【課題を解決するための手段】
【0014】
さらに、上記課題は、請求項
1の特徴を備えた装置によって達成される。
【0015】
本発明によれば、第1の解決手段は、2つの直交する対象物の第1及び第2のメイン移動軸に対して垂直な第3の軸に沿った対象物の位置を検出するための位置検出装置であって、
− 前記第1のメイン移動軸に沿って前記対象物の方向へビームを照射する光源と、
− 前記第3の軸に沿って周期的に配置された分割マーカで構成され、前記対象物に配置された標準器と、
− 前記対象物から離間しつつ少なくとも前記第3の軸に沿って配置された反射器と、 − 再帰反射器と、
− 検出装置と
を備えて成り、前記ビームにより生成される測定ビーム及び基準ビームの重ね合わせにより、前記対象物の前記第3の軸に沿った移動についての位置信号を生成可能であることを特徴としている。
【0016】
1つの考えられる実施形態においては、前記再帰反射器を、ビームスプリッタ要素、基準反射要素及び再帰反射要を含んで構成することが可能である。
【0017】
また、前記反射器を、
− 前記第1のメイン移動軸に沿って周期的に配置された分割マーカを含んで構成された回折格子として形成するか、又は
− 入射する測定ビームに対して垂直に配置された平面鏡として形成した。
【0018】
有利には、前記対象物に配置された標準器を、回折格子として、これに入射するビームが±1の等級のみの回折を受けるとともに、回折した分割ビームが±1の等級の少なくとも反射器の方向への反射を受けるように形成するのが好ましい。
【0019】
本発明による第1の位置測定装置の一実施形態においては、
− 前記光源から照射されるビームが前記再帰反射器において1つの測定ビームと1つの基準ビームに分光され、
− 前記測定ビームが前記標準器方向へ拡がるとともに、該標準器により前記反射器方向へ第1の反射及び回折がなされ、
− 前記反射器からの測定ビームが前記標準器の方向への第1の反射を受け、
− 前記測定ビームが前記標準器から前記再帰反射器方向への第1の反射を受け、ここで、前記測定ビームが前記標準器の方向への再帰反射及び反射を受け、
− 前記測定ビームが前記標準器において前記反射器の方向への第2の反射及び回折を受け、
− 前記測定ビームが前記反射器において前記標準器の方向への第2の反射を受け、
− 前記測定ビームが前記標準器において前記再帰反射器方向への第2の反射を受け、 − 前記基準ビームが前記再帰反射器を通過し、そして、
− 前記標準器における第2の反射の後に入射する前記測定ビームの重ね合わせがなされ、前記測定ビームと前記基準ビームから成る重ね合わされた対が前記検出装置の方向へ拡がることを特徴としている。
【0020】
第2の解決手段として、本発明によれば、第2のメイン移動軸に沿った対象物の位置を検出するための位置測定装置であって、前記対象物が2つの直交した第1及び第2のメイン移動軸に沿って可動に配置されており、
− 前記第1のメイン移動軸に沿って前記対象物の方向へビームを照射する光源と、
− 前記第2のメイン移動軸に沿って周期的に配置された分割マーカで構成され、前記対象物に配置された標準器と、
− 前記対象物から離間しつつ少なくとも第3の軸に沿って配置された反射器と、
− 再帰反射器と、
− 検出装置と
を備えて成り、前記第3の軸が前記第1及び第2のメイン移動軸に対して垂直に配向されており、前記ビームにより生成される測定ビーム及び基準ビームの重ね合わせにより、前記対象物の前記第2のメイン移動軸(x)に沿った移動についての位置信号を生成可能であることを特徴としている。
【0021】
また、前記反射器は、
− 前記第2のメイン移動軸の方向に離間した2つの回折格子を含み、この回折格子が周期的に配置された分割マーカを備えているか、又は
− 前記第2のメイン移動軸の方向に離間した2つの平面鏡を含み、各平面鏡がこれに入射する測定ビームに対して垂直に配置されている
ことを特徴としている。
【0022】
有利には、前記対象物に配置された標準器を、回折格子として、これに入射するビームが±1の等級のみの回折を受けるとともに、測定ビーム及び基準ビームとしての回折した分割ビームが±1の等級の少なくとも1つの前記反射器の方向への反射を受けるように形成するのが好ましい。
【0023】
前記対象物に配置された前記標準器が、
− 1次元の標準器として形成され、該標準器が前記第3の軸(z)に対して0°ではない角度で前記対象物に配置されているか、又は
− 2次元の標準器として形成され、該標準器が前記第3の軸に対して平行に前記対象物に配置されているとともに、前記第3の軸に沿って周期的に配置された分割マーカを含んで構成されている
ように構成することが考えられる。
【0024】
本発明による第2の位置測定装置の一実施形態においては、
− 前記光源(12.5)から照射されるビームが前記標準器(13)の方向へ拡がり、そこで2つの分割ビームへ分光され、これら分割ビームが、位置信号の干渉された生成のための測定ビーム及び基準ビームとして使用可能であるとともに、これら2つの分割ビームが前記標準器(13)における反射の後に前記反射器(14.1,14.2)へ異なる方向へ拡がり、
− 両分割ビームが前記反射器(14.1,14.2)においてそれぞれ前記標準器(13)の方向へ第1の反射を受け、
− 両分割ビームが前記標準器(13)において前記再帰反射器(12.6)の方向へ第1の反射を受け、ここで、両分割ビームが前記標準器(13)方向への再帰反射及び反射を受け、
− 両分割ビームが前記標準器(13)において前記反射器(14.1,14.2)の方向への第2の反射及び回折を受け、
− 両分割ビームが前記反射器(14.1,14.2)が前記標準器(13)の方向への第2の反射を受け、
− 前記分割ビームが前記標準器(13)において再度統合され、重ね合わされたビームが前記標準器(13)から前記検出装置(12.5)の方向へ拡がる
ことを特徴としている。
【0025】
また、本発明による装置は、
− 2つの直交する第1及び第2のメイン移動軸並びにこれに対して垂直な第2の軸に沿って可変に配置された対象物と、
− 複数の空間的な自由度において前記対象物の位置を検出するための複数の位置測定装置と
を備えて成り、複数の光学的な前記位置測定装置が唯一の走査方向から前記対象物を走査するとともに、この走査方向が両メイン移動軸に一致することを特徴としている。
【0026】
好ましい一実施形態においては、前記対象物において必要な全ての標準器及び/又は様々な前記位置測定装置における測定反射器が前記対象物の共通の側に配置されている。
【0027】
また、前記第1のメイン移動軸に沿った前記対象物の移動を検出するため、並びに前記第2のメイン移動軸及び前記第3の軸周りの前記対象物の回転運動を検出するための位置測定装置が3軸干渉計として形成されているとともに3つの測定ビームを有しており、これら測定ビームは前記対象物において測定反射器を投射し、第1及び第2の測定ビームが前記第2のメイン移動軸から離間しつつ前記第3の軸と同じ高さで延在するとともに、第3の測定ビームが前記第3の軸の方向へ前記第1及び第2の測定ビームの下方で延在しているよう構成することも可能である。
【0028】
また、前記第3の軸に沿った前記対象物の移動を検出するため、及び前記第1のメイン移動軸周りの前記対象物の回転運動を検出するために請求項6に基づく2つの位置測定装置が形成されているとともに、前記対象物における標準器に投射される2つの測定ビームを有しており、これら両測定ビームが、前記第3の軸に沿って同じ高さで、かつ、前記第2のメイン移動軸において離間しつつ延在している。
【0029】
さらに、前記第2のメイン移動軸に沿った前記対象物の移動を検出するために、請求項1に基づく位置測定装置が形成されているとともに、前記対象物における標準器に投射される測定ビームを有している。
【0030】
したがって、本発明による手段により、移動軸に沿った対象物の必要な移動ストロークが得られるとともに、これと同時に、対象物の高精度な位置検出が保証される。
【0031】
本発明による解決手段は、位置測定装置の追加的な構成要素に基づく可動の物体の質量の増加を必要としない。同様に、固定された枠組みとの可動の物体のケーブル接続が不要となる。すなわち、可動の対象物には、位置測定装置のパッシブな構成要素のみが配置される。
【0032】
本発明による装置の一実施形態においては、適当に可動に支持された対象物の6つ全ての自由度の検出が可能である。
【0033】
ここで、基本的には、本発明による第1及び第2の位置測定装置は、対応する測定課題が生じる場合には、それぞれ全体の配置にかかわらず使用することが可能である。
【0034】
本発明による装置について特に好ましくは、対応する対象物の6つ全ての自由度の測定のため、この対象物は、単に唯一の走査方向から光学的に検査あるいは走査される必要がある。好ましくは、比較的長いメイン移動軸に対応する方向からこのようなことが行われる。これにより、対応する対象物が例えば可動のテーブルとして機械に形成されている場合には、構造的なバリエーションが広がることになる。
【0035】
本発明の他の詳細及び利点は、以下の図面に基づく実施例の説明に関連して図面と共に説明する。