(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
<1.第1実施形態>
<1−1.装置構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るアライメント装置1(1Aとも称する)の内部構造を示す図である。なお、以下、各図においては、便宜上、XYZ直交座標系を用いて方向等を示している。
【0033】
アライメント装置1は、減圧下のチャンバ(真空チャンバ)2内で、被接合物(ここでは基板)91と被接合物(ここでは基板)92とを対向させて加圧および加熱し、両被接合物91,92を接合する装置である。このアライメント装置1は、ヘッド22に保持された基板92とステージ12に保持された基板91とを接合する接合装置であるとも表現される。なお、ここでは基板91,92として、半導体基板を例示するが、これに限定されず、ガラス基板などが用いられてもよい。また、両被接合物91,92は、それぞれ、(アライメント動作の)対象物などとも表現される。
【0034】
また、両対象物91,92の接合表面には、表面活性化処理が予め施されている。ここでは、アライメント装置1の外部の装置において、両対象物91,92に対する表面活性化処理が予め施され、その後、当該両対象物91,92がアライメント装置1に搬入されるものとする。
【0035】
表面活性化処理は、両対象物91,92の接合表面を活性化する処理であり、ビーム照射部を用いて特定物質(例えばアルゴン)を放出すること等により実行される。当該ビーム照射部は、イオン化された特定物質(アルゴン等)を電界で加速し両対象物91,92の接合表面に向けて当該特定物質を放出することにより、両対象物91,92の接合表面を活性化する。換言すれば、ビーム照射部は、両対象物91,92の接合表面に向けてエネルギー波を照射することによって、両対象物91,92の接合表面を活性化する。ビーム照射部としては、原子ビーム照射装置およびイオンビーム照射装置等が用いられる。
【0036】
このアライメント装置(接合装置)1は、両対象物91,92の処理空間である真空チャンバ2を備える。真空チャンバ2は、排気管6と排気弁7とを介して真空ポンプ5に接続されている。真空ポンプ5の吸引動作に応じて真空チャンバ2内の圧力が低減(減圧)されることによって、真空チャンバ2は真空状態にされる。また、排気弁7は、その開閉動作と排気流量の調整動作とによって、真空チャンバ2内の真空度を調整することができる。
【0037】
上側の対象物92は、ヘッド22(より詳細にはその先端部に設けられた静電チャックあるいは機械式チャック等)によって保持される。同様に、下側の対象物91は、当該ステージ12(より詳細にはその先端部に設けられた静電チャックあるいは機械式チャック等)によって保持される。
【0038】
ヘッド22は、当該ヘッド22に内蔵されたヒータ22hによって加熱され、ヘッド22に保持された対象物92の温度を調整することができる。同様に、ステージ12は、当該ステージ12に内蔵されたヒータ12hによって加熱され、ステージ12上の対象物91の温度を調整することができる。また、ヘッド22は、当該ヘッド22に内蔵された空冷式の冷却装置等によって当該ヘッド22自身を室温付近にまで急速に冷却することもできる。ステージ12も同様である。ヒータ12h,22h(特に22h)は、対象物上の金属バンプを溶融させる加熱手段(溶融手段)等として機能するとともに、当該金属バンプを冷却して再び固化させる冷却手段(固化手段)等としても機能する。すなわち、ヒータ12h,22h(特に22h)は、金属バンプを加熱または冷却する加熱冷却手段として機能する。
【0039】
これらのヘッド22およびステージ12は、いずれも、真空チャンバ2内において、移動可能に設置されている。
【0040】
ステージ12は、スライド移動機構14によってY方向に移動(並進移動)可能である。ステージ12は、比較的奥側の待機位置と比較的手前側の接合位置(ヘッド22直下の位置(
図1参照))との間でY方向において移動する。スライド移動機構14は高精度の位置検出器(リニアスケール)を有しており、ステージ12は高精度に位置決めされる。
【0041】
ヘッド22は、アライメントテーブル23によってX方向およびY方向(水平平面に平行な2つの並進方向)に移動(並進移動)されるとともに、回転駆動機構25によってθ方向(Z軸に平行な軸周りの回転方向)に回転される。ヘッド22は、後述する位置認識部28による位置検出結果等に基づいてアライメントテーブル23および回転駆動機構25によって駆動され、X方向、Y方向、θ方向におけるアライメント動作が実行される。このように、鉛直方向(Z方向)に垂直な平面(水平平面)に沿った各方向(X方向、Y方向、θ方向)(端的に言えば水平方向)において、ステージ12とヘッド22とが相対的に移動することによって、ステージ12に保持された対象物91とヘッド22に保持された対象物92とが水平方向においてアライメントされる。
【0042】
また、ヘッド22は、Z軸昇降駆動機構26によってZ方向に移動(昇降)される。ステージ12とヘッド22とがZ方向に相対的に移動することによって、ステージ12に保持された対象物91とヘッド22に保持された対象物92とが接触し加圧されて接合される。なお、Z軸昇降駆動機構26は、複数の圧力検出センサ(ロードセル等)29,32により検出された信号に基づいて、接合時の加圧力を制御することも可能である。
【0043】
アライメント装置1は、位置認識部28(後述)を備えており、当該位置認識部28は2つの撮像部75(75M,75N)を備えている。各撮像部75は、たとえば、対象物91に設けられたアライメントマークMK1(
図2参照)と対象物92に設けられたアライメントマークMK2(
図3参照)とをそれぞれ撮像することによって、当該2つの対象物91,92の位置ずれ(X方向、Y方向、θ方向における位置ずれ)を測定する。
【0044】
そして、当該位置ずれを解消するようにヘッド22がステージ12に対して相対的に駆動されることによって、両対象物91,92が相対的に駆動され、X方向、Y方向、θ方向におけるアライメント動作が実行される。
【0045】
このように、アライメント装置1は、2つの対象物91,92の位置合わせを行う装置である。
【0046】
<1−2.アライメントマーク>
図2および
図3に示すように、両対象物91,92には、それぞれ、位置合わせ用のマーク(以下、アライメントマークなどとも称する)MKが付されている。ここでは、一方の対象物91に2つのアライメントマークMK1(MK1a,MK1b)(
図2参照)が設けられ、他方の対象物92にも2つのアライメントマークMK2(MK2a,MK2b)(
図3参照)が設けられる。
【0047】
ここでは、対象物91に設けられた2つのアライメントマークMK1a,MK1b(MK1とも総称する)は、それぞれ、円環形状を有するパターンマークである(
図2参照)。一方、対象物92に設けられた2つのアライメントマークMK2a,MK2b(MK2とも総称する)は、円形状を有するパターンマークである(
図3参照)。アライメントマークMK2の円の外径は、アライメントマークMK1の円環部の内径よりも小さい。
【0048】
なお、ここでは、円形状等のマークがアライメントマークMKとして利用されているが、これに限定されず、各種の他の形状(枠形状および十字形状等)のマークがアライメントマークMKとして利用されてもよい。
【0049】
また、各アライメントマークMK1(MK1a,MK1b)は、下側の対象物91の表面(詳細には上側表面)に配置されており、各アライメントマークMK2(MK2a,MK2b)は、上側の対象物92の表面(詳細には下側表面)に配置されている。
【0050】
図2に示すように、同一対象物91内の2つのアライメントマークMK1a,MK1bは、当該2つのマークMK1a,MK1b間距離が比較的大きくなるように、基板91上にて互いに大きく離れて配置される。より詳細には、基板91の両端付近において、これらのアライメントマークMK1a,MK1bが配置される。たとえば、300mm(ミリメートル)の直径を有する基板91において、アライメントマークMK1aが基板91の左端付近(たとえば、左端から中心側へ5mm(ミリメートル)の位置)に配置され、他方のアライメントマークMK1bが基板91の右端付近(たとえば、右端から中心側へ5mm(ミリメートル)の位置)に配置される。なお、2つのマークMK1a,MK1b間距離を大きくすることによれば、特に回転方向の位置ずれの検出精度および位置合わせ精度を向上させることが可能である。
【0051】
図3に示すように、同一対象物92内の2つのアライメントマークMK2a,MK2bも同様に配置される。具体的には、2つのアライメントマークMK2a,MK2bは、基板92上にて互いに大きく離れて配置される。たとえば、300mm(ミリメートル)の直径を有する基板92において、アライメントマークMK2aが基板92の左端付近(たとえば、左端から中心側へ5mm(ミリメートル)の位置)に配置され、他方のアライメントマークMK2bが基板92の右端付近(たとえば、右端から中心側へ5mm(ミリメートル)の位置)に配置される。
【0052】
両対象物91,92が上下に対向配置された状態(対向配置状態)においては、対象物92のアライメントマークMK2aは、対象物91のアライメントマークMK1aの近傍領域に配置される。同様に、当該対向配置状態においては、対象物92のアライメントマークMK2bは、対象物91のアライメントマークMK1bの近傍領域に配置される(
図4および
図6等参照)。
【0053】
<1−3.位置認識部>
アライメント装置1は、対象物91,92の水平位置(詳細にはX,Y,θ)を認識する位置認識部28を備えている。位置認識部28は、アライメント動作のための位置測定動作を実行することが可能である。より詳細には、位置認識部28は、両対象物91,92の水平位置の位置ずれ(詳細にはΔx,Δy,Δθ)を測定することが可能である。
【0054】
図1に示すように、位置認識部28は、対象物91,92等に関する光像を画像データとして取得する2つの撮像部(カメラ)75(それぞれ75M,75Nとも称する)を有する。撮像部75M,75Nは、それぞれ、同軸照明系を有している。なお、撮像部75M,75Nの各同軸照明系の光源としては、両対象物91,92およびステージ12等を透過する光(例えば赤外光)が用いられる。
【0055】
各撮像部75(75M,75N)は、それぞれ、対象物91に設けられたアライメントマークMK1と対象物92に設けられたアライメントマークMK2とを撮像することによって、当該2つの対象物91,92の位置ずれ(X方向、Y方向、θ方向における位置ずれ)を測定する。
【0056】
具体的には、
図1の左側に設けられた撮像部75Mは、対象物91の左側に設けられたアライメントマークMK1aに関する撮影画像G1a(
図4参照)を撮影するとともに、対象物92の左側に設けられたアライメントマークMK2aに関する撮影画像G2a(
図4参照)を撮影する。
【0057】
また、
図1の右側に設けられた撮像部75Nは、対象物91の右側に設けられたアライメントマークMK1bに関する撮影画像G1b(
図4参照)を撮影するとともに、対象物92の右側に設けられたアライメントマークMK2bに関する撮影画像G2b(
図4参照)を撮影する。
【0058】
下側の対象物91のアライメントマークMK1に関する撮影画像G1(G1a,G1b)は、次のようにして撮影される。まず、
図1に示すように、撮像部75における同軸照明系の光源(不図示)から出射された光は、上方に進行し、透光性を有する窓部2b(
図1)等を透過した後に対象物91のマークMK1で反射されると、今度は逆向き(下向き)に進行する。そして、当該光は、再び窓部2bを透過して撮像部75内の撮像素子に到達する。位置認識部28は、このようにして対象物91に関する光像(マークMK1を含む画像)を撮影画像G1(G1a,G1b)として取得する。
【0059】
また、上側の対象物92のアライメントマークMK2に関する撮影画像G2(G2a,G2b)は、次のようにして撮影される。まず、撮像部75における同軸照明系の光源(不図示)から出射された光は、上方に進行し、窓部2b(
図1)および両対象物91,92を透過した後に対象物92のマークMK2で反射されると、今度は逆向き(下向き)に進行する。そして、当該光は、再び窓部2b等を透過して撮像部75内の撮像素子に到達する。位置認識部28は、このようにして対象物92に関する光像(マークMK2を含む画像)を撮影画像G2(G2a,G2b)として取得する。
【0060】
そして、アライメント装置1は、撮影画像G1a,G2aに基づいて、1組のアライメントマーク(MK1a,MK2a)の相互間の位置ずれ(詳細には、位置ずれベクトル)(Δxa,Δya)を求める(
図5参照)。
図5は、1組のマークMK1a,MK2aが互いにずれている状態を示している。
【0061】
また、アライメント装置1は、撮影画像G1b,G2bに基づいて、1組のアライメントマーク(MK1b,MK2b)の相互間の位置ずれ(詳細には、位置ずれベクトル)(Δxb,Δyb)を求める。
【0062】
その後、位置認識部28は、これら2組のマークの位置ずれ(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)と2組のマークの幾何学的関係とに基づいて、X方向、Y方向およびθ方向における両被接合物91,92の相対的ずれΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)を算出(検出)する。そして、位置認識部28により認識された当該相対的ずれΔDが低減されるように、ステージ12が2つの並進方向(X方向およびY方向)と回転方向(θ方向)とに駆動される。これにより、両被接合物91,92が略水平平面に平行な方向に相対的に移動され、上記の位置ずれΔDが補正される。
【0063】
このようにして、略鉛直方向(Z方向)に垂直な平面(略水平平面)内における位置ずれΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)が測定(検出)され、当該位置ずれΔDを補正するアライメント動作(位置合わせ動作)が実行される。このような測定動作(検出動作)およびアライメント動作は、アライメント装置1のコントローラ(不図示)の制御下において実行される。
【0064】
<1−4.水平位置合わせ動作>
ここにおいて、各対象物上でのアライメントマークの位置は、対象物の種類(基板種類等)によって異なることがある。たとえば、或る対象物(基板等)ではマーク間距離が290mmであるのに対して、他の対象物(基板等)ではマーク間距離が296mmであってもよい。換言すれば、上側の対象物のアライメントマークの水平位置(X方向位置および/またはY方向位置)と下側の対象物のアライメントマークの水平位置とは、必ずしも同一の位置でないことがある。
【0065】
図8は、対象物91とは異なる水平位置(ここではX方向位置)にアライメントマークMKが設けられた対象物92(基板)を示す図である。
図8の対象物92(92b)においては、アライメントマークMK2(MK2a,MK2b)は、対象物91のアライメントマークMK1(MK1a,MK1b)の位置(2点鎖線のX方向位置参照)とは異なるX方向位置(より詳細には、比較的外周側)に設けられている。
【0066】
このような場合には、各撮像部75をX方向(および/またはY方向)に移動させることによって、2つのアライメントマークMK1,MK2の各撮影範囲を変更する。これによれば、各撮像部75(75M,75N)の視野範囲(撮影範囲)がそれほど大きくない場合においても、各アライメントマークMK1,MK2をより確実に撮影範囲内に収めることが可能である。
【0067】
具体的には、撮像部75(75M,75N)は、まず、一方の対象物(たとえば、下側の対象物91)のアライメントマーク(MK1)を撮影(撮影画像G1を取得)する。次に、当該撮像部75は、水平方向(X方向および/またはY方向)に移動する(撮影位置を変更する)。その後、当該撮像部75は、今度は他方の対象物(たとえば、上側の対象物92)のアライメントマーク(MK2)を撮影(撮影画像G2を取得)する(
図9参照)。換言すれば、撮像部75は、次の撮影用の位置へと移動した後に、当該次の撮影を実行する。
【0068】
なお、比較的左側(−X側)の撮像部75Mは、
図9に示すように、アライメントマークMK1aの水平位置(理論位置)を中心とする撮影画像G1aを撮影画像G1として撮像するとともに、アライメントマークMK2aの水平位置を中心とする撮影画像G2aを撮影画像G2として撮像する。また、比較的右側(+X側)の撮像部75Nは、アライメントマークMK1bの水平位置を中心とする撮影画像G1bを撮影画像G1として撮像するとともに、アライメントマークMK2bの水平位置を中心とする撮影画像G2bを撮影画像G2として撮像する。
【0069】
そして、アライメント装置1は、2つの撮影画像G1a,G2aに基づいて、2つのマークMK1a,MK2aの位置ずれ(Δxa,Δya)を求める。同様に、アライメント装置1は、2つの撮影画像G1b,G2bに基づいて、2つのマークMK1b,MK2bの位置ずれ(Δxb,Δyb)を求める。なお、撮影画像G1aにおけるカメラ座標系と撮影画像G2aにおけるカメラ座標系との間のキャリブレーション、および撮影画像G1bにおけるカメラ座標系と撮影画像G2bにおけるカメラ座標系との間のキャリブレーションは、予め行われているものとする。
【0070】
<1−5.フォーカス合わせ動作>
また、撮像部75は、合焦状態の調整をZ方向駆動によって実現することができる。換言すれば、撮像部75は、Z方向に駆動されること(フォーカス調整方向において異なる位置に移動されること)によって、フォーカス調整を実現することが可能である。
【0071】
たとえば、上述のように、下側の対象物91のアライメントマークMK1の鉛直位置(Z方向位置)と上側の対象物92のアライメントマークMK2の鉛直位置とは、必ずしも十分に近接していないことがある。このような場合には、両アライメントマークに関する撮影画像の合焦状態を確保するために、まず、撮像部75(75M,75N)は、下側の対象物91のアライメントマークMK1を合焦させて撮影画像G1を撮影した後、鉛直方向(Z方向)に移動してフォーカス位置を移動し、今度は上側の対象物92のアライメントマークMK2を合焦させて撮影画像G2を撮影することがある。換言すれば、撮像部75をZ方向に移動させることによって、下側の対象物91のアライメントマークMK1が合焦する状態と、上側の対象物92のアライメントマークMK2が合焦する状態とを切り換える。なお、Z方向の移動を伴うフォーカス合わせ動作は、必ずしも常に行われることを要しない。たとえば、上下方向に離間した2つのアライメントマークMK1,MK2の中間位置にフォーカスを合わせることによって、当該2つのアライメントマークMK1,MK2の位置が認識される場合等においては、Z方向の移動を伴うフォーカス合わせ動作は行われなくてもよい。
【0072】
このように撮像部75は、X方向、Y方向およびZ方向のうちの少なくとも1つの方向における移動の前後において、それぞれ、撮像動作を実行する。
【0073】
このような状況において、上述のように仮に従来技術を用いて撮像部75を駆動する場合には、撮像部75が移動し停止すると、当該撮像部75の振動が十分には収束しない、との問題が生じ得る。
【0074】
そこで、この実施形態においては、次のような駆動機構70を用いて撮像部75を駆動する。以下、撮像部75の駆動機構70について詳細に説明する。
【0075】
<1−6.撮像部の駆動機構70>
アライメント装置1は、各撮像部75M,75Nを駆動するための駆動機構70(70M,70N)(カメラ移動機構とも称する)を有する(
図11等参照)。各駆動機構70M,70Nは、左右対称の構成を有する。ここでは、一方の駆動機構70Nについて詳細に説明し、他方の駆動機構70Mの説明を省略する。
【0076】
図11は、駆動機構70の正面図であり、
図12は、駆動機構70の斜視図であり、
図13は、駆動機構70の分解斜視図である。これらの図に示すように、駆動機構70は、ベース部材3とY方向移動部材71とX方向移動部材72とZ方向移動部材73とを有している。
【0077】
3つの移動部材71、72,73は、ベース部材3に対して少なくとも1つの方向(ここでは、X方向、Y方向およびZ方向の3つの方向)に移動可能な移動側部材(あるいは移動側部材群)である、とも表現される。また、ベース部材3は、固定側部材(アライメント装置1にて固定される側の部材)であるとも表現される。また、撮像部75は、移動側部材(より詳細にはZ方向移動部材73)に直接的に固定されている。ただし、これに限定されず、撮像部75は、移動側部材に対して間接的に固定されてもよい。
【0078】
Y方向移動部材71は、アライメント装置1のベース部材3に対してY方向に移動可能な部材である。Y方向移動部材71は、平板状の部材である。詳細には、Y方向移動部材71は、Y方向に伸延する部分とX方向に伸延する部分とで構成される(平面視)略十字形状の部材である。Y方向移動部材71は、一部の中空部を除き、ほぼその全底面に亘ってベース部材3に支持される。
【0079】
ベース部材3においては、Y方向移動部材71をY方向に案内するための複数のガイドピン76が固定されている。Y方向移動部材71は、当該複数のガイドピン76に案内されてベース部材3に対してY方向に移動することが可能である。詳細には、Y方向移動部材71の+X側に設けられた2本のガイドピン76に沿ってY方向移動部材71の+X側の側面(垂直平面)71pが移動し、且つ、Y方向移動部材71の−X側に設けられた2本のガイドピン76に沿ってY方向移動部材71の−X側の側面71qが移動することによって、Y方向移動部材71はY方向に移動する。Y方向移動部材71は、駆動部74y(サーボモータ等)によってY方向に駆動される。
【0080】
X方向移動部材72は、Y方向移動部材71に対してX方向に移動可能な部材である。X方向移動部材72は、X方向に伸延する略平板形状部分(平面部とも称する)72bと当該略平板形状部分72bの上側(+Z側)に配置された略四角柱部分であるガイド部78とを有して構成される部材である。ガイド部78は、Z方向に伸延する中空部分(略直方体形状)を有している。ガイド部78は、当該中空部分にZ方向移動部材73を収容するとともに、当該中空部分を利用してZ方向移動部材73のZ方向の移動を案内する(後述)。X方向移動部材72は、一部の中空部を除き、ほぼその全底面に亘ってY方向移動部材71に支持されている。
【0081】
Y方向移動部材71においては、X方向移動部材72をX方向に案内するための複数のガイドピン77が固定されている。X方向移動部材72は、当該複数のガイドピン77に案内されてX方向に移動することが可能である。詳細には、X方向移動部材72の+Y側に設けられた2本のガイドピン77に沿ってX方向移動部材72の+Y側の側面(垂直平面)72rが移動し、且つ、X方向移動部材72の−Y側に設けられた2本のガイドピン77に沿ってX方向移動部材72の−Y側の側面72sが移動することによって、X方向移動部材72はX方向に移動する。X方向移動部材72は、駆動部74x(サーボモータ等)によってX方向に駆動される。
【0082】
Z方向移動部材73は、略四角柱形状を有する部材であって、X方向移動部材72に対してZ方向に移動可能な部材である。
【0083】
X方向移動部材72においては、Z方向移動部材73をZ方向に案内するためのガイド部78が固定されている。ガイド部78は、4つのガイド壁(板状の垂直平面部材)78p,78q,78r,78sで囲まれた中空の四角柱形状を有している。
【0084】
Z方向移動部材73は、X方向移動部材72のガイド部78に案内されてZ方向に移動することが可能である。詳細には、Z方向移動部材73の−X側の側面73qがガイド部78の−X側のガイド壁78qの内側面(+X側の面)に沿って移動し且つZ方向移動部材73の−Y側の側面73sがガイド部78の−Y側のガイド壁78sの内側面に沿って移動することによって、Z方向移動部材73はZ方向に移動する。Z方向移動部材73は、駆動部74z(サーボモータ等)によってZ方向に駆動される。
【0085】
また、
図14に示すように、ガイド部78の+X側のガイド壁78pの内側面(−X側の面)には、−X側(
図14で右向き)への付勢力を伴う複数のガイドローラ79(79x)が設けられている。Z方向移動部材73の移動時においては、複数のガイドローラ79によってZ方向移動部材73が案内される。一方、Z方向移動部材73の非移動時においては、当該付勢力に応じてZ方向移動部材73(詳細には、側面73q)がガイド部78の−X側のガイド壁78qの内側面(+X側の面)に押し付けられることによって、Z方向移動部材73はガイド部78(ひいてはX方向移動部材72)に安定的に支持(保持)される。
【0086】
同様に、ガイド部78の+Y側のガイド壁78rの内側面(−Y側の面)には、−Y側への付勢力を伴う複数のガイドローラ79(79y)が設けられている。Z方向移動部材73の移動時においては、複数のガイドローラ79によってZ方向移動部材73が案内される。一方、Z方向移動部材73の非移動時においては、当該付勢力に応じて、Z方向移動部材73(詳細には、側面73s)がガイド部78の−Y側のガイド壁78sの内側面(+Y側の面)に押し付けられることによって、Z方向移動部材73はガイド部78(ひいてはX方向移動部材72)に安定的に支持(保持)される。
【0087】
また、撮像部75Nは、略四角柱形状を有するZ方向移動部材73の中空部分においてZ方向移動部材73に対して(直接的に)固定されている。なお、ここでは、撮像部75Nは、Z方向移動部材73に対して直接的に固定されているが、これに限定されず、他の部材を介して間接的に固定されてもよい。
【0088】
ここにおいて、Y方向移動部材71がY方向に移動する際には、ベース部材3とY方向移動部材71との間にエアが供給される。エア供給状態でY方向移動部材71が移動することによって、ベース部材3との摺動抵抗が低減され、Y方向移動部材71はベース部材3に対してスムーズに移動することが可能である。好ましくは、Y方向移動部材71は、ベース部材3から浮いた状態(非接触状態)でスムーズに移動する。
【0089】
同様に、X方向移動部材72がX方向に移動する際には、Y方向移動部材71とX方向移動部材72との間にエアが供給される。エア供給状態でX方向移動部材72が移動することによって、Y方向移動部材71との摺動抵抗が低減され、X方向移動部材72はY方向移動部材71に対してスムーズに移動することが可能である。好ましくは、X方向移動部材72は、Y方向移動部材71から浮いた状態でスムーズに移動する。
【0090】
同様に、Z方向移動部材73がZ方向に移動する際には、X方向移動部材72(ガイド部78)とZ方向移動部材73との間にエアが供給される。エア供給状態でZ方向移動部材73が移動することによって、X方向移動部材72(ガイド部78)との摺動抵抗が低減され、Z方向移動部材73はX方向移動部材72に対してスムーズに移動することが可能である。好ましくは、Z方向移動部材73は、X方向移動部材72から浮いた状態でスムーズに移動する。
【0091】
なお、
図11〜
図14等においては、図示していないが、Y方向移動部材71およびX方向移動部材72には、それぞれ、微小径の複数の貫通孔が設けられており、当該複数の貫通孔を通してエア供給が行われる。たとえば、Y方向移動部材71に設けられた複数の貫通孔を通して、ベース部材3とY方向移動部材71との間へのエア供給が行われる。また、X方向移動部材72の平面部72bに設けられた複数の貫通孔を通して、Y方向移動部材71とX方向移動部材72との間へのエア供給が行われる。さらに、X方向移動部材72の各ガイド壁78q,78sに設けられた複数の貫通孔を通して、X方向移動部材72(ガイド部78)とZ方向移動部材73との間へのエア供給が行われる。
【0092】
一方、移動が終了すると、エア供給が停止される。さらに今度は逆にエアの負圧を利用して、各移動部材71,72,73は吸着保持される。なお、エアの負圧を利用した吸着動作は、Y方向移動部材71およびX方向移動部材72に設けられた上述の複数の貫通孔を通して、(今度は逆に)エアを吸引することによって行われる。
【0093】
詳細には、Y方向の移動後において、Y方向移動部材71は、エアの負圧によってベース部材3に吸着されて保持される。Y方向移動部材71は、広い底面(−Z側の平面)を有しており、この際には、当該底面がベース部材3の上面(平面)に面接触して保持される。これによって、Y方向移動部材71は非常に安定的にベース部材3に支持(固定)される。
【0094】
また、X方向の移動後において、X方向移動部材72は、エアの負圧によってY方向移動部材71に吸着されて保持される。X方向移動部材72は、平面部72bに広い底面(−Z側の平面)を有しており、この際には、当該底面がY方向移動部材71の上面(平面)に面接触して保持される。これによって、X方向移動部材72は非常に安定的にY方向移動部材71に支持(固定)される。
【0095】
さらに、Z方向の移動後において、Z方向移動部材73は、エアの負圧によってX方向移動部材72に吸着されて保持される。Z方向移動部材73は、比較的広い側面73q,73sを有しており、この際には、当該側面73q,73sがX方向移動部材72(ガイド部78)のガイド壁78q,78sにそれぞれ面接触して保持される。これによって、Z方向移動部材73は非常に安定的にX方向移動部材72に固定される。また、Z方向移動部材73は、複数のガイドローラの押圧力によっても保持される。
【0096】
また、ベース部材3は、制振機構(除振機構とも称される)によって制振される。当該制振機構としては、たとえば、アクティブ方式の制振機構が用いられる。当該アクティブ方式の制振機構は、ベース部材3の振動を検知する検知部、および当該検知部によって検知された振動を打ち消すようにベース部材3を駆動する駆動部等を備えて構成される。あるいは、当該制振機構は、パッシブ方式の制振機構であってもよい。当該パッシブ方式の制振機構は、ベース部材3の振動を減衰させるためのダンバー等を備えて構成される。
【0097】
このような制振機構によってベース部材3は、非常に安定した状態で上述の駆動機構70(移動部材71,72,73等)を支持することが可能である。換言すれば、駆動機構70および撮像部75は、非常に安定した状態でベース部材3によって支持される。
【0098】
以上のような態様においては、移動側部材71,72,73の少なくとも1つの方向における移動後において、当該移動側部材が固定側部材73に対して面接触して保持された状態で、2つのマーク(MK1,MK2)のうちの少なくとも一方のマーク(MK2)が撮像される。
【0099】
より詳細には、撮像部75は、ベース部材3とY方向移動部材71との間でのY方向におけるY方向移動動作と、Y方向移動部材71とX方向移動部材72との間でのX方向におけるX方向移動動作と、X方向移動部材72とZ方向移動部材73との間でのZ方向におけるZ方向移動動作とのうちの少なくとも1つの移動動作を伴うことによって、アライメントマークMK2は、アライメントマークMK1とは異なる位置で撮像される。アライメントマークMK1,MK2の撮像時(特にアライメントマークMK2の撮像時)においては、Y方向移動部材71がベース部材3に対して面接触して保持され且つX方向移動部材72がY方向移動部材71に対して面接触して保持され且つZ方向移動部材73がX方向移動部材72に対して面接触して保持されている。
【0100】
これによれば、安定したベース部材3の上にY方向移動部材71が安定的に保持(固定)され、当該Y方向移動部材71の上にX方向移動部材72が安定的に保持(固定)され、更にX方向移動部材72の上にZ方向移動部材73が安定的に保持(固定)される。
したがって、Z方向移動部材73に固定された撮像部75は、非常に安定的に保持される。
【0101】
その結果、移動停止後の揺れを非常に小さな値(たとえば、0.2μm(マイクロメートル))以下に収束させることが可能である。すなわち、移動停止後の揺れ(たとえば5μm(マイクロメートル))が所定の精度よりも小さな値にまでは収束しない、との上述の問題は、解決される。また、さらに正確に位置合わせを行うことが可能である。
【0102】
ここにおいて、
図23は、従来技術に係るアライメント装置901を示す図であり、
図24は、従来技術に係るカメラ移動機構(ボールベアリングを用いた移動機構)の一例を示す図である。また、
図25は、
図24のA−A’断面の一部(ボールベアリング付近)を示す図である。
【0103】
従来技術に係るカメラ移動機構970(
図23)においては、撮像部(カメラ)を3つの方向(X方向、Y方向およびZ方向)に移動するための駆動機構が設けられている。各方向の駆動機構は、それぞれボールベアリングを用いて構成されている。たとえば
図24に示されるように、Z方向の駆動機構においては、Z方向に駆動される移動部材(たとえばZ方向移動部材)983は、他の部材(たとえば、X方向移動部材)982に対してボールベアリング986を介してスライド移動可能である。なお、他の方向においても同様の駆動構成が採用されている。
【0104】
当該カメラ移動機構970においては、
図24および
図25に示すように、互いに相対的に駆動される2つの被駆動部材(移動部材)は、ボールベアリング(詳細には剛球986)を挟んで互いに接触しており、たとえば、当該ボールベアリングに用いられる各剛球(ボール)986は2点(ないし4点)程度で当該2つの被駆動部材に接触している。すなわち、「点接触」によって被駆動部材が保持されている。この場合、安定性が必ずしも十分ではなく、上述のような問題、すなわち、撮像部の移動終了時(停止時)に、当該撮像部の振動が所定の精度にまでは収束しない(
図26参照)、との問題が発生する。たとえば、5μm(マイクロメートル)程度の揺れが残存する。
【0105】
なお、本願発明者は、ボールベアリングに代えてローラベアリングを採用し、被駆動部材との接触状態を「点接触」から「線接触」へと変更してみたところ、振動は2μm(マイクロメートル)程度にまで低減された。しかしながら、未だ所定の精度よりも大きな振動が残存した。
【0106】
これに対して、本願発明者は、当該従来技術に係る駆動機構とは全く異なる上述のような構成、端的に言えば、2つの被駆動部材(移動部材)を面接触して保持する構成を案出した。これにより、2つの被駆動部材を非常に安定的に保持することが可能となり、撮像部の移動停止後の揺れを非常に小さな値(たとえば、0.2μm(マイクロメートル))以下に収束させることができた。換言すれば、撮像部75を安定的に保持することによって、撮像部75の揺れを抑制することが可能である。
【0107】
ここにおいて、仮に画像取り込み時(撮像時)に撮像部75が振動すると、撮影画像に「ぼやけ」及び/又は「歪み」等が生じるため、高精度な取り込みを行うことが困難である。通常、受光素子は1画素ずつ一定時間(たとえば33ms)に得られた光の量を記憶する。ところが、撮像部75が振動すると、当該一定時間に各画素に入射すべき光が、他の画素にも入射する等のため当該各画素に正確に入射せず、特にエッジ部分での明暗が明確にならずに「ぼやけ」(あるいは「歪み」)が撮影画像に発生する。
【0108】
一方、上記実施形態によれば、アライメントマークの撮像時における撮像部75の揺れ(振動)を抑制することが可能であるので、このような「ぼやけ」等の発生を回避ないし抑制することが可能である。ひいては、当該撮影画像に基づいて、正確な位置ずれを把握し、正確な位置合わせを行うことが可能である。
【0109】
<1−7.撮像動作(Z方向移動を伴う動作)>
次に、撮像部75のZ方向移動を伴う撮像動作について説明する。
【0110】
たとえば、
図6に示すように、上下方向に対向配置された2つのアライメントマークMK1,MK2のZ方向の距離Hが所定程度よりも大きい場合等においては、上述のように撮像部75のZ方向駆動動作を伴う撮影動作が行われる。具体的には、まず、下側の対象物91のアライメントマークMK1を合焦させてアライメントマークMK1が撮影された後、撮像部75が鉛直方向(Z方向)に移動されてフォーカス位置が調整され、今度は他方の対象物92のアライメントマークMK2を合焦させてアライメントマークMK2が撮影される。以下、このような動作について、撮像部75Nの動作を中心にさらに詳細に説明する。
【0111】
具体的には、
図6に示すように、撮像部75Nは、アライメントマークMK1(MK1b)の直下の位置(水平方向位置(Xb,Yb))に存在するものとする。この状態において、撮像部75Nは、下側の対象物91のアライメントマークMK1(MK1b)が合焦するように撮像部75をZ方向に移動させる。当該移動中には、駆動機構70(
図13等参照)において上述のようにエア供給が行われ、各移動部材は円滑に移動する。一方、当該移動が完了すると、Y方向移動部材71がベース部材3に面接触して保持(詳細には吸着保持)され、X方向移動部材72がY方向移動部材71に面接触して保持(詳細には吸着保持)され、Z方向移動部材73がX方向移動部材72に面接触して保持(詳細には吸着保持)される。これにより、上述のように、撮像部75Nは、ベース部材3に対して安定的に保持される。
【0112】
この状態において、撮像部75Nは、アライメントマークMK1bを合焦状態で撮影し、当該アライメントマークMK1bの撮影画像G1(G1b)を取得する。
【0113】
つぎに、撮像部75Nは、鉛直方向(Z方向)に移動して合焦状態を調整し、今度は他方の対象物92のアライメントマークMK2(MK2b)を合焦させる。当該Z方向の移動中には、X方向移動部材72とZ方向移動部材73との間にエア供給が行われ、Z方向移動部材73はX方向移動部材72に対して円滑に移動する。なお、Z方向の移動中においては、Y方向移動部材71がベース部材3に面接触して保持(詳細には吸着保持)されており、X方向移動部材72がY方向移動部材71に面接触して保持(詳細には吸着保持)されている。
【0114】
一方、当該移動が完了すると、Z方向移動部材73がX方向移動部材72に面接触して保持(詳細には吸着保持)される。より詳細には、Y方向移動部材71がベース部材3に面接触して保持(詳細には吸着保持)され、X方向移動部材72がY方向移動部材71に面接触して保持(詳細には吸着保持)され、Z方向移動部材73がX方向移動部材72に面接触して保持(詳細には吸着保持)される。これにより、撮像部75Nは、ベース部材3に対して安定的に保持される。
【0115】
そして、この状態において、撮像部75Nは、アライメントマークMK2bを合焦状態で撮影し、当該アライメントマークMK2bの撮影画像G2(G2b)を取得する。
【0116】
そして、これらの撮影画像G1b,G2bに基づいて、1組のアライメントマーク(MK1b,MK2b)の相互間の位置ずれ(詳細には、位置ずれベクトル)(Δxb,Δyb)が求められる。
【0117】
なお、ここでは、撮像部75Nについて主に説明したが、撮像部75Mについても同様である。撮像部75Mは、アライメントマークMK1aに関する撮影画像G1aと、アライメントマークMK2aに関する撮影画像G2aとを取得する。そして、撮影画像G1a,G2aに基づいて、1組のアライメントマーク(MK1a,MK2a)の相互間の位置ずれ(詳細には、位置ずれベクトル)(Δxa,Δya)が求められる。
【0118】
また、上述のような動作(撮像部75のZ方向移動動作)は、
図6のように、2つの対象物91,92がZ方向に離間した状態で当該2つの対象物91,92の各アライメントマークが撮影される場合に限定されない。たとえば、
図7に示すように、2つの対象物91,92が互いに接触した状態において当該2つの対象物91,92の各アライメントマークが撮影される場合にも行われ得る。特に、アライメントマークMK1が下側の対象物91の下側表面に設けられ且つアライメントマークMK2とが上側の対象物92の上側表面に設けられる場合などには、両マークMK1,MK2の相互間の距離Hが所定程度よりも大きくなることがある。
【0119】
<1−8.撮像動作(水平移動を伴う動作)>
次に、撮像部75のX方向移動を伴う撮像動作について説明する。
【0120】
たとえば、
図10に示すように、上下の2つのアライメントマークMK1,MK2のX方向の位置が互いに異なる場合等においては、上述のように撮像部75の水平方向駆動動作(詳細にはX方向駆動動作)を伴う動作が行われる。なお、ここでは、撮像部75のZ方向移動動作も併せて行われる態様を例示する。
【0121】
具体的には、
図10に示すように、撮像部75Nは、まず、アライメントマークMK1(MK1b)の直下の位置(X方向位置X1b)に移動する。また、撮像部75Nは、下側の対象物91のアライメントマークMK1(MK1b)が合焦するように撮像部75をZ方向に移動させる。当該移動中には、駆動機構70(
図13等参照)において上述のようにエア供給が行われ、各移動部材は円滑に移動する。一方、当該移動が完了すると、Y方向移動部材71がベース部材3に面接触して保持(詳細には吸着保持)され、X方向移動部材72がY方向移動部材71に面接触して保持(詳細には吸着保持)され、Z方向移動部材73がX方向移動部材72に面接触して保持(詳細には吸着保持)される。これにより、上述のように、撮像部75Nは、ベース部材3に対して安定的に保持される。
【0122】
この状態において、撮像部75Nは、アライメントマークMK1bを合焦状態で撮影し、当該アライメントマークMK1bの撮影画像G1(G1b)を取得する。
【0123】
つぎに、撮像部75Nは、アライメントマークMK2(MK2b)の直下の位置(X方向位置X2b)に移動する。また、撮像部75Nは、さらに鉛直方向(Z方向)に移動して合焦状態を調整し、今度は他方の対象物92のアライメントマークMK2(MK2b)を合焦させる。
【0124】
これらの移動中(X方向およびZ方向の移動中)には、駆動機構70(
図13等参照)において上述のようにエア供給が行われ、各移動部材は円滑に移動する。
【0125】
X方向の移動中には、X方向移動部材72とY方向移動部材71との間にエア供給が行われ、X方向移動部材72はY方向移動部材71に対して円滑に移動する。また、Z方向の移動中には、X方向移動部材72とZ方向移動部材73との間にエア供給が行われ、Z方向移動部材73はX方向移動部材72に対して円滑に移動する。
【0126】
一方、当該移動が完了すると、Y方向移動部材71がベース部材3に面接触して保持(詳細には吸着保持)され、X方向移動部材72がY方向移動部材71に面接触して保持(詳細には吸着保持)され、Z方向移動部材73がX方向移動部材72に面接触して保持(詳細には吸着保持)される。これにより、上述のように、撮像部75Nは、ベース部材3に対して安定的に保持される。
【0127】
そして、この状態において、撮像部75Nは、アライメントマークMK2bを合焦状態で撮影し、当該アライメントマークMK2bの撮影画像G2(G2b)を取得する。
【0128】
そして、これらの撮影画像G1b,G2bに基づいて、1組のアライメントマーク(MK1b,MK2b)の相互間の位置ずれ(詳細には、位置ずれベクトル)(Δxb,Δyb)が求められる。
【0129】
なお、撮像部75Nについて主に説明したが、撮像部75Mについても同様である。撮像部75Mは、アライメントマークMK1aに関する撮影画像G1aと、アライメントマークMK2aに関する撮影画像G2aとを取得する。そして、撮影画像G1a,G2aに基づいて、1組のアライメントマーク(MK1a,MK2a)の相互間の位置ずれ(詳細には、位置ずれベクトル)(Δxa,Δya)が求められる。
【0130】
また、ここでは、各対象物91,92のアライメントマークMK1,MK2がX方向に離間して配置されている場合(
図8および
図9等参照)に、撮像部75がX方向に駆動される態様等が例示されているが、これに限定されず、撮像部75はY方向に駆動されてもよい。たとえば、各対象物91,92のアライメントマークMK1b,MK2bがY方向に離間して配置されている場合に、2つのアライメントマークMK1b,MK2bの離間方向であるY方向において、撮像部75が移動されるようにしてもよい。当該移動の前にアライメントマークMK1bの撮影画像G1bが撮影され、当該移動の後にアライメントマークMK2bの撮影画像G2bが撮影されればよい。
【0131】
また、撮像部75は、X方向とY方向との双方に駆動されてもよい。たとえば、各対象物91,92のアライメントマークMK1b,MK2bがX方向とY方向との双方に離間して配置されている場合に、2つのアライメントマークMK1b,MK2bの離間方向(X方向およびY方向)において、撮像部75が移動されるようにしてもよい。当該移動の前にアライメントマークMK1bの撮影画像G1bが撮影され、当該移動の後にアライメントマークMK2bの撮影画像G2bが撮影されればよい。
【0132】
また、ここでは、撮像部75の水平方向(X方向および/またはY方向)の移動動作のみならず、撮像部75のZ方向移動動作もが行われる態様等が例示されているが、これに限定されない。たとえば、撮像部75のZ方向移動動作は行われず、撮像部75の水平方向(X方向および/またはY方向)の移動動作のみが行われてもよい。
【0133】
また、ここでは、対向する2つの対象物91,92のそれぞれにおいて、その対向面(内側の面)とは反対側の面(たとえば、下側の基板91の下面、および上側の基板92の上面)にアライメントマークが設けられている(
図6および
図7参照)が、これに限定されない。具体的には、対向する2つの対象物のそれぞれにおいて、その対向面(たとえば、下側の基板91の上面、および上側の基板92の下面)において、各アライメントマークMK1,MK2が設けられてもよい。各対向面側にアライメントマークが設けられている場合においても、撮像部75の水平方向および/または鉛直方向に関する上述の動作等が適用され得る。特に、
図22に示すように、両基板91,92が、各表面に設けられた凸状の金属部材(バンプおよびパッド等)同士で接触しているとき(詳細には、基板91の金属パッド97と基板92の金属バンプ98とが接触している状態)においては、下側の基板91の上面に設けられたアライメントマークMK1(MK1a等)と上側の基板92の下面に設けられたアライメントマークMK2(MK2a等)とが比較的離れていることがある。このような状況においても、撮像部75がZ方向(上下方向)に駆動され、下側のアライメントマークMK1と上側のアライメントマークMK2とがZ方向(フォーカス調整方向)における互いに異なる位置(フォーカス位置)で撮像されるようにしてもよい。
【0134】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0135】
第1実施形態においては、撮像部75は、移動部材71,72,73の移動前にアライメントマークMK1を撮影し、当該移動後にアライメントマークMK2を撮像している。換言すれば、或る1組の対象物に関する2つの撮影動作の間に、撮像部75の移動動作が行われる態様が例示されている。
【0136】
一方、この第2実施形態においては、基板種類の切り換えに際して撮像部75の移動動作が行われる態様が例示される。
【0137】
具体的には、上述の1組の対象物(91,92)とは別の1組の対象物(93,94)に関するアライメント動作が予め行われた状況を想定する。なお、当該対象物(93,94)に関する当該アライメント動作は、たとえば、上述のアライメント動作と同様にして行われる。そして、当該別の1組の対象物(93,94)に関するアライメント動作が完了した後に、移動部材71,72,73の少なくとも1つの移動動作が行われ、さらにその後に、上述の1組の対象物(91,92)に関するアライメント動作が行われる。以下では、このような態様についてさらに詳細に説明する。
【0138】
ここにおいて、当該2つの対象物93,94は、上述の対象物91,92とは異なる種類の対象物(たとえば、異なる種類の基板)であるものとする。また、対象物93,94は、それぞれ、対象物91,92とは異なる水平位置に、アライメントマークMK3,MK4(
図15参照)を有しているものとする。ここでは、当該アライメントマークMK3,MK4(詳細には、MK3a,MK3b,MK4a,MK4b)は、平面視略円形の対象物93,94において、アライメントマークMK1,MK2(詳細には、MK1a,MK1b,MK2a,MK2b)よりも内周側にそれぞれ設けられている。
【0139】
なお、或る1組のアライメント対象物(91,92)のアライメント動作とその直前の1組のアライメント対象物(93,94)のアライメント動作とは、比較的短い期間を空けて行われてもよいが、これに限定されず、比較的長い期間(たとえば、1ヶ月〜数ヶ月)を空けて行われてもよい。すなわち、比較的長い空白期間を挟んで基板種類の切換が行われてもよい。そのような場合に、直前の対象物(93,94)を撮影するための位置から、新たな対象物(91,92)を撮影するための位置へと、移動部材71,72,73の少なくとも1つが移動されるようにしてもよい。
【0140】
図15に示されるように、対象物93の左側のアライメントマークMK3aは、撮像部75がX方向位置X3aに存在する状態で撮像され、対象物93の右側のアライメントマークMK3bは、撮像部75がX方向位置X3bに存在する状態で撮像される。X方向位置X3aは、対象物91,92に関するX方向位置Xa,X1a,X2a(
図6,
図7および
図10参照)のいずれとも異なる位置であり、X方向位置X3bは、対象物91,92に関するX方向位置Xb,X1b,X2b(
図6,
図7および
図10参照)のいずれとも異なる位置である。
【0141】
同様に、対象物94の左側のアライメントマークMK4aは、撮像部75がX方向位置X4aに存在する状態で撮像され、対象物93の右側のアライメントマークMK4bは、撮像部75がX方向位置X4bに存在する状態で撮像される。X方向位置X4aは、対象物91,92に関するX方向位置Xa,X1a,X2a(
図6,
図7および
図10参照)のいずれとも異なる位置であり、X方向位置X4bは、対象物91,92に関するX方向位置Xb,X1b,X2b(
図6,
図7および
図10参照)のいずれとも異なる位置である。なお、ここでは、X方向位置X4aはX方向位置X3aと同じ位置であり、X方向位置X4bはX方向位置X3bと同じ位置である場合を例示するが、これに限定されず、それぞれ互いに異なっていてもよい。
【0142】
このような場合において、対象物93,94に関するアライメント動作が完了すると、撮像部75は、駆動機構70の駆動動作によって次の対象物91,92の撮影用の位置へと移動する。換言すれば、対象物の種類の切り換えに伴って、撮像部75は、駆動機構70を用いて移動される。
【0143】
たとえば、撮像部75Mは、X方向位置X4a(X3a)にて対象物94のアライメントマークMK4aの撮影が完了すると、駆動機構70M(X方向移動部材72等)の駆動動作によって、対象物91(次の対象物)の撮影用の位置X1aへと(X方向に)移動する。換言すれば、撮像部75Mは、直前のアライメント対象物(93,94)にそれぞれ付された1組のアライメントマークMK3,MK4に関する撮像後に、当該1組のアライメントマークMK3,MK4に関する直前の撮像位置(X4a)とは異なる位置X1aに移動する。
【0144】
同様に、撮像部75Nは、X方向位置X4b(X3b)にて対象物94のアライメントマークMK4bの撮影が完了すると、駆動機構70N(X方向移動部材72等)の駆動動作によって、対象物91の撮影用の位置X1bへと(X方向に)移動する。換言すれば、撮像部75Nは、直前のアライメント対象物(93,94)にそれぞれ付された1組のアライメントマークMK3,MK4に関する撮像後に、当該1組のアライメントマークMK3,MK4に関する直前の撮像位置(X4b)とは異なる位置X1bに移動する。
【0145】
このような対象物の種類切り換え時においても、上述のように仮に従来技術を用いて撮像部75を駆動する場合には、当該撮像部75の振動が十分には収束しない、との問題が生じ得る。
【0146】
これに対して、この第2実施形態においては、アライメント対象物の種類切り換え時において、上述のような駆動機構70を用いて撮像部75が移動される。換言すれば、移動側部材71,72,73の少なくとも1つの方向における移動後において、当該移動側部材が固定側部材73に対して面接触して保持された状態で、2つのマーク(MK1,MK2)のうちの少なくとも一方のマーク(MK1等)が撮像される。
【0147】
これによれば、移動停止後において撮像部75が安定的に保持されるので、当該撮像部75の振動が所定の精度にまで収束され得る。そして、撮像部75が安定的に保持された状態で、アライメントマークMK1等が撮像されるので、撮像部75の揺れを抑制することが可能である。したがって、撮影画像における「ぼやけ」等の発生を回避ないし抑制することが可能である。ひいては、当該撮影画像に基づいて正確な位置ずれを把握し、正確な位置合わせを行うことが可能である。
【0148】
なお、第2実施形態においては、対象物94のアライメントマークMK4(MK4b等)の撮影(直前の撮影)が完了すると、撮像部75が次の対象物91の撮影用の位置X1bへとX方向に移動しているが、これに限定されない。
【0149】
より詳細には、対象物94のアライメントマークMK4bの撮影(直前の撮影)の完了後に、撮像部75が他の水平方向(Y方向等)へと移動する場合に、上述の思想が適用されてもよい。たとえば、対象物93,94が、それぞれ、Y方向にて対象物91,92とは異なる位置に、アライメントマークMK3,MK4を有している場合に、上述の駆動機構70(Y方向移動部材71等)を利用して撮像部75をY方向に駆動してもよい。
【0150】
あるいは、対象物94のアライメントマークMK4bの撮影(直前の撮影)の完了後に、撮像部75が水平方向以外の方向(Z方向等)へと移動する場合に、上述の思想が適用されてもよい。
【0151】
たとえば、対象物94のアライメントマークMK4bの撮影が完了すると、撮像部75Nは、駆動機構70N(Z方向移動部材73等)の駆動動作によって、上側の対象物94の撮影用のZ方向位置から(次の組の)下側の対象物91の撮影用のZ方向位置へと(Z方向に)移動されるようにしてもよい。あるいは、対象物94のアライメントマークMK4bの撮影が完了すると、撮像部75Nは、駆動機構70N(Z方向移動部材73等)の駆動動作によって、対象物94の撮影用のZ方向位置から(次の組の)対象物92の撮影用のZ方向位置へと(Z方向に)移動されるようにしてもよい。特に、対象物93,94上の2つのアライメントマークMK3,MK4の相互間の距離H(H3とも称する)が対象物91,92上の2つのアライメントマークMK1,MK2の相互間の距離H(H1とも称する)とは異なっている場合(対象物93,94が、それぞれ、対象物91,92の厚さとは異なる厚さを有している場合等)には、対象物94の撮影用のZ方向位置と対象物92の撮影用のZ方向位置とが異なっていることがある。このような場合に、上述の駆動機構70を利用して撮像部75をZ方向に駆動してもよい。
【0152】
第1実施形態においては、対象物91に設けられたアライメントマークMK1と対象物92に設けられたアライメントマークMK2とがそれぞれ個別に撮像されている。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、対象物91に設けられたアライメントマークMK1と対象物92に設けられたアライメントマークMK2とはそれぞれ個別に撮像されればよい。
【0153】
ただし、これに限定されず、第2実施形態においてアライメントの対象物(93,94)が新たな対象物(91,92)に切り換えられた後において、対象物91に設けられたアライメントマークMK1と対象物92に設けられたアライメントマークMK2とが同時に撮影されてもよい。換言すれば、2つのアライメントマークMK1,MK2の双方を含む1枚の撮影画像が取得されてもよい。より詳細には、2つのアライメントマークMK1a,MK2aの双方を含む1枚の撮影画像(左側の撮影画像)Gaと、2つのアライメントマークMK1b,MK2bの双方を含む他の1枚の撮影画像(右側の撮影画像)Gbとがそれぞれ取得されればよい。
【0154】
また、このように2つのアライメントマークMK1,MK2が同時に撮影される場合には、次のような合焦状態で撮影が行われることが好ましい。
【0155】
たとえば、左側の撮影画像Gaは、アライメントマークMK1aのZ方向位置PZ1とアライメントマークMK2aのZ方向位置PZ2との間のZ方向位置MP(
図16参照)の仮想物体からの光が撮像部75の撮像面に結像する状態で、取得されることが好ましい。両アライメントマークMK1a,MK2aの間(好ましくは中間(中央))に焦点を合わせることによれば、両アライメントマークMK1a,MK2aのぼけ具合のバランスを図り(一方のぼけ具合が非常に大きくなることを防止し)、高精度に位置ずれを検出することが可能である。
【0156】
さらに、好ましくは、撮影画像Ga内の両アライメントマークMK1a,MK2aに対応する部分のエッジがベクトル相関法により検出される。ベクトル相関法を用いることによれば、画像のぼけ具合による影響を低減することが可能であり、アライメントマークの位置を精度良く検出することができる。
【0157】
なお、撮影画像Gbにおいても同様である。
【0158】
また、上記第2実施形態においては、対象物の種類が切り換えられた後における新たな種類の対象物(91,92)の撮影に際して、X方向等への撮像部75の更なる移動動作が実行される態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、新たな種類の対象物(91,92)に関しては、各アライメントマークMK1,MK2(たとえば、MK1b,MK2b)に関する撮影動作が、駆動機構70による撮像部75の駆動を伴わずに行われるようにしてもよい。また、切り換え前の種類の対象物(93,94)に対しても、同様に、2つのマークMK3,MK4(たとえば、MK3b,MK4b)に関する撮影動作が駆動機構70による撮像部75の駆動を伴わずに行われるようにしてもよい。
【0159】
より詳細には、まず、駆動機構70による撮像部75の駆動動作を伴うことなく(撮像部75が或る位置から移動することなく)
図15のような対象物93,94の各マークMK3,MK4に関する撮影が行われてアライメント動作が行われる。次に、対象物の切り換えに際して、駆動機構70による撮像部75の駆動動作(X方向、Y方向、Z方向の少なくとも1つの方向に関する駆動動作)が行われる。これにより、撮像部75は、或る位置から別の位置(移動後の位置)へと移動する。次に、
図7のような対象物91,92の各マークMK1,MK2に関する撮影が行われてアライメント動作が行われる。各マークMK1,MK2に関する撮影は、駆動機構70による撮像部75の駆動動作を伴うことなく(撮像部75が当該別の位置(移動後の位置)から移動することなく)行われる。たとえば、撮像部75Nは、X方向位置Xbに存在したまま、両マークMK1,MK2を撮影すればよい。また、撮像部75Nは、そのZ方向位置を変更することなく、上述のような合焦状態で2つのアライメントマークMK1,MK2を同時に撮影すればよい。
【0160】
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0161】
たとえば、上記各実施形態等においては、ベース部材3自体が駆動機構70の固定側部材である場合が例示されているが、これに限定されず、当該固定側部材は、当該ベース部材3に対して直接的または間接的に固定される部材であってもよい。
【0162】
また、上記各実施形態等においては、撮像部75がX方向、Y方向およびZ方向の3方向に駆動され得る態様が例示されているが、これに限定されず、アライメント装置1は、これら3方向のうち1方向あるいは2方向のみに撮像部75を駆動する構成を有していてもよい。換言すれば、撮像部75に関する駆動機構70は、Y方向移動部材71、X方向移動部材72およびZ方向移動部材73の3つの移動部材を有しているが、これに限定されない。
【0163】
具体的には、撮像部75は、Z方向にのみ駆動されるようにしてもよい。より詳細には、駆動機構70において、Y方向移動部材71およびX方向移動部材72が設けられず、Z方向移動部材73のみが設けられてもよい。より詳細には、Z方向移動部材73がベース部材3に対して相対的に移動されるような構成が採用されるとともに、移動後においてZ方向移動部材73がベース部材3に対して面接触して保持(吸着保持)されるようにしてもよい。そして、Z方向移動部材73のZ方向における移動動作を伴うことによって、撮像部75は、2つのアライメントマークをZ方向(フォーカス調整方向)における互いに異なる位置で撮像するようにしてもよい。なお、撮像部75は、Z方向移動部材73に対して直接的または間接的に固定されればよい。
【0164】
あるいは、撮像部75は、XY平面に平行な方向に関してのみ駆動されるようにしてもよい。
【0165】
たとえば、駆動機構70において、Z方向移動部材73が設けられず、且つ、Y方向移動部材71およびX方向移動部材72が設けられてもよい。撮像部75は、X方向移動部材72(あるいはY方向移動部材71)に対して直接的または間接的に固定されればよい。そして、Y方向移動部材71およびX方向移動部材72による水平方向における移動動作を伴うことによって、撮像部75は、2つのアライメントマークを水平方向において互いに異なる位置で撮像するようにしてもよい。これによれば、2つのアライメントマークを、それぞれの撮影に適した位置に移動した状態で撮影することが可能である。そして、そのような各撮影画像(特に移動後の撮影画像)の取得に際して、ベース部材3とY方向移動部材71との間の面接触、およびY方向移動部材71とX方向移動部材72との間の面接触を用いて安定化を図ることによって、撮像部75の移動時(移動停止時)の揺れを抑制することが可能である。
【0166】
あるいは、駆動機構70において、Z方向移動部材73が設けられず、且つ、Y方向移動部材71とX方向移動部材72とのうちの一方のみが設けられてもよい。たとえば、3つの移動部材71,72,73のうちX方向移動部材72のみが設けられてもよい。撮像部75は、X方向移動部材72(あるいはY方向移動部材71)に対して直接的または間接的に固定されればよい。
【0167】
より詳細には、X方向移動部材72がベース部材3に対して相対的に駆動されるような構成が採用されるとともに、移動後においてX方向移動部材72がベース部材3に対して面接触して保持されるようにしてもよい。そして、X方向移動部材72による水平方向における移動動作を伴うことによって、撮像部75は、当該水平方向(X方向)において互いに異なる位置で、2つのアライメントマークを撮像すればよい。これによれば、水平方向(X方向)において互いに異なる位置に配置された2つのアライメントマークを、それぞれの撮影に適した位置に移動した状態で撮影すること等が可能である。そして、そのような各撮影画像の取得に際して、ベース部材3とX方向移動部材72とが面接触した状態で安定的に保持されることによって、撮像部75の移動時の揺れを抑制することが可能である。
【0168】
あるいは、撮像部75は、撮像部75は、XY平面に平行な1つの方向とZ方向とにのみ駆動されるようにしてもよい。具体的には、Z方向移動部材73が設けられ、且つ、Y方向移動部材71とX方向移動部材72とのうちの少なくとも一方が設けられてもよい。たとえば、3つの移動部材71,72,73のうち、X方向移動部材72およびZ方向移動部材73のみが設けられてもよい。より詳細には、X方向移動部材72がベース部材3に対して相対的に駆動され且つZ方向移動部材73がX方向移動部材72に対して相対的に駆動されるような構成が採用されるとともに、移動停止後において、X方向移動部材72がベース部材3に対して面接触して保持され、Z方向移動部材73がX方向移動部材72に対して面接触して保持されるようにしてもよい。撮像部75は、Z方向移動部材73に対して直接的または間接的に固定されればよい。
【0169】
これによれば、撮像部75は、2つのアライメントマークを、Z方向(フォーカス調整方向)にて互いに異なる位置であり且つ水平方向に異なる位置でもある2つの位置でそれぞれ撮影すること等が可能である。そして、そのような各撮影画像の取得に際して、ベース部材3とX方向移動部材72との間の面接触、およびX方向移動部材72とZ方向移動部材73との間の面接触を用いて安定化を図ることによって、撮像部75の移動時の揺れを抑制することが可能である。
【0170】
また、上記各実施形態においては、駆動機構70の各移動部材71,72,73は、それぞれ、1つの方向にのみ移動しているが、これに限定されない。たとえば、駆動機構70の或る移動部材が2つの方向に移動するようにしてもよい。
図17は、このような変形例に係る駆動機構70(70B)を示す平面図である。
【0171】
移動部材71xyは、略矩形形状を有する薄板部材であり、ベース部材3の上に配置されている。移動部材71xyは、ベース部材3に対して2つの方向(X方向およびY方向)に移動することが可能である。第1実施形態(
図13等参照)と比較すると、Y方向移動部材71およびX方向移動部材72に代えて、移動部材71xyが設けられている。
【0172】
具体的には、駆動機構70Bは、当該移動部材71xyの周囲において、3つの押圧力付与部(押圧駆動部とも称する)51,52,53と3つの弾性支持部61,62,63とを備えている。これらの6つの部材51,52,53,61,62,63は、3組の挟持部(51,61),(52,62),(53,63)を構成し、当該3組の挟持部によって移動部材71xyが挟持される。そして、各挟持部と移動部材71xyとの各接触位置(PT11,PT21),(PT12,PT22),(PT13,PT23)が、それぞれ各挟持部に対応する挟持方向(X方向、Y方向、Y方向)において変更されることによって、移動部材71xyが略水平平面に平行な方向に移動される。
【0173】
たとえば、
図18に示すように、押圧力付与部51は、押圧点PT11において移動部材71xyをX方向(詳細には−X方向)に押圧しながら、押圧力付与部51の先端部の位置を−X方向に微小量ΔX0移動する。これに応じて、移動部材71xyも−X方向に微小量ΔX0移動する。このとき、弾性支持部61の先端部の位置も−X方向に微小量ΔX0移動するとともに、弾性支持点PT21にて、+X方向の弾性支持力が弾性支持部61から移動部材71xyへと付与される。そして、押圧力付与部51による押圧力と弾性支持部61による弾性力とが釣り合うことによって、移動部材71xyの位置が固定される。換言すれば、1組の挟持部(51,61)によって移動部材71xyが挟持され、接触位置PT11,PT21がそれぞれ挟持方向(ここではX方向)において−X方向に微小量ΔX0移動することによって、移動部材71xyが−X方向に微小移動する。
【0174】
同様にして、Y方向にも同様に移動される。具体的には、
図19に示すように、押圧力付与部52,53は、それぞれ、押圧点PT12,PT13において移動部材71xyをY方向(詳細には+Y方向)に押圧しながら、各押圧力付与部52,53の先端部の位置を+Y方向に微小量ΔY0移動する。これに応じて、移動部材71xyも+Y方向に微小量ΔY0移動する。このとき、弾性支持部62,63の先端部の位置も+Y方向に微小量ΔY0移動するとともに、弾性支持点PT22,PT23にて、−Y方向の弾性支持力が弾性支持部62,63から移動部材71xyへと付与される。そして、押圧力付与部52,53による押圧力と弾性支持部62,63による弾性力とが釣り合うことによって、移動部材71xyの位置が固定される。換言すれば、2組の挟持部(52,62),(53,63)によって移動部材71xyが挟持され、接触位置(PT12,PT22),(PT13,PT23)がそれぞれ挟持方向(ここではY方向)において+Y方向に微小量ΔY0移動することによって、移動部材71xyが+Y方向に微小移動する。
【0175】
ここにおいて、移動部材71xyがX方向および/またはY方向に移動する際には、ベース部材3と移動部材71xyとの間へのエア供給が行われる。移動部材71xyに設けられた複数の貫通孔を通して、当該エア供給が行われる。エア供給状態で移動部材71xyが移動することによって、ベース部材3との摺動抵抗が低減され、移動部材71xyはベース部材3に対してスムーズに移動することが可能である。好ましくは、移動部材71xyは、ベース部材3から浮いた状態(浮上状態)でスムーズに移動する。
【0176】
一方、移動が終了すると、エア供給が停止される。さらに今度は逆にエアの負圧を利用して、移動部材71xyはベース部材3に対して吸着保持される。なお、エアの負圧を利用した吸着動作は、移動部材71xyに設けられた複数の貫通孔を通して、(今度は逆に)エアを吸引することによって行われる。この際、移動部材71xyの底面がベース部材3の上面(平面)に面接触して保持される。このような面接触保持(より詳細には吸着保持)によって、移動部材71xyは非常に安定的にベース部材3に固定される。
【0177】
また、移動部材71xyには、X方向移動部材72と同様に、ガイド部78が設けられている。Z方向移動部材73は、ガイド部78を用いて案内されることによって、移動部材71xyに対してZ方向に移動することが可能である。
【0178】
以上のような変形例に係る駆動機構70(70B)が用いられてもよい。
【0179】
また、上記各実施形態等においては、各マークは、同軸照明系を用いた照明によって撮影されている(換言すれば、マークからの反射光を主に用いて当該マークが撮影されている)が、これに限定されない。たとえば、両対象物91,92の上方側(一方側)に照明(光源)を設け、当該光源から出射された光を両対象物91,92のマーク部分(アライメントマークMK1a,MK2a)にて透過させる。そして、その透過光が、両対象物91,92の下方側(他方側)に設けられた撮像部を用いて撮像されるようにしてもよい。換言すれば、各アライメントマークの部分を透過した透過光のみを用いて当該各アライメントマークMKに関する各撮影画像が取得されるようにしてもよい。
【0180】
また、上記各実施形態等においては、撮影用の光として赤外光が用いられているが、これに限定されず、たとえば可視光が用いられてもよい。その場合、ステージ12においてマークに対応する部分には、透光部(ガラス等の透光性材料によって構成される部分あるいは中空部)が設けられればよい。また、各対象物91,92のカメラ側の面(たとえば、下側の面)にアライメントマークがそれぞれ設けられるとともに、カメラ側の対象物(たとえば91)に光を透過させる部分(透光部)が設けられればよい。
【0181】
また、上記各実施形態等においては、2つの撮像部(カメラ)75M,75Nを用いて、左右両側のマークMK(MKa,MKb)を並列的に(ほぼ同時に)撮影して各撮影画像を取得する場合を例示するが、これに限定されない。
【0182】
たとえば、1つの撮像部75(たとえば75N)をX方向および/またはY方向等に移動することによって、同一の対象物対(91,92)内の左右両側のマークMK(MKa,MKb)に関する各撮影画像を逐次的に撮影して取得するようにしてもよい。より詳細には、1つの撮像部75Nが、アライメントマークMK1a,MK2aを撮影した後に、Z方向および/または水平方向に移動し、さらにアライメントマークMK1b,MK2bを撮影するようにしてもよい。換言すれば、或る1組のアライメントマーク(MK1a,MK1b)に関する直前の撮像位置とは異なる位置にて、別の1組のアライメントマーク(MK1b,MK2b)が撮影されてもよい。このような場合において、上述の駆動機構70Nを用いて撮像部75Nを移動することによれば、移動停止後の撮像部75Nの揺れを良好に抑制すること等が可能である。換言すれば、移動側部材71,72,73の少なくとも1つの方向における移動後において、当該移動側部材が固定側部材73に対して面接触して保持された状態で、2つのマーク(MK1b,MK2b)のうちの少なくとも一方のマーク(MK1b)が撮像されるので、移動停止後の撮像部75Nの揺れを良好に抑制すること等が可能である。
【0183】
なお、この場合、対象物91に設けられたアライメントマークMK1(MK1a等)と対象物92に設けられたアライメントマークMK2(MK2a等)とはそれぞれ個別に撮像されてもよいが、これに限定されない。たとえば、対象物91に設けられたアライメントマークMK1と対象物92に設けられたアライメントマークMK2とが同時に撮影されてもよい。より詳細には、2つのアライメントマークMK1a,MK2aの双方を含む1枚の撮影画像(左側の撮影画像)Gaと、2つのアライメントマークMK1b,MK2bの双方を含む他の1枚の撮影画像(右側の撮影画像)Gbとがそれぞれ取得されてもよい。すなわち、1つの撮像部75Nが、アライメントマークMK1a,MK2aを同時に撮影した後に、Z方向および/または水平方向に移動し、さらにアライメントマークMK1b,MK2bを同時に撮影するようにしてもよい。
【0184】
また、上記各実施形態等においては、移動完了状態において3つの移動部材71,72,73が互いに平面で面接触して吸着保持されているが、これに限定されず、3つの移動部材71,72,73が互いに曲面で面接触して吸着保持されてもよい。
【0185】
また、上記各実施形態等においては、撮像部75(その光軸がZ方向に沿って配置された撮像部)を当該Z方向に移動させる前後の各位置で、Z方向において異なる位置を有する各アライメントマーク(MK1,MK2等)がそれぞれ撮影されているが、これに限定されない。端的に言えば、フォーカス調整方向は、Z方向に限定されない。具体的には、光路変更手段(ミラー等)を用いて光の進行方向が変更されるようにしてもよい。
【0186】
たとえば、撮像部75の光軸がZ方向以外の所定方向(たとえばX方向)に沿って配置されるとともに、当該所定方向(たとえばX方向)に移動部材を駆動することによって撮像部75がX方向に移動されるとともに、光路変更手段(ミラー等)を用いて光の進行方向がX方向とZ方向との間で変更されるようにしてもよい。より詳細には,X方向(−X方向)に進行する光(撮像部75の同軸照明系から出射された光等)がミラーで反射されてZ方向(+Z方向)に進行するとともに、Z方向(−Z方向)に進行する光(マーク等にて反射された光)が当該ミラーで再び反射されて今度はX方向(+X方向)に進行し、撮像部75で受光されるようにしてもよい。
【0187】
これによれば、撮像部75をX方向に移動することによって、2つの対象物の対向面に垂直な方向(Z方向)において互いに異なる位置に配置された2つのアライメントマーク(MK1,MK2等)の合焦状態を調整することが可能である。換言すれば、2つの対象物の対向面に垂直な方向(Z方向)において互いに異なる位置に配置された2つのアライメントマーク(MK1,MK2等)を、フォーカス調整方向における互いに異なる位置(X方向位置)で撮像することが可能である。
【0188】
同様に、上記各実施形態等においては、撮像部75をXY平面(水平平面)に沿って移動させることによって、当該XY平面において異なる位置を有する各アライメントマークがそれぞれ撮影されているが、これに限定されない。
【0189】
たとえば、撮像部75をXY平面以外の面(たとえばYZ平面)に沿って移動させることによって、XY平面において異なる位置を有する各アライメントマーク(MK1,MK2等)がそれぞれ撮影されるようにしてもよい。詳細には、上述のような光路変更手段等が用いられればよい。より詳細には、撮像部75の光軸がX方向に沿うように撮像部75が配置されるとともに、カメラ駆動機構70による撮像部75の平面移動がYZ平面に平行な2つの方向にて行われればよい。そして、光路変更手段(ミラー等)を用いて光の進行方向がX方向とZ方向との間で変更されればよい。
【0190】
また、上記各実施形態等においては、2つの対象物91,92が上下方向に並べられて配置されているが、これに限定されず、2つの対象物91,92は別の方向(たとえば左右方向)に並べられて配置されてもよい。
【0191】
また、上記各実施形態等においては、基板と基板との位置合わせ(ウエハオンウエハ(WOW:Wafer-on-Wafer)接合技術)に本発明が適用される態様が例示されているが、これに限定されない。換言すれば、アライメント処理の対象物は、基板同士に限定されない。たとえば、1枚の基板と複数のチップのそれぞれとの位置合わせ(チップオンウエハ(COW:Chip-on-Wafer)接合技術)に本発明が適用されてもよく、あるいは、チップ同士の位置合わせ(チップオンチップ(COC:Chip-on-Chip)接合技術)に本発明が適用されてもよい。
【0192】
また、ナノインプリント処理における、基板とモールド(透明金型等)との位置合わせに本発明が適用されてもよい。より詳細には、基板とモールドとの両者を(アライメントの)対象物として、基板とモールドとの対向方向に垂直な平面内にて当該両者の位置合わせが行われる際に、上述の思想が適用されてもよい。なお、このような処理は、基板とモールドとの間に樹脂(光硬化性樹脂および熱可塑性樹脂等)を介在させた状態で、互いに対向配置された基板とモールドとの両者を接触させて加圧する装置(加圧装置とも称する)等において行われればよい。また、当該両者は、被加圧物とも称される。さらに、当該加圧装置は、樹脂を用いた各種の樹脂デバイスを製造する樹脂デバイス製造装置であるとも表現される。
【0193】
たとえば、
図20および
図21に示されるように、樹脂88がその表面に塗布された基板82と当該樹脂に押し当てるべきモールド81とを水平方向(基板82の主面に平行な方向)(
図20等における横方向等)にて正確に位置合わせする際に、上述の思想が適用されるようにしてもよい。なお、
図20は、基板82とモールド81とが離間した状態を示す図であり、
図21は、基板82とモールド81とが接触した状態を示す図である。当該位置合わせは、両者の離間状態(
図20参照)にて行われてもよく、あるいは、両者の接触状態(
図21参照)にて行われてもよい。