(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474778
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】ガス状化学種の混合を増進するための小型デバイス
(51)【国際特許分類】
B01F 5/00 20060101AFI20190218BHJP
B01F 3/02 20060101ALI20190218BHJP
B01F 15/02 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
B01F5/00 D
B01F3/02
B01F15/02 A
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-500323(P2016-500323)
(86)(22)【出願日】2014年2月21日
(65)【公表番号】特表2016-515925(P2016-515925A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】US2014017577
(87)【国際公開番号】WO2014149351
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月21日
(31)【優先権主張番号】13/834,625
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】レイン, ジョン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ダラン, ベリン
(72)【発明者】
【氏名】グントゥリ, ラーマチャンドラ ムルティー
(72)【発明者】
【氏名】グレーゴール, マリウス
(72)【発明者】
【氏名】マンジュナート, バースワン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァスデーヴァ, プラシャント
【審査官】
高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0166630(US,A1)
【文献】
実公昭44−009800(JP,Y1)
【文献】
特開2000−262876(JP,A)
【文献】
特開平09−155180(JP,A)
【文献】
特開2002−018257(JP,A)
【文献】
特開平1−266715(JP,A)
【文献】
特開平5−347259(JP,A)
【文献】
特開平8−264464(JP,A)
【文献】
特開2004−270005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 1/00 − 5/26
15/00 − 15/06
B01D 49/00 − 51/10
53/34 − 53/73
53/74 − 53/85
53/92
53/96
B01J 10/00 − 12/02
14/00 − 19/32
H01L 21/00 − 21/16
21/205、21/31、21/365、
21/469、21/86
C30B 1/00 − 35/00
C23C 16/00 − 16/56
H05H 1/00 − 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスミキサであって、
第1ガス入力部、第2ガス入力部及び第1の出力開口を含むベースブロックと、
前記ベースブロックの中に形成された混合容積を有し、前記第1ガス入力部及び前記第2ガス入力部に流体結合されて入力されたガスを受容する、混合チャンバと、
前記混合チャンバの中に配置された内部ブロックとを備え、前記内部ブロックは、
内容積を有する本体と、
前記本体を通って形成された一又は複数の周縁孔であって、前記混合チャンバと前記内部ブロックとを流体結合させる、一又は複数の周縁孔と、
前記ベースブロックの前記第1の出力開口を通じてガスを流すよう構成されたガス出口と、
前記内部ブロックのガス出口に対向する閉端部とを備え、
前記一又は複数の周縁孔は、傾斜角度を有し、前記内部ブロックの前記ガス出口にある周縁から、前記閉端部に延在する、ガスミキサ。
【請求項2】
前記内部ブロックは、前記内部ブロックの前記閉端部側に前記閉端部方向に先細に形成される第1斜角端面、及び前記ガス出口側に前記ガス出口方向に先細に形成される第2斜角端面とを有する、請求項1に記載のガスミキサ。
【請求項3】
前記第1ガス入力部及び前記第2ガス入力部はそれぞれ、少なくとも1つの制御バルブに結合される、請求項1または2に記載のガスミキサ。
【請求項4】
前記ベースブロックの底面は前記第1ガス入力部を備え、前記ベースブロックの上面には第2の出力開口を有し、前記ベースブロックの中に配置された通過導管をさらに備え、前記通過導管は、前記第1ガス入力部と前記第2の出力開口を結合させることにより前記ベースブロックの底面と前記ベースブロックの上面とを流体結合させる、通過導管を更に備える、請求項1または2に記載のガスミキサ。
【請求項5】
前記ベースブロックの出口開口を通して配置され、前記内部ブロックの前記ガス出口に結合されてガス出口チャネルを形成するための環部を有する出口ブロックを更に備える、請求項1または2に記載のガスミキサ。
【請求項6】
前記出口ブロックは、前記内部ブロックのガス出口周縁で前記ベースブロックの出口開口を密封して、前記内部ブロックからのガスのみがガスミキサから流れるようにする、請求項5に記載のガスミキサ。
【請求項7】
前記出口ブロックは流量コントローラに結合される、請求項5に記載のガスミキサ。
【請求項8】
ベースブロックと内部ブロックを備えるガスミキサであって、前記ベースブロックは、ベースブロックの中に配置された混合容積を有する混合チャンバと、ベースブロックの第1側部に配置されて、前記混合チャンバに結合された第1ガス入力部と、ベースブロックの対向する第2側部に配置されて、前記混合チャンバに結合された第2ガス入力部と、前記第1側部から前記第2側部へとベースブロックを通って配置されていて、前記混合チャンバには結合されていない通過導管と、前記第1側部と前記第2側部との間において、前記ベースブロックの端部に配置された出力開口とを含み、
前記内部ブロックは、前記混合チャンバの中に配置され、前記混合チャンバの壁からは離間しており、内容積を備える本体と、前記内容積に結合されて、前記ベースブロックの前記出力開口を通じて前記内容積からガスを流すためのガス出口とを有し、前記内部ブロックは、前記本体を通って形成された一又は複数の周縁孔を更に含み、前記周縁孔は前記混合チャンバと前記内部ブロックとを流体結合させて、前記第1ガス入力部及び前記第2ガス入力部から前記出力開口への流体経路を提供するためのものであり、前記内部ブロックは、前記内部ブロックのガス出口に対向する閉端部を更に備え、前記一又は複数の周縁孔は、傾斜角度を有し、前記内部ブロックの前記ガス出口にある周縁から、前記閉端部に延在する、ガスミキサ。
【請求項9】
前記ベースブロックの出口開口を通して配置されて、ガス出口チャネルを形成するために前記内部ブロックの前記ガス出口に結合された環部を有する出口ブロックであって、前記出口開口の周縁で前記ベースブロックに結合される、出口ブロックを更に備える、請求項8に記載のガスミキサ。
【請求項10】
ガスを混合するためのシステムであって、
第1ガスの流れを制御する、第1導管に結合された第1バルブと、
第2ガスの流れを制御する、第2導管に結合された第2バルブと、
前記第1バルブ及び前記第2バルブを制御するコントローラと、
前記第1導管に結合された第1ガス入力部、前記第2導管に結合された第2ガス入力部、及び、第1の出力開口を備えるベースブロックと、
前記ベースブロックの中に形成された混合容積を有する混合チャンバであって、入力されたガスを受容するために前記第1ガス入力部及び前記第2ガス入力部に流体結合される、混合チャンバと、
前記混合チャンバの中に配置された内部ブロックとを備え、前記内部ブロックは、
内容積を有する本体と、
前記混合チャンバと前記内部ブロックとを流体結合させる、前記本体を通って形成された一又は複数の周縁孔と、
前記ベースブロックの前記第1の出力開口を通じてガスを流すよう構成されたガス出口と、
前記内部ブロックのガス出口に対向する閉端部を更に備え、前記一又は複数の周縁孔は、傾斜角度を有し、前記内部ブロックの前記ガス出口にある周縁から、前記閉端部に延在する、システム。
【請求項11】
前記第1バルブ及び前記第2バルブを選択的に開閉して、前記混合チャンバにおいて前記第1ガスと前記第2ガスとを混合する比率を制御するために、前記コントローラを使用することを更に含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ベースブロックの底面は前記第1ガス入力部を備え、前記ベースブロックの上面には第2の出力開口を備え、前記システムは、前記ベースブロックの中に配置された通過導管をさらに備え、前記第1ガス入力部と前記第2の出力開口を結合させることにより前記ベースブロックの底面と前記ベースブロックの上面とを流体結合させる、請求項10または11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明の実施形態は概して、半導体基板の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体処理設備においては、複数のガス化学種が、反応チャンバに導入される前に、共通のマニフォールド内に入力されることが多い。基板処理の均一性、再現性を確保するには、一般に、ガス化学種を均質に混合することが必要となる。しかし、独立型の成分ガスミキサでは、ガスパネルのサイズに悪影響が出て、後付け(retrofit)が困難であり、応答特性を増大させたり、低蒸気圧ガスの凝縮が発生する可能性がある。
【0003】
[0003]ここに、本願発明者は、半導体処理設備におけるガス状化学種の混合を増進するための、改良版の装置を提供するものである。
【発明の概要】
【0004】
[0004]半導体処理設備におけるガス状化学種の混合を増進するための小型ガスミキサが、本書で提供される。いくつかの実施形態では、小型ガスミキサはベースブロックを備える。ベースブロックは、第1ガス入力部、第2ガス入力部、及び出力開口を備え、少なくとも2つの入力部が少なくとも2つのガスに対応している。ベースブロックは、その中に混合チャンバを形成する。混合チャンバは、第1ガス入力部及び第2ガス入力部に流体結合されて、入力されたガスを受容する。ミキサは、更に内部ブロックを備える。内部ブロックは混合チャンバの中に配置されている。内部ブロックは、内容積を有する本体と、本体を通って形成された一又は複数の周縁孔とを備え、周縁孔は、混合チャンバと内部ブロックの内容積とを流体結合させている。ガス出口は、ベースブロックの出力開口を通じてガスを流すよう構成される。
【0005】
[0005]いくつかの実施形態では、小型ガスミキサはベースブロックを備え、ベースブロックの中に混合チャンネルが配置される。また、ベースブロックの第1側部には第1ガス入力部が配置され、第1ガス入力部は混合チャンバに結合される。また、ベースブロックの対向する第2側部には第2ガス入力部が配置され、第2ガス入力部は混合チャンバに結合される。また、第1側部から第2側部へとベースブロックを通って通過導管が配置される。通過導管は、混合チャンバには結合されない。また、出力開口が、第1側部と第2側部との間において、ベースブロックの端部に配置される。また、内部ブロックが混合チャンバの中に配置される。内部ブロックは、混合チャンバの壁からは離間している。この内部ブロックは、内容積と内容積に結合されたガス出口とを備える。ガス出口は、ベースブロックの出力開口を通じて内容積からガスを流し出す。内部ブロックは、更に、本体を通って形成された一又は複数の周縁孔を備える。周縁孔は、混合チャンバの混合容積と内部ブロックの内容積とを流体結合させて、第1ガス入力部及び第2ガス入力部から出力開口への流体経路を提供する。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、ガスを混合するためのシステムは、第1導管に結合されて第1ガスの流れを制御する第1バルブと、第2導管に結合されて第2ガスの流れを制御する第2バルブとを含みうる。更に、システムはベースブロックとベースブロックの中に形成された混合チャンバとを備える。ベースブロックは、第1導管に結合された第1ガス入力部と、第2導管に結合された第2ガス入力部と、出力開口とを備える。混混合チャンバは、第1ガス入力部及び第2ガス入力部に流体結合されて、入力されたガスを受容する。混合チャンバの中には内部ブロックが配置され、内部ブロックは、内容積を有する本体と、本体を通って形成された一又は複数の周縁孔と、ガス出口とを備え、周縁孔により、混合チャンバと内部ブロックの内容積とが流体結合し、ガス出口により、ベースブロックの出力開口を通じてガスが流出する。
【0007】
[0007]以下、本発明の他の更なる実施形態について説明する。
【0008】
[0008]上記で簡潔に要約し、下記で詳細に説明する本発明の実施形態は、添付図面に示す本発明の例示的な実施形態を参照することによって理解可能である。当然ながら、本発明は他の同等な実施形態も包含しうるものであることから、添付図面は、この発明の典型的な実施形態を例示したものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】[0009]
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態によるミキサの等角図を示す。
【
図1B】[0010]
図1Bは、
図1Aにおける本発明のいくつかの実施形態によるミキサの概略的な垂直断面図を示す。
【
図2】[0011]
図2A及び
図2Bは、本発明のいくつかの実施形態によるミキサの内部ブロックの2つの等角図を示す。
【
図3】[0012]
図3A及び
図3Bは、本発明のいくつかの実施形態によるミキサの出口ブロックの2つの等角図を示す。
【
図4】[0013]
図4A及び
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による偏心出口ブロックの2つの等角図を示す。
【
図5】[0014]
図5は、本発明のいくつかの実施形態による例示的なガス流量制御システムを示す、概略的なブロック図である。 [0015]理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。図は縮尺どおりには描かれておらず、明確性のために簡略化されていることがある。この文書において、「第1」と「第2」、「上」と「下」などのような関連用語は、一方の存在又は行為を他方の存在又は行為から区別するためにのみ使用されることがあり、必ずしも、かかる存在又は行為の間の実際のかかる関係又は順序のいずれをも、必要とすること、又は暗示することはない。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記載がなくとも、他の実施形態の中に有益に組み込まれうることが想定される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016]本発明の実施形態は、小型形状におけるガス状化学種の均質混合を増進し、かかる実施形態について下記で説明する。
【0011】
[0017]
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による小型ミキサシステム100の等角図を示している。仮想線は明確性を目的として図示されているもしれないことに、留意されたい。いくつかの実施形態では、小型ミキサシステム100は、ベースブロック105と、内部ブロック165と、出口ブロック170とを含みうる。いくつかの実施形態では、ベースブロック105は、第1底部入力開口110
(第1ガス入力部とも呼ばれる)と、第2底部入力開口150
(第2ガス入力部とも呼ばれる)と、上部出力開口125と、上部入力開口140と、混合チャンバ(例えばマニフォールド)145と、出口開口135とを含む。第1ガス115は、第1底部入力開口110を経由してベースブロック105内へと流され、かつ、第2ガス155は、第2底部入力開口150を経由してベースブロック105内へと流されることが可能である。第1底部入力開口及び第2底部入力開口110、150は、いくつかの実施形態では、ベースブロック105に第1ガス及び第2ガス115、155を供給する入力導管(図示せず)に結合されうる。かかる実施形態では、Oリング又は他の種類の密封を使用するベースブロックの開口が、ガスの漏出を防止する。いくつかの実施形態では、小型ミキサは「サンドイッチミキサ」と称されうる。
【0012】
[0018]いくつかの実施形態では、ベースブロック105は、第1底部入力開口110を上部出力開口125に流体結合させる通過導管120を含みうる。いくつかの実施形態では、第1ガス115は、第1バルブ130に到達する以前に、第1底部入力開口110においてベースブロック105を通り、上部出力開口125へと、通過導管120を経由して流れる。いくつかの実施形態では、通過導管120は、ガス混合チャンバ145の容積へのいかなる干渉をも回避するために、曲げられるか、又は角度形成されうる。第1バルブ130は、上部入力開口140へと混合チャンバ145内に導入される第1ガス115の量を調節するために、コントローラ(
図4に示す)によって制御されうる。代替的な一実施形態では、第1ガス115は、第1バルブ130から上部入力開口140を経由してベースブロック105及び混合チャンバ145に、直接入力されうる。かかる一実施形態では、通過導管120は存在せず、第1ガスは混合チャンバ145へと直接注入される。
【0013】
[0019]第2底部入力開口150は、ガスが、第2バルブ160によって制御されて混合チャンバ145に流入することを可能にする。第2バルブ160は、底部入力開口150を通って混合チャンバ145内に導入される第2ガス155の量を調節するために、コントローラ(
図5に示す)によって制御されうる。混合チャンバ145内のガスは、第1バルブ130及び第2バルブ160の制御に応じて、単一のガス又は混合されたガスで構成されうる。いくつかの実施形態では、混合チャンバ145において、第1バルブ130は不活性ガスの入力を制御し、かつ、第2バルブ160は有毒ガスの入力を制御しうる。いくつかの実施形態では、混合チャンバ145内のガス又は混合ガスは、内部ブロック165の内部(めくら穴を構成する)に至る一連の周縁通気孔180を通って内部ブロック165に移動する。内部ブロック165の詳細については、
図2A及び
図2Bと共に下記で更に論じる。混合ガスは、出口ブロック170における出口孔175を経由して、内部ブロック165の内部から出て行く。いくつかの実施形態では、周縁通気孔は、実質的な円形又は楕円形でありうる。
【0014】
[0020]いくつかの実施形態では、
小型ミキサ
システム100の上部の開口125及び140は、
第1バルブ130を包含しうる別のブロックと結合するために後付けされうる。
小型ミキサ
システム100は、ゆえに、より大型のデバイスに後付けするためのモジュラである。上述の実施形態では、開口(110、125、140、150)がガス流入力方向を決定する一方で、出口孔175は出力流を決定することになる。
【0015】
[0021]いくつかの実施形態では、ベースブロック105は、約10mmから約20mmの高さ190を有しうる。いくつかの実施形態では、ベースブロック105は、約1mmから約10mmの幅192を有しうる。いくつかの実施形態では、ベースブロック105は、約1mmから約10mmの奥行き191を有しうる。いくつかの実施形態では、ベースブロック105は、約.001slmから約100slmの、出口孔175におけるガス流量出力を提供しうる。
【0016】
[0022]小型ミキサシステム100の例示的な実施形態は、有利には、設計の設置面積全体に対する影響の最小化(それにより、既存設計への容易な後付けが可能になり、かつ、筐体のサイズに対するいかなる影響も最小化される)、マニフォールド容積に対する影響の最小化(それにより、ガス供給システムの応答特性に対する影響が最小化される)、及び、圧力差に対する影響の最小化(それにより、応答特性に対する影響が最小化され、かつ、低蒸気圧ガスに関連する問題が最小化される)、という利点のうちの一又は複数を提供しうる。小型ミキサシステム100の例示的な実施形態は、ガスの漏出を防止し、かつ、小型ミキサシステム100を定位置に保持するために、表面装着型密封を通じて、既存のシステムに後付けされうる。
【0017】
[0023]
図1Bは、
図1Aにおける本発明のいくつかの実施形態による、ミキサシステム100の垂直断面図を示している。いくつかの実施形態では、小型ミキサシステム100は、ベースブロック105と、内部ブロック165と、出口ブロック170とを含みうる。いくつかの実施形態では、内部ブロック165は、出口孔175に結合された内部チャンバ168を備える。
【0018】
[0024]いくつかの実施形態では、ベースブロック105は、第1底部入力開口110を上部出力開口125に流体結合させる通過導管120を含みうる。いくつかの実施形態では、第1ガス115は、ベースブロック105を通って流れ、かつ、(例えば導管を介して)上部入力開口140に結合された第1入口開口172を経由して混合チャンバ145内に導入される第1ガス115の量を調節するために、第1バルブ130によって制御される。代替的な実施形態では、第1ガス115は、第1バルブ130から上部入力開口140を経由してベースブロック105及び混合チャンバ145に、直接入力されうる。
【0019】
[0025]第2底部入力開口150(
図1Aに示す)は、ガスが、混合チャンバ145内に形成された第2入口開口を経由して、第2バルブ160によって制御されつつ、混合チャンバ145に流入することを可能にする。第2バルブ160は、底部入力開口150を通って混合チャンバ145内に導入される第2ガス155の量を調節するために、コントローラ(
図5に示す)によって制御されうる。混合チャンバ145内のガスは、第1バルブ130及び第2バルブ160の制御に応じて、単一のガス又は混合されたガスで構成されうる。いくつかの実施形態では、混合チャンバ145において、第1バルブ130は不活性ガスの入力を制御し、かつ、第2バルブ160は有毒ガスの入力を制御しうる。
【0020】
[0026]第1ガス115及び第2ガス155は、混合チャンバ内で混ざり合い、最終的には、混合されたガスを形成し
て出力
する。いくつかの実施形態では、混合チャンバ145内のガス又は混合ガスは、内部ブロック165の中に形成されたガスチャネル182に結合された一連の周縁通気孔180を通って、内部ブロック165に移動する。ガスチャネル182は、内部ブロック165の内部の内部チャンバ168(めくら穴を構成する)に至る。内部ブロック165の詳細については、
図2A及び
図2Bと共に下記で更に論じる。混合されたガス185は、内部ブロック165内に形成された通気孔180及びガスチャネル182を経由して、混合チャンバ145から内部チャンバ168に移動する。混合されたガスは、出口ブロック170における出口孔175を経由して、内部ブロック165の内部チャンバ168から出て行く。いくつかの実施形態では、ガスチャネル182には、ガス流動性を増すために選択された角度に、下り勾配又は上り勾配がつけられうる。
【0021】
[0027]
図2A及び
図2Bは、本発明のいくつかの実施形態による、
図1A及び
図1Bのミキサの内部ブロック165の2つの等角図を示している。
図2Aでは、内部ブロック165は、内部ブロック165の(
図2Bに示すような)内部チャンバ168を形成するガス出口端部200と閉端部205とを備える、実質的な円筒形である。実質的な円筒形であると図示され、説明されているが、いくつかの実施形態では、内部ブロック165は、本書で説明されている混合能力を提供する、球形、長方形、又は他の任意の好適な形状でありうる。内部ブロック165は、第1斜角端面220、第2斜角端面225、及び環部210を更に備える。第1斜角端面220は閉端部205の近位にあり、かつ、第2斜角端面225は閉端部205の遠位にある。第2斜角端面225は、ガスが内部ブロック165の内部チャンバ168に流入することを可能にする、一連の周縁通気孔180を備える。いくつかの実施形態では、周縁通気孔180は、流量を最大化し、かつ小さな渦を発生させるために、約15から17.5度の傾斜角度に角度形成された孔である。周縁通気孔180のサイズが小さいことで、流入するガスが、ガス出口端部200から出て行く前に、閉端部205に接触し、反射されることが保証される。環部210は、
図3A及び
図3Bに関連して更に論じる、出口ブロック170に結合する。
【0022】
[0028]
図2Bは、貫通孔230を経由して内部チャンバ168へのチャネルを形成する周縁通気孔180を図示する、内部ブロック165の代替的な等角図を示している。内部チャンバ168に流入するガスは、ガス出口端部200の周囲を形成する環部を通って内部ブロックを出て、出口ブロック170に至る。
【0023】
[0029]
図3A及び
図3Bは、本発明のいくつかの実施形態による、
図1A及び
図1Bのミキサの出口ブロックの2つの等角図を示している。
図3Aは、出口ブロック170の外部の図を提供している。一実施形態では、出口ブロック170は、平坦面310を備える実質的な円形である。出口環部300は、所望のガス流量に基づいて選択された内部直径308を有しうる。平坦面310から、同様に実質的な円形である例示的な幅の隆起した環部300が延在し、かつ、環部300は出
口孔175を形成する。出
口孔175は、いくつかの実施形態では、
図4に関連して下記でより詳細に論じる流量コントローラに結合されることになる。いくつかの実施形態では、出口ブロックは1つのピースから形成される。
【0024】
[0030]
図3Bは、出口ブロック170の内部の図を提供している。出口ブロック170の内部は、幅317を有する第1輪郭輪315と、幅318を有する平坦な領域320によって隔てられた、幅322を有する第2輪郭輪とを備える。幅317、318及び322は、加工及び空間の制約と要件に加え、出口開口135の構成に基づいて、選択されうる。平坦な領域320は、環部210の平坦端面と結合する。出口ブロック170の内部は、内部ブロック165の環部210よりも小さな直径335を備える内環部330を更に含む。内環部330は、それが内部ブロック165の環部210に嵌入できるほど小さくなるように、環部210の構成に基づいて選択された、高さ324と幅326とを有しうる。いくつかの実施形態では、出口ブロック170は、内部ブロック165の環部210に溶接され、
小型ミキサ
システム100にも溶接される。
【0025】
[0031]
図4A及び
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、
図1A及び
図1Bのミキサの出口ブロックの2つの等角図を示している。
図4Aは、
図1A及び
図1Bの出口ブロック170を代替しうる、偏心出口ブロック400の外部の図を提供している。偏心設計は、他のデバイス(例えばミキサ)に後付けするための付属物の低減を可能にし、貫通孔425及び450の角度は、後付けの場所に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、偏心出口ブロック400は、平坦な外面407を備える実質的な円形である。偏心出口環部405が、外面407に装着されうる(又は、外面407上に形成されうる)。偏心出口環部405の一周縁端面409は、偏心出口ブロック400の周縁に隣接する。偏心出口環部405の遠位周縁端面411は、いくつかの実施形態では、偏心出口ブロック400の対向する径方向端部から、6.8mmの距離420を有する。内部直径430の中には、いくつかの実施形態では
図1A及び
図1Bの貫通孔175でありうる、楕円形の出口貫通孔425が配置される。
【0026】
[0032]出口貫通孔425は、いくつかの実施形態では、
図4に関連して下記でより詳細に論じる流量コントローラに結合されることになる。いくつかの実施形態では、偏心出口ブロック400は1つのピースから形成される。
【0027】
[0033]
図4Bは、偏心出口ブロック400の簡略化された内部の図を提供している。偏心出口ブロック400の内部は、楕円形の内部出口貫通孔450を有する、中心に配置された内部偏心環部445を備える。
【0028】
[0034]偏心出口ブロックの内部は、第1輪郭輪460と、平坦な領域470によって隔てられた、第2輪郭輪465とを更に備える。平坦な領域470は、環部210の平坦端面と結合する。偏心出口ブロック400の内部は、内部ブロック165の環部210よりも小さな直径475を備える内部偏心環部445を更に含む。偏心出口ブロック400の内部偏心環部445のサイズは、内部ブロック165の環部210に嵌入できるほど小さい。いくつかの実施形態では、出口ブロック170は、内部ブロック165の環部210に溶接され、
小型ミキサ
システム100にも溶接される。
【0029】
[0035]
図5は、本発明のいくつかの実施形態による、
図1A及び
図1Bのミキサの概略図を示している。
図5は、
図1A及び
図1Bの小型ミキサ100
システムを使用する、システム500の一実施形態である。システム500は、第1ガス115の混合チャンバ145への流れを制御する第1バルブ130、及び、第2ガス155の混合チャンバ145への流れを制御する第2バルブ160を制御する、コントローラ515を備える。コントローラ515は、第1バルブ130及び第2バルブ160を選択的に作動させるために、マイクロコントローラ、メモリ、アクチュエータなどを備える。混合チャンバ145は、流量コントローラ(FRC)505にガスを出力する。FRC505は、一連のBCR付属物/接続部510を通じて出力を行う。いくつかの実施形態では、FRC505は、VCR付属物を経由して接続しうる。
【0030】
[0036]上記は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態及び更なる実施形態を考案することが可能である。