチメントとして作られることを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載の光学アセンブリ。
前記結合出力照射光部分ビーム(11)が、光学的により密でない媒体での少なくとも部分反射によって前記プリズムアタッチメント(35;36)のプリズム壁(33;35;37)において結合出力されることを特徴とする、請求項6に記載の光学アセンブリ。
前記結合出力照射光部分ビーム(11)が、屈折によって前記プリズムアタッチメント(35;36)のプリズム壁(37)において結合出力されることを特徴とする、請求項6または7に記載の光学アセンブリ。
前記検出面(59)の前記少なくとも1つのセンサ(63〜66)が、前記結合出力照射光部分ビーム(11)全体の結合出力ビームセグメントを検出することを特徴とする、請求項1から8までのいずれかに記載の光学アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、照射光2を案内するための光導波路1の一実施形態を示す。
図1による導波路1は、中空導波路である。導波路1は、本体入口領域4と本体出口領域5との間で照射光2を案内するための導波路本体3を有する。
本体3へ入るときの照射光2が極めて概略的に示されているに過ぎない。本体3は、入口領域4と出口領域5との間が途切れたように示されている。
【0018】
導波路1の構成が中空導波路の場合は、本体3は、内部反射内部壁7を備えた連続的な導波路キャビティ6を有する管状本体として具現化される。導波路キャビティ6の断面は、正方形でも、矩形であってもよい。導波路1の長手方向の長さに垂直な導波路キャビティの矩形断面は、0.2mm〜20mmの範囲の断面寸法を有することができる。したがって、たとえば0.2mm×0.2mm、2m×10mm、または20mm×20mmの断面が可能である。導波路キャビティ6の他の断面領域の形態、たとえば、米国特許第6,552,846号の
図3に示されている形態も可能である。
【0019】
入口領域4と出口領域5との間の導波路本体3の全長は、50mm〜1000mmの範囲にあってもよく、たとえば、500mmであってもよい。本体3は、N=5〜N=100の範囲で、内部壁7での反射の最大数Nに対して設計することができる。例として、N=10が該当してもよい。これよって、所与の反射の数Nに対して、本体3の長手方向軸8との平行線と、入口領域4に入るときのまたは出口領域5から出射するときの照射光2の周縁光線9との間の受光角αが生じ、その角度については図示する例においてα=2.3°が該当する。受光角よりも大きな入口角に対しては、より大きな数Nの反射が結果として起こる。
【0020】
導波路1は、本体出口領域5において結合出力デバイス10を有する。結合出力デバイス10によって、出射する照射光2から結合出力照射光部分ビーム11が結合出力される。結合出力照射光部分ビーム11の断面は、導波路本体3から全体的に出射する照射光2の断面12の一部を構成する。
図1は、例として、絶対値が最大の受光角αを有する出口角で本体3の出口面14を離れる結合出力照射光部分ビーム11の複数の個々の光線13を示す。
結合出力照射光部分ビーム11は、導波路本体3から全体的に出射する照射光2の断面12の20%であってもよいが、さらにより小さくてもよい、たとえば、導波路本体3から全体的に出射する照射光の断面12の15%未満、10%未満、5%未満、さもなければさらに低い割合であってもよい結合出力断面を有することができる。原則として、特に複数の結合出力される結合出力照射光部分ビームの場合は、全結合出力断面、すなわち、複数の結合出力照射光部分ビームの場合の、これらの部分ビームの断面の和も、全体的に出射する照射光2の断面の20%よりも大きくてもよく、たとえば、この全断面の30%、40%もしくは50%であってもよく、またはさらに一層大きくてもよい。
照射光ビームの前記残りの部分15から結合出力照射光部分ビーム11を分離することができるように、結合出力デバイス10は、出射する照射光ビームの残りの部分15から結合出力照射光部分ビーム11を結合出力する。
図1による結合出力デバイス10の実施形態の場合は、出射する照射光2の結合出力デバイス10からのそのような分離が距離Lから開始することが可能である。前記距離Lは、導波路本体3の長さの2分の1よりも小さくてもよく、または1/4未満でもよく、さもなければ導波路本体3の長さの1/10未満であってもよい。入射角βに応じて、照射光ビームの残りの部分15からの結合出力照射光部分ビーム11の分離が可能となる開始長さLを事前に規定することが可能である。
【0021】
結合出力デバイス10は、結合出力ミラー16を有し、このミラー16が本体出口領域5のミラーキャリア17によって導波路本体3に接続される。結合出力ミラー16のミラー面18は、照射光ビームの残りの部分15に面する。ミラー面18は、平坦である。結合出力ミラー16のミラー面18は、70°よりも大きい、図示する実施形態ではほぼ86°の入射角βによってすれすれ入射で動作する。前記入射角βは、出口面14を垂直に通過する個々の光線13に当てはまる。
結合出力ミラー16は、たとえば、接着層19aによって平行六面体のミラーキャリア17に接続されるくさび板として具現化される。結合出力ミラー16とミラーキャリア17との間の接続に対する他の技法も可能である。それに応じて、ミラーキャリア17も、導波路本体3に接続される。
くさび形の結合出力ミラー16のくさび頂点19は、出口面14と一致する。あるいは、くさび頂点19は、導波路本体3から間隔を置いて配置されてもよい。
【0022】
図2は、結合出力デバイス20の変形形態を有する導波路のさらなる実施形態を示す。
図1による実施形態に関連して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
結合出力デバイス10とは対照的に、
図2による結合出力デバイス20の場合は、結合出力ミラー16およびミラーキャリア17は、一体構造のミラー/キャリア本体21を形成するように合体される。他の点では、
図2による結合出力デバイス20は、
図1による結合出力デバイス10に対応する。図示しない変形形態では、ミラーキャリア17は、導波路本体3に一体的に接続されてもよい。
【0023】
図3および
図5は、結合出力デバイス22のさらなる変形形態を示す。
図1および
図2による説明に関連して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
図3および
図5による結合出力デバイス22も、くさび形の結合出力ミラーを有する。結合出力ミラーは、結合出力デバイス22の主構成要素を構成する。結合出力ミラー22のミラー面23は、照射光ビームの残りの部分15とは反対を向く。結合出力デバイス22は、切り刃の形態で作られ、くさび形の結合出力ミラー22のくさび頂点19は、今度も出口面14にある。結合出力ミラー22は、図示しない仕方で導波路1の本体3によって担持される。
【0024】
図3および
図5による結合出力デバイス22の実施形態の場合は、照射光ビームの残りの部分15からの結合出力照射光部分ビーム11の分離は、結合出力ミラー22の直ぐ下流で可能である。
図4および
図6は、結合出力デバイス24のさらなる実施形態を示す。
図3および
図5による結合出力デバイス22とは対照的に、照射光ビームの残りの部分15に面する背面壁25は、平面のやり方では具現化されず、むしろ受光角αに適合する仕方で、傾斜壁区間26を有する。その結果、照射光ビームの残りの部分15の照射光が、背面壁25によってあまり妨害されないので、使用可能な照射光ビームの残りの部分15のより大きな断面を、出口面14において利用できる。
導波路1のさらなる実施形態について、
図7を参照して以下で説明する。
図1〜
図6を参照して、特に
図3を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
【0025】
図7〜
図13による実施形態の場合は、導波路本体27は、照射光2に透明または透過性中実体として作られる。したがって、照射光2は、本体27のクラッディング壁28での内部反射によって本体27内で案内される。この場合、クラッディング壁28での反射角は、光学的により密でない媒体との界面28での全反射の臨界角を上回る。光学的により密でない媒体での全反射の代わりとして、界面28での反射は、界面28の反射コーティングによっても達成することができる。この場合、誘電体または金属の反射コーティングを使用することができる。
照射光は、出口面14にある結合出力表面29から結合出力される。前記結合出力表面29には、照射光2に対する反射防止コーティングが施されていてもよい。
【0026】
図7による導波路1の場合は、結合出力デバイス22は、
図3および
図5によるものと同様に具現化される。くさび形の結合出力ミラー22のくさび頂点19は、結合出力表面29に当接する。
図8および
図9は、
図7による導波路本体27、ならびに
図4および
図6による結合出力デバイスに相当する結合出力デバイス24を備える導波路1のさらなる実施形態を示す。
【0027】
図10は、
図7〜
図9による本体に相当する本体27を備える導波路1のさらなる実施形態を示す。結合出力デバイスとして、
図10による導波路1は、前記部分ビームが結合出力表面29から出射した後、90°だけ結合出力照射光部分ビーム11を偏向させる90°偏向ミラーの形態の結合出力ミラー30を有する。結合出力ミラー30のミラー面31は、照射光ビームの残りの部分15とは反対を向く。
導波路1のさらなる実施形態について、
図11を参照して説明する。
図1〜
図10、特に
図10を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
【0028】
図11による導波路1の場合は、結合出力デバイスは、プリズムアタッチメント32として具現化され、このアタッチメント32が結合出力表面29の区間に光学的に結合される。プリズムアタッチメント32は、導波路本体27の結合出力表面29上に、たとえば締め付けることができる。いくつかの他の、本体にプリズムアタッチメント32を接続するための屈折率を整合させた接続技法も可能である。
図11に示すように、プリズムアタッチメント32は、二等辺直角三角形の形態の断面を有する。プリズムアタッチメント32の斜辺プリズム壁33は、光学的により密でない媒体での照射光2に対する反射面として具現化される。結合出力照射光部分ビーム11は、この反射プリズム壁33での全反射の結果として結合出力される。あるいは、ここでも同様に、プリズム壁33の反射コーティング、たとえば、誘電体または金属コーティングが可能である。プリズムアタッチメント32は、結合出力ミラー30と同様の仕方で、結合出力照射光部分ビーム11に対する90°偏向素子として作用する。プリズムアタッチメント32の出口表面34には、今度も照射光2に対する反射防止コーティングを施すことができる。
図12および
図13は、結合出力照射光部分ビーム11を結合出力するための結合出力デバイスとしてのプリズムアタッチメント35、36のさらなる実施形態を示す。
プリズムアタッチメント35、36は、導波路本体27に一体的に、すなわち、一体構造で接続されている。
図12によるプリズムアタッチメント35の場合は、結合出力照射光部分ビーム11に対して部分的に反射性があり、部分的に結合出力効果を有するプリズム壁37が、
図11による実施形態とは反対の45°の傾斜で具現化され、それによって、
図11による実施形態の場合とは異なり、
図12によるプリズム壁37で反射される結合出力照射光部分ビーム11の一部は、結合出力表面29を通って結合出力される照射光ビームの残りの部分15の光路と、前記照射光ビームが結合出力される前に交差する。
プリズムアタッチメント35、36のプリズム壁37は、完全反射するとして具現化される必要はない。その場合、プリズム壁37を通って送出される結合出力照射光部分ビーム11のさらなる部分が、たとえば、さらなる偏向ミラー(図示せず)によって結合出力の後に、照射光ビームの残りの部分15から分離され、これは、
図12および
図13には示されていない。
【0029】
プリズム壁37の反射効果に関しては、
図13による実施形態は、プリズム壁33を有する
図11による実施形態に相当する。
図13による実施形態の場合も、完全に反射性または部分的に反射性および部分的に透明であるとしてプリズム壁37を具現化することができる。
例示的な実施形態を参照して記載した異なる変形形態において、結合出力するために使用された光学面は、図示するような平面としてだけではなく、結合出力または偏向効果に加えてビーム成形効果も有する湾曲面として具現化されてもよい。前記表面の湾曲は、たとえば、センサ上に結合出力光を結像させるまたは集束させるために使用することができる。この場合、湾曲面は、そのような結像または集束光学ユニットを単独で構成してもよく、または対応する結像または集束光学ユニットの一部であってもよい。
【0030】
記載するミラーまたはプリズム構成の代わりとして、結合出力照射光部分ビーム11を結合出力するための結合出力デバイスの結合出力素子は、少なくとも1つのレンズ素子および/または少なくとも1つの回折光学素子を備えることもできる。あるいはまたはさらに、複数のミラーおよび/または複数のプリズムは、結合出力デバイスの一部であってもよい。
図14は、例として、
図1〜
図13による導波路1を使用することができる照射光学ユニットにおいて、検査装置の対象面または照射フィールド面37a(
図16参照)の照射フィールド38および対物フィールド38aを大きく拡大した図で示す。
【0031】
照射フィールド38は、結合出力されない照射光ビームの残りの部分15によって照射される。
対物フィールド38aの区画38aaは照射光ビームの残りの部分15によって照射されず、すなわち照射されないままである。したがって、対物フィールド区画38aaでは、照射フィールド38は、対物フィールド38aとオーバーラップしない。
対物フィールド38aおよび照射フィールド38は、デカルト座標x、yとの関連で以下に記載される。x軸は、
図14において右に向かって伸びる。y軸は、
図14において上に向かって伸びる。
【0032】
対物フィールド38aは、矩形である。照射フィールド38が対物フィールド38aとオーバーラップするところでは、照射フィールド38は、x方向およびy方向で対物フィールド38aのエッジ領域を越える。したがって、対物フィールド38aは、それが照射されるところでは、ある程度過剰に照射される。
対物フィールド区画38aaにある領域38bは、結合出力照射光部分ビーム11を生成するために結合出力される照射光2のその部分に相当する。
対物フィールド38aは、さらに以下で説明するマスク検査装置の投影光学ユニットによって結像する使用されるフィールド領域39、および検査中に使用されないままの自由フィールド領域40を有する。使用されるフィールド領域39は、対物フィールド38aの照射される区画にある。
図14による実施形態の場合は、2つの矩形の使用されるフィールド領域39が、対物フィールド38aの前記照射される区画にある。使用されるフィールド領域39は、互いに間隔を置いて配置され、互いに切り離されている。使用されるフィールド領域39は、矩形である。
図1〜
図13による導波路1の上記結合出力デバイスは、照射光2全体によって全体的に照射され得る照射フィール内部の走査するために必要な対物フィールド38aの所定の配置に応じて、または照射フィールド38内の走査される使用されるフィールド領域39および自由フィールド領域40の所定の配置に応じて、前記結合出力デバイスは、結合出力がない場合に照射に寄与する対応する断面領域の照射光2を、結合出力照射光部分ビーム11として結合出力するように作られる。その場合、照射光ビームの残りの部分15は、使用されるフィールド領域39を照射し続ける。結合出力がない場合に対物フィールド38a内で照射される、他の、隣接する領域(
図14の対物フィールド区画38aa参照)は、照射光ビームの残りの部分15によって照射されない。
【0033】
また、結合出力なしに照射光2によって照射され得る全照射フィールド38は、実際に結像することになる対物フィールドよりも全体的に大きくてもよい。結合出力なしに、結像する対物フィールドよりも大きな照射フィールド38のそのような領域を照射する照射光2を、上記の実施形態のうちの1つによって結合出力させることができる。
【0034】
原則として、検査装置は、検査中に対象とする検査される構成要素、たとえばマスクとも呼ばれるレチクル、またはウエハの領域をすべて撮像することができる。そのような検査装置は、全体的に検査される表面と比較してより小さいセグメントが同時に検査されるように具現化される場合が多い。検査される対象、すなわち、レチクルおよび/またはウエハは、その場合、1ステップではなく、むしろ連続的なまたは漸進的な変位の文脈で、特に走査プロセスの文脈で撮像される。検査される対象の撮像される表面全体が、このようにようにして走査される。このことが、
図15で概略的に示され、この図は、上で説明したように、対物フィールド38aの使用されるフィールド領域39が照射される対物フィールド38aが、検査される対象、たとえばフォトマスク42一面にわたって、どのように走査されるかを概略的に示す。x次元、およびy次元の両方において、対物フィールド38aは、それぞれの場合で、フォトマスク42のx方向の大きさおよびy方向の大きさのごく一部分の大きさを有する。
対応する、蛇行する走査経路40aが
図15の矢印によって示される。
【0035】
図16は、レチクルとも呼ばれ、照射フィールド38内に配置されるフォトマスク42を検査するためのマスク検査装置41を概略的に示す。
図1〜
図15を参照して既に上で説明した構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には開示しない。
レチクル42は、レチクル変位駆動装置(図示せず)に動作可能に接続されるレチクルホルダ(より具体的な詳細は図示せず)によって担持される。レチクル変位駆動装置は、検査中に、既に上で説明したように、レチクル42の漸進的または走査変位を行う。マスクまたはレチクルの検査装置の例は、独国特許第102 20 815 A1号および米国特許出願公開第2012/0163698号により知られている。
【0036】
検査装置41は、照射光2を生成するための光源43を有する。光源43は、2nm〜30nmの波長領域の、たとえば、2.3nm〜4.4nmの領域の、または5nm〜30nmの領域のEUVを使用する放射を生成することができる。EUVリソグラフィシステムまたは投影露光装置に対して一般的でもある光源、すなわち、たとえば、レーザプラズマ源(LPP;レーザ生成プラズマ)、さもなければ放電源(DPP;放電生成プラズマ)が、光源43に適切である。同時にビーム成形特性を有する偏向ミラー44を介して、照射光2は、導波路1へ結合出力される。偏向ミラー44は、導波路1の入射面42aの領域に中間焦点45を生成する。導波路1の出口面14は、フィールド面を構成する。
導波路1の下流に、照射光ビームの残りの部分15が、(概略的に示す)結像光学ユニット46を介して照射フィールド38まで案内される。この場合、フィールド面14が照射フィールド38に結像する。
導波路1とともに結像光学ユニット46は、検査装置41の照射光学ユニットの一部を構成する。前記照射光学ユニットは、照射光ビームの残りの部分15を使用する下流の光学ユニットの例である。
【0037】
対物フィールド38aの使用されるフィールド領域39は、同様に概略的に示す投影光学ユニット48によって結像面50の結像フィールド49に結像する。結像フィールド49は、たとえば、1つのCCDカメラまたは複数のCCDカメラによる検出デバイス51によって検出される。検出デバイス51は、静止した態様で存在する。検出デバイス51は、レチクル42上の各物点が対物フィールド38の使用されるフィールド領域39に対して変位している間に照射され、検出デバイス51上に結像する場合に、事足りるように画像処理によって動作する。
【0038】
結合出力照射光部分ビーム11は、センサデバイス52の例としての線量測定センサに案内される。センサデバイス52は、結合出力照射光部分ビーム11の特性である測定変数を検出するための測定デバイスの例である。これには、焦電センサが含まれてもよい。導波路1とともに線量測定センサ52は、アセンブリを形成することができる。光学アセンブリのセンサ光学ユニットは、同時に結合出力デバイスの一部であってもよい。
線量測定センサ52によって、マスク検査中に、再現可能な照射条件が照射フィールド38内にあることが保証される。
線量測定センサ52は、照射に使用される照射光ビームの残りの部分ともほぼ同じの、線量測定センサ52に対する検出ビームの角分布を検出するように配置することができる。検出ビームは、照射光ビームの前記残りの部分と比例する強度をさらに有する。
【0039】
光源43、検出デバイス51および線量測定センサ52は、図示しない仕方で、中央制御/調整デバイス53に信号接続され得る。中央制御/調整デバイス53を介して、例として、線量測定センサ52の測定信号の支援によって光源43の出力パワーのパッキングを調整することが可能である。この場合、線量測定センサ52は、光源43の実際のパワーと相関する測定信号を出力する。前記実際のパワーは、制御/調整デバイス53において所定の所望のパワーと比較される。次いで、制御/調整デバイス53は、実際のパワーと所望のパワーとの間の偏差に応じて光源43を駆動する。
【0040】
検査装置41によって、レチクル42上の構造を検査することができるだけでなく、たとえば、投影光学ユニット48の結像性能をチェックすることができる。あるいは、検査装置41は、照射フィールド38における照射光学ユニットの照射性能をチェックする、またはモニタするために使用することができるように具現化することもできる。そのような照射光学ユニットは、検査だけでなく投影露光自体を行う間も使用することができる。
線量測定センサ52の代わりとして、または線量測定センサ52に加えて、フィールド位置センサを使用することができ、フィールド位置センサによって、空間における照射される照射フィールドの位置を検出することが可能である。そのようなフィールド位置センサは、空間分解センサとして、たとえば象限センサとして具現化することができる。照射フィールド面上の位置を検出するために、フィールド位置センサは、対応する測定する光学ユニットを備えることができる。線量測定センサの代わりとして、または線量測定センサに加えて、瞳センサをさらに使用することができる。瞳センサは、同様に空間分解センサとして作られてもよく、照射フィールドの照射の照射角分布を測定することができる。
結合出力照射光部分ビーム11を検出するセンサ52によって確認される測定変数は、制御/調整デバイス53によって、投影露光装置の、たとえばレチクルホルダの対象変位駆動装置の、および/またはレチクル42が結像するウエハに対するウエハホルダのウエハ変位駆動装置の構成要素を駆動するためにも、さもなければ光源43の、および/または照射光学ユニットの、および/または投影光学ユニット48の少なくとも1つの構成要素の変位を制御するために使用することができる。
【0041】
線量測定センサ52に対する例示的な構成について、
図17を参照して詳細により完全に以下で説明する。線量測定センサ52は、結合出力照射光部分ビームの特性である測定変数を検出するための測定デバイスの例である。
図1〜
図16を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
【0042】
図17は、
図2による実施形態の変更形態からなる導波路1の実施形態を示す。結合出力ミラー20は、本体3とは別個の構成要素として生成され、そのミラー面18が導波路1の本体出口領域5のエッジに当接する。前記エッジの後で、照射光2の断面12に突出する、結合出力ミラー20のミラー面18のその区間が、照射光2からの結合出力照射光部分ビーム11を結合出力し、すなわち上で説明したように、使用されるフィールド領域39を照射するために使用される照射光2の残りの部分から結合出力照射光部分ビーム11を分離する。出口面14は、センサ光学ユニット54の支援によってセンサデバイス52の絞り面55に結像し、この絞り面55が
図17による実施形態の凹面鏡によって形成される。線量測定センサデバイス56は、絞り面55の下流に配置され、前記線量測定センサユニットが中央制御/調整デバイス53に信号接続される。
【0043】
導波路1の均質化効果により、線量測定センサユニット56によって行なわれる、出口面14の照射光ビームのごくわずかな部分の強度測定から、出口面14において利用可能な照射光2の全強度を高精度で推定することが可能である。下流の光学ユニットのシステム開口に対応する角スペクトル全体が、線量測定センサ52による線量モニタ中に完全に検出されるのが好ましい。同時に、線量測定センサ、下流の光学ユニット、すなわち、たとえば、照射光学ユニットおよび/または投影光学ユニットに必要な開口よりも高い開口を検出することは、回避されるべきである。下流の光学ユニットのシステム開口に対するこの制約は、開口紋り57の支援によって達成することができ、この開口紋り57が、
図17による実施形態の凹面鏡54の近くに配置されている。あるいは、線量測定センサユニット56によって検出されるシステム開口は、センサ光学ユニット54の構成要素の、または構成要素の反射コーティングのサイズもしくは形態によって、事前に規定することができる。出口面14のそれらの点を通る結合出力照射光部分ビーム11の光線により、たとえば絞り57によって画成される、または上記のようななんらかの他の仕方で画成されるセンサ光学ユニット54の開口の一部のみが照射され、またはそのような光線が線量測定センサユニット56によって検出されないことが、絞り面55のさらなる絞りによって保証される。これによって、線量測定センサデバイス56によって検出される結合出力照射光が、使用される照射光ビームの残りの部分15の壊れていない角スペクトルを有することが保証され、前記角スペクトルはセンサ光学ユニット54の開口までは完全である。したがって、センサ光学ユニット54の開口が下流の光学ユニットのシステム開口に対応する限りは、線量測定センサ52は、システム開口を介して利用可能な照射光2のその線量を正確に測定する。
【0044】
たとえば、
図3〜
図9による結合出力デバイスの使用の結果として、結合出力照射光部分ビーム11の結合出力される光線が、使用される照射光ビームの残りの部分15の完全で壊れていない角スペクトルを有する場合、絞り面55の絞りに対応する絞りを省くことができる。結合出力照射光部分ビーム11が出口面14で直接分離される場合が、そうである。線量測定センサ52による線量測定中に、角スペクトルが実際に使用される照射光ビームの残りの部分15に対応する照射光を、もっぱら、線量測定のために検出することができる。したがって、その角スペクトルに関して、線量測定に使用される照射光は、実際に使用される照射光ビームの残りの部分15から偏移せず、したがって、角スペクトルの偏移により発生する線量測定誤差は、起こり得ない。
中空導波路1に入るときの照射光2の偏心および傾斜を確認するための検出デバイス58の様々な実施形態について、
図18〜
図26を参照して以下に記載する。検出デバイス58は、結合出力照射光部分ビームの特性である測定変数を検出するための測定デバイスの例である。
図1〜
図16を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
【0045】
検出デバイス58は、入射面44aの中間焦点45、ならびに導波路1の本体入口領域4に対する導波路1の相対位置および相対配向の測定に役立つ。入射面44aへ入るとき、照射光2の強度分布は、場所に対する強度分布に関する限り、および照射光の個々光線の光線方向の角スペクトルに関する限り、両方ともガウシアン(Gaussian)である。出口面14の領域では、結合出力照射光部分ビーム11は、方形ロッド出口表面または結合出力表面のコーナの領域において結合出力される。この場合、結合出力照射光部分ビームの結合出力断面は、前記ロッド出口表面の両方の次元においてロッド出口表面の大きさの7分の1に相当する。結合出力デバイスは、
図18では省略された。図は、照射光ビームの残りの部分15ではなく、結合出力照射光部分ビーム11のみを示す。
検出デバイス58のセンサ(
図18には示さず)は、検出面59に配置される。図示するように、検出面59は、平坦であるが、原則として湾曲していてもよい。それに応じて、したがって、湾曲した検出器面を有する検出デバイス58を使用することができる。
【0046】
図19は、検出デバイス58に対して結合出力するための結合出力照射光部分ビーム11のビーム経路のさらなる詳細を示す。この場合、今度も、簡略にするために結合出力照射光部分ビーム11のみが示されている。照射光ビームの残りの部分15に利用可能な、出口面14の全断面12内の照射光2のその部分は、
図19で12’によって示される。
点P2および点P3は、図面の面内で本体入口領域4の入口側限界点を構成する。距離d、すなわち、点P2と点P3との間の距離は、導波路キャビティ6の入口側寸法を表わす。
【0047】
以下では、導波路1の内部壁7で多くとも4回の反射によって導波路1の出口領域5まで通過する照射光2のそれらの個々の光線のみが、結合出力照射光部分ビーム11に寄与すると仮定される。結合出力照射光部分ビーム11のこの領域の開口周縁光線g1およびf4を構築するために、
図14は、2つの点P1およびP4をさらに示し、これらの2つの点が、それぞれ入射面44aの点P2および点P3から距離4dに位置する。
【0048】
互いの距離がd1の点Qおよび点Rは、結合出力照射光部分ビーム11が結合出力される出口面14でその領域の境界を定める。導波路1は、長さAを有する。f2は、P2から点Qを通過する光線を表わす。f3は、P3から点Qを通過する光線を表わす。g2は、P2から点Rを通過する光線を表わす。g3は、P3から点Rを通過する光線を表わす。f1は、見かけ上、点Qから見て、すなわち反射を考慮せずに、P1から点Qを通過する点Qを通る光線を表わす。f4は、点P4から点Qを通る対応する光線を表わす。g1およびg4は、点P1および点P4を通り、それぞれの場合で点Rを通る対応する光線を表わす。
光線f2およびf3は、導波路1内部で反射なしに導波路1の入口領域4から点Qまで通過した照射光2の角度範囲の境界を定める。この角度範囲は、ゼロ次の反射とも呼ばれる。
導波路キャビティが、キャビティ6の境界を定める平行六面体の面うちの2つの面と平行な断面において矩形断面を有し、キャビティ6を貫く導波路1の中心軸8が、前記断面内に、たとえば、
図1以降の図面の面内にある限り、以下が成り立つ。
導波路1の長手方向軸8に対する照射光2の角度に応じて、照射光2は、特定の入口点、たとえば、入口点P2から開始して、入口領域4と出口領域8との間で特定の数nの反射を受けている。前記反射の数は、反射の次数と呼ばれる。導波路1の内部壁7で全く反射されない照射光2は、ゼロ次の反射を規定する。光が出口領域5から出射した後に「上に向かって」、すなわち、たとえば、
図17の左側の座標系の正のx方向に、または負のx方向に反射されるかどうかに応じて、+n次のまたは−n次の反射が反射の数nに応じて発生する。
【0049】
y次元が同様にさらに考慮される限り、反射の次数は、x次元およびy次元に対して別々に2つのインデックスで表わされる。導波路キャビティ6の正方形断面を有する導波路1に対して、導波路の動作のこの仕方については米国特許第4,918,583号に記載されている。あるいは、導波路1は、矩形断面さもなければ異なる形状の断面も有することができる。
【0050】
光線f1およびf4は、光が、多くとも4回の反射によって入口領域4から点Qまで通過した角度範囲の境界を定める。したがって、前記角度範囲は、反射の次数−4〜+4をカバーする。
それに応じて、光線g1〜g4が、点Rを通過する反射のそれぞれの次数に割り当てられる。
h1は、観察面60内で光線f3と光線g3との間の、または光線f2と光線g2との間の距離を表わし、この観察面が出口面14と平行に伸び、出口面14からの観察面の距離が
図19でxによって示される。観察面60内のh3は、たとえば、光線g2と光線g3との間の距離、すなわち、同じ点Qまたは点Rを通過し、一方はP2から、他方はP3から生じる光線間の距離である。
【0051】
図20および
図21は、
図2による結合出力デバイス20のタイプの結合出力デバイスによる上記の説明を敷衍する。
図19を参照して既に上で記載された構成要素および点ならびに光線の記号には、同じ参照記号がついており、再び詳細には論じない。
点Sおよび点Tは、照射光ビームの残りの部分15の通過に利用可能な断面12の領域の境界を定める。前記照射光ビームの残りの部分15は、
図19を参照して既に上で説明したように、今度も−4〜+4の反射の次数の角スペクトル領域で、周縁光線11およびk4によって境界が定められる。角スペクトルの境界を定めるこれらの周縁光線は、
図19による周縁光線g1およびf4と比較してより小さな開口角を有する。これは、
図20による導波路1の場合は、導波路1のキャビティ断面と導波路1の長さとの比が、
図19による実施形態の場合よりも
図20による実施形態の場合の方がより小さいという事実による。
【0052】
図20による実施形態の場合は、絞り本体61が点S、すなわち、出口領域5にある照射光ビームの残りの部分15の境界と、点Q、すなわち出口面14の結合出力照射光部分ビーム11の隣接する境界との間に位置する。出口面14の点Qと点Sとの間にこの絞り61がない場合は、照射光2は、照射光2が点Qと点Sとの間の導波路1の出口領域5の出口面14のどこを通過するかに応じて、およびそれぞれの個々の光線の方向に応じて、一部は、照射光ビームの残りの部分15とともに前方方向に進み続け、すなわち照射光ビームの残りの部分15と混合し、または一部は、結合出力デバイス20のミラー面18(
図21参照)に投射され、結合出力照射光部分ビーム11と混合する。
絞り本体61がない場合に生成されるそのような混合光は、望ましくない。
検出面59に結合出力照射光部分ビーム11を案内する目的は、検出面59において導波路1の入射面44aの照射光2の強度分布の像を生成することであり、前記像と、導波路1の入口の照射光の強度分布の様々な元の像とが関連付けられ、この様々な元の像が検出面59において反射の次数に応じて、互いにオフセットして現れる。この反射の次数の画像化については、米国特許第4,918,583号に詳細により完全に記載されている。
検出面59における反射の異なる次数の重ね合わせによって、強度分布の変調が生じる。これは、以下で説明するように、入口領域4における照射光2の偏心および傾斜を確認するために使用することができる。
空間分解検出器62が、検出面59に配置される。検出器62は、CCDカメラであってもよい。検出器62は、中央制御/調整デバイス53に信号接続される。
図20では、センサ領域に対して、63、64、65および66が強調表示され、その重要性について以下で説明する。
【0053】
図22は、
図19および
図20による結合出力デバイス20の代わりに使用することができる結合出力デバイスの変形形態20aを示す。
図1〜
図21を参照して、特に
図19〜
図21を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および点ならびに光線の記号には、同じ参照記号がついており、再び詳細には論じない。
結合出力デバイス20aは、湾曲したミラー面18を有する。これは、入射面44aがピンポイントの精度で検出面59に結像する効果を有する。そのような像を、異なる仕方で、たとえば平坦な結合出力ミラーおよび下流のフーリエ光学ユニットによって生成することもできる。
【0054】
図23〜
図26を参照して、結合出力照射光部分ビーム11がそれぞれの場合で出口面14において正確に分離され、出口面14の絞り本体61を省くことができる結合出力デバイスの2つの実施形態20bおよび20cについて以下で説明する。
結合出力デバイス20bおよび20cは、たとえば、
図4によるものと同様である。出口面14にくさび頂点19を有するミラーくさびが、今度も含まれている。
実際に、その場合、
図23〜
図26のくさび頂点19(点Q)と出口領域5の上部境界点Tとの間の全断面領域が、照射光ビームの残りの部分15に利用可能である。
この場合、
図23および
図24による結合出力デバイス20bは、くさび頂点19の領域に非常に小さなくさび角を有する。
【0055】
図25および
図26による結合出力デバイス20cは、いくぶんより大きなくさび角を有し、それによって点Sと点Tとの間の断面12の領域が照射光ビームの残りの部分15に利用可能となり、出口面14の点Sと点Q(くさび頂点19)との間の距離が断面12と比較して小さい。
導波路1の開口に対応する完全な角スペクトルが、結合出力照射光部分ビーム11が結合出力される場所で利用可能である。
【0056】
図27は、検出面59でのx座標(たとえば、
図20も参照)に対して測定された照射光強度Iを示す。
検出面59は、たとえば、
図20の右側に描かれるデカルト座標xおよびyにわたって広がる。x軸は、
図20の図面の面内で、および同時に検出面59内で伸びる。y軸は、
図20の図面の面と垂直に、この面の中へと伸びる。
検出面59は、相対変位rが5未満である値を有する面に近い。
rは、
図19に関連して上で説明した、距離h1と距離h3との比である。r=0は、完全なオーバーラップ、すなわち反射のより高次の光線経路を構築するために選ばれた仮想の点(P1、P4参照)を含む、入射面44aの同一の点から生じる光線が、前記光線が出口面14を通過する点とは無関係に検出面59の同じ点に当たることを意味する。r=1は、反射のより高次の光線経路を構築するために選ばれた仮想の点(P1、P4参照)を含む、入射面44aの同一の点から生じるが、出口面14の結合出力照射光部分ビーム11の反対側の境界Qを通過する2つの光が、検出面59の異なる2点に当たり、これらの2点が、入射面の点P2および点P3から同じ点Rまたは点Qを通過する2つの光線の衝突点と精密に同じ距離を有することを意味する。出口面14の点Qおよび点Rをそれぞれ通過する、ゼロ次の反射の光線によって照射される、検出面59の2つの領域を考える場合、相対変位は、(ほぼ同じサイズの)これらの領域の大きさに対するこれらの2つの領域のオフセットを示す。相対変位が大きいほど、検出面59の入射面44aの像の鮮鋭度が低下する。
【0057】
また、相対変位rに対して下記の式を規定することができる。
r=d1/d(1+A/x)
この場合、d1は、点Qと点Rとの間の距離を表わす。したがって、d1/dは、x次元において全断面12に対して出口面14で結合出力される断面が構成する割合である。xは、検出面59および出口面14までの距離を表わし、Aは、導波路1の長さを表わす。
【0058】
第1のオーバーラップは、x=α/(1−α)で達成され、ここでα=d1/dである。
距離x=Aで、下記、r=2αが成り立つ。
距離x→∞で、下記、r→αが成り立つ。
検出面59は、r<1、好ましくr<0.5、特に好ましくはr<0.3が成り立つように選ばれる。
検出面59と出口面14との距離、またはこれらの2つの面間の光路は、導波路本体3の長さの50%〜200%の範囲にあってもよく、特に、導波路本体3と正確に同じ長さであってもよい。あるいはまた、前記距離は、導波路本体の長さの50%未満であっても、または導波路本体の長さの200%を超えてもよい。
【0059】
図27では、y方向に積分された結合出力照射光部分ビーム11の強度Iが、相対単位でプロットされている。
図27では、照射強度Iは、導波路1の本体入口領域4の中心に対する中間焦点45の様々な偏心値に対して示されている。偏心「0」、すなわち、本体入口領域4に対する中間焦点45の完全なセンタリングは、実線によって示される。偏心「−50μm」は、破線によって示される。偏心「+50μm」は、点線によって示される。これらの偏心値は、x方向の完全なセンタリングからの偏差に関する。たとえば、
図17の左側に示すデカルトxyz座標系が、中間焦点45のこれらの位置の表示に対して適用可能である。z方向は、入射面44aに対する垂線、すなわち照射光2の傾いていない伝搬方向に相当する。前記z方向は、
図17において右に向かって伸びる。x方向は、
図17において上に向かって伸びる。照射光2の伝搬座標(
図17の左の座標系)のy方向は、検出面59が広がるy方向(
図17の右の座標系)と平行に、すなわち、
図17において図面の面に垂直に、この面の中へと伸びる。
【0060】
x座標に対する照射強度の依存性は、導波路1の出口面14での結合出力照射光、すなわち結合出力照射光部分ビーム11の強度の角度依存性に相当し、ゼロ次の反射の境界を定めるx座標値が
図27の一点鎖線によって強調表示されている。この範囲は、さらに上の方で規定された相対変位rに関連して記載したように、ゼロ次の反射の結合出力照射光が、この結合出力照射光が通過する出口面14の点に応じて、わずかに異なる場所で検出面59に当たり、その結果ゼロ次の反射の光によって全体的に照射される検出面59のその領域がいくぶん広がるため、2つの最大値間の距離よりも大きい。
図27の3つの偏心曲線のプロファイルから、強度分布の最小値が偏心によって影響を受けることを認識することができる。
強度が影響する符号は、反射の次数とともに変化する。たとえば、反射の次数「N」と反射の次数「N+1」の範囲では、強度曲線「偏心−50μm」は、強度曲線「偏心+50μm」よりも低い最小値を有するが、これは、反射の次数「N+1」と反射の次数「N+2」の範囲では、全く逆になる。さらに、最小値が影響する符号は、偏心の方向とともに変化する。特定の反射の最小値の場合は、したがって、偏心が正のx方向生じるか、負のx方向に生じるかどうかを識別することが常に可能である。絶対項が小さい反射の次数の範囲では、偏心の依存性は、反射の次数が高い場合よりも大きい。
【0061】
図28は、本体入口領域4に対する、すなわち入射面44aに対する中間焦点45の様々な傾斜に対する対応する強度分布を示す。したがって、傾斜は、照射光2の伝搬方向zが、導波路1へ入るときの入射面44aに対する垂線から逸れる程度を示す。
図28では、傾斜していない入射「傾斜0μm」に対する強度分布が実線によって示される。傾斜「傾斜−1mrad」に対する強度分布は、破線によって描かれ、傾斜「傾斜+1mrad」に対する強度分布は、点線によって描かれる。傾斜の場合、
図27による偏心に対する強度分布の依存性に匹敵する依存性が生じ、基本的な差異は、
図28による強度分布の場合は、強度の最大値が傾斜に敏感であるということである。この場合、強度の最大値の強度が影響する符号は、反射の次数間の傾斜の結果として変わり、傾斜が正の角度の方に生じるか、または負の角度の方に生じるかどうかにさらに依存する。特定の強度の最大値の場合は、したがって、xz面の入射面44aに対する垂線に対する傾斜が、正の角度の方に生じるか、または負の角度の方に生じるかを識別することが常に可能である。絶対項が大きい反射の次数の範囲では、傾斜依存性は、反射の次数が小さい範囲の場合よりも大きい。
したがって、
図27および
図28による強度分布によって、導波路1に入るときの照射光2の焦点位置を検出し、正確に照射光2の光線方向を決定することが可能となる。このように、検出デバイス58によって、照射光2は、測定精度の範囲内で導波路1に対して位置合わせすることができる。
【0062】
図29は、導波路1の本体入口領域4において、はじめに照射光2の偏心、次いで傾斜を検出することが可能なセンサ対の例示的な構成を示す。
図29の図面の面は、検出面59に対応する。図は、座標xおよびyに対してプロットされた、検出面59における結合出力照射光部分ビーム11の二次元強度分布を例として示す。相対強度値のバーが
図29の右側にプロットされ、二次元強度分布に示される相対強度値に対する異なるハッチングの割当てを、前記バーから得ることができる。
図29に示される、y方向に積分され、x方向に対してプロットされた強度分布は、
図27および
図28による実線の強度分布に対応する。
【0063】
図29は、センサデバイス58の4つのセンサ領域63、64、65および66の配置を示す。これらのセンサ領域63〜66は、
図20、23および25を参照して既に上で論じたセンサ領域に対応する。比較的大きなセンサ領域を有する、空間分解センサ、たとえばCCDカメラのセンサ領域63〜66の代わりに、個別のセンサ、たとえば個別のフォトダイオードも、センサ領域63〜66の場所に配置することができる。前記個別のセンサは、同様に、参照数字63〜66によって下に示されている。比較的大きな空間分解センサの場合に、センサ領域63〜66に対する制約が実施される限り、これは、もっぱらセンサ領域63〜66の場所に照射光2を送出する対応するシェーディング絞りの支援によって行うことができる。
【0064】
センサ63〜66は、検出面59において結合出力照射光部分ビーム11全体のセグメントを検出する。センサ63〜66は、調整デバイス53の中央制御装置に信号接続される。センサ63および66は、強度分布の互いに反対側のエッジ領域に配置される。したがって、強度分布の中心は、2つのセンサ、63と66との間に位置する。
センサ63および66は、本体入口領域4での照射光2の伝搬方向の傾斜、すなわち中間焦点45の「傾斜」を測定するために役立つ。したがって、センサ63および66は、以降「xt 1」(x傾斜センサ1)および「xt 2」(x傾斜センサ2)とも呼ばれる。センサ63および66は、xz面において入射面44aに対する垂線zに対する照射光2の伝搬方向の傾斜を測定する。センサxt 1およびxt 2は、それぞれの場合で強度分布の最大の領域に配置され、2つの最大値が中間焦点45の傾斜の強度変化の依存性に関して異なる符号を有するように、2つの最大値の次数が選ばれる。
他の2つのセンサ64および65は、中間焦点45のx偏心を測定する。したがって、以降、センサ64は、「dx 1」、およびセンサ65は、「dx 2」とも呼ばれる。2つのセンサdx 1およびdx 2は、強度分布の最小値に配置され、強度分布の中心の隣接した最小値がここで選ばれる。
【0065】
一方、センサ対63/66および64/65の代わりに、導波路に入るときの照射光2の傾斜および偏心を測定するために1つのセンサのみを、たとえば傾斜用のセンサ63を単独で、および偏心用のセンサ64を単独で使用することもそれぞれの場合で可能である。
センサの対応する配置は、y方向に対して使用することができる。このことが、例として
図30の偏心センサ64、65に対して示されている。
図30のセンサ64xおよび65xは、
図29のセンサ64および65に対応する。2つのさらなるセンサ64yおよび65yが
図30にさらに配置され、センサ64および65に関連してx次元に対して既に上で説明したように、中間焦点45のy偏心を測定する。センサ64yおよび65y(dy1およびdy2)は、強度分布の最小値に同様に配置され、強度分布の中心の隣接した最小値を同様に選ぶことができる。これは、結果として
図30に示すように、強度分布の中心のまわりの4つの象限I、II、II、IVにおいて4回対称を有するセンサ65y、64x、64yおよび65xの配置となる。そのようなセンサ配置は、象限検出器の支援によって実現することができ、この象限検出器の各象限が
図30の象限I〜IVに対応する。そのような象限検出器の個々の象限I〜IVの測定窓を低減させるために、
図30による配置のセンサ領域65y、64x、64y、65xの場所にのみ照射光2を送出するシェーディング絞りを設けることが可能である。
【0066】
図31は、典型的なセンサ信号比の測定結果、すなわち一方にdx 1/dx 2、他方にxt 1/xt 2を示す。比はパーセント単位で示され、乱されていない場合の「偏心なし」および「傾斜なし」に対して値100%の正規化が行なわれた。
【0067】
図31は、一方の信号比dx 1 /dx 2、および他方の信号比xt 1/xt 2から中間焦点45の傾斜および偏心を良好な精度で推定することが可能であることを示す。さらに、それぞれの信号比に関する限り、傾斜センサxt 1およびxt 2が事実上、もっぱら傾斜に敏感であり、偏心センサdx 1、dx 2が、事実上、もっぱら偏心に敏感であるため、偏心が非常にうまく傾斜と識別され得る。図は、偏心−50μm、0μmおよび+50μmに対する、ならびに傾斜−1mrad、0mradおよび+1mradに対する比の値を示す。
事実上、もっぱら信号比dx 1/dx 2は、異なる偏心値の場合に変わる。前記信号比は、偏心−50μmの場合は値100%よりもはるかに小さく、偏心+50μmの場合は値100%よりもはるかに大きく、それによって偏心の方向を比から推定することもできる。
【0068】
実際に、傾斜センサxt 1およびxt 2の信号比のみが異なる傾斜値−1mrad、0mradおよび+1mradの場合に変化する。ここでも同様に、信号比は、傾斜−1mradの場合は100%よりもはるかに大きく、傾斜+1mradの場合は100%よりもはるかに小さいため、傾斜方向を信号比から推定することができる。
一代替形態構成では、センサ63〜66は、結合出力照射光部分ビーム11の断面の、y方向に伸びる帯状部分全体を検出することもできる。前記帯状部分のx方向の大きさは、それぞれの場合でセンサ63〜66のx位置に対応する。
同じ仕方で、センサ64yおよび65yに関連して既に上で説明したように、y偏心およびy傾斜を検出することができる。その場合、センサ63〜66に対応するさらに2つのセンサ対が、結合出力照射光部分ビーム11の強度分布のy次元の対応する位置に配置される。
変位装置67を、センサ63〜66の信号比によって制御することができ、この変位装置は、
図16に示すように、光源43に、および/または
図17に示すように導波路1に動作可能に接続されてもよい。導波路1に対する光源43の、および/または光源43に対する導波路1のいずれかの調整された追跡をこの手段によって実現することができ、それによって中間焦点45がそのセンタリングと傾斜に関して最適の位置に常に留まるようになる。
【0069】
図32は、使用される照射を中断させる動作で、結合出力照射光部分ビーム11を結合出力する光導波路1の変形形態を示す。
図32による導波路1の場合は、結合出力照射光部分ビーム11は、変位可能な結合出力絞り68によって結合出力される。結合出力絞り68は、開口70を備えた絞り本体69を有する。絞り本体69は、絞り変位駆動装置71に動作可能に接続される。絞り変位駆動装置71によって、絞り本体69は、
図32の両矢印72によって示すように、
図32に示す測定位置と中立位置との間で変位することができる。測定位置では、絞り本体69によって、開口70を介して、もっぱら結合出力照射光部分ビーム11が絞り本体69を通過することができ、次いで、この結合出力照射光部分ビーム11を、既に上で説明したように、検出面59において測定することができる。測定位置では、絞り本体69は、出口面14の極めて近くに、出口面14から、たとえば、100μm未満の距離に配置される。たとえば、照射光2の光線方向に、絞り本体69は、非常に小さい、50μm未満であってもよい厚さを有する。
【0070】
図32に示す配置の代わりとして、測定位置の絞り本体を、出口面14の下流のフィールド面に、すなわち、出口面14が結像する面に配置することもできる。
原則として、
図32による導波路1が使用される照射光学ユニットの視野絞りであって、既に他の目的のために存在する前記視野絞りを結合出力絞り68として使用することができる。
検出面59では、通常の照射動作に対して同様に使用される測定技術、すなわち結合出力絞り68の中立位置で、たとえば照射系に既に存在する瞳系測定技術を使用することが可能である。あるいはまたはさらに、たとえば
図18〜26に関連して既に上で説明したように、検出デバイスを使用することが可能である。絞り本体69とともに、測定位置において、結像光学ユニットを結合出力照射光部分ビーム11のビーム経路に導入することもでき、それに応じて検出デバイス58による測定のために結合出力照射光部分ビーム11を調節する。
【0071】
結合出力絞り68の測定位置において、絞り本体69は、そのサイズおよび位置に関して、上記の実施形態の前記断面から結合出力されるセグメントに相当する照射光の断面全体のセグメントを送出する。
上で説明した結合出力デバイス、すなわち、特に、結合出力デバイス10、20、22、24、30、32、35、36および68は、必ずしも本体出口領域5、すなわち出口面14の近くに配置される必要はない。代替として、前記出口面14に対して光学的に共役関係にある面14’に、またはその面の近くに前記結合出力デバイスを配置することが可能である。これについて、特に結合出力デバイス10の例に基づいて、
図33および34を参照してさらに一層詳細に説明する。
【0072】
図33は、結合出力デバイスの配置は別として、
図1を参照して既に上で説明したものに相当する導波路1の実施形態を示す。
図1に関連して既に上で説明したものと同一の構成要素には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。もっぱらそれらの位置に関して
図1によるものと異なる構成要素には、
図33でプライムが与えられた参照数字がついている。結合出力デバイス10’は、像出口面14’、すなわち、出口面14に対して共役関係にある面に、またはその面の近くに配置される。出口面14は、
図33に概略的に示した結像光学ユニット73によって、像出口面14’または結合出力面に結像する。結像光学ユニット73は、
図33に概略的に示すように、1:1結像を行うことができる。また、
図34に示すように、結像光学ユニット73の異なる結像縮尺比、特に拡大結像縮尺比も可能である。
図34に概略的に示す、その機能の点から、他の点では
図33による結像光学ユニット73に対応する結像光学ユニット74のさらなる実施形態は、2:1の拡大縮尺比によって出口面14を像出口面14’に結像させる。
【0073】
1:1とたとえば10:1の範囲にある異なる拡大縮尺比、たとえば3:1、4:1、5:1、またはさらに大きな拡大縮尺比も可能である。
拡大のために、より小さな角スペクトルが、結合出力する結合出力照射光部分ビーム11内部に生じ、それによって、すれすれ角での結合出力を促進する。
結像光学ユニット73の結像効果のために、像出口面14’の、またはその像出口面の近くの結合出力デバイス10’の光学的効果は、
図1による結合出力デバイス10の光学的効果に相当し、それによって結合出力デバイス10’が、
図1に関連して既に上で説明したように、導波路本体3から出射する照射光ビームの残りの部分15から結合出力照射光部分ビーム11を分離する。上で説明した他の結合出力デバイスも、出口面14に、またはその面の近くに配置する代わりに、像出口面14’に配置することができ、出口面14に、またはその面の近くの配置に関連して既に上で説明した効果と同じ効果を有することは言うまでもない。
【0074】
図34による結像光学ユニット74の2:1拡大効果のために、像出口面14’を通過するときの照射光は、したがって断面12と比較して2倍のサイズの断面12’を有する。これによって、像出口面14’に、またはその像出口面の近くに配置された、特に、上記の結合出力デバイス10、20、22、24、30、32、35、36および68のタイプの結合出力デバイスによる結合出力が簡単になり、前記結合出力デバイスに関しその製造および/または位置決めに関してなされる精度要求事項が低減する。
【0075】
図33は、例として、
図32による結合出力デバイス68のタイプの結合出力デバイス68’の適用も示し、前記結合出力デバイス68’が像出口面14’に配置されている。結合出力デバイス10の代わりとして使用することができる結合出力デバイス68’が、
図33の中立位置に示され、絞り駆動装置71の支援によって測定位置に変位することができ、その測定位置において結合出力デバイス68’が開口70を通して結合出力照射光部分ビーム11に相当する部分ビームをもっぱら送出する。
【0076】
さらに、
図16は、さらなる結合出力デバイス75を示し、この結合出力デバイス75を代わりにまたはさらに使用することができ、対象面37aの近くに、すなわち検査装置41の照射系の対物フィールド38の近くに配置することができる。結合出力デバイス75は、導波路本体から出射する照射光ビームの残りの部分15から結合出力照射光部分ビーム11を分離する平面ミラーとして具現化される。その場合、結合出力平面ミラー75によって反射された結合出力照射光部分ビーム11は、さらなる測定器具に、たとえば検出面の、たとえば照射系の瞳面の線量測定センサ52または検出もしくはセンサデバイス58に供給されてもよい。
上で説明した結合出力デバイスの場合は、たとえば、結合出力される結合出力照射光部分ビーム11を、それぞれの場合で測定器具に供給することができ、照射光ビームの残りの部分15がレチクル42の照射のために使用される。あるいは、それぞれの結合出力デバイスは、たとえば、レチクル42を照射するために結合出力される結合出力照射光部分ビーム11を結合出力することもでき、導波路本体から出射し、したがって結合出力されない照射光の残りの部分を測定器具に供給し、特に線量測定センサ52および検出もしくはセンサ装置58に関連して既に上で説明したように測定することができる。