(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体源からの流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する流量制御装置を備えた液体供給装置において前記液体源からの液体を洗浄装置に供給するための液体供給方法であって、
差圧式流量計により前記液体源からの流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する流量制御工程と、
前記流量制御装置に流入する液体の圧力を測定する第1測定工程と、
前記流量制御装置から流出する液体の圧力を測定する第2測定工程と、
を有する液体供給方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、以下、液体供給装置の一例として薬液洗浄装置が説明されるが、これに限らず、本発明は、洗浄装置に液体を供給することができる任意の液体供給装置を含む。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る薬液供給装置を示す概略正面図である。本実施形態の薬液供給装置は、酸性又はアルカリ性の第1薬液を洗浄装置に供給可能に構成される。
図1に示すように、薬液供給装置100は、ハウジング101と、DIWCLCボックス110と、第1薬液CLCボックス120を有する。DIWCLCボックス110は、DIW(希釈水の一例に相当する)の供給を制御する。第1薬液CLCボックス120は、第1薬液の供給を制御する。
【0015】
薬液供給装置100は、さらに、第1薬液供給源20(
図2参照)からの第1薬液を薬液供給装置100に導入するための薬液ユーティリティボックス50を備えている。図示の例では、6つの薬液ユーティリティボックス50が薬液供給装置100に設けられているが、これは一例であり、洗浄装置の仕様に応じて薬液ユーティリティボックス50の数は適宜変更される。
【0016】
DIWCLCボックス110と、第1薬液CLCボックス120と、薬液ユーティリティボックス50は、ハウジング101内に収納される。DIWCLCボックス110は、
後述するDIW供給源10からのDIWを後述する第1インライン混合器72に供給するように構成される(
図2参照)。また、DIWCLCボックス110は、DIWの流量をフィードバック制御により設定された流量に制御することができる。
【0017】
第1薬液CLCボックス120は、第1薬液供給源20からの第1薬液を後述する第1インライン混合器72に供給するように構成される(
図2参照)。また、第1薬液CLCボックス120は、第1薬液の流量をフィードバック制御により設定された流量に制御することができる。薬液供給装置100は、図示されていないが、DIW又は第1薬液を輸送するための配管、バルブ、圧力計等を有する。詳細は
図2において説明する。
【0018】
図2は、第1実施形態に係る薬液供給装置100の薬液供給フロー図である。図示のように、薬液供給装置100は、DIWを供給するためのDIW供給源10(希釈水供給源の一例に相当する)、及び第1薬液を供給するための第1薬液供給源20と、それぞれ配管を介して流体連通するように構成されている。また、薬液供給装置100は、洗浄装置200と流体連通するように構成されている。具体的には、薬液供給装置100は、DIW及び希釈された第1薬液(第1洗浄薬液)を洗浄装置200に供給する。
【0019】
洗浄装置200は、研磨装置で研磨された半導体基板等の洗浄対象物をDIWを用いて洗浄するDIW洗浄部210と、研磨装置で研磨された半導体基板等の洗浄対象物を希釈された第1薬液(第1洗浄薬液)を用いて洗浄する薬液洗浄部220とを有する。DIW洗浄部210は、例えば超音波水洗浄部やその他のDIW洗浄部等から構成される。薬液洗浄部220は、例えばロール型洗浄部等から構成される。このDIW洗浄部210と薬液洗浄部220は、同一の洗浄槽230内に共存する。
【0020】
薬液供給装置100は、第1インライン混合器72と、第1薬液CLCボックス120と、DIWCLCボックス110と、を備えている。第1インライン混合器72は、第1薬液とDIWとを混合して第1洗浄薬液を生成する。第1薬液CLCボックス120は、第1薬液供給源20から第1インライン混合器72に供給される第1薬液の流量を制御する。DIWCLCボックス110は、DIW供給源10から第1インライン混合器72に供給されるDIWの流量を制御する。
【0021】
DIWCLCボックス110は、第1DIW供給バルブ112と、CLC111(希釈水流量制御装置の一例に相当する)とを有する。第1DIW供給バルブ112は、CLC111から第1インライン混合器72へのDIWの供給のオンオフを切り替える。CLC111は、第1インライン混合器72に供給するDIWの流量を計測し、この計測値に基づいて流量を制御する。具体的には、CLC111は、計測したDIWの流量に基づいて、CLC111内に流れるDIWの流量が所望の流量になるように、CLC111内部のコントロールバルブの開度を調節(フィードバック制御)する。DIWCLCボックス110は、第1DIW供給バルブ112を開けることにより、DIWを第1インライン混合器72に供給する。
【0022】
第1薬液CLCボックス120は、第1薬液供給バルブ122と、CLC121(薬液流量制御装置の一例に相当する)とを有する。第1薬液供給バルブ122は、CLC121から第1インライン混合器72への第1薬液の供給のオンオフを切り替える。CLC121は、第1薬液供給バルブ122を介して第1インライン混合器72に供給する第1薬液の流量を計測し、この計測値に基づいて流量を制御する。具体的には、CLC121は、計測した第1薬液の流量に基づいて、CLC121内に流れる第1薬液の流量が所望の流量になるように、CLC121内部のコントロールバルブの開度を調節(フィードバック制御)する。
【0023】
また、薬液供給装置100は、薬液ユーティリティボックス50を備える。薬液ユーティリティボックス50は、第1薬液供給源20からの第1薬液を第1薬液CLCボックス120のCLC121に導入する。薬液ユーティリティボックス50は、第1薬液供給源20と第1薬液CLCボックス120のCLC121とを接続する配管91上に設けられる。薬液ユーティリティボックス50は、マニュアル弁53と、CLC121への第1薬液の供給のオンオフを切り替える第1薬液入口バルブ51と、配管91内の流体圧力を計測する圧力計52(薬液イン側圧力計の一例に相当する)を備えている。第1薬液入口バルブ51は、例えば図示しない制御装置により開閉制御される。配管91は第1薬液CLCボックス120のCLC121に接続されるので、圧力計52は、CLC121のイン側(一次側)の圧力を測定するように構成される。言い換えれば、圧力計52は、CLC121に流入する第1薬液の圧力を測定する。
【0024】
薬液供給装置100は、一端がDIW供給源10に接続され、他端が洗浄装置200のDIW洗浄部210に接続された、DIW供給配管81を備えている。DIW供給配管81には、DIW供給バルブ86と、DIW圧調節レギュレータ87と、DIW圧力計88と、が設けられている。DIW供給バルブ86は、開閉されることで、DIW供給源10からDIW供給配管81へのDIWの供給を制御する。DIW圧調節レギュレータ87は、DIW供給配管81からDIW洗浄部210へのDIWの供給圧力を調節する。DIW圧力計88は、DIW供給配管81の内部を通過するDIWの圧力を計測する。
【0025】
DIW供給配管81上のDIW供給バルブ86とDIW圧調節レギュレータ87との間には、DIW分岐配管82の一端が接続される。DIW分岐配管82の他端は、DIWCLCボックス110のCLC111に接続される。DIW分岐配管82上には、DIW圧調節レギュレータ77と圧力計76とが設けられる。CLC111には、第1DIW配管83の一端が接続される。第1DIW配管83の他端は、合流部78において後述する第1薬液配管93に接続され、第1インライン混合器72に流体連通する。なお、図示のように、合流部78は、CLC111からのDIWとCLC121からの第1薬液とが合流する点である。第1DIW供給バルブ112は第1DIW配管83上に設けられ、第1インライン混合器72にDIWを供給する場合に開閉制御される。
【0026】
また、本実施形態の薬液供給装置100では、圧力計76(希釈水イン側圧力計の一例に相当する)がCLC111のイン側に設けられる。具体的には、圧力計76は、
図2の例ではDIW圧調整レギュレータ77とCLC111との間に設けられる。この圧力計76は、CLC111に流入するDIWの圧力を測定する。
【0027】
第1薬液CLCボックス120のCLC121には、第1インライン混合器72に流体連通する第1薬液配管93が接続される。第1薬液供給バルブ122は、第1薬液配管93上に設けられ、第1インライン混合器72に第1薬液を供給する場合に開閉制御される。また、第1インライン混合器72には、薬液洗浄部220に一端が接続された第1洗浄薬液配管96が接続される。第1インライン混合器72のアウト側(二次側)には、圧力計74(アウト側圧力計の一例に相当する)が設けられる。DIWCLCボックス110のCLC111からのDIWと、第1薬液CLCボックス120のCLC121からの第1薬液は、合流部78において合流するので、CLC111のアウト側(二次側)の圧力は、CLC121のアウト側の圧力と同一になる。したがって、この圧力計74は、CLC111及びCLC121のアウト側の圧力を測定することができる。言い換えれば、圧力計74は、CLC111及びCLC121から流出する液体の圧力を測定する。
【0028】
DIWCLCボックス110のCLC111及び第1薬液CLCボックス120のCLC121は、図示しない制御装置から所定の流量値を示す信号を受信可能に構成される。この流量値に基づいて、CLC111及びCLC121の内部コントロールバルブの開度
が制御される。
【0029】
次に、
図2に示した薬液供給装置100において第1洗浄薬液を薬液洗浄部220に供給する薬液供給プロセスについて説明する。第1洗浄薬液を薬液洗浄部220に供給するときは、まず、薬液ユーティリティボックス50の第1薬液入口バルブ51を開き、マニュアルバルブ53を開く。第1薬液CLCボックス120のCLC121で第1薬液の流量が計測され、この計測値に基づいて流量が制御される。CLC121を介して第1薬液供給源20から合流部78を介して第1インライン混合器72に所定流量の第1薬液が供給される。
【0030】
DIW供給配管81上のDIW供給バルブ86を開くと、DIWがDIW供給源10からDIWCLCボックス110のCLC111へ供給される。CLC111は、DIWの流量を計測し、この計測値に基づいて流量を制御する。第1DIW供給バルブ112を開けることで、DIWCLCボックス110から合流部78を介して第1インライン混合器72にDIWが供給される。第1薬液とDIWは、第1インライン混合器72において混合される。これにより生成された第1洗浄薬液は、第1洗浄薬液配管96を介して薬液洗浄部220に供給される。
【0031】
薬液洗浄部220に第1洗浄薬液が供給されているとき、圧力計76、圧力計52、及び圧力計74は、それぞれCLC111のイン側の圧力、CLC121のイン側の圧力、及びCLC111並びにCLC121のアウト側の圧力を測定する。これにより、CLC111のイン側圧力とアウト側圧力の差圧、及びCLC121のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を得ることができる。
【0032】
上述したように、CLC111,121で制御可能な流量範囲は、内部に備える流量計の構造に基づいて定められる。しかしながら、CLC111,121が実際に洗浄装置200に供給できる液体の流量はCLC111,121のイン側圧力とアウト側圧力との差圧によって変化する。即ち、CLC111,121の制御可能な流量範囲は、差圧が十分に大きいときの最大の流量範囲であり、差圧が不足している場合は、最大流量よりも少ない流量しか洗浄装置200に供給できない。
【0033】
従来の薬液供給装置では、プロセスレシピの変更等に伴ってCLCを変更するとき、制御可能な流量範囲に基づいてCLCを選択していた。したがって、CLCのイン側圧力とアウト側圧力との差圧が十分に大きいときは、選択されたCLCで所望の流量の洗浄薬液を洗浄装置に供給することができる。しかしながら、上述したように、差圧が不足している場合は、適切な流量範囲を有するCLCを選択しても、所望の流量の洗浄薬液を洗浄装置に供給することができなかった。CLCが所望の流量を供給することができない原因としては、CLCが故障していることも考えられる。このため、所望の流量を供給することができない場合に、CLCが故障しているのか、それとも差圧が不足しているのかを判断することができなかった。
【0034】
これに対して、本実施形態では、
図2に示すように、CLC111のイン側圧力とアウト側圧力の差圧、及びCLC121のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を得ることができる。これにより、仮にCLC111又はCLC121が所望の流量を供給することができなかった場合、この差圧を作業員が監視することで、CLC111又はCLC121が故障しているのか、それとも差圧が不足しているのかを把握することができる。
【0035】
また、CLC111のイン側圧力とアウト側圧力の差圧、及びCLC121のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を取得しておくことにより、プロセスレシピの変更等に伴ってCLC111又はCLC121を変更する際に、適切なCLCを容易に選択することができ
る。具体的には、制御可能な流量範囲が異なる様々なCLCのうち、現時点で達成されている差圧によって所望の流量を供給することができるCLCを選択すればよい。なお、CLCは、その特性として差圧と制御可能な流量範囲との関係を有しており、その関係は予め得られているものである。
【0036】
本実施形態においては、圧力計74は第1インライン混合器72の二次側に設けられているが、これに限らず、CLC111又はCLC121のアウト側の圧力を測定できる場所であれば、どこに設けられてもよい。例えば、圧力計74は、DIWCLCボックス110のアウト側、又は第1薬液CLCボックス120のアウト側等に設けることができる。
【0037】
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態に係る薬液供給装置を示す概略正面図である。本実施形態の薬液供給装置は、第1実施形態に示した薬液供給装置と比べて、2種類の薬液を使用する点が異なる。即ち、例えばアルカリ性の薬液である第1薬液と例えば酸性の薬液である第2薬液を、洗浄装置に供給可能に構成される。したがって、第2実施形態に係る薬液供給装置100は、
図1に示した薬液供給装置100の構成に加えて、第2薬液CLCボックス130を有する。第2薬液CLCボックス130は、第2薬液の供給を制御する。また、薬液供給装置100は、第2薬液供給源30(
図4参照)からの第2薬液を薬液供給装置100に導入するための薬液ユーティリティボックス60を備えている。
【0038】
図4は、第2実施形態に係る薬液供給装置100の薬液供給フロー図である。図示のように、第2実施形態に係る薬液供給装置100は、第1実施形態に係る薬液供給装置100の構成に加えて、第2薬液を供給する機構を備えている。具体的には、第2実施形態に係る薬液供給装置100は、第2薬液を供給するための第2薬液供給源30と配管を介して流体連通するように構成されており、希釈された第2薬液(第2洗浄薬液)を洗浄装置200に供給する。
【0039】
薬液供給装置100は、第2インライン混合器73と、第2薬液CLCボックス130と、を備えている。第2インライン混合器73は、第2薬液とDIWとを混合して第2洗浄薬液を生成する。第2薬液CLCボックス130は、第2薬液供給源30から第2インライン混合器73に供給される第2薬液の流量を制御する。
【0040】
DIWCLCボックス110は、第2DIW供給バルブ113を有する。第2DIW供給バルブ113は、CLC111から第2インライン混合器73へのDIWの供給のオンオフを切り替える。CLC111は、第1インライン混合器72又は第2インライン混合器73に供給するDIWの流量を測定し、この測定値に基づいて流量を制御する。
【0041】
DIWCLCボックス110は、第2DIW供給バルブ113を閉じて第1DIW供給バルブ112を開けることにより、DIWを第1インライン混合器72に供給する。一方で、DIWCLCボックス110は、第1DIW供給バルブ112を閉じて第2DIW供給バルブ113を開けることにより、DIWを第2インライン混合器73に供給する。
【0042】
第2薬液CLCボックス130は、第2薬液供給バルブ132と、CLC131(薬液流量制御装置の一例に相当する)とを有する。第2薬液供給バルブ132は、CLC131から第2インライン混合器73への第2薬液の供給のオンオフを切り替える。CLC131は、第2インライン混合器73に供給する第2薬液の流量を計測し、この計測値に基づいて流量を制御する。具体的には、CLC131は、計測した第2薬液の流量に基づいて、CLC131内に流れる第2薬液の流量が所望の流量になるように、CLC131内部のコントロールバルブの開度を調節(フィードバック制御)する。
【0043】
また、薬液供給装置100は、薬液ユーティリティボックス60を備える。薬液ユーティリティボックス60は、第2薬液供給源30からの第2薬液を第2薬液CLCボックス130のCLC131に導入する。薬液ユーティリティボックス60は、第2薬液供給源30と第2薬液CLCボックス130のCLC131とを接続する配管92上に設けられる。薬液ユーティリティボックス60は、マニュアル弁63と、CLC131への第2薬液の供給のオンオフを切り替える第2薬液入口バルブ61と、配管92内の流体圧力を計測する圧力計62(薬液イン側圧力計の一例に相当する)を備えている。第2薬液入口バルブ61は、例えば図示しない制御装置により開閉制御される。配管92は第2薬液CLCボックス130のCLC131に接続されるので、圧力計62は、CLC131のイン側(一次側)の圧力を測定するように構成される。言い換えれば、圧力計62は、CLC131に流入する第2薬液の圧力を測定する。
【0044】
DIWCLCボックス110のCLC111には、第2インライン混合器73に流体連通する第2DIW配管84が接続される。CLC111には、第2DIW配管84の一端が接続される。第2DIW配管84の他端は、合流部79において後述する第2薬液配管94に接続され、第2インライン混合器73に流体連通する。なお、図示のように、合流部79は、CLC111からのDIWとCLC131からの第2薬液とが合流する点である。第2DIW供給バルブ113は第2DIW配管84上に設けられ、第2インライン混合器73にDIWを供給する場合に開閉制御される。
【0045】
第2薬液CLCボックス130のCLC131には、第2インライン混合器73に流体連通する第2薬液配管94が接続される。第2薬液供給バルブ132は、第2薬液配管94上に設けられ、第2インライン混合器73に第2薬液を供給する場合に開閉制御される。第2インライン混合器73には、薬液洗浄部220に一端が接続された第2洗浄薬液配管97が接続される。第2インライン混合器73のアウト側(二次側)には、圧力計75(アウト側圧力計の一例に相当する)が設けられる。DIWCLCボックス110のCLC111からのDIWと、第2薬液CLCボックス130のCLC131からの第2薬液は、合流部79において合流するので、CLC111のアウト側(二次側)の圧力は、CLC131のアウト側の圧力と同一になる。したがって、この圧力計75は、CLC111及びCLC131のアウト側(二次側)の圧力を測定することができる。言い換えれば、圧力計75は、CLC111及びCLC131から流出する液体の圧力を測定する。
【0046】
第2薬液CLCボックス130のCLC131は、図示しない制御装置から所定の流量値を示す信号を受信可能に構成される。この流量値に基づいて、CLC131の内部コントロールバルブの開度が制御される。
【0047】
次に、
図2に示した薬液供給装置100において、第1洗浄薬液及び第2洗浄薬液を薬液洗浄部220に供給する薬液供給プロセスについて説明する。第1洗浄薬液を洗浄装置200の薬液洗浄部220に供給するときは、まず、薬液ユーティリティボックス50の第1薬液入口バルブ51を開き、マニュアルバルブ53を開く。第1薬液CLCボックス120のCLC121で第1薬液の流量が調節され、第1薬液供給源20から第1インライン混合器72に所定流量の第1薬液が供給される。
【0048】
DIW供給配管81上のDIW供給バルブ86を開くと、DIWがDIW供給源10からDIWCLCボックス110のCLC111へ供給される。第1DIW供給バルブ112を開けることで、DIWCLCボックス110から第1インライン混合器72にDIWが供給される。このとき、第2DIW供給バルブ113を閉じておく。
【0049】
第1インライン混合器72に供給された第1薬液とDIWが混合される。これにより生成された第1洗浄薬液は、第1洗浄薬液配管96を介して薬液洗浄部220に供給される
。第1洗浄薬液が薬液洗浄部220に供給される間、第2薬液の第2インライン混合器73への供給が停止される。具体的には、第2薬液CLCボックス130の第2薬液供給バルブ132が閉止される。これにより、薬液洗浄部220には第2洗浄薬液は供給されず、第1洗浄薬液のみが供給される。
【0050】
薬液洗浄部220に第1洗浄薬液が供給されているとき、圧力計76、圧力計52、及び圧力計74は、それぞれCLC111のイン側の圧力、CLC121のイン側の圧力、並びにCLC111及びCLC121のアウト側の圧力を測定する。これにより、CLC111のイン側圧力とアウト側圧力の差圧、及びCLC121のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を得ることができる。
【0051】
第2洗浄薬液を洗浄装置200の薬液洗浄部220に供給するときは、まず、薬液ユーティリティボックス60の第2薬液入口バルブ61を開き、マニュアルバルブ63を開く。第2薬液CLCボックス130のCLC131で第2薬液の流量が調節され、第2薬液供給源30から第2インライン混合器73に所定流量の第2薬液が供給される。
【0052】
DIW供給配管81上のDIW供給バルブ86を開くと、DIWがDIW供給源10からDIWCLCボックス110のCLC111へ供給される。第2DIW供給バルブ113を開けることで、DIWCLCボックス110から第2インライン混合器73にDIWが供給される。このとき、第1DIW供給バルブ112を閉じておく。
【0053】
第2薬液とDIWは、第2インライン混合器73において混合される。これにより生成された第2洗浄薬液は、第2洗浄薬液配管97を介して薬液洗浄部220に供給される。第2洗浄薬液が薬液洗浄部220に供給される間、第1薬液の第1インライン混合器72への供給が停止される。具体的には、第1薬液CLCボックス120の第1薬液供給バルブ122が閉止される。これにより、薬液洗浄部220には第1洗浄薬液は供給されず、第2洗浄薬液のみが供給される。
【0054】
薬液洗浄部220に第2洗浄薬液が供給されているとき、圧力計76、圧力計62、及び圧力計75は、それぞれCLC111のイン側の圧力、CLC131のイン側の圧力、及びCLC111並びにCLC131のアウト側の圧力を測定する。これにより、CLC111のイン側圧力とアウト側圧力の差圧、及びCLC131のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を得ることができる。
【0055】
上述したように、第2実施形態のように複数の薬液を使用する薬液供給装置100においても、それぞれのCLC111,121,131のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を得ることができる。よって、CLC111,121,131のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を作業員が監視することで、第1実施形態と同様に、CLC111,121,131が故障しているのか、それとも差圧が不足しているのかを把握することができる。また、CLC111,121,131のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を予め取得しておくことにより、プロセスレシピの変更に伴ってCLC111,121,131のいずれかを変更する際に、適切なCLCを容易に選択することができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。
【0057】
以下に本明細書が開示する形態のいくつかを記載する。
第1形態によれば、液体源からの液体を洗浄装置に供給するための液体供給装置が提供される。この液体供給装置は、前記液体源からの液体の流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する流量制御装置と、前記液体源と前記流量制御装置との間に設けられるイン側圧力計と、前記流量制御装置と前記洗浄装置との間に設けられるアウト側圧力計と、を有する。
【0058】
第1形態によれば、流量制御装置のイン側の圧力とアウト側の圧力との差圧を得ることができる。これにより、仮に流量制御装置が所望の流量を供給することができなかった場合、この差圧を作業員が監視することで、流量制御装置が故障しているのか、それとも差圧が不足しているのかを把握することができる。また、プロセスレシピの変更に伴って流量制御装置を変更する際に、適切な流量制御装置を容易に選択することができる。
【0059】
第2形態によれば、第1形態の液体供給装置において、前記液体源は、希釈水供給源と、薬液供給源と、を有する。前記流量制御装置は、前記希釈水供給源からの希釈水の流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する希釈水流量制御装置と、前記薬液供給源からの薬液の流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する薬液流量制御装置と、を有する。前記液体供給装置は、さらに、前記希釈水流量制御装置からの前記希釈水と、前記薬液流量制御装置からの前記薬液とが合流する合流部を有する。前記イン側圧力計は、前記薬液供給源と前記薬液流量制御装置との間に設けられる薬液イン側圧力計を有する。前記アウト側圧力計は、前記薬液流量制御装置又は前記希釈水流量制御装置と前記洗浄装置との間に設けられる。
【0060】
第2形態によれば、薬液イン側圧力計により、薬液流量制御装置のイン側圧力を測定することができる。また、希釈水流量制御装置からの希釈水と薬液流量制御装置からの薬液とが合流部で合流するので、希釈水流量制御装置から流出する希釈水の圧力と薬液流量制御装置から流出する薬液の圧力が同一になる。よって、アウト側圧力計が薬液流量制御装置又は希釈水流量制御装置と洗浄装置との間に設けられることで、薬液流量制御装置のアウト側圧力を測定することができる。これにより、薬液流量制御装置のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を取得することができる。
【0061】
第3形態によれば、第2形態の液体供給装置において、前記イン側圧力計は、さらに、前記希釈水供給源と前記希釈水流量制御装置との間に設けられる希釈水イン側圧力計を有する。
【0062】
第3形態によれば、希釈水流量制御装置のイン側圧力を測定することができる。希釈水流量制御装置のアウト側圧力は、アウト側圧力計により測定できるので、希釈水流量制御装置のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を得ることができる。
【0063】
第4形態によれば、液体源からの流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する流量制御装置を備えた液体供給装置において前記液体源からの液体を洗浄装置に供給するための液体供給方法が提供される。この方法は、前記液体源からの流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する流量制御工程と、前記流量制御装置に流入する液体の圧力を測定する第1測定工程と、前記流量制御装置から流出する液体の圧力を測定する第2測定工程と、を有する。
【0064】
第4形態によれば、流量制御装置のイン側の圧力とアウト側の圧力との差圧を得ることができる。これにより、仮に流量制御装置が所望の流量を供給することができなかった場合、この差圧を作業員が監視することで、流量制御装置が故障しているのか、それとも差圧が不足しているのかを把握することができる。また、プロセスレシピの変更に伴って流
量制御装置を変更する際に、適切な流量制御装置を容易に選択することができる。
【0065】
第5形態によれば、第4形態の液体供給方法において、前記流量制御装置は、希釈水供給源からの希釈水の流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する希釈水流量制御装置と、薬液供給源からの薬液の流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する薬液流量制御装置と、を有する。前記流量制御工程は、前記希釈水供給源からの前記希釈水の流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する希釈水流量制御工程と、前記薬液供給源からの前記薬液の流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する薬液流量制御工程と、を有する。前記液体供給方法は、さらに、流量が制御された前記希釈水と、流量が制御された前記薬液とを合流させる工程を有する。前記第1測定工程は、前記薬液流量制御装置に流入する薬液の圧力を測定する工程を有する。前記第2測定工程は、前記薬液流量制御装置から流出した薬液、前記希釈水流量制御装置から流出した希釈水、及び前記薬液と前記希釈水との混合液のいずれかの圧力を測定する工程を有する。
【0066】
第5形態によれば、薬液流量制御装置のイン側圧力を測定することができる。また、希釈水と薬液とが合流するので、希釈水流量制御装置から流出する希釈水の圧力と薬液流量制御装置から流出する薬液の圧力が同一になる。よって、薬液流量制御装置から流出した薬液、希釈水流量制御装置から流出した希釈水、及び薬液と希釈水との混合液のいずれかの圧力を測定することで、薬液流量制御装置のアウト側圧力を測定することができる。これにより、薬液流量制御装置のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を取得することができる。
【0067】
第6形態によれば、第5形態の液体供給方法において、前記第1測定工程は、前記希釈水流量制御装置に流入する前記希釈水の圧力を測定する工程を有する。
【0068】
第6形態によれば、希釈水流量制御装置のイン側圧力を測定することができる。希釈水流量制御装置のアウト側圧力は、第2測定工程において測定されるので、希釈水流量制御装置のイン側圧力とアウト側圧力の差圧を得ることができる。