(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような三次元座標測定機では、プローブヘッドの小型化や高い測定精度が求められる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、小型化を実現しつつ高い測定精度を発揮することが可能な三次元座標測定機用プローブヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る三次元座標測定機用プローブヘッドは、第1の弾性機構と、第2の弾性機構とを具備する。
前記第1の弾性機構は、第1の対象物の中心に対して対称に構成され、弾性力により前記第1の対象物を第1の方向に変位可能に支持する。
前記第2の弾性機構は、前記第1の対象物の内部に配置された第2の対象物の中心に対して対称となるように、前記第1の対象物の内部に構成され、弾性力により前記第2の対象物を前記第1の方向に直交する第2の方向に変位可能に支持する。
【0008】
この三次元座標測定機用プローブヘッドでは、変位を検出する対象となる第1の対象物の中心に対して対称に第1の弾性機構が設けられる。また第1の対象物の内部に第2の対象物と第2の弾性機構が設けられる。第2の弾性機構は、第2の対象物の中心に対して対称に構成される。これによりプローブヘッドの小型化を実現することができる。また第1及び第2の方向の各変位の測定におけるアッベのオフセット量を抑えることが可能となり、高い測定精度を発揮することが可能となる。
【0009】
前記第2の対象物の中心は、前記第1の対象物の中心と等しくてもよい。
これにより第1及び第2の方向の各変位の測定において、アッベのオフセット量を互いに略等しくすることが可能となり、高い測定精度が発揮される。
【0010】
前記第1の弾性機構は、前記第2の方向で前記第1の対象物の両外側に、前記第1の対象物に連結された第1のヒンジ機構を有してもよい。
このプローブヘッドでは、第2の方向で第1の対象物の両外側に、第1のヒンジ機構が構成される。これにより構造の簡素化及び測定精度の向上を図ることができる。
【0011】
前記第1のヒンジ機構は、前記第1の対象物の前記第2の方向で対向する一対の側面部の一方に連結される1以上のヒンジ要素からなる第1のヒンジ部と、前記一対の側面部の他方に連結される1以上のヒンジ要素からなる第2のヒンジ部とを有してもよい。
このプローブヘッドでは、第1の対象物の側面部にそれぞれ1以上のヒンジ要素からなる第1及び第2のヒンジ部がそれぞれ連結される。これにより構造の簡素化及び測定精度の向上を図ることができる。
【0012】
前記第2の弾性機構は、前記第1の方向で前記第2の対象物の両外側に、前記第2の対象物に連結された第2のヒンジ機構を有してもよい。
このプローブヘッドでは、第1の方向で第2の対象物の両外側に第2のヒンジ機構が構成される。これにより構造の簡素化及び測定精度の向上を図ることができる。
【0013】
前記第2のヒンジ機構は、前記第2の対象物の前記第1の方向で対向する一対の側面部の一方に連結される1以上のヒンジ要素からなる第3のヒンジ部と、前記一対の側面部の他方に連結される1以上のヒンジ要素からなる第4のヒンジ部とを有してもよい。
このプローブヘッドでは、第2の対象物の側面部にそれぞれ1以上のヒンジ要素からなる第3及び第4のヒンジ部がそれぞれ連結される。これにより構造の簡素化及び測定精度の向上を図ることができる。
【0014】
前記各第1の弾性機構は、前記第2の方向に沿ってそれぞれ配置された前記第1の方向で互いに対向する一対の第1の板バネと、前記一対の第1の板バネの前記第2の方向におけるそれぞれの両端を支持する第1の支持部とを有してもよい。この場合、前記一対の第1の板バネは、それぞれの前記両端の間の部分にて、前記第1の対象物を支持してもよい。
このプローブヘッドでは、一対の第1の板バネの両端が支持され、両端の間の部分にて第1の対象物が支持される。一対の板バネを用いることで構造の簡素化を図ることができる。また測定精度を向上させることができる。
【0015】
前記各第2の弾性機構は、前記第1の方向に沿ってそれぞれ配置された前記第2の方向で互いに対向する一対の第2の板バネと、前記一対の第2の板バネの前記第1の方向におけるそれぞれの両端を支持する第2の支持部とを有してもよい。この場合、前記一対の第2の板バネは、それぞれの前記両端の間の部分にて、前記第2の対象物を支持してもよい。
このプローブヘッドでは、両端が支持された一対の第2の板バネにより、第2の対象物が支持される。これにより構造の簡素化を図ることができ測定精度を向上させることができる。
【0016】
前記三次元座標測定機用プローブヘッドは、さらに、前記第1の対象物の前記第1の方向における第1の変位と、前記第2の対象物の前記第2の方向における第2の変位とをそれぞれ検出する第1の検出機構を具備してもよい。
【0017】
前記第1の検出機構は、前記第1の対象物の中心に中心位置が合わせられたリング状のディスクと、前記ディスクに配置された前記第1の変位を検出する第1のセンサ部と、前記ディスクに配置された前記第2の変位を検出する第2のセンサ部とを有してもよい。
これにより第1の対象物の中心から近い位置に第1及び第2のセンサ部を設けることができ、アッベのオフセット量を抑えることが可能となる。またリング状のディスクを用いることで、第1及び第2の方向におけるアッベのオフセット量を互いに略等しくすることが可能となる。この結果、高い測定精度を発揮させることが可能となる。
【0018】
前記三次元座標測定機用プローブヘッドは、さらに、支持機構と、第2の検出機構とを具備してもよい。
前記支持機構は、前記第1の対象物の中心に配置され、前記第1及び前記第2の対象物に接続される測定子を、前記第1及び前記第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向に変位可能に支持する。
前記第2の検出機構は、前記測定子の前記第3の方向における第3の変位を検出する。
【0019】
前記支持機構は、前記第3の方向で前記第2の対象物の両外側に配置された2枚のダイアフラムを有してもよい。この場合、前記第2の検出機構は、前記第2の対象物の中心から前記第3の方向に延在する中心軸上に配置された第3のセンサ部を有してもよい。
支持機構として2枚のダイアフラムを用いることで、プローブヘッドの小型化を図ることができる。また上記した中心軸に第3のセンサ部を配置することで、アッベのオフセット量を略ゼロにすることが可能となる。この結果、高い測定精度を発揮させることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、小型化を実現しつつ高い測定精度を発揮することが可能な三次元座標測定機用プローブヘッドを提供することができる。なお、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
<第1の実施形態>
[形状測定装置]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る形状測定装置の構成例を示す概略図である。形状測定装置500は、三次元座標測定機1及びコンピュータ2を有する。
【0024】
三次元座標測定機1は、定盤10と、Y軸駆動機構11と、Yブリッジ12と、Xキャリッジ13と、Zラム14とを有する。定盤10は、被測定物Wを載置するベース面15が、水平面(
図1のXY平面)と平行となるように設置される。Y軸駆動機構11は、定盤10のX方向の一端に、Y方向に延在するように設置される。
【0025】
Yブリッジ12は、門型の構造をなし、Yコラム16と、Yサポータ17と、Xビーム18とを有する。Yコラム16は、Y軸駆動機構11上に垂直方向(Z方向)に延在するように設置される。Yサポータ17は、X方向でYコラム16と対向するように、定盤10上の他端に設置される。Yサポータ17の下端は、エアーベアリング等によりY方向に移動可能に支持される。
【0026】
Xビーム18は、X方向に延在し、Yコラム16及びYサポータ17により両端が支持される。Y軸駆動機構11が駆動すると、Yコラム16、Yサポータ17、及びXビーム18が、Y方向に一体的に移動される。Xキャリッジ13は、Z方向に延在するように、Xビーム18に設置される。Xキャリッジ13は、Xビーム18に備えられたX軸駆動機構により、Xビーム18に対してX方向に移動可能に構成される。
【0027】
Zラム14は、Z方向に延在するように、Xキャリッジ13に設置される。Zラム14は、Xキャリッジに備えられたZ軸駆動機構により、Xキャリッジ13に対してZ方向に移動可能に構成される。
図1に示すようにZラム14の下端には、プローブヘッド100が装着される。
【0028】
Y軸駆動機構11やその他のX軸、及び、Z軸の駆動機構がコンピュータ2により制御されることで、XYZの3軸で構成される測定座標区間内で、プローブヘッド100を駆動走査することが可能となる。
【0029】
また三次元座標測定機1には、プローブヘッド100の変位を検出するためにリニアエンコーダ部19が設置される。このリニアエンコーダ部19は、プローブヘッド100が駆動走査される際に、XYZの各方向の変位量、または位置のデータを出力する。
【0030】
図1に示すように、リニアエンコーダ部19は、X軸リニアエンコーダ19x、Y軸リニアエンコーダ19y、及びZ軸リニアエンコーダ19zを有する。X軸リニアエンコーダ19xは、Xビーム18に配置され、Xキャリッジ13のX方向の変位量を検出する。Y軸リニアエンコーダ19yは、Y軸駆動機構11の近傍に配置され、Yブリッジ12のY方向の変位量を検出する。Z軸リニアエンコーダ19zは、Xキャリッジ13に配置され、Zラム14のZ方向の変位量を検出する。
【0031】
プローブヘッド100には、スタイラス(測定子)30が着脱可能に取り付けられる。スタイラス30の先端には、例えば球状の先端球31が設けられる。先端球31は、定盤10上に載せられた被測定物Wに接触し、その基準位置(中立位置)から所定の押し込み量だけプローブヘッド100の内部へ押し込まれる。この結果、スタイラス30は、XYZの各方向において並進変位する。
【0032】
プローブヘッド100に内蔵された変位検出部により押し込み量(X,Y,Zの各方向)が検出され、その際の先端球31のXYZ座標値(基準位置からのシフト量)がコンピュータ2に取り込まれる。変位検出部については後に詳しく説明する。
【0033】
コンピュータ2は、三次元座標測定機1を駆動制御して必要な測定値を取り込むと共に、被測定物Wの表面性状を算出するのに必要な演算処理を実行する。コンピュータ2は、コンピュータ本体21、キーボード22、マウス23、モニタ24及びプリンタ25を有する。
【0034】
[プローブヘッド]
図2−
図5は、本発明の実施形態に係るプローブヘッドの構成例を示す概略図である。
図2は、プローブヘッド100のXZ平面における断面図である。
図3は、
図2に示す断面図のうち、プローブヘッド100内の3軸変位機構45を主に示す図である。
図4は、3軸変位機構45を主に示す斜視図である。
図5は、3軸変位機構45のXY平面における断面図であり、
図2のA−A線の位置における断面図である。
【0035】
3軸変位機構45は、スタイラス30の先端球31のXYZの各方向への変位を許容し、被測定物Wとの接触が解除された場合には、先端球31を基準位置に戻す機能を有する。3軸変位機構45は、XY変位機構として機能するXY弾性ヒンジ46と、Z変位機構60とを有する。
図3等に示すように、Z変位機構60にZ方向に延在するZ主軸部32が接続され、Z主軸部32の下端にスタイラス30が接続される。
【0036】
図4等に示すように、XY弾性ヒンジ46は、おおよその外形として、X軸を長軸方向とする略直方体形状を有する。XY弾性ヒンジ46は、Z方向にて対向する2つの主面46a及び46bを有する。主面46a及び46bは、その面方向が水平方向と平行になるように設定される。なお主面46aが上面となり、主面46bが下面となる。
【0037】
図4及び
図5に示すように、XY弾性ヒンジ46は、一対の固定部47(47a及び47b)と、一対のヒンジ要素からなる第1のヒンジ部48(ヒンジ48a及びヒンジ48b)と、一対のヒンジ要素からなる第2のヒンジ部49(ヒンジ49a及びヒンジ49b)と、中央フレーム50と、一対のヒンジ要素からなる第3のヒンジ部51(ヒンジ51a及びヒンジ51b)と、一対のヒンジ要素からなる第4のヒンジ部52(ヒンジ52a及びヒンジ52b)と、中央部53とを有する。これらの各部は、Z方向から見た平面形状(以下、単に平面形状と記載する)を維持したまま、Z方向に延在する。
【0038】
一対の固定部47は、
図2に示す基体部36の支持部42に止め部材40を介して固定される部分である。一対の固定要素からなる固定部47は、X方向で対向して配置され、各平面形状はY方向に延在する略長方形状である。一方の固定部47aのY方向における両端に、一対のヒンジ要素からなる第1のヒンジ部48が連結される。これら一対のヒンジ要素からなる第1のヒンジ部48はそれぞれX方向に延在する平面形状を有し、固定部47aに連結される側の反対側の端部が中央フレーム50に連結される。
【0039】
他方の固定部47bのY方向における両端には、一対のヒンジ要素からなる第2のヒンジ部49が連結される。これら一対のヒンジ要素からなる第2のヒンジ部49もそれぞれX方向に延在する平面形状を有し、固定部47bに連結される側の反対側の端部が中央フレーム50に連結される。従って第1のヒンジ部48、及び、第2のヒンジ部49は、X方向で中央フレーム50の両外側に、中央フレーム50に連結される。
【0040】
第1及び第2のヒンジ部48及び49と各固定部47a及び47bとの接続部分、第1及び第2のヒンジ部48及び49と中央フレーム50との接続部分は、Z方向から見て面積が小さくなるように形成される。これにより弾性変形可能なヒンジ機構が構成され、第1及び第2のヒンジ部48及び49が、弾性ヒンジとして機能する。この結果、中央フレーム50は、第1及び第2のヒンジ部48及び49によりY方向に変位可能に支持される。
【0041】
本発明の実施形態では、スタイラス30の先端球31がY方向に押し込まれると、XY弾性ヒンジ46の中央部53、一対のヒンジ要素からなる第3のヒンジ部51、一対のヒンジ要素からなる第4のヒンジ部52、及び中央フレーム50が一体となって固定部47に対してY方向に変位する。従って、中央部53、一対のヒンジ要素からなる第3のヒンジ部51、一対のヒンジ要素からなる第4のヒンジ部52、及び、中央フレーム50が、Y方向の変位を検出する対象となる第1の対象物に相当する。
【0042】
そして一対の固定要素からなる固定部47、一対のヒンジ要素からなる第1のヒンジ部48、及び一対のヒンジ要素からなる第2のヒンジ部49により、X方向で第1の対象物の両外側に、第1の対象物に連結された第1のヒンジ機構55が構成される。
図5に示す中央フレーム50のX方向で一対の側面部50a及び50bは、第1の対象物の一対の側面部を構成すると共に、一対のヒンジ要素からなる第1のヒンジ部48と一対のヒンジ要素からなる第2のヒンジ部49とがそれぞれ連結される。
【0043】
また第1のヒンジ機構55は、第1の対象物の中心O1、すなわちZ主軸部32が配置される位置に対して対称に構成される第1の弾性機構としても機能する。なお中心O1に対して対称に構成されるとは、典型的には、中心O1を基準として180度回転させた場合に、Z方向から見た平面形状が変わらない構成を意味する。
【0044】
中央フレーム50は、Z方向に延在する中空状の円筒形状を中央に有する。
図5に示すように、中央フレーム50の平面形状は略矩形状となる。上記した一対の側面部50a及び50bと、Y方向で一対の側面部50c及び50dにより、中央フレーム50が構成される。
【0045】
中央フレーム50の側面部50cのX方向における両端の内周側に、一対のヒンジ要素からなる第3のヒンジ部51が連結される。一対のヒンジ要素からなる第3のヒンジ部51はそれぞれY方向に延在する平面形状を有し、側面部50cに連結される側の反対側の端部が中央部53に連結される。
【0046】
側面部50dのX方向における両端の内周側には、一対のヒンジ要素からなる第4のヒンジ部52が連結される。これら一対のヒンジ要素からなる第4のヒンジ部52もそれぞれY方向に延在する平面形状を有し、側面部50dに連結される側の反対側の端部が中央部53に連結される。従って第3のヒンジ部51、及び、第4のヒンジ部52は、Y方向で中央部53の両外側で、中央部53に連結される。
【0047】
第3及び第4のヒンジ部51及び52と各側面部50c及び50dとの接続部分、第3及び第4のヒンジ部51及び52と中央部53との接続部分は、Z方向から見て面積が小さくなるように形成される。これにより弾性変形可能なヒンジ機構が構成され、第3及び第4のヒンジ部51及び52が、弾性ヒンジとして機能する。この結果、中央部53は、第3及び第4のヒンジ部51及び52によりX方向に変位可能に支持される。
【0048】
スタイラス30の先端球31がX方向に押されると、中央部53が変位する。従って本実施形態では、中央部53が、X軸方向の変位を検出する対象となる。
【0049】
そして一対の側壁部50c及び50d、一対のヒンジ要素からなる第3のヒンジ部51、及び一対のヒンジ要素からなる第4のヒンジ部52により、Y方向で第2の対象物の両外側に、第2の対象物に連結された第2のヒンジ機構56が構成される。
図5等に示すように中央部50は、略円形状の平面形状を有し、一対のヒンジ要素からなる第3のヒンジ部51と連結される略半円形状の部分が、側面部53aとなる。また一対のヒンジ要素からなる第4のヒンジ部52と連結される略半円形状の部分が、Y方向にて側面部53aと対向する側面部53bとなる。
【0050】
また第2のヒンジ機構56は、第2の対象物の中心O2、すなわちZ主軸部32が配置される位置に対して対称となるように、第1の対象物の内部に構成される第2の弾性機構としても機能する。
図5等に示すように第2の対象物の中心O2は、第1の対象物の中心O1と等しく、第1及び第2の対象物の中心O1及びO2にZ主軸部32が配置される。従って、スタイラス30の先端球31は、Z方向の変位については、当該中心O1及びO2からZ方向に延在する仮想的な中心軸C上を移動することになる(中心軸CのXY平面上の位置は変位する)。
【0051】
XY弾性ヒンジ46は、例えばアルミニウムやジュラルミン等の金属材料に対して放電加工を施すことで形成することができる。もちろん他の材料や他の加工方法が用いられてもよい。また第1及び第2の対象物の中心O1及びO2に対して対称に構成されるのであれば、固定部や各ヒンジ部等の形状やサイズは限定されない。適性な測定力(原点復帰力)が発揮されるように、材料や各部のサイズ、形状等が適宜設計可能である。
【0052】
図3に示すように、Z変位機構60は、第1のダイアフラム61を支持する第1のホルダ部63と、第2のダイアフラム62を支持する第2のホルダ部64とを有する。
【0053】
第1及び第2のダイアフラム61及び62は、Z方向から見て略円形状の平面形状を有する。第1のダイアフラム61の周縁部61aは、第1のホルダ部63及び中央部53の両方に固定されると共に、中心部61bはZ主軸部32に接続される。第2のダイアフラム62の周縁部62aは、第2のホルダ部64及び中央部53に固定されると共に、中心部62bはZ主軸部32に接続される。
【0054】
第1及び第2のダイアフラム61及び62は、Z方向に弾性変形可能であると共にZ方向で第2の対象物の両外側に配置される。従って、第1及び第2のダイアフラム61及び62には、弾性変形によりZ主軸部32及びスタイラス30をZ方向に変位可能に支持する支持機構として機能する。
【0055】
本実施形態では、Z主軸部32及びスタイラス30は、第1及び第2のホルダ部63及び64を介して、XY弾性ヒンジ46の中央部53(第1及び第2の対象物)に接続される。
【0056】
図6は、第1及び第2のダイアフラムの構成例を示す概略図であり、Z方向から見た平面図である。ここで説明する構成は、第1及び第2のダイアフラム61及び62の両方に適用可能である、従って、第1及び第2のダイアフラム61及び62を区別せず、ダイアフラム65として説明を行う。
【0057】
ダイアフラム65は、円盤状の薄板からなり弾性材料により形成される。ダイアフラム65は、スタイラス30の先端球31に負荷がかかっていない状況では、主面65aが水平方向と平行になるように配置される。当該主面65aには、適正な弾性力が発揮されるように、所定の形状を有する開口66が形成される。例えば
図6Aに示すように、中央に円形状の開口66aが形成され、その周囲にアルファベットのLの字に近い形状の開口66bが3つ形成される。3つの開口66bは、ダイアフラム65の中心に対して対称となるように120度間隔で形成される。
【0058】
図6Bに示すダイアフラム65では、中央に円形状の開口66aと、当該開口66aと同心円となる円の円周の一部に相当する開口66bが形成される。その他、任意の形状の開口を、ダイアフラム65の主面65bに形成してもよい。もちろん開口が形成されずに切り込みを入れるだけの構成でもよい。弾性材料の種類も限定されず適宜選択可能である。
【0059】
図2に示すように、変位検出部70は、XY変位検出部71及びZ変位検出部72を有する。XY変位検出部71は、第1の対象物のY方向における第1の変位と、第2の対象物のX方向における第2の変位とをそれぞれ検出する第1の検出機構として機能する。第1の対象物の第1の変位は、被測定物Wに接触する先端球31のY方向への変位に相当する。また第2の対象物の第2の変位は、先端球31のX方向への変位に相当する。
【0060】
図7は、XY変位検出部71の構成例を示す概略図であり、Z方向の下方側から斜めに見た図である。
図2及び
図7に示すように、XY変位検出部71は、スケールディスク73と、2つのX検出器74(74a及び74b)及び2つのY検出器75(75a及び75b)とを有する。
【0061】
スケールディスク73は、リング状のディスクであり、中心位置O3が中心軸C上に合うように、第2のホルダ部64の下面に設置される。
図2に示すように、スケールディスク73の中央の開口76内を、Z主軸部32が通ることになる。先端球31がX及びY方向に変位すると、これに伴って第2のホルダ部64が変位する。従って、第2のホルダ部64に設置されたスケールディスク73も、先端球31の変位にともなって変位する。
【0062】
スケールディスク73には、2つのXスケール77(77a及び77b)と、2つのYスケール78(78a及び78b)とが設置される。
【0063】
X検出器74は、Xスケール77の目盛りを読み取ることが可能であり、Xスケール74に対向するように、基体部36の底面部36aに設置される。X検出器74aはXスケール77aと対向して配置され、X検出器74bはXスケール77bと対向して配置される。目盛りを読み取るための具体的な構成は限定されないが、典型的にはリニアエンコーダが用いられる。
【0064】
Y検出器75は、Yスケール78の目盛りを読み取るために、Yスケール78に対向して配置される。Y検出器75aはYスケール78aと対向して配置され、Y検出器75bはXスケール7bbと対向して配置される。Y検出器75は、X検出器74と略等しい構成を有し、基体部36の底面部36aに設置される。
【0065】
Z変位検出部72は、スタイラス30のZ方向における第3の変位を検出する第2の検出機構として機能する。
図2に示すように、Z変位検出部72は、Z主軸部32の中心部(中心軸C上)に設けられたZスケール81と、これに対向する位置に配置されたZ検出器82とを有する。Z変位機構60の第1のホルダ部63の上面には、止め部材40により、検出器ホルダ83が固定される。Z検出部82は、当該検出器ホルダ83により支持される。
【0066】
Zスケール81は、ラインアンドスペースからなる目盛りを有し、Z検出部82は当該目盛りを読み取る。Zスケール81及びZ検出部82として、典型的には、リニアエンコーダが用いられる。なおZスケール81は、中心軸C上に配置されるのであれば、Z主軸部32とは異なる部材に設けられてもよい。
【0067】
以上、本実施形態に係る三次元座標測定機用のプローブヘッド100では、変位検出の対象となる第1の対象物(中央フレーム50、第3及び第4のヒンジ51及び52、中央部53)の中心O1に対して対称に第1のヒンジ機構55が設けられる。また第1の対象物の内部に第2の対象物(中央部53)と第2のヒンジ機構56が設けられる。当該第2のヒンジ機構56は、第2の対象物の中心O2に対して対称に構成される。これによりプローブヘッド100の小型化を実現することができる。またX及びY方向の各変位の測定におけるアッベのオフセット量を抑えることが可能となり、高い測定精度を発揮することが可能となる。
【0068】
図8は、比較例として挙げる支持機構について説明するための概略図である。この支持機構900は、固定部950に固定された第1の部材901と、スタイラス940を支持する第2の部材902と、第1及び第2の部材901及び902を連結する一対の板バネ903(903a及び903b)とを有する。
【0069】
第1及び第2の部材901及び902は、水平方向に沿って配置された板状の部材であり、互いに略等しい形状及びサイズを有する。第1の部材901の左側の端部に形成された取付部901aと、第2の部材902の左側の端部に形成された取付部902aとの間に、一方の板バネ903aが取り付けられる。また第1の部材901の右端部の取付部901bと、第2の部材902の右端部の取付部902bとの間に、他方の板バネ903bが取り付けられる。
【0070】
第2の部材902は、一対の板バネ903の曲げ弾性により、X方向に変位可能に支持される。すなわちこの支持機構900では、第2の部材902が、変位検出の対象となる対象物となり、スタイラス940の先端球941が押し込まれると、それに応じて第2の部材902が変位する。
【0071】
このような一対の板バネ903の片方の端部が固定され、もう片方の端部に対象物が接続される構成の場合、X方向の押し込みに対して、Z方向に非線形の変位δが発生してしまう。この結果、被測定物Wへの先端球941の接触点がずれてしまい、三次元測定の精度が低下してしまう。また環境温度が変化する場合に、両方の板バネ903の延展方向において伸縮が発生してしまう。この結果、適性な測定力(原点復帰力)を発揮することが難しくなり、測定精度が低下してしまうという問題がある。
【0072】
XYZの各軸方向用に、
図8に示す支持機構900を3つ準備する場合には、上記した問題の影響がさらに大きくなる。なお上記した特許文献1に記載された案内機構は、原理的には、
図8に示す支持機構900の構成が採用されている。当該案内機構がXYZ軸ごとに設けられ、3つの案内機構がZ方向に沿ってシリアルに連結されている。
【0073】
このような問題に対して本発明の実施形態に係るプローブヘッド100では、第1の対象物の中心O1に対して対称となるように、X方向で第1の対象物の両外側に、第1のヒンジ機構55が設けられる。これによりY方向への不要な変位を十分に抑えることができ、接触点のずれを十分に抑えることができる。また第1のヒンジ機構55は中心O1に対して対称に構成されているので、環境温度の変化による寸法変化は等方的に発生するので、中心O1の位置が特定の方向へ変位することがなく、精度劣化への影響を十分に抑えることができる。この結果、高い測定精度を発揮することが可能となる。
【0074】
また特許文献1に記載のプローブヘッドのように、互いに略等しい構成を有する案内機構が3つシリアルに連結される構成では、Z方向の外形寸法が非常に大きくなる。従ってプローブヘッドの大きさにより、Z方向の測定可能範囲が狭くなってしまうという問題がある。
【0075】
これに対して本発明の実施形態に係るプローブヘッド100では、第1の対象物内に、第2の対象物と第2のヒンジ機構56が設けられる。すなわちX及びY軸の2つの方向における支持機構が一体的に形成されている。これによりプローブヘッド100のZ方向のサイズを十分に小さくすることができ、三次元座標測定機のZ方向の測定可能範囲を有効に活用することができる。
【0076】
また特許文献1に示すようなプローブヘッドでは、各案内機構の内部に、変位を検出する機構が設けられる。当該検出機構は、1対のばね薄板の片側に連結された部材(特許文献1に記載の脚部3、及びプレート9,10)の変位を検出する。3つの案内機構は、Z方向にシリアルに連結されるので、各検出機構は、XYZの各方向への先端球の移動軸(各方向への先端球の軌跡)から離れた位置に配置される。この結果、先端球と検出機構との距離であるアッベのオフセット量が大きくなり、測定精度が低下してしまう。また各軸でアッベのオフセット量が異なるので、各軸で測定精度が異なってしまうという問題がある。
【0077】
これに対して本発明の実施形態に係るプローブヘッド100では、Z変位機構72の下部のスタイラス30の直近にスケールディスク73が配置される。これによりX及びY方向におけるアッベのオフセット量を十分に抑えることが可能となる。まスケールディスク73上において、中心軸Cからの距離が等しい位置にX検出器74及びY検出器75が配置される。これによりX及びY方向におけるアッベのオフセット量を互いに略等しくすることができる。この結果、X及びY方向において、変位検出の感度を略等しくすることが可能となり、測定精度の劣化を防ぐことが可能となる。
【0078】
Z方向においては、Z主軸部32に接続された2枚のダイアフラム61及び62により、Z変位機構60が構成されるので、Z主軸部32にZスケール81を配置することができる。この結果Z方向においては、アッベのオフセット量を略ゼロにすることが可能となる。従ってアッベの原理を満たす形態での測定が可能となるので、高い測定精度を発揮することが可能となる。
【0079】
また、本発明の実施形態では、
図7に示すように、スケールディスク73に対して、90度ごとにX検出器及びY検出器74及び75が交互に配置される。これによりスタイラス30の微小な回転変位に対しても検出が可能である。
【0080】
基本的に、本発明の実施形態に係るXY弾性ヒンジ46は中心軸Cの回転に対して高いねじれ剛性を有している。しかしながら測定課題や被測定物Wの形状等によっては、中心軸Cに対して直角方向に伸びるスタイラス30が装着され、被測定物Wとの接触の際に、中心軸C周りのモーメントが発生しXY弾性ヒンジ46に微小回転をもたらす場合があり得る。
【0081】
このような微小回転角Δθ(
図7参照)は、X及びY方向にそれぞれに設けられた合計4つの検出器(X及びY検出器74及び75)により測定される変位量の演算により求めることができる。スタイラス30の微小回転が検出可能であるので、当該回転による誤差等を精度よく補正することが可能となり、高い測定精度を発揮することが可能となる。
【0082】
また、本発明の実施形態に係るプローブヘッド100では、XY弾性ヒンジ46の構成により、X及びY方向の測定力(原点復帰力)の重心を、中心軸C方向で略等しい位置に設定することができる。この結果、測定力と測定力の作用する先端球31との距離の積算で求まるモーメント、及びこれに起因する歪みがX及びY方向において略等しくなり、プローブヘッド100の方向依存性を軽減することができる。
【0083】
また、特許文献1に示すようなプローブヘッドでは、3つの案内機構がZ方向に沿ってシリアルに連結されるので、各方向における可動質量が、XYZの各軸において異なってしまう。すなわち下方に連結された他の軸用の案内機構の有無、及びその数により、作用する重さが異なってしまう。この結果、各軸における固有振動数が大きくばらついてしまう。
【0084】
これに対して本発明の実施形態に係るプローブヘッド100では、XY弾性ヒンジ46、及びこのXY弾性ヒンジ46の中心軸C上に配置された2枚のダイアフラム61及び62により、3軸変位機構45が構成される。この結果、プローブヘッド100の軽量化及び固有振動数のばらつきを十分に抑えることができ、さらに測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0085】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係るプローブヘッドについて説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明したプローブヘッド100における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
【0086】
図9は、本実施形態に係るプローブヘッド200の構成例を示す断面図である。
図9に示す断面図は、第1の実施形態の
図5に示す断面図に対応する図である。すなわち
図9は、XY変位機構210のZ方向における略中央をXY平面にて切断した場合の断面図である。
【0087】
以下の説明では便宜上、
図9の上側、下側を、プローブヘッド200の奥側及び手前側として、右側及び左側を、プロープヘッド200の右側及び左側とする。
【0088】
本発明の実施形態に係るプローブヘッド200は、ケース部を構成する容器形状の基体部201と、基体部201内に配置されるXY変位機構210とを有する。XY変位機構210は、第1の支持部211と、一対の第1の板バネ212(212a及び212b)と、第2の支持部213と、一対の第2の板バネ214(214a及び214b)と、中央部215とを有する。
【0089】
第1の支持部211は、第1の支持部211a及び211bからなり、止め部材40を介して基体部201に固定される。第1の支持部211a及び211bは、X方向で互いに対向するように配置される。
【0090】
一対の第1の板バネ212は、Y方向で互いに対向するように、X方向に沿ってそれぞれ配置される。一方の第1の板バネ212aは、第1の支持部211aの奥側の端部と、第1の支持部211bの奥側の端部との間に取り付けられる。従って第1の板バネ212aは、第1の支持部212a及び212bにより、両端が支持される。
【0091】
他方の第1の板バネ212bは、第1の支持部211aの手前側の端部と、第1の支持部211bの手前側の端部との間に取り付けられる。従って第1の板バネ212bも、第1の支持部212a及び212bにより、両端が支持される。なお各板バネと各部材との接続は、取付部216を介して行われる。
【0092】
第2の支持部213は、第2の支持部213a及び213bからなり、Y方向で対向するように配置される。
図9に示すように、第2の支持部213aは、奥側の第1の板バネ212aの両端の間の、略中央部に取り付けられる。一方第2の支持部213bは、手前側の第1の板バネ212bの両端の間の、略中央部に取り付けられる。
【0093】
本発明の実施形態では、Z主軸部218に接続されたスタイラスの先端球が押し込まれると、中央部215、一対の第2の板バネ214、及び第2の支持部213が一体となって変位する。従って、これら中央部215、一対の第2の板バネ214、及び第2の支持部213が第1の対象物に相当する。そして第1の支持部211、一対の第1の板バネ212が、第1の対象物の中心O1に対して対称に構成され、弾性力により第1の対象物をY方向に変位可能に支持する第1の弾性機構として機能する。
【0094】
一対の第2の板バネ214は、X方向で互いに対向するように、Y方向に沿ってそれぞれ配置される。一方の第2の板バネ214aは、第2の支持部213aの左側の端部と、第2の支持部213bの左側の端部との間に取り付けられる。従って第2の板バネ212bは、第2の支持部213a及び213bにより、両端が支持される。
【0095】
他方の第2の板バネ214bは、第2の支持部213aの右側の端部と、第2の支持部213bの右側の端部との間に取り付けられる。従って第2の板バネ214bも、第2の支持部213a及び213bにより、両端が支持される。
【0096】
中央部215は、第2の対象物に相当し、左側の第2の板バネ214aの両端の間の略中央部と、右側の第2の板バネ214bの両端の間の略中央部とにより挟まれて支持される。第2の支持部213及び一対の第2の板バネ214は、第2の対象物の中心O2に対して対称となるように第1の対象物の内部に構成され、弾性力により第2の対象物をX方向に変位可能に支持する第2の弾性機構として機能する。
【0097】
このように一対の第1及び第2の板バネ212及び214を用いることで、第1及び第2の弾性機構を含むXY変位機構210を、簡素な構成にて実現することができる。これにより第1の実施形態で説明したXY弾性ヒンジ46と同様の効果を発揮することができる。また本実施形態に係るXY変位機構210を、第1の実施形態で説明した2枚のダイアフラム61及び62を有するZ変位機構60や、スケールディスク73を有する変位検出部70と組み合わせることも可能である。この場合、上記で説明した種々の効果を発揮することが可能となる。
【0098】
なお第1及び第2の支持部211及び213や、第1及び第2の板バネ212及び214の材料、形状、サイズ等は限定されず、適宜設計可能である。
【0099】
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態で実現することができる。
【0100】
図10は、
図9に示すXY変位機構210の変形例を示す断面図である。このXY変位機構310では、
図9に示す一対の第1の板バネ212に代えて、4つの板バネ312(312a、312b、312c、312d)が用いられる。また一対の第2の板バネ214に代えて、4つの板バネ314(314a、314b、314c、314d)が用いられる。
【0101】
図10に示すように、奥側において、板バネ312aにより第1の支持部211aと第2の支持部213aとが連結される。また板バネ312bにより第1の支持部211bと第2の支持部213aとが連結される。一方手前側において、板バネ312cにより第1の支持部211aと第2の支持部213bとが連結される。また板バネ312dにより第1の支持部211bと第2の支持部213bとが連結される。
【0102】
また左側において、板バネ314aにより第2の支持部211aと中央部215とが連結される。また板バネ314bにより第2の支持部211bと中央部215とが連結される。一方右側において、板バネ314cにより第2の支持部211aと中央部215とが連結される。また板バネ314dにより第2の支持部211bと中央部215とが連結される。
【0103】
すなわちこのXY変位機構310は、
図9に示す第1の板ばね212と、第2の板バネ214とが、それぞれ2つの板バネ312に分割された構成を有する。このような構成でも、本発明に係る第1及び第2の弾性機構を実現させることができ種々の効果を発揮することができる。
【0104】
なお
図10に示す第1の支持部211と4つの板バネ312は、X方向で第1の対象物の両外側に、第1の対象物に連結された第1のヒンジ機構とみなすこともできる。同様に、第2の支持部213と4つの板バネ314は、Y方向で第2の対象物の両外側に、第2の対象物に連結された第2のヒンジ機構とみなすことができる。
【0105】
上記では、第1の対象物の中心と、第2の対象物の中心とが等しく設定された。しかしながら互いの中心が異なる位置に設定される場合でも、プローブヘッドの小型化及び高い測定精度を実現することが可能である。
【0106】
上記で説明したプローブヘッドが適用される三次元座標測定機の種類は限定されない。CNC(Computer Numerical Control)三次元座標測定機やタッチ信号プローブを搭載可能なマシニングセンタ等、種々の三次元座標測定が可能な機器に本発明に係るプローブヘッドは適用可能である。
【0107】
以上、説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。