特許第6473700号(P6473700)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473700
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】照射光を案内するための光導波路
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/43 20060101AFI20190207BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20190207BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20190207BHJP
   G02B 6/032 20060101ALI20190207BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20190207BHJP
   G01N 21/956 20060101ALN20190207BHJP
【FI】
   G02B6/43
   G02B6/02 421
   G02B6/26
   G02B6/02 C
   G02B6/032 Z
   G01N21/84 E
   !G01N21/956 A
【請求項の数】11
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-562039(P2015-562039)
(86)(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公表番号】特表2016-515222(P2016-515222A)
(43)【公表日】2016年5月26日
(86)【国際出願番号】EP2014054436
(87)【国際公開番号】WO2014139881
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年3月7日
(31)【優先権主張番号】102013204442.9
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】61/781123
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルト クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】シャフ シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】デギュンター マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ルンデ ダニエル
【審査官】 山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−510604(JP,A)
【文献】 実開平02−010501(JP,U)
【文献】 特開昭58−014108(JP,A)
【文献】 特表2006−520491(JP,A)
【文献】 米国特許第05479543(US,A)
【文献】 国際公開第2012/137842(WO,A1)
【文献】 特開平11−162837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02,6/032,6/26,6/43,21/06
G01N 21/84
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学アセンブリであって、
照射光(2)を案内するための光導波路(1)、
を備え、
前記光導波路(1)が、
本体入口領域(4)と本体出口領域(5)との間で前記照射光(2)を案内するための導波路本体(3;27)を備え、
出口面(14)のまたはその近くの前記本体出口領域(5)に、または前記出口面(14)に対して共役関係にある面(14’)の近くに少なくとも1つの結合出力デバイス(10;20;22;24;30;32;35;36;68;75)を備え、前記結合出力デバイスによって、少なくとも1つの結合出力照射光部分ビーム(11)が、前記結合出力照射光部分ビーム(11)が前記導波路本体(3;27)から出射する前記照射光ビームの残りの部分(15)から分離され得るように、前記導波路本体(3;27)から出射する前記照射光(2)から結合出力され、
前記結合出力デバイス(10;20;22;24;30;32;35;36;68;75)が、照射フィールド(38)に結像する前記結合出力照射光部分ビーム(11)が出口面(14;14’)から、または測定光学ユニットにより検出可能な照射フィールド面(37a)から結合出力されるように配置され、
前記結合出力照射光部分ビームの断面は、前記導波路本体から出射する照射光の断面の一部を構成し、
前記結合出力デバイス(10;20;22;24;30;37)は、前記本体出口領域(5)において前記導波路本体(3;27)に接続された少なくとも1つの結合出力ミラーを有し、
前記光学アセンブリがまた、
前記結合出力照射光部分ビーム(11)の特性である測定変数を検出するための測定デバイス(52;58)、
を備え、
前記測定デバイス(52)の少なくとも1つのセンサ(63〜66)が、
前記導波路入口領域(4)の同一の点(P1;P2;P3;P4)から生じる、前記結合出力照射光部分ビーム(11)における反射の次数が同じ光線(f1、g1;f2、g2;f3、g3;f4、g4)間の距離h1と、
前記導波路出口領域(5)の同じ点(Q、R)を通過する、前記結合出力照射光部分ビーム(11)における反射の次数がゼロの光線(g2、g3)間の最大距離h3と、
の比rが、1未満の面の領域に位置する検出面(59)に配置される、
光学アセンブリ
【請求項2】
前記結合出力ミラー(16;35)のミラー面(18;37)が、前記照射光ビームの前記残りの部分(15)に面することを特徴とする、請求項1に記載の光学アセンブリ
【請求項3】
前記結合出力ミラー(22;24;30;33;37)のミラー面が、前記照射光ビームの前記残りの部分(15)とは反対を向くことを特徴とする、請求項1または2に記載の光学アセンブリ
【請求項4】
前記導波路本体(3)が、連続的な導波路キャビティ(6)を有する管状本体を有する中空光導波路として作られることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の光学アセンブリ
【請求項5】
前記導波路本体が、前記照射光(2)に対して透過性中実体として作られることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の光学アセンブリ
【請求項6】
前記結合出力デバイス(32;35;36)が、前記本体出口領域(5)に対するプリズムアタッチメントとして作られることを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載の光学アセンブリ
【請求項7】
前記結合出力照射光部分ビーム(11)が、光学的により密でない媒体での少なくとも部分反射によって前記プリズムアタッチメント(35;36)のプリズム壁(33;35;37)において結合出力されることを特徴とする、請求項6に記載の光学アセンブリ
【請求項8】
前記結合出力照射光部分ビーム(11)が、屈折によって前記プリズムアタッチメント(35;36)のプリズム壁(37)において結合出力されることを特徴とする、請求項6または7に記載の光学アセンブリ
【請求項9】
前記検出面(59)の前記少なくとも1つのセンサ(63〜66)が、前記結合出力照射光部分ビーム(11)全体の結合出力ビームセグメントを検出することを特徴とする、請求項1から8までのいずれかに記載の光学アセンブリ。
【請求項10】
前記アセンブリが、複数のセンサ(63〜66)を備えることを特徴とする、請求項からまでのいずれかに記載の光学アセンブリ。
【請求項11】
請求項から10までのいずれかに記載のアセンブリを含む照射光学ユニットを備え、前記照射光(2)を生成するための光源(43)を備え、照射フィールド(38)を検出する検出デバイス(51)を備える検査装置(41)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
独国特許出願第10 2013 204 442.9号の内容が参照により組み込まれる。
本発明は照射光を案内するための光導波路に関する。さらに、本発明は、そのような導波路を備えるアセンブリ、そのようなアセンブリを備える照射光学ユニット、およびそのような照射光学ユニットを備える検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学導波路は、米国特許第4,918,583号、米国特許第6,552,846 B1号、米国特許第5,224,200号、米国特許出願公開第2003/0058383号、米国特許第6,536,914 B2号、米国特許第7,070,280 B2号、米国特許出願公開第2009/0002833号、独国特許第412 43 11 A1号、米国特許出願公開第2008/0267245号、米国特許第6,870,683 B2号および米国特許出願公開第2006/0082888号、欧州特許第0 724 498 A号、米国特許第5,059,013号、米国特許第5,473,408号、ならびに欧州特許第0 981 936 A1号により知られている。ドイツ語の技術献では、そのような導波路は、「Stab」[「ロッド」]、「Hohlstab」[「中空ロッド」]、「Integratoren」[「インテグレータ」]、または「Stabintegratoren」[「ロッドインテグレータ」]とも呼ばれる。英語の技術文献では、そのような導波路は、「ロッドタイプインテグレータ」、「光導波路光学インテグレータ」、「中空光導波路」、「反射内部壁を有する光導波路」、または「光導波路」と呼ばれる。以下の説明の意味の範囲内での導波路は、案内される照射光の特定のモードの選択および/または特定の波長の選択を必ずしも行わない光学部品である。
そのような導波路は、照射光学ユニットにおいて使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、照射光を案内するときの光導波路の使い方に対する可能性が改善されるように導入部で述べたタイプの光導波路を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に規定された特徴を備える光導波路による本発明によって達成される。
本発明により、少なくとも1つの結合出力デバイスによって、結合出力される結合出力照射光部分ビーム、およびさらなる使用に対する照射光ビームの残りの部分の両方とも提供できるようになることが分かった。本明細書では、ビームまたは光ビームは、照射光源の特定の方向の放射を意味する。そのような光ビームは、光学部品によって案内され得て、画成された開始面から、画成されたターゲット表面まで光学部品を通過する多量の照射光個々の光線を含む。その一例は、投影レンズの対物フィールドから結像フィールドに向かって投影レンズの開口を通過する結像光ビームである。
照射光ビームの残りの部分および結合出力照射光部分ビームは、両方とも画成された有限の断面および画成された発散を有する。この場合、照射光ビームの残りの部分は、結合出力されない照射光を表わす。
特に、光導波路の使用に適切な照射光学ユニットは、対物フィルム全体ではなく、その一部分のみを照射すればよい場合が多く、照射される対象は、照射される部分的な対物フィールドに対して変位することによって完全に照射されることが分かった。そのような変位は、走査の態様で達成することができる。これらの場合、対物フィールド全体の一部のみを照射すればよいため、元々は対物フィールドの残りの部分の照射のために提供された照射光も、他の目的に原則として利用可能である。対物フィールド全体のセグメントのみが、投影光学ユニットの結像面において、たとえば空間分解検出デバイス、たとえば、カメラによって検出されるのは、多くの場合照射される対物フィールドの結像中の場合である。この場合、投影光学ユニットは、対物フィールドの対応するセグメントを結像させるだけでよい。照射光学ユニットおよび光源を備える照射系は、適切な場合は、過度に安全性を確保して対物フィールドの前記セグメントを照射するだけでよい。その場合、検出中に検出される対物フィールドは、投影光学ユニットによって全体的に検出可能な対物フィールドの一部に過ぎない。検出中に使用される対物フィールドのセグメントは、複数の相互に分離した対物フィールド区画を有することができる。
【0005】
結合出力されない照射光ビームは、照射フィールドの照射のために使用することができる。結合出力照射光部分ビームは、同様に照射に使用することができるが、他の目的にも使用することができ、たとえば、光源の動作の仕方および/もしくは動作品質に関する、ならびに/または結合出力照射光部分ビームの測定パラメータから位置合わせに関する結論を引き出すために測定することができる。結合出力照射光部分ビームは、たとえば、結合出力照射光部分ビームのパワーを測定するセンサ上に向けられてもよい。結合出力照射光部分ビームの光量は、照射光ビームの残りの部分の光量との比が固定であってもよく、それによって、適切な場合は、結合出力照射光部分ビームに関して測定された測定パラメータから、照射光ビームの残りの部分の関連付けられた測定パラメータを推定することが可能である。結合出力デバイスが本体出口領域に配置されるという事実によって、導波路本体から全体的に出射する照射光から結合出力されるビームの部分断面を非常に精密にあらかじめ規定することが可能となる。これによってコンパクトな構成が得られる。結合出力デバイスは、結合出力の安定性を最適化する支持態様で導波路本体に接続されてもよい。光導波路は、特に光学波長領域で光または放射を案内するのに適している。UV領域、特にDUV領域、たとえば193nmの波長も光導波路によって案内することができる。光導波路は、透過性の中実本体、または反射型で使用される中空本体によって実現することができる。反射型で使用される光導波路が使用される限り、たとえば、EUV領域の照射光波長も案内することができる。結合出力照射光部分ビームの断面は、導波路本体から出射する照射光の断面の一部を構成することができる。複数の結合出力照射光部分ビームが照射光から連続的に結合出力される、結合出力デバイスのカスケード化も可能である。
【0006】
結合出力されない照射光ビームも、光源の動作の仕方および/もしくは動作品質に関する、ならびに/または結合出力されない照射光ビームの測定パラメータから位置合わせに関する結論を引き出すために測定することができる。
【0007】
結合出力デバイスは、導波路本体からの照射光の出口面に、またはその面の近くに配置することができる。あるいはまたはさらに、結合出力デバイスは、出口面に対して光学的に共役関係にある結合出力面、すなわち、特に像出口面に配置することもできる。これは、結合出力デバイスの特に製造精度に関する、および/または位置精度に関する要求事項を低減させる。結合出力デバイスが出口面に対して共役関係にある面に配置される限り、対応する結像光学ユニットの支援によって像拡大をもたらすことができ、それによって照射光が出射する導波路本体の出口領域を、拡大される態様で共役面に結像させる。これによって、結合出力デバイスの位置精度に関する要求事項が低減する。さらに、その場合存在する結合出力照射光部分ビームのより小さな角スペクトルによって、たとえば前記結合出力照射光部分ビームをすれすれ入射で結合出力させることが可能となる。
【0008】
結合出力照射光部分ビームは、使用される照射を中断させる動作で結合出力されてもよい。その場合、使用される結合出力デバイスは、もっぱら結合出力照射光部分ビームを送出し、このようにして結合出力照射光部分ビームを導波路本体から出射する照射光ビームの残りの部分から分離する結合出力絞りであってもよい。これは、結合出力デバイスの実施形態を簡単にする。したがって、結合出力絞りの支援によって、照射光ビーム全体から任意のセグメントを結合出力照射光部分ビームとして選択することが可能である。たとえば、光源に対する導波路の位置/配向測定に関して、照射光ビームからの任意のセグメントを使用することがしたがって可能である。
【0009】
光導波路は、投影露光装置の構成要素として使用することもできる。
導波路は、EUV(極紫外)、VUV(真空紫外)、DUV(遠紫外)、UV、VIS、さもなければIRスペクトル領域で使用される光波長領域の照射光とともに使用するために具現化することができる。
請求項2に記載の結合出力ミラーは、無理のない費用で製造することができる。
本体出口領域に対する結合出力デバイス、特に少なくとも1つの結合出力ミラーの接続は、機械的な接続要素によって達成することができ、または密着係合、摩擦係合、もしくはまたは確動ロッキング係合によって達成することができる。結合出力デバイス、特に結合出力ミラーを導波路本体と一体的に、または一体構造で具現化することも可能である。結合出力ミラーの代わりとして、少なくとも1つのレンズ素子、および/または少なくとも1つのプリズム、および/または少なくとも1つの回折素子が結合出力デバイスの一部になり得る。
【0010】
請求項3に記載の動作手順は、特にEUV領域の波長での結合出力の損失の低下につながる。すれすれ入射、すなわち、70°よりも大きい、75°、80°、85°、または88°よりも大きくてもよい入射角による入射の代わりとして、たとえば、30°〜60°の範囲の、特に、45°の範囲のより小さな入射角を結合出力ミラー上で実現することも可能である。
請求項4および5に記載のミラー面の構成の変形形態は、光学的な要求事項、およびまた構造的な境界条件に応じて特に適切であると判明した。結合出力照射光部分ビームがミラー面によって照射光ビームの残りの部分の方向に向けられる場合、ミラー面は、照射光ビームの残りの部分に面する。結合出力照射光部分ビームがミラー面によって照射光ビームの残りの部分から離れる向きに向けられる場合、結合出力ミラーのミラー面は、反対を向く。
【0011】
請求項6に記載の中空導波路は、照射光に対して低スループット損失で実現することができる。
請求項7に記載の導波路本体としての透過性または透明の中実体は、特にDUV領域の、またはより長い照射光波長に特に適していると判明した。
請求項8に記載のプリズムアタッチメントによって、結合出力照射光部分ビームは、コンパクトに結合出力することができる。
【0012】
請求項9に記載のプリズムアタッチメントは、高い反射効率で作ることができる。結合出力中の反射の1つは、光学的により密でない媒体での、または反射コーティングでの全反射であってもよい。
請求項10に記載のプリズムアタッチメントは、結合出力照射光部分ビームの方向の変化を用いることができ、照射光ビームの残りの部分から分離させるために、前記方向の変化が屈折によって引き起こされる。一方で、プリズム壁での屈折結合出力、他方で、同じプリズム壁での反射を組合せて使用することができる。このようにして、複数の結合出力照射光部分ビームを、全く同一のプリズム壁によって生成することができる。これは、この複数の結合出力部分ビームを、異なる、あるいは冗長な意図された用途に提供するために使用することができる。屈折によってプリズム壁で結合出力される照射光の使用に関しては、さらなる偏向光学ユニット、たとえば、少なくとも1つのミラーまたは少なくとも1つのプリズムを使用することによって、照射光ビームの残りの部分からの結合出力を達成することが可能である。また、屈折によって結合出力される照射光部分ビームは、たとえば、この結合出力照射光部分ビームを測定するためのセンサに供給されてもよい。
請求項11に記載のアセンブリ、そのようなアセンブリを備える照射光学ユニット、および請求項15に記載の検査装置の利点は、本発明による導波路に関連して既に上で説明したものに相当する。測定デバイスは、開口紋りを備えることができる。開口紋りは、結合出力照射光部分ビームの角スペクトルに影響を及ぼすために役立つことができ、この角スペクトルが測定デバイスによって検出されることになる。あるいはまたはさらに、結合出力照射光部分ビームの断面全体から、検出のために所定のセグメントを選択する絞りを設けることができる。測定デバイスは、象限センサを備えることができる。測定デバイスは、少なくとも1つのシェーディング絞りを備えることができる。測定デバイスは、照射光の線量測定に使用することができる。この場合、結合出力照射光部分ビームは、さらなる使用に利用可能な照射光ビームの残りの部分の角スペクトルに正確に対応する、結合出力照射光部分ビームの個々の光線の角スペクトルによって有利に測定される。線量測定に利用可能な照射光の角スペクトルが、実際の使用に利用可能な照射光から偏移することにより発生する線量測定誤差がなくなる。
【0013】
請求項12に記載の光学アセンブリによって、導波路1によって案内される異なる反射の次数の照射光が検出面において解像される。反射の次数は、導波路の本体入口領域と本体出口領域との間での案内中に、前記光線が受ける照射光の個々の光線の反射の数を表わす。比r=h1/h3は、0.7未満であってもよく、0.5未満および0.3未満であってもよい。
請求項13に記載のビームセグメントの検出によって、センサデバイスを用いて結合出力ビームセグメント全体を評価する必要性が回避される。結合出力ビームセグメントは、結合出力照射光部分ビームの断面全体における測定窓によって形成されてもよく、その測定窓は、両方の断面座標においてビーム断面全体よりも著しく小さい。あるいは、センサは、結合出力照射光部分ビームの断面の帯状部分を検出することもできる。したがって、結合出力照射光部分ビームの伝搬に垂直な方向に、ビームの強度を積分することができ、その場合検出される帯状部分がビーム断面の所定の高さにある。
【0014】
請求項14に記載の複数のセンサは、測定ストロークを改善するために、対で配置することができる。センサは、結合出力照射光部分ビームの特徴的なビームセグメントを検出するために配置することができる。センサは、導波路に対する光源の偏心および/または傾斜を測定するために具現化することができる。
【0015】
光学アセンブリは、調整された仕方で照射フィールドを照射するための調整システムの一部であってもよい。この場合、所定の所望の照射パラメータは、対応する制御/調整デバイスを用いて、アセンブリのセンサによって実際のパラメータを測定することによって追跡されてもよい。実際のパラメータは、導波路に対する光源の偏心および/または傾斜であってもよい。あるいは、請求項15に記載の検査装置の検出デバイスは、実際のパラメータの測定のためにも使用することができる。検査装置は、投影リソグラフィの対応する構成要素に対するウエハ検査装置またはマスク検査装置であってもよい。照射光学ユニットは、DUVまたはEUV照射光学ユニットであってもよい。EUV照射光学ユニットは、5nm〜30nmの波長領域で照射光を案内するために具現化することができる。
本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】結合出力照射光部分ビームのための結合出力デバイスの一実施形態を有する、投影リソグラフィ用のマスクまたはウエハ検査装置の一部としての、照射光を案内するための中空光導波路の光出口区間の領域である。
図2】中空光導波路に対する結合出力デバイスのさらなる実施形態である。
図3】中空光導波路に対する結合出力デバイスのさらなる実施形態である。
図4】中空光導波路に対する結合出力デバイスのさらなる実施形態である。
図5】中空光導波路に対する結合出力デバイスのさらなる実施形態である。
図6】中空光導波路に対する結合出力デバイスのさらなる実施形態である。
図7】結合出力照射光部分ビームのための結合出力デバイスの一実施形態を有する、投影リソグラフィ用のマスクまたはウエハ検査装置の一部としての、同様に照射光を案内するための、照射光に対して透明な中実体として構成された導波路である。
図8】中実体として構成された導波路用の結合出力素子のさらなる実施形態である。
図9】中実体として構成された導波路用の結合出力素子のさらなる実施形態である。
図10】中実体として構成された導波路用の結合出力素子のさらなる実施形態である。
図11】中実体として構成された導波路用の結合出力素子のさらなる実施形態である。
図12】中実体として構成された導波路用の結合出力素子のさらなる実施形態である。
図13】中実体として構成された導波路用の結合出力素子のさらなる実施形態である。
図14】検査のために結像させる目的で使用されるフィールド領域、および使用されないフィールド領域を有する検査装置の照射フィールドである。
図15】区画単位で照射され、その区画では照射フィールドと一致している対物フィールドの、照射される検査対象、たとえばリソグラフィーマスクに対する、走査の相対移動を示す概略図である。
図16】照射光学ユニットの一部として導波路を有するマスク検査装置の概略図である。
図17】中空導波路に入るときの照射光の線量をモニタするために、検出デバイスの検出面に結合出力部分ビームをビーム案内することを含む図1による導波路の概略図である。
図18】導波路に入るときの照射光ビームの偏心および傾斜を確認するために、検出デバイス(図示せず)の検出面に照射光部分ビームをビーム案内する導波路の一実施形態の極めて概略的な図である。
図19】偏心および傾斜を確認するための検出デバイスまでの照射光部分ビームのビーム経路を示すために、簡略化されたビーム経路によって導波路の一実施形態を同様に示す概略図である。
図20図19と同様の図において、結合出力照射光部分ビームを結合出力するための結合出力デバイス、ならびに偏心および傾斜を確認するための検出デバイスを含む導波路である。
図21】導波路の出口領域の図20から抜き出した拡大図である。
図22図21と同様の図において、偏心および傾斜を確認するための、付加的に描かれた検出デバイスを有する結合出力デバイスのさらなる実施形態である。
図23図20と同様の図において、結合出力デバイスのさらなる実施形態によって偏心および傾斜を確認するための検出デバイスまで結合出力照射光部分ビームをビーム案内するさらなる実施形態である。
図24】導波路の出口領域の図23から抜き出した拡大図である。
図25図20と同様の図において、結合出力デバイスのさらなる実施形態によって偏心および傾斜を確認するための検出デバイスまで結合出力照射光部分ビームをビーム案内するさらなる実施形態である。
図26】導波路の出口領域の図25から抜き出した拡大図である。
図27】検出面に広がる座標xに対して、検出面に広がる他方の座標yに対して積分された結合出力部分ビームの強度の場所依存性を、異なる中間焦点の偏心についてプロットした図である。
図28図27と同様の図において、導波路入口の中間焦点の異なる傾斜について結合出力部分ビームの強度の場所依存性を示す図である。
図29】検出面での結合出力部分ビームの二次元強度分布であり、偏心および傾斜センサに対するセンサ位置が強調表示されている。
図30】偏心センサに対するセンサ位置の代替配置を示す概略図である。
図31】導波路入口の中間焦点の異なる偏心および傾斜値に対して、偏心および傾斜センサ対の信号比をヒストグラムで示す図である。
図32図18と同様の図において、結合出力照射光部分ビームが変位可能な絞りを介して結合出力される導波路のさらなる実施形態を示す図である。
図33図1と同様の図において、結合出力照射光部分ビームのための結合出力デバイスを有する中空光導波路のさらなる実施形態を示す図であり、前記結合出力デバイスが中空導波路からの照射光の出口面に対して光学的に共役関係にある結合出力面に配置され、出口面が結像光学ユニットによって結合出力面に結像する。
図34図33のタイプの光導波路に対する結像光学ユニットのさらなる実施形態であり、結像光学ユニットが2以上の拡大倍率によって出口面を結合出力面に結像させる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、照射光2を案内するための光導波路1の一実施形態を示す。図1による導波路1は、中空導波路である。導波路1は、本体入口領域4と本体出口領域5との間で照射光2を案内するための導波路本体3を有する。
本体3へ入るときの照射光2が極めて概略的に示されているに過ぎない。本体3は、入口領域4と出口領域5との間が途切れたように示されている。
【0018】
導波路1の構成が中空導波路の場合は、本体3は、内部反射内部壁7を備えた連続的な導波路キャビティ6を有する管状本体として具現化される。導波路キャビティ6の断面は、正方形でも、矩形であってもよい。導波路1の長手方向の長さに垂直な導波路キャビティの矩形断面は、0.2mm〜20mmの範囲の断面寸法を有することができる。したがって、たとえば0.2mm×0.2mm、2m×10mm、または20mm×20mmの断面が可能である。導波路キャビティ6の他の断面領域の形態、たとえば、米国特許第6,552,846号の図3に示されている形態も可能である。
【0019】
入口領域4と出口領域5との間の導波路本体3の全長は、50mm〜1000mmの範囲にあってもよく、たとえば、500mmであってもよい。本体3は、N=5〜N=100の範囲で、内部壁7での反射の最大数Nに対して設計することができる。例として、N=10が該当してもよい。これよって、所与の反射の数Nに対して、本体3の長手方向軸8との平行線と、入口領域4に入るときのまたは出口領域5から出射するときの照射光2の周縁光線9との間の受光角αが生じ、その角度については図示する例においてα=2.3°が該当する。受光角よりも大きな入口角に対しては、より大きな数Nの反射が結果として起こる。
【0020】
導波路1は、本体出口領域5において結合出力デバイス10を有する。結合出力デバイス10によって、出射する照射光2から結合出力照射光部分ビーム11が結合出力される。結合出力照射光部分ビーム11の断面は、導波路本体3から全体的に出射する照射光2の断面12の一部を構成する。図1は、例として、絶対値が最大の受光角αを有する出口角で本体3の出口面14を離れる結合出力照射光部分ビーム11の複数の個々の光線13を示す。
結合出力照射光部分ビーム11は、導波路本体3から全体的に出射する照射光2の断面12の20%であってもよいが、さらにより小さくてもよい、たとえば、導波路本体3から全体的に出射する照射光の断面12の15%未満、10%未満、5%未満、さもなければさらに低い割合であってもよい結合出力断面を有することができる。原則として、特に複数の結合出力される結合出力照射光部分ビームの場合は、全結合出力断面、すなわち、複数の結合出力照射光部分ビームの場合の、これらの部分ビームの断面の和も、全体的に出射する照射光2の断面の20%よりも大きくてもよく、たとえば、この全断面の30%、40%もしくは50%であってもよく、またはさらに一層大きくてもよい。
照射光ビームの前記残りの部分15から結合出力照射光部分ビーム11を分離することができるように、結合出力デバイス10は、出射する照射光ビームの残りの部分15から結合出力照射光部分ビーム11を結合出力する。図1による結合出力デバイス10の実施形態の場合は、出射する照射光2の結合出力デバイス10からのそのような分離が距離Lから開始することが可能である。前記距離Lは、導波路本体3の長さの2分の1よりも小さくてもよく、または1/4未満でもよく、さもなければ導波路本体3の長さの1/10未満であってもよい。入射角βに応じて、照射光ビームの残りの部分15からの結合出力照射光部分ビーム11の分離が可能となる開始長さLを事前に規定することが可能である。
【0021】
結合出力デバイス10は、結合出力ミラー16を有し、このミラー16が本体出口領域5のミラーキャリア17によって導波路本体3に接続される。結合出力ミラー16のミラー面18は、照射光ビームの残りの部分15に面する。ミラー面18は、平坦である。結合出力ミラー16のミラー面18は、70°よりも大きい、図示する実施形態ではほぼ86°の入射角βによってすれすれ入射で動作する。前記入射角βは、出口面14を垂直に通過する個々の光線13に当てはまる。
結合出力ミラー16は、たとえば、接着層19aによって平行六面体のミラーキャリア17に接続されるくさび板として具現化される。結合出力ミラー16とミラーキャリア17との間の接続に対する他の技法も可能である。それに応じて、ミラーキャリア17も、導波路本体3に接続される。
くさび形の結合出力ミラー16のくさび頂点19は、出口面14と一致する。あるいは、くさび頂点19は、導波路本体3から間隔を置いて配置されてもよい。
【0022】
図2は、結合出力デバイス20の変形形態を有する導波路のさらなる実施形態を示す。図1による実施形態に関連して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
結合出力デバイス10とは対照的に、図2による結合出力デバイス20の場合は、結合出力ミラー16およびミラーキャリア17は、一体構造のミラー/キャリア本体21を形成するように合体される。他の点では、図2による結合出力デバイス20は、図1による結合出力デバイス10に対応する。図示しない変形形態では、ミラーキャリア17は、導波路本体3に一体的に接続されてもよい。
【0023】
図3および図5は、結合出力デバイス22のさらなる変形形態を示す。図1および図2による説明に関連して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
図3および図5による結合出力デバイス22も、くさび形の結合出力ミラーを有する。結合出力ミラーは、結合出力デバイス22の主構成要素を構成する。結合出力ミラー22のミラー面23は、照射光ビームの残りの部分15とは反対を向く。結合出力デバイス22は、切り刃の形態で作られ、くさび形の結合出力ミラー22のくさび頂点19は、今度も出口面14にある。結合出力ミラー22は、図示しない仕方で導波路1の本体3によって担持される。
【0024】
図3および図5による結合出力デバイス22の実施形態の場合は、照射光ビームの残りの部分15からの結合出力照射光部分ビーム11の分離は、結合出力ミラー22の直ぐ下流で可能である。
図4および図6は、結合出力デバイス24のさらなる実施形態を示す。図3および図5による結合出力デバイス22とは対照的に、照射光ビームの残りの部分15に面する背面壁25は、平面のやり方では具現化されず、むしろ受光角αに適合する仕方で、傾斜壁区間26を有する。その結果、照射光ビームの残りの部分15の照射光が、背面壁25によってあまり妨害されないので、使用可能な照射光ビームの残りの部分15のより大きな断面を、出口面14において利用できる。
導波路1のさらなる実施形態について、図7を参照して以下で説明する。図1図6を参照して、特に図3を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
【0025】
図7図13による実施形態の場合は、導波路本体27は、照射光2に透明または透過性中実体として作られる。したがって、照射光2は、本体27のクラッディング壁28での内部反射によって本体27内で案内される。この場合、クラッディング壁28での反射角は、光学的により密でない媒体との界面28での全反射の臨界角を上回る。光学的により密でない媒体での全反射の代わりとして、界面28での反射は、界面28の反射コーティングによっても達成することができる。この場合、誘電体または金属の反射コーティングを使用することができる。
照射光は、出口面14にある結合出力表面29から結合出力される。前記結合出力表面29には、照射光2に対する反射防止コーティングが施されていてもよい。
【0026】
図7による導波路1の場合は、結合出力デバイス22は、図3および図5によるものと同様に具現化される。くさび形の結合出力ミラー22のくさび頂点19は、結合出力表面29に当接する。
図8および図9は、図7による導波路本体27、ならびに図4および図6による結合出力デバイスに相当する結合出力デバイス24を備える導波路1のさらなる実施形態を示す。
【0027】
図10は、図7図9による本体に相当する本体27を備える導波路1のさらなる実施形態を示す。結合出力デバイスとして、図10による導波路1は、前記部分ビームが結合出力表面29から出射した後、90°だけ結合出力照射光部分ビーム11を偏向させる90°偏向ミラーの形態の結合出力ミラー30を有する。結合出力ミラー30のミラー面31は、照射光ビームの残りの部分15とは反対を向く。
導波路1のさらなる実施形態について、図11を参照して説明する。図1図10、特に図10を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
【0028】
図11による導波路1の場合は、結合出力デバイスは、プリズムアタッチメント32として具現化され、このアタッチメント32が結合出力表面29の区間に光学的に結合される。プリズムアタッチメント32は、導波路本体27の結合出力表面29上に、たとえば締め付けることができる。いくつかの他の、本体にプリズムアタッチメント32を接続するための屈折率を整合させた接続技法も可能である。図11に示すように、プリズムアタッチメント32は、二等辺直角三角形の形態の断面を有する。プリズムアタッチメント32の斜辺プリズム壁33は、光学的により密でない媒体での照射光2に対する反射面として具現化される。結合出力照射光部分ビーム11は、この反射プリズム壁33での全反射の結果として結合出力される。あるいは、ここでも同様に、プリズム壁33の反射コーティング、たとえば、誘電体または金属コーティングが可能である。プリズムアタッチメント32は、結合出力ミラー30と同様の仕方で、結合出力照射光部分ビーム11に対する90°偏向素子として作用する。プリズムアタッチメント32の出口表面34には、今度も照射光2に対する反射防止コーティングを施すことができる。
図12および図13は、結合出力照射光部分ビーム11を結合出力するための結合出力デバイスとしてのプリズムアタッチメント35、36のさらなる実施形態を示す。
プリズムアタッチメント35、36は、導波路本体27に一体的に、すなわち、一体構造で接続されている。図12によるプリズムアタッチメント35の場合は、結合出力照射光部分ビーム11に対して部分的に反射性があり、部分的に結合出力効果を有するプリズム壁37が、図11による実施形態とは反対の45°の傾斜で具現化され、それによって、図11による実施形態の場合とは異なり、図12によるプリズム壁37で反射される結合出力照射光部分ビーム11の一部は、結合出力表面29を通って結合出力される照射光ビームの残りの部分15の光路と、前記照射光ビームが結合出力される前に交差する。
プリズムアタッチメント35、36のプリズム壁37は、完全反射するとして具現化される必要はない。その場合、プリズム壁37を通って送出される結合出力照射光部分ビーム11のさらなる部分が、たとえば、さらなる偏向ミラー(図示せず)によって結合出力の後に、照射光ビームの残りの部分15から分離され、これは、図12および図13には示されていない。
【0029】
プリズム壁37の反射効果に関しては、図13による実施形態は、プリズム壁33を有する図11による実施形態に相当する。図13による実施形態の場合も、完全に反射性または部分的に反射性および部分的に透明であるとしてプリズム壁37を具現化することができる。
例示的な実施形態を参照して記載した異なる変形形態において、結合出力するために使用された光学面は、図示するような平面としてだけではなく、結合出力または偏向効果に加えてビーム成形効果も有する湾曲面として具現化されてもよい。前記表面の湾曲は、たとえば、センサ上に結合出力光を結像させるまたは集束させるために使用することができる。この場合、湾曲面は、そのような結像または集束光学ユニットを単独で構成してもよく、または対応する結像または集束光学ユニットの一部であってもよい。
【0030】
記載するミラーまたはプリズム構成の代わりとして、結合出力照射光部分ビーム11を結合出力するための結合出力デバイスの結合出力素子は、少なくとも1つのレンズ素子および/または少なくとも1つの回折光学素子を備えることもできる。あるいはまたはさらに、複数のミラーおよび/または複数のプリズムは、結合出力デバイスの一部であってもよい。
図14は、例として、図1図13による導波路1を使用することができる照射光学ユニットにおいて、検査装置の対象面または照射フィールド面37a(図16参照)の照射フィールド38および対物フィールド38aを大きく拡大した図で示す。
【0031】
照射フィールド38は、結合出力されない照射光ビームの残りの部分15によって照射される。
対物フィールド38aの区画38aaは照射光ビームの残りの部分15によって照射されず、すなわち照射されないままである。したがって、対物フィールド区画38aaでは、照射フィールド38は、対物フィールド38aとオーバーラップしない。
対物フィールド38aおよび照射フィールド38は、デカルト座標x、yとの関連で以下に記載される。x軸は、図14において右に向かって伸びる。y軸は、図14において上に向かって伸びる。
【0032】
対物フィールド38aは、矩形である。照射フィールド38が対物フィールド38aとオーバーラップするところでは、照射フィールド38は、x方向およびy方向で対物フィールド38aのエッジ領域を越える。したがって、対物フィールド38aは、それが照射されるところでは、ある程度過剰に照射される。
対物フィールド区画38aaにある領域38bは、結合出力照射光部分ビーム11を生成するために結合出力される照射光2のその部分に相当する。
対物フィールド38aは、さらに以下で説明するマスク検査装置の投影光学ユニットによって結像する使用されるフィールド領域39、および検査中に使用されないままの自由フィールド領域40を有する。使用されるフィールド領域39は、対物フィールド38aの照射される区画にある。図14による実施形態の場合は、2つの矩形の使用されるフィールド領域39が、対物フィールド38aの前記照射される区画にある。使用されるフィールド領域39は、互いに間隔を置いて配置され、互いに切り離されている。使用されるフィールド領域39は、矩形である。
図1図13による導波路1の上記結合出力デバイスは、照射光2全体によって全体的に照射され得る照射フィール内部の走査するために必要な対物フィールド38aの所定の配置に応じて、または照射フィールド38内の走査される使用されるフィールド領域39および自由フィールド領域40の所定の配置に応じて、前記結合出力デバイスは、結合出力がない場合に照射に寄与する対応する断面領域の照射光2を、結合出力照射光部分ビーム11として結合出力するように作られる。その場合、照射光ビームの残りの部分15は、使用されるフィールド領域39を照射し続ける。結合出力がない場合に対物フィールド38a内で照射される、他の、隣接する領域(図14の対物フィールド区画38aa参照)は、照射光ビームの残りの部分15によって照射されない。
【0033】
また、結合出力なしに照射光2によって照射され得る全照射フィールド38は、実際に結像することになる対物フィールドよりも全体的に大きくてもよい。結合出力なしに、結像する対物フィールドよりも大きな照射フィールド38のそのような領域を照射する照射光2を、上記の実施形態のうちの1つによって結合出力させることができる。
【0034】
原則として、検査装置は、検査中に対象とする検査される構成要素、たとえばマスクとも呼ばれるレチクル、またはウエハの領域をすべて撮像することができる。そのような検査装置は、全体的に検査される表面と比較してより小さいセグメントが同時に検査されるように具現化される場合が多い。検査される対象、すなわち、レチクルおよび/またはウエハは、その場合、1ステップではなく、むしろ連続的なまたは漸進的な変位の文脈で、特に走査プロセスの文脈で撮像される。検査される対象の撮像される表面全体が、このようにようにして走査される。このことが、図15で概略的に示され、この図は、上で説明したように、対物フィールド38aの使用されるフィールド領域39が照射される対物フィールド38aが、検査される対象、たとえばフォトマスク42一面にわたって、どのように走査されるかを概略的に示す。x次元、およびy次元の両方において、対物フィールド38aは、それぞれの場合で、フォトマスク42のx方向の大きさおよびy方向の大きさのごく一部分の大きさを有する。
対応する、蛇行する走査経路40aが図15の矢印によって示される。
【0035】
図16は、レチクルとも呼ばれ、照射フィールド38内に配置されるフォトマスク42を検査するためのマスク検査装置41を概略的に示す。図1図15を参照して既に上で説明した構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には開示しない。
レチクル42は、レチクル変位駆動装置(図示せず)に動作可能に接続されるレチクルホルダ(より具体的な詳細は図示せず)によって担持される。レチクル変位駆動装置は、検査中に、既に上で説明したように、レチクル42の漸進的または走査変位を行う。マスクまたはレチクルの検査装置の例は、独国特許第102 20 815 A1号および米国特許出願公開第2012/0163698号により知られている。
【0036】
検査装置41は、照射光2を生成するための光源43を有する。光源43は、2nm〜30nmの波長領域の、たとえば、2.3nm〜4.4nmの領域の、または5nm〜30nmの領域のEUVを使用する放射を生成することができる。EUVリソグラフィシステムまたは投影露光装置に対して一般的でもある光源、すなわち、たとえば、レーザプラズマ源(LPP;レーザ生成プラズマ)、さもなければ放電源(DPP;放電生成プラズマ)が、光源43に適切である。同時にビーム成形特性を有する偏向ミラー44を介して、照射光2は、導波路1へ結合出力される。偏向ミラー44は、導波路1の入射面42aの領域に中間焦点45を生成する。導波路1の出口面14は、フィールド面を構成する。
導波路1の下流に、照射光ビームの残りの部分15が、(概略的に示す)結像光学ユニット46を介して照射フィールド38まで案内される。この場合、フィールド面14が照射フィールド38に結像する。
導波路1とともに結像光学ユニット46は、検査装置41の照射光学ユニットの一部を構成する。前記照射光学ユニットは、照射光ビームの残りの部分15を使用する下流の光学ユニットの例である。
【0037】
対物フィールド38aの使用されるフィールド領域39は、同様に概略的に示す投影光学ユニット48によって結像面50の結像フィールド49に結像する。結像フィールド49は、たとえば、1つのCCDカメラまたは複数のCCDカメラによる検出デバイス51によって検出される。検出デバイス51は、静止した態様で存在する。検出デバイス51は、レチクル42上の各物点が対物フィールド38の使用されるフィールド領域39に対して変位している間に照射され、検出デバイス51上に結像する場合に、事足りるように画像処理によって動作する。
【0038】
結合出力照射光部分ビーム11は、センサデバイス52の例としての線量測定センサに案内される。センサデバイス52は、結合出力照射光部分ビーム11の特性である測定変数を検出するための測定デバイスの例である。これには、焦電センサが含まれてもよい。導波路1とともに線量測定センサ52は、アセンブリを形成することができる。光学アセンブリのセンサ光学ユニットは、同時に結合出力デバイスの一部であってもよい。
線量測定センサ52によって、マスク検査中に、再現可能な照射条件が照射フィールド38内にあることが保証される。
線量測定センサ52は、照射に使用される照射光ビームの残りの部分ともほぼ同じの、線量測定センサ52に対する検出ビームの角分布を検出するように配置することができる。検出ビームは、照射光ビームの前記残りの部分と比例する強度をさらに有する。
【0039】
光源43、検出デバイス51および線量測定センサ52は、図示しない仕方で、中央制御/調整デバイス53に信号接続され得る。中央制御/調整デバイス53を介して、例として、線量測定センサ52の測定信号の支援によって光源43の出力パワーのパッキングを調整することが可能である。この場合、線量測定センサ52は、光源43の実際のパワーと相関する測定信号を出力する。前記実際のパワーは、制御/調整デバイス53において所定の所望のパワーと比較される。次いで、制御/調整デバイス53は、実際のパワーと所望のパワーとの間の偏差に応じて光源43を駆動する。
【0040】
検査装置41によって、レチクル42上の構造を検査することができるだけでなく、たとえば、投影光学ユニット48の結像性能をチェックすることができる。あるいは、検査装置41は、照射フィールド38における照射光学ユニットの照射性能をチェックする、またはモニタするために使用することができるように具現化することもできる。そのような照射光学ユニットは、検査だけでなく投影露光自体を行う間も使用することができる。
線量測定センサ52の代わりとして、または線量測定センサ52に加えて、フィールド位置センサを使用することができ、フィールド位置センサによって、空間における照射される照射フィールドの位置を検出することが可能である。そのようなフィールド位置センサは、空間分解センサとして、たとえば象限センサとして具現化することができる。照射フィールド面上の位置を検出するために、フィールド位置センサは、対応する測定する光学ユニットを備えることができる。線量測定センサの代わりとして、または線量測定センサに加えて、瞳センサをさらに使用することができる。瞳センサは、同様に空間分解センサとして作られてもよく、照射フィールドの照射の照射角分布を測定することができる。
結合出力照射光部分ビーム11を検出するセンサ52によって確認される測定変数は、制御/調整デバイス53によって、投影露光装置の、たとえばレチクルホルダの対象変位駆動装置の、および/またはレチクル42が結像するウエハに対するウエハホルダのウエハ変位駆動装置の構成要素を駆動するためにも、さもなければ光源43の、および/または照射光学ユニットの、および/または投影光学ユニット48の少なくとも1つの構成要素の変位を制御するために使用することができる。
【0041】
線量測定センサ52に対する例示的な構成について、図17を参照して詳細により完全に以下で説明する。線量測定センサ52は、結合出力照射光部分ビームの特性である測定変数を検出するための測定デバイスの例である。図1図16を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
【0042】
図17は、図2による実施形態の変更形態からなる導波路1の実施形態を示す。結合出力ミラー20は、本体3とは別個の構成要素として生成され、そのミラー面18が導波路1の本体出口領域5のエッジに当接する。前記エッジの後で、照射光2の断面12に突出する、結合出力ミラー20のミラー面18のその区間が、照射光2からの結合出力照射光部分ビーム11を結合出力し、すなわち上で説明したように、使用されるフィールド領域39を照射するために使用される照射光2の残りの部分から結合出力照射光部分ビーム11を分離する。出口面14は、センサ光学ユニット54の支援によってセンサデバイス52の絞り面55に結像し、この絞り面55が図17による実施形態の凹面鏡によって形成される。線量測定センサデバイス56は、絞り面55の下流に配置され、前記線量測定センサユニットが中央制御/調整デバイス53に信号接続される。
【0043】
導波路1の均質化効果により、線量測定センサユニット56によって行なわれる、出口面14の照射光ビームのごくわずかな部分の強度測定から、出口面14において利用可能な照射光2の全強度を高精度で推定することが可能である。下流の光学ユニットのシステム開口に対応する角スペクトル全体が、線量測定センサ52による線量モニタ中に完全に検出されるのが好ましい。同時に、線量測定センサ、下流の光学ユニット、すなわち、たとえば、照射光学ユニットおよび/または投影光学ユニットに必要な開口よりも高い開口を検出することは、回避されるべきである。下流の光学ユニットのシステム開口に対するこの制約は、開口紋り57の支援によって達成することができ、この開口紋り57が、図17による実施形態の凹面鏡54の近くに配置されている。あるいは、線量測定センサユニット56によって検出されるシステム開口は、センサ光学ユニット54の構成要素の、または構成要素の反射コーティングのサイズもしくは形態によって、事前に規定することができる。出口面14のそれらの点を通る結合出力照射光部分ビーム11の光線により、たとえば絞り57によって画成される、または上記のようななんらかの他の仕方で画成されるセンサ光学ユニット54の開口の一部のみが照射され、またはそのような光線が線量測定センサユニット56によって検出されないことが、絞り面55のさらなる絞りによって保証される。これによって、線量測定センサデバイス56によって検出される結合出力照射光が、使用される照射光ビームの残りの部分15の壊れていない角スペクトルを有することが保証され、前記角スペクトルはセンサ光学ユニット54の開口までは完全である。したがって、センサ光学ユニット54の開口が下流の光学ユニットのシステム開口に対応する限りは、線量測定センサ52は、システム開口を介して利用可能な照射光2のその線量を正確に測定する。
【0044】
たとえば、図3図9による結合出力デバイスの使用の結果として、結合出力照射光部分ビーム11の結合出力される光線が、使用される照射光ビームの残りの部分15の完全で壊れていない角スペクトルを有する場合、絞り面55の絞りに対応する絞りを省くことができる。結合出力照射光部分ビーム11が出口面14で直接分離される場合が、そうである。線量測定センサ52による線量測定中に、角スペクトルが実際に使用される照射光ビームの残りの部分15に対応する照射光を、もっぱら、線量測定のために検出することができる。したがって、その角スペクトルに関して、線量測定に使用される照射光は、実際に使用される照射光ビームの残りの部分15から偏移せず、したがって、角スペクトルの偏移により発生する線量測定誤差は、起こり得ない。
中空導波路1に入るときの照射光2の偏心および傾斜を確認するための検出デバイス58の様々な実施形態について、図18図26を参照して以下に記載する。検出デバイス58は、結合出力照射光部分ビームの特性である測定変数を検出するための測定デバイスの例である。図1図16を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。
【0045】
検出デバイス58は、入射面44aの中間焦点45、ならびに導波路1の本体入口領域4に対する導波路1の相対位置および相対配向の測定に役立つ。入射面44aへ入るとき、照射光2の強度分布は、場所に対する強度分布に関する限り、および照射光の個々光線の光線方向の角スペクトルに関する限り、両方ともガウシアン(Gaussian)である。出口面14の領域では、結合出力照射光部分ビーム11は、方形ロッド出口表面または結合出力表面のコーナの領域において結合出力される。この場合、結合出力照射光部分ビームの結合出力断面は、前記ロッド出口表面の両方の次元においてロッド出口表面の大きさの7分の1に相当する。結合出力デバイスは、図18では省略された。図は、照射光ビームの残りの部分15ではなく、結合出力照射光部分ビーム11のみを示す。
検出デバイス58のセンサ(図18には示さず)は、検出面59に配置される。図示するように、検出面59は、平坦であるが、原則として湾曲していてもよい。それに応じて、したがって、湾曲した検出器面を有する検出デバイス58を使用することができる。
【0046】
図19は、検出デバイス58に対して結合出力するための結合出力照射光部分ビーム11のビーム経路のさらなる詳細を示す。この場合、今度も、簡略にするために結合出力照射光部分ビーム11のみが示されている。照射光ビームの残りの部分15に利用可能な、出口面14の全断面12内の照射光2のその部分は、図19で12’によって示される。
点P2および点P3は、図面の面内で本体入口領域4の入口側限界点を構成する。距離d、すなわち、点P2と点P3との間の距離は、導波路キャビティ6の入口側寸法を表わす。
【0047】
以下では、導波路1の内部壁7で多くとも4回の反射によって導波路1の出口領域5まで通過する照射光2のそれらの個々の光線のみが、結合出力照射光部分ビーム11に寄与すると仮定される。結合出力照射光部分ビーム11のこの領域の開口周縁光線g1およびf4を構築するために、図14は、2つの点P1およびP4をさらに示し、これらの2つの点が、それぞれ入射面44aの点P2および点P3から距離4dに位置する。
【0048】
互いの距離がd1の点Qおよび点Rは、結合出力照射光部分ビーム11が結合出力される出口面14でその領域の境界を定める。導波路1は、長さAを有する。f2は、P2から点Qを通過する光線を表わす。f3は、P3から点Qを通過する光線を表わす。g2は、P2から点Rを通過する光線を表わす。g3は、P3から点Rを通過する光線を表わす。f1は、見かけ上、点Qから見て、すなわち反射を考慮せずに、P1から点Qを通過する点Qを通る光線を表わす。f4は、点P4から点Qを通る対応する光線を表わす。g1およびg4は、点P1および点P4を通り、それぞれの場合で点Rを通る対応する光線を表わす。
光線f2およびf3は、導波路1内部で反射なしに導波路1の入口領域4から点Qまで通過した照射光2の角度範囲の境界を定める。この角度範囲は、ゼロ次の反射とも呼ばれる。
導波路キャビティが、キャビティ6の境界を定める平行六面体の面うちの2つの面と平行な断面において矩形断面を有し、キャビティ6を貫く導波路1の中心軸8が、前記断面内に、たとえば、図1以降の図面の面内にある限り、以下が成り立つ。
導波路1の長手方向軸8に対する照射光2の角度に応じて、照射光2は、特定の入口点、たとえば、入口点P2から開始して、入口領域4と出口領域8との間で特定の数nの反射を受けている。前記反射の数は、反射の次数と呼ばれる。導波路1の内部壁7で全く反射されない照射光2は、ゼロ次の反射を規定する。光が出口領域5から出射した後に「上に向かって」、すなわち、たとえば、図17の左側の座標系の正のx方向に、または負のx方向に反射されるかどうかに応じて、+n次のまたは−n次の反射が反射の数nに応じて発生する。
【0049】
y次元が同様にさらに考慮される限り、反射の次数は、x次元およびy次元に対して別々に2つのインデックスで表わされる。導波路キャビティ6の正方形断面を有する導波路1に対して、導波路の動作のこの仕方については米国特許第4,918,583号に記載されている。あるいは、導波路1は、矩形断面さもなければ異なる形状の断面も有することができる。
【0050】
光線f1およびf4は、光が、多くとも4回の反射によって入口領域4から点Qまで通過した角度範囲の境界を定める。したがって、前記角度範囲は、反射の次数−4〜+4をカバーする。
それに応じて、光線g1〜g4が、点Rを通過する反射のそれぞれの次数に割り当てられる。
h1は、観察面60内で光線f3と光線g3との間の、または光線f2と光線g2との間の距離を表わし、この観察面が出口面14と平行に伸び、出口面14からの観察面の距離が図19でxによって示される。観察面60内のh3は、たとえば、光線g2と光線g3との間の距離、すなわち、同じ点Qまたは点Rを通過し、一方はP2から、他方はP3から生じる光線間の距離である。
【0051】
図20および図21は、図2による結合出力デバイス20のタイプの結合出力デバイスによる上記の説明を敷衍する。図19を参照して既に上で記載された構成要素および点ならびに光線の記号には、同じ参照記号がついており、再び詳細には論じない。
点Sおよび点Tは、照射光ビームの残りの部分15の通過に利用可能な断面12の領域の境界を定める。前記照射光ビームの残りの部分15は、図19を参照して既に上で説明したように、今度も−4〜+4の反射の次数の角スペクトル領域で、周縁光線11およびk4によって境界が定められる。角スペクトルの境界を定めるこれらの周縁光線は、図19による周縁光線g1およびf4と比較してより小さな開口角を有する。これは、図20による導波路1の場合は、導波路1のキャビティ断面と導波路1の長さとの比が、図19による実施形態の場合よりも図20による実施形態の場合の方がより小さいという事実による。
【0052】
図20による実施形態の場合は、絞り本体61が点S、すなわち、出口領域5にある照射光ビームの残りの部分15の境界と、点Q、すなわち出口面14の結合出力照射光部分ビーム11の隣接する境界との間に位置する。出口面14の点Qと点Sとの間にこの絞り61がない場合は、照射光2は、照射光2が点Qと点Sとの間の導波路1の出口領域5の出口面14のどこを通過するかに応じて、およびそれぞれの個々の光線の方向に応じて、一部は、照射光ビームの残りの部分15とともに前方方向に進み続け、すなわち照射光ビームの残りの部分15と混合し、または一部は、結合出力デバイス20のミラー面18(図21参照)に投射され、結合出力照射光部分ビーム11と混合する。
絞り本体61がない場合に生成されるそのような混合光は、望ましくない。
検出面59に結合出力照射光部分ビーム11を案内する目的は、検出面59において導波路1の入射面44aの照射光2の強度分布の像を生成することであり、前記像と、導波路1の入口の照射光の強度分布の様々な元の像とが関連付けられ、この様々な元の像が検出面59において反射の次数に応じて、互いにオフセットして現れる。この反射の次数の画像化については、米国特許第4,918,583号に詳細により完全に記載されている。
検出面59における反射の異なる次数の重ね合わせによって、強度分布の変調が生じる。これは、以下で説明するように、入口領域4における照射光2の偏心および傾斜を確認するために使用することができる。
空間分解検出器62が、検出面59に配置される。検出器62は、CCDカメラであってもよい。検出器62は、中央制御/調整デバイス53に信号接続される。
図20では、センサ領域に対して、63、64、65および66が強調表示され、その重要性について以下で説明する。
【0053】
図22は、図19および図20による結合出力デバイス20の代わりに使用することができる結合出力デバイスの変形形態20aを示す。図1図21を参照して、特に図19図21を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および点ならびに光線の記号には、同じ参照記号がついており、再び詳細には論じない。
結合出力デバイス20aは、湾曲したミラー面18を有する。これは、入射面44aがピンポイントの精度で検出面59に結像する効果を有する。そのような像を、異なる仕方で、たとえば平坦な結合出力ミラーおよび下流のフーリエ光学ユニットによって生成することもできる。
【0054】
図23図26を参照して、結合出力照射光部分ビーム11がそれぞれの場合で出口面14において正確に分離され、出口面14の絞り本体61を省くことができる結合出力デバイスの2つの実施形態20bおよび20cについて以下で説明する。
結合出力デバイス20bおよび20cは、たとえば、図4によるものと同様である。出口面14にくさび頂点19を有するミラーくさびが、今度も含まれている。
実際に、その場合、図23図26のくさび頂点19(点Q)と出口領域5の上部境界点Tとの間の全断面領域が、照射光ビームの残りの部分15に利用可能である。
この場合、図23および図24による結合出力デバイス20bは、くさび頂点19の領域に非常に小さなくさび角を有する。
【0055】
図25および図26による結合出力デバイス20cは、いくぶんより大きなくさび角を有し、それによって点Sと点Tとの間の断面12の領域が照射光ビームの残りの部分15に利用可能となり、出口面14の点Sと点Q(くさび頂点19)との間の距離が断面12と比較して小さい。
導波路1の開口に対応する完全な角スペクトルが、結合出力照射光部分ビーム11が結合出力される場所で利用可能である。
【0056】
図27は、検出面59でのx座標(たとえば、図20も参照)に対して測定された照射光強度Iを示す。
検出面59は、たとえば、図20の右側に描かれるデカルト座標xおよびyにわたって広がる。x軸は、図20の図面の面内で、および同時に検出面59内で伸びる。y軸は、図20の図面の面と垂直に、この面の中へと伸びる。
検出面59は、相対変位rが5未満である値を有する面に近い。
rは、図19に関連して上で説明した、距離h1と距離h3との比である。r=0は、完全なオーバーラップ、すなわち反射のより高次の光線経路を構築するために選ばれた仮想の点(P1、P4参照)を含む、入射面44aの同一の点から生じる光線が、前記光線が出口面14を通過する点とは無関係に検出面59の同じ点に当たることを意味する。r=1は、反射のより高次の光線経路を構築するために選ばれた仮想の点(P1、P4参照)を含む、入射面44aの同一の点から生じるが、出口面14の結合出力照射光部分ビーム11の反対側の境界Qを通過する2つの光が、検出面59の異なる2点に当たり、これらの2点が、入射面の点P2および点P3から同じ点Rまたは点Qを通過する2つの光線の衝突点と精密に同じ距離を有することを意味する。出口面14の点Qおよび点Rをそれぞれ通過する、ゼロ次の反射の光線によって照射される、検出面59の2つの領域を考える場合、相対変位は、(ほぼ同じサイズの)これらの領域の大きさに対するこれらの2つの領域のオフセットを示す。相対変位が大きいほど、検出面59の入射面44aの像の鮮鋭度が低下する。
【0057】
また、相対変位rに対して下記の式を規定することができる。
r=d1/d(1+A/x)
この場合、d1は、点Qと点Rとの間の距離を表わす。したがって、d1/dは、x次元において全断面12に対して出口面14で結合出力される断面が構成する割合である。xは、検出面59および出口面14までの距離を表わし、Aは、導波路1の長さを表わす。
【0058】
第1のオーバーラップは、x=α/(1−α)で達成され、ここでα=d1/dである。
距離x=Aで、下記、r=2αが成り立つ。
距離x→∞で、下記、r→αが成り立つ。
検出面59は、r<1、好ましくr<0.5、特に好ましくはr<0.3が成り立つように選ばれる。
検出面59と出口面14との距離、またはこれらの2つの面間の光路は、導波路本体3の長さの50%〜200%の範囲にあってもよく、特に、導波路本体3と正確に同じ長さであってもよい。あるいはまた、前記距離は、導波路本体の長さの50%未満であっても、または導波路本体の長さの200%を超えてもよい。
【0059】
図27では、y方向に積分された結合出力照射光部分ビーム11の強度Iが、相対単位でプロットされている。
図27では、照射強度Iは、導波路1の本体入口領域4の中心に対する中間焦点45の様々な偏心値に対して示されている。偏心「0」、すなわち、本体入口領域4に対する中間焦点45の完全なセンタリングは、実線によって示される。偏心「−50μm」は、破線によって示される。偏心「+50μm」は、点線によって示される。これらの偏心値は、x方向の完全なセンタリングからの偏差に関する。たとえば、図17の左側に示すデカルトxyz座標系が、中間焦点45のこれらの位置の表示に対して適用可能である。z方向は、入射面44aに対する垂線、すなわち照射光2の傾いていない伝搬方向に相当する。前記z方向は、図17において右に向かって伸びる。x方向は、図17において上に向かって伸びる。照射光2の伝搬座標(図17の左の座標系)のy方向は、検出面59が広がるy方向(図17の右の座標系)と平行に、すなわち、図17において図面の面に垂直に、この面の中へと伸びる。
【0060】
x座標に対する照射強度の依存性は、導波路1の出口面14での結合出力照射光、すなわち結合出力照射光部分ビーム11の強度の角度依存性に相当し、ゼロ次の反射の境界を定めるx座標値が図27の一点鎖線によって強調表示されている。この範囲は、さらに上の方で規定された相対変位rに関連して記載したように、ゼロ次の反射の結合出力照射光が、この結合出力照射光が通過する出口面14の点に応じて、わずかに異なる場所で検出面59に当たり、その結果ゼロ次の反射の光によって全体的に照射される検出面59のその領域がいくぶん広がるため、2つの最大値間の距離よりも大きい。図27の3つの偏心曲線のプロファイルから、強度分布の最小値が偏心によって影響を受けることを認識することができる。
強度が影響する符号は、反射の次数とともに変化する。たとえば、反射の次数「N」と反射の次数「N+1」の範囲では、強度曲線「偏心−50μm」は、強度曲線「偏心+50μm」よりも低い最小値を有するが、これは、反射の次数「N+1」と反射の次数「N+2」の範囲では、全く逆になる。さらに、最小値が影響する符号は、偏心の方向とともに変化する。特定の反射の最小値の場合は、したがって、偏心が正のx方向生じるか、負のx方向に生じるかどうかを識別することが常に可能である。絶対項が小さい反射の次数の範囲では、偏心の依存性は、反射の次数が高い場合よりも大きい。
【0061】
図28は、本体入口領域4に対する、すなわち入射面44aに対する中間焦点45の様々な傾斜に対する対応する強度分布を示す。したがって、傾斜は、照射光2の伝搬方向zが、導波路1へ入るときの入射面44aに対する垂線から逸れる程度を示す。図28では、傾斜していない入射「傾斜0μm」に対する強度分布が実線によって示される。傾斜「傾斜−1mrad」に対する強度分布は、破線によって描かれ、傾斜「傾斜+1mrad」に対する強度分布は、点線によって描かれる。傾斜の場合、図27による偏心に対する強度分布の依存性に匹敵する依存性が生じ、基本的な差異は、図28による強度分布の場合は、強度の最大値が傾斜に敏感であるということである。この場合、強度の最大値の強度が影響する符号は、反射の次数間の傾斜の結果として変わり、傾斜が正の角度の方に生じるか、または負の角度の方に生じるかどうかにさらに依存する。特定の強度の最大値の場合は、したがって、xz面の入射面44aに対する垂線に対する傾斜が、正の角度の方に生じるか、または負の角度の方に生じるかを識別することが常に可能である。絶対項が大きい反射の次数の範囲では、傾斜依存性は、反射の次数が小さい範囲の場合よりも大きい。
したがって、図27および図28による強度分布によって、導波路1に入るときの照射光2の焦点位置を検出し、正確に照射光2の光線方向を決定することが可能となる。このように、検出デバイス58によって、照射光2は、測定精度の範囲内で導波路1に対して位置合わせすることができる。
【0062】
図29は、導波路1の本体入口領域4において、はじめに照射光2の偏心、次いで傾斜を検出することが可能なセンサ対の例示的な構成を示す。図29の図面の面は、検出面59に対応する。図は、座標xおよびyに対してプロットされた、検出面59における結合出力照射光部分ビーム11の二次元強度分布を例として示す。相対強度値のバーが図29の右側にプロットされ、二次元強度分布に示される相対強度値に対する異なるハッチングの割当てを、前記バーから得ることができる。
図29に示される、y方向に積分され、x方向に対してプロットされた強度分布は、図27および図28による実線の強度分布に対応する。
【0063】
図29は、センサデバイス58の4つのセンサ領域63、64、65および66の配置を示す。これらのセンサ領域63〜66は、図20、23および25を参照して既に上で論じたセンサ領域に対応する。比較的大きなセンサ領域を有する、空間分解センサ、たとえばCCDカメラのセンサ領域63〜66の代わりに、個別のセンサ、たとえば個別のフォトダイオードも、センサ領域63〜66の場所に配置することができる。前記個別のセンサは、同様に、参照数字63〜66によって下に示されている。比較的大きな空間分解センサの場合に、センサ領域63〜66に対する制約が実施される限り、これは、もっぱらセンサ領域63〜66の場所に照射光2を送出する対応するシェーディング絞りの支援によって行うことができる。
【0064】
センサ63〜66は、検出面59において結合出力照射光部分ビーム11全体のセグメントを検出する。センサ63〜66は、調整デバイス53の中央制御装置に信号接続される。センサ63および66は、強度分布の互いに反対側のエッジ領域に配置される。したがって、強度分布の中心は、2つのセンサ、63と66との間に位置する。
センサ63および66は、本体入口領域4での照射光2の伝搬方向の傾斜、すなわち中間焦点45の「傾斜」を測定するために役立つ。したがって、センサ63および66は、以降「xt 1」(x傾斜センサ1)および「xt 2」(x傾斜センサ2)とも呼ばれる。センサ63および66は、xz面において入射面44aに対する垂線zに対する照射光2の伝搬方向の傾斜を測定する。センサxt 1およびxt 2は、それぞれの場合で強度分布の最大の領域に配置され、2つの最大値が中間焦点45の傾斜の強度変化の依存性に関して異なる符号を有するように、2つの最大値の次数が選ばれる。
他の2つのセンサ64および65は、中間焦点45のx偏心を測定する。したがって、以降、センサ64は、「dx 1」、およびセンサ65は、「dx 2」とも呼ばれる。2つのセンサdx 1およびdx 2は、強度分布の最小値に配置され、強度分布の中心の隣接した最小値がここで選ばれる。
【0065】
一方、センサ対63/66および64/65の代わりに、導波路に入るときの照射光2の傾斜および偏心を測定するために1つのセンサのみを、たとえば傾斜用のセンサ63を単独で、および偏心用のセンサ64を単独で使用することもそれぞれの場合で可能である。
センサの対応する配置は、y方向に対して使用することができる。このことが、例として図30の偏心センサ64、65に対して示されている。図30のセンサ64xおよび65xは、図29のセンサ64および65に対応する。2つのさらなるセンサ64yおよび65yが図30にさらに配置され、センサ64および65に関連してx次元に対して既に上で説明したように、中間焦点45のy偏心を測定する。センサ64yおよび65y(dy1およびdy2)は、強度分布の最小値に同様に配置され、強度分布の中心の隣接した最小値を同様に選ぶことができる。これは、結果として図30に示すように、強度分布の中心のまわりの4つの象限I、II、II、IVにおいて4回対称を有するセンサ65y、64x、64yおよび65xの配置となる。そのようなセンサ配置は、象限検出器の支援によって実現することができ、この象限検出器の各象限が図30の象限I〜IVに対応する。そのような象限検出器の個々の象限I〜IVの測定窓を低減させるために、図30による配置のセンサ領域65y、64x、64y、65xの場所にのみ照射光2を送出するシェーディング絞りを設けることが可能である。
【0066】
図31は、典型的なセンサ信号比の測定結果、すなわち一方にdx 1/dx 2、他方にxt 1/xt 2を示す。比はパーセント単位で示され、乱されていない場合の「偏心なし」および「傾斜なし」に対して値100%の正規化が行なわれた。
【0067】
図31は、一方の信号比dx 1 /dx 2、および他方の信号比xt 1/xt 2から中間焦点45の傾斜および偏心を良好な精度で推定することが可能であることを示す。さらに、それぞれの信号比に関する限り、傾斜センサxt 1およびxt 2が事実上、もっぱら傾斜に敏感であり、偏心センサdx 1、dx 2が、事実上、もっぱら偏心に敏感であるため、偏心が非常にうまく傾斜と識別され得る。図は、偏心−50μm、0μmおよび+50μmに対する、ならびに傾斜−1mrad、0mradおよび+1mradに対する比の値を示す。
事実上、もっぱら信号比dx 1/dx 2は、異なる偏心値の場合に変わる。前記信号比は、偏心−50μmの場合は値100%よりもはるかに小さく、偏心+50μmの場合は値100%よりもはるかに大きく、それによって偏心の方向を比から推定することもできる。
【0068】
実際に、傾斜センサxt 1およびxt 2の信号比のみが異なる傾斜値−1mrad、0mradおよび+1mradの場合に変化する。ここでも同様に、信号比は、傾斜−1mradの場合は100%よりもはるかに大きく、傾斜+1mradの場合は100%よりもはるかに小さいため、傾斜方向を信号比から推定することができる。
一代替形態構成では、センサ63〜66は、結合出力照射光部分ビーム11の断面の、y方向に伸びる帯状部分全体を検出することもできる。前記帯状部分のx方向の大きさは、それぞれの場合でセンサ63〜66のx位置に対応する。
同じ仕方で、センサ64yおよび65yに関連して既に上で説明したように、y偏心およびy傾斜を検出することができる。その場合、センサ63〜66に対応するさらに2つのセンサ対が、結合出力照射光部分ビーム11の強度分布のy次元の対応する位置に配置される。
変位装置67を、センサ63〜66の信号比によって制御することができ、この変位装置は、図16に示すように、光源43に、および/または図17に示すように導波路1に動作可能に接続されてもよい。導波路1に対する光源43の、および/または光源43に対する導波路1のいずれかの調整された追跡をこの手段によって実現することができ、それによって中間焦点45がそのセンタリングと傾斜に関して最適の位置に常に留まるようになる。
【0069】
図32は、使用される照射を中断させる動作で、結合出力照射光部分ビーム11を結合出力する光導波路1の変形形態を示す。図32による導波路1の場合は、結合出力照射光部分ビーム11は、変位可能な結合出力絞り68によって結合出力される。結合出力絞り68は、開口70を備えた絞り本体69を有する。絞り本体69は、絞り変位駆動装置71に動作可能に接続される。絞り変位駆動装置71によって、絞り本体69は、図32の両矢印72によって示すように、図32に示す測定位置と中立位置との間で変位することができる。測定位置では、絞り本体69によって、開口70を介して、もっぱら結合出力照射光部分ビーム11が絞り本体69を通過することができ、次いで、この結合出力照射光部分ビーム11を、既に上で説明したように、検出面59において測定することができる。測定位置では、絞り本体69は、出口面14の極めて近くに、出口面14から、たとえば、100μm未満の距離に配置される。たとえば、照射光2の光線方向に、絞り本体69は、非常に小さい、50μm未満であってもよい厚さを有する。
【0070】
図32に示す配置の代わりとして、測定位置の絞り本体を、出口面14の下流のフィールド面に、すなわち、出口面14が結像する面に配置することもできる。
原則として、図32による導波路1が使用される照射光学ユニットの視野絞りであって、既に他の目的のために存在する前記視野絞りを結合出力絞り68として使用することができる。
検出面59では、通常の照射動作に対して同様に使用される測定技術、すなわち結合出力絞り68の中立位置で、たとえば照射系に既に存在する瞳系測定技術を使用することが可能である。あるいはまたはさらに、たとえば図18〜26に関連して既に上で説明したように、検出デバイスを使用することが可能である。絞り本体69とともに、測定位置において、結像光学ユニットを結合出力照射光部分ビーム11のビーム経路に導入することもでき、それに応じて検出デバイス58による測定のために結合出力照射光部分ビーム11を調節する。
【0071】
結合出力絞り68の測定位置において、絞り本体69は、そのサイズおよび位置に関して、上記の実施形態の前記断面から結合出力されるセグメントに相当する照射光の断面全体のセグメントを送出する。
上で説明した結合出力デバイス、すなわち、特に、結合出力デバイス10、20、22、24、30、32、35、36および68は、必ずしも本体出口領域5、すなわち出口面14の近くに配置される必要はない。代替として、前記出口面14に対して光学的に共役関係にある面14’に、またはその面の近くに前記結合出力デバイスを配置することが可能である。これについて、特に結合出力デバイス10の例に基づいて、図33および34を参照してさらに一層詳細に説明する。
【0072】
図33は、結合出力デバイスの配置は別として、図1を参照して既に上で説明したものに相当する導波路1の実施形態を示す。図1に関連して既に上で説明したものと同一の構成要素には、同じ参照数字がついており、再び詳細には論じない。もっぱらそれらの位置に関して図1によるものと異なる構成要素には、図33でプライムが与えられた参照数字がついている。結合出力デバイス10’は、像出口面14’、すなわち、出口面14に対して共役関係にある面に、またはその面の近くに配置される。出口面14は、図33に概略的に示した結像光学ユニット73によって、像出口面14’または結合出力面に結像する。結像光学ユニット73は、図33に概略的に示すように、1:1結像を行うことができる。また、図34に示すように、結像光学ユニット73の異なる結像縮尺比、特に拡大結像縮尺比も可能である。図34に概略的に示す、その機能の点から、他の点では図33による結像光学ユニット73に対応する結像光学ユニット74のさらなる実施形態は、2:1の拡大縮尺比によって出口面14を像出口面14’に結像させる。
【0073】
1:1とたとえば10:1の範囲にある異なる拡大縮尺比、たとえば3:1、4:1、5:1、またはさらに大きな拡大縮尺比も可能である。
拡大のために、より小さな角スペクトルが、結合出力する結合出力照射光部分ビーム11内部に生じ、それによって、すれすれ角での結合出力を促進する。
結像光学ユニット73の結像効果のために、像出口面14’の、またはその像出口面の近くの結合出力デバイス10’の光学的効果は、図1による結合出力デバイス10の光学的効果に相当し、それによって結合出力デバイス10’が、図1に関連して既に上で説明したように、導波路本体3から出射する照射光ビームの残りの部分15から結合出力照射光部分ビーム11を分離する。上で説明した他の結合出力デバイスも、出口面14に、またはその面の近くに配置する代わりに、像出口面14’に配置することができ、出口面14に、またはその面の近くの配置に関連して既に上で説明した効果と同じ効果を有することは言うまでもない。
【0074】
図34による結像光学ユニット74の2:1拡大効果のために、像出口面14’を通過するときの照射光は、したがって断面12と比較して2倍のサイズの断面12’を有する。これによって、像出口面14’に、またはその像出口面の近くに配置された、特に、上記の結合出力デバイス10、20、22、24、30、32、35、36および68のタイプの結合出力デバイスによる結合出力が簡単になり、前記結合出力デバイスに関しその製造および/または位置決めに関してなされる精度要求事項が低減する。
【0075】
図33は、例として、図32による結合出力デバイス68のタイプの結合出力デバイス68’の適用も示し、前記結合出力デバイス68’が像出口面14’に配置されている。結合出力デバイス10の代わりとして使用することができる結合出力デバイス68’が、図33の中立位置に示され、絞り駆動装置71の支援によって測定位置に変位することができ、その測定位置において結合出力デバイス68’が開口70を通して結合出力照射光部分ビーム11に相当する部分ビームをもっぱら送出する。
【0076】
さらに、図16は、さらなる結合出力デバイス75を示し、この結合出力デバイス75を代わりにまたはさらに使用することができ、対象面37aの近くに、すなわち検査装置41の照射系の対物フィールド38の近くに配置することができる。結合出力デバイス75は、導波路本体から出射する照射光ビームの残りの部分15から結合出力照射光部分ビーム11を分離する平面ミラーとして具現化される。その場合、結合出力平面ミラー75によって反射された結合出力照射光部分ビーム11は、さらなる測定器具に、たとえば検出面の、たとえば照射系の瞳面の線量測定センサ52または検出もしくはセンサデバイス58に供給されてもよい。
上で説明した結合出力デバイスの場合は、たとえば、結合出力される結合出力照射光部分ビーム11を、それぞれの場合で測定器具に供給することができ、照射光ビームの残りの部分15がレチクル42の照射のために使用される。あるいは、それぞれの結合出力デバイスは、たとえば、レチクル42を照射するために結合出力される結合出力照射光部分ビーム11を結合出力することもでき、導波路本体から出射し、したがって結合出力されない照射光の残りの部分を測定器具に供給し、特に線量測定センサ52および検出もしくはセンサ装置58に関連して既に上で説明したように測定することができる。
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