特許第6479085号(P6479085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6479085半導体処理用の交流駆動を用いる多重ヒータアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6479085
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】半導体処理用の交流駆動を用いる多重ヒータアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190225BHJP
   H05B 3/28 20060101ALI20190225BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20190225BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20190225BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20190225BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20190225BHJP
【FI】
   H01L21/302 101G
   H05B3/28
   H05H1/46 A
   H05B3/00 370
   H01L21/68 R
   H01L21/31 F
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-82498(P2017-82498)
(22)【出願日】2017年4月19日
(62)【分割の表示】特願2014-558750(P2014-558750)の分割
【原出願日】2013年1月30日
(65)【公開番号】特開2017-191940(P2017-191940A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2017年5月19日
(31)【優先権主張番号】13/406,978
(32)【優先日】2012年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピース・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・ネイル
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−225941(JP,A)
【文献】 特開2001−210683(JP,A)
【文献】 特表2005−510869(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0092072(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
H01L 21/683
H05B 3/00
H05B 3/28
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置において半導体基板を支持するために用いられる基板支持アセンブリ用の加熱プレートであって、該加熱プレートは、
前記加熱プレート上にそれぞれ平面的に分布する第1、第2、第3、第4のヒータゾーンを少なくとも含む複数のヒータゾーンと、
前記第1と前記第2のヒータゾーンに電気的に接続された第1の導電性電力ラインおよび前記第3と前記第4のヒータゾーンに電気的に接続された第2の導電性電力ラインを少なくとも含む第1のグループの電力ラインと、
前記第1と前記第3のヒータゾーンに電気的に接続された第3の導電性電力ラインおよび前記第2と前記第4のヒータゾーンに電気的に接続された第4の導電性電力ラインを少なくとも含む第2のグループの電力ラインと、を備え、
前記第1と第2のグループの電力ラインは、当該加熱プレート上方の電磁場を最小限に抑えて、かかる電磁場に起因するプラズマ不均一性を低減するように、空間的に配置され、
複数のダイオードは、少なくとも第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8のダイオードをさらに備え、
前記第1のグループの電力ラインは、第1、第2、第3、第4の導電性分岐伝送ラインを含む分岐伝送ラインであり、
前記第2のグループの電力ラインは、第1と第2の導電性共通伝送ラインを含む共通伝送ラインであり、
前記第1のダイオードは、前記第1の導電性分岐伝送ラインと前記第1のヒータゾーンの間に接続されており、
前記第2のダイオードは、前記第1のヒータゾーンと前記第3の導電性分岐伝送ラインの間に接続されており、
前記第3のダイオードは、前記第1の導電性分岐伝送ラインと前記第2のヒータゾーンの間に接続されており、
前記第4のダイオードは、前記第2のヒータゾーンと前記第3の導電性分岐伝送ラインの間に接続されており、
前記第5のダイオードは、前記第2の導電性分岐伝送ラインと前記第3のヒータゾーンの間に接続されており、
前記第6のダイオードは、前記第3のヒータゾーンと前記第4の導電性分岐伝送ラインの間に接続されており、
前記第7のダイオードは、前記第2の導電性分岐伝送ラインと前記第4のヒータゾーンの間に接続されており、
前記第8のダイオードは、前記第4のヒータゾーンと前記第4の導電性分岐伝送ラインの間に接続されており、
(i)前記ヒータゾーンは、第1の平面内にある第1の電気絶縁層内にあり、(ii)前記共通伝送ラインは、前記第1の平面とは異なる、前記第1の平面に平行な第2の平面内にある第2の電気絶縁層内にあり、(iii)前記複数のダイオードおよび前記分岐伝送ラインは、前記第1の平面とは異なる、前記第1の平面に平行な第3の平面内にある第3の電気絶縁層内にあり、(iv)前記第2の平面は、前記第1の平面と前記第3の平面との間に配置され、(v)前記第1、前記第2、前記第3の平面は、前記第2の電気絶縁層および前記第3の電気絶縁層によって互いから分離されており、(vi)前記共通伝送ラインは、前記第2の電気絶縁層内に垂直に延在するビアによって前記ヒータゾーンに電気的に接続されており、(vii)前記分岐伝送ラインは、前記第2と前記第3の電気絶縁層内に垂直に延在するビアによって前記ヒータゾーンに電気的に接続されており、
前記分岐伝送ラインは、(i)前記第3の電気絶縁層内にあり、および(ii)前記複数のヒータゾーンのうち同一のものに接続された、送り分岐伝送ラインおよびそれぞれの戻り分岐伝送ラインを含む、加熱プレート。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱プレートであって、
前記第1のダイオードのアノードは、前記第1の導電性分岐伝送ラインに接続されており、前記第1のダイオードのカソードは、前記第1のヒータゾーンに接続されており、
前記第2のダイオードのアノードは、前記第1のヒータゾーンに接続されており、前記第2のダイオードのカソードは、前記第3の導電性分岐伝送ラインに接続されており、
前記第3のダイオードのアノードは、前記第1の導電性分岐伝送ラインに接続されており、前記第3のダイオードのカソードは、前記第2のヒータゾーンに接続されており、
前記第4のダイオードのアノードは、前記第2のヒータゾーンに接続されており、前記第4のダイオードのカソードは、前記第3の導電性分岐伝送ラインに接続されており、
前記第5のダイオードのアノードは、前記第2の導電性分岐伝送ラインに接続されており、前記第5のダイオードのカソードは、前記第3のヒータゾーンに接続されており、
前記第6のダイオードのアノードは、前記第3のヒータゾーンに接続されており、前記第6のダイオードのカソードは、前記第4の導電性分岐伝送ラインに接続されており、
前記第7のダイオードのアノードは、前記第2の導電性分岐伝送ラインに接続されており、前記第7のダイオードのカソードは、前記第4のヒータゾーンに接続されており、
前記第8のダイオードのアノードは、前記第4のヒータゾーンに接続されており、前記第8のダイオードのカソードは、前記第4の導電性分岐伝送ラインに接続されており、
前記第1の導電性共通伝送ラインは、前記第1と前記第3のヒータゾーンの両方に接続されており、
前記第2の導電性共通伝送ラインは、前記第2と前記第4のヒータゾーンの両方に接続されている、加熱プレート。
【請求項3】
請求項2に記載の加熱プレートであって、
前記ヒータゾーンの大きさは、
各ヒータゾーンの面積が、2〜3平方センチメートルの間であるか、または、
当該加熱プレートに100〜400個のヒータゾーンが含まれるか、または、
各ヒータゾーンの面積が、1〜15cm2であるか、または、
各ヒータゾーンの面積が、16〜100cm2である、加熱プレート。
【請求項4】
請求項1に記載の加熱プレートであって、
(a)前記第2の電気絶縁層は、ポリマ材料、セラミック材料、またはそれらの組み合わせを含み、または(b)前記ヒータゾーンの総面積は、当該加熱プレートの上面の50%〜90%または90%超であり、または(c)前記ヒータゾーンは、矩形格子、六角格子、もしくは円形状に配置されており、前記ヒータゾーンは、幅が少なくとも1ミリメートルかつ幅が最大で10ミリメートルの間隙によって互いから分離されている、加熱プレート。
【請求項5】
請求項2に記載の加熱プレートであって、
当該加熱プレートを交流電流で駆動することが可能であるように、当該加熱プレートは、電力信号を整流するように構成されている、加熱プレート。
【請求項6】
請求項1に記載の加熱プレートであって、
前記第1のグループの電力ラインの電流は、前記第2のグループの電力ラインの電流とは反対方向に流される、加熱プレート。
【請求項7】
請求項6に記載の加熱プレートであって、
(a)各ヒータゾーンは前記複数のダイオードの一つに電気的に接続されており、該ダイオードは、電力ラインに電気的に接続されており、または(b)1つの電力ラインのセグメントは、垂直面内で他の電力ラインのセグメントの上方にあり、または(c)1つの電力ラインのセグメントは、他の電力ラインのセグメントに平行かつ隣接しており、または(d)各ヒータゾーンは、3つの電力ラインに電気的に接続されており、または(e)前記第1と前記第2のグループの電力ラインはそれぞれ、少なくとも約1キロワットの電力を各ヒータゾーンに伝えるように構成されており、または(f)少なくとも1つの電力ラインは、高電流通電用バスであるように構成されている、加熱プレート。
【請求項8】
請求項6に記載の加熱プレートであって、
(a)前記ヒータゾーンは、矩形格子、六角格子、円形状、同心環状からなる群から選択されたパターンで配置されており、または(b)各ヒータゾーンは、電源による供給を個別に受けることが可能であり、または(c)当該加熱プレートの第1の半分の上にあるヒータゾーンに電気的に接続されている電力ラインは、当該加熱プレートの前記第1の半分の上にないヒータゾーンには電気的に接続されていない、または(d)前記ヒータゾーンは、ヒータゾーンの個数の平方根の2倍よりも多い数の電力ラインに接続されている、加熱プレート。
【請求項9】
基板支持アセンブリであって、
当該基板支持アセンブリ上で半導体基板を静電的に固定するように構成された、少なくとも1つのクランプ電極を有する静電固定層を含む静電チャック(ESC)と、
前記静電固定層の下方に配置された、請求項1に記載の加熱プレートと、
断熱層によって前記加熱プレートの下側に装着された冷却プレートと、を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載の基板支持アセンブリであって、
前記第1のグループの電力ラインは、分岐伝送ラインであり、
前記第2のグループの電力ラインは、共通伝送ラインであり、
(a)前記冷却プレート内の少なくとも1つの分岐伝送コンジットを通って延びる互いから電気的に絶縁されたリード線に、前記分岐伝送ラインが接続され、さらに、前記冷却プレート内の少なくとも1つの共通伝送コンジットを通って延びる互いから電気的に絶縁されたリード線に、前記共通伝送ラインが接続されている、あるいは、
(b)前記分岐伝送ラインおよび前記共通伝送ラインは、前記冷却プレートに埋め込まれた端子コネクタに接続されている、基板支持アセンブリ。
【請求項11】
請求項9に記載の基板支持アセンブリであって、
ヒータゾーンのうちの1つまたは複数に対して選択的に交流電流を供給するように機能するコントローラをさらに備える、基板支持アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載の基板支持アセンブリであって、
前記第1のグループの電力ラインは、第1と第2のヒータゾーンに接続された第1の導電性分岐伝送ラインと、第3と第4のヒータゾーンに接続された第2の導電性分岐伝送ラインと、前記第1と前記第2のヒータゾーンに接続された第3の導電性分岐伝送ラインと、前記第3と前記第4のヒータゾーンに接続された第4の導電性分岐伝送ラインとを含む分岐伝送ラインであり、前記第2のグループの電力ラインは、前記第1と前記第3のヒータゾーンに接続された第1の導電性共通伝送ラインと、前記第2と前記第4のヒータゾーンに接続された第2の導電性共通伝送ラインとを含む共通伝送ラインであり、
前記コントローラは、
(a)交流電源装置を前記第1と前記第3の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記第1のヒータゾーンのみに対して、
(b)前記交流電源装置を前記第1と前記第3の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第2の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記第2のヒータゾーンのみに対して、
(c)前記交流電源装置を前記第2と前記第4の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記第3のヒータゾーンのみに対して、
(d)前記交流電源装置を前記第2と前記第4の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第2の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記第4のヒータゾーンのみに対して、
(e)前記交流電源装置を前記第1と前記第3の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記第1と前記第2のヒータゾーンのみに対して、
(f)前記交流電源装置を前記第1、前記第2、前記第3、前記第4の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記第1と前記第3のヒータゾーンのみに対して、
(g)前記交流電源装置を前記第1、前記第2、前記第3、前記第4の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第2の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記第2と前記第4のヒータゾーンのみに対して、
(h)前記交流電源装置を前記第2と前記第4の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記第3と前記第4のヒータゾーンのみに対して、
(i)前記交流電源装置を前記第1、前記第2、前記第3、前記第4の導電性分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインに接続することにより、前記ヒータゾーンのすべてに対して、選択的に交流電流を供給するように機能する、基板支持アセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載の基板支持アセンブリであって、
前記交流電源装置からの交流電流は、直流成分を持たない、基板支持アセンブリ。
【請求項14】
請求項11に記載の基板支持アセンブリであって、
前記第1のグループの電力ラインは、前記第1と前記第2のヒータゾーンに接続された第1の導電性分岐伝送ラインと、前記第3と前記第4のヒータゾーンに接続された第2の導電性分岐伝送ラインと、前記第1と前記第2のヒータゾーンに接続された第3の導電性分岐伝送ラインと、前記第3と前記第4のヒータゾーンに接続された第4の導電性分岐伝送ラインとを含む分岐伝送ラインであり、前記第2のグループの電力ラインは、前記第1と前記第3のヒータゾーンに接続された第1の導電性共通伝送ラインと、前記第2と前記第4のヒータゾーンに接続された第2の導電性共通伝送ラインとを含む共通伝送ラインであり、
前記コントローラは、
(a)前記第1の導電性分岐伝送ラインは直流電源装置に接続され、かつ前記第3の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第1のヒータゾーンのみに対して、
(b)前記第1の導電性分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第2の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第2の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第2のヒータゾーンのみに対して、
(c)前記第2の導電性分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第2の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第3のヒータゾーンのみに対して、
(d)前記第2の導電性分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第2の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第2の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第2の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第4のヒータゾーンのみに対して、
(e)前記第1の導電性分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第1と前記第2のヒータゾーンのみに対して、
(f)前記第1と前記第2の導電性分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3および前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1および前記第2の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3と前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第1と前記第3のヒータゾーンのみに対して、
(g)前記第1と前記第2の導電性分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3および前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第2の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1および前記第2の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3と前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第2の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第2と前記第4のヒータゾーンのみに対して、
(h)前記第2の導電性分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第2の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第3と前記第4のヒータゾーンのみに対して、
(i)前記第1と前記第2の導電性分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3および前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1および前記第2の導電性分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3と前記第4の導電性分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1と前記第2の導電性共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記ヒータゾーンのすべてに対して、選択的に交流電流を供給するように機能し、
前記直流電源装置は、定電圧を出力する、基板支持アセンブリ。
【請求項15】
請求項11に記載の基板支持アセンブリであって、
前記交流電流は、最低でも10Hzの周波数である、基板支持アセンブリ。
【請求項16】
請求項9に記載の基板支持アセンブリであって、
前記加熱プレートの上方または下方に配置された、少なくとも1つの主ヒータ層をさらに備え、
前記主ヒータ層は、前記加熱プレートの前記ヒータゾーン、前記第1のグループの電力ライン、前記第2のグループの電力ラインから電気的に絶縁されており、
前記主ヒータ層は、前記半導体基板の平均温度制御を提供する少なくとも1つのヒータを含み、
前記ヒータゾーンは、前記半導体基板の径方向および角度方向の温度プロファイル制御を、提供する、基板支持アセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載の基板支持アセンブリであって、
前記主ヒータ層は2つ以上のヒータを含む、基板支持アセンブリ。
【請求項18】
請求項9に記載の基板支持アセンブリであって、
前記ヒータゾーンに供給されるデジタル電力を生成することが可能な電力コントローラをさらに備える、基板支持アセンブリ。
【請求項19】
請求項9に記載の基板支持アセンブリであって、
前記ヒータゾーンに供給される、時分割多重化電力、パルス幅変調電力、交流電力、または直流相交流電力のうち、少なくとも1つを生成することが可能な電力コントローラをさらに備える、基板支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体技術世代を重ねるごとに、基板の直径は大きくなり、トランジスタサイズは小さくなる傾向にあり、その結果、基板処理において、ますます高い精度および再現性が要求されるようになる。シリコン基板などの半導体基板材料は、真空室の使用を伴う技術によって処理される。これらの技術には、電子ビーム蒸着といった非プラズマ応用例だけではなく、スパッタリング蒸着、プラズマ化学気相成長(PECVD)、レジスト除去、およびプラズマエッチングといったプラズマ応用例が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
既存のプラズマ処理システムは、そのような精度および再現性の向上への高まりつつある要求にさらされている半導体製造装置の一つである。プラズマ処理システムの場合の一つの基準は、均一性の向上であり、それには各半導体基板表面における処理結果の均一性だけではなく、建前としては同じ入力パラメータで処理された一連の基板の処理結果の均一性が含まれる。基板上の均一性の継続的な向上が望まれる。特に、プラズマ室に対して、均一性、一貫性、および自己診断機能の向上が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書で記載するのは、半導体処理装置において半導体基板を支持するために用いられる基板支持アセンブリ用の加熱プレートであって、該加熱プレートは、第1の電気絶縁層と、この第1の電気絶縁層上に横方向に分布する第1、第2、第3、第4の平面ヒータゾーンを少なくとも含む平面ヒータゾーンであって、基板上の空間温度プロファイルを調整するように機能する平面ヒータゾーンと、第1と第2の平面ヒータゾーンに電気的に接続された第1の導電性電力ラインおよび第3と第4の平面ヒータゾーンに電気的に接続された第2の導電性電力ラインを少なくとも含む第1の電力ラインと、第1と第3の平面ヒータゾーンに電気的に接続された第3の導電性電力ラインおよび第2と第4の平面ヒータゾーンに電気的に接続された第4の導電性電力リターンラインを少なくとも含む第2の電力ラインと、を備え、電源装置、電力ライン、またはダイオードのうちの少なくとも1つは、加熱プレート上方の電磁場を低減するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、平面ヒータゾーンのアレイを備える加熱プレートが組み込まれた基板支持アセンブリの概略断面図であり、この基板支持アセンブリは、さらに静電チャック(ESC)を有する。
【0005】
図2図2は、基板支持アセンブリに組み込むことができる加熱プレートの一実施形態における、平面ヒータゾーン・アレイへの送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン間の位相的接続を示している。
【0006】
図3図3は、平面ヒータゾーンを備える例示的な加熱プレートを示しており、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン、およびダイオードが、加熱プレート内のいくつかの平面に様々に配置されている。
図4図4は、平面ヒータゾーンを備える例示的な加熱プレートを示しており、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン、およびダイオードが、加熱プレート内のいくつかの平面に様々に配置されている。
図5図5は、平面ヒータゾーンを備える例示的な加熱プレートを示しており、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン、およびダイオードが、加熱プレート内のいくつかの平面に様々に配置されている。
図6図6は、平面ヒータゾーンを備える例示的な加熱プレートを示しており、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン、およびダイオードが、加熱プレート内のいくつかの平面に様々に配置されている。
図7図7は、平面ヒータゾーンを備える例示的な加熱プレートを示しており、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン、およびダイオードが、加熱プレート内のいくつかの平面に様々に配置されている。
図8図8は、平面ヒータゾーンを備える例示的な加熱プレートを示しており、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン、およびダイオードが、加熱プレート内のいくつかの平面に様々に配置されている。
【0007】
図9図9は、加熱プレート内のオプションの主ヒータを示している。
【0008】
図10図10は、平面ヒータゾーンのうちの1つの、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン、およびダイオードへの電気的接続を示している。
【0009】
図11図11は、基板支持アセンブリの概略図を示しており、平面ヒータゾーン・アレイに対する送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ライン、ダイオード間の接続を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
基板上で所望の限界寸法(CD)均一性を達成するため、半導体処理装置での径方向および角度方向の基板温度制御についての要求がますます高まりつつある。半導体製造プロセスにおいて、特にCDがサブ100nmに近づくと、温度の小さなバラツキでも、容認できないほどCDに影響することがある。
【0011】
基板支持アセンブリは、処理の際に、基板の支持、基板温度の調整、高周波電力の供給など、様々な機能のための設定を行うことができる。基板支持アセンブリは、処理中に基板を基板支持アセンブリ上に静電的に固定するのに有用な静電チャック(ESC)を備えることができる。ESCは、チューナブルESC(T−ESC)とすることができる。T−ESCは、本出願と譲受人が同一である米国特許第6847014号および第6921724号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。基板支持アセンブリは、ESCなどのセラミック基板プレートと、流体冷却式ヒートシンク(以下、冷却プレートと呼ぶ)と、段階的な空間温度制御を実現するための複数の平面ヒータゾーンと、を備えることができる。一般的には、冷却プレートは、0℃〜30℃の間またはこの範囲外とすることができる定温に維持される。ヒータは、断熱材の層を間に挟んで冷却プレートから分離されている。ヒータは、プラズマ処理中に基板が熱流束による加熱を受けるか否かに関わりなく、基板支持アセンブリの支持面を冷却プレート温度よりも高い約0℃〜80℃の温度に維持することができる。複数の平面ヒータゾーンの範囲内でヒータ出力を変化させることにより、基板支持温度プロファイルを変更することができる。さらには、平均基板支持温度を、冷却プレート温度よりも高い0〜80℃またはさらに高い動作範囲内で段階的に変更することができる。半導体技術の進歩に伴ってCDが小さくなるにつれて、小さな角度方向の温度のバラツキが、ますます大きな課題となる。
【0012】
温度を制御することは、いくつかの理由によって、簡単なことではない。第一に、熱源およびヒートシンクの位置、伝熱媒体の動き、材質、形状など、多くの要因が熱伝達に影響し得る。第二に、熱伝達は動的プロセスである。当該システムが熱平衡状態にあるのでなければ、熱伝達が生じ、温度プロファイルおよび熱伝達は時間とともに変化することになる。第三に、プラズマ処理では当然生じているプラズマなどの非平衡現象が、実際のプラズマ処理装置の熱伝達挙動の正確な理論予測を、不可能ではないにしても非常に困難にしている。
【0013】
プラズマ処理装置における基板温度プロファイルは、プラズマ密度プロファイル、RF電力プロファイル、チャック内のいくつかの加熱および冷却エレメントの詳細な構造といった多くの要因に影響され、このため、基板温度プロファイルは、均一ではないことが多く、少数の加熱または冷却エレメントで制御することは難しい。この欠点は、基板全体での処理速度の不均一性、および基板上の素子ダイの限界寸法の不均一性と言い換えることができる。限定するものではないが、投入される基板の不均一性、実施されるプロセスの均一性、および後続ステップで予想される均一性を含む他の効果を補償するために、意図的な不均一温度プロファイルを導入することが望ましい場合がある。
【0014】
装置が所望の空間的および時間的温度プロファイルを能動的に作り出して維持することを可能にするため、また、CD均一性に影響を与える他の有害因子を補償するためには、温度制御の複雑性を考えると、独立に制御可能な複数の平面ヒータゾーンを基板支持アセンブリに組み込むことが効果的となる。
【0015】
半導体処理装置における基板支持アセンブリ用の、独立に制御可能な複数の平面ヒータゾーンを備える加熱プレートは、本出願と同一の所有者による米国特許出願公開第2011/0092072号に開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。この加熱プレートは、平面ヒータゾーンと、これらの平面ヒータゾーンに電力を供給するための導体ラインの、スケーラブルな多重化レイアウト方式を含むものである。平面ヒータゾーンの出力を調整することで、処理中の温度プロファイルを、径方向と角度方向の両方に関して具現化することができる。
【0016】
本明細書で記載するのは、独立に制御可能な複数の平面ヒータゾーンを備える加熱プレートであって、加熱プレート全体にわたる平面ヒータゾーンを、交流電流で個別に駆動することができる。本明細書で使用される場合の「交流電流」とは、交流電源により供給される電流、または直流電源により適切なスイッチング装置を介して供給される電流を指す。
【0017】
この加熱プレートの平面ヒータゾーンは、規定のパターンで配置されることが好ましく、例えば、矩形格子、六角格子、円形状、同心環状、または任意の望ましいパターンで配置される。各平面ヒータゾーンは、任意の適切なサイズとすることができ、1つまたは複数のヒータエレメントを備えることができる。1つの平面ヒータゾーン内のすべてのヒータエレメントは、一緒にオン・オフされる。交流電流による平面ヒータゾーンの駆動を可能としながら、電気的接続の数を最小限にするため、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ラインといった電力ラインは、各送り分岐伝送ラインが平面ヒータゾーンの異なるグループに接続され、その送り分岐伝送ラインが接続されている同じグループの平面ヒータゾーンに、対応する戻り分岐伝送ラインが接続され、各共通伝送ラインが平面ヒータゾーンの異なるグループに接続されるように配置され、このとき、各平面ヒータゾーンは、特定の送り分岐伝送ラインに接続されたグループの1つの中にあり、かつ特定の共通伝送ラインに接続されたグループの1つの中にある。どの2つの平面ヒータゾーンも、同じ送り分岐伝送ラインと共通伝送ラインのペアには接続されていない。この場合、1つの平面ヒータゾーンは、その特定の平面ヒータゾーンが接続されている送り分岐伝送ラインまたはその対応する戻り分岐伝送ラインと、共通伝送ラインに交流電流を流すことにより、駆動することができる。ヒータエレメントの出力は、好ましくは20W未満であり、より好ましくは5〜10Wである。ヒータエレメントは、ポリイミド・ヒータ、シリコーンラバー・ヒータ、マイカ・ヒータ、金属ヒータ(例えば、W、Ni/Cr合金、Mo、またはTa)、セラミック・ヒータ(例えば、WC)、半導体ヒータ、またはカーボン・ヒータなどの薄膜抵抗ヒータとすることができる。ヒータエレメントは、スクリーン印刷、巻線、またはエッチドフォイルのヒータとすることができる。一実施形態では、各平面ヒータゾーンは、半導体基板上に作られる4つの素子ダイ以下の大きさであるか、または半導体基板上に作られる2つの素子ダイ以下の大きさであるか、または半導体基板上に作られる1つの素子ダイ以下の大きさであるか、または基板上の素子ダイに対応する16〜100cm2の面積もしくは1〜15cm2の面積もしくは2〜3cm2の面積である。ヒータエレメントの厚さは、2マイクロメートルから1ミリメートル、好ましくは5〜80マイクロメートルとすることができる。平面ヒータゾーンの間、さらに/または送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、共通伝送ラインの間にスペースを確保するため、平面ヒータゾーンの総面積は、最大で基板支持アセンブリの上面の面積の90%までとすることができ、例えば、その面積の50〜90%とすることができる。送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、または共通伝送ライン(まとめて、電力ライン)は、平面ヒータゾーン間の1〜10mmの間隙に配置することができ、あるいは平面ヒータゾーンの平面から電気絶縁層により分離された別々の平面に配置することができる。分岐伝送ラインおよび共通伝送ラインは、大きな電流を運ぶと共にジュール熱を低減するため、スペースが許す限り幅を広くすることが好ましい。一実施形態では、電力ラインは平面ヒータゾーンと同じ平面内にあり、電力ラインの幅は、好ましくは0.3mm〜2mmの間である。他の実施形態では、電力ラインは平面ヒータゾーンとは異なる平面上にあり、電力ラインの幅は、平面ヒータゾーンと同じような大きさとすることができ、例えば300mmチャックの場合、その幅は1〜2インチとすることができる。電力ラインの材料は、ヒータエレメントの材料と同じであっても、または異なるものであってもよい。電力ラインの材料は、Cu、Al、W、インコネル(登録商標)、またはMoなど、低抵抗率の材料であることが好ましい。電力ラインのレイアウトによって、所望の温度プロファイルへの外乱を最小限とし、磁場不均一性への局所効果を最小限に抑えることが好ましい。
【0018】
図1〜2は、基板支持アセンブリを示しており、これは、2つの電気絶縁層104A、104Bの間に組み込まれた平面ヒータゾーン101のアレイを有する一実施形態の加熱プレートを備える。電気絶縁層104A、104Bは、ポリマ材料または無機材料、酸化ケイ素、アルミナ、イットリア、窒化アルミニウムなどのセラミック、または他の適切な材料とすることができる。基板支持アセンブリは、さらに、(a)直流電圧で基板をセラミック層103の表面に静電的に固定するための、電極102(例えば、単極または双極)が埋め込まれたセラミック層103(静電固定層)を有するESCと、(b)断熱層107と、(c)クーラント流路106を含む冷却プレート105と、を備える。
【0019】
図2に示すように、平面ヒータゾーン101のそれぞれは、送り分岐伝送ライン201F、その送り分岐伝送ライン201Fに対応する戻り分岐伝送ライン201R、および共通伝送ライン202に接続されている。どの2つの平面ヒータゾーン101も、同じ送り分岐伝送ライン201Fと共通伝送ライン202のペア、または同じ戻り分岐伝送ライン201Rと共通伝送ライン202のペアを共有してはいない。適切な電気的スイッチング構成により、送り分岐伝送ライン201Fと共通伝送ライン202のペア、または戻り分岐伝送ライン201Rと共通伝送ライン202のペアを、電源装置(図示せず)に接続することが可能であり、これにより、このライン・ペアに接続されている平面ヒータゾーンのみがオンになる。各平面ヒータゾーンの時間平均加熱出力は、時間領域多重化により、個別に調整することができる。ダイオード250Fが、(図2に示すように)各平面ヒータゾーン101とそれに接続された送り分岐伝送ライン201Fとの間に直列に接続されて、このダイオード250Fにより、平面ヒータゾーン101から送り分岐伝送ライン201Fへの電流の流れを禁じている。ダイオード250Rが、(図2に示すように)各平面ヒータゾーン101とそれに接続された戻り分岐伝送ライン201Rとの間に直列に接続されて、このダイオード250Rにより、戻り分岐伝送ライン201Rから平面ヒータゾーン101への電流の流れを禁じている。これらのダイオード250F、250Rは、物理的には、加熱プレート内またはいずれかの適切な場所に配置することができる。
【0020】
送り分岐伝送ライン201F、戻り分岐伝送ライン201R、共通伝送ライン202、ダイオード250F、250R、および平面ヒータゾーン101を含む電気部品は、加熱プレート内で任意の適切な順序のいくつかの平面内に配置することができ、それらの平面は、電気絶縁材によって互いから分離されている。それらの平面間の電気的接続は、垂直に延在するビアを適切に配置することにより構成することができる。好ましくは、ヒータは、基板支持アセンブリの上面に最も近く配置される。
【0021】
図3〜8は、電気部品の配置が様々に異なる加熱プレートの実施形態を示している。
【0022】
図3は、基板支持アセンブリを示しており、これは、第1の平面501に平面ヒータゾーン101(1つのみ図示している)が配置され、第2の平面502に共通伝送ライン202(1つのみ図示している)が配置され、第3の平面503に送り分岐伝送ライン201F(1つのみ図示している)および戻り分岐伝送ライン201R(1つのみ図示している)が配置された、一実施形態による加熱プレートを備える。第1の平面501、第2の平面502、および第3の平面503は、電気絶縁層504、304によって互いから分離されている。送り分岐伝送ライン201Fは、第3の平面503に配置されたダイオード250F、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。戻り分岐伝送ライン201Rは、第3の平面503に配置されたダイオード250R、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。共通伝送ライン202は、ビア301を介して平面ヒータゾーン101に接続されている。ダイオード250Fは、平面ヒータゾーン101から送り分岐伝送ライン201Fへの電流の流れを禁じている。ダイオード250Rは、戻り分岐伝送ライン201Rから平面ヒータゾーン101への電流の流れを禁じている。
【0023】
図4は、基板支持アセンブリを示しており、これは、第1の平面501に平面ヒータゾーン101(1つのみ図示している)が配置され、第2の平面502に共通伝送ライン202(1つのみ図示している)が配置され、第1の平面501に、送り分岐伝送ライン201F(1つのみ図示している)および戻り分岐伝送ライン201R(1つのみ図示している)が配置された、一実施形態による加熱プレートを備える。第1の平面501と第2の平面502は、電気絶縁層304によって互いから分離されている。送り分岐伝送ライン201Fは、第1の平面501に配置されたダイオード250Fを介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。戻り分岐伝送ライン201Rは、第1の平面501に配置されたダイオード250Rを介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。共通伝送ライン202は、ビア301を介して平面ヒータゾーン101に接続されている。ダイオード250Fは、平面ヒータゾーン101から送り分岐伝送ライン201Fへの電流の流れを禁じている。ダイオード250Rは、戻り分岐伝送ライン201Rから平面ヒータゾーン101への電流の流れを禁じている。
【0024】
図5は、基板支持アセンブリを示しており、これは、第1の平面501に平面ヒータゾーン101(1つのみ図示している)が配置され、第1の平面501に共通伝送ライン202(1つのみ図示している)が配置され、第3の平面503に送り分岐伝送ライン201F(1つのみ図示している)が配置され、第2の平面502に戻り分岐伝送ライン201R(1つのみ図示している)が配置された、一実施形態による加熱プレートを備える。第1の平面501、第2の平面502、および第3の平面503は、電気絶縁層504、304によって互いから分離されている。送り分岐伝送ライン201Fは、第3の平面503に配置されたダイオード250F、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。戻り分岐伝送ライン201Rは、第2の平面502に配置されたダイオード250R、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。共通伝送ライン202は、平面ヒータゾーン101に接続されている。ダイオード250Fは、平面ヒータゾーン101から送り分岐伝送ライン201Fへの電流の流れを禁じている。ダイオード250Rは、戻り分岐伝送ライン201Rから平面ヒータゾーン101への電流の流れを禁じている。
【0025】
図6は、基板支持アセンブリを示しており、これは、第1の平面501に平面ヒータゾーン101(1つのみ図示している)が配置され、第2の平面502に共通伝送ライン202(1つのみ図示している)が配置され、第3の平面503に送り分岐伝送ライン201F(1つのみ図示している)が配置され、第1の平面501に戻り分岐伝送ライン201R(1つのみ図示している)が配置された、一実施形態による加熱プレートを備える。第1の平面501、第2の平面502、および第3の平面503は、電気絶縁層504、304によって互いから分離されている。送り分岐伝送ライン201Fは、第3の平面503に配置されたダイオード250F、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。戻り分岐伝送ライン201Rは、第1の平面501に配置されたダイオード250Rを介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。共通伝送ライン202は、ビア301を介して平面ヒータゾーン101に接続されている。ダイオード250Fは、平面ヒータゾーン101から送り分岐伝送ライン201Fへの電流の流れを禁じている。ダイオード250Rは、戻り分岐伝送ライン201Rから平面ヒータゾーン101への電流の流れを禁じている。
【0026】
図7は、基板支持アセンブリを示しており、これは、第1の平面501に平面ヒータゾーン101(1つのみ図示している)が配置され、第1の平面501に共通伝送ライン202(1つのみ図示している)が配置され、第2の平面502に送り分岐伝送ライン201F(1つのみ図示している)および戻り分岐伝送ライン201R(1つのみ図示している)が配置された、一実施形態による加熱プレートを備える。第1の平面501と第2の平面502は、電気絶縁層304によって互いから分離されている。送り分岐伝送ライン201Fは、第2の平面502に配置されたダイオード250F、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。戻り分岐伝送ライン201Rは、第2の平面502に配置されたダイオード250R、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。ダイオード250Fは、平面ヒータゾーン101から送り分岐伝送ライン201Fへの電流の流れを禁じている。ダイオード250Rは、戻り分岐伝送ライン201Rから平面ヒータゾーン101への電流の流れを禁じている。
【0027】
図8は、基板支持アセンブリを示しており、これは、第1の平面501に平面ヒータゾーン101(1つのみ図示している)が配置され、第2の平面502に共通伝送ライン202(1つのみ図示している)が配置され、第3の平面503に送り分岐伝送ライン201F(1つのみ図示している)が配置され、第4の平面504に戻り分岐伝送ライン201R(1つのみ図示している)が配置された、一実施形態による加熱プレートを備える。第1の平面501、第2の平面502、第3の平面503、および第4の平面504は、電気絶縁層504、304、804によって互いから分離されている。送り分岐伝送ライン201Fは、第3の平面503に配置されたダイオード250F、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。戻り分岐伝送ライン201Rは、第4の平面504に配置されたダイオード250R、およびビア301を介して、平面ヒータゾーン101に接続されている。共通伝送ライン202は、ビア301を介して平面ヒータゾーン101に接続されている。ダイオード250Fは、平面ヒータゾーン101から送り分岐伝送ライン201Fへの電流の流れを禁じている。ダイオード250Rは、戻り分岐伝送ライン201Rから平面ヒータゾーン101への電流の流れを禁じている。
【0028】
簡略にするため、送り分岐伝送ライン201F、戻り分岐伝送ライン201R、共通伝送ライン202、ダイオード250、およびビア301を省略している図9に示すように、基板支持アセンブリは、1つまたは複数の追加のヒータ(以下、主ヒータ601と呼ぶ)が組み込まれた追加の電気絶縁層604を備えることができる。主ヒータ601は、個別に制御される高出力ヒータであることが好ましい。主ヒータの総出力は、100〜10000Wの間であり、好ましくは1000〜5000Wの間である。主ヒータは、矩形格子、同心環状ゾーン、放射状ゾーン、または環状ゾーンと放射状ゾーンの組み合わせなど、所望のパターンで配置することができる。主ヒータは、平均温度を変更するため、例えば径方向の温度制御を提供する同心状ヒータの空間温度プロファイルの粗調整のため、または基板上の段階的温度制御のために用いることができる。主ヒータは、加熱プレートの平面ヒータゾーンの上方または下方に配置することができる。
【0029】
一実施形態では、加熱プレート内の絶縁層のうち少なくとも1つは、ポリマ材料のシートである。他の実施形態では、加熱プレート内の絶縁層のうち少なくとも1つは、セラミックまたは酸化ケイ素といった無機材料のシートである。また、絶縁層は、ポリマ材料とセラミック材料の組み合わせとすることもできる。セラミック・チャックの製造に用いるのに適した絶縁性および導電性の材料の例は、本出願と譲受人が同一である米国特許第6483690号で開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
基板支持アセンブリは、一実施形態の加熱プレートを備えることができ、その加熱プレートの各平面ヒータゾーンは、基板上の1つの素子ダイまたは素子ダイ群と同じような大きさであるか、またはそれより小さく、これによって、基板からの素子の歩留まりを最大限に高めるように、各素子ダイの位置ごとに、基板温度ひいてはプラズマエッチング・プロセスを制御することができる。加熱プレートのスケーラブルなアーキテクチャによって、最小数の分岐伝送ライン、共通伝送ライン、および冷却プレートのフィードスルーで、ダイごとの基板温度制御(一般的には、300mm径の基板上に100個超のダイ)のために必要な平面ヒータゾーンの数に容易に適応することができ、これによって、基板温度への外乱、製造コスト、および基板支持アセンブリの電力ラインに接続を追加する複雑さ、が低減される。図示はしていないが、基板支持アセンブリは、基板を持ち上げるためのリフトピン、ヘリウムの背面冷却、温度フィードバック信号を提供するための温度センサ、加熱出力フィードバック信号を提供するための電圧および電流センサ、ヒータへの給電、および/またはクランプ電極、および/またはRFフィルタなどの機能を備えることができる。
【0031】
加熱プレートを製造する方法の一実施形態では、絶縁層はセラミックであり、これらの絶縁層は、プラズマ溶射、化学気相成長、またはスパッタリングなどの手法を用いて、適切な基板上にセラミックを堆積させることにより形成することができる。この層は、初期開始層、または加熱プレートの絶縁層の1つとすることができる。
【0032】
加熱プレートを製造する方法の一実施形態では、絶縁層はセラミックであり、これらの絶縁層は、セラミック粉末と結合剤と液体の混合物をプレスしてシートにし、それらのシート(以下、グリーンシートと呼ぶ)を乾燥させることにより形成することができる。グリーンシートは、約0.3mmの厚さなど、所望の厚さとすることができる。グリーンシートに孔を打ち抜くことにより、グリーンシートにビアを形成することができる。これらの孔には導電性粉末スラリーが充填される。ヒータエレメント、分岐伝送ラインおよび共通伝送ラインは、導電性粉末(例えば、W、WC、ドープSiC、またはMoSi2)スラリーのスクリーン印刷、予めカットした金属箔のプレス、導電性粉末スラリーの噴霧、または他の適切な手法により形成することができる。ダイオードを収容するための凹部を、グリーンシートの成形プロセス中にプレスするか、または成形プロセス後にグリーンシートにカットすることができる。これらの凹部に、ダイオードを実装することができる。そして、様々な構成部品(伝送ライン、ビア、ダイオード、およびヒータエレメント)を備える複数のグリーンシートを揃えて、プレスし、焼結させることにより、完全な加熱プレートを形成する。
【0033】
加熱プレートを製造する方法の他の実施形態では、絶縁層はセラミックであり、これらの絶縁層は、セラミック粉末と結合剤と液体の混合物をプレスしてグリーンシートとし、それらのグリーンシートを乾燥させることにより形成することができる。グリーンシートは、約0.3mmの厚さとすることができる。ビアのための孔がグリーンシートに打ち抜かれる。ダイオードを収容するための凹部を、グリーンシートの成形プロセス中にプレスするか、または成形プロセス後にグリーンシートにカットすることができる。次に、個々のグリーンシートを焼結させる。焼結されたシートのビアのための孔には、導電性粉末スラリーが充填される。ヒータエレメント、分岐伝送ラインおよび共通伝送ラインは、焼結シート上に、導電性粉末(例えば、W、WC、ドープSiC、またはMoSi2)スラリーでスクリーン印刷するか、または他の適切な手法を用いて形成することができる。そして、様々な構成部品(伝送ライン、ビア、ダイオード、およびヒータエレメント)を備える複数の焼結シートを揃えて、接着剤で接合することにより、完全な加熱プレートを形成する。
【0034】
絶縁層が酸化ケイ素シートである一実施形態では、それらの絶縁層は、蒸着、スパッタリング、PVD、CVD、PECVDなどの手法を用いて、適切な基板上に酸化ケイ素薄膜を堆積させることにより形成することができる。
【0035】
加熱プレートを製造する方法の好ましい一実施形態では、Al、インコネル(登録商標)またはCuの箔といった薄い金属シート(構成部品層)を、ポリイミドなどの第1のポリマ膜に接合(例えば、加熱プレス、接着剤で接着)する。パターニングされたレジスト膜が構成部品層の表面に塗布され、このとき、それらのパターンは、ヒータエレメント、分岐伝送ラインまたは共通伝送ラインといった電気部品の形状および位置を画定している。露出した金属は化学的にエッチングされて、レジストパターンが残りの金属シートに保持される。その後、レジストは、適切な溶液での溶解または乾式剥離により除去される。ビアのための孔を有する第2のポリマ膜(ビア層)が、第1のポリマ膜に揃えて接合される。孔の側壁には、そこへの金属めっきにより被覆を施してもよい。任意の適切な数の構成部品層とビア層を直列に組み込むことができる。最後に、露出した金属構成部品が、電気絶縁用の連続ポリマ膜で覆われる。
【0036】
別の実施形態では、ヒータエレメント、分岐伝送ラインおよび共通伝送ラインは、絶縁層または基板(例えば、グリーンシート)の上に堆積(例えば、プラズマ溶射、電気めっき、化学気相成長、またはスパッタリング)された金属膜で構成される。
【0037】
別の実施形態では、ヒータエレメント、分岐伝送ラインおよび共通伝送ラインは、絶縁層または基板(例えば、グリーンシート)の上に堆積(例えば、電気めっき、化学気相成長、またはスパッタリング)されたインジウム・スズ酸化物などの非晶質導電性無機膜の薄層で構成される。
【0038】
さらに別の実施形態では、ヒータエレメント、送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、および共通伝送ラインは、絶縁層または基板(例えば、グリーンシート)の上に堆積(例えば、化学気相成長、またはスパッタリング)された導電性セラミック膜の薄層で構成される。
【0039】
一実施形態では、冷却プレートに埋め込まれているが電気的には絶縁されているバネ付きパススルーなどの端子コネクタによって、加熱プレートの送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、および共通伝送ラインを、外部回路に接続することができる。
【0040】
別の実施形態では、リード線を分岐伝送ラインおよび共通伝送ラインに接続(ハンダ付け、導電性接着剤で接合、またはスポット溶接)し、これらのリード線を冷却プレートの貫通孔またはコンジットに通すことにより、加熱プレートの送り分岐伝送ライン、戻り分岐伝送ライン、および共通伝送ラインを、外部回路に接続することができる。
【0041】
図10は、平面ヒータゾーン101のうちの1つの、送り分岐伝送ライン201F、戻り分岐伝送ライン201R、共通伝送ライン202、およびダイオード250F、250Rへの電気的接続を示している。これらの電気部品を通る電流の流れを、コントローラ1000によって制御する。コントローラ1000は、直流電源装置、交流電源装置、ならびに少なくとも1つの電源装置を制御するためのロジック(ハードウェアまたはソフトウェア)などの要素を備えることができる。コントローラ1000は、数ある技術の中でも特に、各種電源装置を異なる伝送ラインにルーティングするためのロジック、電源装置をオン/オフに切り替えるためのロジック、電圧または電流に基づいて電力量を設定するためのロジック、および交流周波数を設定するためのロジックを含むことができる。
【0042】
図11は、平面ヒータゾーン101のアレイを有する一実施形態の加熱プレートを備える基板支持アセンブリの概略図を示している。各平面ヒータゾーン101は、送り分岐伝送ライン201F、その送り分岐伝送ライン201Fに対応する戻り分岐伝送ライン201R、および共通伝送ライン202に接続されている。ダイオード250Fが、(図11に示すように)各平面ヒータゾーン101とそれに接続された送り分岐伝送ライン201Fとの間に直列に接続されて、このダイオード250Fにより、平面ヒータゾーン101から送り分岐伝送ライン201Fへの電流の流れを禁じている。ダイオード250Rが、各平面ヒータゾーン101とそれに接続された戻り分岐伝送ライン201Rとの間に直列に接続されて、このダイオード250Rにより、戻り分岐伝送ライン201Rから平面ヒータゾーン101への電流の流れを禁じている。これらのダイオード250F、250Rは、物理的には、加熱プレート内またはいずれかの適切な場所に配置することができる。
【0043】
直流電源方式では、コントローラ1000は、ヒータゾーン101を分岐伝送ラインと共通伝送ラインのペアに選択的に接続することができ、例えば、送り分岐伝送ライン201Fを電気的に切り離すか、またはこれに通電し、戻り分岐伝送ライン201Rを電気的に切り離すか、またはこれを電気的コモンに接続し、共通伝送ライン202を電気的コモンに接続するか、またはこれに通電することができる。
【0044】
コントローラ1000は、以下の例示的な方式で、交流電流により平面ヒータゾーン101を駆動することができる。平面ヒータゾーン101を交流電流で駆動することは、基板支持アセンブリの上方で、プラズマ均一性に悪影響を及ぼし得る直流電磁場効果を最小限に抑えるという効果がある。交流電流の周波数は、好ましくは最低でも10Hz、より好ましくは最低でも100Hz、最も好ましくは最低でも1000Hzであり、あるいはさらに高いが、プラズマに対して高周波の影響を直接的に引き起こすほどは高くない周波数である。
【0045】
第1の例示的な方式では、正の定電圧を出力する単一の直流電源装置を使用する。平面ヒータゾーン101がオンにされると、コントローラ1000は、表1に示すようなステート1とステート2との間で、高速周期で交互に切り替えることにより、矩形波交流電流を平面ヒータゾーン101に供給する。
【表1】
【0046】
第2の例示的な方式では、正と負の電圧を交互に出力する交流電源装置を使用する。平面ヒータゾーン101がオンにされると、コントローラ1000は、送り分岐伝送ライン201Fと、戻り分岐伝送ライン201Rの両方を、交流電源装置に接続し、電気的コモンを共通伝送ライン202に接続する。好ましくは、交流電源装置からの出力は直流成分を持たず、すなわち、交流電源装置から出力される電流の時間平均はゼロに略等しい。
【0047】
あるいは、上記の単一の直流電源装置は、デュアル出力直流電源装置、単一スイッチを備えたバイポーラ直流電源装置、または他の適切な構成で置き換えることができる。
【0048】
好ましくは、送り分岐伝送ライン201Fと、それに対応する戻り分岐伝送ライン201Rとは、物理的に相互に近接した経路で配線される。すなわち、送り分岐伝送ライン201Fから平面ヒータゾーン101と共通伝送ライン202を通って流れる電流で囲まれた領域は、共通伝送ライン202から平面ヒータゾーン101と戻り分岐伝送ライン201Rを通って流れる電流で囲まれた領域に、基本的に重なる。例えば、送り分岐伝送ライン201Fと、それに対応する戻り分岐伝送ライン201Rとが、異なる平面に配置される場合、それらを、一方が他方に基本的に重なるような経路で配線することができる。
【0049】
実行されるプロセスに応じて、ヒータプレートは、所望のプロセス要件を達成するのに適した個数のヒータゾーンを有することができる。例えば、ヒータプレートは、少なくとも10個の、少なくとも100個の、そして最大1000個までのヒータゾーンを有することができ、例えば、100〜1000個のヒータゾーンを有することができる。例えば、ヒータアレイは、少なくとも16個、25個、36個、49個、64個、81個、100個、121個、144個、149個、196個、225個、256個、289個、324個のヒータゾーン、またはさらに多くのヒータゾーンを含むことができる。
【0050】
上記のサイズのヒータ構成では、ESC全体に分配するために、約1KWまたはさらに多くを必要とし得る。これは、電力を所望の使用場所に運ぶため、個々の通電用導電性トレースが、高電流通電用バスと併せて、ESCセラミック内に配置されることを意味する。関連するスイッチング/制御回路によって、電流を如何にしてどこに分配するのかを制御し、これは、アナログ制御もしくはデジタル制御、または両制御の混合のいずれかを用いて実現することができる。デジタルスイッチングの利点として、その場合の制御は、時分割多重化方式およびパルス幅変調(PWM)方式によって実施されるものの、より簡単で、より効率的であることが挙げられる。そのような電流が、オンとオフで切り替えられ、ESCの表面下ひいてはウェハの下で様々な経路で流れることで、かなりの電磁場が生じることがあり、これによって、処理中のプラズマに対して、ひいてはウェハのプラズマ処理に対して、(望ましくない)変化を発生させることがある。関わる電流は、ヒータゾーンごとに最大で3Aまたはさらに大きく、特にバス群では、群ごとに最大で35Aまたはさらに大きく、これによって、最大で1ガウスおよびこれを超える磁場を、ウェハ上方のプラズマ領域内に生じさせることがある。このような大きさの磁場が、ウェハ上方の室内ボリューム中で全体に印加されると、ウェハにおいて1nmのオーダのCD変化が生じることがあり、これは、顧客仕様を満たすためには、容認できない場合がある。
【0051】
そこで、ESCから発生する電磁場を低減することが有効となり得る。長所および短所が異なる様々な手法を、個々に、または組み合わせて用いることができる。1つの考え方は、相殺的に干渉する磁場を作り出すことである。簡単に言えば、電磁場を、反対の電磁場の近くに設定することで、これら2つが互いに打ち消し合って、ESC上方で正味の磁場が低減する。もう1つの考え方は、流れる最大電流をより少なくし、さらに/またはインダクタンスを最小限とするように、ESCをレイアウトすることであり、これにより、発生する電磁場を制限する。
【0052】
互いに打ち消し合う反対の電磁場を作り出すように、電力ラインを空間的に配置することができ、これにより、ESC上方の正味の磁場が低減し、ひいてはプラズマ不均一性が低減する。例えば、電力ラインは、水平面内で互いに隣り合うように配置することができる。あるいは、電力ラインは、垂直面内で上下に重なるように配置することができる。電力ラインの対角構成を採用することもできる。加えて、互いに略平行となるように電力ラインを配置することで、ESC上方の正味の磁場を最小限に抑えることができる。
【0053】
別の考え方は、電力ライン自体の特性を変えることである。幅広であるが低背の電力ラインは、より細幅であるが背高の電力ラインとは、結果的に生じる磁場が異なる。加えて、同軸配置を採用すると、プラズマ不均一性を低減するのに、より効果的であり得る。
【0054】
理想的な空間配置では、上記の手法を組み合わせて用いることができる。例えば、電力ラインが幅広かつ低背である場合には、それらを垂直面内に配置することが、正味の電磁場を低減する最も効果的な方法であり得る。一方、電力ラインが、より背高であって、それほど幅広ではない場合には、水平または対角配置が、より効果的となり得る。このように空間的に配置された電力ラインの2つに、電流が反対方向に流れるようにする手法によって、結果的に正味の磁場を低減させることができる。空間的配置および電力ライン特性の最適な構成が、適用ごとに異なり得ることは、当業者には明らかであろう。
【0055】
加熱プレート、その加熱プレートを製造する方法、その加熱プレートを備える基板支持アセンブリ、その加熱プレートへの通電のためのコントローラについて、その具体的な実施形態を参照して詳細に説明したが、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、種々の変更および変形を実施すること、および均等物を採用することが可能であることは、当業者には明らかであろう。例えば、基板支持アセンブリは、基板温度を監視するための温度センサ、ESCに所望のクランプ電圧で通電するための給電構成、基板を上げ下げするためのリフトピン構成、基板の下面にヘリウムなどのガスを供給するための伝熱ガス供給構成、冷却プレートに熱伝導液を供給するための温度制御液体供給構成、平面ヒータゾーンの上方または下方にある主ヒータに個別に通電するための給電構成、基板支持アセンブリに組み込まれた下部電極に1つ以上の周波数でRF電力を供給するための給電構成、などを含むことができる。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
[適用例1]
半導体処理装置において半導体基板を支持するために用いられる基板支持アセンブリ用の加熱プレートであって、該加熱プレートは、
第1の電気絶縁層と、
前記第1の電気絶縁層上に横方向に分布する第1、第2、第3、第4の平面ヒータゾーンを少なくとも含む平面ヒータゾーンであって、前記基板上の空間温度プロファイルを調整するように機能する平面ヒータゾーンと、
前記第1と前記第2の平面ヒータゾーンに電気的に接続された第1の導電性電力ラインおよび前記第3と前記第4の平面ヒータゾーンに電気的に接続された第2の導電性電力ラインを少なくとも含む第1の電力ラインと、
前記第1と前記第3の平面ヒータゾーンに電気的に接続された第3の導電性電力ラインおよび前記第2と前記第4の平面ヒータゾーンに電気的に接続された第4の導電性電力ラインを少なくとも含む第2の電力ラインと、を備え、
前記電力ラインは、当該加熱プレート上方の電磁場を最小限に抑えて、かかる電磁場に起因するプラズマ不均一性を低減するように、空間的に配置されている、加熱プレート。
[適用例2]
適用例1の加熱プレートであって、
少なくとも第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8のダイオードをさらに備え、
前記第1の電力ラインは、第1、第2、第3、第4の導電性分岐伝送ラインを含む分岐伝送ラインであり、
前記第2の電力ラインは、第1と第2の導電性共通伝送ラインを含む共通伝送ラインであり、
前記第1のダイオードのアノードは、前記第1の分岐伝送ラインに接続されており、前記第1のダイオードのカソードは、前記第1のヒータゾーンに接続されており、
前記第2のダイオードのアノードは、前記第1のヒータゾーンに接続されており、前記第2のダイオードのカソードは、前記第3の分岐伝送ラインに接続されており、
前記第3のダイオードのアノードは、前記第1の分岐伝送ラインに接続されており、前記第3のダイオードのカソードは、前記第2のヒータゾーンに接続されており、
前記第4のダイオードのアノードは、前記第2のヒータゾーンに接続されており、前記第4のダイオードのカソードは、前記第3の分岐伝送ラインに接続されており、
前記第5のダイオードのアノードは、前記第2の分岐伝送ラインに接続されており、前記第5のダイオードのカソードは、前記第3のヒータゾーンに接続されており、
前記第6のダイオードのアノードは、前記第3のヒータゾーンに接続されており、前記第6のダイオードのカソードは、前記第4の分岐伝送ラインに接続されており、
前記第7のダイオードのアノードは、前記第2の分岐伝送ラインに接続されており、前記第7のダイオードのカソードは、前記第4のヒータゾーンに接続されており、
前記第8のダイオードのアノードは、前記第4のヒータゾーンに接続されており、前記第8のダイオードのカソードは、前記第4の分岐伝送ラインに接続されており、
前記第1の共通伝送ラインは、前記第1と前記第3のヒータゾーンの両方に接続されており、
前記第2の共通伝送ラインは、前記第2と前記第4のヒータゾーンの両方に接続されている、加熱プレート。
[適用例3]
適用例2の加熱プレートであって、
(a)前記平面ヒータゾーンは、第1の平面内にあり、前記共通伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第2の平面内にあり、前記分岐伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第3の平面内にあり、前記第1、前記第2、前記第3の平面は、前記第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層によって互いから分離されており、前記共通伝送ラインは、前記第1の電気絶縁層内に垂直に延在するビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されており、前記分岐伝送ラインは、前記第1と前記第2の電気絶縁層内に垂直に延在するビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されている、あるいは、
(b)前記平面ヒータゾーンおよび前記分岐伝送ラインは、第1の平面内にあり、前記共通伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第2の平面内にあり、前記第1と前記第2の平面は、前記第1の電気絶縁層によって互いから分離されており、前記共通伝送ラインは、前記第1の電気絶縁層内に垂直に延在するビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されている、あるいは、
(c)前記平面ヒータゾーンおよび前記共通伝送ラインは、第1の平面内にあり、前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第3の平面内にあり、前記第3と前記第4の分岐伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第2の平面内にあり、前記第1と前記第2の平面は、前記第1の電気絶縁層によって分離されており、前記第2と前記第3の平面は、第2の電気絶縁層によって分離されており、前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは、前記第1と前記第2の電気絶縁層に貫通して延びるビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されており、前記第3と前記第4の分岐伝送ラインは、前記第1の電気絶縁層に貫通して延びるビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されている、あるいは、
(d)前記平面ヒータゾーンおよび前記第3と前記第4の分岐伝送ラインは、第1の平面内にあり、前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第3の平面内にあり、前記共通伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第2の平面内にあり、前記第1と前記第2の平面は、前記第1の電気絶縁層によって分離されており、前記第2と前記第3の平面は、第2の電気絶縁層によって分離されており、前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは、前記第1と前記第2の電気絶縁層に貫通して延びるビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されており、前記共通伝送ラインは、前記第1の電気絶縁層に貫通して延びるビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されている、あるいは、
(e)前記平面ヒータゾーンおよび前記共通伝送ラインは、第1の平面内にあり、前記分岐伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第2の平面内にあり、前記第1と前記第2の平面は、前記第1の電気絶縁層によって互いから分離されており、前記分岐伝送ラインは、前記第1の電気絶縁層内に垂直に延在するビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されている、あるいは、
(f)前記平面ヒータゾーンは、第1の平面内にあり、前記共通伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第2の平面内にあり、前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第3の平面内にあり、前記第3と前記第4の分岐伝送ラインは、前記第1の平面に平行な第4の平面内にあり、前記第1と前記第2の平面は、前記第1の電気絶縁層によって分離されており、前記第2と前記第3の平面は、第2の電気絶縁層によって分離されており、前記第3と前記第4の平面は、第3の電気絶縁層によって分離されており、前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは、前記第1と前記第2の電気絶縁層に貫通して延びるビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されており、前記第3と前記第4の分岐伝送ラインは、前記第1、前記第2、前記第3の電気絶縁層に貫通して延びるビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されており、前記共通伝送ラインは、前記第1の電気絶縁層に貫通して延びるビアによって前記平面ヒータゾーンに電気的に接続されている、加熱プレート。
[適用例4]
適用例2の加熱プレートであって、
前記平面ヒータゾーンの大きさは、
(a)各平面ヒータゾーンが、前記半導体基板上に作られる4つの素子ダイ以下の大きさであるか、または、
(b)各平面ヒータゾーンが、前記半導体基板上に作られる2つの素子ダイ以下の大きさであるか、または、
(c)各平面ヒータゾーンが、前記半導体基板上に作られる1つの素子ダイ以下の大きさであるか、または、
(d)各平面ヒータゾーンの面積が、2〜3平方センチメートルの間であるか、または、
(e)当該加熱プレートに100〜400個の平面ヒータゾーンが含まれるか、または、
(f)各平面ヒータゾーンが、1〜15cm2であるか、または、
(g)各平面ヒータゾーンが、16〜100cm2であるか、または、
(h)各平面ヒータゾーンの大きさが、前記半導体基板上の素子ダイのサイズおよび前記半導体基板の全体サイズに応じて調整される、ようになっている、加熱プレート。
[適用例5]
適用例2の加熱プレートであって、
(a)前記第1の電気絶縁層は、ポリマ材料、セラミック材料、またはそれらの組み合わせを含み、さらに/または(b)前記平面ヒータゾーンの総面積は、当該加熱プレートの上面の50%〜90%または90%超であり、さらに/または(c)前記平面ヒータゾーンは、矩形格子、六角格子、もしくは円形状に配置されており、前記平面ヒータゾーンは、幅が少なくとも1ミリメートルかつ幅が最大で10ミリメートルの間隙によって互いから分離されている、加熱プレート。
[適用例6]
適用例2の加熱プレートであって、
当該加熱プレートを交流電流で駆動することが可能であるように、当該加熱プレートは、電力信号を整流するように構成されている、加熱プレート。
[適用例7]
適用例1の加熱プレートであって、
前記第1の電力ラインの電流は、前記第2の電力ラインの電流とは反対方向に流される、加熱プレート。
[適用例8]
適用例7の加熱プレートであって、
(a)ヒータゾーンはダイオードに電気的に接続されて、該ダイオードは、さらに電力ラインに電気的に接続されており、または(b)1つの電力ラインのセグメントは、垂直面内で他の電力ラインのセグメントの上方にあり、または(c)1つの電力ラインのセグメントは、他の電力ラインのセグメントに平行かつ隣接しており、または(d)各ヒータゾーンは、3つの電力ラインに電気的に接続されており、または(e)少なくとも10個のヒータを備えており、または(f)前記第1と前記第2の電力ラインはそれぞれ、少なくとも約1キロワットの電力を各ヒータゾーンに伝えるように構成されており、または(g)少なくとも1つの電力ラインは、高電流通電用バスであるように構成されている、加熱プレート。
[適用例9]
適用例7の加熱プレートであって、
(a)前記ヒータゾーンは、矩形格子、六角格子、円形状、同心環状からなる群から選択されたパターンで配置されており、または(b)各ヒータゾーンは、電源による供給を個別に受けることが可能であり、または(c)当該加熱プレートの第1の半分の上にあるヒータゾーンに電気的に接続されている電力ラインは、当該加熱プレートの前記第1の半分の上にないヒータゾーンには電気的に接続されていない、または(d)前記ヒータゾーンは、ヒータゾーンの個数の平方根の2倍よりも多い数の電力ラインに接続されている、加熱プレート。
[適用例10]
基板支持アセンブリであって、
当該基板支持アセンブリ上で半導体基板を静電的に固定するように構成された、少なくとも1つのクランプ電極を有する静電固定層を含む静電チャック(ESC)と、
前記静電固定層の下方に配置された、適用例2の加熱プレートと、
断熱層によって前記加熱プレートの下側に装着された冷却プレートと、を備える、基板支持アセンブリ。
[適用例11]
適用例10の基板支持アセンブリであって、
(a)前記冷却プレート内の少なくとも1つの分岐伝送コンジットを通って延びる互いから電気的に絶縁されたリード線に、前記分岐伝送ラインが接続され、さらに、前記冷却プレート内の少なくとも1つの共通伝送コンジットを通って延びる互いから電気的に絶縁されたリード線に、前記共通伝送ラインが接続されている、あるいは、
(b)前記分岐伝送ラインおよび前記共通伝送ラインは、前記冷却プレートに埋め込まれた端子コネクタに接続されている、基板支持アセンブリ。
[適用例12]
適用例10の基板支持アセンブリであって、
前記平面ヒータゾーンのうちの1つまたは複数に対して選択的に交流電流を供給するように機能するコントローラをさらに備える、基板支持アセンブリ。
[適用例13]
適用例12の基板支持アセンブリであって、
前記コントローラは、
(a)交流電源装置を前記第1と前記第3の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1の共通伝送ラインに接続することにより、前記第1の平面ヒータゾーンのみに対して、
(b)前記交流電源装置を前記第1と前記第3の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第2の共通伝送ラインに接続することにより、前記第2の平面ヒータゾーンのみに対して、
(c)前記交流電源装置を前記第2と前記第4の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1の共通伝送ラインに接続することにより、前記第3の平面ヒータゾーンのみに対して、
(d)前記交流電源装置を前記第2と前記第4の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第2の共通伝送ラインに接続することにより、前記第4の平面ヒータゾーンのみに対して、
(e)前記交流電源装置を前記第1と前記第3の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1と前記第2の共通伝送ラインに接続することにより、前記第1と前記第2の平面ヒータゾーンのみに対して、
(f)前記交流電源装置を前記第1、前記第2、前記第3、前記第4の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1の共通伝送ラインに接続することにより、前記第1と前記第3の平面ヒータゾーンのみに対して、
(g)前記交流電源装置を前記第1、前記第2、前記第3、前記第4の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第2の共通伝送ラインに接続することにより、前記第2と前記第4の平面ヒータゾーンのみに対して、
(h)前記交流電源装置を前記第2と前記第4の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1と前記第2の共通伝送ラインに接続することにより、前記第3と前記第4の平面ヒータゾーンのみに対して、
(i)前記交流電源装置を前記第1、前記第2、前記第3、前記第4の分岐伝送ラインに接続するとともに、電気的コモンを前記第1と前記第2の共通伝送ラインに接続することにより、前記平面ヒータゾーンのすべてに対して、選択的に交流電流を供給するように機能する、基板支持アセンブリ。
[適用例14]
適用例13の基板支持アセンブリであって、
前記交流電源装置からの交流電流は、直流成分を持たない、基板支持アセンブリ。
[適用例15]
適用例12の基板支持アセンブリであって、
前記コントローラは、
(a)前記第1の分岐伝送ラインは直流電源装置に接続され、かつ前記第3の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第1の平面ヒータゾーンのみに対して、
(b)前記第1の分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第2の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第2の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第2の平面ヒータゾーンのみに対して、
(c)前記第2の分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第4の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第2の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第4の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第3の平面ヒータゾーンのみに対して、
(d)前記第2の分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第4の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第2の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第2の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第4の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第2の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第4の平面ヒータゾーンのみに対して、
(e)前記第1の分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1と前記第2の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1と前記第2の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第1と前記第2の平面ヒータゾーンのみに対して、
(f)前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3および前記第4の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1および前記第2の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3と前記第4の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第1と前記第3の平面ヒータゾーンのみに対して、
(g)前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3および前記第4の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第2の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1および前記第2の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3と前記第4の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第2の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第2と前記第4の平面ヒータゾーンのみに対して、
(h)前記第2の分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第4の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1と前記第2の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第2の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第4の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1と前記第2の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記第3と前記第4の平面ヒータゾーンのみに対して、
(i)前記第1と前記第2の分岐伝送ラインは前記直流電源装置に接続され、かつ前記第3および前記第4の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第1と前記第2の共通伝送ラインは電気的コモンに接続されたステートと、前記第1および前記第2の分岐伝送ラインは電気的に切り離され、かつ前記第3と前記第4の分岐伝送ラインは電気的コモンに接続され、かつ前記第1と前記第2の共通伝送ラインは前記直流電源装置に接続されたステートとの間で、周期的に交互に切り替えることにより、前記平面ヒータゾーンのすべてに対して、選択的に交流電流を供給するように機能し、
前記直流電源装置は、定電圧を出力する、基板支持アセンブリ。
[適用例16]
適用例12の基板支持アセンブリであって、
前記交流電流は、最低でも10Hzの周波数である、基板支持アセンブリ。
[適用例17]
適用例10の基板支持アセンブリであって、
前記加熱プレートの前記第1の電気絶縁層の上方または下方に配置された、少なくとも1つの主ヒータ層をさらに備え、
前記主ヒータ層は、前記加熱プレートの前記平面ヒータゾーン、前記分岐伝送ライン、前記共通伝送ラインから電気的に絶縁されており、
前記主ヒータ層は、前記半導体基板の平均温度制御を提供する少なくとも1つのヒータを含み、
前記平面ヒータゾーンは、前記半導体基板の径方向および角度方向の温度プロファイル制御を、その処理中に提供する、基板支持アセンブリ。
[適用例18]
適用例17の基板支持アセンブリであって、
前記主ヒータ層は2つ以上のヒータを含む、基板支持アセンブリ。
[適用例19]
適用例10の基板支持アセンブリであって、
デジタル電力を生成することが可能な電力コントローラをさらに備える、基板支持アセンブリ。
[適用例20]
適用例10の基板支持アセンブリであって、
時分割多重化電力、パルス幅変調電力、交流電力、または直流相交流電力のうち、少なくとも1つを生成することが可能な電力コントローラをさらに備える、基板支持アセンブリ。
図1
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