特許第6475556号(P6475556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6475556-放射線検出器及び放射線検出装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475556
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】放射線検出器及び放射線検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/223 20060101AFI20190218BHJP
   G01T 7/00 20060101ALI20190218BHJP
   G01N 23/2255 20180101ALI20190218BHJP
【FI】
   G01N23/223
   G01T7/00 A
   G01N23/2255
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-88548(P2015-88548)
(22)【出願日】2015年4月23日
(65)【公開番号】特開2016-206031(P2016-206031A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】松永 大輔
(72)【発明者】
【氏名】安井 健吾
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特表平05−500415(JP,A)
【文献】 特開2008−304372(JP,A)
【文献】 特開平06−186344(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0288058(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00−23/2276
G01T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線が通過する窓を有するハウジングと、両端が開口した筒状であり、一端が前記窓に対向するように配置され、前記窓を通過した放射線の一部を遮蔽する遮蔽体と、該遮蔽体に遮蔽されない放射線を検出する放射線検出素子とを備える放射線検出器において、
前記遮蔽体は、他端の内径が前記放射線検出素子の表面の大きさよりも小さく、かつ前記一端の外径が前記他端の外径よりも小さく、
前記ハウジングは、一部の形状が前記窓を先端部にした先細りになっていること
を特徴とする放射線検出器。
【請求項2】
前記遮蔽体は、外径が連続的に変化しており、
前記ハウジングは、一部の形状が前記遮蔽体の外径に沿った形状になっていること
を特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記遮蔽体は、外面がテーパ状になっていること
を特徴とする請求項2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記遮蔽体は、内径が前記他端から前記一端まで連続的に減少していること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の放射線検出器。
【請求項5】
試料へ放射線を照射する照射部と、
試料から発生した放射線を検出する請求項1乃至4のいずれか一つに記載の放射線検出器と
を備えることを特徴とする放射線検出装置。
【請求項6】
前記放射線検出器を複数備え、
前記照射部が試料へ照射する放射線の照射軸を中心にして、前記放射線の照射位置に窓を対向させた複数の前記放射線検出器が配置されていること
を特徴とする請求項5に記載の放射線検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製の放射線検出素子を用いた放射線検出器、及び放射線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線等の放射線を検出する放射線検出器には、半導体製の放射線検出素子を用いて放射線を検出するものがある。放射線検出素子は、密閉されたハウジング内に配置されている。このような構成の放射線検出器は、特許文献1に記載されている。
【0003】
放射線検出器を用いた放射線検出装置には、試料へ電子線又はX線等の放射線を照射し、放射線を照射された試料から発生した放射線を放射線検出器により検出するものがある。このような放射線検出装置は、例えば蛍光X線分析装置である。試料からの放射線を高効率で検出するために、複数の放射線検出器を用いて放射線を検出する放射線検出装置も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−147595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放射線検出装置で試料からの放射線の検出効率をより高めるためには、放射線検出器をより試料に近づけることが考えられる。放射線検出器を試料に近づけるほど、試料からの放射線を放射線検出器で検出する効率が向上する。しかしながら、放射線検出器を試料に近づけ過ぎた場合は、ハウジングが放射線検出装置内の他の部品に干渉する。また、複数の放射線検出器を用いた放射線検出装置の場合でも、放射線検出器のハウジング同士が干渉し合う。従って、放射線検出器を試料に近づけることによる放射線検出の高効率化には限界がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、従来よりも放射線検出器を試料に近づけることを可能にして、放射線検出の効率を向上させた放射線検出器及び放射線検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る放射線検出器は、放射線が通過する窓を有するハウジングと、両端が開口した筒状であり、一端が前記窓に対向するように配置され、前記窓を通過した放射線の一部を遮蔽する遮蔽体と、該遮蔽体に遮蔽されない放射線を検出する放射線検出素子とを備える放射線検出器において、前記遮蔽体は、他端の内径が前記放射線検出素子の表面の大きさよりも小さく、かつ前記一端の外径が前記他端の外径よりも小さく、前記ハウジングは、一部の形状が前記窓を先端部にした先細りになっていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る放射線検出器は、前記遮蔽体は、外径が連続的に変化しており、前記ハウジングは、一部の形状が前記遮蔽体の外径に沿った形状になっていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る放射線検出器は、前記遮蔽体は、外面がテーパ状になっていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る放射線検出器は、前記遮蔽体は、内径が前記他端から前記一端まで連続的に減少していることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る放射線検出装置は、試料へ放射線を照射する照射部と、試料から発生した放射線を検出する本発明に係る放射線検出器とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る放射線検出装置は、前記放射線検出器を複数備え、前記照射部が試料へ照射する放射線の照射軸を中心にして、前記放射線の照射位置に窓を対向させた複数の前記放射線検出器が配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、放射線検出器は、窓と放射線検出素子との間に、放射線の一部を遮蔽する筒状の遮蔽体を配置している。遮蔽体は、窓に対向する一端の外径が他端の外径よりも小さく、ハウジングは、一部の形状が窓を先端部とした先細りの形状になっている。ハウジングの先細り形状の部分を、遮蔽体に近づけた形状とすることができる。窓付近のハウジングの大きさが小さくなり、放射線検出装置内の他の部品に干渉し難い。
【0014】
また、本発明においては、遮蔽体の外径が連続的に変化している。ハウジングは、一部の形状を遮蔽体の外径に沿った形状とすることで、遮蔽体に近づけた形状とすることができる。
【0015】
また、本発明においては、遮蔽体の外面はテーパ状になっている。ハウジングは、一部の形状を遮蔽体の外径に沿った形状とすることで、遮蔽体に近づけた形状とすることができる。
【0016】
また、本発明においては、試料へ照射する放射線の照射軸を中心にして、試料から発生した放射線を検出する複数の放射線検出器が配置されている。窓付近のハウジングの大きさが小さいので、複数の放射線検出器のハウジング同士が干渉し難い。
【0017】
本発明においては、遮蔽体の内径が他端から一端まで連続的に減少している。遮蔽体の一端が対向する窓を通過して放射状に入射してくる放射線の一部を遮蔽体が無暗に遮蔽してしまうことが防止される。
【発明の効果】
【0018】
本発明にあっては、放射線検出器は、従来よりも試料に近づくように配置され、高効率で試料からの放射線を検出することが可能である。従って、放射線検出装置は、高感度で放射線を検出することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1に係る放射線検出装置の構成を示すブロック図である。
図2】放射線検出器の模式的断面図である。
図3】実施形態2に係る放射線検出装置の構成を示すブロック図である。
図4】複数の放射線検出器の配置例を示す模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る放射線検出装置の構成を示すブロック図である。放射線検出装置は、例えば蛍光X線分析装置である。放射線検出装置は、電子線又はX線等の放射線を試料6へ照射する照射部4と、平板状の試料6が保持される試料台5と、放射線検出器1とを備えている。照射部4から試料6へ放射線が照射され、試料6では蛍光X線等の放射線が発生し、放射線検出器1は試料6から発生した放射線を検出する。図中には、放射線を矢印で示している。放射線検出器1は、検出した放射線のエネルギーに比例した信号を出力する。放射線検出器1には、出力した信号を処理する信号処理部2が接続されている。信号処理部2は、放射線検出器1が出力した各値の信号をカウントし、放射線のエネルギーとカウント数との関係、即ち放射線のスペクトルを生成する処理を行う。信号処理部2及び照射部4は、放射線検出装置全体を制御する制御部3に接続されている。制御部3は、信号処理部2及び照射部4の動作を制御する。
【0021】
図2は、放射線検出器1の模式的断面図である。放射線検出器1は、板状のベース16を備えている。ベース16の一面側には、キャップ状のカバー17が被さっている。カバー17は、円筒の一端に切頭錐体が連結した形状になっており、円筒の他端はベース16に接合している。ベース16及びカバー17は、鉄等の金属製であり、溶接されている。カバー17の先端の切頭部分には、ベリリウム等の放射線を通過させる材料で形成された平板状の窓18が設けられている。カバー17の内側は、密閉されており、減圧されているか、又は不活性ガスが充填されている。ベース16、カバー17及び窓18は、本発明におけるハウジングに相当する。
【0022】
カバー17の内側には、筒状のコリメータ(遮蔽体)11と、半導体製の放射線検出素子12と、配線基板13と、ペルチェ素子14とが配置されている。放射線検出素子12は、例えばSDD(Silicon Drift Detector)である。放射線検出素子12は、配線基板13の表面に実装されており、窓18に対向する位置に配置されている。コリメータ11は、放射線を遮蔽する材料で両端が開口した筒状に形成されており、放射線検出素子12と窓18との間に配置されている。コリメータ11の一端は窓18に対向しており、他端は放射線検出素子12の表面に接している。コリメータ11は、窓18を通過した放射線の一部を遮蔽し、放射線検出素子12は、コリメータ11で遮蔽されなかった放射線を検出する。コリメータ11が放射線の一部を遮蔽することによって、放射線検出素子12の放射線不感領域へ放射線が入射されることが防止され、放射線検出の精度が保たれる。
【0023】
配線基板13の裏面には、ペルチェ素子14の吸熱部分が熱的接触している。ペルチェ素子14の放熱部分は、ベース16の内面に対向している。また、放射線検出器1は、ペルチェ素子14の放熱部分に熱的接触したコールドフィンガー15を備えている。コールドフィンガー15は、熱伝導率が高い材料で形成されている。コールドフィンガー15は、ペルチェ素子14の放熱部分に熱的接触した板状部分と、板状部分からベース16へ向けて突出したボルト状部分とを含んで構成されている。コールドフィンガー15のボルト状部分は、ベース16を貫通しており、ベース16の外面から突出している。配線基板13及びペルチェ素子14、並びにペルチェ素子14及びコールドフィンガー15は、互いに直接接触していてもよく、間に熱伝導材を介在させていてもよい。ベース16の外面から突出したコールドフィンガー15のボルト状部分は、放射線検出器11外の放熱部に連結される。放熱部は例えば放熱板である。放射線検出素子12は、配線基板13を通してペルチェ素子14によって冷却され、放射線検出素子12の熱は、ペルチェ素子14からコールドフィンガー15へ伝導し、放熱部から放熱される。更に、ベース16を貫通して、電力の供給及び信号の入出力のための複数のリードピン19が設けられている。
【0024】
コリメータ11の形状は、放射線検出素子12の表面に接した端から窓18に対向した端まで連続的に外径が減少する形状になっている。このため、コリメータ11は、外面が窓18に向かって先細りのテーパ状になっており、窓18に対向した端の外径は、放射線検出素子12の表面に接した端の外径よりも小さい。カバー17の内、切頭錐体の形状になっている部分は、コリメータ11の外径に沿っており、窓18を先端部とした先細りになっている。カバー17が先細りの形状になっていることによって、図1に示すように、放射線検出器1は、カバー17が先細りではない場合に比べて、先端をより試料6に近づけることができるようになっている。
【0025】
コリメータ11の窓18に対向した端の外径を、放射線検出素子12の表面に接した端の外径よりも小さくしてあることによって、窓18を先端部とした先細り形状のカバー17を、従来よりもコリメータ11に近づけた形状とすることができる。特に、コリメータ11の外面が窓18に向かって先細りのテーパ状になっていることによって、カバー17の形状をコリメータ11の外径に沿った形状とすることで、カバー17を従来よりもコリメータ11に近づけることができる。例えば、外径が均一なコリメータを用いた場合に比べて、カバー17をよりコリメータ11に近づけることができる。このため、窓18付近のカバー17の大きさを従来よりも小さくすることができる。例えば、窓18付近のカバー17の直径が従来よりも小さい。
【0026】
放射線検出器1は、放射線検出装置内で、試料6に窓18の外面が対向するように配置されている。窓18付近のカバー17の大きさが小さいほど、窓18を試料6へ近づけた場合にカバー17が放射線検出器1以外の部品に干渉し難い。また、窓18付近のカバー17の大きさが小さいほど、窓18を試料6へ近づけた場合に照射部4による照射放射線の経路をカバー17が遮り難い。このため、本実施形態に係る放射線検出器1は、従来よりも試料6に近づくように配置されることが可能である。放射線検出器1を試料6に近づけるほど、試料6からの放射線を放射線検出器1で検出する効率が向上するので、本実施形態に係る放射線検出器1は、従来よりも高効率で試料6からの放射線を検出することが可能である。従って、放射線検出装置は、高感度で放射線を検出することができ、従来よりも高精度に試料6の分析を行うことが可能となる。
【0027】
図2に示したように、コリメータ11は、外径と同様に、放射線検出素子12の表面に接した端から窓18に対向した端まで連続的に内径が減少する形状になっていることが望ましい。放射線検出器1を試料6に近づけた場合、試料6の一点から発生した放射線は放射状に広がりながら放射線検出素子12へ入射する。コリメータ1の窓18に対向した端から内径が一定である場合は、放射状に入射する放射線の一部がコリメータ1により遮蔽され、放射線検出素子12で検出されない。また、コリメータ11の外径と内径との差を部分的に小さくした場合は、放射線検出素子12の放射線不感領域へ入射しようとする放射線をコリメータ11が遮蔽する能力が低下する。従って、コリメータ11は、放射線検出素子12の表面に接した端から窓18に対向した端まで内径が連続的に減少するようになっていることによって、放射線検出素子12の放射線不感領域へ放射線が入射することを防止しながら、放射状に入射する放射線の一部が遮蔽されることを防止する。なお、本実施形態においては、コリメータ11の外面がテーパ状になっている例を示したが、コリメータ11の形状は、外径が断続的に変化している形状であってもよく、外径が階段状に変化している形状であってもよい。
【0028】
(実施形態2)
図3は、実施形態2に係る放射線検出装置の構成を示すブロック図である。放射線検出装置は、複数の放射線検出器1を備えている。複数の放射線検出器1は信号処理部2に接続されている。図3中には二個の放射線検出器1を示しているが、放射線検出装置は三個以上の放射線検出器1を備えていてもよい。放射線検出器1の内部の構成は図2に示した実施形態1での構成と同様である。放射線検出装置のその他の構成は実施形態1と同様である。照射部4から試料6へ放射線が照射され、試料6では蛍光X線等の放射線が発生し、複数の放射線検出器1は試料6から発生した放射線を検出する。図中には、放射線を矢印で示している。夫々の放射線検出器1は、検出した放射線のエネルギーに比例した信号を出力し、信号処理部2は、各放射線検出器1が出力した信号をカウントし、放射線のスペクトルを生成する処理を行う。信号処理部2は、複数の放射線検出器1での検出結果を加算したスペクトルを生成してもよく、複数の放射線検出器1での検出結果を平均したスペクトルを生成してもよい。制御部3は、信号処理部2及び照射部4の動作を制御する。
【0029】
図4は、複数の放射線検出器1の配置例を示す模式的平面図である。図4には、放射線検出装置が四個の放射線検出器1を備えた例を示している。照射部4が試料6へ照射する放射線の照射軸は、図4に直交している。試料6上で放射線を照射される照射点を61で示している。図4では、放射線検出器1が備えるコールドフィンガー15及びリードピン19を省略している。放射線の照射軸の周囲に、当該照射軸を中心として複数の放射線検出器1が配置されている。各放射線検出器1は、窓18が試料6に対向するように配置されている。放射線照射によって試料6から発生する放射線は、複数の方向に放射されるので、照射軸の周囲に複数の放射線検出器1を配置しておくことによって、発生した放射線がいずれかの放射線検出器1へ入射する割合が高くなり、放射線検出装置で放射線を検出する効率が高くなる。
【0030】
また、本実施形態においても、実施形態1と同様に、コリメータ11の窓18に対向した端の外径を、放射線検出素子12の表面に接した端の外径よりも小さくしてあることによって、窓18付近のカバー17の大きさを従来よりも小さくすることができる。窓18付近のカバー17の大きさが小さいほど、窓18を試料6へ近づけた場合に、カバー17が放射線検出器1以外の部品に干渉し難く、また、複数の放射線検出器1のカバー17同士が干渉し難い。このため、本実施形態に係る放射線検出器1は、夫々の放射線検出器1を従来よりも試料6に近づけて配置することが可能である。試料6からの放射線がいずれかの放射線検出器1へ入射する割合がより高くなり、放射線検出装置で放射線を検出する効率が高くなる。従って、放射線検出装置は、より高感度で放射線を検出することができ、より高精度に試料6の分析を行うことが可能となる。
【0031】
なお、本発明の放射線検出装置は、照射部4からの放射線で試料6の表面を走査し、放射線スペクトルの試料6上の分布を得る形態であってもよい。また、放射線検出装置は、孔を形成した試料台5に試料6が載置され、試料台5の裏側から試料6へ放射線を照射し、試料台5の裏側に配置された放射線検出器1で試料6からの放射線を検出する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 放射線検出器
11 コリメータ(遮蔽体)
12 放射線検出素子
16 ベース
17 カバー
18 窓
2 信号処理部
3 制御部
4 照射部
5 試料台
6 試料
図1
図2
図3
図4