(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態1に係る表示装置]
図1は実施形態1に係る表示装置の模式的平面図であり、
図2〜
図4は、それぞれ、
図1中のA−A断面、B−B断面、及びC−C断面を示す図である。なお、
図1の平面図においては、理解を容易にするため、マスク40、レンズカバー70、及び絶縁膜52の図示を省略するとともに、一部の部材をハッチングをかけて示すものとした。また、
図2から
図4の断面図では、理解を容易にするために、各部材の厚みなどを誇張して大きめに描くとともに、一部の部材をハッチングをかけずに示すものとした。
図1から
図4に示すように、実施形態1に係る表示装置は、第1配線12及び第2配線14を有する基板10と、基板10の前方において第1配線12に実装された複数の発光素子20と、基板10の前方において第2配線14に実装された複数の発熱素子30と、基板10の前方に設けられたマスク40と、を備えた表示装置である。以下、詳細に説明する。
【0011】
(基板10)
基板10は第1配線12及び第2配線14を有する。基板10の母材11としては、例えば紙フェノール基板(XPC)、紙エポキシ基板(FR−3)、ガラス布エポキシ基板(FR−4)などが用いられる。基板10は多層基板であり、母材11の一方の主面側及び他方の主面側にはそれぞれ少なくとも1つの層が設けられる。複数の層が設けられる場合、層間には絶縁膜15(例:プリプレグ、レジスト)が設けられる。基板10は、リジット基板であってもよいし、フレキシブル基板であってもよい。第1配線12及び第2配線14は銅を含む部材や導電塗料などを用いて構成される。銅箔は熱伝導率がよいため、第1配線12や第2配線14が銅箔からなる場合には、第1配線12や第2配線14を介して基板10全体に熱を伝搬させやすくなる。
【0012】
(複数の発光素子20)
複数の発光素子20は、基板10の前方において第1配線12に実装され、第1配線12への給電により点灯する。複数の発光素子20としては発光ダイオードチップやアキシャルリード型発光ダイオードなどを用いることができる。複数の発光素子20は、ワイヤボンディング、フリップチップ方式、半田付けなどによって第1配線12に実装することができる。なお、本実施形態では半田54により複数の発光素子20が第1配線12に実装されるものとする。
【0013】
(複数の発熱素子30)
複数の発熱素子30は、基板10の前方において第2配線14に実装され、第2配線14への給電により発熱する。複数の発熱素子30としてはチップ型抵抗素子やアキシャルリード型抵抗素子などを用いることができる。チップ型抵抗素子を発熱素子30として用いれば、表示装置の構成を簡素化させて表示装置の見た目を向上させることができる。
【0014】
発熱素子30としてチップ型抵抗素子を用いる場合、発光素子20の上面はチップ型抵抗素子の上面よりも基板10の前方に位置することが好ましい(例えば、半田54の量や基板10の実装面の高さに違いがない場合はチップ型抵抗素子の高さが発光素子20の高さより低いことが好ましい)。このようにすれば、チップ型抵抗素子に邪魔されることなく発光素子20の光を表示装置の外部に取り出すことが可能となるため、良好な配光特性を得ることができる。
【0015】
複数の発熱素子30は半田付けなどで第2配線14に実装することができる。複数の発光素子20と複数の発熱素子30とを同じ方法(例:半田付け)で実装すれば、複数の発光素子20と複数の発熱素子30とを同一工程の中で基板10に実装することができるため、生産性が向上する。なお、本実施形態では半田54により複数の発熱素子30が第1配線12に実装されるものとする。
【0016】
複数の発熱素子30の発熱量は特に限定されるものではないが、複数の発熱素子30は、例えばマスク40が摂氏10度程度の温度に維持されるよう発熱させることが好ましい。
【0017】
(マスク40)
マスク40は、複数の窓部を有しており、複数の発光素子20から出射された光は、マスク40の窓部を通過して表示装置の外部に取り出される。本実施形態においては、後述のとおり、マスク40の後方にレンズカバー70が設けられるが、レンズカバー70が有する曲面状のレンズ部は、マスク40の窓部からマスク40の前方に突き出しており、発光素子20は当該レンズ部の後方に配置される。なお、マスク40に太陽光などの外部光を遮断する庇を設ければ、表示装置のコントラストを高めることができる。マスク40としてはポリカーボネートやアルミなどを用いることができる。
【0018】
マスク40は、少なくとも基板10の前方に設けられ、好ましくは基板10の前方で発熱素子30の後方、より好ましくは発熱素子30の前方に設けられる。マスク40を発熱素子30の前方に設ければ、基板10とマスク40とに囲まれるよう発熱素子30が配置されるため、発熱素子30で生じた熱を基板10とマスク40との間に閉じ込めて表示装置の外部に逃がすことなく効率良くマスク40に伝搬させることが可能となる。また、マスク40を発熱素子30の前方に設ければ、表示装置を正面から見たときに発熱素子30がマスク40によって隠れるため、表示装置の見た目が向上する。なお、マスク40が発熱素子30の前方と後方のいずれに設けられている場合であっても、発熱素子30で生じた熱の一部は、第2配線14を介して基板10全体に伝搬した後、基板10全体から基板10とマスク40との間にある空気を介してマスク40全体に伝搬される。したがって、マスク40は、より具体的には、マスク40と基板10との間に熱伝導率が小さい物質(例えば空気)が可能な限り介在しないよう、基板10から所定の範囲内(例えば3mm以下の範囲内)に設けられていることが好ましい。
【0019】
(レンズカバー70)
表示装置には、防水性や配光特性を確保するためにレンズカバー70を設けてもよい。レンズカバー70は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、一例として、マスク40の後方に設けられる。ただし、レンズカバー70が有する曲面状のレンズ部はマスク40の窓部からマスク40の前方に突き出ており、マスク40の前方に位置している。マスク40の前方に位置するレンズ部上の雪や氷などは、レンズカバー70がマスク40などを介して温められることにより融ける。
【0020】
以上、実施形態1に係る表示装置について説明したが、実施形態1に係る表示装置では、基板10として多層基板が用いられる。また、第2配線14は、第1配線12から絶縁され、その一部領域が基板10の内層に設けられる。以下、これらの点について説明する。
【0021】
(多層基板)
基板10には多層基板が用いられる。層の数や各層の構成などは特に限定されるものではないが、本実施形態では、基板10の母材11として、ガラス布エポキシ基板(FR−4)が用いられ、母材11の一方の主面側には、第1層L1から第3層L3の3つの層が設けられ、母材11の他方の主面側には第4層L4から第6層L6の3つの層が設けられ、各層間には絶縁膜15(プリプレグ)が設けられる。以下、
図5Aから
図5Fを参照しつつ、各層について説明する。なお、後述のとおり、発光素子20と発熱素子30は、
図5Aに示す第1層L1に配置され、他の層には配置されないが、
図5B、
図5C、
図5D、及び
図5Eにおいては、位置関係の理解が容易になるよう、第1層L1に配置される発光素子20及び発熱素子30を破線により透過的に示している。
【0022】
(第1層L1)
図5Aは基板が有する第1層の模式的平面図である。第1層L1は基板10の表層である。
図5Aに示すように、第1層L1の上面には、発光素子20、発熱素子30、第1配線12、及び第2配線14が設けられる。
【0023】
図5Aに示すように、複数の発光素子20は例えば行列方向に配置することができる。基板10上に他の素子を配置するなどのため、行列の一部箇所においては発光素子20が配置されていなくてもよい。すなわち、実質的に行列である限り、行列の一部に発光素子20の抜けがあってもよい。
【0024】
複数の発熱素子30は、例えば、基板10全体にわたり一様に配置することができる。このようにすれば、基板10全体に熱を均一に拡散させやすくなる。
【0025】
他方、複数の発熱素子30は、例えば、複数の発光素子20を取り囲むよう、すなわち、表示装置(基板10)の端部側により多く偏在するよう配置することもできる。このようにすれば、効率的に表示装置(基板10)を温めることができる。すなわち、表示装置(基板10)は、周囲の温度が低い場合、外気に触れる周縁から冷えていく。このため、表示装置(基板10)の端部は表示装置(基板10)の中央部と比較して温度が低くなりやすい。したがって、表示装置(基板10)の端部側に複数の発熱素子30を配置すれば、より効率的に表示装置(基板10)を温めることができる。
【0026】
また、複数の発熱素子30は、複数の発光素子20により取り囲まれるよう、すなわち、表示装置(基板10)の中央側により多く偏在するよう配置することもできる。このようにすれば、複数の表示装置を並べて用いる場合において、一の表示装置の最外周に配置された発光素子20と他の表示装置の最外周に配置された発光素子20との間隔(ピッチ)を一の表示装置内における発光素子20の間隔(ピッチ)と他の表示装置内における発光素子20の間隔(ピッチ)とにあわせやすくなり、表示装置の見た目が向上する。
【0027】
また、複数の発熱素子30は、複数の発光素子20が行列方向に配置される場合、
図5Aに示すように、複数の発光素子20の隙間を縫うように行列方向に配置されることが好ましい。このようにすれば、行列方向に配置された複数の発光素子20を結ぶ直線状の行列ラインと行列方向に配置された複数の発熱素子30を結ぶ直線状の行列ラインとが重さならないものとなる(すなわち、行方向に配置された複数の発光素子20を結ぶ直線状の行ラインと行方向に配置された複数の発熱素子30を結ぶ直線状の行ラインとが重ならず、列方向に配置された複数の発光素子20を結ぶ直線状の列ラインと列方向に配置された複数の発熱素子30を結ぶ直線状の列ラインとが重ならないものとなる)ため、複数の発熱素子30と複数の発光素子20とを基板10に実装するにあたり、両者が互いにぶつからない、すなわち、両者を干渉させることなく配置することができる。なお、基板10上に他の素子を配置するなどのため、行列の一部箇所においては発熱素子30が配置されていなくてもよい。すなわち、実質的に行列である限り、行列の一部に発熱素子30の抜けがあってもよい。
【0028】
(第2層L2)
図5Bは基板が有する第2層の模式的平面図である。第2層L2は基板10の内層である。
図5Bに示すように、第2層L2の上面には金属部材50が設けられる。
【0029】
金属部材50は、例えば銅箔からなり、第1配線12と第2配線14の双方から絶縁されている。このような金属部材50を設ければ、金属部材50を介して基板10全体に熱を拡散させることができる。なお、金属部材50は、表示装置を正面から見たときに基板10の全面(実質的に全面とみなすことができる場合を含む。)に設けられていることが好ましい。このようにすれば、金属部材50から基板10の全面に熱が伝わりやすくなるため、より一層、基板10全体に熱を拡散させることができる。なお、本実施形態では、ビア16、18が形成されている箇所を除く基板10の実質的に全面に金属部材50が形成されている。
【0030】
金属部材50は基板10のできるだけ前方側に設けられていることが好ましい。金属部材50を基板10の前方側に設けるほど、複数の発熱素子30で生じた熱が金属部材50に伝わりやすくなるため、基板10全体に熱を拡散させやすくなるからである。また、金属部材50は第1配線12や第2配線14が設けられる層の少なくとも一方に隣接していることが好ましい。このようにすれば、複数の発熱素子30で生じた熱が金属部材50に伝わりやすくなり、基板10全体に熱を拡散させやすくなるからである。以上を踏まえ、本実施形態では、第1層L1から第6層L6のなかでも基板10の前方側に位置し、第2配線14が設けられる第3層L3に隣接する第2層L2に、金属部材50が設けられるものとしている。
【0031】
(第3層L3)
図5Cは基板が有する第3層の模式的平面図である。第3層L3は基板10の内層である。
図5Cに示すように、第3層L3の上面には第2配線14が設けられる。
【0032】
第2配線14は第1配線12から絶縁されている。具体的には、例えば、第1配線12から離間して配置されることにより、また、層間に設けられた絶縁膜52により、第1配線12から絶縁されている。第2配線14が第1配線12から絶縁されることにより、第2配線14への給電を第1配線12への給電とは独立して行うことが可能となり、複数の発光素子20を点灯させない場合であっても複数の発熱素子30を発熱させることが可能となる。
【0033】
第2配線14は、
図5Aに示したように、基板10の表層(本実施形態では第1層)にも設けられるが、
図5Cに示すように、その一部領域が基板10の内層(本実施形態では第3層L3)に設けられる。このようにすれば、複数の発熱素子30で生じた熱が、基板10の外部ではなく、第2配線14を介して基板10の内部に伝搬するようになるため、基板10の内部から基板10全体に熱を拡散させて、基板10の全体からマスク40の全体に熱を伝搬させることが可能となる。なお、第2配線14は、その一部領域が基板10の内層に設けられていればよいが、
図5Cに示すように、複数の発熱素子30を実装するための領域や外部電源への接続領域などを除く領域(第2配線14を構成する実質的にすべての領域)が基板10の内層に設けられていることが好ましい。このようにすれば、より一層、第2配線14を介して基板10の全体に熱を拡散させることが容易になる。また、第2配線14が基板10により保護されるため表示装置の耐久性が向上する。
【0034】
図5Cに示すように、第2配線14は、複数の発熱素子30を直列に接続する複数の第1領域S1と、複数の第1領域S1を並列に接続する複数の第2領域S2と、を有することが好ましい。このようにすれば、電源からの電流が第2領域S2に供給され、2つの第1領域S1に分流するため、第2配線14の一部領域が断線して複数の第1領域S1のうちの1つに給電できなくなる事態が生じたとしても、他の第1領域S1において実装されている複数の発熱素子30を引き続き発熱させることができる。したがって、表示装置の信頼性が向上する。なお、複数の発熱素子30は各第1領域S1によって直列に接続されるが、ここでの直列には並直列、すなわち、並列に接続された発熱素子30からなる複数の組が直列に接続される場合も含まれる。
【0035】
(第4層L4、第5層L5)
図5Dは基板が有する第4層の模式的平面図であり、
図5Eは基板が有する第5層の模式的平面図である。第4層L4と第5層L5は基板10の内層である。
図5Dに示すように、第4層L4には第1配線12のアノードを構成する領域が設けられ、
図5Eに示すように、第5層L5には第1配線12のカソードを構成する領域が設けられる。
図5Aに示したように、第1配線12は、複数の発熱素子30が実装される第2配線14とは異なり、基板12の表層(本実施形態では第1層L1)に設けられていれば足りるが、
図5D及び
図5Eに示すように、第2配線14の場合と同様、その一部領域が基板10の内層(本実施形態では第4層L4、第5層L5)に設けられていることが好ましく、特に、
図5D及び
図5Eに示すように、複数の発光素子20を実装するための領域や外部電源への接続領域などを除く領域(第1配線12を構成する実質的にすべての領域)が基板10の内層(本実施形態では第4層L4、第5層L5)に設けられていることが好ましい。第1配線12を構成する実質的にすべての領域を基板10の内層に設ければ、第1配線12を基板10により保護して表示装置の耐久性を向上させることができる。
【0036】
(第6層L6)
図5Fは基板が有する第6層の模式的平面図である。第6層は基板10の内層である。
図5Fに示すように、第6層L6の上面には、複数の発光素子20を点灯制御するためのソース回路110とシンク回路120が設けられる。また、第6層L6の上面には、発光素子20用の電源コネクタ130と発熱素子30用の電源コネクタ140が設けられる。なお、ソース回路110は、例えば、複数の発光素子20のアノードに接続され、複数の発光素子20に対して順方向電圧を印加する。また、シンク回路120は、例えば、複数の発光素子20のカソードに接続され、複数の発光素子20のうちの点灯対象となる発光素子から電流を引き込む。複数の発光素子20は、ソース回路110とシンク回路120によりダイナミック点灯方式やスタテック点灯方式で点灯制御される。ソース回路110やシンク回路120には例えばICチップなどが用いられる。
【0037】
(層間の電気的な接続)
発光素子12のアノードが実装される第1層L1上の第1配線12(アノード)は、ビア16を介して、第4層L4に設けられた第1配線12(アノード)に電気的に接続される。また、発光素子12のカソードが実装される第1層L1上の第1配線12(カソード)は、ビア16を介して、第5層L5に設けられた第1配線12(カソード)に電気的に接続される。また、発熱素子30の両端子が実装される第1層L1上の第2配線14は、ビア18を介して、第3層L3に設けられた第2配線14に電気的に接続される。各層の間、第1層L1の上面、及び第6層L6の下面には絶縁膜52(例:レジスト)が設けられる。
【0038】
以上のとおり、実施形態1に係る表示装置によれば、複数の発熱素子30で生じた熱が、基板10の外部ではなく、第2配線14を介して基板10の内部に伝搬するようになるため、基板10の内部から基板10全体に熱を拡散させて、基板10の全体からマスク40の全体に熱を伝搬させることが可能となる。したがって、実施形態1に係る表示装置によれば、マスク40に着雪した雪や氷(例:つらら)を簡素な構成によって偏りなく融かすことができる。よって、実施形態1に係る表示装置によれば、雪や氷(例:つらら)などの影響を受けずに美しく明瞭な表示を行うことが可能となる。
【0039】
[制御方法]
図6は、実施形態1に係る表示装置の制御方法を説明するブロック図である。
図6に示すように、複数の発熱素子30への供給電力は、センサ200から情報を入力される制御部300により制御することができる。このようにして複数の発熱素子30への供給電力を制御すれば、省エネを図ることができるとともに、発光素子20が過度に熱せられることを防止して発光素子20の寿命低下を防止することができる。以下、詳細に説明する。
【0040】
センサ200には、例えば、基板10の温度情報を感知する温度感知センサ210と外気情報(例:降雪、外気温、風量、風向)を感知する外気感知センサ220と、が含まれる。温度感知センサ210は、例えば表示装置の内部(基板10上)に設けることができるが、特に、表示装置の使用中に最も温度が高くなると予測される箇所に配置することが好ましい。このようにすれば、発熱素子30の過熱により発光素子20、他の電子部品、及び基板10などが劣化することを防止することができる。温度感知センサ210としては温度センサICやサーミスタなどを用いることができる。配置される温度感知センサ210の数は1つでもよいし2つ以上でもよい。外気感知センサ220は、例えば表示装置の外部に設けることができる。外気感知センサ220としては、降雪を感知する降雪センサ、外気温を感知する温度センサ、温度を感知する温度計、風量を感知する風量計、風向を感知する風向計など複数のセンサの組み合わせて用いることができる。
【0041】
制御部300は、例えば、温度感知センサ210と外気感知センサ220とから温度情報と外気情報とをそれぞれ入力され、これらの情報に基づいて、例えば第2配線14に接続された発熱素子30用電源を制御することにより、発熱素子30に供給する電力量を制御する。制御部300は例えば表示装置の外部に設けられる。一例を挙げて説明すると、制御部300は、例えば、表示装置の基板10上に設けられた温度感知センサ210から10度未満を示す温度情報が出力されるとともに、外気感知センサ220から「降雪あり」を示す信号が出力された場合(降雪や積雪がある程度に外気温が低い場合であっても、複数の発熱素子30による発熱により、表示装置の基板10上の温度は10度程度に達することがある。)、発熱素子30用電源をオンにして、複数の発熱素子30への電力供給を開始する。また、制御部300は、例えば、温度感知センサ210から10度未満を示す温度情報が出力されるとともに、外気感知センサ220から「風量が多い」ことを示す信号や「表示装置に対する垂直の向かい風」があることを示す信号が出力された場合、発熱素子30用電源を制御して、複数の発熱素子30へ供給する電力量を増大させる。風量が多くなれば表示装置に積雪する雪の量が多くなるためであり、また、表示装置に対する垂直の向かい風が強くなれば表示装置に雪が積りやすくなるためである。また、制御部300は、例えば、温度感知センサ210から出力される温度情報が10度未満に維持されるよう、温度感知センサ210や外気感知センサ220から出力される情報を用いて発熱素子30用電源を制御し、複数の発熱素子30へ供給する電力量を調整する。また、制御部300は、例えば、表示装置の基板10上に設けられた温度感知センサ210から15度以上を示す温度情報が出力され場合、発熱素子30用電源をオフにして、複数の発熱素子30への電力供給を停止する。
【0042】
[ディスプレイ1]
図7は複数の表示装置が組み合わされたディスプレイの模式的正面図である。実施形態1に係る表示装置は、例えば、
図7に示す複数の表示装置が組み合わされたディスプレイ1に好ましく用いることができる。なお、複数の表示装置の少なくとも1つに実施形態1に係る表示装置を用いることもできるが、すべての表示装置に実施形態1に係る表示装置を用いることが好ましい。
【実施例1】
【0043】
図9は実施例1に係る表示装置の模式的斜視図であり、
図9は実施例1に係る表示装置の模式的分解斜視図である。
図8、
図9に示すように、実施例1に係る表示装置100は、実施形態1に係る基板10、マスク40、及びレンズカバー70に加えて、ケース60、第1パッキン82、第2パッキン84、及びブラケット90を備えている。ケース40は基板10を取り付ける部材であり、第1パッキン82や第2パッキン84はケース60内に雨水等が混入するのを防止するための部材である。また、ブラケット90はケース60を支持するための部材である。なお、本実施例によれば、ケース60上の雪や氷(例:つらら)も融かすことができる。
【0044】
以上、実施形態及び実施例について説明したが、これらの説明は一例に関するものであり、特許請求の範囲に記載された構成を何ら限定するものではない。