(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1]粘性食品用調味料組成物
本発明の粘性食品用調味料組成物は、アミラーゼを含み、そして水分含有量が10質量%以下である。本発明の粘性食品用調味料組成物が使用される粘性食品は、アミラーゼによって分解されるでんぷんを含んでいるものである。すなわち、前記粘性食品は、でんぷんによって粘性が付与されているものであり、具体的にはカレーソース、ホワイトソース、デミグラスソース、ポタージュ、トマトソース、又はパスタソースを挙げることができる。このようなでんぷんを含んだ粘性食品に、本発明の粘性食品用調味料組成物を加えることによって、グリーンカレー、レッドカレー、イエローカレー、インドカレー、スープカレー、スープ又はスープパスタソースなどの粘性の低下した粘性食品を得ることができる。
【0009】
《アミラーゼ》
本発明の粘性食品用調味料組成物に含まれるアミラーゼは、でんぷんによる粘性を低下できる限りにおいて、限定されるものではないが、例えばα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グリコアミラーゼ、又はイソアミラーゼを挙げることができる。
本発明の粘性食品用調味料組成物に含まれるアミラーゼの含有量は、粘性食品の粘度を低下させ、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではない。例えば、粘性食品用調味料組成物を粘性食品に添加して、30分以内で粘性食品の50℃における粘度を1500cp以下にできる含有量が好ましい。より具体的には1食に用いる粘性食品用調味料組成物に含まれるアミラーゼの含有量としては、好ましくはでんぷん糖化力単位1U以上であり、より好ましくは10U以上であり、更に好ましくは50U以上であり、最も好ましくは100U以上である。アミラーゼを1食あたりの粘性食品用調味料組成物にでんぷん糖化力単位1U以上含むことによって、約8gのでんぷんを含むカレーソース200gの50℃における粘度を、30分以内に1500cp以下にすることができる。アミラーゼの含有量の上限は、特に限定されるものではないが、コストを考慮すると、1食あたり、好ましくはでんぷん糖化力単位10000U以下であり、より好ましくは1000U以下である。特に、1食あたり50〜2000Uのアミラーゼを用いることにより、約8gのでんぷんを含むカレーソース200gの50℃における粘度を、1分以内に1500cp以下にすることができる。
より具体的には、本発明の粘性食品用調味料組成物を添加する粘性食品に含まれるでんぷん1gあたりのアミラーゼの添加量の下限は、好ましくはでんぷん糖化力単位0.125U以上であり、より好ましくは1.25U以上であり、更に好ましくは12.5U以上である。アミラーゼの添加量の上限は、好ましくはでんぷん糖化力単位12500U以下であり、より好ましくは1250U以下であり、更に好ましくは125U以下である。従って、当業者は、粘性食品用調味料組成物に含まれるアミラーゼの含有量を、対象となる粘性食品に含まれるでんぷんの量に応じて、でんぷん糖化力単位が前記の範囲になるように調整することができる。
1食に用いる粘性食品用調味料組成物の量は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜30gであり、より好ましくは3〜20gであり、更に好ましくは5〜15gである。
【0010】
本明細書において、アミラーゼのでんぷん糖化力単位(U)は、日本薬局方のでんぷん消化力試験法(でんぷん糖化力測定法)に準じて測定されたものとする。具体的には、アミラーゼが基質溶液(でんぷん消化力試験用バレイショデンプン試液)に37℃、10分間作用するとき、1分間に1mgのブドウ糖に相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1でんぷん糖化力単位(U)/mLとする。
【0011】
《水分含有量》
本発明の粘性食品用調味料組成物の水分含有量は、10質量%以下であれば、限定されるものではないが、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは6質量%以下であり、更に好ましくは、5質量%以下である。水分含有量が10質量%を超えた場合、保存中に粘性食品用調味料組成物に含まれるアミラーゼの活性が低下し、本発明の十分な効果を得られないことがある。
【0012】
《性状》
本発明の粘性食品用調味料組成物の性状は、特に限定されるものではないが、例えば、粒状、粉末状、ペースト状、又は液状を挙げることができる。しかしながら、10質量%以下の水分の含有量を考慮すると、粒状、粉末状、又はペースト状が好ましいが、特には固形油脂を含むペースト状調味料組成物が好ましい。本発明の調味料組成物は、ソースなどの粘性食品用であるため、ペースト状であることにより、ソースなどに素早く溶解させ、そして撹拌することができる。
【0013】
《添加剤》
本発明の粘性食品用調味料組成物に含まれる添加剤は、アミラーゼの活性を顕著に阻害しない限りにおいて、特に限定されるものではなく、通常の粘性食品に含まれる調味料、香辛料、油脂、香料、色素、製造用剤、酸化防止剤、及び乳化剤を挙げることができる。これらの添加剤を、粘性食品の種類に応じて、適宜選択して用いることができる。
【0014】
調味料としては、甘み、コク、酸味、旨み等を加えることができる各種調味料などであれば必要に応じて使用することができるが、例えば、食塩、砂糖(糖類)、醤油、蝦醤、魚醤、及び/又はグルタミン酸ナトリウムを挙げることができる。
香辛料としては、例えばコショウ、コリアンダー、シナモン、クミン、パプリカ、ニンニク、ショウガ、バジル、カフェライムリーフ、レモングラス、山椒、青唐辛子粉末、クローブ、オールスパイス、及び/又はターメリックを挙げることができる。
酸化防止剤としては、ミックストコフェロール、L−アスコルビン酸、又は酵素処理ルチンを挙げることができる。
香料としては、例えばココナッツミルクフレーバー、ココナッツミルクオイルフレーバー、カフェライムリーフフレーバー、カフェライムリーフオイルフレーバー、レモングラスフレーバー、レモングラスオイルフレーバー、バジルフレーバー、トマトフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、コーンフレーバー、キノコフレーバー、パンプキンフレーバー、及び/又はバジルオイルを挙げることができる。
乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン及び/又はプロピレングリコールを挙げることができる。
油脂としては、動物油脂、又は植物油脂を挙げることができる。動物油脂の由来としては、特に限定されるものではないが、例えばウシ(牛脂)、ブタ(豚脂)、ヒツジ(羊脂)、ヤギ(山羊脂)、ウマ(馬脂)、又はニワトリ(鶏脂)、を挙げることができる。また、植物油脂としてしては、ひまわり油、菜種油、大豆油、ベニバナ油、大豆油、綿実油、コーン油、米油、ゴマ油、アマニ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、つばき油、カカオ脂、シア脂、サル脂、イリッペ脂、アーモンド油、カノーラ油、落花生油、米糠油、カカオ脂、アマニ油、サフラワー油、椿油、ベニバナ油、ピーナッツ油、又はアボカド油を挙げることができる。更に、本発明においては、前記動物油脂又は植物油脂の分別油、極度硬化油、部分硬化油、又はエステル交換油を用いることもでき、前記油脂、又はその分別油、極度硬化油、部分硬化油、若しくはエステル交換油の1つ又は2つ以上を組み合わせて、本発明の粘性食品用調味料組成物に用いることができる。
色素としては、カラメル色素、トウガラシ色素、クチナシ色素、ベニバナ色素、クロロフィル色素、パプリカ色素又はターメリック色素を挙げることができる。
【0015】
《水溶性色素》
本発明の粘性食品用調味料組成物は、ソースなどの粘性食品の粘度を低下させることに加えて、水溶性色素を含むことにより、水分が多いソースの色目をすばやく変化させて、グリーンカレーソース、レッドカレーソース、又はイエローカレーソースなどの色目を示すことができる。
【0016】
グリーンカレーソースの場合、青色の水溶性色素を含むことが好ましい。具体的には、天然由来の色素としてクチナシ青色素、又はスピルリナ色素を挙げることができ、合成色素(合成着色料)として、食用青色1号、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号、食用青色2号アルミニウムレーキ、又は油溶性色素を乳化して水溶性にした色素を挙げることができる。
【0017】
レッドカレーソースの場合、赤色の水溶性色素を含むことが好ましい。具体的には、天然由来の色素として、ベニコウジ色素、クチナシ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、ブドウ果汁色素、又はエルダーベリー色素等を挙げることができ、合成色素(合成着色料)として、食用赤色2号、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用赤色3号、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色40号、食用赤色40号アルミニウムレーキ、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、又は油溶性色素を乳化して水溶性にした色素を挙げることができる。
【0018】
イエローカレーソースの場合、黄色の水溶性色素を含むことが好ましい。具体的には、天然由来の色素としてクチナシ黄色素、ベニバナ黄色素、ベニコウジ黄色素、又はサフラン色素を挙げることができ、合成色素(合成着色料)として、食用黄色4号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号、食用黄色5号アルミニウムレーキ、又は油溶性色素を乳化して水溶性にした色素を挙げることができる。
【0019】
《油溶性色素》
本発明の粘性食品用調味料組成物は、油溶性色素を含むことができる。水分を多く含むカレーソースなどの色目を調整するために、前記水溶性色素が有効である。一方、粘性食品用調味料組成物自体の色目を調整するために、油溶性色素を含むことが有効である。
油溶性色素としては、例えばカロチノイド色素、ターメリック色素、パプリカ色素、マリーゴールド色素、又は水溶性色素を乳化して油溶性にした色素を挙げることができる。
【0020】
《増粘作用を有する食品》
本発明の粘性食品用調味料組成物は、増粘作用を有する食品を含むことができる。特に、でんぷん以外の増粘作用を有する食品を含むことによって、粘性食品用調味料組成物を添加して得られる粘性食品の最終的な粘度を制御することができる。増粘作用を有する食品としては、食物繊維、寒天、ゼラチン又は増粘剤を挙げることができる。また、増粘剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カードラン、コンドロイチン硫酸、ガラクタン、ペクチン、セルロース、又はそれらの誘導体を挙げることができる。増粘作用を有する食品の含有量は、粘性食品の目的の粘度に合わせて、適宜選択することができる。
【0021】
《カレーソース》
以下に、主としてグリーンカレー用の添加剤について、例を挙げながら適宜他のカレーソースにも言及して説明する。しかしながら、本発明の粘性食品用調味料組成物は、グリーンカレー用に限定されるものではない。
グリーンカレー用の粘性食品用調味料組成物においては、ターメリックを含む褐色のカレーソースに、青色色素を添加することによって、グリーンカレーの色目を得ることができるが、更に粉末油脂、及び/又はココナッツミルクパウダーなどの白色食品粉末を加えることにより、よりグリーンカレーに近い色目を得ることができる。
【0022】
(粉末油脂)
本発明の粘性食品用調味料組成物は、粉末油脂を含むことができる。粉末油脂を含むことによって、グリーンカレーの緑色の色目が優れたものとなる。また、レッドカレー、又はイエローカレーにおいてもそれぞれのカレーの色目が優れたものとなる。
粉末油脂の由来は、特に限定されるものではなく、動物性油脂由来の粉末油脂、又は植物性油脂由来の粉末油脂を使用することができる。例えば、大豆油来粉末油脂、パーム油由来粉末油脂、ヤシ油由来粉末油脂、コーン油由来粉末油脂、ナタネ油由来粉末油脂、バター由来粉末油脂、ラード由来粉末油脂、ヘット由来粉末油脂、鶏脂由来粉末油脂、又は魚油由来粉末油脂を用いることができ、味や風味の点からパーム油由来粉末油脂、又は大豆油由来粉末油脂が好ましい。本明細書において、「粉末油脂」とは、動物油脂及び/又は植物油脂をスプレードライなどの設備で賦形剤を利用して粉末化した油脂を意味する。なお、単に固形油脂を粉砕したものは、粉末油脂に含まれない。
【0023】
本発明の調味料組成物における粉末油脂の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは10質量%〜70質量%であり、より好ましくは15質量%〜60質量%であり、更に好ましくは20質量%〜55質量%である。
【0024】
(ココナッツミルクパウダー)
本発明の粘性食品用調味料組成物は、ココナッツミルクパウダーを含むことができる。
特に、グリーンカレーはココナッツミルクを含んでいるものであることから、風味又は味の観点から、ココナッツミルクパウダーを含むことが好ましい。また、タイ風レッドカレー又はイエローカレーなどにおいても、ココナツミルクを含むことがあり、従ってこれらのカレーソース用の粘性食品用調味料組成物においてココナツミルクパウダーを用いることがある。ココナッツミルクパウダーは、例えばココナッツミルクをスプレー状に噴霧して乾燥して、粉末状にすることによって得ることができる。このココナッツミルクパウダーを、本発明の粘性食品用調味料組成物に加えることによって、グリーンカレーの風味又は味を得ることができる。
ココナッツミルクパウダーの含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは5質量%〜70質量%であり、より好ましくは10質量%〜30質量%である。ココナッツミルクパウダーの含有量が5質量%〜70質量%であることにより、グリーンカレーの味や風味を得ることができる。
【0025】
(カルシウム又はチタンを含有する食用白色粉末)
粘性食品用調味料組成物は、カルシウム又はチタンを含有する食用白色粉末を含むことができる。
カルシウム又はチタンを含有する食用白色粉末は、カルシウム又はチタンを含む限りにおいて、特に限定されるものではないが、二酸化チタン粉末、塩化カルシウム粉末、クエン酸カルシウム粉末、リン酸カルシウム粉末、乳酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、及び酸化カルシウム粉末を挙げることができる。前記リン酸カルシウムを含む粉末として、リン酸三カルシウム粉末、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、骨未焼成カルシウム粉末、骨焼成カルシウム粉末、焼成魚骨粉を挙げることができる。
前記炭酸カルシウムを含む粉末として、貝殻未焼成カルシウム粉末、サンゴ未焼成カルシウム粉末、真珠層未焼成カルシウム粉末、又は卵殻未焼成カルシウム粉末を挙げることができる。
前記酸化カルシウムを含む粉末として、貝殻焼成カルシウム粉末、サンゴ焼成カルシウム粉末、真珠層焼成カルシウム粉末、又は卵殻焼成カルシウム粉末を挙げることができる。
【0026】
カルシウム又はチタンを含有する食用白色粉末の添加量は、本発明の粘性食品用調味料組成物を加える褐色系カレーソースのターメリックの含有量、又は最終的に得られるグリーンカレー風ソースの色目によって変化させることができる。従って、本発明の粘性食品用調味料組成物に含有される食用白色粉末の含有量も、特に限定されるものではなく、目的の色目に応じて、適宜調整することが可能である。
【0027】
《青色水溶性色素》
本発明に用いる青色水溶性色素は、青色系の食用色素である限りにおいて、特に限定されるものではない。例えば、天然由来の色素としてクチナシ青色素、又はスピルリナ色素を挙げることができ、合成色素(合成着色料)として、食用青色1号、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号、及び食用青色2号アルミニウムレーキを挙げることができる。着色力の点から、食用青色1号、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号、又は食用青色2号アルミニウムレーキが好ましい。また、天然由来物質が好まれる観点からは、クチナシ青色素、又はスピルリナ色素が好ましい。天然由来の色素は色価が60〜280である。天然由来の色素を1重量部に対して、合成色素は0.1重量部で同程度の青色を得ることができる。
【0028】
青色水溶性色素の添加量は、本発明の粘性食品用調味料組成物を加える褐色系カレーソースのターメリックの含有量、又は最終的に得られるグリーンカレー風ソースの色目によって変化させることができる。従って、本発明のカレーソース用粉末添加剤に含有される青色色素の含有量も、特に限定されるものではないが、下限は好ましくは0.013質量%以上であり、より好ましくは0.016質量%以上であり、更に好ましくは0.019質量%以上である。上限は好ましくは、3.2質量%以下であり、より好ましくは、2.5質量%以下であり、更に好ましくは、1.9質量%以下である。
特に天然色素においては、好ましくは0.13質量%以上であり、より好ましくは0.16質量%以上であり、更に好ましくは0.19質量%以上である。上限は好ましくは、3.2質量%以下であり、より好ましくは、2.5質量%以下であり、更に好ましくは、1.9質量%以下である。0.13質量%〜3.2質量%であることによって、適当量の添加剤を添加した場合に、ターメリックを含むカレーソースの褐色性の色目を、グリーンカレー風の色目にすることができる。
また、例えば合成色素(合成着色料)においては、好ましくは0.013質量%以上であり、より好ましくは0.016質量%以上であり、更に好ましくは0.019質量%以上である。上限は好ましくは、0.32質量%以下であり、より好ましくは、0.25質量%以下であり、更に好ましくは、0.19質量%以下である。0.013質量%〜0.32質量%であることによって、適当量の添加剤を添加した場合に、ターメリックを含むカレーソースの褐色性の色目を、グリーンカレー風の色目にすることができる。
【0029】
本発明の粘性食品用調味料組成物は、青色水溶性色素以外の色素として、緑色水溶性色素及び/又は黄色水溶性色素を含むことができる。緑色水溶性色素として、クチナシ緑色素及びクロロフィル色素を挙げることができ、黄色水溶性色素としてクチナシ黄色素、又はベニバナ黄色素を挙げることができる。これらの色素を含むことによって、グリーンカレーの色目を微妙に調製することが可能である。緑色水溶性色素及び/又は黄色水溶性色素の含有量は、限定されるものではないが、好ましくは0.0001質量%〜2.0質量%であり、より好ましくは0.06質量%〜1.5質量%である。
【0030】
本発明の粘性食品用調味料組成物は、アミラーゼ、及び水溶性色素などの添加剤が、1つの剤型として提供される一剤型でもよい。それぞれの添加剤が2つ以上の剤型で提供される二剤型以上のものでもよい。
【0031】
《粘性食品用調味料組成物の製造》
本発明の粘性食品用調味料組成物は、アミラーゼを含むことを除けば、通常の粒状、粉末状、又はペースト状の調味料を製造する方法に従って、調製することが可能である。
例えば、粉末状調味料組成物の場合、粉末状の原料を混合することによって、本発明の粘性食品用調味料組成物を得ることができる。また、粒状の場合、それぞれの原料を造粒機によって造粒してもよい。
ペースト状調味料組成物の場合、固形油脂に、液体油脂、香辛料、調味料、アミラーゼなどを混合して、ペースト状とすることができる。固形油脂の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上であり、最も好ましくは10質量%以上である。1質量%以上の固形油脂を含むことにより、短時間で粘性食品と混合し、粘性を切ることのできる粘性食品用調味料組成物を得ることができる。固形油脂の含有量の上限は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば80質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
固形油脂としては、通常食品の製造に使用されているものを制限なく使用することができるが、例えばバター、マーガリン、ショートニング、ファットスブレッド、ラード、ヘット、又は鶏脂を挙げることができる。
また、ペースト状調味料組成物における固形油脂及び液体油脂の合計の油脂含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%であり、更に好ましくは30質量%以上であり、最も好ましくは35質量%以上である。油脂の含有量が20質量%以上であることによって、ソースなどの粘性食品に短時間で溶解し、短時間で粘性を低下させることができる。固形油脂及び液体油脂の合計の油脂含有量の上限は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば80質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下であり、更に好ましくは50質量%以下である。なお、固形油脂及び液体油脂の合計量には、前記粉末油脂は含まない。
【0032】
[2]粘性食品の製造方法
本発明の粘性食品の製造方法は、(1)でんぷんを含む20〜80℃の粘性食品に、アミラーゼを含む粘性食品用調味料組成物を添加する工程、及び(2)前記粘性食品用調味料組成物を含む粘性食品を撹拌する工程、を含む。本発明の粘性食品の製造方法は、粘性食品の粘度を1/2以下に低下させるものであり、好ましくは得られる粘性食品の50℃における粘度を、1500cp以下にするものである。また、本発明の粘性食品の製造方法は、粘性食品の粘度低下方法として用いることができる。
粘度の低下は、1/2以下であれば、限定されるものではないが、好ましくは1/3以下であり、更に好ましくは1/4以下であり、最も好ましくは1/5以下である。なお、本明細書において「食品の粘度を1/2以下に低下させる」とは、粘性食品用調味料組成物を添加する前の粘性食品と、添加した後の粘性食品とを、同じ温度で粘度を測定した場合に、粘度が1/2以下に低下していることを意味する。
また得られる粘性食品の50℃における粘度は1500cp以下であれば限定されるものではないが、好ましくは1300cp以下であり、更に好ましくは1100cp以下であり、最も好ましくは1000cp以下である。
【0033】
(1)粘性食品用調味料組成物の添加工程
粘性食品用調味料組成物の添加工程においては、でんぷんを含む20〜80℃の粘性食品に、アミラーゼを含む粘性食品用調味料組成物を添加する。
《粘性食品》
本明細書における「粘性食品」は、でんぷんを含んだものを意味する。でんぷんを含んだ粘性食品に、本発明のアミラーゼを含む粘性食品用調味料組成物を添加することにより例えばグリーンカレー、レッドカレー、イエローカレー、インドカレー、スープカレー、又はスープなどの粘性の低下した粘性食品を得ることができる。
【0034】
《でんぷん》
前記アミラーゼを添加する前の粘性食品に含まれるでんぷんは、アミラーゼによって分解されるものであれば、特に限定されるものではない。でんぷんは、式(C
6H
10O
5)nで表され、その構造によって、直鎖状のアミロースと分枝状のアミロペクチンに分けられる。通常、でんぷんには、アミロース及びアミロペクチンの両方が含まれている。
粘性食品用調味料組成物を混合する前の粘性食品に含まれるでんぷんの量は、特に限定されるものではないが、例えば1食200gのカレーソースにおいて、通常1〜15g程度含まれている。
でんぷんの由来は、特に限定されるものではなく、小麦粉(小麦)、大麦粉(大麦)、米粉(米)、コーンフラワー(トウモロコシ)、コーンスターチ(馬鈴薯、甘藷、片栗、蕨、タピオカ、又はレンコンなど)、片栗粉、加工澱粉、又はデキストリンなどを挙げることができる。カレーソース、ホワイトソース、デミグラスソース、又はパスタソースなどの粘性食品の場合、小麦粉及び油脂を炒めることによって得られるルウにでんぷんが含まれている。
【0035】
《アミラーゼ》
本発明の製造方法において用いられるアミラーゼは、前記「粘性食品用調味料組成物」の欄に記載のアミラーゼであるが、具体的にはα−アミラーゼ、又はβ−アミラーゼを挙げることができる。
粘性食品に添加されるアミラーゼの量は、粘性食品の粘度を低下させ、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、粘性食品の粘度を1/2以下に低下させるものであり、好ましくは得られる粘性食品の50℃における粘度を、1500cp以下にするものである。具体的には1食の粘性食品あたりのアミラーゼの添加量としては、好ましくはでんぷん糖化力単位1U以上であり、より好ましくは5U以上であり、更に好ましくは10U以上であり、最も好ましくは20U以上である。アミラーゼを1食の粘性食品あたり、でんぷん糖化力単位1U以上含むことによって、約8gのでんぷんを含むカレーソース200gの50℃における粘度を、30分以内に1500cpにすることができる。また、十分な量のアミラーゼ、例えば1食の粘性食品あたり50U程度のアミラーゼが含まれていれば、1分程度の撹拌で、ほとんどのでんぷんの粘性が切断され、粘度の低下は終了する。すなわち、サラサラの粘性が低下した粘性食品を得ることができる。アミラーゼの添加量の上限は、特に限定されるものではないが、コストを考量すると、1食の粘性食品あたり、好ましくはでんぷん糖化力単位10000U以下であり、より好ましくは1000U以下である。
別の観点から、粘性食品に含まれるでんぷん1gあたりのアミラーゼの添加量の下限は、好ましくはでんぷん糖化力単位0.125U以上であり、より好ましくは1.25U以上であり、更に好ましくは12.5U以上である。アミラーゼの添加量の上限は、好ましくはでんぷん糖化力単位12500U以下であり、より好ましくは1250U以下であり、更に好ましくは125U以下である。
【0036】
アミラーゼが添加される粘性食品の温度は、20〜80℃である。アミラーゼの添加温度は、その粘性食品の種類によって異なることがあるが、アミラーゼの活性が発揮できる温度である。
アミラーゼは酵素であり、最も高い活性を示す至適温度を有している。添加温度(粘性食品の温度)が、至適温度より低くなるにつれて、アミラーゼの活性が低下して、効果が得られにくくなる。一方、添加温度(粘性食品の温度)が、至適温度を超えて高くなりすぎると、アミラーゼが失活して効果が得られにくくなる。食品用のα−アミラーゼとしては、例えばAspergillus、又はBacillus由来のものがあるが、至適温度は40〜60℃程度のものが多く、温度が上昇すると急速に失活する。一方、耐熱性アミラーゼとして、例えばBacillus由来のアミラーゼが知られているが、これらの至適温度は、通常のアミラーゼよりも高く、高温でも耐性を示す。
更に、食品用のβ−アミラーゼとしては、例えば大麦、大豆、Aspergillus、又は小麦由来のものがあり、指摘温度は40〜60℃程度のものが多く、α−アミラーゼと同様に、温度が上昇すると急速に失活する。
【0037】
粘性食品の温度である20℃〜80℃は、粘性食品用調味料組成物の添加温度であり、また添加された粘性食品の撹拌温度である。この温度が20℃〜80℃であることによって、アミラーゼの活性が発揮され、粘性食品の粘度が低下する。粘性食品の温度の温度は、好ましくは30〜70℃であり、より好ましくは40〜60℃である。しかしながら、至適温度の高い耐熱性アミラーゼを用いた場合は、高めの温度が好ましい。
【0038】
(2)撹拌工程
本発明の撹拌工程は、前記粘性食品用調味料組成物が添加された粘性食品を撹拌する工程であり、例えばスプーンなどを用いて粘性食品を撹拌する。
撹拌時間は、特に限定されないが、粘性食品用調味料組成物の添加から、喫食までの時間が短い方が好ましい。従って、撹拌時間は、好ましくは30分以下である。例えば、粘性食品用調味料組成物の添加から喫食までの時が30分の場合、30分間連続して撹拌する必要はなく、間欠的に撹拌を行えばよい。
【0039】
アミラーゼのでんぷん分解作用は、アミラーゼのでんぷん糖化力単位が高いほど、粘性食品の粘度が低下し、短時間で本発明の効果を得ることができる。また、粘性食品の温度(添加温度、又は撹拌温度)が、アミラーゼの至適温度に近いほど、粘性食品の粘度が低下し、短時間で本発明の効果を得ることができる。更に、時間(撹拌時間)が長いほど、粘性食品の粘度が低下し、本発明の効果を得ることができる。すなわち、アミラーゼの量、温度、及び時間の条件を組み合わせることによって、本発明の効果を得ることができる。
本発明の製造方法において、例えば30分以内に粘性食品の粘度が1/2以下となることによって、一定の効果を得ることができる。前記の通り、当業者であれば、アミラーゼの活性は、アミラーゼの量、温度、及び時間によって、容易に制御することが可能であり、これらの条件を調整することによって、粘性食品の粘度を30分以内に1/2以下にすることができる。同様に、当業者であれば、粘性食品の粘度を1500cp以下となるように、アミラーゼの量、温度、及び時間を調整することができる。
なお、本発明の製造方法においては、ある一定以上のアミラーゼ(例えば50U程度のアミラーゼ)が粘性食品用調味料組成物に含まれていれば、1分程度の撹拌で、ほとんどのでんぷんの粘性が切断され、粘度の低下は終了し、粘度は低下しなくなる。すなわち、本発明において、低下する粘度は、でんぷんによる粘度であり、それ以外の成分によって得られる粘性は、本発明の粘性食品用調味料組成物によって低下しない。
【実施例】
【0040】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0041】
《実施例1》
(1)調味料組成物の調製
本実施例では、アミラーゼを用いて、グリーンカレー用調味料組成物を調製した。
アミラーゼ100U(コクラーゼ 8680〜10600でんぷん糖化力単位(U)/g:三菱化学フーズ株式会社)、固形油脂17質量%(1.7g)、コーン油24質量%(2.4g)、粉末油脂42質量%(4.2g)、青色色素(クチナシ青色素)0.4質量%(0.04g)、黄色色素(ベニバナ黄色素)0.4質量%(0.04g)、調味料1質量%(0.1g)、香辛料3質量%(0.3g)、ココナッツミルクパウダー12質量%(1.2g)、香料0.1質量%(0.01g)を混合し、ペースト状のグリーンカレー用調味料組成物10gを得た。
【0042】
(2)グリーンカレーの調製
得られたグリーンカレー用調味料組成物を、褐色のカレーソースに混合して、グリーンカレーソースの調製を行った。
湯120gにルウ18g、野菜・果実由来原料16g、調味料12g、香辛料2.4g、食用色素1.6gを混合、融解、加熱し、玉ねぎ22g、牛肉8gを加え、カレーソース200gを調製した。カレーソースに含まれるでんぷんの量は、8gであった。カレーソースを50℃に温め、得られたグリーンカレー用調味料組成物を10g添加し、スプーンで1分間撹拌した。調味料組成物の添加前及び添加後のカレーソースの粘度を、B型粘度計を用いて、50℃、12rpmで測定した。
添加前のカレーソースの粘度は、8950cpであったが、1分後の粘性は700cpに低下した(表1)。また、得られたカレーソースは緑色を呈し、グリーンカレーとして満足できる色目が得られた。
【0043】
《実施例2》
(1)調味料組成物の調製
実施例1の「(1)調味料組成物の調製」を繰り返して、グリーンカレー用調味料組成物を調製した。
【0044】
(2)グリーンカレーの調製
得られたグリーンカレー用調味料組成物を、褐色のカレーソースに混合して、グリーンカレーソースの調製を行った。
湯130gにルウ24g、野菜・果実由来原料22g、調味料20g、香辛料3.2g、食用色素0.6g、香料0.2gを混合、融解、加熱し、カレーソース200gを調製した。を添加、融解、加熱し、カレーソース200gを調製した。カレーソースに含まれるでんぷんの量は、8gであった。カレーソースを50℃に温め、得られたグリーンカレー用調味料組成物を10g添加し、スプーンで1分間撹拌した。調味料組成物の添加前及び添加後のカレーソースの粘度を、B型粘度計を用いて、50℃、12rpmで測定した。
添加前のカレーソースの粘度は、4400cpであったが、1分後の粘性は950cpに低下した(表1)。また、得られたカレーソースは緑色を呈し、グリーンカレーとして満足できる色目が得られた。
【0045】
【表1】
【0046】
《実施例3》
実施例3〜7及び比較例1では、アミラーゼの量を検討した。
アミラーゼの量を100Uに代えて、1000Uとしたことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。1分以内に粘性が切れ(粘度が1500cp以下に低下)、サラサラの食感のグリーンカレーが得られた(表2)。
【0047】
《実施例4》
実施例1の操作を繰り返した。1分以内に粘性が切れ(粘度が1500cp以下に低下)、サラサラの食感のグリーンカレーが得られた(表2)
【0048】
《実施例5》
アミラーゼの量を100Uに代えて、10Uとしたことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。5分以内に粘性が切れ(粘度が1500cp以下に低下)、サラサラの食感のグリーンカレーが得られた(表2)。
【0049】
《実施例6》
アミラーゼの量を100Uに代えて、1Uとしたことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。30分以内に粘性が切れ(粘度が1500cp以下に低下)、サラサラの食感のグリーンカレーが得られた(表2)。
【0050】
《比較例1》
アミラーゼの量を100Uに代えて、0.1Uとしたことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。30分で粘性が切れず、サラサラの食感のグリーンカレーが得られなかった(表2)。
【0051】
【表2】
【0052】
《実施例7》
実施例7〜9並びに比較例2及び3では、温度を検討した。
カレーソースの温度を50℃に代えて、70℃としたことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。1分以内に粘性が切れ(粘度が1500cp以下に低下)、サラサラの食感のグリーンカレーが得られた(表3)。
【0053】
《実施例8》
実施例1の操作を繰り返した。1分以内に粘性が切れ(粘度が1500cp以下に低下)、サラサラの食感のグリーンカレーが得られた(表3)。
【0054】
《実施例9》
カレーソースの温度を50℃に代えて、20℃としたことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。5分以内に粘性が切れ(粘度が1500cp以下に低下)、サラサラの食感のグリーンカレーが得られた(表3)。
【0055】
《比較例2》
カレーソースの温度を50℃に代えて、90℃としたことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。30分で粘性が切れず、サラサラの食感のグリーンカレーが得られなかった(表2)。アミラーゼが失活したものと考えられる。
【0056】
《比較例3》
カレーソースの温度を50℃に代えて、5℃としたことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。30分で粘性が切れず、サラサラの食感のグリーンカレーが得られなかった(表3)。
【0057】
【表3】